【桜吹雪】花見団子でひとやすみ(森静流 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 ぽかぽかと温かい春の陽気。
 あなたは城下町サクラウヅキの路地を歩いています。
 あちらこちらに屋敷や蔵が建ち並び、妖しくも美しい桜ヨミツキが咲き誇るサクラウヅキ。
 あなたはヴェロニカの放つ瘴気をウィンクルムの愛で浄化するために、このサクラウヅキを訪れているのでした。A.R.O.A.からの指令はまだですが、いずれ来るでしょう。
 その前に、あなたは城下町サクラウヅキの地形を覚えるために探検しておきたいと思っているのです。あなたは紅桜城の周辺や、城の前の商店街の大通りなどをくまなく歩き回っていました。
 蔵のある路地を通り抜けると、ちょうどその先には大きな公園があります。遠くからでも、ひときわ大きな桜ヨミツキがたくさん見えてピンクの雲のようになっているのが分かりました。
「あの公園で一休みしようか」
 午前中からサクラウヅキを探検していたので少し疲れています。あなたがそう声をかけると相方は快く頷きました。
 公園に行くと、平日だったためにそれほど人はいませんでしたが、ヨミツキが花霞のように枝を広げているのが分かります。その美しさに放心しながら、あなたたちはヨミツキの花枝の下を歩いて行きました。
 しばらく行くと、ヨミツキの大樹の横に小さな団子屋がありました。表に長いベンチが一つ、店内には四人がけのテーブルが二つあるようです。団子の他にお茶も出すようです。
 人の良さそうなおばあさんがにっこり笑いながらあなたたちを呼び込みました。
「花見をしながら団子はどうですか」
 あなたたちはついついおばあさんの方に寄っていきました。おばあさんは疲れているあなたたちに無料で冷たいお茶を一杯ごちそうしてくれました。
「ここはねえ、夕暮れ時に来るとひときわ花が美しいんですよ。夜桜もいいんですが、夕闇の桜は本当に綺麗で……」
 さて、おばあさんから団子を買って一服しましょうか。
 平日の昼時に人混みの少ないところで、ヨミツキの花見。それとも、夕暮れ時や夜に来てみて、改めて夜桜見物をしましょうかね?

解説

 城下町サクラウヅキの公園で花見団子のデートです。
●お団子セット(花見団子三本+お茶)150Jrを二人分頼みました。そのため300Jrいただきます。
●昼間のプランの他に、夕暮れ時のプラン、夜桜のプランを受け付けます。それぞれプランに明記してください。
●公園で団子を食べながら花見をする以外は縛りはありません。様々な自由なプランをお待ちします。


ゲームマスターより

これから花見シーズンですね。サクラウヅキでお花見をどうぞ!

リザルトノベル

◆アクション・プラン

アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)

  人の良さそうな店の人にほっこり

桜は見事だなあ
時を忘れてしまいそうだ
去年も2人で花見をしたけど、この桜は特別に見えるな
種類が違うんじゃなくさ
ああ…そうかもな(ふふ

ランスの話に俺も同意
立ち上がり、一緒に申し出るよ
無理じいにならない範囲でな

あらためて、夕方から夜への光と桜の変化を眺めていこう
たまには俺から甘えてみようかななんて内緒で思う
ランスが寛いだらアクビ一つしてころりと横に
寝転がりながら桜を眺めるんだ
で、よじよじとランスの脚の上に頭を乗せてしまう

たまにはいいだろ
いつも俺が下なのは納得行かんよ
*膝枕をたまに強請られる件について

夜は少し冷えて思わずクシャミ
有難うの代わりにギュッとジャケットを羽織るよ


アイオライト・セプテンバー(白露)
  夜桜したいなー、大人っぽい感じがするから
むぅ。あたし大人のレディだから、迷子になんかならないもん

パパと一緒で桜がきれーでお団子美味しくて、なんだかロマンティック☆
ねえねえ、パパ
あたしと桜とどっちが綺麗?かわいい?
えへへーかわいいって言ってもらっちゃった…ん?
あたし丸くないもんっ、グラマーだもんっ
うわあん、パパが意地悪言ったあ(泣)
…ほんと?お団子食べていいの?
でも、お団子は1個でいい
残りはパパに返す
食べさせたげるから、パパ、アーンして?
でないと、許したげない

ごちそうさまでした。
美味しかったです、ありがとうございました>お店の人
やっぱりお団子もっと食べたいなー…
…むぅ、だから、あたし丸くないもん


シムレス(ロックリーン)
  夕暮れ時
団子屋表ベンチで休憩

夕暮れの桜の色合いに目を凝らし静観し堪能

(最近も桜を見る機会があったがここも趣が見事だ

団子食べつつ
「今回の現象にはギルティが関わっているらしいが、想像もつかない力だ、二つの世界を作るなんて

「よもや対峙する事など無いだろうがどんな姿をしているのか興味は湧く

「消し飛ぶ、それもまた一興だな

神妙な顔で守ると言われ目を伏せ
(本気で言っているのか?契約したというだけでそこまで出来るとしたら…さらに興味深いな精霊とは
「終わる時は一瞬がいいと言うだけだ、死に急ぎたい訳じゃない
未知の世界はあんた達無しで見る事は叶わない、死なれては困る、ロック

「夜の桜も見てみたい、付き合えるか?


シムレス(ロックリーン)編

 その春の日、シムレスと精霊のロックリーンはウィンクルムの仕事でサクラウヅキまで来ていました。
 サクラウヅキにはヴェロニカと紅月による瘴気がたちこめ、それをウィンクルムの力で払う事もA.R.O.Aの仕事となるのです。ロックリーンは緊張していましたが、シムレスは常の冷静さを失っていませんでした。
 夕暮れ時に、二人はお団子屋で休憩する事にしました。
 ロックリーンが団子屋のおばあさんにお団子セットを二人分頼みます。
「よろしくね」
 二人は団子屋の表にあるベンチに腰掛けて、咲き誇るヨミツキを眺めながら待つことにしました。
 夕暮れの薄闇の中にぼう、と白く輝くような桜、ヨミツキ--。
(最近も桜を見る機会があったがここも趣が見事だ)
 シムレスは美しく咲き誇る桜に感嘆しています。
ロックリーンは彼を黙って見守ります。桜を堪能するシムレス、彼を見て、自分も舞い散る桜を受けながら花見を楽しむ事にしました。
 城下町の探検はロックリーンにとってはとても面白い事でした。特に、黙々と探検をし続けるシムレスは、まるで好奇心の塊で、行動的でした。ロックリーンがちょっと目を離すとたちまちはぐれてしまいそうでした。なんだか子供みたいで……ロックリーンが初めて知ったシムレスの一面でした。
(ソドはヘタレだと言ってたけど興味の強さに寄るんだろうな、認識を改めて貰わないと、帰ったら報告だ!)
 へへへ、とロックリーンが笑っているところに、おばあさんがお団子セットを二つ持ってきました。
 桜を前に無表情に見入っていたシムレスでしたが、お団子が来た事で我に返りました。三色のお団子を手に取り、頭から食べて行きます。
「今回の現象にはギルティが関わっているらしいが、想像もつかない力だ、二つの世界を作るなんて」
 ロックリーンはもぐもぐとお団子を頬張りながら、相づちで頷きます。
「よもや対峙する事など無いだろうがどんな姿をしているのか興味は湧く」
 団子を食べながらも、シムレスの目はヨミツキの花雲の彼方にある紅桜城に向けられています。
 もうしばらく待てば、東の空からは紅月がのぼってくることでしょう。
 それはヴェロニカが現したこの世界の三つ目の月。
 誰の目にも見えるルーメン。
 ウィンクルムにしか見えないテネブラ。
 それに次ぐ、実体があるかないかも分からない、幻のような妖美を誇る月なのです。
 それらは、シムレスの知的好奇心を刺激してあまりあります。彼は恐怖や畏怖よりも先にわくわくするような感情を抱いているのでした。
「興味なんてとんでもない! 僕等なんて指で弾かれただけで消し飛んじゃうよ」
 そんなシムレスにロックリーンはびっくりです。自分たちがもしもギルティの狼女、ヴェロニカに遭遇したとしたら、と想像したらたまらりません。実際に、彼らでは太刀打ち出来ないかもしれないのです。だが、シムレスはまるで、ヴェロニカの事を恐れていないようにも見えました。
「消し飛ぶ、それもまた一興だな」
 無表情な顔に、薄い笑いが浮かんでいるようにも見えて、ロックリーンは複雑です。
「……それなら、僕は消し飛んででもシムさんを守るよ、その様で好奇心満たせばいいよ」
 強大なギルティであるヴェロニカと、自分たちの実力差を考えながら、ロックリーンはそう言いました。酷く真剣な顔でした。いざ、そのときが来たのなら。やはり、ロックリーンはシムレスを己に代えても守りたいのです。
 シムレスはロックリーンに神妙な顔で「守る」と言われ、すっと目を伏せました。
 夕闇の光が桜に透けながら、シムレスの顔に陰影を作ります。
 目を伏せた上品な女顔に対して、ロックリーンは強い興味を覚えます。何事にも距離を置いて観察している彼の赤紫色の瞳を通したのなら、この世界はどんなふうに見えるのだろう……と。
(本気で言っているのか? 契約したというだけでそこまで出来るとしたら……さらに興味深いな精霊とは)
 一方、シムレスもまた、ロックリーンに対して強い興味を持っているのでした。華やかに降りしきる桜の下で。二人の互いに対する好奇心が交錯します。お互いの事を強く知りたいと思います。
「終わる時は一瞬がいいと言うだけだ、死に急ぎたい訳じゃない。未知の世界はあんた達無しで見る事は叶わない、死なれては困る、ロック」
 やがてシムレスは、無表情に戻り、自分の彼に対する気持ちを告げました。
「それは良かった」
 ロックリーンは安心した笑顔を見せました。
(この表情は……反省? ふふ)
 他人と長い会話をする方ではないシムレス。彼が珍しく長い台詞を使ったので、何かの感情が動いたと思いました。
「夜の桜も見てみたい、付き合えるか?」
 シムレスは目を見開いて登ってきた紅月を見つめ、そう誘いました。紅月の下の夜桜をロックリーンとこそ眺めたいのです。
「もちろん!」
 ロックリーンは即答です。
 サクラウヅキの夕闇は次第に濃くなっていき、紅月が刻々と昇り始めます。その夜の時間を楽しみに、二人はいったん団子屋を出ました。シムレスの好奇心が紅月に動くか、ロックリーンに動くのかは、ヨミツキが聞き届ける事でしょう。

アイオライト・セプテンバー(白露)編

 ヨミツキの咲き誇るサクラウヅキ。その日、アイオライト・セプテンバーと精霊の白露は、サクラウヅキを二人で調査していました。やがて大きな公園の団子屋で、二人は休憩を取ることにしました。その団子屋で、ヨミツキは夕暮れ時や夜が美しい事を聞きました。
「夜桜したいなー、大人っぽい感じがするから」
 アイオライトは、白露を振り返ってそう言いました。
「雰囲気があって、夜桜も偶にはいいものですね。でも、アイ、私から離れてうろちょろしてはダメですよ。夜は暗くて探しづらいんですから」
 白露は微笑んでいます。
「むぅ。あたし大人のレディだから、迷子になんかならないもん」
 ぷう、とふくれてしまったアイオライトですが、すぐに白露を許して、そのときはサクラウヅキの調査を続けました。花見は改めて夜に来る事にしたのです。
 そして、夜、改めて二人は団子屋を訪れました。お団子セットを二つ注文し、外のベンチに並んで座ります。
「パパと一緒で桜がきれーでお団子美味しくて、なんだかロマンティック☆」
 花見団子を片手に、アイオライトは上機嫌です。
 それから、上等の笑みを顔に浮かべて白露の方に迫りました。
「ねえねえ、パパ。あたしと桜とどっちが綺麗? かわいい?」
(あ、予想通り、いつもの質問が来ましたね)
 夜の闇に見事に花開くヨミツキ、その花をお茶を飲みながら眺めていた白露は、アイオライトの可愛い笑顔を見て苦笑しました。
「はいはい、アイはかわいいですよ」
 眼鏡をかけた柔和な顔に優しい笑みを浮かべながら、白露は言います。
「お団子とアイだったら、アイのほうがころころ丸くてかわいいぐらいですよ」
 湯飲みの隣の花見団子を見つつそんな事を言ってからかう白露。
「えへへーかわいいって言ってもらっちゃった……ん?」
 褒められて上機嫌になったアイオライトですが、やがて気がつきます。
「あたし丸くないもんっ! グラマーだもんっ! うわああん、パパが意地悪言ったああ!!」
 アイオライトは怒り、泣きながら、両手で拳を作って隣にいる白露を殴り始めました。
「って、アイ、ぽかぽかするのはやめなさい。つい本音が、じゃなくて、口を滑らせました」
 白露は慌ててアイオライトを止めようとしますが、お団子みたいにまるいと言われたアイオライトはおさまりません。更にぽかぽかと殴り続けようとします。
「お詫びに私の分の団子を1本あげますから」
 仕方なく、白露はそう申し出ました。
 するとアイオライトはぴたりと殴る手を止めて、白露の顔を見上げました。大粒の青い瞳が白露の事をじっと見上げています。流れるような金髪。健康的な日焼けした肌。本当に女の子のように可愛いけれど、結局は男でも女でもかわいらしい、アイオライト。
「……ほんと? お団子食べていいの?」
 アイオライトはあどけない口調でそう聞きました。
 白露は優しく笑って、アイライトの金髪をなでつけます。
 アイオライトはふふ、と笑って機嫌を直し、ベンチに座り直して姿勢を正しました。
「でも、お団子は1個でいい。残りはパパに返す」
 アイオライトは性格がいいのです。
 白露が花見団子を一本差し出すと、アイオライトはぱくっとそれを一個だけ食べて、おいしそうにもぐもぐしました。その後、串から団子を一個抜きます。
「食べさせたげるから、パパ、アーンして? でないと、許したげない」
 小悪魔を装った笑みでそう言い出すアイオライト。
「あ、アーンですか? こんなところで…仕方ないですね」
 流石に照れてためらう白露。しかし、彼はアイオライトの前で口を大きく開けます。そこにアイオライトは団子を一つ放り込みました。
 ちょっと悪女になった気分。大人っぽい夜桜を楽しみながら、アイオライトは自分が少し理想に近づいた気持ちです。
「ごちそうさまでした。美味しかったです、ありがとうございました」
 やがてアイオライトはお店の人にそうお礼を言いました。
「やっぱりお団子もっと食べたいなー……」
 花見団子はとてもおいしかったのです。
「でも、今日はもうお団子は諦めましょうね。今度こそ本当に丸くなってしまいますよ
また来たときにしましょう。ヴァンデミエールも一緒だといいですね」
 白露は懲りずにそう言って、お店の人に会計をすましています。優しいのですが、本当のパパのように厳しいところもあるのです。
「……むぅ、だから、あたし丸くないもん」
 するとたちまちふくれてしまうアイオライト。ちょっと大人っぽくなったけれど、やっぱりまだまだ九歳です。
 闇にはらはらと散り落ちるヨミツキは妖しく美しく、アイオライトの理想の悪女を思わせます。その花とお団子みたいに丸くふくれたアイオライトのほっぺを見ながら、白露は思わず笑ってしまいます。今のままでもアイオライトは充分魅力的なのに、何故に背伸びしようとするのでしょうか。でも、そんなところも可愛らしい。白露は本当にそう思うのでした。

アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)編

 その日、アキ・セイジとその精霊のヴェルトール・ランスはサクラウヅキに瘴気の調査に来ていました。調査の途中で二人は大きなヨミツキの並木のある公園を訪れ、その団子屋のおばあさんに一杯の冷たいお茶をもらいました。
 セイジは人の良さそうなおばあさんにほっこりしてしまいます。
 それから、表のベンチからヨミツキを見上げました。
(桜は見事だなあ……。時を忘れてしまいそうだ。去年も2人で花見をしたけど、この桜は特別に見えるな。種類が違うんじゃなくさ)
 サクラウヅキのヨミツキの美しさは聞いていましたが、こうして目の当たりにすると本当に感嘆してしまうのでした。セイジの脳裏にA.R.O.A.から聞いた三つ目の月紅月の事やヴェロニカの事、更に二つに分かたれたサクラウヅキとサクラヨミツキの事が思い浮かびます。ウィンクルムとして、自分はどうするべきか……。舞い落ちるヨミツキの花びらを見つめながらセイジは考え込みました。
 そのとき、ランスが話しかけてきました。
「なあ、セイジ」
「え、何?」
「店のおばあさんが1人なのが気になる。ベストシーズンだぜ?名所の茶屋だぜ?
手が足りねぇだろ。手伝わね?」
 ランスはそう提案しました。
 見ると、平日の昼間なのですが、店は結構繁盛していておばあさん一人が切り盛りしているのです。
「ああ……そうかもな」
 ふふ、とセイジは笑って承諾しました。ランスらしいと思います。
「セイジならそう言ってくれると思ったぜ」
 ランスはにやりと笑って親指を立てました。
 そうして、二人は一緒に、冷たいお茶のお礼に忙しい時間だけ手伝うと申し出ました。おばあさんはびっくりしましたが、二人が「無理強いにならない程度に」ともう一度申し出ると、夕方までの時間、団子を運ぶのを手伝ってほしいと言いました。
 そういう訳で、二人は団子のお茶屋のお兄ちゃんになりました。
 次々に名所を訪れる観光客に対して、お団子セットを運んでいきます。おばあさんがねじり鉢巻きと法被を貸してくれたので、ますますそれらしくなっています。
「これが俺たちの花見の形だぜ!」
 観光客の花見を盛り上げてしまう二人。お手伝いをしてくれて盛り上げてくれて、おばあさんが喜んでいます。
 夕方人が減ったところで、二人はおばあさんから団子をいただきました。
 おばあさんがゴザを貸してくれたのでヨミツキの下に敷いて二人で並んで座ります。
 セイジは改めて、夕方から夜への日射しと桜の変化を眺めています。ふと、たまには自分からランスに甘えてみようかという気持ちが沸き起こってきました。今日、手伝いを申し出たランスは、かっこよかったのです。
 ランスがくつろいでゴザの上に膝を伸ばすと、セイジはあくびを一つして、ころりと寝転がり桜を見上げました。
 そのまま、よじよじとランスの脚の上に頭を乗せてしまいます。
 ランスは笑ってそんなセイジの頭を撫でました。
「仕方ないなぁ」
 頭を撫でて、それからセイジに降りかかる桜の花弁を手に取ってみたり、それでセイジの首筋を擽ってみたり……まるっきり恋人の仕草です。おばあさんはそんな二人を微笑ましそうに見ていました。だからランスも気にせずセイジといちゃいちゃタイムです。 
「たまにはいいだろ。いつも俺が下なのは納得行かんよ」
 セイジは膝枕の事を言っています。いつもセイジがランスに膝枕をしているのです。
 だからセイジは何の気なしに言ったのだけれど。
「上……ねぇ……はいはい」
 ランスはぽふぽふとセイジの頭を叩きます。
(足が痺れるんだけどな)
 などと頭の中ではわがままを考えています。いつもセイジに膝枕させているのに。セイジが鋭く何考えてるの、と問いかけます。
「別にー」
 ランスは嘯きます。でも顔はにやけています。セイジはランスが何でにやけているのか分かりませんでしたが、やがて手伝いの疲れが出てきて、とろとろとまぶたが落ちてきました。ランスの膝のぬくもりを感じながら、美しいヨミツキを見上げ、次第に優しい気持ちになっていきます。
 夜になると流石に少し冷えてきて、セイジは思わずくしゃみをしました。
 ランスは即座にジャケットを布団のかわりにセイジにかけてやります。
 ありがとう、と言うかわりにセイジはぎゅっとジャケットを羽織ります。
 そうして潜るようにするセイジがまるでハムスターみたいで、ランスは和みました。
 妖しく美しいヨミツキの下、花が幽玄に舞い落ちる中で、ウィンクルムの愛は自ずと高まっていきました。その愛こそが、サクラウヅキに立ちこめる瘴気を払っていくのです。ランスは煩悩の多い普通の男性ですが、忙しいおばあさんを手伝ってあげるようないい男です。その彼の愛と、彼を受け入れるセイジの愛。
 二人は自然にあるがままで、恋人の形として愛を感じています。そのことこそが大事なのでしょう。ウィンクルムの愛が二つの世界を救いますように。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 森静流
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル イベント
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 3 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 03月31日
出発日 04月07日 00:00
予定納品日 04月17日

参加者

会議室

  • [4]アキ・セイジ

    2016/04/06-22:24 

  • あ、御挨拶忘れるところだった・汗
    アイオライト・セプテンバーとパパです
    今回もよろしくおねがいしまーすっ

    おはなみ、おだんご、わーいっ。

  • [2]シムレス

    2016/04/04-00:07 


    ロックリーン:
    出発メール来てビビったよ!
    確かこのエピ1度フライング公開されたからその影響かな?
    とにかく出発してなくて良かったよ

  • [1]シムレス

    2016/04/03-13:47 


    ロックリーン:
    よろしくお願いします
    お団子!


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