リザルトノベル
◆アクション・プラン
クラリス(ソルティ)
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リゾートホテルのバーなんて初めて!
水着、似合わないかもしれないけど可愛い感じのを選んでみたわ
『小悪魔BODYで彼を悩殺☆美乳は作れる!』って書いてあったし大丈夫よね!
これで少しくらい意識してくれるかしらっ
プールを満喫した後、バーでお酒を楽しみ
誕生日プレゼント?
綺麗…アクアマリンかしら。ソルの瞳みたい
ありがとう、大切にするわっ
あ、ソルに渡すプレゼント忘れて来ちゃった…!
わー!それは忘れてっ!あたし一人で気合い入れてバカみたいじゃないっ
ソルこそ顔赤いじゃない、大丈夫なの?
…格好つけちゃって
地味で頼りないけどソルといると不思議と安心するの
あたし、ソルの手、大好きなのよねぇ
そうだ、頭撫でてくれない?
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●可愛く勝負!
パシオン・シーにある一つの高級リゾートホテル。
ウィンクルム達にプレゼントされた夏の旅行に、クラリスとソルティも参加していた。
水着姿で共に戯れる室内プール。
今回もビキニ水着で現れたクラリスは、それはそれは豊かでたわわで魅惑的な深い深い谷間が強調された水着を着用している。
しかしビーチフラッグ時と違うのは、そのデザイン。
クラリスが読んだ雑誌の特集『小悪魔BODYで彼を悩殺☆美乳は作れる!』
その雑誌で一目惚れした水着を着用しているのだ。
(水着、似合わないかもしれないけれど、可愛い感じのを選んでみたわ。これで少しは意識してくれるかしらっ)
そう思いながらソルティと共にプールで遊ぶものの……ソルティはいつもと変わらぬ笑みを称えながら、水にたゆたう。
(やっぱり、ソル、あんまり見てくれない……)
普段通りに接してくれるし、良くも悪くもいつもと変わらない。ビーチフラッグの時のように目線が他の女性に向かってないことはまぁ許そう。
だけれど……
(あんまりにも反応がないと、寂しいじゃない……)
こっそりと唇を尖らせるクラリスだった。
●蒼い贈り物
ひとしきりホテルの室内プールを堪能した後。
「クラリス、ビーチサイドのバーに行かない?予約してあるんだ」
ソルティがクラリスを誘えば、クラリスの鮮やかな緑色の瞳が見開かれ、パァッと輝いた。
二人の誕生日は8月1日。
その誕生日のお祝いも兼ねて、ソルティはバーの予約をしていた。
そんな粋な計らいをしているとは思いもよらず。二つ返事でOKと伝えれば、ソルティも「良かった」と柔らかな笑みを返してくる。
クラリスの先程までの切ない思いは、彼の柔らかな笑顔で直ぐにどこか飛んで行ってしまった。
クラリスは手短に支度を済ませ、髪には大事な宝物である赤い花の髪飾りをセットする。
バーの入り口に立てば、そこはプールに併設されたものとは思えない程に優雅でゆったりとした雰囲気を纏っており。
「リゾートホテルのバーなんて初めて!」
クラリスが明るい緑色の瞳をキラキラと輝かせれば、ソルティは恭しく彼女を案内した。
店員に名を告げ、席まで通してもらう一連のやり取りをクラリスはこっそりと見守る。
いつもは頼りなさそうに見える程、柔らかな印象を与える兄。
だけれど今日、自分をエスコートする姿は凛々しく。堂々とした立ち居振る舞いはいつも以上に男らしく見える。
(これも……恋心の効果ってやつかしら、ね)
血の繋がらぬ兄に対する恋心を自覚した今、ソルティの一挙手一投足がどれも魅力的に見えてしまうクラリスだった。
「クラリス、何飲む?」
カウンターバーに通され、横に腰掛けるソルティ。
以前は気にならなかったはずの距離感が、今のクラリスにとってはドキドキと心拍数が上がるもので。
「そうね……できれば軽めのものがいいわ」
「わかった。それじゃあ……」
ソルティが手短にバーテンダー注文を伝えると、目の前で穏やかな紳士が手際よく準備を始めた。
そして、そっとクラリスの前にロングタイプのカクテルを差し出す。
「ブルー・ラグーンです」
青緑色のカクテルはウォッカとブルーキュラソーをレモンジュースで割ったもの。
軽めに、ということで更に炭酸水で割ってある。
飾りとしてレモンの輪切りと赤いチェリーが刺さっており……
(私のイメージなのかしら?)
そんなチョイスに思わずクラリスは笑む。
ソルティにはモヒートが供された。ライムとミント、それをラム酒で割った爽やかな夏のカクテル。
「ソルティ・ドッグじゃないのね」
ふふ、と笑うクラリスに
「じゃあクラリスが二杯目に頼むといいよ」
と笑った。
一見、大人の余裕を見せるソルティ。
だが、今日は意識してクラリスのエスコートに励んでいるものであり、心中は緊張感いっぱいなのは此処だけの話。
二人共、見目麗しさから優雅なバーに居ても遜色はない。
だが、普段は便利屋として生活し、商店街のコロッケを美味しそうに食べる生活。
いつもと違う雰囲気に緊張する気持ちもあるが……今日は特別な日だから、とソルティはこっそりと気合を入れた。
二人がカクテルを傾け、乾杯、と静かにグラスを鳴らす。
「ん……美味しい……!」
うっとりとした表情を見せるクラリスに、ソルティも安堵の笑みを浮かべ。己もモヒートを口につけ、喉と唇を潤す。
「そうだ。クラリス、手を貸して」
手?とクラリスが両手の平をソルティに差し出せば、迷いもなく彼はクラリスの左手を取った。
そして彼女の手を恭しく取り、彼女の甲を上に向け。
小指に指輪をゆっくりとはめ込んでいく。
予想もしていなかったプレゼントに、クラリスは声を上げることも忘れその行為に魅入っていた。
「誕生日、おめでとう」
根元まで通し、サイズがピッタリであったことに安堵するソルティ。
クラリスの左手の小指には、蒼い石が輝くように光っていた。
「誕生日プレゼント?」
あぁ、と優し瞳と共に微笑むソルティ。クラリスは己の手を空に翳し、うっとりとした視線を送る。
シンプルな形のデザインに、蒼い石が良く映える。
「綺麗……アクアマリンかしら」
ソルの瞳みたい、と彼の瞳の輝きとそっと見比べ。
「ありがとう、大切にするわっ」
幸せそうな笑みを浮かべるクラリスに、ソルティも微笑みを返した。
しかし、クラリスの幸せそうな表情はすぐに一転することとなる。
「あ、ソルに渡すプレゼント忘れてきちゃった……!!」
申し訳なさそうな表情をするクラリスに、ソルティは穏やかな声をかけた。
「大丈夫だよ。もう既にもらったから」
「え?」
キョトンとするクラリスに、ソルティは笑いながら
「昨日、大声で寝言言ってたなぁ。小悪魔BODYで彼を悩殺☆美乳は作……」
「わーーっ!ちょっと、それは忘れてっ!」
慌ててソルティの口元を塞ぐ。
(あたし一人で気合い入れてバカみたいじゃないっ)
寝言でまで言っていたのか、と思えば気恥ずかしさにクラリスの顔が赤くなる。
大人しくなった彼女の姿に、目を細め
「あはは、頑張ってお洒落くれたんだろ?俺の事を考えて悩んでくれたその気持ちが何よりの贈り物だよ……それに、水着凄く可愛かった、し……」
どんどんと音量が小さくなるソルティの言葉に、思わず顔を上げるクラリス。
自分の姿ではなくグラスに逸らされたソルティの青い瞳はどこまでも優しく、またどこか恥じらいを感じさせるもので。
(水着も、ちゃんと見ててくれてたんだ……)
左手の小指に嵌められた指輪に視線を戻し、クラリスはこそりと微笑んだ。
●幸せな掌
「クラリス、顔赤いぞ。酔った?」
他愛もない話で盛り上がった後の、会話の隙間。
ふと、クラリスの頬の赤味に気付いたソルティが少し心配そうに声をかけた。
「大丈夫よ。ソルこそ顔赤いじゃない、大丈夫なの?」
普段あまり見られないソルティのほろ酔い姿を見られる嬉しさと、純粋な心配。だが。
「俺は大丈夫。クラリスとのデートが楽しくて受けれてるだけだよ」
(……格好つけちゃって)
ふふ、と笑みが零れる。
しかしソルティの表情はおどけた笑みから一転し、遠くを見据え呟く。
「俺じゃなくて他の精霊さんみたいに頼りになる、格好良い人が相手なら良かったんだろうけど……」
冗談とも本気とも取るのが難しいその表情と声。
(そんなこと言わないで。ソルティじゃなきゃ……)
想いを留め、クラリスは軽く息を吸う。そして
「……本当よね、地味で頼りないわ」
しっかりと、彼の青い瞳に視線を合わせ。
「でも、ソルといると不思議と安心するの」
そう言いながら、クラリスは溢れんばかりの笑みを見せた。
そのまま彼女は左手でソルティの右手を取った。視界には左手の小指に光る、蒼い石。
「あたし、ソルの手、大好きなのよねぇ。……そうだ、頭撫でてくれない?」
(クラリス……酔って、る?)
可愛らしいお願いに、ソルティは思わず酒を一口煽った。
ほろ酔いで上目遣いで見つめる彼女はとても魅惑的で。
色んな思考をリセットするかのように、アルコールが喉を刺激した。
「……クラリス」
空いた手で、そっと彼女の頭を撫でるソルティ。
親愛を込めたその掌はどこまでもどこまでも優しく彼女の頭を撫でる。
「……そういう事は俺以外に言っちゃダメだぞ」
「言う相手なんていないわよ」
クラリスは、ソルティの肩に己の頭を委ねた。
(ソル以外にこんなこと頼まないわ)
どこか気恥ずかしそうに、でも満更でもない優しい表情を向けるソルティ。
(絶対に、惚れさせてみせるんだから)
いつも傍にある心地良さに、そっと目を閉じるクラリスだった。
依頼結果:大成功