リザルトノベル
◆アクション・プラン
セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
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コース1
水着は青系ハーフパンツ。
日焼けは全く気にしないけど、ラキアに言われ白いパーカーを羽織る。風を感じるぜ。
ビーチの醍醐味は、スイカ割りだとオレは思う!
鍛練にもなるし?
そして今使わねばいつ使うのか、スイカキャップ!
ラキアとスイカ割り勝負をするぜ。
スイカは良く熟した美味しそうな物で。
スイカを置いて、スタート位置に棒を使って砂に線を書くぜ。
目測で、何歩程度でスイカにたどり着くか見ておこう。
目隠しして、ラキアにぐるぐると2回廻してもらってスタートだ。より早くスイカを割った方が勝ち!
ギャラリーからの声援も頼りにするぜ。
変なトコへ誘導しないでくれよ(笑。
心の眼でスイカを討つのだ!
ここだぁ!ぱかーん。
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●ビーチの定番
「んー! やっぱいい天気だぜ!」
セイリュー・グラシアは、海の空気を大きく吸い込んだ。
透明度が高いコバルトブルーの海が太陽の輝きを受けて、より鮮やかに見える。
その青さを引き立てるように砂は白く。
海からの風が頬を撫でれば、それだけで来て良かったと実感出来た。
「ビーチだと日差しがいつもより眩しく感じるね。羽織ってきて良かった」
ほっとしたように呟くのは、ラキア・ジェイドバイン。
オリーブ色のハーフパンツの水着はセイリューの青色と異なり、落ち着いた雰囲気を与える。
その上に薄水色のパーカーを羽織り、日焼け対策をしているのは、ラキアが日焼けをすると真っ赤になってしまう肌質だからとのこと。
「オレは日焼けとか気にしないけど……」
「悪い日焼けは、火傷の一種だしね」
「そうなの? 悪い日焼けしたら、ヤバそうだな」
ラキアに準備して貰い、羽織った白のパーカーを見るセイリューへラキアが微笑むと、セイリューはふっと太陽を仰ぎ見た。
「ビーチでは何しようか、セイリュー」
「ふっふっふ……」
ラキアが話を振ると、セイリューは肩を震わせ笑う。
よくぞ聞いてくれましたという空気をヒシヒシと感じるのは、気のせいではない。
(何となく、言い出すことは予想がつくけどね)
ラキアは心の中でくすりと笑い、セイリューが彼らしく切り出してくれるのを待つ。
「ビーチの醍醐味は、スイカ割りだとオレは思う!」
拳を握り締め、セイリューは力説を開始した。
「青い海! 白い砂浜! 目隠しをし、平衡感覚を失わせて突き進み、手にした棒で割られたスイカは赤! 定番だろ? 鍛錬にだってなるし、スイカキャップを被っている……これは最早宿命だろ? 何より、スイカはウマい!」
実にセイリューらしい力説だった。
聞いている周囲(撮影クルー含む)がその力説に拍手した程である。
が、セイリューの力説を誰よりも聞いて楽しかったのはラキアなのは言うまでもない。
「鍛錬になるかはさておき、君がそう言ってくれると思っていたよ。だから俺もスイカキャップ被ってるんだし」
「なら、受けて立つよな?」
「勿論」
セイリューが嬉しそうなラキアへ不敵に笑えば、ラキアもその笑みを深めて勝負に応じた。
●激闘、スイカ割り!
撮影許可をしていた為か、スイカ割りに使うスイカは撮影クルーが用意してくれることとなった。
「結構大きいな。気合入ってきた」
「スイカ割り考える人多いのかな? 大きい部類だと思うよ」
撮影クルーが海の家から購入してきたスイカを見ながら、セイリューとラキアは言葉を交わす。
このスイカは2人で食べきれる量でもないことより、割ったスイカは周囲にもお裾分けとなっている。
2人としても割ったスイカを食べきれず捨てるなどとんでもないし、皆で楽しみたいという思いもあり、撮影クルーへOKを出した。
割れたスイカに砂が付着しないようレジャーシートが敷かれ、大きなスイカがその中央へ置かれる。
その間にセイリューとラキアはじゃんけんで先攻と後攻を決めることにした。
「俺が先だね。負けないようにしないと」
「オレだって負けないぜ?」
じゃんけんの結果、ラキアが先攻、セイリューが後攻となった。
こうなると、ラキアは俄然先攻逃げ切りを心に決める。
(セイリューは本番に強いし、後攻なら尚のこと燃えるよね。強敵が更に強敵になったって所かな)
いつも傍にいるから、よく分かる。
が、負けてしまうと思って勝負をするつもりはないし、負ける気もない。
セイリューが真剣に勝負するならば、自分も勝つつもりで勝負しなければセイリューに失礼だ。
手拭いを目に巻かれ、木の棒を渡される。
思ったよりしっかりした感触だ。
(距離は10mもないけど、目隠しして身体を回されるから、距離は短いと思わない方がいいかも)
頼りにするなら、手拭い越しに感じる光や波の音だろうか。
セイリューに身体を回されながら、ラキアは思った以上に分からなくなるのを感じた。
視覚の情報が大事な平衡感覚は目隠しをした時点で頼りにならないが、身体を回された為によりスイカの位置が自信ないものとなってしまっている。
「右ー! 行き過ぎー!」
「まっすぐ、まっすぐ!」
ギャラリーがラキアへ誘導の声を上げる。
平衡感覚が狂っている状況の為、どうやら指示と違う方向へ進んでしまっているらしい。
ラキアは落ち着くことを心掛け、1歩1歩前へ進んでいく。
(接触や間違えて振り下ろして怪我させたくないからね)
何とか前へ進んでいくと、足の裏の感触が変わった。
どうやら、砂からレジャーシートに切り替わったようだ。
ギャラリーの声で微調整しつつ、「えいっ!」と掛け声と共に棒を振り下ろすと、スイカに当たったのか、感触が手に伝わってきた。
歓声が聞こえたので、ラキアが手拭いを取ると、スイカの中央からはずれた位置にある場所が割れており、赤い果実が覗いている。
「ラキア、流石だな! ふらふらしてたのに、ちゃんとスイカまで行って当てた!」
「セイリューに負けたくないからね」
笑うラキアは、褒めるセイリューの、自身と同じキャップをより深く被らせる。
次は、セイリューの番だ。
●激闘の行方
(オレの歩幅だと、何歩であそこまで行くかだよな。10mないし、砂からレジャーシートに切り替われば、足の裏の感触も変わる。レジャーシートに入ってからスイカまで大体2歩として……)
セイリューはラキアがスイカ割りに臨んでいる最中も彼へ歓声を上げながら(指示は勝負をしているのでしていないが、応援することは吝かではないのだ)、自身の歩幅とスイカまでの距離を考えていた。
目隠しをして身体を回すのはスイカ割りの定番だが、定番になるにはなる理由がある。
セイリューはラキアの様子を見て、改めて定番の理由を実感した。
(歩幅と足の感触を大事にした方が良さそうだな)
手拭いを巻かれながら、セイリューは心に決める。
ラキアによって身体を2回回されると、平衡感覚の狂いもあり、スイカの位置が分からなくなった。
が、セイリューは声援で位置を修正しつつ、自分の歩幅と足の裏の感覚を頼りに前へ進んでいく。
(変なトコの誘導は、今の所ないな)
助かるけど、とセイリュー。
考えてみれば、嘘の誘導の結果ギャラリーに振り下ろして怪我をさせた(腕力の賜物)なんてなったら、番組として使えない。
慎重に、けれど大胆に。
セイリューは足の裏の感触が切り替わった所で歩幅をより意識し、進む。
カッ!
手拭いをしているので、ギャラリーには見えていないが、セイリューは目を見開いた。
「心の眼でスイカを討つのだ!」
ここだぁ!
セイリューは握り締めている棒を鋭く振り下ろした。
すると───
「やっぱりセイリューは本番に強いね」
どよめくギャラリーとは異なり、ラキアがくすくす笑っていた。
確かな手応えを感じたセイリューは既に手拭いを取り、その成果を見ている。
セイリューが振り下ろした先は、正に中央。
的確な一撃は、攻撃ではなく討伐。
ラキアが認める通り、セイリューの勝利だ。
「ラキアが深く被らせてくれたお陰だな!」
「しまった。セイリューを援護しちゃった」
セイリューが深く被らせて貰ったスイカキャップを指し示せば、ラキアは軽く肩を竦めた。
割られたスイカは撮影クルーが用意してくれた包丁で綺麗に切り分けられ、2人だけでなくギャラリーへも配られていく。
「結構人が見てたんだな。スイカ、もっと用意しておいた方が良かったかもな」
「お裾分けなんだし、いいんじゃないかな?」
スイカを割った自分達とは違い、だいぶ小さいスイカが配られているのを見、セイリューがそう言うと、ラキアはくすりと笑った。
「それもそっか。しかし、こういう休みもいいな。スイカはウマいし、ラキアも隣にいるし」
「俺はいつも隣にいるよ、セイリュー」
セイリューらしい言葉にラキアがくすりと笑ってスイカを齧る。
ビーチで食べるスイカは、いつもよりも甘い味がした。
依頼結果:大成功