リザルトノベル
●正面攻撃部隊 執筆:わかまつ白月 マスター
時刻は夕刻になった。曇りのため夕日は見えない。
ルミノックス入口正面にウィンクルムたちはいた。正面突破を成功させるべく、全員の士気は高い。
視界に入るオーガの量は数えるのを止めてしまいたくなるほどの量がいる。
森だったこの場所は、瘴気で葉が落ちて見晴らしがいい平地に姿を変えていた。
トランス状態になり、オーラを纏ったナハトが二本のダガーを素早く滑らせて、次々とオーガを刻んでいった。
「オーガ……、殲滅する!」
瞳に狂気の宿ったナハトの発する殺気に、田口 伊津美は固唾を飲んでいた。
いつものナハトではない。何かが取り憑いたかのように感情がうかがえない。
「こんな馬鹿ロボット見たことないよ……。
私も負けていられない!」
伊津見は用意していた大出力のアンプセットの電源を入れると、音楽を流し始める。
「私ができることは歌うことくらいしかないよ。
でも、私ができることを全力でやるから!」
マイクに向かってアップテンポの曲を歌う伊津見。
オーガたちに戦線をおされて苦戦してきている。
ウィンクルムたちは伊津見の全力の歌を聞いて気力を取り戻し、士気が高揚してくる。
魚類のような頭部をもつオーガ、ヤックドーラは誘い込んで囲んだりと組織的な動きをしてきて、応戦に苦戦している。
ウィンクルムたちを囲んで動きを封じたところで、かえるに近い形状の、魔法を使うオーガ、ヤグマアルが高火力魔法を撃ち込んでくるのだ。
ヤックドーラ隊がイフェーネ・サヴァリーペア、クロスペア、ふぅペア、アリシエンテペア、サヤカペア、イヴペア、ブランゼン・ビッケンバーグペアの猛攻で後退していった。
ところが、それはヤックドーラ隊の作戦だった。ヤグマアル隊が気がつかぬうちに後ろに回り込んでいて集中攻撃を受けてしまう。
被害は甚大で、けが人が続出してしまった。
ウィンクルムたちはすぐに陣形を立て直そうと、決死の反撃に出た。
結城 舞ペア、シリア・フローラペア、葵ペア、エリー・アッシェンペア、あみペア、信楽・隆良ペア、七草・シエテ・イルゴペア、マリーゴールド=エンデペア、ハンナ・ノイエンドルフペアによる猛攻撃でオーガのヤグドーラ隊をどけて集中攻撃を受ける状況をクリアした。
しとしとと雨が降り始める。日は沈み辺りは暗闇に包まれた。松明がたかれ、炎の明かりだけがこれからの戦闘の頼りだ。
「オーガの詠唱つぶしっていうのも、一つの戦い方だね」
「遠距離攻撃は戦況を大きく変えるということをオーガの連中に思い知らしてやろうぜ」
ハロルドとディエゴ・ルナ・クィンテロは、音無淺稀ペアたちと協力して、魔法を使うオーガであるヤグマアルを狙撃した。
銃弾は面白いように着弾する。
数が多いので身動きがうまくとれないようだ。それに詠唱するときに動きが止まる。
狙いやすい的だった。
ペシェペア、シャルティエ・ブランロゼペア、マリアベル=マゼンダペアも支援攻撃を行っていた。
効果は充分に得られている。
夜の闇が深くなる頃になり雨は止んだ。
司令塔になっているのはヤグドーラ隊であることは明確だった。
本部からの連絡でも優先的にヤグドーラ隊を叩くようにと通達がでている。
ウィンクルムたちを大動員した、挟撃作戦を行うという。
作戦時刻が来たと同時に、ニーナ・ルアルディペアが先頭になってヤックドーラ隊に向かって走り出した。
「これでも受けなさい!」
リーリア=エスペリットは落ちていた手頃な石を隊長と思われるヤックドーラにぶつけた。
ヤックドーラは何ともない風だが、リーリアの方に視線を向ける。
それがヤックドーラの命取りとなった。
「キミは僕の獲物です」
ジャスティ=カレックのブロードソードがヤックドーラの体に深々と刺さる。
他の部隊のウィンクルムたちとの挟撃よって司令官のヤックドーラ隊は見事に全滅した。
一仕事終えても息をつく暇はなかった。
味方の潜入部隊がルミノックスの扉を開いたのだ。
手屋 笹ペアは闘志を奮い立たせて突入していった。
それに続くようにして、ウィンクルムたちは一斉にルミノックスになだれ込む。
ルミノックスの内部は薄暗かった。通路も狭くて曲がりくねっている。
小さな小部屋が無数にあり、迷子にならないように潜入部隊の道案内で新月の湯に向かうのだった。
新月の湯はルミノックスの最深部にあった。
テニスコートが丸ごと入ってしまうほどの広さのスペースがある。
大きめの鍾乳洞の部屋になっていた。
中央にある湯船にギルティ、ボッカがいた。
ウィンクルムたちに囲まれているにも関わらず、特に焦った様子はない。
「なんだ!てめーら! 俺のファンか?! ……ん? なんだ、ウィンクルムかァ」
ニヤニヤと余裕の笑みを浮かべながらウィンクルムたちを見回すボッカ。
「へっ……これっぽっちか。 ま、しゃねぇ……遊んでやるよ」
ボッカは人差し指をさしだし、ほんの少しだけ動かした。
刹那、鋭い閃光が放たれ、温泉が一瞬で蒸発した。
激しい蒸気と飴のように溶ける岩肌にウィンクルムたちは戦慄するのだった。
「個別に相手にすんのも面倒だ。
まとめて相手をしてやるよ」
ボッカはそう言うと、ウィンクルムたちの前で分身する。
どのような原理なのかはわからないが、分身一体ずつがそれぞれボッカであることは疑いようのないプレッシャーを感じた。
「挨拶代わりに、オーガ軍団の大幹部、ボッカ様の技を見せてやるよ」
ボッカが横凪に手を動かすと眩しいほどの閃光が放出される。
ウィンクルムたちの視界は白く染まった。
光が消えるとウィンクルムの多くが気絶をしていた。
圧倒的な火力の攻撃に一撃で倒されてしまったのだ。
残されたウィンクルムたちは、恐れを力に変えて立ち向かう。
「アンタじゃあたし達には勝てないぜ。
一対大勢じゃ大勢が有利だぜ!」
「早瀬のいう通りだ。
オーガ軍団の大幹部を自称しているようだが、俺たちは負けない!」
油屋。の合図でサマエルはボッカにベク・ド・コルバンという鈍器で殴りかかった。
「威勢がいいのがいるじゃねーか」
ボッカはあえて攻撃を避けずに直撃を受けた。
手応えは充分だ。
ボッカは一瞬もサマエルから視線を外していない。
直撃を受けたこの瞬間もへらへらと笑っていた。
「満足したかよ?
今度はこっちからいくぜ!」
ボッカが繰り出した蹴りを受けてサマエルは鍾乳洞まで蹴り飛ばされて、太い鍾乳洞を三本折ったところで勢いが止まった。
「大丈夫か、サマエル!?」
油屋。は慌ててサマエルに駆け寄る。
サマエルはあまりのダメージに気絶していた。
突如、鍾乳洞の部屋に鶏の鳴き声が響いた。
「コケェェエ、コケェエコッコォオオ!」
鶏の鳴き声が弱点ではないかという情報を元に、鶏の鳴き真似をウィンクルム全員で行ったのだ。
ロア・ディヒラーペアの鳴き真似は特にうまく、ボッカを苦しめる。
「グゥワァア
この鳴き声はァアアア
頭が痛いぞォオオオオ!」
ボッカは先ほどまでの余裕はどこに行ったのか、鶏の鳴き真似で、その場にうずくまる。
これを好機とウィンクルムたちは総攻撃を始める。
刃が舞い、鈍器が振り下ろされ、銃弾が飛ぶ。魔法が放たれボッカはあっという間にボロボロになっていった。
「銀雪、とどめといこうか?」
「ああ、この一撃で終わらせる」
リーヴェ・アレクシアと銀雪・レクアイアの攻撃がボッカを貫いた。
今までで最高の手応えを感じる。
この一撃を食らって無事でいられるとは思えない。
「イテェエエ!
痛いぞォオオ!
鶏の鳴き真似なんて卑怯だぞ!
世界一のプレイボーイの俺がこんなところで負けるわけにいくかよ。
勝負の続きはまた今度だからな。
いいか、俺は負けたなんてこれっぽっちも、ちっとも思ってないんだからな!
これで勝ったと思うなよォオオ!」
ボッカがマントを振ると、攻撃を加えていたウィンクルムたちは、はじき飛ばされてしまう。
それでも、致命傷になるような攻撃は今のボッカにはできないようで、気絶には至らなかった。
ボッカが自分の姿をマントに隠すと、闇に溶けるようにして消えていった。
ボッカを撃退したのだ。
ウィンクルムたちは勝利にわいた。
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