もきゅーっポンッ!(あき缶 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

●POPPOPPOP!
「可愛い動物と遊びつつ、ポップコーンをお召し上がりになりません?」
 君はショコランドの妖精にそんな言葉で誘われた。
 妖精はメオメオと名乗った。彼女はポップコーンケセラの牧場主なのだという。
「ポップコーンケセラ?」
「ケセラはご存知? それの亜種ですの」
 ケセラとはタブロス周辺に生息する、直径20cmくらいの大きさの毛玉に直径15cmくらいの大きさの毛玉がくっついたような小動物だ。
 大きいほうの毛玉にはフェネックのような大きな三角耳、つぶらできらきらした黒い瞳と小さめの口、ちょんとしたあんよがついていて、『もきゅー』と鳴き、鞠のように元気に跳ねる。
「ポップコーンケセラはケセラの毛玉が大きなポップコーンみたいな質感になっていますのよ」
 つまり、巨大マッシュルーム型ポップコーンを1つずつくっつけたような生物なのだ。
 ポップコーンケセラは、嬉しい気持ちが高ぶると、目をぎゅっとつぶり、ぷるぷるっと震えて、全身から食用の小さなポップコーンをポポポポンッと飛び散らせる。
「つまりはポップコーンケセラと遊んで、ポップコーン食べ放題のお誘いですわ!
 そのままでもほんのり甘くて香ばしいですが、こちらでシャカシャカできるフレーバー入り紙袋も用意しましたから、いろんな味を楽しんでくださいませね」
 と、メオメオはフレーバーメニュー表を見せてくる。なかなか商売上手である。
 定番の塩に、しょうゆバター、ガーリックバジル、粉チーズ、ハニーゴルゴンゾーラ、キャラメル、抹茶、七味、チョコレート。変り種もあるようだ。
 参加の意思を示した君に、メオメオはにっこり笑う。
「牧場には二十匹ほどのポップコーンケセラがおります。くすぐったり撫でたりすると喜びますよ。
 どうぞ楽しんでいってくださいね」

解説

●目的:ポップコーンケセラと遊んでポップコーンを食べる

●場所:ショコランドのポップコーンケセラ牧場
 広い芝生です。

【お願い】
 芝生に散らばったポップコーンを拾って食べることになりますが、衛生的に問題ありません。
 そこらへんを気にしたり突き詰めたりしないでください。

●メニュー
 ・参加費:100jr(飲み物はご持参下さい。アルコールは成人のみOK)

 ・フレーバー紙袋:1つにつき100jr
 塩、しょうゆバター、ガーリックバジル、粉チーズ、ハニーゴルゴンゾーラ、 キャラメル、抹茶、七味、チョコレート
 ※フレーバー取り放題コース:500jr

 ・ポップコーンケセラの玩具:1つにつき50jrでレンタル
 柔らか刷毛、ネコじゃらし、ボール、跳び箱

 ・ポップコーンケセラのエサ:200jr
 エサは甘いとうもろこしです

※メオメオは皆さんに注文の品を渡してくれますが、話しかけられない限りリザルトには出てきません。

相談期間短めですので、白紙にだけはお気をつけを!!

ゲームマスターより

お世話になっております。あき缶でございます。
なんか妙な生き物が出てまいりました。
ケセラについて詳しくは拙作『もきゅぅって鳴くし、ふわっふわだし』をご覧ください。
ポップコーンは私の好物で、家でフライパンで山ほどポップさせて貪るのが至福のひと時です。
なお塩派。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

スウィン(イルド)

  ケセラにはまだ会った事なかったのよね
ケセラちゃんおいで~♪(撫でたり頭に乗せたり)
ほんとにポップコーンそっくりね、可愛い!
刷毛を借りてきたんだけど…くすぐり用?えい(こちょこちょ)
あ、喜んでる!気持ちいいのかしら
人間はくすぐられると辛かったりするけど
ケセラは大丈夫なのね
(いたずらでイルドを刷毛でくすぐり反撃され)
あ、あはは!ごめんお茶目なじょーだんだってば!
あははは!降参!

(ポップコーンを出してくれたら
水とエサをそれぞれ紙皿に入れケセラにあげて飲食タイム)
折角の取り放題なんだから全種類食べなきゃね!
どれも美味しいわね~♪
ケセラちゃんも美味しい?いっぱい食べてね
ポップコーンありがとね(撫で)



信城いつき(レーゲン)
  ・参加費、フレーバー(キャラメル)、エサ

最初はケセラと仲良くなるとこから
ボールで遊んだり、撫でたり
初めてポップコーンを出す時は、じーっと見つめる
すごい!ほんとにポップコーンだ!

いいこと思いついたっ(イタズラ心)。
ケセラが目をつぶったらレーゲンの目の前に持ち上げて……ビックリした?作戦成功!(どや顔)

よし、今度はもっと一杯のケセラでやってみようっと
(両手一杯にケセラを抱えて、一旦退避。
レーゲンの見えない所で、ギリギリまで楽しませる)
また、寸前で……って、わわわっ!
逆にやられちゃったよ

妬いてるの?

うん、食べよう(少し照れながら)
俺甘いのにしたからレーゲンのもちょうだいね



柊崎 直香(ゼク=ファル)
  いっそポップコーンケセラごと頂くというのは。

とケセラたん捕獲して見つめてたらゼクに取り上げられたよ
冗談だよ。かわいいかわいいおいしそう
もぐもぐ

フレーバー:しょうゆバター
後はそのまま食べよう

僕はその辺に転がってるケセラをころころするぐらいで。
あ、また捕獲できたらゼクの頭や肩に乗せていこう
動くと落ちるよー
ポップコーンまみれになーれ

狩猟本能刺激するんならただ振るだけじゃなくて
隠したり動きに強弱つけて、ってゼクさんや。
それは僕に狩られたいという意思表示かにゃ

失礼な。僕だって楽しんでるよ
ここのところ微妙に沈んでる精霊くんに癒しを与えられて満足だ
怖い夢でも見たの?
全部忘れてしまいたまえよ、行けケセラたん!


セラフィム・ロイス(火山 タイガ)
  え、そんな気分じゃ…!?わかった押さないで
フレーバーはどうする?
?『全部!』って言い切ると思ったのに


(思い過ごしか)
よってきたケセラに餌を差し出し。
可愛いな…やっぱり飼ってみたい
ポップコーン出して目が点。驚いた
タイガのパートナーだからね(微笑

(そっと触る。餌で誘導
本当だ毛並みが違う…どうやって出てるんだろう
うわっ。頭に乗られたり

僕は初めてだ。ありがと。はいタイガの分
■半分こはいつもの事
(赤面)ジャンクフードは体に悪いって禁止されてたから
美味しい
選んだかいあった。ケセラも美味しいお礼ありがとう


◆物思い
最近色々あった。父ともタイガとも…後悔も希望も
まだ気持ちがまとまらないけど
こんな時間も必要だよね



石動かなめ(セレイヤ)
  動物大好き!耳がおっきくて、目がきゅるってしてて
なんて可愛いんだ!(ぷるぷる)

☆フレーバーは塩とチョコ
 ネコじゃらしとエサも下さいな!

「ケセラちゃん、おいでおいで~」
優しく呼びかけて、ネコじゃらしで遊ぶ。
心を開いてくれたら、そっと撫でてみたい。
ポップコーンを弾けさせてくれたら、お礼を言って頂こう。
フレーバーを付ける前にそのままの味も堪能!ほんのり甘くておいしいね。
ケセラもおなか空いちゃうだろうから、餌をあげよう。
手のひらから食べてくれるかな?

ふと思い立って精霊の目の前でもネコじゃらしを振ってみる。
「お?ネコじゃないの?あれ?」
本能的に目で追いかけてくるのが面白いね!
☆アドリブ大歓迎です!



●キャラメル×醤油バター
 ぽーんっと飛んで行くボールを、ぴょんぴょん跳ねながら複数匹の白い丸い生き物が追いかけていく。
「わーっ、待て待てっ」
 ボールを追いかけるポップコーンケセラを追いかけ、信城いつきが駆けていく。
 その様子を、とてもほほえましく見守るレーゲンは思わずクスクスと笑った。
 まるで子犬のようだ。ケセラではなく、いつき本人が。
「もっきゅ!」
 ケセラの口は小さいので、ボールを咥えることは出来ない。ぽんと上にのしかかって、転がるボールを止めたポップコーンケセラは、誇らしげにいつきの方を振り返る。
 他のケセラも、いいなーいいなーと言うふうに、得意げなケセラの周りに集まった。
「すごいすごい」
 いつきは、ケセラに近づくとしゃがみこみ、よしよしと頭をなでてやる。
「もきゅーん」
 褒められた! と嬉しそうに撫でられていたケセラは、気持ちが高ぶったらしく、ぎゅうっとお目目をつぶり、ぷるぷる……と震え始めた。
「あっ、ポップコーン出すの!?」
 いつきは手を離して、じーっとケセラを見守った。
 そんないつきを、他のケセラ達がじーっと見上げている。
「も、もきゅっ」
 ぽぽぽぽぽーんっ!
 震えたケセラが、全身からポップコーンを撒き散らかす。
「すごい!」
 いつきが歓声を上げる。
「ほんとにポップコーンだっ。……そうだ」
 となにか思いついたらしく、いつきはケセラを抱き上げると、すくっと立ち上がる。
「いいこと思いついたっ」
 と走りだすいつきを、ケセラ達がぴょんぴょん跳ねながら追いかけていく。
「レーゲーン!」
 と精霊の後ろに忍び寄り、その名を呼ぶと。
「何? 呼んだ……?!」
 と振り向いたところめがけて、ぽぽぽんっ!
 いつきがレーゲンの鼻先につきだしたケセラから無数のポップコーンが飛び出した。
「わぷっ」
 ポップコーン自体は軽いから、まったく痛くはなかったけれど、不意なことにレーゲンはびっくりしてしまう。
「も、も~」
 と顔を拭い、レーゲンは眉根を寄せるが、
「あははっ、作戦成功っ。ビックリした?」
 と無邪気にいつきとポップコーンケセラが顔を覗きこんでくるので、レーゲンのしかめっ面は苦笑に変わってしまった。
「まったくいつきったら……って」
 いつきはくるんとUターンして、また物陰へ走って行ってしまった。
 いつきは集めたケセラ達を撫でまわし、もきゅ~んと幸せそうになったところで、抱えられるだけ抱え上げる。
(今度はもっと一杯のケセラで……っ)
 といつきは再びレーゲンのところへ向かおうと、走り始めた。
 一部始終を眺めていたレーゲンは、いつきに、いやいつきが抱えるケセラに向かってボールを投げた。
 ボールを大騒ぎで歓迎するケセラ。
 当然……。
「あ、わっ。わわわっっ」
 ぽぽぽぽぽぽーーんっ!!!!
 大量のポップコーンがいつきを襲った。
 目を白黒させ、尻餅をついたいつきを、レーゲンはくすくす笑いながら助け起こした。
「逆にやられちゃったよ」
 後頭部を掻きながら、照れくさそうにいつきが笑い、レーゲンの手をとって立ち上がる。
「さあ、一緒に食べよう」
 とレーゲンは、ずっと預かっていたいつきの分のキャラメルフレーバーが入った袋を手渡した。
「うん、食べよう」
 と頷くいつきの前で、レーゲンは独り言のような音量で、ちょっとした不満をこぼす。
「ここに来てから、いつきはケセラの事ばかりだったし」
「……妬いてるの?」
 きょとんとレーゲンの顔を覗きこむいつきに、レーゲンは苦笑を漏らす。
「少し、ね」
「俺甘いのにしたからレーゲンのもちょうだいね」
 いつきは照れ隠しのようにレーゲンの紙袋に手を伸ばした。

●塩×チョコ
 まっしろで、体くらいある大きな耳とくりくりの瞳……!
「なんて可愛いんだ!」
 ペットショップに務めるくらい動物を愛する石動かなめにとって、ポップコーンケセラは、体がうち震えるほど愛しい存在だったようだ。
「ケセラちゃん、おいでおいで~」
 とかなめは、猫じゃらしを振ってみせる。
 もきゅ? と小首を傾げてとことこケセラが寄ってくる。
(きたきた)
 ここで喜色を露わにしてはケセラがビックリしてしまうので、穏やかな笑みと優しい呼びかけを保ち、かなめは根気強く猫じゃらしを振る。
「も! もっきゅっ」
 猫じゃらしで遊んでくれるのだ、と認識したケセラが目を輝かせて猫じゃらしに飛びつく。
「ほらほらっ」
 かなめもいい笑顔で猫じゃらしを振る。それを、小さなあんよをチョイチョイと一生懸命振って捕まえようとポップコーンケセラが頑張る。
「きゅっ、もきゅっ、きゅきゅ~~ん」
 いっぱいきた。楽しいことがありそうだといっぱい集まってくるのだ。
 ぽっぽぽぽぽーんっ!
 かなめのプロのじゃらし方はケセラを喜ばせたらしく、次々と大量のポップコーンが弾けていく。
「あははっ、すごいすごい! ありがとうっ」
 端正な顔に満面の笑みを浮かべ、かなめはケセラを撫でた。またポップコーンが弾ける。
 楽しそうにポップコーンが舞い飛ぶ真ん中で笑うかなめ。
 彼をすこし遠いところで、セレイヤは淋しげに見ていた。
 しょん、と黒い猫耳が垂れる。
「石動は上手いな……」
 動物の扱いに関して、セレイヤは門外漢だ。あんなに素早くケセラを懐かせて、ポップコーンを大量に弾けさせる術など分かるわけがない。
 それに――ひとり置いて行かれたようで、切ない。
 さっき、自分も遊べるとばかりにケセラに迫ったのだが、逃げられてしまった。
「魚類ー」
 ケセラに群がられているかなめが、セレイヤに声をかけてくるが、その呼び名はセレイヤにとって不本意なので、セレイヤはフーッと猫耳の毛を逆立てた。
「だ、誰が魚類だっ」
「いきなり迫ってったら怖がられるだろー」
 セレイヤの不平は流し、かなめはアドバイスをする。
「……なるほど」
 根は素直なセレイヤは、アドバイスを受け入れ、今度はゆっくりした動作を心がけながらケセラに近づいた。
「おいでー」
 かなめの真似をして優しく呼んでみると、ケセラが果たして近寄ってきてくれたではないか。
「わ、来た……っ!」
 目を輝かせて、セレイヤはおずおずとケセラに手を伸ばす。
 頭をなでてやると、ケセラはくすぐったそうに片目を閉じて、もきゅぅと気持ちよさそうに鳴いた。
 セレイヤの猫耳がピクンと立ち。
「石動っ、今こいつもきゅうって言ったぞ! 可愛いな!」
 興奮を隠さぬ弾んだ声でセレイヤは神人に報告した。
「おー、よかったな、魚類ー」
「耳とか擽ってもいいかな?」
「いいんじゃないか?」
 セレイヤがわくわくと尋ねるのに、かなめは手にのせたコーンをケセラに食べさせながら答える。
「俺の尻尾で滑り台でもするか?」
 とセレイヤは座り込んで、自分のつるんとした青い魚尻尾をケセラに差し出す。
「もきゅぅ?」
 初めて見る遊具に、ケセラは初め警戒していたが、面白いものだとわかったので喜んで遊びだした。
「わ、くすぐったい! あははっ」
 頭上でぽんぽんジャンプし、ポップコーンをまき散らすケセラに、セレイヤが声を上げて笑い出す。
「石動は本当に動物が好きなんだな、すごく楽しそう。来てよかったな!」
 大喜びで、でれでれと相好を崩しているセレイヤが言うと、かなめは立ち上がってセレイヤに近づいてくる。
「魚類も楽しそうでなにより。ほらっ」
 セレイヤの頭で跳ねているケセラに、かなめは猫じゃらしを差し出してみる。
 チョコ味ポップコーンを食べているセレイヤまでもが、猫じゃらしに反応したので、かなめは思わず笑いをこぼしてしまった。
 自分が無意識に反応したことに、かなめの笑みで気づいたセレイヤはハッとしてふくれっ面。
 その不機嫌な顔を、にやにやとかなめが覗きこむ。
「お? ネコじゃないの? あれ?」
「ね、猫だけど……」
 でも猫じゃらしでじゃらされるなんて、とブツブツ言いながらも、やはりセレイヤは頭上のケセラと一緒に猫じゃらしを追っかけてしまう……。
(本能的に目で追いかけてくるのが面白いね!)
 とかなめは、ポップコーンケセラの愛らしい仕草もだが、セレイヤの可愛い仕草にご満悦で。あんまりポップコーンも食べていないのに、お腹いっぱいになるのだった。

●キャラメル×塩
「遊ぶぞ~!」
 と気合を入れている火山 タイガを横目に、セラフィム・ロイスは首を傾げていた。
 てっきり食いしん坊のタイガなら、ポップコーンのフレーバーは取り放題コースを選ぶと思っていたのに、塩とキャラメルの二つと、ケセラの餌しか買わなかったのだ。
 セラフィムは最近いろいろあって……、とにかくあまり楽しいことに興味が持てなかった。本当はセラフィムとしては遊ぶよりも、気持ちを整理するべく静かな場所で一人になりたかった。それを、セラはケセラ好きだろ! とタイガは半ば無理やりに、ポップコーンケセラ牧場に引っ張ってきたのだ。
 そしてまだ少し戸惑っているセラフィムの隣で、タイガは元気に虎の尻尾でポップコーンケセラをじゃらす。
 タイガが寝そべって、小さなポップコーンケセラが尻尾に飛びつきやすいように配慮してあげると、ポップコーンケセラは尻尾だけでなくタイガの背中や足、頭までジャンプ台や平均台として使い始めた。
 いっぱい近寄ってきたケセラに、セラフィムもおずおずと手を伸ばす。
 差し出したコーンの餌を、喜んで食べる様子に、セラフィムの沈みがちな表情も思わず緩んだ。
「可愛いな……やっぱり飼ってみたい」
 本家本元のフワフワしたケセラも好きだが、ポップコーンケセラもまた可愛いものだ。
 そっと撫でようと手を伸ばすと、ちょうど美味しいコーンに喜んだケセラがポポポンッとポップコーンを弾けさせて、セラフィムを驚かせた。
「わっ……驚いた。どうやって出てるんだろう」
 不思議だ、とセラフィムは今度こそケセラを撫でる。
 本家のケセラとは、毛並みの感触が全く違う。ポップコーンケセラの手触りはまさしくポップコーンだ。ふわふわの毛玉であるケセラとは似て非なるものであった。
「うわっ?」
 もきゅー! と冒険心あふれる個体がタイガの頭の高さでは物足らず、セラフィムの頭に飛び乗る。
「おー! セラも懐かれてるなー。白い帽子みたいだ」
 体の上でポコポコポップコーンを弾けさせているタイガが笑った。
 まるでタイガがポップコーンを生んでいるようだ。セラフィムはクスと笑って言った。
「タイガのパートナーだからね」
「ふーん。て、どういう意味だ、それ」
 口調は不満そうだが笑いながら、タイガはケセラを脅かさないように姿勢を変えた。
 芝生にあぐらをかき、さんざん弾けさせたポップコーンを塩のフレーバー袋に詰めて、シャカシャカ振る。
「ポップコーンっていえば塩一択だよな!」
 もぐ、と口いっぱいに頬張り、うまい。とタイガは頷く。
 そして、また袋に手を突っ込み、
「ほら」
 とセラフィムに差し出した。
「えっ。ありがと」
 セラフィムがタイガの手からポップコーンを取り、口に持っていく。
「僕は初めてだ。はい」
 お返し、とセラフィムはキャラメルフレーバーポップコーンをタイガに渡した。
 ポップコーンを食べるのが初めて、と聞いてタイガは驚くも。
「ジャンクフードは体に悪いって禁止されてたから」
 と恥ずかしそうに言うセラフィムに、さもありなんと頷いた。
「美味しい」
 さくさくしつつも口の中で仄かな甘味を広げながら溶けるポップコーンの味に、セラフィムは微笑む。
「だろー」
 庶民の味を褒められて、タイガは自慢気に胸を張った。
「出来立てはうまいんだ。俺もキャラメル初めて食った」
 次は店でキャラメルポップコーンを買ってみよう、とタイガは呟く。
「口にあったようで何より。選んだかいあった」
 とセラフィムは嬉しそうに頷き、隣で見上げているケセラの頭をくしゃりと撫でる。
「ケセラもありがとう」
「もきゅーん」
 どういたしましての気持ちだろうか。ぽぽん、とまたポップコーンが弾けた。
「あー遊んだ遊んだ!」
 ポップコーンケセラと走り回った後、日陰で大の字になり、タイガは眠り始めた。
 その様子を微笑ましく見守っていたセラフィムは、寝転んだタイガの隣に腰を落ち着ける。
「……こんな時間も必要だよね」
 と周囲の楽しげな様子を眺めながらセラフィムが穏やかに呟くのを、タイガの耳が捉える。
 ちらりと薄目で伺ったセラフィムの表情が、来た時よりも優しくなっていたので、タイガは内心胸を撫で下ろした。
(少し表情柔らかくなったかな。取り放題を我慢した分、良い物みれたし)
 今日は食べることよりも、セラフィムの心を休養させてあげたかったのだ。
 タイガは目的が果たされたことを確認し、今度こそ眠りに落ちていった。

●醤油バター×キャラメル
 じぃと抱え上げたポップコーンケセラを見つめながら、柊崎 直香はボソリと呟いた。
「いっそポップコーンケセラごと頂くというのは」
「不穏な発言は禁止だ」
 速攻で直香の発言を遮って、ケセラを奪い取り芝生に戻したゼク=ファルは、ケセラが怯えちゃいないだろうか、と当の小動物達を見やると……純真無垢な瞳と目があった。
 ごほん、と咳払いし、ゼクは頷く。
「その、たしかに愛らしいな」
 直香はケラリと笑うと、すでに落ちていたポップコーンを拾ってもぐもぐと咀嚼した。
「冗談だよ。かわいいかわいいおいしそう」
 冗談なのか? とゼクは一抹の不安を隠せない。
「通常ケセラより硬そうだが弾力はあるのか」
 などと呟きながら、しゃがみこんだゼクはポップコーンケセラを撫で始めた。
 手触りはそのまんまポップコーンである。
 ぐびぐび持参した炭酸飲料を飲みながら、直香はころころと手近なケセラを転がす。
 ときたま捕まえてゼクの頭に乗せてみると、まんまるケセラは、ころんと転がってゼクの肩に落ちてしまった。
「キューキュー」
 と可愛い悲鳴を上げながらケセラはゼクの肩にしがみつく。
「動くと落ちるよー」
 と言いながら直香は再び別のケセラをゼクの頭に乗せていく。
「やめてやれ」
 肩に必死にしがみついているケセラを、そっと剥がして地面に戻しながら、ゼクは直香を制止する。
 助かった安堵感か、ケセラがポップコーンを撒いてくれたのを、二人で食べる。直香は醤油バター。ゼクはキャラメルだ。
 そっとケセラの前で猫じゃらしを振るゼクを見て、直香は、あーダメダメと声を上げる。
「狩猟本能刺激するんならただ振るだけじゃなくて、隠したり動きに強弱つけて」
 とアドバイスする直香に、ゼクは言い返す。
「ケセラに狩猟本能は無いと思うが……」
 ふと思いついて、ゼクは直香の眼前で猫じゃらしを振ってみる。
「……ゼクさんや。それは僕に狩られたいという意思表示かにゃ」
 に、と笑って直香がいたずらっぽく尋ねると、ゼクは表情を変えずにすんなりと猫じゃらしを引っ込めた。
「まあ、お前は小動物より大物仕留めるタイプだな」
 なでなで。ゼクは、傍らに寄り添うポップコーンケセラを撫でては、弾けたポップコーンを直香のフレーバー袋に入れていく。
 それを直香は当然のように口に運んでいく。
 小動物を撫でることが好きなゼクはポップコーンよりも、ポップコーンケセラ自身を撫でるほうが楽しい。
 ひとしきり撫で回したゼクは、ふと直香に振り向いた。
 もしゃもしゃとポップコーンを食べている直香に、ゼクは尋ねる。
「俺自身は楽しんでるが、動物好きでもない神人様はどうなんだ」
 直香は、にやと笑った。
「失礼な。僕だって楽しんでるよ」
 そしてポップコーンの袋を芝生に置くと、また直香は口を開く。
「ここのところ微妙に沈んでる精霊くんに癒しを与えられて満足だ。――怖い夢でも見たの?」
「夢ってあれは……」
 にやーと笑う直香の問いに、ゼクは言葉を失う。
 ――夢。
 それは。
 二人を示す感情の名前もわからないままに、別離を告げられる。
 リアリティにあふれた不思議な白昼夢。
 眉をひそめるゼクに、直香は朗らかに高らかに告げる。
「全部忘れてしまいたまえよ、行けケセラたん!」
 むんずとケセラを掴んで、直香は軽くゼクに投げた。

●取り放題
 スウィンは目の前でぴょんぴょこ跳ねるたくさんの白い生き物に、目を輝かせた。
「ほんとにポップコーンそっくりね、可愛い!」
 とテンションが上がるスウィンは、まだ本家のケセラを見たことがないので、ケセラ系の生き物に会うのは今日が初めてである。
「ケセラちゃん、おいで~♪」
 としゃがみこんで両手を差し出すと、好奇心旺盛で人懐っこいポップコーンケセラは、我先にとスウィンに飛びついていった。
「あはっ、わっ! すごーいっ」
 きゃっきゃと喜ぶスウィンを、イルドは呆れ顔で見ている。しかし、彼の内心としては小動物にはしゃぐスウィンが可愛くてたまらないのだ。呆れ顔は照れ隠しのようなものである。
「ねえねえ、イルド見て見てっ、いっぱいよー」
 頭にポップコーンケセラを乗せ、両手にも抱きかかえ、スウィンが満面の笑みでイルドに振り向くと、思わずイルドは愛らしい神人の頬に手を伸ばしかけ……。
「な、何でもない!」
 きょとんとしているスウィンを見ないようにしながら、彼の腕の中のケセラを撫でた。
「? あ、そうそう。刷毛を借りてきたんだけど……どう使うのかしら。こう……くすぐり用?」
 スウィンは首を傾げつつも抱えたケセラを下ろし、自分も芝生に座る。そして、やわらかな毛を揃えた刷毛を取り出した。
 なにかななにかな? とスウィンの行動を見つめていたケセラに、スウィンは、えいとばかりに刷毛を当てると、こちょこちょと刷毛でくすぐった。
「きゅきゅぅ~」
 もぞもぞとケセラが身を捩る。
「あ、喜んでる! 気持ちいいのかしら」
 ひょいとケセラに当てていた刷毛をイルドに向けると、
「うわっ、おっさんやめろ!?」
 と慌てた声が上がり、スウィンはふむと頷いて、すぐに刷毛を物足りなさそうなケセラに当てなおす。
「人はくすぐられると辛かったりするけど、ケセラは大丈夫なのね。ほらほらっ」
 とスウィンが弾んだ声を上げていると、ケセラが不意に目をギュウっと瞑って、震え始めた。
「おい、どうした?」
 ずっと戯れの風景を見守っていたイルドが慌てる。
「具合でも悪いの、か?!」
 ぽぽぽーんっ!
 至近距離で弾けたポップコーンがイルドの顔面を襲う。
「ぷあっ」
「あははははっ、説明受けたじゃない……。はははっ」
 笑い転げるスウィンに、むぅーとイルドは眉をしかめ、刷毛を奪い取ると、スウィンの首筋をくすぐった。
「あ、あはは! ごめん。ごめんなさいってば! あははは! 降参!」
 ころころと転がり、ひぃひぃと息を切らせてスウィンが地面をタップする。
「ふふふっ、いえ、でも、ケセラちゃんを心配する優しいイルドは、おっさん、いいと思うわよ」
 目尻の涙を拭いながら、スウィンがそんなことを言うので、イルドはもう怒るに怒れない。
 しかたがないので、飛び散ったポップコーンを集めて紙皿に乗せる作業に没頭するふりをする。
「おい、出来たてだぞ。早く食おうぜ」
 全部の味を制覇したい、とフレーバー取り放題コースを選んだのだ。ポップコーンケセラと遊ぶのもいいが、そろそろ食べ始めないと全部食べきる前に日が暮れてしまう。
「そうね、いただきましょ。せっかくの取り放題なんだから」
 と、スウィンも別の皿にポップコーンケセラの餌を乗せて、ケセラに差し出す。
「さあ、皆一緒にお食事タイム♪」
 もきゅーと喜んでケセラが紙皿に群がる。喜ぶあまり、ポップコーンが弾けていく。
「あらあら、どんどん出てくるわ。ケセラちゃん美味しい? いっぱい食べてね。こっちもどんどん食べましょ」
 とスウィンは次々とフレーバーの紙袋にポップコーンを投入していく。
「俺は七味が一番だったな。おっさんは?」
「そうね、キャラメルかしら。でもどれも美味しいわね~」
 などと言いながら、満腹までポップコーンを堪能したらそろそろ帰る時間。
「ポップコーンありがとね」
「また、な」
 名残惜しく、二人は最後にポップコーンケセラを撫でる。
「もきゅーんっ」
 ぽんっと見送りの花火のように、今日一番の高さでポップコーンが弾けた。



依頼結果:成功
MVP

メモリアルピンナップ


( イラストレーター: 笹舟  )


エピソード情報

マスター あき缶
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 05月22日
出発日 05月28日 00:00
予定納品日 06月07日

参加者

会議室

  • [5]セラフィム・ロイス

    2015/05/26-22:27 

    :タイガ
    ポップコーンだ!ケセラだ!亜種だー!・・・セラ喜ぶといいんだけど
    よっす!タイガだ。と、相棒のセラな
    石道は初めまして!馴染みのみんなもよろしく!楽しんでこうぜ~

  • [4]信城いつき

    2015/05/25-10:41 

  • [3]石動かなめ

    2015/05/25-00:48 

    みなさんはじめまして、ですね
    石動と申します!
    動物もポップコーンも大好きなんだよね~
    みんなで楽しめるといいね!

  • [2]柊崎 直香

    2015/05/25-00:23 

  • [1]スウィン

    2015/05/25-00:20 


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