リザルトノベル

●支援部隊 執筆:わかまつ白月 マスター

 夕刻、ウィンクルムたちはルミノックス途中のポイントに向かっていった。
 情報ではこの場所に300人の民間人がオーガに捕まっているという。
 ルミノックスへ連行されそうになっているのだ。
 間に合うのは支援部隊のみということで、緊急出動となった。
 指定ポイントにつくと、異変に気がつく。
 馬車が複数台、オーガによって引かれていた。
 馬車の中にすし詰め状態に人が詰め込まれている。
 ウィンクルムたちはぎょっとしたが、命に別状がないということにすぐに気がつき、救助活動を開始した。
 護衛のオーガたちをウィンクルムたちが気を引き、その隙に救助を始めた。

「なんて酷いことをする連中だ」
「おい、早く繋がれている鎖を解いて差し上げろ」
「了解しました」

 班目 循とチェスターは先陣を切って救助に当たった。
 護衛のオーガが応戦してくる。
 梨音 順花ペアとエメット・ルルニティスペアは武器を持ってオーガの不意を突いて致命傷を与える。

「グォオオオオオ」

 オーガが叫び、すぐに周辺にいたオーガたちが集まってきた。

「オーガが相手だ。怪我はするな」
「お任せ下さい、循様。
 循様こそ、お怪我の無いよう」

 チェスターはそう言い、護衛のオーガたちをカットラスで切り裂いていく。
 オーガたちはウィンクルムにかなわないと判断したのだろう。
 護衛のオーガたちが馬車にガソリンをかけ始めた。
 狡猾なオーガだった。
 着火される寸前のところで、ウィンクルムたちはオーガの撃破に間に合うことができた。
救出班が出発した直後から炊き出し班は仕事をすることになる。
 けが人が大量に出たのだ。
 正面攻撃部隊がオーガと衝突し、大激戦となっているという情報が支援部隊に報告されていた。
 次々と運び込まれてくるウィンクルムたちは裂傷に打ち身、骨折など様々な怪我が見受けられる。
 日々の冒険で培った治療技術で、ファラペア、七瀬 あやはなペア、リヴィエラペア、采女 澪ペア、月泉 悠ペア、リリコ・ゲインズブールペア、ミヤ・カルディナペアは必死に治療を施した。
治療をしても終わりが見えないほどに、けが人が運び込まれてくる。
 当初の予想を大幅に上回る5倍のけが人が担ぎ込まれてきていた。
 治療所は今やけが人であふれかえっている。
 医学の知識だけではなく、魔法の力にも頼って、できるだけ多くのウィンクルムたちを治療しようと頑張った。
 夜になって雨が降り始めてきた。
 戦況に影響がないか気になる。
 それでもこの場にいるけが人の手当が済んでいないので、動くことはできない。

「おにぎりと豚汁を作りましょうよ」
「治療で遅れましたが、今からでも、みんなで協力すれば、最前線のウィンクルムたちに食事を運ぶのも間に合いますね」

月野 輝とアルベルトは手早く大人数分作れるからと、おにぎり、豚汁を作ろうと他のウィンクルムたちに告げて、作業を開始した。

「暖かい物食べて、みんなに元気出して貰わなくちゃね」

 輝は献身的に作業を行う。
 実家の道場で行う合宿を手伝った経験があり、大人数の食事を作ることになれているため、リーダーシップを発揮している。
 できあがった食事を一食分ずつ包むと、メーティス・セラフィーニペア、ナタリア・ドラゴミノフペア、アンナ・コルベールペア、カイネ・ヴィットナーペア、夢路 希望ペア、コカコペア、風月凛ペアは最前線に向けて食事を運ぶ。
 道中はオーガに狙われる可能性がある。
 精霊達は食事を運ぶだけではなく、神人たちが怪我をしないようにと警戒を怠らずに道中を急いだ。
 食事の匂いに誘われてきたのか、オーガの集団が襲いかかってくる。

「輝、私から離れないで下さいね。
 オーガの相手と輝の相手を同時にするのが難しくなりますから」
「アルこそ警戒して。
 数は多くないけど、私たちじゃ持て余す数よ」
「それでは、急いでオーガたちをオペしないといけませんね。
 二度と動けないように」

 被害は少なからず出た。
 それでも食事を運ぶのに支障はほとんど無く、最前線で戦うウィンクルムたちを飢えさせることにならなくて済んだ。
 雨がやみ、夜の闇が深くなってくると、ルミノックス内部で戦闘が始まった。
 治療所で、楓乃ペア、アンナ・イスフェルトペア、篠宮潤ペアが中心になって活動を開始する。
 オーガとの戦闘は激しく、回復支援は休む暇が無い。
 清浄のオーブを持って回復の詠唱は、口腔粘膜が乾ききるほど繰り返した。
 治療の手も休めずに、医術と魔法の両方をフルに使って癒やしていく。
 瘴気に犯されて重態となっているウィンクルムたちを回復し続ける。

「ボッカは前線の部隊が頑張っているわっ!
 必ず勝ってみんなで戻りましょう。意識をしっかり保って」
「希望は捨てるな。俺たちが治療を続ける限り、お前達は無事だ」

ミオン・キャロルとアルヴィン・ブラッドローは治療をしながら声かけをして、瘴気に倒れたウィンクルムたちを勇気づける。
今、最前線の部隊は無事にギルティ、ボッカを倒しているだろうか?
 そんな不安が治療所に渦巻いていた。
 ついに本格的に、ギルティとの戦闘があったと報告が入って来ると同時に、けが人の数は膨れあがった。
 すでにけが人は数千人に達している。
 ウィンクルムたちの治療のキャパシティをすでにオーバーしていることは明らかだ。
 このまま戦闘が続いたらどうなってしまうのだろうか?
 死人が出るのではないかと治療室の空気が重たくなっていく。
 速報が入ってきた。

『ボッカ、逃走。ウィルムンクたちの勝利』

 治療室は喜びと安心感に満たされた。
 これ以上けが人が出ることがないからだ。
 支援活動は非常に神経をすり減らす。
 最前線に立っていない分、安全だが、情報が遅い。
 常に状況が変わる戦場では情報は命だ。
 いたずらに不安をかき立てられてきた分、安心した後に疲れがドット押し寄せてくるのを多くのウィルムンクたちは感じた。
 ボッカがいなくなったため、次の仕事が支援部隊に与えられる。
 今回の作戦の総仕上げといっていい。
 ルミノックスに入り、ボッカによって狂わされた温泉の源泉を復旧する作業だ。
 復旧には清浄のオーブを使用する。
 回復部隊は残して、少数のウィンクルムたちでルミノックスに向かっていった。
 ルミノックスの中は想像を絶する瘴気に満たされている。

「清浄のオーブに力を全力で注ぎ込まないとダメそうね……」
「ルミノックスの中がこれだけ酷いとはね。
 ここにはもう敵はいないんだ。
 ぶっ倒れるまで力を注ぎ込もうじゃないの」

日向 悠夜と降矢 弓弦は清浄のオーブを源泉にかざして詠唱をした。
 体からものすごい勢いで力が抜けていくのを感じる。
 清浄のオーブがフル稼働しているのだ。
 ほかのウィンクルムたちも源泉に向かって清浄のオーブを使っていく。

「こいつは……さすがにつらいな。
 清浄のオーブがこんなに大食らいだとは思わなかったぜ」

 ウィンクルムの治療に必要な力とは比べものにならない量が消費されていた。
 源泉全体を回復させようというのだから当然である。
 弓弦は顔をしかめながらも、力を注ぎ続けた。

「消費が激しいよ。私……もう限界」

 悠夜は疲労でその場に倒れ気を失った。
 それに続くようにして、弓弦の意識も遠のいていったのだった。

「あと少しで源泉から瘴気が消えるのに!」
「みんな、踏ん張り所だぜ!」

八神 伊万里とアスカ・ベルウィレッジは清浄のオーブに力を注ぎ込み続ける。
 ほとんどのウィンクルムたちが気絶している中、最後まで意識を保ちながら活動を続けている。
 ついにルミノックスの源泉から瘴気が完全に消え失せた。

「やったぜ! これでみんな助けられる……」
「ええ、私たちは勝ったのよ、ギルティに……」

 伊万里とアスカは源泉が回復したのを見届けてから気を失った。
 復旧したルミノックスは瘴気を回復することができる。
 これで、治療が終わっていないウィンクルムたちを治療すれば数千の命が救えるのだ。
 支援部隊の活動は多くのウィンクルムたちを救うことができたのだった。

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