リザルトノベル
◆アクション・プラン
かのん(天藍)
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○2
以前カップルコーデで天藍が選んでくれた水着
紺色地花柄ホルターネックビキニ
下はデニム風ホットパンツ型
白・薄青、差し色に濃いピンク華やかな南国の花の髪飾りとお揃いのブレスレット
覚えていてくれたら嬉しいのですけれど
プールサイドで待ち合わせ
パーカーを肩にかけられ袖を通す
やっぱり大きいですね袖から指先しか出ないです
天藍に包まれているような気がします、微笑
お返しに花のブレスレットを天藍の手首に
髪飾りとお揃いなのでこれなら他の人が見ても天藍が一人だとは思わないでしょう?
ほんの少し独占欲
バーでの撮影後
やっぱり恥ずかしかったです…
天藍は平気ですか?
答え聞き更に頬染める
これはお酒のせいじゃなくて天藍のせいです
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紺色ベースに花柄のホルターネックビキニ。
夏休みを天藍と過ごすなら、今年はこの水着しかない。
「……ふふ」
ホテルの更衣室で、かのんはビキニに腕を通し、溢れる幸福感に笑みを零した。
この水着は、以前カップルコーディネート大会に出場した際、天藍が選んでくれた水着。
紺色と花柄が落ち着いた印象ながらも華やかで、下半身はデニム風ホットパンツ型。ビキニだけども、露出が抑え目な所も良い。
「……天藍、覚えていてくれるでしょうか?」
白・薄青、差し色に濃いピンクの華やかな南国の花の髪飾り。それとお揃いのブレスレットも身に着ける──これも天藍が選んでくれたものだ。
鏡で身だしなみを確認し、小さく深呼吸して、かのんは更衣室を出た。
大きな窓から降り注ぐ太陽の光は、オレンジ色。
プールサイドは、夕焼け色に染まっていた。
「あ……」
待ち合わせした場所に立つ愛しい人の姿を見つけ、かのんは息を飲んだ。
艶やかな黒髪が夕焼けの色に輝いて、精悍な肉体と立ち姿に胸が高鳴る。
そして何より──彼が身に着けている水着には、見覚えがあった。
黒に近い濃紺主体のサーフパンツに、シンプルなレザー調のブレスレット。どちらもかのんが彼の為に、以前選んだ水着だった。
今日は白いパーカーを上に羽織っている。
(嬉しい……)
自然と笑みが浮かぶ口元を自覚しながら、かのんは彼に歩み寄った。
「天藍」
こちらを振り向いた彼の目が、小さく見開かれる。
「お待たせしました」
微笑めば、彼は瞳を細めて、眩しそうにかのんを見つめた。
「その水着……」
「天藍が選んだ物なので……」
羞恥を覚えるも、素直に理由を言えば、天藍が満面の笑顔を浮かべる。かのんは、はにかむように笑みを返し、天藍の水着へ視線を向けた。
「その、天藍も……」
「ああ。かのんが選んでくれた水着だからな」
天藍は頷き、嬉しそうに笑うかのんを見る。
同じ理由で、以前選び合った水着を着てくれた事、嬉しそうに笑う笑顔──全部愛おしい。
ここがプールサイドでなければ、二人きりであれば、思い切り抱き締めたいくらいだ。
天藍はかのんの水着姿を見つめ、やはり似合うと頬を緩める。
白い肌は撫でたくなるきめ細やかさで、胸元、腰のライン、すらりと伸びた脚──視線が外せない。
と同時、周囲の視線が気になった。
かのんの水着姿を、他人も見れるこの状態は……やはり嫌だ。
「かのん。体が冷えない様に、これを」
羽織っていたパーカーを脱ぐと、かのんの肩に掛ける。
「ありがとうございます」
かのんはにっこり頷くと、彼が掛けてくれたパーカーに腕を通した。
「やっぱり大きいですね。袖から指先しか出ないです」
大きなパーカーはすっぽりかのんの身体を覆って、水着を完全に隠してしまった。袖からちょこんと出る指先を上げて、かのんが微笑む。
その姿に、天藍は一つ頷いた。一先ずこれで、周囲の視線とテレビ撮影の対処は万全だ。
「天藍に包まれているような気がします」
ふわっと笑ってかのんが言った言葉に、天藍は口元に手を当てる。
嬉しくて口元がニヤけた。かのんが可愛すぎる。
「天藍、これはお返しです」
かのんは南国の花のブレスレットを自分の手首から外すと、天藍の手を取り、彼の手首に嵌める。
「かのんの髪飾りとお揃いだな」
天藍はブレスレットを眺めて微笑んだ。
「ええ。髪飾りとお揃いなので、これなら他の人が見ても天藍が一人だとは思わないでしょう?」
ほんの少し独占欲。
彼には私が居ます──そんなささやかな自己主張。
「!」
本日二度目の不意打ち。
天藍は、にっこりこちらを見上げるかのんを、少し恨めしく見つめる。
これではこちらの理性とか、色々持たない。
無意識なんだろうけど、どうしてかのんは一々己のツボを突いてくるのか。
同じ独占欲を彼女が抱いてくれて、それを行動に行動に移してくれて──嬉しくない訳がない。
温かな幸せが込み上げるのを感じ、天藍は吐息を吐く。
降参だ。
「行こうか」
天藍はかのんの肩に手を回した。
抱き締めたいけど、今はお預け。せめて肩を抱くくらいは許して欲しい。
「……ええ」
頬を染めたかのんは、小さくコクンと頷く。
二人は肩を寄せ合って、プールサイドのカフェ・バーの扉を潜ったのだった。
二人がカフェ・バーから出てくると、大きなガラス窓から見える景色が、夜のものへと変わっていた。
零れ落ちそうな星々が、闇色に煌めいて、二つの月が明るく光っている。
「やっぱり恥ずかしかったです……」
漸く緊張から解放され、かのんは火照る頬を抑え、ほーっと吐息を吐き出した。
先ほどまで、カフェ・バーで、天藍とお酒を飲んでいる所を撮影されていた。
思い出すと顔から火が出そうな羞恥に襲われる。
ぴったりと天藍と寄り添って──決して嫌ではなかったけれど、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「天藍は平気ですか?」
両頬を押さえたまま彼を見上げれば、天藍はけろりとした表情で笑う。
「おおっぴらに『かのんは俺のものだ』と他の輩に示せる折角の機会だったしな」
全く問題ない。
きっぱり言い切る彼に、羞恥だけではない熱さが込み上げる。頬が更に熱を持ったようだった。
「もう……」
かのんは恨めしげに天藍を睨んだ。
そんな事を言われたら、怒るに怒れない。
「顔、赤いな。少し飲み過ぎたか?」
天藍が顔を覗き込んで来る。
「これはお酒のせいじゃなくて……天藍のせいです」
赤い顔のまま、照れ隠しに少し拗ねた風に答えれば、天藍がますます笑みを深めた。
(可愛いな)
天藍はかのんの手を取る。
「じゃあ、責任を取って……熱冷まし、付き合うよ」
「熱冷まし?」
「少し外の空気を吸わないか?」
「そうですね」
二人は微笑み合うと、手を取り合って室内プールを後にした。
爽やかな心地良い夜風が吹いている。
潮風に靡く黒髪を押さえ、かのんは小さく伸びをした。
「風が気持ち良いですね」
「ああ」
月明かりの下、微笑むかのんは──息を飲む程、綺麗だ。
眼福な思いで、天藍は笑みを返す。
「……綺麗ですね」
かのんがぽつりと呟いた。
「そうだな、綺麗な月夜だ」
頷いて天藍が空を見上げれば、小さな声で『違います』とかのんが言う。
「ん?」
「──その……天藍が、綺麗だな……って」
「……」
本日、三度目の不意打ちを受けて──天藍は天を仰いだ。もう我慢の限界だ。
それに……ここならば、もう人目もなく、邪魔も入らない。
「かのん」
彼女へ手を伸ばす。
少し驚いた彼女の顔が視界に入る。
強く抱き締めれば、彼女が息を飲んだ気配がした。柔らかく温かい彼女の身体。愛おしい。
その耳元へそっと囁く。
「俺も──かのんが綺麗だなって、思ってた」
そう言ってから、いや、そうじゃないと、天藍は瞳を伏せる。
「今日も、何時でも──かのんは綺麗だ」
腕の中でかのんが震えた。耳まで赤い。
「今日一日、ずっとこうやってかのんに触れたくて……我慢するのは大変だった」
「私も──」
かのんの手が、天藍の胸に添えられる。見上げてくる菫色の瞳。
「私もずっと──天藍に、ドキドキしてばかり……です」
頬を染め、そう告げてくれた彼女に、天藍は幸せを噛み締める。愛おしい、大切な人。
「かのん」
彼女の熱い頬に手を添える。
視線が交わる。
どちらからともなく瞳を閉じて、二人は唇を重ねた。
熱を分け与え、想いを確かめ合う。
「好きだよ」
瞳を見つめて、天藍が微笑む。彼の言葉は、甘い甘い幸せとなって、かのんに降り注いだ。
まるで月光にように、やわらかく美しく、輝いて──。
「私も、貴方が──好きです」
同じように彼に届いて欲しい。彼が同じように思ってくれたら、嬉しい。
祈りを込めて囁けば、天藍が嬉しそうに笑った。
「かのんの言葉は……月の光みたいだな」
優しく照らしてくれる、俺の光。
もう一度唇を触れ合わせて。
二人、同じ気持ちで微笑み合う。
抱き合って笑い合う二人を、ルーメンとテネブラ、純白と濃紺色の二つの月が、明るく照らしていた。
依頼結果:大成功
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名前:かのん 呼び名:かのん |
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名前:天藍 呼び名:天藍 |