リザルトノベル
◆アクション・プラン
クロス(オルクス)
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☆夜のムーングロウ
☆心情
「オルク、約束忘れてねぇよな?
それもそうだな(ニコリ」
☆ムーングロウにて
(自然と恋人繋ぎで月明かりで輝く道を歩く
「オルク、綺麗だなぁ
ぼんやりだとしてもこんなに幻想的だぞ…」
(暫く無言で歩く二人
「…なぁオルク、夢を見るんだ
昔はオーガに滅ぼされた悪夢だったけど、今はっ!
俺がオルクじゃ無い奴と契約して任務に行くんだ…!
名前や姿ははっきりとは分からねぇ
でもなんとなく懐かしくて親しい感じがしてっ
…例え夢だとしても嫌だっ!
オルクじゃ無いと俺っ(抱締められる
そう、だよな…
俺達がお互い想ってんのは知ってるもんな
オルク…
『でも太陽がないと輝けないし死んでも良いわ』
(見つめ合い自然とキス」
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夜の潮風に包まれながら、クロスとオルクスはムーングロウを並んで歩いていた。
静寂に包まれた砂浜で、聞こえるのはゴールドビーチに打ち寄せる波の音と
歩く二人が踏む砂の音だけ。
こんな風にゆっくり二人きりで過ごすのは久しぶりかもしれないなと、オルクスは穏やかな気持ちで空を見上げた。
潮風がそっと吹いて月にかかった雲を払い、闇に浮かんだ月がムーングロウを優しく照らし出す。
歩く二人の足元で道が月色にぼんやりと輝き、クロスは歓声を上げた。
「オルク!綺麗だなぁ」
「そうだな……」
二人きりの安心感だろうか、普段よりも少しはしゃいだ様子のクロスに微笑みかけながら、オルクスも足元の輝きを眺めた。
「すごいな、ぼんやりと輝くとは聞いていたが、オレもまさかこんな風だとは」
「ぼんやりだとしても、こんなに幻想的だぞ……」
子供の用に目を輝かせたクロスがふと思い出したように顔を上げ、
隣に並び立つオルクスに尋ねる。
「オルク、約束忘れてねぇよな? 」
尋ねたクロスの表情は、ぼんやりと輝く光の中で少し不安そうに見える。
オルクスはクロスの言葉をその不安ごと吹き飛ばすように、わざと普段以上に明るく笑い飛ばした。
「勿論、忘れる訳ねぇだろ? オレがクーとの約束を一度でも忘れた事あったか?」
胸を張るオルクスの言葉を聞いて、それもそうだな、と
オルクスにつられるように笑ったクロスは、また前を見てゆっくりと歩みを進める。
それもそうだと応えたものの、クロスにはやはり何か思うところがあるようで、
表情には出ないものの、視線がぼんやりと輝く道の上に落ちがちだ。
月の光は、相変わらず穏やかに二人の行く道を明るく照らしているが、それすら目に入っているようには見えない。
視線を落とすのは彼女が思い悩むときの無意識の癖であると、パートナーのオルクスは良くわかっていた。
少し考えてから、オルクスは右手を伸ばすと指をクロスの左手の指に深く絡める。
なんとなく、二人で並んで歩くにはそうするのが一番自然な気がしたのだ。
クロスも同じことを思っていたようで、ごく自然にオルクスの指に細い指を絡め返してきた。
二人の間に言葉はない。
聞こえるのは、打ち寄せる波の音だけだ。
けれど、お互いを想い合う気持ちが指先から溢れあたたかく混じりあってゆくのを感じて、
オルクスの心はまるで今のゴールドビーチの波のように凪いでいた。
無理に話す必要はない。クロスなら、本当に苦しくなったらオレを頼ってくれるはずだと、
オルクスの心にはクロスへの確かな信頼が満ちている。
オルクスの想いが伝わったのだろうか、不意に、クロスが歩みを止める。
絡んだ指に惹かれるようにしてオルクスも立ち止まり、クロスの言葉を待った。
「なぁ、オルク……夢を、見るんだ」
しばらく、手をつないだままじっと悩んでいる風だったクロスだが、心が決まったのかオルクスに呼びかけるように呟いた。
その声は、まだ夢の続きを追いかけているかのようにぼんやりとしている。
「夢……?どんな夢なんだ?」
尋ねたオルクスの声が聞こえているのかいないのか、クロスはゆっくりと話し出した。
その声も、表情も、相変わらずぼんやりとしたままだ。
「昔はオーガに滅ぼされた悪夢だったけど、今は……」
つないだオルクスの指に縋るように、クロスの指にぐっと力が籠る。
助けを求めるような、自分の居場所を確かめるようなその力の強さに、
オルクスはクロスの心の内の不安を悟った。
「今は、俺がオルクじゃ無い奴と契約して任務に行くんだ……!
名前や姿ははっきりとは分からねぇ、でも」
先ほどまでぼんやりとしていた言葉が、夢の内容を思い出したのか徐々に熱を帯びてくる。
それに伴って、あのクロスが珍しく取り乱す姿を見せ始めて、オルクスは息を飲んだ。
「でも、なんとなく懐かしくて親しい感じがして……
例え夢だとしても嫌だ、オルクじゃ無いと俺っ、俺はっ!」
「クー、落ち着け、大丈夫だ」
オルクスは今にも泣きだしそうな彼女を引き寄せて強く抱きしめた。
そういや、契約したばかりの頃はよく魘されていたなと思い出し
肩で息をするクロスの背を、あの頃のようにゆっくり撫でてやると、
落ち着かせるようにそっと優しく囁いた。
「所詮は夢だ、気にするこたァねぇ。オレはここにいるだろ?」
オルクスの声でゆっくりと落ち着きを取り戻し始めたのか、クロスの息遣いも穏やかになってきた。
甘えるようにオルクスの胸に身を寄せながら、クロスは自分に言い聞かせるように呟く。
「そうか……そう、だよな…、俺達がお互い想い合ってんのは知ってるもんな」
「ああ、そうだ。もしもクーの夢が正夢になったとしてもオレはクーを想っている」
「オルク……」
「クー、月が、綺麗だな」
そう言って優しく細められた彼の瞳は、しかし月を見てはいない。
オルクスの瞳に映るのは、ただひとり、愛しい彼女の姿だけだった。
クロスは少しだけ微笑んで、オルクスの愛の囁きに言葉を返す。
「でも、月は太陽がないと輝けないだろ。
太陽を失うくらいなら、……死んでも良いわ」
笑うクロスとオルクスの視線が、熱く絡み合う。
そのまま、まるで触れ合うのが当然で、最初からそうあるべきだったと思えるほど自然に、
二人は月明かりの下で唇を寄せ合い優しい口づけを交わした。
絡み合った指は離れることはなく、お互いを引き寄せあう引力となった。
どれくらいそうしていただろう。
二人はどちらからともなく唇を離し、また手をつないだままぼんやりと輝くムーングロウを歩き始めた。
オルクスに不安を打ち明けたクロスの表情は、先ほどまでと打って変わって落ち着きを取り戻して幸福に満ちている。
クロスの幸せそうな表情に安堵する一方、オルクスは思案していた。
クロスの夢に出てきたという、「オルクじゃ無い奴」が妙に気にかかる。
確か現在、調査団が契約に関する壁画を調査しているところだが、
そのことがクロスの見た夢に関係があるかどうかは不明だ。
関係があるともないとも明言できない以上、
調査の結果が判明するまで、大人しく待つしかないだろう。
それに、例えクロスに新たな契約者が現れたとしても、とオルクスは思う。
オレは、離さねぇよ。絶対に、な……
言葉にこそ出さないものの、強い決意を胸に秘め、オルクスはクロスの手を握る。
二人の往く道を、月の明かりと穏やかに輝く道が明るく彩っていた。
依頼結果:成功