


「ふふ…できた、できてしまった…このハーレム眼鏡が!」
タブロス市内の男の自室にて。
彼は叫んだ。
思いっきり叫んだ。
「最高のクリスマスだな! 俺って天才じゃねえの!?」
しかしいざ、その銀縁眼鏡を装着して、気付く。
見えるはずのものが、何も見えないのだ。
いつもどおりの見慣れた部屋。
整っていないベッドには、愛する某二次元女性が印刷された抱き枕がひとつ。
「なぜ彼女がひとりなんだ……。ミニスカサンタじゃないんだ……」
眼鏡のつるを両手で持って外し、じっと見つめて、また装着。
「おかしいな。俺は俺を愛してくれる嫁が、倍に見えるようにしたはずなのに」
そこで男は、壁に貼ってあるポスターに目を止めた。
もちろん彼女のイラストが描かれている特大ポスター……だが、彼女単体ではない。
傍らには、憎き恋仇。
「ぐああああああっ」
合点がいった。
なんだ、簡単なことじゃないか。
天才の俺は、俺を愛してくれる嫁が、ふたりに見える眼鏡を作った。
――俺を愛してくれる嫁が。
――俺を、愛してくれる。
「貴様のせいかああああ!」
愛しのヒロインが愛する男のイラストに向かって、手近にあったクッションを思い切り投げつける。
プレミアつきのポスターをやっとの思いで手に入れたからと、貼っていたのが間違いだった。
あんな憎き男のところは、切り取ってしまおう。
あと。
「こんな眼鏡、いらねえよ!」
……という眼鏡が、仲良しウィンクルムのクリスマスパーティーで、なぜか配られました。
この部屋真ん中のクリスマスツリーの鉢植えの中に『黒き宿木の種』が眠っているのですが……。
まあウィンクルムが騒げば、枯れるでしょう!
みんな種のことなんて、知らないしね!


クリスマスに、愛する嫁がサンタになって出てきてくれたら幸せですよね!
ということで、男は寂しいクリスマスを楽しくするために『ハーレム眼鏡』を作りました。
どんな因果か手に入れたということで、300jrいただきます。
……が、アイテム配布はございませんので、妄想にご使用ください。
一応、参加者全員でパーティーをしている感じの設定ですので、みんな同じ部屋にいます。
ウィンクルムの場合、これをかけてパートナーを見ると、サンタ姿のパートナーが見えます。
『普段通りのパートナー』と『サンタ服のパートナー』ふたりが並んで見えるということです。
サンタパートナーは、基本的に普段パートナーと同じ動きをします。
ただ、妄想が強ければ、眼鏡をかけた人の願い通りの動きをしてくれるかもしれません。
しかしこれはお触り厳禁です。通り抜けます。
あと、サンタ服は『眼鏡をかけた人が、パートナーに着て欲しいタイプのもの』を着ています。
セクシーなのかもしれないし、普通のかもしれないし、まあ赤くてサンタっぽければ何でもありです。
隠れるべきところが隠れていれば、特にマスタリングはしません。
ただ、眼鏡をかけている人が「これがこいつに似合うサンタだ」と思っている必要があります。
【プランに書いてほしいこと】
神人と精霊のどちらが眼鏡をかけているか
サンタコスの詳細(サンタになるのは、眼鏡をかけていないほうです)
書いてないと、似合いそうなのを瀬田が勝手に着せます。
クリスマスといえばサンタクロースですよね!
ということで、この眼鏡をかけて適当に遊んでください。
パーティーしているという設定は、皆が揃っているための口実です。
お互いしか目に入らなくても良し。
みんなでわいわい騒いでもよし。
ただし、部屋は出ていかないでくださいね。
絡み希望の方は、必ず、掲示板で話をすり合わせてください。
類似品の裸眼鏡のエピはこちら。
https://lovetimate.com/scenario/scenario.cgi?type=1&seq=1050&gender=1
もちろん読まなくても、こちらに参加していなくてもまったく問題はございません。
相談期間が長めなので、ご注意ください。


◆アクション・プラン
セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
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眼鏡をかけるのはオレだ。 こんな形でまさかの眼鏡デビューとは!? 知的なオレを演出するべく「キリッ!」な表情を心掛ける。 でも見えているのは色々と妄想膨らむ光景(にま。 男なんだし、仕方ねーじゃん! サンタコスのラキアもいいものだ。 少し女装っぽい風のコスチュームなのが何とも良い感じ。 いつもより露出多めでちょっと新鮮。イイ! いつもの聖職者風な姿ももちろんヨシだ! 2人いるなら、オレの両脇に来てくれないかな。 きっと来る。来てくれる。ラキアならしてくれるはずだ! 邪念っぽくても信じる心は大切だ!だってこれも愛だから! チキン貰って喜んで食べる。ウマー! 「今度家でも作ってくれよ」と甘えてみる。 ラキアの料理大好きさ。 |
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☆ パーティーでいい雰囲気になったら、いつか約束した告白をしよう そう思っていたのに何だその眼鏡 一体何が見えてるんだお前は 呆れつつも言われるがままに後ろを向く …一体ナニが見えてるんだお前は 穿いてなかったら問答無用で眼鏡むしり取ってるところだったぞ! ちょっとこっち来い は!?するわけねえだろこんな状況で!つか当分言ってやらねえ いいからさっさとそれ外せ お前の性癖は十分わかったから けど一応人目のあるところでフルオープンにするな 恥かくのはネカなんだぞ …俺はやらないからな?(拳で頭ぐりぐり あー、俺なんでこんな奴好きなんだろう 久々に疑問がわいてきた とりあえず眼鏡は帰ったら封印な …まあ看病くらいはしてやるよ |
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変な眼鏡みっけーっかけちゃおっと(すちゃっ パパみたいになれるかなあ ねー、じーじ、あたし眼鏡似合う? …? じーじ、いつのまに双子になったの? サンタさんの格好してるじーじが隣にいるの すっごくよく似合うよ! じーじが着換えたんじゃなく、この眼鏡のせいなのかな でも、じーじの他は駄目みたい サンタさんの恰好してる猫さんとか栗鼠さんとか見たかったのになー残念 あ、いいこと思い付いちゃった 普通のじーじとサンタのじーじとの間にあたしが入ったら、みんなで手を繋いでるんるんできないかなっ …出来なかった(しょんぼり) いいもん、帰ったらパパとじーじとるんるんするもーん そういえば、他の人も眼鏡してたね? みんな何を見てたのかな |
●「ぱんつがあっても愛しています」
パーティーでいい雰囲気になったら、いつか約束した告白をしよう。
……そう思っていたのに。
「なんなんだ、この状況は……」
俊・ブルックスは、周囲を見回し、肩を落とした。
見知ったウィンクルムが集まってのクリスマスパーティー。
まあメンバーがメンバーだから、しっとりするとは思っていなかったけれど。
「なんでみんな、眼鏡に夢中なんだよ」
「俊、落ち着いてください。皆さん日頃任務を頑張っているんです。たまにはこうやって、ストレス発散しなくては」
ね? と、隣でワインを傾けていた相棒、ネカット・グラキエスに言われ、俊は一度頷いた。まあそれもそうだな、ネカもいいこと言うじゃないかと納得したからだ。そしてそのネカットに視線を向けたところで――。
もう一度、がっくりと脱力する。
そこには、ネカットが普段かけない銀縁眼鏡が存在していたのだ。
「何だその眼鏡は。お前もか」
「ええ、さっき貰ったんです。せっかくだからかけてみたんですが……これは」
にやり。ネカットの口角が上がる。
いつもの穏やかで上品な、紳士的な微笑みではない。あくまで『にやり』。
しかも緑の目はぱっちり大きく見開かれていて、俊ははっきり言って、嫌な予感しかしない。それなのに、つい聞いた。本当につい。
「一体何が見えているんだお前は」
ネカットは真顔に戻り、きっぱりはっきり。
「エプロンです」
「は? ただのエプロンで笑えるのか?」
「そうじゃなくて、俊が素肌にサンタカラーのエプロンを一枚だけ身につけ……あ、ちょっと後ろ向いてください」
悲しいかな、ほとんど習慣、反射的に、俊はネカットに背を向けた。だが呆れながら、今のネカットの言葉を反芻してみると、なんかもう、この美男子が残念だ。残念すぎる。
「……一体ナニが見えているんだお前は」
項垂れ、吐息とともにぽつりと漏れた言葉に、ネカットの返事はなかった。その代り、あああ、と苦悩に満ちた声がする。
「私はなぜ! ちゃんとぱんつをはかせたんですか!」
「……おい」
「もう、私の理性のバカバカ!」
バカバカ、のところで頭を抱えて俯こうとし、ネカットはそれをやめた。
だってそんな体勢をとったら、ぱんつをはいているとはいえ、実際よりも肌色が多い俊を見逃すことになる。こんな格好、頼んだってしてくれるわけはないのに、それは嫌だ。
そんなわけで、バカバカと思いつつもしっかりガン見していたのだが、俊はくるっと振り返り、こちらを見てしまった。ああ勿体ない。
「はいてなかったら、問答無用で眼鏡むしり取ってるところだったぞ!」
「はいてたからといって、眼鏡むしり取らないところが優しいですよね」
呆れたような怒ったような、それでいて恥ずかしそうな表情の俊。そんな彼にネカットは、今度はにやりじゃなくて、にっこり笑顔で言ってみる。
だが、ぎろり。俊に睨み付けられて、さらには手首をぎゅっと掴まれた。
「ちょっとこっち来い!」
「どこ行くんです? もしかして例の告白ですか?」
ちょっとどきどきしますねなんて思っていたけれど、俊は信じられない、と言った顔を向けてきた。
「は!? するわけねえだろこんな状況で! つか当分言ってやらねえ。いいからさっさとそれ外せ」
「え、嫌です勿体ないです」
「お前の性癖は十分わかった! けど一応人目のあるところでフルオープンにするな。恥かくのはネカなんだぞ?」
最初は怒声。しかし最後は説得するように、俊は静かな声で言う。
諭されれば、ネカットだって気も緩む。
別に好きな人のぱんつオフを見たいと思うのはたぶん他の人も一緒だし、つまりそれだけ俊を愛しているってことなんですけど、まあ確かにフルオープンにする必要はなかったですよね。
「要は、本来の私は、俊の前だけで見せればいいということですね」
ネカットは銀縁眼鏡をそっと外した。
俊が「都合のいい解釈すんじゃねえ」とか言っているけれど、あえて気にしない方向だ。
――彼は気付いているだろうか。
例の告白を『当分言ってやらねえ』と言ったこと。それは『この先で、確実に言ってくれる』という、再度の遠い約束でもある。
「まあ十分に楽しみましたし……ぱんつキャストオフバージョンは、いつか本物の俊に……う」
「俺はやらないからな?」
「……痛いです、シュン」
拳で頭をぐりぐりされて、ネカットは顔をしかめる。その最中、どさくさに紛れて外した銀縁眼鏡を胸のポケットに入れようとしたのだが……。
「こら、お前が持って帰ろうとするな!」
これまたすかさず俊に奪われてしまった。だからそれは素直に受け入れて、おどけた声で言ってやる。
「あれ、俊も私のサンタ姿、見たいんですか? どんな格好でも、私は大歓迎ですよ?」
なんなら実際に来てみましょうかと言うネカットに、俊はいよいよ頭を抱えた。
「……俺、なんでこんな奴好きなんだろう。久々に疑問がわいてきた」
「ん? 俊、今何か言いました?」
「い、言ってねえよ! とりあえず眼鏡は帰ったら封印だからな!」
「……ちょっと悪ノリしすぎましたから、仕方ないですね」
ネカットはほうっと息を吐く。呼気にはアルコールの香りが、だいぶ混じっているようだ。
「明日、二日酔いでしょうか」
こてりと首を傾げて、誰に問うでもなかったが、俊はしっかり聞いていた。しかも。
「……まあ、看病くらいはしていやるよ」
俊はそう言ってしまうのだ。たった今、エプロン & ぱんつおんりーの妄想を見ていたネカットに。
俊の手の中にある眼鏡にもし意志があったら、こう言っただろう。
『あなた、相棒さんに相当惚れてますねえ。まあそりゃそうですよね。普段は疑問も持たず、この人のこと好きだって自覚してるんですもんね。思い返してみた方が良いですよ。ご自分の発言をね』
●「邪念は本音で愛情だ!」
もうサンタがいるなんて信じる年齢ではないけれど、これはもしかしてサンタからのプレゼントかもしれない。
本日この瞬間、眼鏡デビューを終えたセイリュー・グラシアは、意識して引き締めた顔で、相棒のラキア・ジェイドバインを見ていた。
なぜきりっとした表情をしているか。それは銀縁眼鏡で知的なオレを演出したいと思っているからである。
ただこの眼鏡は少々特殊なので、見えているのは、きり! は全く関係ない代物だ。もっとぶっちゃければ、口元がにまっと緩んでしまうようなものだ。
だけど『にま』だと締まりがなさすぎるので、なんとか『きり!』と頑張っている……いや、頑張りたい、のだけど。
これはさすがに無理だろ。だってラキアがひらひらのサンタコスだぜ?
そりゃいつもの丈の長い聖職者風の衣装もよく似合ってるけど、それとこれとは別っていうか!
あのスカートとニーハイの間の絶対領域の白い肌とか、露出多めで新鮮なのが、イイ!
しかも本人がその衣装を意識してないんだぜ? 言動がいつも通り……ってそれは実物じゃないから当然か。でもあの動くとふわって揺れる裾と、ブーツだけどしまった足首が……。
幻影に妄想を膨らめているおかげで、セイリューはパーティーの料理もそっちのけ。
これは男の性ってやつかと、少々布地の開いた背中に紅の髪を揺らしたラキアを見つめ、つらつら思っていると、さすがに視線を感じたらしいラキアが、振り返った。ふわりと舞う髪とスカート。手には食べかけのチキンののった皿。
きょとんとこちらを見るラキアのあどけない顔が、またイイ!
あ、笑った!
二人いるなら、オレの両隣に来てくれないかな。
きっと来る、来てくれる。ラキアならしてくれるはずだ!
邪念ぽくても信じる心は大切だと、セイリューは信じている。
だってこれも、愛なのだ。
一方ラキアは、いつの間にやら銀縁眼鏡をかけている相棒に、首をかしげる。
セイリュー、その眼鏡どうしたの? 目は悪くないはずなのにと思うけれど、あえて聞かないことにする。セイリューが変なことをするのって、今に始まったことでもないし。
ただ、一人遊びもいいけれど、この美味しい料理は、セイリューにも食べてほしい。
自分だけ先にいっぱい食べてごめんねの思いも込めて、ラキアはいったん相棒に背を向けて、料理の皿からフライドチキンを皿に取った。
そしてゆっくりと眼鏡のセイリューへと近づいて行く。
そんなラキアを、セイリューは期待のまなざしで見ていた。
踏み出すごとに、絶対領域がちらり、ちらり。
見えそうで見えないんだけど、やっぱり見えそうで、っていうか見たいわけでは、いや見たいのか?
そんなことを考える頭の傍らで、ラキアが来てくれることが嬉しい。
やっぱり来てくれる……いつものラキアとキュートなラキア。ダブルのラキアに喜び二倍。
そしてそのいつものほうが、セイリューにフライドチキンを差し出した。
「これ美味しいよ。良かったらセイリューも食べてみて」
「お、ありがとう! すっげーいい匂いだな!」
セイリューは満面の笑みでチキンを受け取り、大きな口を開けてかぶりつく。
しっかり咀嚼し、飲み込んで。
「ウマー!」
声高らかな感想に、ラキアの口角は自然と上がる。
「セイリューってホント、なんでも美味しそうに食べるね」
「だってすっげえ美味いもん!」
セイリューは満足そうに言って、二口目の肉をほおばった。
美味い美味いと繰り返す彼に、ラキアも同意。
「本当に美味しいけど、どんなスパイス使っているのかな?」
ふとそんなことを考えてしまうのは、セイリューのために日々料理を作っているからだろう。
しかしご機嫌な相棒の顔にある眼鏡が、やっぱりどうして、気になった。
セイリューがラキアを見上げるのは身長差でいつものことであるが、その視線が顔ではなく、肩口というか、胸元をさまよっているような……?
うーんとしばし考え込んで、ラキアはやっぱり口を開く。
「その眼鏡、何が見えるの? 何か時々、凄く顔が緩んでいるように見えるよ?」
途端、セイリューの顔がきりっと引き締まる。
「別に……ラキアが見えるだけだ」
そこに聞こえてきたのが、俊・ブルックスの声だ。
『とりあえず眼鏡は帰ったら封印だからな!』
ラキアは眉間にしわを寄せる。
「……それ、同じ眼鏡だよね? 封印ってことは、きっと良からぬものが見ているんだね」
それでも言わない風のセイリューの、目元にラキアは手を伸ばす。だがセイリューは、素晴らしい機敏さで身を引いた。
「ちょっと、なにその本気の避け方は!?」
「さっきのチキン、今度家でも作ってくれたら、オレもこの眼鏡封印する」
俊が少しばかり上目遣いで言ってみれば、ラキアは「仕方ないな」と手を下ろした。
「確かに美味しかったからね。頑張ってみるよ」
「お、やった! オレ、ラキアの料理大好きなんだ」
「それは純粋に嬉しいけど……ちゃんと眼鏡のこと、教えてね」
しっかり念を押されて、セイリューはちょこっと肩をすくめた。
――けど、普段は見えない鎖骨も堪能したから、もういいにするか!
最後に頭の先から足の先まで、視線を這わすことは忘れずに。
●「サンタなじーじも、お家のパパも、だーい好き!」
ジュースを飲んで、美味しい料理とデザートを食べて、アイオライト・セプテンバーはご機嫌だ。
「ああ、お腹いっぱい! あとはじーじと遊ぼ!」
しかし、サンタワンピースのお腹をポンと叩いて、隣のヴァンデミエールを見上げようとしたところで、気になる物を見つけて動きを止めた。
テーブルの上に置かれた、銀縁眼鏡である。
「なんか変な眼鏡みーっけ! かけちゃおっと!」
もともとの純真さで、迷わずすちゃっと装着。
「これであたしもパパみたいになれるかなあ。じーじに聞いてみよ」
呟いて、今度こそヴァンデミエールに目を向ける。そして彼の裾を小さく引いて。
「ねえじーじ、あたし眼鏡似合う? ……うん?」
振り返ってくれたヴァンデミエールを見、アオイライトは首をかしげた。
「おや、嬢はいつ眼鏡なんてかけたんだい? よく似合うよ」
口元に穏やかな笑みを浮かべた彼は、悪戯っぽく目を輝かせている。
「そうだね、僕はキスするときも眼鏡はそのままで構わない派かな」
などと言うのまで含めて、いつもの通り。だが、そんな彼が、二人いるのだ。
一人はいつもどおりの格好をした、見慣れた姿のヴァンデミエール。
もう一人は、もしゃもしゃのひげこそ付けてはいないが、赤い衣装に赤い帽子をかぶった、見事なサンタ姿のヴァンデミエールである。
「じーじ、いつのまに双子になったの?」
思ったままに聞けば、今度はヴァンデミエールが首をかしげる番だった。
「双子? よくわからないけれど、嬢は面白いことを言うね」
「だって、サンタさんの格好をしているじーじが隣にいるの。すっごくよく似合うよ!」
アイオライトの瞳は、歓喜にきらきらと輝いている。
その青い宝石さながらの眼差しを、純粋に愛らしいものとして受け止めながらも、ヴァンデミエールは問い返した。
「僕がサンタクロースの格好をしてるだって? そう言えば、そんなインナーを着てたんだっけ。どうしてわかったんだい?」
「じーじのお洋服のことじゃなくて、じーじがもう一人いるの」
「僕が?」
ヴァンデミエールはきょとりと目を瞬いた。
どうしたって自分は一人だし、サンタ服もインナーだから、アイオライトに見えるわけはないのだ。
アイオライトはしばらく不思議そうな顔をしていたが、突然はたと気付いたように、銀縁眼鏡のつるに両手を伸ばす。
「もしかして、じーじが着替えたんじゃんじゃなくて、この眼鏡のせいなのかな」
そして試すように眼鏡を外して、長いまつげに飾られたつぶらな瞳をぱちぱちり。
「じーじが一人になった! やっぱりこの眼鏡のせいみたい!」
「へえ、それは面白いね」
ヴァンデミエールは、夢中になって眼鏡をつけたり外したりしているアイオライトを、穏
やかな眼差しで見つめていた。が、ふと、興味がわいた。
「その眼鏡、僕がかけたらどうなるだろう?」
「じーじもかけたいの?」
アイオライトは、たった今まで夢中になっていたそれを、はい、と手渡してくれる。
「ありがとう」
受け取り、眼鏡をかけるヴァンデミエール。
「うわあ、じーじかっこいい!」
聞こえる声に笑顔を返すも、目の前には確かに、愛らしいアイオライトが二人。しかも聞いていた通り、可愛らしいサンタ姿である……が。
「確かそれは、インナーに着ていた服だね。うん、二人とも同じ格好だ」
「え? じーじは、あたしのサンタ姿見えないの?」
「はは、どうやら嬢は、そのままの姿で十分らしい」
ヴァンデミエールは納得したように頷いて、アイオライトに眼鏡を返す。
「そうそう、言い忘れていたね。今日の嬢の格好も、サンタのお嬢さんみたいでかわいいよ」
言葉も添えれば、アイオライトは、へへっとはにかんだ。
ただ興味はまたも眼鏡に向かったよう。
「ねえじーじ、これ、他の人もサンタ服に見えるのかな」
そう言いながら眼鏡をかけて、くるりと振り返る。
しかしそこに見えるのは特に違和感のない――仲間が同じ銀縁眼鏡をかけて、いろいろな……若干不思議な行動をしてはいるけれども――風景だった。
「駄目かあ……。サンタさんの格好してる猫さんとか、栗鼠さんとか見たかったのになー、残念」
ちょっとだけがっくりして、再びヴァンデミエールに目を向けると、そこには二人のじーじがいる。
そこで、アイオライトの目が輝いた。
「あ、いいこと思いついちゃった。ねえ、普通のじーじとサンタのじーじとの間にあたしが入ったら、みんなで手を繋いでるんるんできないかなっ」
アイオライトは嬉々として、二人のじーじに手を伸ばした。が、サンタ姿のほうは、すっと手が通り抜けてしまう。
「……できなかった」
しょんぼり小さな肩を落とす、アイオライト。
「いいもん、帰ったらパパとじーじとるんるんするもーん」
ヴァンデミエールは、ピンクの唇を尖らせる、可愛いサンタに苦笑をしつつ、その手にそっと手を伸ばす。
「別にサンタじゃなくても、手ならいつでも握ってあげるよ。ほら」
ぎゅっと握れば、ぎゅうっと握り返されて。
じーじ、と語尾にハートをつけて呼ばれた上に、満面の笑み。
「それじゃ、帰る時もこうしようか」
そうして家に帰る道すがら。
アイオライトはヴァンデミエールの手を握ったまま、白い息とともに疑問を投げかける。
「そういえば、他の人も眼鏡してたね? みんな何を見ていたのかな」
「たしかにみんな眼鏡だったね。ハンサム揃いで見てて楽しかったよ」
なぜか俊に頭をぐりぐりされていたネカットと、眼鏡を取りあいしていたセイリューとラキアを思い出し、ヴァンデミエールはくすりと笑う。
しかしすぐに、隣を歩くアイオライトに視線を向けた。
「さあ、お家でパパが待っているよ。お土産でも買って帰ってあげようか」
「お土産? なにがいいかな?」
「ふふ、お店に着くまでに決めればいいさ」
ケーキかな、お菓子かなと節をつけて歌いだしたアイオライトを、ヴァンデミエールは微笑みとともに見つめていた。
| 名前:アイオライト・セプテンバー 呼び名:嬢 |
名前:ヴァンデミエール 呼び名:じいじ |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | 瀬田一稀 |
| エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | コメディ |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | とても簡単 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 3 / 2 ~ 5 |
| 報酬 | なし |
| リリース日 | 11月26日 |
| 出発日 | 12月06日 00:00 |
| 予定納品日 | 12月16日 |

2015/12/05-23:52
プランは提出できたー。
絡みのネタ、オレもウマく思いつかなかったよ。
あとは天の采配(アドリブ)に任せよう。
きっと皆で楽しくパーティで騒いでいる筈だ!
楽しいひと時が過ごせると信じているぜ。
2015/12/05-23:41
2015/12/05-08:32
ネカット:
うーん…こちらもたいして絡みのネタを思いつきませんでした。
なので今回は個別にということになりそうですね。
また皆でわいわいする依頼があったらその時に、ということで…
2015/12/03-18:39
まだ挨拶してなかったから、ちょっと遅くなったけど、アイオライト・セプテンバーとじーじだよー。よろしくー♪
眼鏡はあたしかなー?
貸し借りはできないのかな?
あたしも辛味(←誤字だけど、なんとなくそのままにしてみる)OKだけど、アイディアがなんにも思い付かないや。
2015/12/02-00:13
セイリュー・グラシアと精霊ラキアだ。
今回もヨロシク。
こんな面白そうな眼鏡を手に入れてしまったのだ。
かけずにおれようか(すちゃ!
と、いう訳で。眼鏡をかけるのはオレの方だ。
こんな形で眼鏡デビューが来るとは。
今から妄想色々と膨らませてみるぜ。
2015/12/01-21:29
お、出発確定か。
改めて俊・ブルックスと相方のネカ。今回もよろしくな。
こっちはネカが眼鏡をかける予定だ。
絡みはOKなんで、何かやりたいこととかあったら遠慮なく言ってくれ。
2015/12/01-20:01

