プロローグ
「お前っていつもそうだよなっ!」
あなたはついにぶちぎれて、精霊に向かってそう怒鳴った。
ここのところすれ違いが多かったのである。
ウィンクルムの任務の他にも、それぞれ別に自分の仕事を持っていて、あなたは平日休みなのだが、相方は土日が休みだとか、そういう事でまず時間が合わなかった。
そして、相方はいつも会話を投げてしまう癖があった。
あなたの話が少しでも興味がなかったり、あなたと意見が対立したりすると、「知らん」「どうでもいい」「好きにしろ」と勝手に会話を投げて、自分の心を閉ざしてしまう。
あなたは、せっかく、世界に二人だけのウィンクルムとして巡り会ったのだから、オーガを倒すためにも、出来るだけ、心を寄り添わせたかったのだけれど、時間が合わなくて顔も合わせられない、合っても話がかみ合わないではどうしようもない。
そのほかにも、相方には、自分で自分を大切に出来ていないのでは? と思うような事が数多くあった。何か辛い過去を抱えているらしいのだが、それを話してくれない--そういう事もあったが、オーガとの戦闘でむやみに突っ走ったり、自己犠牲をしたり、あなたにとっては心配どころの話ではない。
自分との会話を投げてしまうのも、自分を大事に出来ていないのも、自分には話してくれない辛い過去があるから--だから。
「なんでそう勝手なんだよ! なんで、一人で勝手にそういうことをするんだよ! 俺だってお前の事を思っているのに! なんでこんなっ……こんなっ」
あなたは冷蔵庫を指差した。
「俺の風呂上がりのアイス、なんで勝手に食った訳!?!?」
……。時間がすれ違うからという理由で、去年から同居している二人である。辛い過去のあるダークな相方は、私生活では実にだらしないお子様のような男であって、あなたはいつの間にかおかんポジションになってしまったが、それでも許せる事と許せない事がある。
「あーそうだよ! そうなんだよ! お前はそういう奴なんだよ! 人の気も知らないで! 俺の一日の楽しみをつぶしやがって! お前はそうやっていっつもいっつも、俺の気持ちを踏みにじるんだよ!!」
オーガとの戦闘の事も、日頃の仕事の事も、色々積み重なってあなたは爆発。最後の最後のトドメのプッツンは、今の季節、風呂上がりのアイスであった。キッチンで冷蔵庫の脇で、ハタから見ればアイス取られて泣きわめいているだけのお子様状態のあなた。
「お前は俺の事なんか、どうでもいいんだろ!? ウィンクルムなんて、A.R.O.A.に勝手に決められたと思ってるんだろ!? 俺とのつきあいも仕方ないからなんだろ!? だから、俺の楽しみとか幸せとかどーでもいいんだよな!! 俺の事なんてなんにも分かってくれな--」
ドンッ
突如、あなたは壁に突き飛ばされるようになった。目の前には真剣に怒っている相方の表情。頭の脇には相方の右手。間近に迫ってくる相方の顔。
(え? これ、もしかして……)
相方は今にもぶちぎれる瀬戸際の表情であなたの事を睨んでいる。
(壁ドン……とか??)
状況的にそうとしか思えない。
相方は押し殺してドスのきいた声であなたに言う。
「もう一回、言ってみろよ」
「え……な、何」
「もう一回言ってみろ。俺が、お前の幸せ、考えてないって?」
「……」
「お前の事も、分かってない……って?」
押し殺して、歪んだ相方の声は、こんな時に不謹慎だが……とてもセクシーだった。
解説
今回のお題は、今更ですが、『壁ドン』です。神人が精霊に、あるいは精霊が神人に、壁ドンをしてください。プロローグには喧嘩バージョンを書きましたが、何もこだわらなくて結構です。あらゆるシチュエーションの壁ドンを受け付けます。
他にはこのようなものも受け付けます。
『床ドン』 主にニートが親を呼び出すために床をドンっと……。違います。勿論、壁ドンの派生形で、寝そべっている相手、もしくは押し倒して床をドンと叩いてください。
『股ドン』 実行者の手、もしくは足を、相方の股間越しに壁にドン! です。あくまで相手は壁。接触は厳禁です。
『蝉ドン』 壁の隅に相方を追い詰め、相方の前で左右の壁に張り付いてドン! その格好が蝉に似ているから蝉ドンのようです。
ドンした後はキスまではOKです。公序良俗を守ってください。
※風呂上がりのアイスが高かったため、300Jrかかりました。アイスはプランにいかしてもいかさなくてもOKです。
ゲームマスターより
ブームは去ったかもしれませんが、ちょっと皆様のドンなプランが読みたくなりました。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
アイオライト・セプテンバー(白露)
inおうち(追加精霊のじいじは外出中 パパー!(ドーンッ) いいこと思い付いたから、おはなし聞いて聞いて♪ あたし、いつもパパにこうしてドーンってしてるでしょ? たまにはパパがあたしにドーンてしたら、引き分けになると思わない? だから、はい、パパ、いつでもドンっしていいよ(にこにこ) (ヘッドアクセの「強き想い」でくじけないって顔) わーいあたしカツ丼大好きー でもそうじゃないのっ 御飯のことじゃないもん ぎゅっぎゅーっなドンしてほしいのっ←本音 わくわくどきどき …ん? パパ、それじゃドンじゃなくてトンだよ? むぅ、なんだか騙された気がする いいもん 大きくなったらすっごいドンしてもらうもん パパ、絶対に約束したからね! |
蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
バンドの練習に夢中になって、すっかり帰宅が遅くなってしまった 携帯も充電切れ…フィンに心配掛けてるかも 恐る恐る扉の鍵を開けて家の中へ いつもなら出迎えてくれるフィンの姿が無くて、リビングへ行けば、ソファに座るフィンが…もしかしなくても…怒ってる? いつもなら、心配したでしょと優しくたしなめてくれるフィンの空気が…ピリッとしてる フィン…あの…た、ただいま その、遅くなってごめ… (…え!?これって壁ドン…って奴か? フィン、怒ってる…) ご、ごめん……本当に反省してる どうしたら許してくれるんだ? …って、何言ってるんだ…!(動揺 フィンが笑ってくれて、嬉しいと思う …もう、心配掛けないようにするから 約束する ごめんな |
ユズリノ(シャーマイン)
される側 夏の定番だからと誘われホラー映画観る事に 普通に怖いので悲鳴あげその度相方の腕に掴まったり 視線には気付かず映画に観入る ストーリーはラブシーンに入りドキリ 思わず彼と目を合わせてしまう 状況に頭が真っ白に 彼の顔が近くてもっと近付いてきて欲しい そんな事思ってしまった自分に気付いて赤面 彼の緩い笑顔から笑みが消えて え?まさか?? でも彼に近付けるならと思い 「望むなら…」と呟く 突然映画のけたたましい悲鳴『ぎぇあぁぁぁぁー!!』 自分も驚き きゃわーっ!! 解放されて気まずく誤魔化す様に 「つ…吊り橋効果だったのかな アハハ 受取り 「…うん 勿体なかった様な気もしながらアイスを食べる 大事にされた…のかな と喜びが湧く |
●ユズリノ(シャーマイン)編
その日ユズリノは精霊のシャーマインと部屋でホラー映画を見ていました。
シャーマインの方から、夏の定番なので見ようと誘われたのです。ウィンクルムの二人は半年以上前からタブロスで同居しています。
ホラー映画は普通に恐かったので、ユズリノは悲鳴を上げて、そのたびに彼の腕に掴まりました。
シャーマインはホラーは概ね平気です。ユズリノにつられて時折ビクっとはしますが。残暑の夜に、ベタな行事ではありますが、素直に怖がるユズリノを見るのは悪くはない眺めです。
ユズリノはシャーマインの視線には気がつかず、映画に見入っています。
ストーリーは次第に、濃厚なラブシーンにさしかかっていきました。
ユズリノはどきりとして、思わずシャーマインの様子をうかがってしまいます。
するとシャーマインもユズリノの方を見ていました。彼は映画よりもユズリノの方を観察していたのですから、当然です。
二人の目が合います。
ホラーにびっくりして涙目のユズリノの目と、シャーマインの金色の瞳。
反射的にシャーマインは、ユズリノの事を押し倒してしまいました。
シャーマインは元々、遊びの恋を心得ています。夜中に誰かと二人きりになった時、似たような事をした事が今まで何度もあったのでしょう。そういう夜の遊びの延長のような気持ちで、衝動的にユズリノを押し倒したのでした。
ユズリノは頭が真っ白になります。
彼の顔が近いのです。密着した距離感と彼の顔が真正面にあることに、鼓動がひたすら高鳴ります。顔が近い。そして、もっと近づいて欲しいと思うのでした。
そんなことを思ってしまった自分に赤面します。
(おっと、しまった)
ですが、シャーマインの方にはまだ余裕があります。
うっかりのつもりなので、ユズリノの事をからかってすぐに手を離すつもりでいました。
それなのに、ユズリノが顔を赤らめながら自分を見つめているので、思わず見入ってしまいます。
(ヤバイ)
シャーマインはユズリノの緑色の瞳を見つめます。緊張しているように潤んだような瞳。
(このまま流れで……)
そうなってもいいと思っている自分に軽く驚きます。
ユズリノは、シャーマインの緩い笑顔が消えて、真剣な面持ちで自分を見下ろしている事に気がつきます。
(え? まさか?)
この後、どうなってしまうか想像します。
ですが、彼に近づけるならと思いました。後先考えていない衝動だけれど、そのときは本当にそう思ったのです。
「望むなら……」
ユズリノは、呟くように言いました。
シャーマインはその言葉にいやに昂ぶる自分を感じます。
激しい葛藤が瞬間的に彼に襲いかかりました。その葛藤故に、床を殴ります。
高い音。
「あんたとは安易な関係を作りたくないと俺は思ってるらしい」
シャーマインは遊び人とは思えない表情と声音でそう言い切りました。ユズリノは呆然とします。それは一体、どういう意味なのか、測りかねたのです。
そのとき、映画からけたたましい悲鳴が聞こえました。
『ぎぇあぁぁぁぁー!!』
つられてユズリノも悲鳴を上げます。
「きゃわーっ!!」
シャーマインは悲鳴に対してもビクっと震えただけでした。
ですが、そこで一瞬にしてムードは白けてしまいました。
シャーマインはユズリノから手を離して解放します。
ユズリノはのそのそとシャーマインの下から這い出て、気まずさを誤魔化すように笑いました。
「つ……吊り橋効果だったのかな、アハハ」
「かもな」
シャーマインは冷たい表情でしたが返事はしました。ユズリノはため息をついてその場にへたりこみます。
シャーマインは、まだ気まずそうなユズリノのために、キッチンからアイスを持ってきました。
「頭を冷やそうか」
そう言って、彼に手渡し、笑いました。
「……うん」
ユズリノは素直に受け取ります。
なんだかもったいないような気がしながらも、二人でアイスを食べ始めました。ユズリノはフルーツパフェアイス、シャーマインは抹茶アイスです。
(あれを食わないなんてな……初めてだ)
シャーマインは、ユズリノが他とは違うこと、彼だけは特別であることをちょっと自覚しました。今までに似たようなパターンがあったら、遠慮なく手を出して来ました。でも、ユズリノだけにはそれが出来なかったのです。
(大事にされた……のかな?)
シャーマインの言葉を、ユズリノの方はそんな解釈をして、心に喜びが沸き起こりました。
ホラー映画は陰惨な調子でまだまだ続いていきます。ユズリノははらはらしながら、シャーマインはスリルを楽しみながら、二人で並んで見ています。吊り橋効果があるのかどうかは分かりませんが、その夜から二人はまたちょっぴり、親密な感情を抱くようになりました。
夏の夜の衝動--そう言ってしまえば簡単ですが、それだけではない心の動きが確かにあったと思うのでした。
●蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)編
その日、蒼崎海十は、精霊のフィン・ブラーシュに連絡もなく、深夜に帰宅する事になりました。
(バンドの練習に夢中になって、すっかり帰宅が遅くなってしまった。携帯も充電切れ……フィンに心配掛けてるかも)
それでも家に帰らない訳にはいきませんから、大急ぎで夜道を走りました。
家では、フィンがソファの上に座って腕組みをしていました。
(海十が帰ってこない。携帯も繋がらないし……きっとバンドの練習に夢中なんだろうけど……オニーサンとしては心配で仕方ない訳で。偶には海十をきっちりと叱って、反省して貰わないと)
その後もフィンはもうしばらく待ちました。やがて、玄関の扉の辺りで音が聞こえました。
海十は、恐る恐る扉を鍵で開けて玄関の中に入ります。いつもなら、玄関まで出迎えてくれるフィンがいません。リビングに行けば、ソファでむっつりと腕組みをしながら座っているフィンが。
(もしかしなくても……怒ってる?)
フィンは海十の帰宅の気配を感じた後、安心のあまり、玄関まで走って行って無事を確かめたかったのですが、必死に我慢しています。
海十は首をすくめます。そのとき海十が来ていたのは夏物の【パーカー】海桜です。真夏ですが夜は冷えると思ったのです。ボトムスはゴシックのエキドナボトムス。【ネックレス】ディープアビス、蒼天のダイヤモンド、【ブレスレット】フラウブルーはどれも涼しげな青で夏の季節を感じさせます。足下も純白のピュアヒールで夏。
いつもならば、「心配したでしょ」と優しくたしなめてくれるフィンの空気が全然違うのです。まるで、フィンの周囲に細い電流が走っているよう。
フィンの方は、シックなワイシャツ ブルーの上にパーカー「ブルードルフィン」を重ねています。ハートキューティー・ネックレス、【イヤリング】ブルーペンデュラム、デネべタイル・ディープブルーはやはりブルー系の夏物です。小物で持っていたのは、うさマグカップ(黒)。それは冬の頃、二人で白うさぎ黒うさぎの格好をしていた時にそろえたものでした。それでコーヒーを飲みながら、海十の事を待っていたのです。
「フィン……あの……た、ただいま。その、遅くなってごめ……」
しどろもどろながらも、海十は一生懸命、謝ろうとしました。
すると、フィンがすっと立ち上がりました。
つかつかと海十の方に大股で近づいてきます。
海十はそのぶん、後ろの方に寄り、そのまま背後の壁にぶつかってしまいました。
ドンッ
フィンはその海十の顔の横の壁を右手で叩きました。
(……え!? これって壁ドン……って奴か? フィン、怒ってる……)
あまりの展開に、海十は声が出てきません。
フィンは、海十の顔を間近から真剣にのぞき込みます。
「海十。今。何時だか分かってる? 無防備で一人で帰ってきて……俺がどんな思いで待ってたか、知らないでしょう?」
思ったよりは冷静な声でフィンが言いました。
顔も、例えば顔を真っ赤にして怒るというのとは違います。あくまで冷静、冷え切った声音で、フィンは思った事を述べています。
だけどそれが逆に、彼の怒りが激しい事を海十に思い知らせました。
「ご、ごめん……本当に反省してる。どうしたら許してくれるんだ?」
海十はフィンの怒りに対して謝るしか出来ません。
でも、こんなに彼の事を怒らせた事がないので、どうしたらいいのか分からないのです。意識しないままに上目遣いになって一生懸命謝る海十。
(あーもう、可愛いな。反省してくれたみたいだし、怒るのも限界)
フィンはにやけてしまいそうな自分を必死に抑えました。
そうして、真顔できっぱり言います。
「キスしてくれたら許してあげる」
海十はびっくりして目を見開きます。
「……って、何言ってるんだ……!」
真面目に怒られていた海十は動揺のあまり、フィンを突き飛ばそうとしますが、フィンがその手を押していなします。
すると海十は動揺していただけに、バランスを崩して、壁に背中をぶつけながらその場に崩れ落ちてしまいました。
フィンはその海十を支えようと手を伸ばしますが、もつれてそのまま、二人で床に転びました。
海十の上にフィンが重なる格好で、彼の顔の脇に両手をついています。
「ふふ、今度は床ドンになっちゃったね」
おかしくなってしまって、フィンは思わず笑いました。
その笑顔に、海十はほっと安堵のため息をつきます。
「……もう、心配掛けないようにするから。約束する。ごめんな」
怒ったということは、それだけ心配したんだろうと判断して、海十はまた謝りました。
「うん、本当にもうこれっきりにしてね」
そんな海十に、フィンは軽く頬にキスをして許します。
海十は優しいキスに、いつものフィンに戻ってくれた事を感じ取り、軽く息をつくと、自分からもフィンの唇ぎりぎりの頬のところにキスをしました。口にキスするのはなんだか気後れしたのです。
喧嘩をしたとしてもすぐに仲直りして、愛をあたため合うウィンクルム。彼らの絆は諍いをするたびに強くなるのかもしませんね。
●アイオライト・セプテンバー(白露)編
それは、アイオライト・セプテンバーと精霊の白露の『おうち』での出来事です。他の精霊のじいじは外出中でした。
「パパー!」
アイオライトはいつものように、白露にドーンッ!と飛びついて来ました。白露は洗濯物を取り落としてしまいました。白露は大急ぎで洗濯物を畳んでいるところでした。何故なら、アイオライトがぱんつ大好きだから。数日分の洗われたぱんつを見たら、今度はどんな悪戯を始めるか分からないので、急いでいたのです。
「……アイ、ですから突然背中に抱きつく(というか、勢い余っておんぶになってる)のは止めなさいといつも言っているでしょう。洗濯物を畳んでいる最中なんですから。いったいどうしたんですか?」
父親らしく叱りながら、アイオライトを振り返る白露ですが、アイオライトは全く気にしていません。
「いいこと思い付いたから、おはなし聞いて聞いて♪」
天真爛漫な笑顔で話し始めるアイオライト。
もうこうなると、白露が止めてもどうにもならない事は知っているので、彼は黙ってアイオライトの話を聞く事にしました。
「あたし、いつもパパにこうしてドーンってしてるでしょ? たまにはパパがあたしにドーンてしたら、引き分けになると思わない? だから、はい、パパ、いつでもドンっしていいよ」
にこにこ笑いながらアイオライトが言います。
アイオライトは【文月提灯】鬼灯【髪飾】に宿る力、「強き想い」で挫けない表情です。
そのときのアイオライトの衣装は、振袖「花吹雪」に【手袋】和心、【洋袴】桜目網【ボトムス】、【下駄】イチョウの葉を合わせていました。頭は【文月提灯】鬼灯【髪飾】、他に太陽のネックレス【ネックレス】、【耳飾】遊戯日和、【腕輪】一陣、ピンク色の幸福【指輪】、ジャンボぐるみ「イルカのルカちゃん」、と季節感を外さず夏真っ盛り! と言ったような格好です。悪女のたしなみとして香水スイートスノウもつけています。
(なにが引き分けになるのかよく分かりませんが……これは、ドンするまでアイが諦めてくれない流れですね。といっても、ふつーに私がアイにドンしたら、アイがふっとんでしまいますし)
何しろ、大人と子供の体格差があるのですから。
ちなみに、このとき白露が着ていたものは、ステンドグラスシャツにトインタクールポンチョ、夜行の袴「回天」でした。小物は【和簪】夏ノ色、イヤリング「サンシャイン」、【手拭】和紅葉、と彼も夏らしい格好です。ちなみに扇子「サロン・ド・ブラード」を優雅に仰いで涼を取ったりもしています。
「それじゃあ、昼食にはカツ丼を作りましょうか」
白露はアイオライトのためもちゃんと考えてそう言いました。
「わーいあたしカツ丼大好きー」
すると両手をバンザイして大喜びするアイオライト。
しかし、すぐにはっとします。
「でもそうじゃないのっ御飯のことじゃないもん」
ぷーっとふくれてアイオライトは言います。両手を握り拳にして白露に要求。
「ぎゅっぎゅーっなドンしてほしいのっ」
それが本音なのでした。
(……やっぱりごまかされてくれませんでしたか)
白露自身も、無理があるかなあと思ったのですが、そろそろお昼の時間ですし、言ってみたのでした。
わくわくどきどきの表情で、アイオライトは白露を見上げ、ドンされるのを待っています。
すると白露は、おでこを人差し指で、トン。
「はい、終わりましたよ」
「……ん?」
アイオライトは目をぱちくりさせます。
「パパ、それじゃドンじゃなくてトンだよ?」
不思議そうな顔で、不満半分、小首を傾げて訊ねるアイオライト。
「アイはまだ小さいですから、ドンじゃなくトンで我慢しましょうね。それでは、本当にカツ丼を作りますから、アイお手伝いをお願いします」
白露は笑って優しくアイオライトを言い聞かせたのでした。それから洗濯物の山を担ぎ上げて箪笥の方に行ってしまいます。
「むぅ、なんだか騙された気がする。いいもん。大きくなったらすっごいドンしてもらうもん!」
悪女を目指し、日々精進しているアイオライトはめげません。
拗ねてそんな事を大声で言っていると、箪笥の方からは、「はいはい」と苦笑いするような白露の声が聞こえてきます。
まともに相手にしてもらえてない、と思ったアイオライトは走って行って、大きな声で要求しました。
「パパ、絶対に約束したからね!」
大きくなったら白露に壁ドンしてもらうのです。
もしかしたら、床ドンかもしれません。
誰もが振り返り、誰からも求められるような、ナイスバディの魅力的な悪女になって、白露の事だって誘惑してしまうのです。
そして、ドキドキのロマンスを繰り広げて、愛し愛されて、途中にちょっとぐらい悲恋が入ってもいいけれど、最後には素晴らしいハッピーエンドを迎えるのです。
それがアイオライトの夢。
アイオライトの夢に関しては--白露はあまり、理解がないようですが。
それでも、アイオライトの事は大事に思っているのでしょう。だから今は壁ドンが出来なかったんですよね。
愛の形は、さまざま。仲の良いウィンクルムに幸いあれ!!
依頼結果:大成功
MVP:
名前:ユズリノ 呼び名:リノ |
名前:シャーマイン 呼び名:シャミィ |
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 森静流 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 男性のみ |
エピソードジャンル | コメディ |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ビギナー |
シンパシー | 使用可 |
難易度 | とても簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 3 / 2 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 08月10日 |
出発日 | 08月16日 00:00 |
予定納品日 | 08月26日 |
参加者
- アイオライト・セプテンバー(白露)
- 蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
- ユズリノ(シャーマイン)
会議室
-
2016/08/15-23:54
-
2016/08/15-23:54
-
2016/08/15-12:40
ズザーーまだ余裕があるみたいなんで、滑り込み!
アイオライト・セプテンバーとパパだよーよろしくお願いします! -
2016/08/14-00:47
-
2016/08/14-00:47
蒼崎海十です。
パートナーはフィン。
どうぞ、よろしくお願いいたします!
あらゆるシチュエーションの壁ドン…か…(悩 -
2016/08/13-19:44
ユズリノと相方シャーマインです。
よろしく!
あ、コメディなのか(思案