


●Question
シルビアと名乗る女の通報をうけ派遣された君達は、イベリンの郊外にある廃墟に巣食うデミ大ラットを退治しにきた。
朝飯前に近い仕事だった。さほどの損傷もなく、君達は勝利を収め、帰路につこうと支度を始める。
ふと、君は気配に気づき振り向いた。
可憐に微笑む少女と女性の合間にある若い女が、廃墟に吹き込む風に銀髪を揺らしていた。差し込む光に埃が反射して、彼女の周囲をキラキラと輝かせている。
――いつの間に。
「すごいですね。皆さんお強い」
鈴を転がすような美しい声で、女は言った。彼女が通報者のシルビアだろうか……。
「憧れますわ。私も神人になりたいと常々思っていますの。ねえ、どうやって神人になられましたの?」
と女は無邪気に笑んで尋ねる。
「えっと」
君は答えに窮する。彼女は『女』だ。どうしたって神人には顕現しないし、ウィンクルムにはなれないだろう。
「ねえ、教えて下さいまし」
君は、彼女に少しでも慰めになるのなら……と自分の顕現した時の話を始めた。
彼女は笑顔で相槌を打ち、興味深そうに君の話を聞いた。
そして、次の質問を放つ。
「ねえ、貴方の契約精霊さん大事ですか?」
「えっ……そりゃ、まぁ」
初対面にちかい女の前で、君達は模範的な回答をした。個々に事情は違うが、わざわざ彼女に自分の込み入った感情を話す必要も感じなかったので。
「……そう、じゃあ、その契約精霊がオーガになったら……どうなさいます?」
女は笑っていない目で君を見据えて、壮絶に笑みながら尋ねる。
「っ」
どうして彼女は、精霊がオーガになったら、なんて発想をしたのだろう。ただの想像力豊かな少女の無邪気の疑問だろうか。それとも。
君は、口を開いた。


●成功条件:自分が顕現した時の話をする
オーガになったらどうする?の疑問については、自由にご回答ください。
女に質問してもかまいません。
●同時参加者の扱いについて
全員が廃墟のデミ大ラット退治に参加したウィンクルムですので、同じ場所で女と対峙しています。
相談しても構いません。
●トランスについて
すでにトランスは終了していますので、今日一日はもうトランス出来ません。
●エピの種類について
間違いなく、アドベンチャーエピソードであり、ジャンルは『推理』です。
ジェール消費・親密度向上はありません。戦闘は発生しません。
経験値・報酬はデミ大ラット退治で発生したものとして付与されます。
あの子、あなた知ってる人かしら?
(多分知らない子です)


◆アクション・プラン
叶(桐華)
|
どうやってって聞かれても困るんだよね。僕、生まれつきだから 生まれたての赤ん坊の手に変な痣があるどうしようって感じだったらしいよ? 詳しく聞いたことないけどね そんな感じでさっくりとトップバッターしちゃいます 警戒はしてるよ。唐突過ぎる登場に質問だもの でもまぁ…興味があるんだよね。精霊がオーガになったら、なんてお話 桐華さんがオーガに、かぁ… 考えたことないけど、そうしたら確実に僕を殺してくれるのかな あぁでも…桐華さんが他の誰かを手に掛けるのは見たくないなぁ 頑張って刺し違えたいね、その時は お話は和やか(なつもり)に 相手の正体が分かるようならこっそり教えてもらおう 捕縛でも攻撃でも、必要な手は幾らでも使って |
|
「あなたは誰?」 知ってる人かな…声や話し方からも思い出してみる(記憶力スキル 俺は…家族だった犬がデミオーガ化して…襲われた時に顕現したんだ 詳しくは聞かれたくないから、最小限の話 問われたら、ぽつぽつと情報を追加 もしレーゲンがオーガ化したら? 今一番考えたくないのに一番頭に浮かぶ事 レーゲンが強く手を握って我に返った 避けては通れないのかも、倒さないといけないのかも、しれない でも最後の最後まであきらめたくないよ。ずっとそばにいるって誓ったんだ 神人に憧れてるのに精霊がオーガ化なんて矛盾してる 「…あなただったらどうする?(もし自分が神人で精霊がオーガ化したら)」 聞いたら、彼女がどう思ってるのか分かるかな |
|
女の子でも神人になれるよ あたしとか(にこにこ あたしが神人になったときのこと? 嘘吐くことは出来るけど…でも、正直に話したほうがいいかなあ えっと…パパはあっち行ってて なんだか聴かれたくないの でも、あたし、神人になったときのことはよく覚えてないんだ だって、オーガが恐かったんだもん パパは、えーっと、その時はいなかった…みたいな?あれ? よく分かんなくなってきちゃったから、この話はこれでいい? パパはオークじゃなくってパパだもん かっこよくてかわいいあたしのパパだもん …そういう意味じゃないの? ええっとね、あたしはものすごーく泣いちゃう で、パパをぎゅっとしたら、元に戻ってくれないかなー? 話す順番はいつでもいいよ |
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クラウを一瞥。 話す順は後の方。 「学校帰りに、最寄りのバス停から家まで歩いてたらデミ・ウルフに襲われたんだよね」 「持ってた鞄で対抗したけど、あっちの方が強いから結構怪我してさ」(目の事は言わない 「駄目かなって思ってたらウィンクルムが来て、倒して」 「紋様に気づいたのは病院に運ばれてからだから。顕現自体は、たぶん襲われたときかな」 オーガになったら? 何でそんな考えになったんだか。 「そんなの殺すけど」(責任感と、オーガ嫌いの複合 それに、「もし逆だとしても殺して貰う」 「なんだよ」(クラウを睨むように見て、女に視線を戻す 共通点を探して顕現の実験? そんで神人を囲いたいとか。 この人が教団員とかの場合に限るけど。 |
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マントゥール疑念 顕現答※流れに合いそうな順で 俺は生来の神人、記憶など無い 母は信心深く俺を宿している間も毎日の様に教会で平和への祈りを捧げていたそうだ 顕現との因果関係があるとは思わないが 俺の環境は神人に否定的なものだった 忌み子、それが俺の神人の自覚の始まりだった オルガスコープで女をチェック 皆に結果をシンプルに報告 周辺も見回しチェックを 報告タイミングは皆の顕現話済んだ後で適宜 オーガ答 討伐を祈るだけだ この廃墟に所縁が? 神人を知りたいなら神学を学べばいい そうすればあんな勘違い発言で恥を晒す事も無かったろう 勘違いならばだが 狙いは何だ『シルビア』 記憶3 絵画2 女の容姿 特徴等記憶 似顔絵を本部に提出したい |
●顕現問答
銀髪をさらりと流し、小首を傾げる少女に、叶は頭を掻いて困ったような顔をしてみせる。
「どうやってって聞かれても困るんだよね」
いつも袖の下に隠している紋章を布越しに手で覆い、叶は続ける。
「僕、生まれつきだから」
詳しく聞いたことないけどね、と言いつつも、
「生まれたての赤ん坊の手に変な痣があるどうしようって感じだったらしいよ?」
と少女に叶は『これでおしまい』とばかりに言い切った。叶はこの少女とは初対面ではない気がしていた。
(ああー。えーっと、つい最近見た気がするんだよね……)
叶がよく少女を見ようとすると、彼の視線を避けるように少女は次の神人に向き直った。
真っ直ぐな視線に射られ、信城いつきは思わず呟いた。
「あなたは誰?」
少女は、ニコニコしながら言った。
「言っても、わからないと思いますの。だって、あなたとは、はじめまして……ですから。ねえ、はじめましてのあなた。あなたはどうして神人になられたの?」
「……俺は」
ポツリポツリ、雨だれが垂れるようにいつきは答える。
「家族だった犬がデミオーガ化して……襲われた時に顕現したんだ」
これはいつきの胸を今も抉る辛い過去。マシロという犬を自分で撃った。忘れていた過去だったけれど、ようやく取り返した過去。
初対面の彼女に軽々しく言いたい話ではなかったから、最小限の答えだけいつきは与えた。
少女はコクリと『笑顔』で頷いて、ありがとうございましたと返した。それでは次の方、と少女はシムレスに目を向ける。
シムレスはオルガスコープを外し、憮然と答える。
「俺は生来の神人、記憶など無い」
そして、無表情に……どこか忌々しげに、シムレスは言葉を継ぐ。
「母は信心深く俺を宿している間も毎日の様に教会で平和への祈りを捧げていたそうだ。顕現との因果関係があるとは思わないが」
幸運のホークを残した母を想う。そして、シムレスを幽閉していた家族を思う。
「俺の環境は神人に否定的なものだった。忌み子、それが俺の神人の自覚の始まりだった」
彼をいつでもかばえる位置で、ロックリーンは笑顔を浮かべつつも状況の違和感をひしひしと覚えていた。
デミとはいえオーガがいた郊外の廃墟に、若い女が一人……しかも笑顔を浮かべて。ありえない。
シムレスは苦々しく少女を睨む。
「神人を知りたいなら神学を学べばいい。そうすればこんな勘違い発言で恥を晒す事も無かったろう」
「勘違い?」
小鳥のような愛らしさで少女は首を傾げる。
「女が神人になれるわけがない」
「あら、そんなの分かりませんわ。誰が決めたことですの?」
シムレスと少女の会話は周囲を不穏に変えていく。それをかき消したのが、アイオライト・セプテンバーの明るい声だった。
「女の子でも神人になれるよ」
シムレスが視線を彼に向ける。
「あたしとか」
アイオライトは何も裏のない眩しい笑顔を浮かべている。
「いや、だから、アイは……そうですね、女の子ですね」
ため息を吐き、白露はそっと、非難めいた視線を向けてくるシムレスにジェスチャーで謝意を伝える。
女装している男のアイオライトだが、心は女の子なのだ。
「まあ、そうですのね! どうぞ神人になった時のことを教えて下さいまし」
パンと手を打ち合わせ、嬉しそうに尋ねてくる少女に、アイオライトは逡巡してから、
「えっとじゃあ……パパはあっち行ってて。なんだか聴かれたくないの」
アイオライトはなんと白露を遠ざけようとする。
「……は、はあ」
ショックを隠しきれず、白露はとぼとぼと彼女から離れる。
(私はアイが神人になった後に契約を結んだので、当時のことを殆ど知らない……。私だって知りたいのですが)
白露は遠ざかりながらも、少女に耳打ちするアイオライトを気遣わしげに見つめた。
「あたし、神人になったときのことはよく覚えてないんだ。だって、オーガが恐かったんだもん」
続きを話そうとして、アイオライトは頭を押さえる。靄がかかったように記憶が曖昧だ。
アイオライトはオーガに襲われた時に双子の姉を亡くした。そのショックでその前後について、よく覚えていないのである。
「それで、パパは、えーっと、その時はいなかった……みたいな? あれ? よく分かんなくなってきちゃったから、この話はこれでいい?」
「…………結局よくわからないのですが……、でも、仕方ありませんわね」
少女は自然な動きでアイオライトから身を引いた。
そして、最後の一人に目を向ける。
「では、眼帯のあなたさま、教えて下さいまし」
「……」
柳 大樹はチラリとクラウディオを見やる。それから口を開いた。
「学校帰りに、最寄りのバス停から家まで歩いてたらデミ・ウルフに襲われたんだよね」
「まあ、あなたも襲われたのですね。それでどうなりましたの?」
「持ってた鞄で対抗したけど、あっちの方が強いから結構怪我してさ」
無意識に大樹は眼帯に手をやる。この時、眼球を失ったが、その話はあえて彼女にはしないつもりだ。
「まあ、お怪我を!」
彼女は、ニヤンと嬉しそうに笑って、声を上げる。
それに引っかかるものを感じつつも、大樹は続ける。
「駄目かなって思ってたらウィンクルムが来て、倒して」
「まあ……」
今度は彼女はあからさまにガッカリした。しかしとにかく話し終えてしまわねば、と大樹は口早に話を締めくくった。
「紋様に気づいたのは病院に運ばれてからだから。顕現自体は、たぶん襲われたときかな」
全員の話が終わったことを確認したシムレスは、オルガスコープの分析結果を皆にジェスチャーで示す。何も検出できなかった、という結果を。
一方、クラウディオは意識して少女の容姿を覚えていた。そしてどこかで見たことがある気がする、と思う。だが、過去の記憶を検索していると今の記憶を漏らしてしまいそうで、今はただ記憶に集中した。
そもそも少女の口ぶりはまるでウィンクルムの戦いを間近で見ていたかのようだ。すべてが終わった後にやってきたわけではないのだろう。
だが……一般人は、そんなウィンクルムが戦っているところへ好き好んで出向くだろうか。
(襲われないという確信か。ただの好奇心か)
目を眇め、クラウディオは少女を射抜くように見つめていた。
一通りを聞き終わった少女は、ニヤァと笑って次の質問を突き刺した。曰く、
「その契約精霊がオーガになったら……どうなさいます?」
●動揺問答
通報された分のデミ・オーガを倒しきったとはいえ、まだまだ廃墟に敵が潜んでいないとは限らない、とレーゲンは警戒をしていたが、少女の質問にビクリと肩を震わせ、弾かれたようにいつきの方を見た。
(当人達を前にしてよく質問できるな)
いつきにとっては残酷すぎる質問だ。大事な存在を手に掛けたことがあるいつきにとっては。
とっさにレーゲンはいつきの手を握りしめた。
ハッと我に返ったように、いつきは少女を見据える。無垢な瞳と確固たる信念の眼がぶつかった。
「避けては通れないのかも、倒さないといけないのかも、しれない。でも最後の最後まであきらめたくないよ。ずっとそばにいるって誓ったんだ」
レーゲンも頷く。
何が起ころうともそばにいるから、と手の力で伝える。ぎりぎりまで二人で抵抗しようと。
少女は、ニヤニヤと嫌な笑みを口元にたたえて、
「そうですか。ふふ」
と楽しげに言って、いつきから視線を外す。
いつきがハァっと息を吐いて、少しだけ脱力した。レーゲンもあまりにしつこいようなら、話をそらそうと構えていたので、少女があまり執着を見せなかったことに安堵した。
「可愛い金髪のあなた、あなたは?」
「パパはオーガじゃなくってパパだもん。かっこよくてかわいいあたしのパパだもん」
駄々っ子のようにアイオライトは首を横にブンブン振った。
「今は、ですわよね。もし、のお話ですのよ」
まるで聞き分けのない子をなだめるような口調で少女は言う。
「……そういう意味じゃないの? ええっとね」
思案した後、アイオライトは目をうるませた。
「……あたしはものすごーく泣いちゃう。で、パパをぎゅっとしたら、元に戻ってくれないかなー?」
「くふふふっ、お伽話みたい」
少女は笑った。いや、一笑に付した。
頃合いだろうと白露がアイオライトの側に寄り、彼を隠すように立って会釈しながら少女に言う。
「他に何か伝えたいことがあれば、こちらまでどうぞ」
「いいえ、いいえ、何もなーんにも!」
少女はふるふると首を横に振った。
「ではでは、私のことがお嫌いそうなあなた、教えていただけるなら教えて下さいましな」
「討伐を祈るだけだ」
シムレスは即答した。少女は鼻白む。
「あらそうですの」
つまらなそうな少女はもし激高して何かしかけてくるかも、とロックリーンは構えるも、あっさりと少女は話の矛先を大樹に向ける。
ロックリーンは、これはデミ・オーガを餌にウィンクルムをおびき寄せた罠ではないかと思い始めていた。
(精霊がオーガになるって。最近ジェンマ様に幻で知らされた事実だよね。『契約精霊がオーガになったら』なんて一般人から出る様な質問に思えないよ)
ならば、これは精霊に何かしら目を付けた企みで、彼女の本当の目的は……?
(何か仕掛けられそうなら、すぐシムさん庇って逃げなきゃ)
ロックリーンは油断なく周囲に目を配る。今は特に殺気も何も感じないが……。
●彼女の目的
大樹は憮然と呟く。
「オーガになったら? 何でそんな考えになったんだか」
大樹はオーガが嫌いだ。この世界の人々はだいたい、特にウィンクルムはオーガが嫌いだろうが、大樹はその中でも突出してオーガを嫌っている。
だから、答えは決まっている。
「そんなの殺すけど」
クラウディオは頷いた。
「大樹の発言はもっともだ。護るべき神人を殺す存在になるのならば、排除が妥当と考える」
「あら、あっさりなお答え」
さもつまらなそうな少女だが、続いた大樹の言葉に口端を上げた。
「もし逆だとしても殺して貰う」
「あらあら」
少女はクラウディオの眉がヒクリと僅かに動いたのを見たのだ。
「大樹」
「なんだよ」
大樹はクラウディオを睨みつける。クラウディオは反論めいた言葉を漏らした。
「神人がオーガになる確率は低いと言える」
ゼロだとは、研究職でもなく知識と経験の浅いクラウディオは言い切れないのだが。
クラウディオは少女に不審感をつのらせていた。この質問は多かれ少なかれ神人を動揺させるものだ。彼女の目的はいったい……?
いや、動揺していない人物がいる。
最後の一人、叶である。
「桐華さんがオーガに、かぁ……」
にこにこと笑って叶は夢見るように呟いた。
周囲を警戒するように歩いていた桐華は、思わず立ち止まると、苦虫を噛み潰したような顔で叶を睨んだ。
(胸糞悪い質問……叶もちっとも困ってないし……腹立つ)
どうしてそんな顔をするんだ、と叶を問い詰めたいような怒りの衝動を必死に抑えこみ、桐華はパートナーと少女のやりとりを見守る。
(困りはしないよ。警戒はしてるけどね。唐突すぎるから)
叶は目の端に映る渋面の桐華の内心を思い、笑った。
(怒ってるよねえ。うんうん。でもまぁ……興味があるんだよね。精霊がオーガになったら、なんてお話)
桐華も、長年の付き合いだ。叶が警戒していることはわかっていた。
(煽らないもんな。いつもなら『出来るものならしてみせてほしい』とか言うところだろうけど)
桐華は周囲に目を配る。少女が何かをしかけ、急に神人が変化するようなことが無いとは言い切れない状況になってきた。
「考えたことないけど、そうしたら確実に僕を殺してくれるのかな」
「あら、殺されたいんですの?」
少女は意外そうに愛らしい大きな瞳を瞬かせた。
叶は曖昧に頷き、夢見心地の口調のまま続ける。
「あぁでも……桐華さんが他の誰かを手に掛けるのは見たくないなぁ。頑張って刺し違えたいね、その時は」
(オーガになったら、それはもう『俺』じゃないだろうが)
桐華は叶の言葉を聞いて、心のなかで言い返す。桐華は引っかかっている。デミギルティと戦った時、叶が『死因は君でも良いよ』と言ったことを。
――あの死にたがりは、死因が桐華でなくても良いのかもしれない……。ならば、叶はただ死にたいだけなのか、まだ。
そんな風に思考の海に沈みかけた桐華の耳に、少女の笑い声が飛び込んできた。
「ふふっ、ステキな心中ですことね。でも、失敗したら、そちらの精霊さんは……どう思われるかしら!」
ニタァと凶悪に壮絶に笑み、少女も夢見るように言った。
桐華は動揺しかけ、見られれば向こうの思う壺だ、とすんでのところで抑えこんだ。
いつきが耐え切れないというように問う。
「あなただったらどうする?」
神人にあこがれているから顕現の話をしてほしい、と少女は言ったはずだ。なのに、次の質問はパートナーであり守り手であるはずの精霊がオーガになる話だなんて。つじつまがあわない!
少女は予想外の質問だったらしく、きょとんと目を見開き、そしてのけぞって笑った。
「あっははははは、まさかまさかそう来るとはのう!!」
「貴様……!」
クラウディオはようやく既視感の原因に気づいた。クラウディオは確かにこの女を知っている。
「イベリンのマントゥール教団員か……」
「あ、僕を女子高生にした人か。なるほど」
叶も思い出し、何度も頷く。
口調を演技で変えていたから思い至らなかったが、確かに容姿と声はイベリンの路地裏で遭遇したマントゥール教団員の女だ。
「遅い遅い。まぁ仕方がないか。わしのフェイク、演技力はなかなかのもんじゃろう」
「やはり教団員か! だったら!」
ロックリーンは彼女を捕縛しようと飛びかかった。彼女が何者かまでは流石に会ったことのない彼にはわからなかったが、マントゥール教団の関係者であるとは目星をつけていたのだ。
少女は逃げようとするも、同じ予想をしていた叶や桐華、大樹、クラウディオも同時に彼女を捕らえにかかったので、あっという間に捕まった。
●暗雲立ち込める
「あはははは、無駄無駄」
観念したようにおとなしくなった少女は笑い、そして泣いた。
「わしが教団員であることくらいは皆気づいたということで、さすがさすがウィンクルムは侮れぬ。そうあの方達は分かったはずじゃ。だったらもう遅い!」
「狙いは何だ『シルビア』」
シムレスが言う。
「狙い? 狙いは言うたろう。『契約精霊がオーガになったらどうなさいます?』という話を知りたいだけよ」
シムレスは眉を寄せた。
「なぜ」
「あの回答は、あなたさま方のお気に召しましたでしょうかのう? 楽しくなりそうでしょうかのう?」
少女はシムレスを無視して虚空に向けて大声で問いかけた。
ロックリーンはその時、急激な殺気が湧いたことに気づく。
「あっ」
「あ。ぐ」
少女は一瞬苦しそうな顔をした。
「あは、お気に召しましたならば、私は、シルビアは……本望じゃわいな……」
「まずい、離れてください!」
白露が叫んでアイオライトを抱きしめて、飛び退る。少女の内部から真っ赤な光が放たれ始めたのだ。
よく似た状況をウィンクルムは知っている。
少女はあっという間に燃え始めた。ケタケタ笑いながら、少女はあっという間に炭に変わった。
「し、死んじゃった……」
アイオライトはショックでガタガタ震え、白露に抱きつく。
「……これ、乙女の恋心……?」
レーゲンが呟く。プレストガンナーのレーゲンは専門外だが、仲間のエンドウィザードが使っているところは何度も見たことがある。
「まさか。俺達以外のウィンクルムが、この子を殺したとは思えない……」
桐華が呆然と呟く。
「口封じ、かな」
叶は呟く。彼が過去関わったアイノアカシ事件の時も、ウィンクルムが捕縛しようとした協力者は口封じにオーガに殺された。
「つまり、この子は……誰かの手先だったってこと、かな」
レーゲンが言い、
「…………大きな事件になりそうな気がするね」
いつきが眉をひそめる。
「とにかくA.R.O.A.に報告しよう」
大樹が硬い表情で言い、ウィンクルムは急ぎ本部へと帰還するのだった。
| 名前:シムレス 呼び名:シムさん |
名前:ロックリーン 呼び名:ロック |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | あき缶 |
| エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | 推理 |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | 普通 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
| 報酬 | 通常 |
| リリース日 | 05月03日 |
| 出発日 | 05月13日 00:00 |
| 予定納品日 | 05月23日 |

2016/05/12-23:29
プラン提出したーーっ
ごめんなさい、全然推理できてないや
もう素直にざっくばらんに言ってるだけ
後のことは皆様にお任せします…
2016/05/12-21:35
なんとかプラン書き上げたよ-。
叶の「幻影」の話をうけて催眠術とかの可能性もあるかもと思ったんで、
レーゲンは周囲を探ったりして、彼女以外にも意識を向けるようにしてみた。
俺は問いに答えることに集中してるよ。
彼女については基本一般人として接して、有事の時は銃で牽制予定
あと、この件が終わったら 通報してきたシルビアについても調べる行動入れてみた
偽名か無関係の可能性が高いけど、念のためね。
2016/05/12-00:37
ロックリーン:
>オルガスコープ
伝えるタイミングは皆の顕現話済んだ後で適宜って感じにしたよ
正直引っかかるとは思ってないんだけど、調べられる事はやっとこうって事で
僕も殺気感知を行動に追加してみた
感知したらこっちも顕現話後で知らせる事になると思う
僕等二人して目つき悪い人になってそうだな(汗)
>順番
叶さん最初で構わないです
シムさんの順番は流れに合いそうな順でってしといた
ホント、何が狙いなんだろう…
2016/05/11-20:43
うわ、あたし全然プランできてないΣ( ̄□ ̄;)
今からがんばるよー
>シルビア
ナノーカあるからそれで撮影も…とも思ったけど、
これを不自然でなく実行する方法が思い付かなかったや
だから、もうまったく素直にするつもり
『推理』だからもうちょっとなんとかしないけど、何も思い付かないしー
パパに丸投げしちゃおうそうしよう
順番は適当にふわっと書いておくねー
2016/05/11-19:57
>順番
叶が最初でも俺は構わないよ。
んー、だったら俺は最初言ってた通り後にしようかな。
別に一番最後になってもいいし。
2016/05/10-20:33
はいはーい、間あいちゃったけどゆるっと考えてるよ。
シムレスさんがオルガスコープで彼女を見てる間にも話してる子がいたほうがいいだろうし、
後発顕現組が後のほうが良さそうーって感じなら、
僕からさくっとお話しちゃおうかなって思ってるけど大丈夫?
オルガスコープで見たことの情報は後ででも共有してもらえたら良いかなー。
あとはー、僕個人でのプラン内で、だけど。
実際オーガになる懸念とかは全くしてないけど、
そういう幻影とかの可能性もあるかもというか、まぁ、後々そういうのも、
精神攻撃的なあれであるかもー?っていう事前の覚悟くらいで構えてる感じになるかなぁ。
彼女をどうこうしたい…って言うと凄く語弊があるね!
まぁ、捕縛ーとか、そういうのは必要があれば手を貸す感じであんまり警戒はしてない顔してる予定、かな。
2016/05/10-20:29
>桐華さん
なら記憶力頼らせて貰うよ。
文字数に余裕があったらで良いからね?
>女の人
一人でデミ・オーガがいる場所に来てる辺り、ちょっと怪しいのは事実だからねえ。
いくら俺らが退治っていっても、数がいたら襲われないとも限らないのに。
まあ、女の人への対応は任せた。
2016/05/09-14:12
ロックリーン:
仮プラン提出したよ
僕等は二人とも教団員を疑っての視点でプラン組みました
シムさんは
オルガスコープで女と周辺チェックして皆さんに結果報告
顕現時については質問になるべく副う様な話を(成功条件に掛ってるからね)
オーガ質問は簡単に
お姉さんへの言葉かけ
お姉さんの似顔絵本部提出
僕
教団員疑う根拠
何が狙いか推測
教団員だったら捕まえて本部に付き出す
オーブ持ってたら叩き壊す
冤罪だったら謝罪!
こんな感じ
何が狙いか具体的な事はさっぱりだけど
何かあれば動けるといいな、て感じのプランです
2016/05/08-22:17
挨拶が遅れちゃった
アイオライト・セプテンバーとパパだよ、今度もよろしくーっ
『オーガになったらどうする』は、あたしも素直に話すつもり
全然深く考えてないけど
顕現についてもそうかなあ
目的とか…うーん、全然想像できないや
2016/05/07-23:35
こんばんは、信城いつきと相棒のレーゲンだよ、今回もよろしくね
いったい何が目的なんだろう……?
俺は、「あなただったらどうする?(もし自分が神人で精霊がオーガ化したら)」って
逆に聞いてみるつもり。その答えで彼女が神人や精霊をどう思ってるか少しは見えるかもしれない
顕現の話は、俺も襲われての顕現だから、明るい話ではないなぁ
精霊がオーガになったら……?
う、うん。答えると思うよ…多分(ぎゅっと自分の手を握りしめる)
レーゲン:
順番は、できれば真ん中ぐらいを希望したいな。
いつきも少し頭の中整理したいだろうし「彼女」に根掘り葉掘り聞かれる前に他の人に話を振りたいんで。
オルガスコープ、もし反応があれば私たちにも教えてもらえるかな。
私たちは教団員の可能性も考えて、オーブらしき物とか持っていないか注意して見るよ
2016/05/07-18:08
シムレスとパートナーはLBのロックリーンだ
会議室での発言は初めてになる、よろしく
俺も生来の神人、当然顕現時の記憶など無い
周囲の反応や環境についての1ケースとして話す事になるだろう
女の勘違い発言には呆れる、本当に勘違いならばの話だが
順に拘りはない
女の正体については1つ思い当たるが、こんな場所にしゃしゃり出てきたんだ、容赦なく観察させて貰う
女の調査について、オルガスコープチェックを一応、皆への結果周知は必要か?
他に俺は記憶と絵画スキルで女の似顔絵を本部に提出しよう、会話記憶等は任せる
今はこんな所だ
次からはロックが発言する
2016/05/07-02:43
はろはろ。叶と愉快な桐華さんだよよろしくねー。
順番決めておくのは話しだしに困らなくていいかなって思うよ。
まぁ、僕生まれた時から神人だったんで、理由も何もーって感じなんだけどね。
彼女の役に立つ情報を出せるわけでもないし、おまけ程度に聞いてもらおうかな、と。
桐華さんがオーガになったらどうするんだろうね。
別に僕は歓迎だけどねー…って、やだなぁもう睨まないでよ桐華さんってばー。
とりあえずは大樹君と同じで、隠すことでもないかなーってところ。
彼女に関しては気になることは色々あるけど…
オーガに、出来るの?くらいは、聞いてみたいなぁ。
その気があるのかないのか、彼女の立場的なものがどういうのなのかくらいは分かるかなって。
記憶力がご入用なら桐華さんも協力できるよー。
2016/05/06-21:39
柳大樹でーす。よろしく。(右手をひらひら振る
で、こっちがシノビのクラウディオ。
顕現したときの話ねえ。話す順番とか決めとく?
俺は襲われて顕現したから、後の方がいいかなとか思ったけど。
別に順番にこだわりは無いかな。
『オーガになったらどうする?』に関しては、別に隠す事でもないし答えようと思ってる。
後は……。
まあ、万が一を考えて。
クロちゃんに、質問してきた女の人の外見と会話をできるだけ『記憶』して貰って。(クラウディオ:記憶Lv2
後で報告書と一緒にA.R.O.A.に記録残して貰おうかと思ってるよ。

