野生との戦い(星織遥 マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

 タブロス市内にあるA.R.O.A本部に入った1本の電話。受付がそれに出ると、焦りの混じった声が聞こえてきた。

「もしもし!オーガが現れました!お力を貸してください!」
 受付はメモを取りながら状況を整理していく。電話の主はアレイクルド。場所はタブロス市から北西に進んだ場所にある町。そこは農業と工業が半々といった割合で成り立っている。しかしいくつかの工場は廃棄されており、すでに人の手が入っていない。近年、その場所を住処にする野犬などの野生生物をどうするか、という問題が発生していた。その対策のため、いつものように工場の見回りを行っていたら、オーガの出現が確認されたという。
「野犬たちは我々でなんとかしますので、オーガ討伐をお願いします」
 電話の向こうから喧騒が感じられる。アレイクルド自身も対処に必死なのだろう。詳しい話をしている時間はなさそうだ。そう判断した受付は要点を速やかにまとめていく。オーガや野生生物の正確な数は不明。アレイクルドとしては、野生生物は自分達に任せて、オーガのみに専念してもらいたいという。彼は居住区や農地への被害を警戒して、戦力を分散して被害が拡大する前に早急に倒したいと考えているようだ。
 普段なら野生生物の被害も軽微でさほど問題ではないが、今回の事態でそれらの区画に野犬などがなだれ込んだ場合、想像以上の被害が出る恐れがある。そういった彼の主張も踏まえ、メモにまとめる。
「状況は分かりました。至急そちらに応援に向かいます」
 受付はそう伝えると、電話を切った。予想外の事態に住人が困惑しているのは想像に難くない。なんとか状況が悪化する前に解決したい。ウィンクルムの皆さんよろしくお願いします。

解説

※今回のお話はレベルの高い方には物足りない内容だと思います。

●敵について
【オーガ】
・ヤグアート
長い嘴をもった鳥めいた頭部をもち、聴覚に優れているオーガです。
動きが早く攻撃を当てにくいのが特徴で、足についた鍵爪で攻撃してきます。

・ヤックハルス
ハイエナの頭部をもつオーガです。
鋭い嗅覚と伸縮自在の長い鍵爪が特徴です。

・ヤックアドガ
猪の頭部をもつ凶暴なオーガです。
頭部についた巨大な角を活かした突進攻撃に注意が必要です。

【デミ・オーガ】
・デミ・ワイルドドッグ
野犬がデミオーガ化したものです。
通常の野犬がより強力になった存在です。

・デミ・ウルフ
野生の狼がデミオーガ化したものです。
元の狼から一回り大きくなり、毛皮が丈夫になっているのが特徴です。


この他にも野犬などがいますが、そちらはアレイクルド達が対処します。
今回は早急に事態を収束させたいので、戦力を分散して
『ウィンクルム1組ずつ』で討伐に向かってください。

その先でオーガやデミ・オーガと戦うことになります。
出会う数は『2体~4体』。どの種類に出会うかは分かりません。

会議室で『6面ダイスを1つ』振ってください。
1~2……出会う数が2体
3~4……出会う数が3体
5~6……出会う数が4体
その数を参考に作戦を考えてみてください。
また、トランスする旨をプランに書いてください。


ゲームマスターより

星織遥です。
今回のお話はオーガ戦ですが、チームではなく単独での戦闘です。
敵のタイプや自分達の特性を活かした作戦を立てるといいでしょう。
よろしくお願いします。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

エリザベータ(ヴィルヘルム)

  心情
数多くねぇか!?
…たく、あたしだってやってやるさ

行動
到着した時点でトランス

オルガスコープで3体の敵の強さを比較したら伝えて引き付けるぞ
立ち回りは前衛
あたしから攻撃せずに受け流し・回避に専念するぜ
なるべく強い奴からの攻撃は回避したいところだな

ウィルの詠唱終了と同時に一気にウィルの方に走っていくぜ
発動直前にヘッドスライディングで伏せるぜ
スキルに巻き込まれたらそん時はそん時だな

スキル発動後も生存したオーガが居た場合は、弱っているだろうからあたしも攻撃するぜ
負傷したら無理せず後退
服を切ってキズを応急処置する

戦闘終了後は他の連中と合流…っておい、何してんだ!
…てめぇ、お荷物扱いすんじゃねーっての!



ひろの(ルシエロ=ザガン)
  現地到着後、直ぐトランス。
不意打ちに警戒して行動。

戦闘は後衛。
ルシェが見えないの敵の動きを伝える。
ここにいるのはこれだけ、かな?

私の方に敵が来たら。
敵の攻撃は盾を斜めにして受け流して、敵の体勢を崩して叩く。
Dスケールは回避だけ。
無理して怪我したら、迷惑だから。

ルシェから離れ過ぎないように。
敵の攻撃を避けたとき、ルシェに当たらないように位置に注意する。

ヤグアートが奇声を上げそうなら、ルシェに伝えて耳を塞ぐ。
焦らないように気をつけて、できることをする。

倒したオーガは、A.R.O.A.に伝えて対処して貰う。
野犬が食べて。デミ・オーガになったら、困るから。
デミ・オーガになる理由、まだよくわからないし。



ガートルード・フレイム(レオン・フラガラッハ)
  (レオンの言葉に)戦闘が楽しみって、お前な…
…気がついてたか(苦笑)
今の私は見張りくらいしか役に立たないからな
だが本心は、お前の言う通りだ
願いが叶って嬉しいよ
頼むぞ、相棒

■戦闘
現場到着後即トランス

アプローチⅡの範囲内に物陰があれば
敵接近前に隠れる

レオンがアプローチⅡで引きつける隙に
敵の背後に回りこみコネクトハーツで攻撃
優先順位はヤックアドガ>Dオーガ>デミ
攻撃は部位に拘らず、とにかく当てる

攻撃後はすぐ後ろに退く
レオンが三度攻撃したら再び斬りこむ、を繰り返す
走り回るのにスポーツ3使用

■戦闘後
快勝ならハイタッチ
精霊負傷→謝罪して手当
神人負傷→精霊慰めつつ手当

依頼人に報告
余裕があれば野犬狩りを手伝う



アマリリス(ヴェルナー)
  味方の協力を得る事はできませんがやるしかありませんね
最善を尽くしましょう

現場入る前にトランス
精霊とは距離が開かないようにし探索
敵発見次第ハイトランス・ジェミニ
隙を見せないようタイミングはかる

アプローチⅡを確認したら少し距離を取る
槍の射程を見定め最大射程を意識して敵に攻撃
部位は狙わずまず当てる事を優先

敵の意識がこちらに向いたら精霊を盾にして後退し擦り付け
こちらに向かってきた場合は槍の柄で防御と受け流し

精霊の背中は守る
後方や上空も警戒しておき奇襲警戒
何かあったらすぐ精霊に声を掛けて情報共有

討伐優先順位を決めておく
職業柄火力に欠けるので倒し易そうなものから討伐
順次撃破を意識
デミ>オーガで数減らし優先



瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
  現場に着いたらトランスします。
廃工場内を充分に警戒して、敵を探します。
私達は経験が浅いので、複数のオーガを相手にするのは危険。
ヤックハルス等のオーガを見付けた時は無理に戦闘しない。
物陰に隠れやりすごし、他の人にその対応を委ねます。
私達の実力的に対応出来そうなのはデミの2種。
それを狙って捜しましょう。
対処できる相手を選ぶのも戦いのうち。

戦える敵と遭遇したら私はミュラーさんの後ろで敵の動きを良く見て観察。
怖いけど、しっかり見ていなきゃ危ないわ。
自分達だけで頑張らなきゃ。
敵がミュラーさんの死角から攻撃しようとしたら彼に知らせます。
攻撃されそうなら杖で敵を威嚇します。
杖に驚いて敵が怯むだけでもいいの。



●オーガと野生生物
 A.R.O.Aから要請を受けたウィンクルム達がタブロスの北西に向かう。彼らはおおよその状況について受付から聞いている。廃工場区画に発生した野犬などの野生生物をどうするかという課題を抱えた町でオーガが発生。それによって町の状況が急変した。野生生物とオーガ、どちらか一方だけ抑えても居住区や農地へ及ぶ危険は避けられない。そこで町の住人であるアレイクルドがA.R.O.Aに連絡。野生生物は彼らがなんとかするので、オーガの対処を願いたいと。そしてそれを受け、5組のウィンクルムが現場へ急行していた。

●さあ、暴れまわろう
 現場へ向かう『ガートルード・フレイム』と『レオン・フラガラッハ』。走る速度は変えないまま、レオンが意気揚々といった声色でガートルードに話しかける。
「今回の戦闘は楽しみだな!」
「戦闘が楽しみって、お前な……」
「だってお前さ、仲間と組む時は見張り役が多いが、本当は前に出て戦いたいんだろう?前そんな事言ってたもんな」
「……気がついていたか」
 ガートルードは苦笑しながら答えた。
「今の私は見張りくらいしか役に立たないからな。だが本心は、お前の言う通りだ。願いが叶って嬉しいよ。頼むぞ、相棒」
「ああ。たっぷり暴れようぜ」

 現場に到着した2人はすぐに廃工場の点在する区画へと入る。
「カルミナ・ブラーナ」
 ガートルードがインスパイアスペルを唱え、レオンの頬に口付けをすると紅い炎に包まれ、それが風に煽られる様にして蒼く変化してトランス状態へと移行する。現場には野犬なども居るらしいが、オーガやデミ・オーガのみに集中すれば問題ないという事なので、それを踏まえて工場区画を捜索する。その道中で、2人はオーガと接触した時について打ち合わせをする。まずオーガを確認したら距離を測りつつ、レオンが『アプローチ』を発動。その後、敵の動きを見ながら、先にガートルードが攻撃を仕掛ける。そしてすぐ後ろに退き、レオンが追撃をかける。レオンなら敵に対して3度まで立て続けに攻撃することが出来る。これを利用して『ガートルードが1度攻撃したらレオンが3度攻撃する』という戦い方を心がけることで2人の意見は一致した。作戦も決まり、さらに奥へと進み続ける。すると、とある影が2人の視界に入ってきた。それは猪の頭部をもつ凶暴なオーガ、ヤックアドガ。さらによく見ると、もう1体がやや離れたところにもいるようだ。それを確認するとレオンはホイッスルを吹いて注意をこちらに向ける。それに気付いた2体がレオン達のほうへ向かってくる。突進を警戒しながら工場の壁を背にするように移動する。その距離が徐々に縮まってきた。
「作戦通りに行くぜ!アプローチ!」
 レオンは『アプローチ』の圏内にヤックアドガ2体が入ったことを確認すると、すかさず発動。これが戦いの始まりを告げる合図となった。ヤックアドガがレオンに対して一気に距離を詰めてくる。ガートルードはその背後に回りこむと短剣『コネクトハーツ』で切りかかる。この短剣自体に威力は無いが、その攻撃にレオンが追撃することでオーガに大きなダメージを与えることができる。狙いを定め、ヤックアドガのうち1体に攻撃を決めるガートルード。それを確認すると、レオンは攻撃の入ったオーガに向かって武器をふり下ろす。まずは突進攻撃が厄介なヤックアドガの機動力を抑えるために脚部を狙う。続けて胴体、頭と攻撃していく。脚をやられたヤックアドガは突進する事はおろか、前進すらかなわない状態に陥った。しかしヤックアドガはもう1体いる。それがレオンに向かって突進していく。
「よっと!」
 しかしレオンはその突進をかわし、いったん距離を取る。攻撃をかわされたヤックアドガは勢いのあまり工場の壁に激突したにも関わらず、ふらつく様子もなくガートルードやレオンを睨んでいる。その後も攻防戦は続いた。しかし打ち合わせた作戦をうまく活かし、こちらのオーガも行動不能に追い込む。
「死ねよ、てめえらの苦しむ様子最高だぜ」
 レオンはそういうと2体のヤックアドガに最後の一撃を加えた。完全に動かなくなった事を確認すると、2人はハイタッチで勝利を祝った。

●危険を顧みず
 連絡を受けた町に到着した『エリザベータ』と『ヴィルヘルム』は、すぐにトランス状態に移行する。
「薔薇の導きよ……!」
 エリザベータがインスパイアスペルを唱える。そしてヴィルヘルムの頬に口付けをした。するとエリザベータの周囲には青薔薇の花弁がオーラとなって舞い落ちるように溢れ、ヴィルヘルムには白薔薇の花弁のオーラが舞い上がるように溢れた。そして問題となっている区画へと足を踏み入れる。所々錆びや亀裂が見える工場群。かつては賑わっていたと思われるが、今はその面影はない。注意深く捜索を続けていると2人の前に3体のオーガが現れた。ハイエナの頭部を持ったオーガ、ヤックハルスが2体。長い嘴を持った鳥めいた頭部を持つオーガ、ヤグアートが1体。
「数多くねぇか!?」
「うわぁ……ドン引きだわ」
「……たく、あたしだってやってやるさ」
 エリザベータとヴィルヘルムは気持ちを引き締めると、眼前の敵と対峙した。エリザベータは『オルガスコープ』を使って3体の強さを測り、3体ともDランクの強さであることをヴィルヘルムに伝える。
「わかったわ。エルザちゃん、少しの間よろしくね」
 そう言うとヴィルヘルムは『カナリアの囀り』を発動する準備に取り掛かる。その間、エリザベータは前衛となりヴィルヘルムをカバーする。こちらから攻撃は仕掛けず、あくまで受け流しや回避に専念してオーガ達をひきつける。しかし回避に専念するといっても、やはり3体というのは厳しく、徐々に体の傷が増えていく。
「行くわよ!オーガから離れて!」
 ヴィルヘルムの合図を確認すると、エリザベータは一気にヴィルヘルムの方へ向かって走り、ヘッドスライディングで伏せる。
「カナリアの囀り!」
 ヴィルヘルムの宣言とともに空中に荷電したプラズマ球が出現した。それはキューキューと音をたてながら空気を振るわせている。それが炸裂四散し、広範囲の攻撃へと変わる。3体のオーガは先程までエリザベータを攻撃するために固まっていたため、全員がこれに巻き込まれた。ヴィルヘルムの一撃によって3体のオーガが一気に倒れ伏した。
「……倒した?」
 体を横たえたままオーガの居た地点を確認するエリザベータ。その状況からヴィルヘルムの攻撃がうまくいった事を把握した。しかし警戒心を解かず、周囲を見回す。どうやらこれで全部倒したようだ。
「ほかに敵が居るって様子もないし、他の連中と合流……ておい、何してんだ!」
 エリザベータの抗議に耳を貸さず、ヴィルヘルムは彼女を抱える。
「ホントじゃじゃ馬なんだから」
「……てめぇ、お荷物扱いすんじゃねーっての!」
「……もう、一応心配してんだから花持たせてちょうだい。お転婆も過ぎれば火傷じゃ済まないわよ」
 やれやれといった表情のヴィルヘルムに抱えられながら、工場区画を後にした。

●視野を広く
 『ひろの』と『ルシエロ=ザガン』は廃工場の並ぶ区画に到着した。
「誓いをここに」
 インスパイアスペルを唱えるひろの。そしてルシエロの頬へ口付け。すると両者ともに粒子混じりの荒々しく吹き付ける黄金色のオーラを纏い、トランス状態になった。不意打ちを警戒しながら区画内へと侵入する。今は稼動していない工場、その中で錆び付いた機械類。どこか物悲しさを漂わせる雰囲気の中、2人は捜索を進める。その時、荒々しい足音とともに何かがこちらに向かっているのを感じた。2人は立ち止まり、警戒心を強める。足音は徐々に大きくなり、それはついに姿を現した。猪の頭部を持つオーガ、ヤックアドガ。それが勢いをつけて突進してくる。スピードと重量感を伴った攻撃だが、足音で警戒していた2人には避ける余裕が十分あった。結果、ヤックアドガの攻撃は掠ることなく、そのまま工場の壁に激突した。相手がもたついている間にルシエロを前衛、ひろのを後衛とした陣形で敵と向かい合う。そして次の攻撃が来る前にルシエロが『エトワール』を発動し、続けて『アルペジオ』で切りつける。流れるような動きから繰り出される攻撃に、悲鳴をあげるヤックアドガ。傷の具合から2度目の突進攻撃が来ることは無いだろう。
 しかしこれでは終わらなかった。2人の背後から別のオーガが迫ってきた。その事に気付いたひろのがルシエロに声を掛ける。
「ルシェ!後ろ!」
 その声に振り向くと2体のオーガが2人に襲いかかろうとしていた。それはハイエナの頭部をもつオーガ、ヤックハルス。それが鍵爪を伸ばして切りつけようと迫ってくる。ひろのは自分が無理をして怪我をすると迷惑が掛かると考え、回避に専念する。ルシエロは鍵爪を避けながら、敵の懐に入り『アルペジオ』で切りかかる。1体倒しても、息をつく間もなくもう1体が襲い掛かる。そちらも『アルペジオ』で迎撃する。
 攻防戦が展開されたが、初撃が効いたらしく終始優位に進み、やがて2体目のヤックハルスも倒れた。不意を突かれた形だったものの、ひろのの機転により危機的状況は避けることができた。そして最後の1体となったヤックアドガ。満身創痍ながらも戦意は失っていないので、警戒しながらも確実にとどめを刺す。周囲を再び警戒し、他に敵が居ないか確認する。今度こそ敵が居ないことを確かめると2人は大きく息を吐いた。その後、報告のために区画の出口へと向かう。

●焦らず確実に
 『アマリリス』と『ヴェルナー』は現場である廃工場区画へと到着した。
「今回は味方の協力を得る事はできませんが、やるしかありませんね。最善を尽くしましょう」
 アマリリスはそう話すとインスパイアスペルを唱え、ヴェルナーとともにトランス状態になってから区画内へと足を踏み入れた。お互いに距離が離れすぎないように気をつけながら奥へと進んでいく。どことなく寂れた雰囲気の中を2人は歩く。その途中、ふと気配に気付く。2人は足を止め周囲の様子を伺う。すると3つの影が現れた。長い嘴を持つオーガ、ヤグアート。ハイエナの頭部を持つオーガ、ヤックハルス。猪の頭部を持つ凶暴なオーガ、ヤックアドガ。それぞれ1体ずつ、2人を睨みながら距離を詰めてくる。
「汝、誠実たれ」
 アマリリスはインスパイアスペルを唱え、ヴェルナーの手の甲へ口付けを行うことで『ハイトランス・ジェミニ』へと移行する。特性の異なるオーガが3種類居るという状況は決して優位とは言えない。警戒心をさらに強める2人。
「アプローチ!」
 ヴェルナーは『アプローチ』を発動して敵の注意をひきつけ、さらに『フォトンサークル』を展開して防御を高める。アマリリスはヴェルナーの背中を守るように、少し距離を取って槍を構える。ヴェルナーも斧を構え、敵と対峙する。ヤックアドガの突進が睨み合いの牽制から戦闘へと移行する合図となった。突進はヴェルナーに向かって一直線に進んでいく。防御か回避の2択だったが、ヴェルナーは回避を試みる。その試みは成功し、ヤックアドガの突進は当たることはなかった。しかしその勢いは止まらずに廃工場の壁に激突する。その振動音が威力の強さを物語っていた。突進の危険性を目の前で見たヴェルナーはアマリリスに対して突進は回避するようにと伝えた。
 突進を回避して安心する暇もなく、ヤックハルスが鍵爪を伸ばして襲い掛かってくる。ヴェルナーは盾でそれを防ぐ。力技で押し切ろうとするヤックハルスの攻撃を抑えつつ、反撃の隙を見ては地道にダメージを与えていく。一方、ヤグアートはアマリリスのほうへ向かっていき、足の鍵爪をつき立てようと迫ってきた。アマリリスは槍の柄で防御と受け流しを行う。こちらも反撃の機会を伺うものの、ヤグアートは動きが早く且つ間合いが近いため槍では攻撃がなかなか当たらない。ヴェルナーはアマリリスの状況に気付いていたが、ヤックハルスの攻撃を防ぐので手一杯だった。その攻防になんとか決着をつけ、アマリリスに加勢する。2対1になり、形勢は有利となった。しかしヤグアートの俊敏さに苦戦を強いられる。こちらから仕掛けてもなかなか当たらないので、相手から仕掛けてきた時を狙って少しずつ確実にダメージを与えていく。攻撃がなかなか定まらず、決定的な一打を与えることが出来ないまま戦闘だけが長引く。しかし与え続けたダメージが積み重なったのか、ヤグアートの動きが鈍くなる。そこへヴェルナーが最後の一撃を落とす。3体とも倒したことを確認すると、他に敵がいないか周りを見渡す。どうやらこれで全部のようだ。2人は警戒をしつつ、区画の出口を目指す。

●実力を考える
 現場の町に到着した『瀬谷瑞希』と『フェルン・ミュラー』。
「皆を、護って」
 瑞希がインスパイアスペルを唱え、ミュラーの頬に口付けるとトランス状態になる。2人は廃工場の区画に入ると周囲を警戒しながら敵を探す。歩き回りながら2人は考えていた。自分達は経験が浅く、複数のオーガを相手に戦うのは危険だろうと。そこで2人は、敵や状況が厳しい時には無理に戦わず戦闘そのものを回避することも選択肢に入れておくことにした。思案しつつ警戒を続ける2人の耳に獣の呻くような声が届く。それぞれ武器を構えながら音のしたほうを注視する。そこにはデミ・ウルフが1体、デミ・ワイルドドッグが2体。3体とも瑞希とミュラーを威嚇するように睨み付けている。
「アプローチ!」
 ミュラーが『アプローチ』を発動し、3体の注意をひきつける。瑞希はミュラーの後ろに入り、敵を観察する。痺れを切らしたようにデミ・ウルフがミュラーに向かって飛び掛かってくる。ミュラーはその爪や牙で傷を負いながらも、レイピアで応戦する。デミ・ウルフは丈夫な毛皮を持っている。しかしミュラーには瑞希の持つワンド『ジェンマ』の効力によって攻撃する力が強くなっている。その攻撃を受け続けたデミ・ウルフは倒れ、その場に伏した。ミュラーは残る2体を確認しようと視線を上げる。しかしデミ・ワイルドドッグの姿が見えない。このとき生まれた一瞬の隙にデミ・ワイルドドッグが背後から襲い掛かる。
 だが、瑞希はそれに気付いていた。持っている杖を敵めがけて闇雲に振り下ろす。当たりはしなかったものの、敵が2人から距離を置く。結果的にミュラーへの攻撃を防ぐことができた。
「ありがとう。助かった」
 ミュラーは瑞希に礼を言うと、2人は残るデミ・オーガ2体と向かい合う形をとる。2体ならば、視界から外れることもない。ミュラーは瑞希が背後に来るように立ち、デミ・ワイルドドッグを1体ずつ攻撃していく。2体を相手にするのは大変だったが、デミ・ウルフに比べればそれほど脅威ではなかった。2体とも倒し、周囲を再び警戒する。どうやら他には居ないようだ。2人は報告のために入ってきたところへと戻る事にした。

●終息
 ウィンクルム達は工場区画から出ると、アレイクルドと彼の率いる自警団に合流した。ウィンクルム達はオーガを討伐したことを報告。アレイクルドは居住区や農地への被害も出ずに済んだと伝えた。
「急な要請にも関わらず、お力を貸して頂きありがとうございました」
 アレイクルドや自警団のメンバーが深々と頭を下げる。アレイクルド達も苦戦したのだろう、体中に生傷が見える。その姿にウィンクルム達も、そちらもお疲れ様でした、と声を掛けた。こうして突如出現したオーガの一件は終息を迎えた。



依頼結果:成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 星織遥
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル 戦闘
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 04月09日
出発日 04月17日 00:00
予定納品日 04月27日

参加者

会議室

  • [12]ひろの

    2015/04/16-22:46 

  • レオン:
    作戦行動中会うことはなさそうだけど、皆よろしくな。
    ロイヤルナイト三人…同じジョブだけど、レベルや性格によって動き方が違ってきそうで面白いな。
    それでは皆、武運を祈るぜ。

  • [10]瀬谷 瑞希

    2015/04/15-00:31 

    こんばんは、瀬谷瑞希です。
    パートナーはロイヤルナイトのミュラーさんです。

    う。
    ……3体。
    どうしよう。
    経験が浅いので、色々と不安ですが、
    何とか工夫してみようと思います。

  • [9]瀬谷 瑞希

    2015/04/15-00:24 

    (これを振るの?)

    えい!

    【ダイスA(6面):3】

  • [8]アマリリス

    2015/04/14-21:48 

    アマリリスと申します。
    パートナーはロイヤルナイトのヴェルナーです。
    どうぞよろしくお願いいたします。

    こちらは3体のようですね。
    どれに遭遇するかは分かりませんし、色々と考えてみようと思います。

  • [7]アマリリス

    2015/04/14-21:41 



    【ダイスA(6面):3】

  • [6]ひろの

    2015/04/14-07:10 

    ひろのと。テンペストダンサーのルシエロ=ザガン、です。
    よろしく、お願いします。

    3体……。

  • [5]ひろの

    2015/04/14-07:06 



    【ダイスA(6面):4】

  • [4]エリザベータ

    2015/04/13-18:09 

    やだー!敵が3体とかエルザちゃんもつの!?

    ……あ、取り乱してごめんなさいね?
    エンドウィザードのヴィルヘルムと神人のエリザベータちゃんよぉ。

    ワタシの大火力でぶっ飛ばせばどーにかこーにか出来るかもしれないけど
    カナリヤ一発しか出せないのよねぇ……ま、なんとかしてみせましょ!

  • [3]エリザベータ

    2015/04/13-18:06 

    まずはコレを転がせと?

    【ダイスA(6面):4】

  • レオン:
    あれ、表示変かな。
    にしても、沢山出会ってぶっ飛ばそうと思ってたのに、2体だけとはな。すげー残念。

    改めまして、ロイヤルナイトのレオンと、神人のガートルードだ。
    前回の依頼が討伐前後にちょいと気を遣う依頼だったもんでな、今回は情け容赦なく戦うぜ。
    楽しみだ♪



  • 【ダイスA(6面):2】


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