プロローグ
各地からイベリン領に集まってきたミュージシャンたち。
近々、ロックの祭典があるので、ロック好きが次々に集結している。
とあるバンドがメンバー募集をかけていた。ロックを演奏したいと思ったらメンバーが足りないらしい。
「ロックフェスティバルを成功させるためには、私たちもバンドとして参加するのが良いでしょう」
「ロックといってもいろんな曲があります。せっかくのフェスティバルですから、オリジナル曲がいいでしょうね」
彼らはイベリン領のミュージシャンたちに対抗しようと、地方から出てきた若いミュージシャンだ。
熱いハートを持っていて、音楽に対する気持ちは誰にも負けないと思っている。
ただ、彼らに足りないのはバンドメンバーだった。
数日前からキミはメンバー募集のチラシを目にしていた。
メンバーはちょうど2人必要らしい。メンバーに参加したら楽器は、ギター、ベース、ドラム、ボーカルどれでも好きなものが選べる。
ロックの祭典までの日取りには余裕があり、本番までに練習をする猶予が十分にある。
どの楽器を選んだとしても、そこそこの演奏するだけの練習はできるだろう。
曲はオリジナル曲なら、どんな曲でもいいらしい。
ボーカルをメインにしてもいいし、ギターで派手にパフォーマンスをしてもいい。
ドラムのスーパープレーを披露してもいいし、パンクのようにベースで暴れてもいいだろう。
派手なパフォーマンスと演奏でライブハウスに来ている客と一緒に楽しもう!
解説
神人と精霊の二人でバンドに参加し、ライブハウスでロックを演奏するエピソードです。
演奏の上手い下手は特に関係ありませんので、楽しくロックを演奏しましょう。
楽器は好きに選べます。(例:神人、ボーカル 精霊、ギター)
選ばなかった楽器は他のNPCが演奏するので気にしなくてOKです。
★オリジナル歌詞を考えてみよう
格好いいサビを歌ったり、サビに合わせてパフォーマンスをします。
歌詞のサビ部分を自由にプランに書いてください。歌詞は短くても平気です。
★パフォーマンスを考えよう
演奏しているだけでは味気ないので、楽器を演奏するのに派手なテクニックを使ったり、観客席に飛び込んでみたりとパフォーマンスを考えてみましょう。
パフォーマンスが成功すると、お客のテンションが上がります。
★バンドメンバーのNPC
歌でも楽器でも何でも出来るミュージシャン。
特に指定がなければ、ジャック、ロベルト、ドロワーズという特徴のないNPCが余った楽器を演奏します。
★大まかな流れ
ステージで演奏開始部分からスタートします。
まずは、客のハートを掴むために格好良く演奏や歌を披露しましょう。(格好良ければいいので上手でなくても平気です。舞台装置を使って演出することも出来ます)
曲のサビに入ったら、格好良く歌ったり、派手なパフォーマンスをします。
舞台装置が必要だったら、火柱を舞台から出したり、スモークを出したり、カラフルな光でライブハウスを照らす程度までなら出来ます。
★参加費300Jr
ゲームマスターより
音楽の演奏だからといって、演奏しかしてはいけないと誰が決めたんだ。
ということで、ライブハウスで好き放題に暴れながら、ライブハウスのみんなと一体感を味わえそうなエピソードを用意しました。
演奏そっちのけで客にパフォーマンスを仕掛けてもいいし、パートナーと二人でギターを演奏して早弾きとか格好良さそうだなと思っています。
みなさんがどんなサビを歌うのか楽しみにしています。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
リゼット(アンリ)
リズムギター 衣装は赤と黒のアームウォーマーにミニスカートのパンキッシュなもの 演奏中はお客さんの方に目線を向ける ボーカルのアンリじゃなくて私の方を見てくれている人がいれば目を合わせて微笑みかけてみる アンリがお客さんを煽る行動を取った時には 私もそれに合わせるようにギターを振ったり声を出したりする サビではハモりを入れてボーカルに厚みをつける アンリほど上手くは歌えないけど、一緒に歌うの、気持ち良いわね 間奏のギターソロはアンリに近づいて 向き合った状態で相手の目を見てギターの腕を競い合うように弾く 「最後!みんな一緒に飛ぶわよ! 締めに合わせてお客さんと一緒にジャンプ 最後にピックにキスをして客席へ放り投げる |
ガートルード・フレイム(レオン・フラガラッハ)
ギター メッシュで一部金に染めた髪、男っぽい衣装 派手な事は苦手だが、レオンに引っ張られ参加 うわ、凄い人だな まさか自分が舞台に立つ日が来るとは (一族といた頃 いつも自分は端で見守る役だった 感慨深げに舞台に立つ 炎と風のペアなので不死鳥の歌 昔嗜んだ弦楽器の心得でギター弾く【演奏2】 段々大胆になり、早弾きにも挑戦 足でリズムよく床を鳴らし、軽くヘドバン) レオン、この前の歌は聞けたもんじゃなかったのに 今日はまずまずじゃないか! (大観衆の前でトランスは恥ずかしいが 精霊のノリに引っ張られキス) (舞台に戻る際、楽器を精霊に放りバック転【スポーツ3】) うん、楽しかった 合言葉、今までは一族の歌だったが この歌詞に変えたい |
アイリス・ケリー(ラルク・ラエビガータ)
ボーカル 白いロングドレスを着用 ラルクさんの力を借りて、ドレスの下に細工を仕込んでおきましょう バラードのような静かな前奏 雪のような紙吹雪の中、二人で静かに舞台中央に歩み出ます その間、私はハミング 中央に到着すると、激しい曲調に変化 同時に紙吹雪が止んで、客席をライトで照らしてもらいます ドレスを脱ぐのは手早く 春夏秋冬 季節が変わる 雪が溶けて春が来て 桜が散って夏になる 緑が赤へと変わり夏になり 私も変わる あなたと共に! こういう音楽に馴染みがなかったので、少々不安でしたが… うまくいったようで安心しました 楽しまなくちゃ損ですからと精霊に答えた後、 このような機会を下さってありがとうございますとバンドに感謝 |
アオイ・リクア(キミヒデ・カーマ)
(ロックギターを低音で弾きながら一人歌い出す) ♪陽気告げる風 鶯の囀り 日射しを浴びたら 染まる緑の絨毯♪ (歌い終わる前にカーマの方を見る) (演奏は他の人に任せたまま、観客の方を見る。 手拍子するまで、手を大きく叩き続ける) <サビ> ♪この花が色失う その時は 淡く白い羽纏って 今飛んで行くよ 境界を越えて 君に会いたい 雨に打たれ 風に行く手を阻まれるとしても♪ (再びカーマと目を合わせた後、彼の歌声に乗せてコーラスを入れる) ラストの時 ・演奏終了後、 自分達の演奏を聴いてくれた観客にお礼を言い、退場。 次がいる時 ・演奏終了後、次に控えるバンドメンバー名を言い、 そのバンドに「よろしくお願いします」と伝えて退場。 |
●
イベリン領にある大きなライブハウスで今日、ロックフェスティバルが行われる。あちこちから集まってきたロック好きのミュージシャンやロックファンで会場はあふれかえっている。
いくつかのバンドが演奏し終わると、会場のボルテージは上がっていき、曲に合わせてヘッドバンキングをする客も多くなってきた。
「うわ、すごい人だな。まさか自分が舞台に立つ日が来るとは」
ガートルード・フレイムはお客で満員になっているライブハウスをステージの袖から見てつぶやいた。
レオン・フラガラッハが「ロック詳しくねーけど、めっちゃ楽しそう」とメンバー募集しているバンドにガートルードを引っ張っていって、バンド参加を決めてしまったのだ。
もう自分たちのバンドの演奏まですぐである。ガートルードはもうやるしかないと開き直って、自分たちの順番になったときステージに駆けだしていった。
「合言葉、今までは一族の歌だったが、この歌詞に変えたい」
「ん? もちろんいいぜ!」
ガートルードはレオンと短く会話を交わすと、ステージの中央に立つ。
「たぎる血潮、観客の熱狂! これだ! 俺が求めていたものはこれだったんだよ!」
黒いサングラスをかけたレオンがノリノリでエアギターを派手に魅せながら歌い始めた。バンドメンバーの演奏が大音量でライブハウスを盛り上げる。
(一族といた頃、いつも私は端で見守る役だった)
舞台で演奏しながらガートルードは過去の自分を振り返っていた。レオンの力強い歌声を聞いていると自然と演奏が大胆になっていく。
メッシュで一部を金色に染めた髪がヘッドバンキングで揺れる。足でリズムをとりながら演奏を続けた。
前半の演奏が終わり、ガートルードのギターソロにスポットが当たる。指を繊細に、大胆に動かして高速のリズムを刻んでいく。ギターが激しく鳴いた。
前列の客はギターのリズムに合わせて高速でヘッドバンキングをしている。
「レオン、この前の歌は聞けたもんじゃなかったのに、今日はまずまずじゃないか」
ガートルードのテンションもかなり上がってきている。レオンの横でギターの早弾きを成功させると、レオンは爽やかな笑みを送ってきた。
早弾きの後にワンフーレズをいれた後は、この曲のサビに突入する。
『燃え上がれ 蒼き不死鳥
貫けこの闇 野望(ゆめ)掴むまで
炎の翼で明日を照らせ
尽きることのない情熱(のぞみ)解き放て』
サビを一度歌うと、ステージの一番前で二人はトランスをした。蒼い炎のオーラに包まれる。
レオンは楽しそうに笑いながら、ガートルードの手を引いて客の中に飛び込んでいく。レオンはマントをはためかせながら、一人客席を走る。サビを繰り返し客を盛り上げていった。
レオンが客にマイクを向ければ、ノリよくレオンに合わせてサビを繰り返してくれる。 ガートルードは戻ってきたレオンをギターの音で出迎える。
ステージの下に降りたまま、もう一度サビを演奏に合わせて歌うレオン。
『燃え上がれ 蒼き不死鳥
貫けこの闇 野望(ゆめ)掴むまで
炎の翼で明日を照らせ
尽きることのない情熱(のぞみ)解き放て』
ライブハウスのボルテージが上がり、最高の盛り上がりに二人はハイタッチをして喜びを分かち合った。
ギターをレオンに投げて、ガートルードが華麗にバク転でステージに飛び乗ると、ステージのサイドから火花がボンッと音を立てて噴き上がる。
レオンがジャンプしてステージに戻ると、ラストにもう一度サビを歌う。
レオンが渡してくれたギターをかき鳴らし、最高の演奏を楽しむ。バンドと客が一体になったように感じる。
歌が終わり、ガートルードのギターに合わせて全ての演奏が最高のタイミングで終わった。
ロックファンから、指笛や歓声が上がった。
「参加してよかったろ?」
「うん、楽しかった」
ガートルードとレオンはバンドメンバーや客と一体感を感じることができた。二人にとって最高に楽しい演奏が出来た。
●
照明が落とされたステージにスポットライトが一筋照らされる。ステージで一人ライトに照らし出されるアオイ・リクア。
ギターで低音を奏でながらマイクに向かってアオイは歌い始める。
『陽気告げる風 鶯の囀り
日射しを浴びたら 染まる緑の絨毯』
アオイが静かに、はじめのフレーズを歌い上げた。そっとキミヒデ・カーマの方を見る。これを合図にしてドラムが激しくビートを刻み始めた。
カーマのベースが唸り、バンドメンバー二人のギターが大きな音でリズムを刻む。
ステージが一気にライトアップされた。バンドメンバーが全員に激しい光によってステージに照らし出される。
バンドの奏でる激しいメロディがライブハウスを揺らす。黄色の紙吹雪がライブ会場に舞った。照明効果と合わさって黄金の雪が降っているようである。
カーマは歌い始めた。ギターとドラムが激しく音を奏でる中、歌声が会場に響く。
『どこまでも高く 空に背伸びをしながら
黄金色の花弁なびかせて』
アオイがカーマにコーラスを重ね、厚みのある歌声を作り出す。激しい歌声が会場を包んでいった。アオイがギターを奏でながら歌い、カーマの歌が曲に重みを持たせていく。
『太陽お願い そう、あと少しだけ
次に巡るあの日が来るまでは』
アオイはギターの演奏をやめてステージを端から端まで駆けながら、頭上で手拍子をしていく。ギター、ドラム、それにカーマのベースがリズムを刻んでいる。
アオイの手拍子に合わせてライブハウスの客も手拍子を始める。小さかった手拍子の音が徐々に大きくなっていく。手拍子が大きなうねりとなってライブハウス全体に広まり、バンドと客の一体感が増していく。
マイクを握ってアオイがサビを歌い始める。バンドの演奏もハイテンポになっていき、ドラムの激しいビートが体に響く。
『この花が色失う そんな時は
淡く白い羽纏って 今飛んで行くよ
境界を越えて 君に会いたい
雨に打たれ 風に行く手を阻まれるとしても』
アオイが再びカーマを見る。アオイと交代してカーマがサビを続けた。
『季節は時間と共に過ぎていく
始まり告げるあの日に 君はいない
夢でもいいから 会えたらいいのに
流れる時に逆らえるのなら』
カーマがサビを歌い終わったタイミングで歓声が上がった。ライブハウスに金色の紙吹雪が舞う。
バンドメンバーのギターソロが始まった。アオイとカーマはステージの中央に寄って、背中合わせで最後のサビを歌い始めるタイミングをとった。
『この花が色失う その時は
淡く白い羽纏って 今飛んで行くよ
境界を越えて 君に会いたい
雨に打たれ 風に行く手を阻まれるとしても』
バンドと客が一体になって、曲の完成度が上がっていく。会場からもボーカルのアオイに合わせるように歌声が聞こえる。
『季節は時間と共に過ぎていく
始まり告げるあの日に 君はいない
夢でもいいから 会えたらいいのに
流れる時に逆らえるのなら』
カーマの歌声と客の声が重なり、ライブハウスのテンションは最高潮である。歌いきった後、ドラムのリズムに合わせて、アオイのギターとカーマのベースの旋律がライブハウスに響く。
ライブハウスを盛り上げに盛り上げ、演奏は終わった。
「みなさんー、アオイたちの曲を最後まで聴いてくれてありがとう!
バンドメンバーを紹介します。
ギター、ジャック&ロベルト!」
アオイに紹介されたジャックとロベルトが即興で旋律を奏でる。アオイが紹介している間、ドラムがビートを刻んでいる。
「ドラム、ドロワーズ」
ドラムが激しくリズムを刻む。アオイはカーマを見つめ、いう。
「ベース&ボーカル、ゴンちゃん!」
カーマがベースラインを奏でるのに合わせて、アオイがギターで音を重ねる。
「そして、ギター&ボーカル、アオイでした!」
ロックファンから指笛の音が聞こえる。
「次はアイリス&ラルクの演奏をお楽しみに!」
ドラムの音の終わりと同時に、ステージのライトが落ちた。
●
ギターの静かな演奏がライブハウスに響き渡る。ロックというよりはバラードに近い演奏である。
大人しく、変化の少ないコード演奏である。
白いドレスを着たアイリス・ケリーと白いロングコートを着たラルク・ラエビガータがステージの中央に向かって歩く。アイリスはステージ袖の右側から、ラルクはステージ袖の左側からである。
真っ白な雪がしんしんと降るかのように、紙吹雪がステージを舞っていた。
アイリスの優しいハミングがライブハウスに優しく響き渡る。ゆっくりとした足取りとアイリスのハミング、バラード演奏が嵐の前の静けさを感じさせた。
アイリスとラルクがステージの中央にたどり着くと、紙吹雪が止みステージを照らしていたライトが客の方を照らす。
ステージが一瞬真っ暗になった。演奏も一時的に止まる。静けさが次の変化への期待に昇華され、ステージに注目が集まる。
ライブハウスに力強いドラムのビートが響き渡る。ギターがかき鳴らされ、ベースが響く。アイリスの歌声を合図に、一気にステージがライトアップされた。
ステージの雰囲気は前奏から一気に変化して、ロックに染まっている。
黒い花の模様が入ったアイスブルーのシャツに、黒いショートパンツ姿に一瞬で着替えたアイリスの姿がそこにあった。
激しい歌声が客を盛り上げる。
アイリスと色違いの赤いシャツに、レザーの黒パンツ姿でラルクが大きなアクションでベースを奏でる。重低音がどっしりとライブハウスに響く。
後ろで演奏しているバンドメンバー達もロックな服装に変わっていた。バラードのような前奏から激しい曲調への変化で、ライブハウスのテンションが上がっていく。
最前列のロックファンはヘッドバンキングをしながら曲を楽しんでいる。ラルクがステージの最前列でベースをかき鳴らし、ヘッドバンキングをする。
ラルクのパフォーマンスに興奮を抑えられなくなった客が、ジャンプしながら手でロックポーズを作っている。
『春夏秋冬 季節が変わる
雪が溶けて春が来て 桜が散って夏になる
緑が赤へと変わり夏になり 私も変わる あなたと共に!』
アイリスの力強い歌声が歌詞に力を与える。ドラムの高速ビートが響き渡った後に、ギターのソロパートに入る。
バンドメンバーのギターの腕がなかなかのもので、アイリスとラルクの演奏を盛り上げている。
アイリスが腕を突き上げながら歌えば、ライブハウスの客はジャンプをしてリズムを楽しむ。
バンドと客の一体感が最高で、ラルクのアクションも大きくなっていく。最高のグルーヴを感じながら演奏を終えることが出来た。
演奏が終わった後、ステージの袖でアイリスは肩で息をしていた。
ラルクがアイリスの頬に冷たいペットボトルを当ててくる。
アイリスはラルクがくれたペットボトルの水を飲みながら、渇いた喉を癒やし、水分補給をした。
「こういう音楽に馴染みがなかったので、少々不安でしたが……、うまくいったようで安心しました」
「馴染みがないっていう割にはノリノリだったよな」
アイリスを茶化しているが、ラルクもノリノリで演奏を楽しんだのだ。
「楽しまなくちゃ損ですから」
「まあ、楽しめたんなら何より。俺も楽しかったしな」
アイリスとラルクは、一緒に演奏を楽しんだバンドメンバーに向かって挨拶をする。
「このような機会をくださってありがとうございます」
アイリスの言葉にバンドメンバー達は「最高にロックな時間を楽しめた」とアイリスとラルクに感謝した。
「正式なメンバーが集まったら、そのときは見にきたいもんだ」
ラルクがいうと、バンドメンバーは「そのときは飛び込みでいいからベースもってこいよ。ボーカルとセットでね」と笑っていた。
●
ステージに爆音と同時に火花が散った。爆音と同時に登場したリゼットとアンリ。
リゼットとアンリはどちらもギターを持っている。
赤と黒のアームウォーマーにミニスカート姿のパンクな装いで、リゼットがギターでリズムを刻む。
Tシャツとズボン姿のアンリ。ズボンの上に赤いチェックの巻きスカートを着て、アンリがサビから歌い始める。
ドラムのビートとベースが低音を支え、重みのある音がライブハウスに響き渡る。
『ヤなことばっかじゃないって教えてやるよ
捨てた夢 もっかい拾って走り出せ
不安なんて蹴り飛ばし さあ始まるぜパーティナイト』
アンリの歌が今日一番のうまさでロックファンをわかせる。
「おらァ! 腹から声出せ! 全力出せよ!」
アンリが客を煽る。ステージの端まで歌いながら走って行く。客を力づけるように拳を突き上げて歌った。
アンリのパフォーマンスに負けないように、リゼットもギターを振り回す。リゼットに見入っている客と視線が合えば、リゼットは目を合わせて微笑みかけてみる。それだけで客のテンションはどんどん上がっていった。
アンリは身軽にステージの上を移動して、反対側の端まで走って行く。拳を突き上げながら歌った。
バンドメンバーも負けずに、ドラムのビートを刻み、ベースをかき鳴らす。
アンリがステージの中央に戻ってきたところで、リゼットは背中合わせになって一緒に歌った。
(アンリほどうまくは歌えないけど、一緒に歌うの、気持ちいいわね)
ギターパートに突入すると、アンリは高くギターを持ち上げて、力強いメロディーをかき鳴らす。
リゼットとアンリは向かい合い、腰の位置で早弾きを交互に行った。客には演奏バトルに見えて歓声が上がる。
アンリがメロディーラインを高速で奏でれば、リゼットはアンリの演奏したメロディーに音を被せていく。力強く厚みのある音がライブハウスに響き渡った。
ギターパートが終わると、アンリは器用に片手でペットボトルから水を一口のみ、残ったペットボトルを客席に放り投げる。
アンリのスローが格好良くて客から歓声が上がった。動作一つひとつにキレがあって見ていてドキドキする。
演奏が後半に突入すると、客のボルテージは限界を突破していた。バンドの演奏と客が完全に一体となっている。
これがロックだ、という雰囲気に包まれたライブハウスは、ロックファンの歓声とバンドの爆音演奏で最高潮になった。
最後のサビに突入する前にアンリが再び客を煽る。
「おらァ! もっと声でんだろ! もっといい声聞かせろよ!」
客はアンリの歌声に負けないように、全力でサビを歌う。アンリの歌声がライブハウスを圧倒する。
『ヤなことばっかじゃないって教えてやるよ
捨てた夢 もっかい拾って走り出せ
不安なんて蹴り飛ばし さあ始まるぜパーティナイト』
最後のサビを歌いきっても演奏はまだ止まらない。
リゼットが大きな声で叫んだ。
「最後! みんな一緒に飛ぶわよ!」
ギターの演奏が曲の終わりに向かって進んでいく。ドラムの力強いビートもベースの低音も安定している。
リゼットとアンリが飛ぶ。客も一斉に飛び上がった。
ライブハウスにドンッという強い衝撃が走り、演奏がフィニッシュした。
リゼットとアンリはピックにキスをすると客にピックを飛ばす。
最高の演奏だった。最高にロックにラストの演奏を締めたリゼットとアンリ。ステージでハイタッチをしてステージ袖に姿を消していく。
ライブハウスは全ての演奏が終わっても、熱狂は覚めない。みんなの演奏はロックを愛するファンみんなに元気を与えた。
演奏を終えたバンド全てが最高に満足したという表情を浮かべている。
今日のロックフェスティバルを最高の時間に出来たのは、みんなの力に寄るところが大きい。
楽しくて、ロックな時間はゆっくりと幕を下ろしていった。
依頼結果:大成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 和歌祭 麒麟 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | イベント |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 4 / 3 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 05月10日 |
出発日 | 05月16日 00:00 |
予定納品日 | 05月26日 |
参加者
- リゼット(アンリ)
- ガートルード・フレイム(レオン・フラガラッハ)
- アイリス・ケリー(ラルク・ラエビガータ)
- アオイ・リクア(キミヒデ・カーマ)
会議室
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2015/05/15-23:16
-
2015/05/15-23:15
キャー、王子カッコイー(棒読みで白々しく)
確かに、かなりロックだな。
うまいものを山ほど食べたいという欲求が、己の内臓を蝕むというわけか。
ところで、ウィスキーを氷で割るのもロックだな。うん、奥が深い -
2015/05/15-23:00
矛盾…ダイエットすると心に決めたその日に焼肉食い放題に出かける。
つまりそういうことか。実にロック。帰りにケーキバイキングも追加だな。
打ち上げはこれで決まり!
残念だったなレオン。
会場の美人のハートはみんな俺がいただきだぜ(ドヤ顔) -
2015/05/15-20:21
クレティエさん、フラガラッハさん、ケリーさん。
プランには誰って指定しない上で、次に演奏する人を紹介する事にしました!
それに皆さんのパフォーマンスや何を演奏するかにもよるから、
向こう(当日の主催側=GM)が決めると思って、アオイ達も当日のプログラムにお任せします!
なので、ご意見ありがとうございました!
明日は皆さんの曲も聞けるのを楽しみにしています!
お客さん達楽しんでくれるといいですよね! -
2015/05/15-16:31
私たちも当日のプログラムにあわせようかと考えています。
アンリさんが仰るように、やはり各組のパフォーマンス次第で順番を組んでいただいた方が良さそうですし。
所謂ところのぐぐるをしてみたところ、自己矛盾を表現というのがあったのですが、定義は凄く曖昧だとも書いてました。
とりあえずラルクさんの存在を矛盾させてしまえばいいかなって思ったのですが……
ラルクさんの猛烈な抵抗を受けてしまいました。 -
2015/05/15-16:12
レオン:
俺らもそんな感じで当日のプログラムに合わせようかと思ってるぜ!
つーか、ロックって自己矛盾を表現するものだったのか?!
今風の音楽で派手にかっこよく楽しめばロックかと思ってたぜ!
わーい、今から本番が楽しみでしかたねえな!
美人いっぱい来てるといいな!
(背後からハリセンで神人にはたかれる)
よろしくなー! -
2015/05/14-22:14
順番とか特に考えてなかったからどこでも構わんが
メタな話をするとパフォーマンスの雰囲気によってGMが自由に順番を組める方が
話の流れがきれいに繋がって、読みものとしていいものになるんじゃねぇかとは思うな。
もちろん次の出番の奴を紹介するっていうパフォーマンスもおもしろいと思うから
やりたいならばっちり指定するんじゃなくて誰が来てもいいようにやるといいかもな。
もし具体的にやらないとやりづらいっていう内容なら、俺らを紹介してくれてもいいぞ。 -
2015/05/14-20:44
皆さん、初めまして!
ギター片手にボーカル始めましたアオイ・リクアです。
お客さん達、楽しんでくれるといいですよね!
当日はよろしくお願いしまーす!
あっ、思ったんですけどー。
皆さん、何番目に演奏したいか予定してますー?
それとも、当日のプログラムに任せますかー?
アオイ達、ラスト以外で
次に演奏するバンドが皆さん達の誰かだったら、
その方達のお名前呼んでから退場したいなーって思ってて。
(周囲のウィンクルム達の顔色を見る) -
2015/05/14-12:55
アイリス・ケリーと申します。
アオイさんは初めまして。お二組はお久しぶりです。
ロックの定義がいまいち分からず調べてみました。
とりあえず自己矛盾を表現して「最高にロックってやつだ!」と叫べば、それでばっちりだということを学んでまいりました。
ラルクさんにありとあらゆる自己矛盾を詰め込んで表現するつもりです。
……というのは冗談で、私達なりに楽しく音楽に触れたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。 -
2015/05/13-17:21
ステージあるところ俺様ありってな!
俺がギターボーカル、リズがギターのツインギターで行くつもりだ。
曲は背中を押せるような応援ソング。ポップロックになるだろうな。
さぁーとっとと帰って練習だ!みんなのバンドも楽しみにしてるぞ~。 -
2015/05/13-00:18