


タブロス市内のカフェの一角。
あなたとパートナー、そして仲間のウィンクルムたちは、暇を持て余していた。
「せっかくいい天気だし、買い物でも出かけようよ」
「給料日前だから、却下」
「じゃあ公園で光合成でもしませんか」
「そんなおじいちゃんじゃあるまいし……」
「体動かさねえと、なまっちまうぞ?」
「あーだめだ、こいつ今日腰痛いって」
意見はまとまらないままに、うだうだ時間を過ごしている。
そこに。
「あああ、だめだ!」
「先生しっかりしてください、だめじゃないです! タイムリミットはまだです!」
「そんなこと言われても、無理なものは無理なんだ!」
見れば、声の主の男性は、カフェのテーブルに突っ伏せて、いやだいやだと頭を振っていた。
その横では女性が困り切った顔で、そんな彼をなだめている。
「先生、大丈夫ですよ。誰でも最初は初心者なんです。みんなこの山を乗り越えるんです」
「だったら、初心者の僕にこんな難題を突きつけないでくれよ! いくら笑いは免疫力を高めると言っても!」
男性は、だん! と机を叩いた。
「面白い話……?」
「勇者が出てきて敵を倒すとか? 定番だよな」
「もしかしたら学園ものかもしれないよ」
「いやいや、動物が出てくるハートフルな話だろ」
「シリアス路線かもしれないぞ」
「面白いだけじゃ、定義があいまいだけどな」
暇にまかせて話していると。
「その設定、もっと詳しく!」
男性がウィンクルムたちのテーブルに張り付いていた。
どうやら彼と『面白い』話を考えることになりそうである。


カフェで何かを頼んだということで、300jrいただきます。
本筋に関係ないのに申し訳ありませんが、諸事情です。お察しください。
さて、あなたは先生と呼ばれる男と一緒に『面白い』話を考えることになりました。
たとえばあなたがその作品に出るとして。
それはどんな話?
あなたの役柄は?
喋ってみたい台詞はなに?
本来のウィンクルムの設定や性格とは関わりなくて結構です。
その話の中で演じたい役の設定と、言ってみたい台詞(ひとり2個)をプランに記載してください。
台詞はかぎかっこでくくってください。
要は、皆さんが言いたい台詞の合間を、アドリブで埋めることになります。
また、プランは役柄を演じているものとして、その口調で書いてもらえると助かります。
【たとえば】
俺は騎士だ。白馬にのって登場するぜ。
白いマントとヒヨコの紋章の剣がかっこいいだろ?
っていっても守るのがアイツ(相棒)じゃなあ。
でもそれが役目だからな、姫じゃないけど守ってやるぜ。
「おい、俺に任せろって言ってるだろ!」
「お前、案外強かったんだな」
などです。
騎士と魔法少女と生徒会長がいても構いませんが、明らかにカオスになります。
(もちろんそれを狙うのもアリです)
成功条件は、先生が納得することです。
先生:
作家ではなく医師。入院患者を楽しませたいと話の作成を押し付けられた。
流されやすい性質。好きな食べ物は、ウサギの形に切ったりんご。
要は『それぞれ好きな役を演じてみようぜ!』という、お遊びなエピです。
実際に劇なのかテレビ番組なのか舞台なのか、細かいことはお気になさらず。
やりたいようにやってください。
リアルではなく、あくまで『自分たちが参加する話を考える』という設定です。
また、こちらのエピは、
・ウィンクルム間の交流があります
・アドリブ多め、多少なりともキャラのイメージが崩れる可能性があります
ので、ご注意くださいませ。
作中作のなかの行動ですが、いちゃいちゃ要素の高すぎるものにつきましては、通常の関係性及び親密度に基づいてマスタリングいたします。


◆アクション・プラン
アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
|
勇者が出てきて魔王が居て姫を助けるってのは定番だけど分かりやすいし、 第一作目はそれで良いんじゃないかな 子供達が感情移入したり笑えたりする話…か…(真剣考え ◆役 勇者が居る世界なら「魔王」だな かの者統治下で魔界は平穏であった 姫は…訳を話して招待した 「俺は遠見の水晶に映った勇者に一目惚れしてしまったんだ。 どうか姫の力を貸して欲しい。 敵としてでも良い。勇者に会いたいのだ」 姫を助けるため魔族を退けて進む勇者 俺だけを考え俺を目指して向ってくる… ああ、勇者が俺に会いに来る 「よくぞここまで辿り付いたな勇者よ」 歓喜に奮えつつ魔杖を掲げよう ◆ …って、これは子供向けとは違う気が(悩む 看護士には受ける?(それもどうよ |
|
オレは演るならやっぱRPGゲームの勇者的なヤツが良いなぁ。 困難には全力で立ち向かって行く、的な? 「ヤレば出来ると」いうか! むしろ「どんな時にも全力を出すぜ」って目を輝かせてだな! 『出来る、出来ないを決めるのは自分だ!』ってドコカの誰かも言ってたじゃん。そんな感じでさ。 普段なかなかいう機会も無いじゃん? ばしっとタンカ切ってみたいぜ。 格好は別にどんなのでもいいんだ。ファンタジーっぽくなくても。 普段は普通のその辺に居るよーな兄ちゃんが決める時にはキメるという感じでだ。こう、拳を天に突き上げて心を鼓舞するんだ! ストーリーは皆で話しているうちに何か良い感じに浮かんでくると信じてる(アドリブ大歓迎な流れ) |
|
えーっと……結局俺、馬やらされんの!? ああそうだねもう選択肢すら並べられなかったよね、畜生! いいよやってやるよ、それで笑いが取れて落ち込んでる人が笑顔になってくれるなら……なら……ッ、く、っそおおおおおおお!!!(慟哭 (精霊を肩車する黒馬望がここに爆誕するのだ。かっこいい) (ポジションは馬です。馬以外の役割もなければ人権も与えられないアレ) 『ひひーん』(死んだ目 『待ってっ!この話は一体何処に向かってんだよッ……!頼むせめて突っ込ませてッ!』 |
困惑したような、あるいは諦めたような顔で、終夜 望は、先ほどの会話を思いだす。
テーブルに張り付いた先生を前に、たしか言いだしたのは、セイリュー・グラシアだった。
「オレは演るならやっぱRPGゲームの勇者的なヤツが良いなぁ。困難には全力で立ち向かって行く、的な?」
「セイリュー、君、普段から結構そんな言動してるよ。自覚がないってある意味怖いよね」
相棒のラキア・ジェイドバインが苦笑を浮かべる。
しかしその顔はすぐに、正真正銘の笑顔になった。
「演ってみたいのはRPGの賢者系というか、攻撃系魔法も回復系魔法もOKな感じなのが良いなぁ」
「勇者が居る世界なら、俺は『魔王』だな」
ふむ、と考える素振りで言うのは、アキ・セイジ。
隣ではヴェルトール・ランスが「俺は勇者を追ってきた友人……宮廷魔術師ってとこか」と頷いている。
「じゃあ私、黒馬に乗った魔法使いで。悪人善人どちらでも可だ」
イレイスはさらりと、それはもう当たり前のように言った。
だが、ちょっと待て、である。
「えーっと……それって俺、馬やらされんの!?」
望がまじまじと、兄イレイスの顔を見る。
だが彼は、平然と。
「私達は双子だからな、どのような役が必要とあっても、二人力を合わせてやってみせようではないか」
いやそんなかっこよく言っても無駄だし、役が必要っていうか、馬を必要としているのはアンタだけだろうという突っ込みは、残念ながらどこからも起きなかった。
はああああ。望はひどく深いため息をつく。
「いいよやってやるよ、それで笑いがとれて落ち込んでる人が笑顔になってくれるなら……なら……ッ、くっそおおおおおお!!!」
※
この世の果てか、はたまた地の底かは、わからない。
だが、かの者統治下で、魔界は平穏だった。
すべての者は魔王にかしずき、覆そうとする者がいなかったのだ。
それが自身の強大な力ゆえということは自覚している。
――しかし。
「穏やかなだけの日々は、退屈だ」
しんと静まり返った黒水晶の城で一人、魔王・アキ・セイジは地上を見下ろすのが日課になっていた。
肩から下、すべてを覆うマントを引きずり、愛用の水晶のもとへと進む。
地上の観察は、当初は、ただの暇つぶしであったはず。
だがいつしか彼は、そこに楽しみを見いだした。
善に満ちた魂を持つ、勇者の存在が、彼の孤独な心を惹きつけたのだ。
いかにして、あの光を手に入れようか。
魔王は考える。
そして思いついたのが、地上の姫を誘拐し、この城へと連れ去ることだった。
彼は姫に、懇願する。
「俺は遠見の水晶に映った勇者に、一目惚れしてしまったんだ。どうか姫の力を貸してほしい。敵としてでも良い、勇者に会いたいのだ」
一方の地上では、勇者・セイリュー・グラシアが、仲間とともに旅の真っ最中である。
青々と茂る木々。陽光差し込む森の中を、彼は意気揚々と進んでいた。
なぜかいきなり王に頼まれて、姫を助けに行くことになったのだ。
服装は、いつもの格好に剣を持っただけだが、問題はない。
「『出来る、出来ないを決めるのは自分だ!』ってドコカの誰かも言ってたしな!」
「そうだね、セイリュー。大丈夫、君ならできるよ」
勇者の右隣。
賢者・ラキア・ジェイドバインは、白が基調のそれなりにRPG風の服装で、花など愛でつつ歩いている。
この旅の目的はわかってはいるが、道のりはまだ長い。ペースを維持しなければ、こちらが疲れてきってしまう。
反対に、勇者の左隣でため息をつくのは、勇者の友人であり宮廷魔術師の、ヴェルトール・ランスだ。
「セイリュー、真の世界平和ってどういうことだと思ってる?」
彼は明るい森の中にも関わらず、沈痛な面持ちで尋ねた。
「やっぱ、皆が大事な人と一緒にいられること……とか?」
うーん、と考え答えるセイリューに、彼は「そうか……」とかなんとか、重々しく呟く。なんとなく気になるが、この様子ではどうせ聞いても、多くは語らないだろう。
「そうだね、やっぱり好きな人といられるのはいいよね」
ラキアは木々に咲く花を見上げた。明るい声を出したのは、ランスが明るい気持ちになればと思ってのことであるが、彼が不意に、足を止める。もふもふの耳がピクリと動き、すぐに。
「この先に、何かいる!」
セイリューは腰につけた剣に手をかけた。ごく一般的な、片手剣だ。
ラキアも両手杖をきつく握る。白い翼と赤い宝石で飾られたそれは実に美しく、彼が身にまとう長衣によく似合っていた。だが、もちろん装飾品なわけではなく、それなりに魔力を秘めている。
一行は、周囲に注意をしながら、慎重に歩いた。
森の中であるから、どこから敵が出てくるかわからない――と、思いきや。
「どうもー、誰かの願いをそこはかとなく叶えたい陰謀抱く妖しい魔法使いでーす」
明るい口調に対して冷静すぎるポーカーフェイス。そしてなにより、肩車。
黒馬・終夜 望に乗った魔法使い・イレイスの登場だ。
「誰かの願いをそこはかとって……」
曖昧すぎるしおかしすぎるし、言ってることだけフレンドリーだし、勇者一行としては誰かしら突っ込みたいところ。
しかしそうする間もなく、イレイスは、黒水晶のはまった杖を振り上げた。
さすが魔法使い、黒く妖しい影のような敵達(役者は随時募集中です)が、木の陰から、うにょうにょと飛び出してくる。
「うわ、なんだこれ!」
セイリューは叫びながらも、剣を抜いて飛び掛かって行く。
なにせ仲間は二人共魔法使い。とんだ魔法使い率だが、とりあえずこんなうにょうにょに絡まれたら、呪文だって唱えられやしない。
「セイリュー、いきなり飛び込んだら危ないよ!」
ラキアが呼ぶが、そんなことはわかっている。でも、セイリューは勇者なのだ。
「オレはどんな時にも全力を出すぜ!」
振り上げた剣で、目の前の影をばっさり切りつける。
だがすぐ横に、また別の影が!
振り下ろした剣を、今度は横なぎに。うにょうにょは、にょーんと腕を伸ばしてばたんと倒れた。
でもまだ敵は、たくさんいる。
「……もう、仕方ないなあ!」
ラキアは両手杖を高く掲げで、呪文の詠唱を始めた。
その間にも、セイリューの剣は、次々と影を倒していく。
これではだめだと、イレイスもまた、呪文を唱え始めた。杖の先、透明感のあった黒水晶が、どす黒い闇色に染まっていく。
ラキアの杖の赤い宝石は、最早眩しいほどの光をはなっていた。闇と光、相対する力に、空気がぴりぴりと痺れるほどの緊張感。この二つの力がぶつかり合ったらどんなことになるか……。
だが、ここまで増幅した魔力が、止められるはずはない。
ラキアが、イレイスが、力を開放する。
「セイリュー、逃げて!」
「ばっかやろう!」
ラキアが、戦いに夢中な勇者の名を呼び、そこにランスが飛び込んでいくのが、同時。
はたして、セイリューは無事に助かり、影は全て消失した。
「あ、ありがとう、ランス……」
「……友人を助けるのは、同然だからな」
二人は地面の上に座り込み、はあっと大きく息を吐いた。
ラキアもまた、ほっと肩を撫でおろす。
対してイレイスは地面に投げ出され、望はその傍らで、足を震わせながら、イレイスを見下ろしていた。
「魔王は、こんなものではないからな」
横たわったまま、イレイスの小さな声が響く。
「大丈夫だ、ヤレば出来る!」
どのタイミングでか、影にやられたのだろう。擦り傷のついた頬をこすり、セイリューは元気よく叫んだ。だがイレイスは、起き上がることすらできないくせに、余裕の笑み。
「ふっ……それはどうかな、私はこの時を待っていたッ! 行け、黒馬!」
「ひひーん」
この時ってどの時だよと突っ込みたい! だが、自分は馬だ! っていうか馬に攻撃させるのか!
言いたいことは山とあるが、なにせ馬なので発言を許されていない。
望は死んだ目をしながらもいななきを上げ、先ほどまで震わせていた足で地を蹴り、セイリューに飛び掛かろうとした。
だが傍らのランスと、駆け寄ってきたラキアが――。
「えいっ!」
杖で、馬の頭をぽかり。
「痛っ!」
黒馬は、あっさりとその場に崩れ落ちた。
「無理をしちゃいけないよ。君はさっき、俺の攻撃をかわすために、かなり頑張ったんでしょう?」
ラキアはそっと、望(馬)の頭を撫ぜた。望は金の瞳で、敵であるラキアをじっと見つめる。
「大丈夫、その傷、治してあげるよ。あと、そっちの魔法使いも」
ラキアの杖の宝石が、今度は淡く輝き、まずは望を、そしてイレイスの傷を癒していった。
「……このような結果では、魔王は立腹するだろうな」
『だけど治してもらわなきゃ、兄貴は動けなかったぜ』
「しかし敵に癒してもらうなど……さすがに魔王の元へは戻れまい」
『別に戻らなくてもいいだろ。魔王は俺達がいなくたって……』
イレイスと望が、言葉と瞳で語り合う。
勇者一行があちらで体を休めている内に、今後の方針だけでも話し合っておかなければ、と思い、座り込んで相談していたのだが、すぐ背後でラキアの声が聞こえた。
「話は聞いたよ」
彼は二人の前までやって来ると、左手はイレイスの前に、そして右手は望の前にと差し出した。
「大丈夫、もう心配いらないよ。君達も、仲間になればいいんだ」
「私達が、勇者一行の仲間に、だと?」
イレイスが、ラキアの顔を見る。
「お、それはいいな!」
話が聞こえたのか、セイリューも駆け寄ってくる。
「安心しろよ、魔王なら俺が倒してやるぜ! な、ランス!」
「あ、まあ……だな!」
ランスはとってつけたような、ひきつった笑みを、イレイス達に向けた。イレイスはそんな彼を見、何かがあるとは思う。だが、助けてもらった恩もあるといえば、ある。
『恩は、返すもんだ』
ほら、望(馬)の目も言っている。
ということで、イレイスと望も、勇者達に同行することになった。
そして大人な事情で、勇者一行は、魔王の城へとたどり着いた。
「いやあ、長かったな。イレイス達が道案内してくれなければ、こんなに早く来れなかったぜ!」
ありがとな、とセイリューは、イレイスと望の肩(……馬の肩?)を叩いた。
「特に、敵との対戦もなかったからな。道案内くらいしか、恩を返す当てがなかっただけだ」
イレイスが言う横で、ランスは渋面である。
そういえば彼は、城が近付くにつれて、どんどん口数が少なくなっていた。
何度かラキアが声をかけたが、理由は伝えられなかったのだ。
「それにしても、でかい城だな。ここに魔王がいるのか」
セイリューは、黒々とした城を見上げている。
「魔王は……」
城のどこにいるんだろう。そう問おうとしたセイリューを、遮ったのはランスだった。
「たぶん、奴の自室だろう」
驚き顔のセイリューの横で、ラキアが口を開く。
「なぜ、そう思うの? 旅の当初から思っていたんだけど、ランスはなにかを知っているんじゃない?」
「とりあえず、謁見の間に案内しよう。魔王の私室は城のどこにあるか、私は知らないんだ」
黒馬・望に乗ったイレイスは、勇者達の先頭に立ち、彼らを導いていく。
見事な城門を過ぎ、石畳を通って城内に入り、黒光りする石に囲まれた冷たい廊下を、ひたすらにまっすぐ進む。
魔王は、イレイスと望が勇者達の側についたことを知っていた。
だが、彼らが勇者をここに案内するのであれば、反逆は必要だった、としか言いようがない。
「彼は、俺だけを考え、これを目指して向かってくる……。ああ、勇者が俺に会いに来るのだ」
セイジは身震いした。初めて水晶で見て以来、恋い焦がれた相手に、やっと対峙できるのだ。
勇者が城門をくぐると同時、遠見の水晶のある自室から、謁見の間へとやって来たのは、高揚する気持ちを抑えられなかったからである。
かつては同胞だった魔法使いが、勇者を導き、黒い床を進んでくる。
彼らの足が制止し、足音が途絶えると同時、セイジは魔杖を掲げた。
「よくぞここまで辿り付いたな、勇者よ」
「お前が、魔王か!」
セイリューは一歩、大きく足を進めた。手を剣の柄に添えて、叫ぶ。
「姫はどこだ!」
「いきなり尋ねるのが、姫のことか。俺はお前に会うのを、待ち望んでいたというのに」
どういうことだ? とセイリューが首をかしげる。
「……まさか、姫を使って、セイリューをおびき寄せて、殺そうってこと?」
ラキアは両手杖を強く握り締めた。絶対にそんなことはさせないとばかりにセイジを睨み付ければ、彼はうっすらと口角を上げる。
「半分は当たりだが、半分は違うな。俺は、勇者。君達ともっと親しくなりたいのだ」
「……親しく? なんでそんな必要があるんだ」
セイリューは、セイジに問うた。
最近の定石ではいろいろ変わってきているようだが、勇者と魔王といえば、敵対するのがやっぱり一般的ではないのか。
それにもともとこの魔王、別にこっちの国に戦いとか仕掛けてきてないのに、親しくなりたいなんて、ただ単に友達になりたいっていうだけに聞こえる。
こういう時、勇者はどうするのが正しいんだろう。
やっぱ悪いことをしてない相手に斬りかかるっていうのはだめだよな。ってことは「わかった」って言えばいいのか。
【問い】勇者とは?
悩むセイリューの後ろで、声を上げたのはランスだった。
「魔王、王に手紙を送った時から、気持ちは変わってないのか。姫を誘拐したから、勇者セイリューを寄越せ、彼に一目惚れをしてしまった、という……」
「ああ、変わっていない」
セイジは平然と頷いた。
だが、セイリューとラキアはそうはいかない。
「えええええ! なんだそれ、オレ聞いてないぜ!?」
「ちょっとランス、どういうこと? それを知ってたから、ずっと様子がおかしかったの!?」
二人は仲間であるランスを振り返った。
彼は真っ白な封筒を取り出し、それをひらりと振って見せる。
「魔王には魔王の立場があり、守るべき国が有る。これは……彼女なりに必死で考えた君への招待状だったのさ」
つまりは、これは全部、魔王と勇者を引きあわせるための茶番……?
たしかにそれならば、セイリューに、なぜか突然、姫救出の声がかかったのも頷ける、が。
と、そこでラキアは気付いた。
「待って、いま彼女って……」
「ああそうだよ。魔王は、女性だ」
ランスの言葉に、ラキアも、そしてセイリューも、イレイスと望ですら、驚いて魔王を見た。
魔王はなぜかぎりぎりと唇を噛みしめながら、羽織っていた長いマントをばさああ! と脱ぎすてる。
その下は、真っ白なウエディングドレス姿であった。
「……勇者よ、俺と一緒に、魔界を統べないか」
完全棒読みで、セイジが言う。
そこでどこからか明るい音楽が聞こえ始めた。だいぶ前に倒した影達が揃って出てきて、一斉にラインダンスを始める。
いかにも、これにておしまい、ハッピーエンドな勢いだ。
「ほら、セイジこっち来いよ、勇者の隣だろ」
ランスが手を振り呼べば、彼はくっ、と実に悔しそうな顔をした。
「くそう……こうくるかっ」
並んで踊りながら、イレイスがぽつりと呟く。
「……結局……なんだったんだ」
その言葉で、はっと我に返ったのは、望だ。
彼はここへきて、馬であることを捨てた。
だってこれじゃ、これじゃ……!
「待ってっ! この話は一体どこに向かってんだよッ……! 頼むからせめて突っ込ませてッ!」
しかし残酷にも、バックミュージックは物語の大団円を表現すべく、最高潮の盛り上がり。
「……これで良かったのか?」
セイリューは怪訝に首をかしげたが、ラキアは一言。
「敵に向かっていくセイリューがかっこよかったから、いいんじゃないかな」
「ほらセイジ、もっと笑顔笑顔! せっかくいいドレス着てるんだから!」
「うるさいランス! これは俺の本意ではない! この話の需要はどこにあるんだ……!」
※
「先生、本気でこれで行くつもりですか」
「……だめ、かな? 僕はすごくいいと思うよ?」
看護師は先生を見、はああああとため息をついた。
| 名前:終夜 望 呼び名:望 |
名前:イレイス 呼び名:兄貴 |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | 瀬田一稀 |
| エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | コメディ |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | とても簡単 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 3 / 2 ~ 4 |
| 報酬 | なし |
| リリース日 | 04月22日 |
| 出発日 | 04月29日 00:00 |
| 予定納品日 | 05月09日 |

2016/04/28-23:53
ラキア:
実は、セイリューが勇者なコトをしているよ。
2016/04/28-23:49
プラン書けたー。
皆のアイデアがぶつかり合っていい感じに物語が流れてくれると信じてる!
アドリブに超期待している、ともいう!
(どんな感じに仕上がるのかわくわくするじゃん!)
だから結果を正座待機して待つぜ。先生が喜んでくれる話になりますように!
2016/04/28-23:46
>「勇者が出てきて敵を倒すとか? 定番だよな」
のセリフから、
俺は「魔王」、ランスは「勇者の友人」をしようかと思う。
肝心の「勇者」や「姫」がいないきがしなくもないけど、
そこはプランの化学反応でなんかいい感じにまとまってると信じてる(空を見上げ
さて、どんなカオスになることやら。
先生、これで納得してくれると良いけれど…
2016/04/26-21:10
熱血系の台詞かぁ。……戦ったりする奴みたいな?
でも確かに、折角だし普段使わないような言葉を使ってみるってのは面白いかもな!
(白いのがのっそり出てくる)
あ、じゃあ私馬に乗った王子様か悪役か兎も角そういうのやりたいなー。
行くぞ黒●号。ハイヨー。(望の肩をぽんと叩く
……あ、俺馬にされるやつだこれ。
普段から確かに馬のいななきはしねーけど、多分そう言う方向性じゃねーと思うなぁー俺ぇー!
2016/04/26-02:36
2016/04/26-00:14
セイリュー・グラシアと精霊ラキアだ。
言いたいセリフか。何か熱血系セリフっていいよな。
普段使う機会がなかなかないじゃん?
こう、勇気がみなぎるよーな!
入院患者さん向けなら、元気が湧いて出るよーな!
2016/04/25-21:18
一応虚空に向けてご挨拶、と。
俺、終夜 望。 んで、こっちが精霊のイレイスな。
……とりあえず、興味があったから来て見たものの。
人が集まるの、待ってみるかな。

