【祝勝/船旅】船の上でお正月遊び(春夏秋冬 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 豪華客船『ラピスラズリ・プリンセス』
 黒き宿木の種が植え付けられ、そのままでは大惨事になる所を、ウィンクルム達の活躍で事なきを得た豪華客船だ。
 それもあって、豪華客船の所有者であるお爺さんとお婆さんは、ウィンクルム達を慰労会に招く事になりました。

「年初めの時期だという事で、お正月イベントが開催されているようですよ」
 A.R.O.A.の職員が、ウィンクルム達に説明をする。
「着物の貸し出しサービスをさせているようです。色々と用意されているみたいですし、試してみられてはどうでしょう。それに――」
 A.R.O.A.の職員は、船旅案内の書かれたパンフレットを捲りながら続ける。
「そうそう、オープンデッキで獅子舞や羽子板遊び、それに餅つき大会なんかもあるみたいです」
 そこまで言うとA.R.O.A.の職員は楽しそうに笑みを浮かべながら、
「羽子板遊びは、負けちゃったら墨で顔に落書きしちゃったりしますよね。私もよく友達と楽しんだ物です。どうやら今回の羽子板遊びも、希望される方には墨と筆が貸し出されるみたいですよ。すぐに落ちるようにしてあるので、用意されるタオルで拭けば、その後も問題ないみたいです」
 この申し出に、少し悩むアナタ達に、A.R.O.A.の職員は背中を押すように、更に勧めてきます。
「とにかく、折角のお招きですし、年初めの船旅を皆さんで参加されてみてはどうでしょう? 船員の皆さんも、心待ちにされているみたいですよ」
 この申し出にアナタ達は?

解説

 お正月仕様の豪華客船での船旅に参加して下さい

 必要なjr

 300jr

 参加可能イベント

 着物の貸し出しサービス

 どういった物を着るかに関して具体的に書いて頂けると、非常に助かります。

 オープンデッキでの正月イベント。

 獅子舞や羽子板遊びに餅つき大会があります。
 見て楽しむのも参加して楽しむのも自由です。
 羽子板の場合、頂いたプランによって、まったりとした物になったり、逆にガチの勝負な感じの描写になったりします。
 負けて墨で書かれるかどうかは、頂いたプランによって変わります。特にその点に関して書かれていない場合は、負けても墨は書かれません。
 なお、墨で書かれてもタオルで拭くと一切跡は残りません。
 餅つき大会に関しては頂いたプランによって、作る側に参加することも出来ますし、食べる側だけ参加も出来ます。
 もちろん作って食べたり、パートナーと食べさせ合いっこをするのも自由です。

 どのイベントに参加されるのも自由ですし、1つに集中して参加されるのも自由です。

 以上です。

ゲームマスターより

 失礼します、春夏秋冬と申します。

 どちらかというと、のんびりまったりな感じの物になっていますが、楽しんで頂ければ幸いです。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

ハロルド(ディエゴ・ルナ・クィンテロ)

  着物:薄ピンクの江戸小紋、内容のため襷掛け

神人と精霊の羽子板ガチバトルをやりましょう

ディエゴさんに羽子板の仕方を教えてもらいました
ということで本気で勝負です【スキル:スポーツ5】
やり方をしっていることに加え、着物なので若干私が不利ですが
すぐに巻き返して見せますよ…!
とはいえ、彼も私の運動神経は知っているでしょうから
本気で来るでしょう、油断は大敵ですね。

【勝った場合】
罰ゲームは…顔に墨で文字を書くっていうのは既に前にやったので
文字を書くと見せかけて頬にキスしてやります。

【負けた場合】
私がついたお餅を食べたいそうです
結局二人でお餅つきましたけど
じゃあじゃあ、食べさせあいっこしませんか?





フィーリア・セオフィラス(ジュスト・レヴィン)
  「船の、上で…、お正月の、イベント…?
 …楽しそう、ね。
 …ジュスト、…着物、着たこと、ある…?…、えっと、その、…行っちゃ、だめ…?」

…着物…、大人しめの、ピンクの、地に…、…お花の、柄の…振り袖、で…。
帯は、薄い、緑色…。
…おかしく、ない、かしら…。
…、着るの、初めてだから…、…ちょっと、動き、難い、けど…。

…あの、…あれ、羽子板…?…やってみて、いい…?
…板、綺麗、ね。
…えっと、…こう、…?…う…、当たら、ない…。
難しい、の、ね…。
(うまくいかないけど楽しそうにしている。)


吉坂心優音(五十嵐晃太)
  ☆淡いオレンジにクローバー柄の着物

☆心情
「晃ちゃん、着物レンタル出来るんだって!
レンタルしよ~♪」
・お互いに選びっこ

☆羽子板遊び
「有難う~晃ちゃんも格好良いよ!
でも本当何着ても似合うよねぇ…!
という事で、羽子板で勝負!!
負けたら墨で落書きね!
絶対負けないんだからぁ!!」
・ガチ勝負で激しい戦いを繰り広げる

☆負けた場合
「あーあ、負けちゃった…(落ち込む
でも勝負は勝負だもんねー
晃ちゃん、変な事だけは書かないでね!?」

☆勝った場合
「わぁーい!
晃ちゃんに勝った~♪
負けるかもって思ったけど、勝てて良かったよぉ(ホッとした表情
さてと、早速書かせて頂きます!(ニコニコ」

☆墨文字
・頬にハートを描いて真ん中にキス


瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
  着物を借ります。
薄紅の地に梅の花の小紋にします。
落ち付いた感じのあまり派手じゃない物で。
羽織りは藍に白雪が舞う感じの物を。
ポニテールの結び目に梅花の飾りを付けて。

獅子舞が見たいのです。
頭を噛んでもらうと厄が払えるそうですよ。
「噛んで下さーい」とお獅子さまの所へ小走りで駆けよります。
オーガの脅威もありますし、厄は出来るだけ払っておきたいです。
お獅子さま可愛いです。
私こういうの好きなんです、とフェルンさんににっこり笑います。
お獅子さまに「フェルンさんが大怪我しないように護って下さいね」と手を合わせます。

お餅はきな粉餅が良いですね。甘いのが好きです。
つきたてで柔らかくてとても美味しいです。嬉しい。


マーベリィ・ハートベル(ユリシアン・クロスタッド)
  誘われ同行
新年の和の催しは初体験
着物女性の艶やかさにうっとり
見る物新鮮で少し浮かれ気味

!?
か‥かしこまりました旦‥ユリアン様

彼に勧められた
黒地に色とりどりの花が散りばめられた着物
赤い帯
ベールのついた花飾りを髪に
おさげは結い上げお団子に

彼の着物姿につい見惚れる

からかわないでください
俯き真っ赤
頬抑え
(この方は女性にお優しい‥
本気にしては駄目よ私

獅子舞
羽子板
の迫力に歓声あげ夢中で見入る

餅つき大会
私お手伝いして参ります
たすき掛け
突きたてお餅丸めて手伝い楽しい

ユリアン様どうぞ
お皿に大福栗きんとんと黒豆の
緑茶用意し
一緒に食し

驚き
ここ‥こちらこそよろしくお願いいたします
深々頭下げ
言葉が嬉しく温かい気持ち溢れ


 豪華客船『ラピスラズリ・プリンセス』に招かれたウィンクルム達は、お正月イベントに参加する前に、まずは着物のレンタルを試していた。

●お着替えしよう
 着替える前の着物選びを皆はまず楽しむ。

「晃ちゃん、着物レンタル出来るんだって! レンタルしよ~♪」
「ほぉ、着物レンタルなぁ……お正月やし着てみるんも一興やん。ほな俺がみゆの選んだる!」
「有難う! なら、あたしも選んであげるね♪」
 吉坂心優音と五十嵐晃太は、楽しくお喋りしながら選びあう。そして選んだ物は、
「おっ、みゆ、めっさ似合うとるやん! めっさ可愛ええで!」
「有難う~、晃ちゃんも格好良いよ! 本当何着ても似合うよねぇ……!」
 心優音が身に着けたのは、淡いオレンジ色の下地に浮き立つように鮮やかなクローバーが絵羽模様として描かれた物。帯は明るい色合いの着物を際立たせるように、黒染めの上に白詰草があしらわれていた。
 一方、晃太が身に着けているのは、新緑の若木を思わせる萌黄色の半着に黒染めの袴。そこに半着よりも色の深い翡翠色の羽織を身に着けている。
 若者向けとされる萌黄色に黒と翡翠が色合いとして被さり、若々しさと共に落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
「晃ちゃん、着物も着たし、この後は羽子板で勝負だね! 負けたら墨で落書きね! 絶対負けないんだからぁ!!」
「なんや俺に挑むんか? えぇで売られた勝負やさかい買うたるで! 勿論そのルールで異論無しや。勝つんは俺や……!!」
 こうして2人は和気藹々と羽子板の行われるオープンデッキへと向かう。

 そうしてお着替えするのは他の皆も同じで。

「なるほど。羽子板で羽根を突き合い、落した方が負けなのですね」
 ディエゴ・ルナ・クィンテロから羽根突きのルールを聞いたハロルドが頷く。既に2人は着物を選び、それぞれ着替えている。
 ハロルドが身に着けているのは、薄ピンクの下地に、近くに寄って見なければ直ぐには分からないほど細かな柄で染められた江戸小紋。輪郭線を残し周囲を極微な点で象る地落ちの柄は、時期に合わせ梅。帯には着物の色合いを損ねない桜色の下地に、ほころび始めた桜の蕾が描かれていた。
 それに対しディエゴが身に着けているのは、紺の羽織袴に足元は白足袋。立ち振る舞いも合わさって、武道着を着ているかのような凛々しさが感じられる。
 明色なハロルドと暗色なディエゴの対比が際立ち、2人揃うとより人目を引く華やかさがあった。
 そんな2人は、羽子板勝負に真剣である。
「先に5点を先取した方を勝ちとするのはどうだろうか?」
 ディエゴは、最初の内はハロルドに羽子板を教えて遊ぼうという気持ちであったのだが、説明を聞くハロルドが真剣に聞いていた上に、動き易さも考えて襷掛けまで始めたのを受け、彼も襷掛けをして本気でやる事を決意する。
「負けた時の罰ゲームはどうします?」
 ガチでやる気満々のハロルドの問い掛けにディエゴは、
「そうだな……じゃあ、俺のために餅をついてくれよ。見てるだけだと、楽しくないからな」
「なら、私は墨で顔に落書きですね」
 どこかいたずらっ子のように楽しそうに言うハロルドに、
「ああ、それで良い」
 ディエゴは頷くと、2人はオープンデッキへと向かった。

 そうして着物姿に着替えた皆を見ながら感嘆の声を上げていたのはマーベリィ・ハートベル。

「皆さん、綺麗ですね」
 心躍るように軽やかな声をマーベリィは上げる。着物を着た女性達の艶やかな姿を見る眼差しは、滅多に見ない新鮮さも合わさり輝いていた。
 そんな彼女にくすりと笑みを浮かべながら、
「マリィ、君も見てるだけじゃなく、参加しないと。そうだな、君にはこれなんかが似合うんじゃないかな」
 ユリシアン・クロスタッドは彼女の為の着物を選んでいく。
「着てくれるかい、マリィ」
「か……かしこまりました旦――」
「ダメだよ、マリィ。今日の僕らは、招かれたゲストなんだ。ここで旦那様は禁止だよ」
 ウィンクをしながら柔らかくたしなめるように言うユリシアンに、マーベリィは顔を赤らめ恥ずかしそうに、
「はい……ユリアン様」
 か細く返す。それに嬉しそうにユリシアンは目を細めると、
「それじゃあ、着替えに行こうか。ここで待っているよ」
 着替え室に2人は進み、そして戻ってくる。先に待っていたユリシアンはマーベリィを見るなり、
「綺麗だ。とても良く似合っているよ、マリィ」
 嬉しそうに褒めた。
 マーベリィが身に着けているのは、黒地に色とりどりの花が絵羽模様として散りばめられ描かれたもの。そして帯は、着物の色合いに負けない鮮やかな赤で染められている。普段はおさげの髪は結い上げられベールのついた花飾りで彩られていた。
 一方、ユリシアンが身に着けているのは、やや明るい臙脂の半着に柄入黒袴。その上に半着と同じく臙脂色だが、やや落ち着いた色合いの羽織を重ねている。
 ユリシアンに褒められたマーベリィは、
「からかわないで下さい」
 恥ずかしさのあまりまともに顔を見る事さえ出来ず、頬を抑えて真っ赤になって俯き、
(この方は女性にお優しい……本気にしては駄目よ私)
 必死に自分で自分を戒める。だがユリシアンは、
「君は、とても可憐な女性だよ」
 マーベリィの傍に寄り添い囁くように言う。その言葉に思わず顔を上げたマーベリィの手を取り、
「さあ、行こう」
 エスコートするユリシアンだった。

 そして他にも視線を向ければ、同じように着物を選ぶ2人も。

「……ジュスト……着物、着たこと、ある……? えっと、その……行っちゃ、だめ……?」
 フィーリア・セオフィラスは同行するジュスト・レヴィンに、少しばかり不安げにお願いをするように言う。それにジュストは、
「……いや、ないが。リアが行きたいなら行けばいい」
 あまり感情の起伏を感じさせない声で返す。
 フィーリアとジュストの2人は、まだ親密度も低い事もあってか、やや関わり合いがぎこちない。元々2人が契約したのも、適性があり、オーガに襲われる人を助け、あるいは対処できるなら良いという、ある意味成り行きに近い。
 言ってみれば、これから親しくなろうとする2人といった所だ。
 だからこそ2人は、ゆっくりとお互いを知り合うように、関わり合いを重ねていく。
「これ……かわいい」
 フィーリアが見つけた着物に、ジュストは返す。
「それにするのか? 良いと思うが」
「……うん……なら、これにする……ジュストは……それに……するの?」
 ジュストの近くにあった羽織袴を見て言うフィーリアに、
「羽織袴? 色はグレーか。ああ、これにするよ。それじゃ着替え終わったらここで落ち合おう」
 ジュストは応え、そして二人は着替え終り集まる。
 フィーリアが身に着けているのは、やわらかで落ち着いた淡いピンクの下地に、その色合いを損ねないよう可愛らしい花が慎ましく、それでいて華やかに絵羽模様として描かれた振袖。帯の色が淡い緑色である事もあって、若々しく可愛らしい雰囲気を醸し出していた。
 それに対し、ジュストが身に着けているのは薄いグレーの羽織袴。強く主張しすぎない色合いなので、淡い色合いのフィーリアの振袖とはバランスが良かった。
「おかしく、ない?」
 不安げに訊くフィーリアに、
「いや、そんな事は無いが。良く似合っている」
 ジュストは何の気負いもなく応え、更に、
「これからどうする?」
 淡々と、けれどフィーリアの望みを尊重するように尋ねる。
「羽根突き、してみたい……ダメ?」
「分かった。なら行こう」
 こうしてオープンデッキに向かう2人だった。

 そして最後の一組も着物に着替え終わる。

「よく似合ってるよミズキ。とてもかわいいよ」
「ありがとう、フェルンさん。フェルンさんも良く似合ってるよ」
 フェルン・ミュラーに、瀬谷 瑞希は魅力的な笑みを浮かべ返す。
 着替え終わり合流した2人は、お互いを褒め合う。
 瑞希が身に着けているのは、薄紅の地に梅の花の小紋があしらわれた物。帯は着物の色合いに合わせた、やわらかな桜色。派手さが無い代わりに落ち着いた雰囲気を見せていた。そこに藍の下地に白雪が舞うような絵羽模様の羽織と、ポニーテールの結び目に彩った梅花の飾りが加わることで、落ち着いた中にも華やいだ艶やかさがある。
 それに対してフェルンが身に着けているのは、淡い藍の長着に、その上で映えるような少し濃いめの藍の羽織。落ち着いた色合いもあって、瑞希と二人バランスがとれ良く似合っていた。
「ミズキ、折角だから写真を撮ろう。そんなにも似合ってるんだから残しておかないと」
 そう言って写真を向けるフェルンに瑞希は返す。
「ありがとう。なら折角だし、オープンデッキでお願いします。色々とイベントもやってるみたいだし、それも写真で残しておきたいですから」
「良いね、なら行こうか」
 そして二人はオープンデッキに向かって行った。

●お正月イベント
 オープンデッキでは羽子板遊びに餅つき大会が開かれ、そして獅子舞が舞い踊っていた。

「フェルンさん、獅子舞がいますよ」
 獅子舞を見つけ、小走りに駆け寄る瑞希の後をフェルンも付いて行く。
「ミズキは獅子舞が好きなんだね」
「私こういうの好きなんです」
 にっこりと魅力的な笑顔を向ける瑞希にフェルンは写真を一枚。
「良い一枚が撮れたよ」
 嬉しそうな笑顔を浮かべ言うフェルンに、
「ありがとうございます」
 多少の気恥ずかしさを覚えつつも瑞希は礼を返す。そして獅子舞の元に。
「噛んで下さーい」
 瑞希のお願いに、獅子舞は瑞希の整えた髪と梅花の飾りが崩れないよう注意しながら、かぷかぷと噛む。
「獅子舞に頭を噛んで貰うと、確か良いことがあるんだよね」
 獅子舞にかぷかぷ噛まれる瑞希の写真を撮り言うフェルンに瑞希は返す。 
「獅子舞は頭を噛んでもらうと厄が払えるそうですよ。オーガの脅威もありますし、厄は出来るだけ払っておきたいです」
 そう言うと獅子舞に手を合わせ、
「フェルンさんが大怪我しないように護って下さいね」
 想いを込め願う。それにフェルンは心地好さ気に目を細めると、
「そう言えば獅子舞は、子供が頭を噛んでもらうと頭が良くなるって話もあるよね。ミズキは小さい時から毎年噛んでもらっていたのかな」
 瑞希の頭を優しく撫でる。そして、
「じゃあ俺も噛んでもらおう」
 そう言うと少し屈んで、瑞希と一緒に噛んで貰おうとする。
 それを見ていた船員の一人が、折角だからと2人の写真を撮る事を申し出て、それを2人は頼む事に。
「どんな時もミズキが無事で居ますように」
「フェルンさんが怪我もなく無事でありますように」
 願いを込め、それに応えるようにかぷかぷ頭を噛む獅子舞と共に、想い出の一枚を撮って貰う2人だった。

 そして獅子舞は改めて舞い踊り皆に福を撒いていく。それにマーベリィは歓声を上げる。

「旦……ユリアン様、獅子舞さんです! 近くで見ると迫力がありますね」
 近くに寄り舞い踊る獅子舞に喜ぶマーベリィに、
「楽しんでいるみたいだね、マリィ」
 ユリシアンは嬉しそうに言う。それにマーベリィは恥ずかしそうにはにかみながら、
「はい、ユリアン様。今日はここに来れて良かったです」
「僕もだよ。マリィと一緒に来れて嬉しいよ」
 さらりと言うユリシアンにマーベリィは顔を赤くすると、
「あ、その……ユリアン様っ、見て下さい、羽子板も迫力があります」
 照れ隠しをするかのように羽子板で遊ぶ皆に視線を向ける。
 そこでは、白熱した勝負もあれば、まったりとした羽子板遊びも繰り広げられていた。

「晃ちゃん、いくよ!」
「おうっ、いつでもええで!」
 心優音と晃太の2人は元気一杯に羽子板勝負を始める。
 先行で心優音が打ち上げる。それを追いかけ打ち返す晃太。
「これでどうや!」
「まだまだっ、負けないよ!」
 2人とも速さは互角であったものの、命中力は心優音が優勢であった事もあり、打ち返す時は心優音の方が上手い。
 とはいえ、スポーツの技量は晃太の方が上である事もあり、続ける内に勝負は互角になっていく。
 ただし、男物と女物では着物の動き易さが違うので、それを活かせば晃太の方が有利であったものの、それではフェアではないので女物の着物で動き易い範囲の距離で打ち返していた。
 そうする中で、最初に勝ったのは心優音。
「わぁーい! 晃ちゃんに勝った~♪ 負けるかもって思ったけど、勝てて良かったよぉ」
「あっちゃぁ……まさか負けるとは……しゃぁない、約束は約束や。思う存分書くがえぇ!」
「それじゃ、早速書かせて頂きます!」
 ニコニコ笑顔を浮かべ頬にハートを描くと、
「もうええか」
「ちょっと待って。これでお終い」
 ハートマークの真ん中にキスをする。
「これやと罰ゲームにならへんな。よっしゃ、続けて二回戦や!」
「何回やっても負けないよ~」
 そうして再戦。さらに一回、心優音が勝った後、三回目で晃太の勝利。
「よっしゃぁぁああ! 危ない場面もあったけど今回は勝った! ほなら書かせてもらうで~」
 にやりと笑みを浮かべる晃太に、
「あーあ、負けちゃった……でも勝負は勝負だもんねー。晃ちゃん、変な事だけは書かないでね!?」
 心配する心優音に、晃太は頬に四葉のクローバーを描き、最後に額にキスをする。
「へへ、お返しや」
 イチャイチャな2人だった。

 そうしてガチな勝負をするのはハロルド達も。

「着物の動き易さの不利は、気にしなくても良いですよ」
「心配しなくても良い。フェアである事と手心を加える事の違いは知っている。手は抜かん、本気で勝負だ」
 ハロルドとディエゴの羽子板勝負は最初からヒートアップ。
 2人とも速さも命中力も高い事もあり、打っては返すの白熱した勝負と化した。
 序盤は、羽子板遊びのやり方を知っていたディエゴが有利であったものの、それは後半に進めば進むほど逆転していく。
 スポーツの技量がハロルドの方が上だったこともあるが、何よりも意気込みの違いが強く出る。
 元々ディエゴとしては、最初は羽子板を教えて遊ぼうという気持ちであったが、それに対しハロルドは最初から本気である。
 ハロルドの本気に応える形で、ディエゴも勝負が進む毎に本気度を上げていったものの、やはり最初からの意気込みの差は進めば進むほど出て来る。
 そして白熱した勝負に周囲の視線を集める中、4対4のイーブン。
「勝ちますよ」
「負けんよ」
 精神を集中してのラスト勝負。激しい打ち合いはリズムカルに続き、もはや羽子板の範疇を超えそうな中、運命のサイコロにも微笑まれたのか、勝ったのはハロルドだった。
「……負けた。なんでも好きに書け、下品な言葉以外な」
「心配しなくても良いですよ。そんなこと、しませんから」
 くすりとハロルドは悪戯っぽく笑みを浮かべると、墨を書くと見せかけて頬にキスをする。
「な、何やってんだよ! だから、こういうのは外では駄目だって言ってるだろ!」
「良いじゃないですか。罰ゲームですよ」
 ディエゴの慌てる様子に楽しそうに笑みを浮かべるハロルド。こちらもイチャイチャであった。

 そんな中、のんびりと羽子板をしていたのはフィーリア達。

「……板、綺麗、ね」
 羽子板に見とれるフィーリアに、
「羽子板か。この木の板で……この羽の先の黒い玉は何かの実だったか……?」
 羽子板と羽根の材質に興味を見せるジュスト。そんなジュストに、
「……あの、羽子板……やってみても、いい……?」
 フィーリアは呼び掛け、
「ああ、ごめん。それじゃ、やってみようか」
(確か負けると墨で書かれるんだったか。まあ、それはいいか)
 ジュストはフィーリアの事を考え、合わせるように羽子板遊びをする。
「……えっと……こう……? ……う、当たら、ない……。難しい、の、ね……」
 フィーリアの元へふわりと打ち上げられた羽根を、彼女は返せず失敗してしまう。けれど、
「次は……私から、するね」
 彼女の顔には楽しそうな笑顔が柔らかく浮かび、嬉しそうに羽子板遊びに興じていく。それに、
「慌てずに、落ち着いて打ち返して」
 ジュストはフィーリアが打ち返し易いようにして付き合っていた。

 そうして羽子板遊びに皆が興じる中、餅つき大会にマーベリィ達は参加する。

「ユリアン様、私お手伝いして参ります」
 突きたてお餅を丸める役に、マーベリィは張り切って参加する。
「行っておいで。助けが要る時があったら、気にせず言ってくれ」
 ユリシアンの言葉にマーベリィは嬉しそうに笑顔を浮かべ、
「ありがとうございます。待ってて下さいね、ユリアン様。美味しいお餅を作って参ります」
 そう言うと襷がけをして、お餅を食べ易いように丸めていく。
 黄な粉に餡子、海苔を巻いた磯部に、付け合わせに大根おろしを乗せたもの。他にも色々皿に乗せ、食べて貰えるように大奮闘。その姿に、
(働く事が本当に好きなんだな)
 普段から彼女の働きぶりを知っているユリシアンは微笑ましく見詰めている。
 そうとは知らない彼女は、丸めたお餅を皆に振る舞っていく。
「あの、よろしければどうですか?」
「有難う~♪ 美味しそうだね、晃ちゃん」
「そやな! ありがとうな!」
 心優音と晃太は黄な粉と磯部、甘いのとしょっぱいの、2人仲良く食べていく。そして、
「ハロルドさん達は……」
 持って行こうと視線を向けて、仲良く2人で餅つきをしている2人に気付き、お邪魔してはと他の人の元に。
 ちなみにハロルドとディエゴの2人と言えば、
「ディエゴさん、はい、どうぞ」
「……別に自分で食べられるんだが」
「良いじゃないですか。食べさせあいっこしましょう」
 戯れ合うように言葉を重ね、2人仲良く食べさせ合いっこをしていた。
 そんな間にもマーベリィはお餅を勧めて行く。
「黄な粉と餡子のお餅です、良かったらどうぞ」
 勧められたお餅にジュストは、
「ありがとう。リア、食べるか?」
 礼を返すとリアにお餅を差し出す。それにフィーリアは、
「うん……食べる、よ……ありがとう」
 ジュストに返し、マーベリィにも礼を返す。そして、
「食べ切れるか? 食べ切れないなら、半分こにして食べるか?」
「うん……一緒に、食べよう」
 2人は仲良く半分ずつ分け合って食べていった。そして更に、
「これ、良かったら食べて下さい。他にも色々な種類がありましたから、覗いて見られるのも良いかもしれません」
 瑞希達にもお餅を勧める。
「ありがとうございます」
「ありがとう」
 瑞希とフェルンの2人は礼を返し、お餅を食べる。
「つきたてで柔らかくてとても美味しいです」
 甘い物が好きな瑞希は黄な粉を嬉しそうに食べ、その姿にフェルンは心地良さそうに目を細め、自分は磯部を食べていく。
 そして勧められた事もあり、つきたてお餅のお代わりに。今度は餡子と大根おろしを楽しんだ。
 そして皆にお餅を勧めたマーベリィはユリシアンの元へ。
「お疲れさま、マリィ」
「そんな事ないです、旦……ユリアン様」
 大福栗きんとんと黒豆の緑茶を用意して、2人は立食用の簡易テーブルに。
 仲良く2人で食べていく。先に食べ終わったのはユリシアン。お茶を飲み、美味しそうに食べるマーベリィを心地好さそうに見つめる。
 食べ終わった後にユリシアンの視線に気づいたマーベリィは、恥ずかしそうに顔を赤らめ何か言おうとしたが、それより早くユリシアンは感謝の言葉を贈る。
「いつもありがとう、マリィ」
 そして、これからの未来を共にありたいと願うように続けて言った。
「この新たな年、きみともっとより良いパートナー関係を築きたいと思っている。よろしくね、マリィ」
 マーベリィは驚きながら、それ以上にあふれてくる喜びに心が満たされる。自分の内から溢れる温かな気持ちに促される様に、
「ここ……こちらこそよろしくお願いいたします」
 深々と頭を下げ、心から求め願うように言葉を返すのだった。

 こうして、皆はお正月イベント仕様の船旅を楽しんだ。
 それは新たなる年を迎えたウィンクルム達のこれからも良きものでありますように、見ていてそう思える船旅であった。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 春夏秋冬
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 01月03日
出発日 01月11日 00:00
予定納品日 01月21日

参加者

会議室

  • [5]瀬谷 瑞希

    2016/01/10-23:42 

    こんばんは、瀬谷瑞希です。
    パートナーはファータのフェルンさんです。
    皆さま、よろしくお願いいたします。
    プランは提出済みです。
    楽しい時間が過ごせますように。

  • よろしくお願いいたします

  • …あ、あの、…フィーリア・セオフィラス、です。…パートナーは、ジュスト・レヴィン…。
    その…、よろしく、お願い、します…。
    …えっと、…着物、とか、羽根つき、とか、…楽しみ、です…。

  • [2]ハロルド

    2016/01/08-19:38 

  • [1]吉坂心優音

    2016/01/06-22:26 


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