プロローグ
●花咲き誇る村の異変
フロラという村がある。森にほど近いその村は、小さいながらも豊かな緑とイキイキとした動物たちに囲まれており、村民たちは満ち足りた日々を送っていた。
そんな生活の中で、人々は花を愛した。彼らが育てる花はそれは見事で、村のあちこちで可憐な花々を見ることができる。近隣の村や街からは『花咲き誇る村』と呼ばれるほどで、フロラの花目当てに来る観光客も決して少なくない。お手本のような、平和な村だった。
だがある時期を境に、めっきり観光客が来なくなった。村民はどうしたのだろうと首をかしげたものの、すぐに原因を知ることになる。
森にオーガが出現したのだ。それだけではなく、オーガの影響か、森を守っているトレントたちのうち数体がデミ・トレント化してしまった。
村民は衝撃をうけた。危険な存在がすぐそばにいる、ということだけではない。森の守護者であるトレントを人々は愛し、敬っていた。それが、オーガのせいで堕ち、今まで守っていた生き物を踏みつぶすことに喜びを見出す恐ろしい存在になってしまったのだ。
●ある娘の願い
ウィンクルムの到着を待つ間、フロラの空気は重かった。
そんな中、今年で五歳になる少女・ナナが、母を見上げこう言った。
「ねえママ、トレントさんをたすけてあげようよ」
純粋なその瞳に、母はたまらずナナを抱きしめた。
『トレントがいてくれるから、森は豊かでいられるのよ』
そんな、フロラの民なら誰もが聞いたことのあるお話を聞いてから、ナナは森を守ってくれるトレントのことが大好きになった。どれくらい好きかというと、暇さえあれば、いや、暇がなくてもトレントに会いに行くくらいである。そんな我が娘に、もう彼らが元に戻ることはないという事実を、倒さなければいけないということを伝えるのは心が痛んだ。
ナナは、母の話をじっと聞いていた。彼らは、もうナナの知るトレントではなくなってしまったのだと。
「わかったよ、ママ」
これ以上母の悲しむ姿を見たくなくて、ナナはそう言った。けれど、すべてを理解するには、彼女は幼すぎた。
●討伐へ
依頼をうけたウィンクルムは、フロラへとやって来た。朝特有の、ひんやりとした風が心地いい。
オーガは人々に害為す危険なモノだ。早々に倒さなくてはならない。
決意を胸に村へ踏み入れたウィンクルム――の前に、一人の女性が飛び出した。
「私の娘が、森に入ってしまったようなんです! お願いします、助けてください!」
女性の言葉に、ウィンクルムたちは息を呑んだ。
女性が娘がいないことに気付いたのは、起きてすぐのことらしい。村の子と遊んでいるのかと思ったけれど、一向に姿は見えず……。
「娘……ナナはトレントのことが大好きで、昨晩も『助けてあげよう』と言っていました。もうナナの知ってるトレントじゃなくなってしまったの、ということを話したら、わかったと言ったのですが……」
女性の頬を、つう、と一筋の涙がつたう。
「ナナはまだ五歳です。きっと、私が悲しそうだったからそう言っただけで……本当は、納得できていなかったのだと思います。物わかりがいい子だから、その時は私も大丈夫だと思ってしまって。ちゃんと考えれば、あの子が辛いことや悲しいことを一人で抱え込んでしまいがちだと気付けたはずなのに……こんな時、夫が生きていてくれたら、なんて……すみません、今は関係ないですよね」
涙をぬぐい、心の底から娘を心配する女性に、ウィンクルムは励ましの声をかける。
「ナナは幼いながらも森を熟知しています。なので、まっすぐデミ・トレントのところへ向かっているかと。森は普段、村の者が森を壊さない程度に整備しているので、荒らている場所があったらその近くにデミやオーガがいると思います」
敵を見つけるのはそれほど困難ではないのかもしれない。考えを巡らせるウィンクルムに、女性は深く頭を下げ、そして。
「もしかしたら、トレントを倒そうとする皆さんの邪魔をしてしまうかもしれません。でも、どうかナナを助けてください。お願いします……っ」
震える声で告げられたその願いに、ウィンクルムは頷き――森へと、足を進めるのだった。
解説
●成功条件
ヤグアート一体
デミ・トレント二体の討伐
ナナの救出
●ナナについて
森の守護者であるトレントが好きな女の子。デミ化してしまったトレントを助けようと、森に入ってしまいました。
トレントを倒そうとするウィンクルムの邪魔をする可能性があります。説得には応じてくれそうですが……。
●敵について
・ヤグアート
長い嘴をもった、鳥めいた頭部をもつオーガ。聴覚に優れ、また素早いため攻撃をあてにくい。
足についたかぎ爪で敵を切り裂く。
・デミ・トレント
森を守っていたトレントがデミオーガ化した存在。動きは遅いが、擬態を利用した奇襲をしかけてくる可能性がある。
●戦闘場所――森について
緑にあふれた森です。トレントが複数体いることがわかっています。
フロラの民が熱心に手入れをしていることもあり、足場は比較的整っており、また視界を遮る雑草は取り除かれています。陽光も問題なく届いており、戦いやすいと言えるでしょう。
ヤグアートやデミ・トレントが暴れた場所は荒れて目立つため、敵の発見自体はそう難しくないと予想されます。
●道具の貸し出しについて
申請さえしていれば、インカム等比較的簡単に準備できるものは持っていくことができます。
ただ、ナナの救出に関してはフロラについてから知ることになるので、「ナナが怪我していた時のために救急セットを申請、持ってきていた」等は申し訳ありませんが採用いたしませんのでご了承ください。
●余談
プランや神人・精霊設定に「アドリブOK」の記載がある方には積極的にアドリブを入れてしまう傾向がありますので、苦手な方、アドリブNGな方は文頭に「×」を入れていただければと思います。
ゲームマスターより
閲覧ありがとうございます、櫻茅子です。
討伐に加え、少女の救出といくつかやることがありますが、敵自体は油断せずに挑めばそれほど脅威ではないと思います。
上級者の方はもちろん、初心者の方も大歓迎!
皆さまの活躍をリザルトに残せたらと思っておりますので、興味を持っていただけた際はどうぞよろしくお願いいたします。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
リチェルカーレ(シリウス)
インカム、カラーボール申請 森に入る前にデミ・トレントのいそうな場所を教えてもらい地図に記入 場所が一か所ならそちらへ急行 複数または場所が絞れなければ2班に分かれ森を探す ニッカさんたちと同じ班 ナナを見つけたらインカムで皆に連絡 合流するまで身を潜める 戦闘が始まる前にトランス 錫杖でシリウスの補佐 トレントにカラーボールを投げ見分けやすく ナナが邪魔に入ったら彼女を庇いながら説得 トレントを助けたい気持ちは私も同じ でも、元に戻す方法がわからない…ごめんなさい だけど考えてみて ナナちゃんの大好きなトレントは 森や人を傷つけようとするかしら 戦闘後 ナナに怪我がないか確認 必要なら手当て |
ニッカ=コットン(ライト=ヒュージ=ファウンテン)
一刻も早くナナちゃんを見つけなくちゃいけないわね 申請物:地図、赤ペン、インカム、方位磁石、ペイントボール 気合いを入れ直して聞き込みを開始 村人に地図を見せながら聞き込み ・ナナの行きそうな場所 ・森で荒れている場所 地図に赤丸で印 いくつか情報を得たらインカムを通して業務連絡 一緒に探索をするリチェルカーレさん達と合流し森へ向かう 物音をあまり立てず静かに歩く 方位磁石と地図で確認しながら且つ周囲の異変に注意しながら進む ◆説得 ナナを発見したら 「お父さんもナナちゃんもいなくてお母さん泣いてたわ 戻ってお母さんを護ってあげて」と伝える ◇戦闘 トレントにペイントボールを投げ印をつける 弓で盲まし効果を狙いつつ攻撃を続ける |
フィーリア・セオフィラス(ジュスト・レヴィン)
持ち物 インカム、借りられたら…。 行動 …村で、デミ・トレントの、いそうな、場所と…、ナナさんの、行きそうな場所、聞いてから、森に、行くと…、探す場所、絞れるかも…。 森では、荒れてる場所や、ナナさん…、見つけたら、連絡して…、合流できるまでは、隠れて、いたいけど…。 ナナさん、危ないなら、助けないと…。 戦闘 皆が、合流したら…、トランス、して…。 …ナナさんを…、守って、たい、です。 説得 私も、デミ・トレント、元に、戻したい…。でも、戻す方法、分かっていない、の…。 できるのは…、まだ、無事な、トレントを…、守る事、だけ…。 …ごめんなさい、助けられなくて…、…お願い、守らせて、ほしい、の…。 |
瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
申請物:インカム、方位磁石、フロラ周辺の森地域地図を全員分。応急手当キット(自分達が負傷した時用) フロラでざっと聞きこみ。 トレントの居る所 デミ・トレントを見かけた場所 を住民に地図で場所を確認してから森へ入ります。 ナナさん行方不明の話を聞いた時も 彼女がトレントと遊ぶために行く所を 母親から地図で確認。 森では二手に分かれインカムで連絡を密に。 各グループが離れすぎないよう地図で現在地を確認しながらナナさんを探す。樹は位置にも注目。位置の変わっている樹はデミ・トレントかも。 ナナさんの説得は皆さんに任せます。 戦闘中は周りを良く見て仲間に敵の動きを伝え、回避をサポート。敵から距離を取ってナナさんを護るわ。 |
●フロラにて
「一刻も早くナナちゃんを見つけなくちゃいけないわね」
『ニッカ=コットン』は、改めて気合いを入れ直した。A.R.O.A.から依頼をうけた時も任務達成を誓ったものだが、幼い少女の命がかかっているときた。気が引き締まるのも当然である。
ニッカの精霊である『ライト=ヒュージ=ファウンテン』も、彼女と同じ気持ちだった。
「……村で、デミ・トレントの、いそうな、場所と……、ナナさんの、行きそうな場所、聞いてから、森に、行くと……、探す場所、絞れるかも……」
『フィーリア・セオフィラス』の提案に、『ジュスト・レヴィン』をはじめ全員が頷く。彼女の言う通り、まずは情報だ。
各々森の地図を手に、ナナの行きそうな場所や荒れている場所を村人に聞き込んでいく。
村人は皆ナナを心配しており、快く情報を教えてくれた。荒れていた場所を見かけたことはあるか、それはどこだったか。過去にどこでトレントを目撃したか、またナナがよく行く場所を知っているかどうか。
重要なポイントとなりそうな場所には赤丸を入れ共有できるようにする。
「どうやら、荒れている場所は一カ所ではないようですね」
情報収集を終え、状況をまとめ終えた『瀬谷 瑞希』は困ったように眉尻をさげた。
地図に記された赤丸は四つ。一つはいつもナナがトレントに会いに行く場所で、残りの三つは荒れている場所だ。だが「住民が確認できた範囲では」という前提がある。
難しい顔をして、『フェルン・ミュラー』が続いた。
「デミたちが現れてから、ある程度日が経っているようだし……移動していても不思議じゃない」
彼の言う通り、今も移動している可能性は高い。また、ナナに関してもトレントを追って移動していると予想するのは容易だった。
「ここは、二組に別れた方が無難だろう」
『シリウス』の冷静な一言に、『リチェルカーレ』はぽんと手を打つ。
「では、私とシリウスさんはニッカさん達と。瀬谷さん達はフィーリアさん達と、という形ではいかがでしょう?」
ロイヤルナイトであるライトとミュラーをわけ、かつバランスもとれた班だ。もちろん反論はない。
「では、準備は整いましたし、森へ行きましょう」
ライトが言う。
フロラの人々を、幼い少女を救うために。
ウィンクルム達は決意を新たに、森へと足を踏み入れる。
●緑豊かな森は荒れ
二つの班にわかれた一行は、それぞれ地図に記された場所へと向かっていた。
フィーリアはくるりと周囲を見回し、ほうと息をつく。
「緑が、とってもきれい……」
思わずそんなつぶやきがもれてしまうほど、森の緑はいきいきと輝いているように見えた。整えられた道に差し込む太陽の光も暖かく、事件さえなければピクニックなんかも楽しいだろう。
けれど、どこか不気味に感じる。
「……リスとか、小動物が多いって話だったけど」
それは、本来森にあるべき鼓動が感じられないからだろうとジュストは思う。オーガが現れなければ、森は今も生命の輝きで満ちあふれていたはずなのに。
地図と方位磁石で現在地を確認しながら、なるべく音をたてないよう注意して進んでいく。
ナナの姿が見えないか。不自然に枝がこすれる音が聞こえてこないか、位置が変わっている樹はないか。不審な樹を見つけたらすぐに印をつけられるよう、ジュストは用意したペイントボールをすぐ投げられるよう準備しておく。
森とはいえ比較的視界は広く、戦いやすいのは幸いだが、奇襲をうけたら状況が一変する可能性もある。要注意だ。
神経を尖らせ、素早く目的地への道を急ぐ。
『一つ目の荒れている場所を見つけたわ』
インカムを通し、ニッカの報告が届いた。瑞希が応じると、ニッカは声をひそめながら周囲の様子を伝えてくれる。
『まわりの樹に、ひどい傷がついてるわ。……でも、敵はここにいないみたい』
ニッカは地図上のどの赤丸に該当する場所が不発だったかを丁寧に伝えると、次の場所へ向かうと言って通信を切った。
森の中でもインカムがつながるか心配だったが、時折雑音は入るものの、特に支障はなさそうだ。そのことにほっと息をつく。
「俺達も急ごう」
ミュラーの言葉に、瑞希、そしてフィーリアとジュストは頷くのだった。
「ひどいですね……」
リチェルカーレは、森の惨状に口元を押さえた。それくらいひどいものだったのだ。
印をつけた場所への道順は、記憶力に優れるシリウスのおかげで問題なくたどり着けた。
激しく暴れ回ったのだろうか、周囲の木々にはおびただしい数の傷がつき、血が付着しているところもある。デミ・オーガ化したトレントは、小動物を自らの手で葬ることにも抵抗がないときく。共存していたはずの彼らの関係は、オーガによって壊されてしまったのだ。
「ナナさん、無事だといいのですが」
オーラを纏い、奇襲を警戒し≪フォトンサークル≫を展開したライトは――森に入る際、一足早くトランス状態へ移行したのである――心配そうにつぶやいた。
慕っていた森の守護者が墜ちた姿を見たら、彼女は心に深い傷を負うだろう。やけにならないとも言い切れない。
早くナナを見つけなくては。ウィンクルムの心が一つになる。
物音たてないよう気をつけながら、地図と方位磁石を頼りに先を急ぐ。周囲への異変に気を配ることも忘れない。
と――
「……あそこ」
ニッカの視線の先、二つ目の目的地は、先ほどとは比べものにならないほど激しく荒れていた。慎重に近づき、周囲を観察する。
嫌な気配が充満している。そして、彼らの勘は正しかった。
がさり。枝がしなる。見ると、長い嘴に鳥めいた頭部、背にはコウモリのような羽根……依頼にあったヤグアートの姿が確認できた。
ぶるぶると震えており、一見脆弱なオーガに見える。だが、足の鋭い鍵爪から放たれる一撃は、きっと洒落にならない威力だろう。
森の異変を感じ取っているのか、周囲を警戒するように見渡している。
リチェルカーレは仲間に敵を見つけたこと、合流場所を仲間に伝えた。すぐに向かうと頼もしい返事があり、ひとまず待機することにする。
――しかし、そうも言っていられない出来事が起きた。
「あれは」
「ナナさん……!?」
どこか慌てたような、小柄な少女が姿を見せたのだ。頭上にいるヤグアートには気付いていない様子である。だが、オーガであるヤグアートが気づかないわけがなく……。
「っきゃああっ!?」
「ナナちゃん!!」
ニッカは鉱弓「クリアレイン」を素早く構え、ヤグアート目がけて射る。矢尻にクリスタルが用いられたその弓に気付いた相手は、咄嗟に狙いを外したようだった。翼をわずかに掠るに終わる。
『この手に宿るは護りの力』
リチェルカーレはインスパイアスペルを唱え、シリウスへ口づけを贈った。瞬間、ふわりと柔らかく暖かい風が広がり、光が羽根のようにちらちらと二人の間を舞い降りる。トランス状態へ移行完了だ。
神人はナナを守るように、精霊はヤグアートの目を彼女たちから逸らすように。それぞれ位置をとる。
「お待たせしました!」
そこへ、瑞希たちが合流した。
『皆を、護って』
『…力を、此処に。』
状況を把握した彼女たちもそれぞれインスパイアスペルを唱えると、トランス状態へと移行する。
オーラを纏い、ヤグアートと対するウィンクルムに、ナナは目を丸くし尋ねた。
「おねえちゃんたちは……?」
「ウィンクルムだよ。フロラを、ナナちゃんを助けに来たの」
『助け』に。
その言葉を聞いたナナは、瞳を輝かせた。だが、ウィンクルムはぐっと唇をかむ。ナナの望む結果は、どうあがいても得られないと知っている。
けれど、残酷な真実を目の当たりにさせてしまうことになっても、私たちは戦わなければいけないのだ。
●森の守護者と決別を
鍵爪を振るわんと滑空してきたヤグアートに、シリウスは≪エトワール≫を繰り出した。舞のように優美なその動きはヤグアートを惑わせる。
その隙に、ジュストは≪シャイニングアローⅡ≫を展開した。術者の周囲に攻撃を反射する光の輪が出現する。シリウスから狙いを外したヤグアートは、自らの攻撃で細い身体を傷つけている。
そして――
「くっ!」
「ミュラーさん!」
「大丈夫だ!」
加勢へ向かおうとしたミュラーの腕に向け、奇怪にしわがれた腕――いや、枝が振り下ろされた。間一髪で避けるも、枝は止めらない。木々をうつ衝撃で葉ははらはらと落ちていき、地面が揺れる。
デミ・トレント。ご丁寧なことに、二体揃っている。
万が一にも姿を隠されたら厄介だと、ニッカとリチェルカーレはそれぞれ、デミ・トレントにペイントボールを投げつけた。鮮やかな色が付着した彼らは、たとえ動かなくてもすぐに発見できるだろう。
ミュラーはすぐさま接近し、≪アプローチⅡ≫を放った。ミュラーのオーラに触れた二体のデミは、彼の存在を無視できなくなる。
――狙い通り。この場にいるのがウィンクルムだけでない以上、的は絞られていた方がいい。ミュラーは自らを盾役とし、攻撃を引き受ける算段なのだった。そして、その判断は正しかった。
「トレントさん……!」
神人たちを振り払い、ナナはデミ・トレントへ近づこうとする。まるで、迷子がやっと見つけた母に駆け寄るように。
「ナナさん、いけません!」
だが、ライトによって阻まれる。腕を掴まれ不満そうなナナに、ライトは静かに言う。
「あなたはとても優しいですね。ですが、あなたが護ろうとしているトレントは普通の状態ではありません。他のトレントや森の動物、村の住人も襲います」
「でも、いままでずっとここをまもってきたんだよ。へんになったからって、たおすのはおかしいよ……」
ナナの瞳は不安に潤んでいた。けれどわずかな敵意がある。
「トレントは森を守っていたんだろう? 守ってきたものを傷つける自分になるというのも辛いはずだ」
猛攻をかわし、お返しとばかりに≪アルペジオⅡ≫を放つシリウスの言葉に、ナナはぱっと顔をあげた。
ライトはナナを神人の元へ届けると、再び前線へと戻った。大輪の薔薇をイメージした小型の盾で敵の攻撃を防ぎ、隙を見てカットラスを振るう。修羅場を超えてきたからこその、洗練された動きだ。
ナナは何も言わない。だが、二人の説得に納得しているわけではなさそうだった。幼い顔に相応しくない、寄せられた眉間のしわを見て、リチェルカーレとフィーリアはそっと屈みこみ、目線をあわせた。
「私も、デミ・トレント、元に、戻したい……。でも、戻す方法、分かっていない、の……」
「トレントを助けたい気持ちは私も同じ。でも、フィーリアさんの言う通り、元に戻す方法がわからない……ごめんなさい。だけど考えてみて。ナナちゃんの大好きなトレントは、森や人を傷つけようとするかしら」
「……でも、だから、たすけてあげたいの……」
ナナの手が、自分の服をぎゅうと握る。目はじっと、デミ・トレントへと向かっていた。
ミュラーが振るう古のドラゴンの角から削り出されたとされる片手斧は、的確にデミ・トレントを追いつめている。
「ミュラーさん、後ろ!」
「っと、ありがとうミズキ。助かったよ」
瑞希があえて一歩引いたところに立ち、ナナを護りながら周囲の動きを前線に立つ精霊たちに伝えていた。敵は複数。彼女の働きは地味に見えるが、きわめて重要だ。
ヤグアートは苛立ったかのように低空を滑空し、鍵爪を振るった! だが、ジュストの光輪に防がれ自身がダメージを負う結果に終わる。
デミ・トレントはライトとミュラーが。
ヤグアートはシリウスとジュストが。
それぞれ庇いあい、持てる力を十二分に発揮しながら追いつめていく。
と。機動力をそがれたヤグアートに、シリウスの≪アルペジオⅡ≫が炸裂し――細長い手足と肢体が、地に沈む。
残るはデミ・トレント達だけ。
フィーリアは今にも飛び出してしまいそうなナナの瞳をじっと見つめる。
「できるのは、まだ、無事な、トレントを……、守る事、だけ……。ごめんなさい、助けられなくて……」
森を守るトレントは、もう戻ることはない。戻す方法がわかっていない。
ずっと大切にしてきた森だけでなく、人や動物を襲う存在になってしまった。
きっと、トレントにとって守ってきたものを傷つけるのは、とても悲しいこと。
「……お願い、守らせて、ほしい、の……」
繰り返された謝罪。説明。そして、まっすぐな『お願い』。
――このままだと、この森は全部だめになる。そうならないためには……。
フィーリアの言葉に、ナナはくしゃりと顔を歪めた。
そして、ぎゅ、としわになるほど強く自分の服を握りしめた。
小さく、小さく。震える唇を開いて「わかった」と。
ナナの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちると同時に、決着がつく。
先ほどまでの喧噪から一転、静寂に満ちた森の中。
「ふぇっ、うええええん」
ナナの泣き声が木霊した。
●ウィンクルムの確信
「ナナっ!!」
ライトに背負われながら戻ったナナに、ナナの母は駆け寄った。
「ああ、こんなに目を赤くして……。怪我は、ってあら、治療していただいたのね。他にどこか痛いところはない?」
ナナは森を歩いている途中、転んだせいで軽いけがをしてしまっていた。だが、フィーリアと瑞希の手によって簡易的ではあるがきちんと治療が施されている。二人は自分たちが怪我をした時のためにと応急手当キット持ってきていたのだ。備えあれば憂いなし、というやつである。
怪我に響かないよう気遣いながら、ライトはそっとナナを下ろす。ナナの母は戻ってきた娘を抱きしめると、ぼろぼろと大粒の涙を流した。
「ママ、しんぱいかけてごめんね」
「ママの方こそ、ナナが苦しんでるのに気付けなくてごめんね。無事に戻ってきてくれて、本当によかった……」
ナナは子供のように涙を流し自分を抱きしめる母を見て、帰り道にふわふわとした金髪のお姉ちゃんと騎士のお兄ちゃん――ニッカとライトに言われたことを思いだした。
『お父さんもナナちゃんもいなくて、お母さん泣いてたわ。戻ってお母さんを護ってあげて』
『お母さんの傍にいてあげて下さい』
――ママもしんぱいしてたんだ。わたしがトレントさんにしてたみたいに。
じわりと胸が苦しくなった。母を悲しませてしまったのだと、今更ながらに理解した。
ナナは母の背中に細い腕を回し、ぎゅうと手のひらに力をこめた。そして、再びほろほろと雫を流す。
ナナの母がふと顔をあげると、ほっとした様子のウィンクルムが目に入った。そこでやっと、彼らの存在を思い出す。
「すっ、すみません! ウィンクルムの皆さん、ナナを助けてくれて、本当にありがとうございました」
ナナを抱きしめながら深く頭を下げる母に、ウィンクルムは笑顔を返す。
そしてお礼にと一晩宿を貸してもらい、疲れを癒し、さあ帰路につこうとしたところへ。
「……おねえちゃん、おにいちゃん」
てててとナナが駆け寄ってきた。泣きはらしたのだろう、目は赤い。
「あの…………ありがとう」
たっぷりと間を置いて、ナナはそう言った。きっと、まだ自分の中で昨日のことを昇華しきれていないのだろう。だが、気にする者はいない。
「また、きてね」
ナナはそう言うと、くるりと背を向けた。そのままぱたぱたと去っていく。
その後ろ姿が見えなくなってから、ウィンクルムたちは誰ともなく歩きだした。
トレントを失った悲しみは、しばらくナナに陰を落とすだろう。
けれど、とウィンクルムは思う。
ナナならば、きっと乗り越える。私達の言葉に耳を傾け、真摯に向き合うことができる彼女なら。彼女は、一人ではないから。
また会えたらいいねとつぶやいたのは、いったい誰だっただろう。けれど、誰でも構わないと思った。
皆、同じ気持ちだったのだから。
依頼結果:成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 櫻 茅子 |
エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | 戦闘 |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 普通 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 4 / 2 ~ 5 |
報酬 | 通常 |
リリース日 | 06月30日 |
出発日 | 07月08日 00:00 |
予定納品日 | 07月18日 |
参加者
- リチェルカーレ(シリウス)
- ニッカ=コットン(ライト=ヒュージ=ファウンテン)
- フィーリア・セオフィラス(ジュスト・レヴィン)
- 瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
会議室
-
2015/07/07-23:39
プラン提出できています。
アドベンチャーはあまり慣れていないので
大丈夫かなって、色々と心配です。
無事にナナさんを助け出せますように。
それでは皆さん、ご武運を!
-
2015/07/07-23:37
-
2015/07/07-23:30
…プラン、出しました。
無事に、終わります、ように…。 -
2015/07/07-22:41
-
2015/07/07-22:09
瑞希さん、アイテムの申請ありがとうございます。地図と方位磁石、あると心強いですね。
>班分け
では私たちはニッカさんとライトさんと同じ班ですね。よろしくお願いします。
>戦闘
シリウスはエトワールで回避率を上げながらアルペジオⅡで攻撃するつもりです。敵を引きつけるよう動きますね。
カラーボールを投げるの、私もなんとかプランにねじ込んでみます。 -
2015/07/07-21:46
ライト:
【アイテム】
地図に方位磁石、あると助かりますね。
瀬谷さん、ありがとうございます。
【班分け】
私たちもその分け方に異論はありません。
【戦闘】
私も‘ロイヤルナイトが敵を抑えている間に攻撃’というイメージでした。
聞き込みをした場所の近くや木々が荒れている場所などの周辺で、トレントの奇襲に備えてフォトンサークルを使おうと思っています。
私たちロイヤルナイトはペイント弾を投げている暇がないと思いますので、一応持っているつもりではいますが、投げるのは後方にいる皆様にお願いしてもよろしいでしょうか。
動きが遅いようですので、きっと当たりますよね。
同時に出現した際、レヴィンさんはヤグアートを担当、ミュラーさんはトレントを担当されるのですね。
トレントは2体いて、ミュラーさんがアプローチⅡを使うのであれば集団戦闘のような形になるでしょうか。
何体が惹きつけられてくるかは分からないですが、長時間耐えるためにもミュラーさんと一緒に盾になった方がいいでしょうか。
ニッカには後方から弓で攻撃してもらおうと思っています。
-
2015/07/07-21:26
>探索
二手に分かれる、ですね。解りました。
チームわけにも異存はありません。
ナナさんを見付けたら速やかに連絡し、合流。
敵との対応は皆が揃っている状態で、が望ましいですね。
>戦闘
はい、ロイヤルナイトが敵を抑えている間に攻撃、のイメージです。
両方が一度に洗われたら敵の攻撃回数を減らすためにも
ヤグアートを先に倒す方がいいのですが、敵の素早さを考えると
ミュラーさんはデミ・トレントを抑える方に専念した方がいいかと思いました。
皆さんがデミ・トレントから攻撃される可能性が低くなりますから。
>申請物
フロラ周辺の地図も申請しておきます。
以前からトレントと出会いやすい場所や
ナナさんがトレント達と遊んでいた場所等を
具体的に聞く時に有用です。
森の中を歩くのに地図があった方が安心。
それと方位磁石。皆さんの分申請しておきます。
-
2015/07/07-21:23
>チーム
…私は、それで、構わない、です…。
>戦闘
イメージ…、私も、そんな感じと、思い、ます。
ヤグアート、現れたら…、ジュストにも、向かってもらう、ように…、お願い、してみます、ね…。
…カウンターなら…、当たる、かも…。 -
2015/07/07-20:20
瑞希さん、お久しぶりです。よろしくお願いします。
>探索
2班に分けるのいいですね。ロイヤルナイトがそれぞれに分かれるのでも了解です。
私たちとフィーリアさんがどちらと組むかですよね…どうしましょうか。
単純にレベルで分けると私・ニッカさんチーム、フィーリアさん・瑞希さんチーム?
>戦闘
ロイヤルナイトのお二人が抑えてくれている間に残りが攻撃するイメージですが、あっているでしょうか?別々で現れたら各個撃破ですが、デミ・トレントとヤグアートが一緒に現れたら素早いヤグアートを先に倒す方がいいのかな?デミ・トレントは一撃は重そうですが、動きは遅いようなので…。
>擬態
色を付けるの、いいですね。見分けやすそうです。最初だけは奇襲を受ける可能性が高いので、注意しておかなくてはいけませんけど。 -
2015/07/07-13:09
【擬態】
なるほど、カラーボールにスプレーね。
イケるかもしれないわね!
【探索】
2班に分けるとして、どうしようかしら。
ロイヤルナイトが2人いるから、そこは分けた方がいいわよね?
聞き込みは全員で手分けして、その後で2班に分かれて探索っていうイメージで合ってるかしら。
【アイテム】
今のところ申請してみるのは
インカム、カラースプレーやペイントボールのような物、自分達用の救急セット
ってところかしらね。
-
2015/07/07-00:05
…瑞希さん、お久しぶり、です。
よろしく、お願い、します…。
>探索
行きそうな、場所の、数と、どれくらい、…離れているかに、よる…?
…分かれる、としても…、二手くらいが、いい、かしらって、思う、けど…。
>擬態
…、その…、スプレーとか、カラーボール?とかで、色を付けられたら…、見つけ易い、かもって、思ったけど…。
一度は、何も無しで…、見破らないと、だけど…。
…あの、…救急セット、ね。
自分たち用に、準備、だったら…、通るかしらって、思ったん…、だけど…。
ジュストは、医学と薬学の、スキル、あるし…、でも、ジョブスキルは…、一つしか、セット、できないから…、って…。 -
2015/07/06-03:04
ニッカ:
瀬谷さん、お久しぶりね!
あたし達の方こそ、よろしくお願いします。
ライト:
【説得】
敵を見つけるというよりはまず、ナナさんを見つけるというイメージですね。
村人によく行く場所など聞いてある程度の当たりをつけておくのはいいかもしれませんね。
説得する言葉に関しては、それぞれ書けたら書く、という感じでしょうか。
私たちは一応、書いてみるつもりでいます。
【探索】
インカムを着けて周囲には常に警戒し奇襲に備えなければなりませんね。
敵は耳が良いようですし、捜索中もあまり音を立てずに移動しなければならないでしょうか。
村人に聞き込みし、何件か行きそうな場所を聞いて、ペアごとに別れて探しますか?
あまりに遠く離れているようなら一緒に行動しますか?
【戦闘】
ミュラーさんがアプローチⅡを使って下さるのであれば、私はフォトンサークルで皆さんの防御力を上げましょうか。
前衛に出て盾を構え、後ろへダメージがいかないようにします。
今回の仲間の中で速さに対抗できるのは、テンペストダンサーのシリウスさんでしょうか。
デミ・トレントは2体ですね。
森の中での戦闘ですし、瀬谷さんの言われるように擬態が怖いですね。
見分ける方法や勘付く方法があればいいのですが・・・ -
2015/07/06-01:05
こんばんは、瀬谷瑞希です。
パートナーはロイヤルナイトのミュラーさんです。
ニッカさん、フィーリアさん、リチェルカーレさん、お久しぶりです。
今回も、ご指導、よろしくお願いします。
>探索
緊急連絡用としてもインカムは持っていきます。
ナナさんの安全確保が最優先事項ですので、
あまり離れず、でも手分けしてナナさんを探した方がいいかも。
見付けたら、すぐに合流するようにしたいです。
身を潜めて待つ場合も
デミ・トレントが普通の樹木に紛れて接近してくるかも。
良く気をつけて周りに警戒しないといけませんね。
デミ・トレントは複数居るようですし。
>敵情報
過去の依頼資料からざっと抜粋します。
ヤグアート:
長い嘴をもった鳥めいた頭部をもち、聴覚に優れているオーガ。
動きが早く攻撃を当てにくいのが特徴。足についた鍵爪で攻撃。
攻撃力・防御力が低いが、素早さが高いので注意。
デミ・トレント:
木のような化け物。動きは遅いが木が多い場所では発見が難しく注意が必要。
防御力が高くても動きが鈍い。
攻撃を避けることは容易だと思われますが、擬態を見抜く力が必要になりそう。
>戦闘
上記を踏まえ、ミュラーさんはデミ・トレントを相手にする予定です。
ナナさんや皆に敵の攻撃が行かないように
アプローチⅡで敵の気を引き、防御を上げての持久戦です。
声でなくオーラで気を引くので、デミの近くで使えば
ヤグアートには影響が出ないと考えます。
斧で攻撃、一体ずつ潰していく予定です。
私はジェンマでミュラーさんの攻撃力を上げながら
距離を置いて周りをよく見て、敵の動きを充分警戒します。
>説得
デミ・トレントとの戦闘に入る前に説得できればいいのですが。
正直、説得にはあまり自信がありません。
感情に訴えるのが苦手で……。
正論ではナナさんの感情を巧く収める事ができそうにないですし。
「トレント個体より森とそこに暮らす動物達の方が私は大事と思う」
と言っても…絶対駄目ですものね。
この部分は皆さまが本当に頼りです。
(お役に立てそうになくて申し訳ないです)
今現在考えている事は以上です。
何か見落としなどありましたら、ご指摘をお願いします。 -
2015/07/05-21:43
リチェルカーレです。パートナーはマキナのテンペストダンサー、シリウス。
ニッカさん、フィーリアさん、お久しぶりです。よろしくお願いします、ね。
>探索
インカムは連絡手段として申請しておきたいですね。
フィーリアさんが言うように、まずはナナちゃんを早く見つけたいです。
デミ・トレントといる可能性が高いのなら余計に。
村人さんにいそうな場所を聞いておくの、いいと思います。
わからなくても仕方ないけれど、それで範囲が絞れたらそれだけ早くナナちゃんが見つけられるもの。
ナナちゃんを見つけたら連絡→身を潜めて待つ感じでしょうか?敵に見つかってしまっていたら精霊が抑えている間に神人がナナちゃんを連れて退避した方が良い?
>戦闘
フィーリアさんがナナちゃんを護ってくれるのなら心強いです。シリウスは前に立って攻撃、私は錫杖「銀音」でシリウスの補助をしようかと思っています。
>説得
ナナちゃんの大好きなトレントは、森を壊したり人を攻撃したりするかしら?守ってきたものを壊す自分でいることも、トレントには辛いことなんじゃないかな…って、そういう風に話してみたいと思います。あとは私もまだ考え中です…。
-
2015/07/05-20:34
…えと、…フィーリア・セオフィラス、です。パートナーは…、ライフビショップの、ジュスト・レヴィン…。
その…、ニッカさんとライトさん、リチェルカーレさん、シリウスさん、…お久しぶり、です。
…よろしく、お願い、します…(ぺこり)。
>捜索
…ナナさん、早めに、見つけたいけれど…。
デミ・トレントが、どの辺にいそうとかは…、村の人たちは、…分からない、かしら…?
…手分けするのは、いいと思う、けれど…、あまり、離れすぎない方がいい、かも…。
というか…、荒れてる場所を、見つけたら、集まるように、する…?
ヤグアートは、聴覚が、良いそうだから…、隠れていたくても、見つかって、しまうかも、だし…。
>戦闘
…私は、あまり、役に立てなさそうだし…。
…ナナさんを…、守って、いよう、かしら…?
ジュストは…、たぶん援護、ね。…シャイニングアローⅡか、シャインスパークか…?
>説得
どう言えば、いいかは、まだ…。考えてみる、けど…。 -
2015/07/05-08:34
ニッカ=コットンとロイヤルナイトのライトよ。
リチェルカーレさん、セオフィラスさん お久しぶりね。
今回もよろしくお願いします。
【捜索、道具】
やっぱりインカムは必要かしらね。
オーガとデミ・オーガが一緒にいるのよね?
みんなで手分けして探して、森が荒れている場所を見つけたらインカムで連絡を取り合う感じかしら。
発見した人たちは標的にならないように身を潜めて待つ、とか。
【戦闘】
ライトには前に立ってもらって、あたしは弓か剣で攻撃しようかなと思っているわ
【ナナ】
トレントのことが大好きな女の子・・・よね
ってことはデミ・オーガ化したトレントに、他のトレントが攻撃されてしまうかもしれないってこと
大切なお母さんや村の人が攻撃されてしまうことを伝えたらいいんじゃないかしら?
お父さんもいないようだし、お母さんを守れるのはあなただけなのよって伝えたいわ。