プロローグ
「どうか、どうか娘を助けてください……!!」
神に祈るように、膝をついて両手を合わせながら懇願する髭面の男。
男は白い髪に反して肌は浅黒く、シワの深い顔立ちから60代くらいだろう。
漆黒の瞳からは焦燥した彼の心情が窺い知れる。
彼は娘が突然、眠りについてしまったという。
その傍らには届けられた覚えのない、可愛らしい包装のギフトボックスが落ちていたそうだ。
彼の娘は《アシュリー》、先日成人したばかりだという。
アシュリーは幼少期に顔に火傷を負ってからずっと包帯で顔を隠していた。
そんな彼女の元に届いた贈り物は悪夢。
長い眠りから覚めぬ彼女は死んだように眠っていた。
彼女の顔を確かめようと手を伸ばすと、男はその手を制止した。
「どうか、どうか娘の傷を見ることは……」
彼女の心の傷でもある焼けついたキズがつく素顔を確認できぬまま、
ウィンクルム達は夢の中へと向かう。
***
そこは木で出来た2階建ての山荘だった。
季節は春だというのに外は猛吹雪に見舞われており、外出すれば二度と戻ることは出来ないだろう。
見回してみると、ラウンジと思しき場所に3人の女性の姿。
1人は短い黒髪に赤い瞳が印象的な幼い少女だった。
少女はウィンクルムを見ると人の良さそうな笑みを浮かべた。
1人は銀色の長い髪に浅黒い肌を持つ気だるげな女性だった。
女性はウィンクルムを見ると不思議そうに見つめた。
1人は金髪のボブヘアーに紺碧の瞳をもつ妙齢の女性だった。
女性はウィンクルムを見ると怯えた視線を向けた。
褐色の女性に比べると、金髪の女性の方がやや年上に見える。
……どうやら、本物のアシュリーは本来あるはずだった自分の姿を具現化してしまったようで
夢の中に入る前に見ていた包帯も火傷のある顔も今は解らなくなっていた。
とりあえずウィンクルム達は彼女に名前を訊ねると、口を揃えて答えた。
「アシュリーだよ!」
「アシュリー、よ」
「ア、アシュリーです」
全員が同じ名前を口走り、ウィンクルム達に動揺が走る。
……オルロック・オーガは素顔の解らないアシュリーの状態を逆手に取ったのだ。
これでは誤って本物のアシュリーを殺してしまうかもしれない。
カチ、コチ、と一定速度で無機質な音を立てる振り子時計が指し示す時間は『6時』
三人のアシュリーの中に潜むオルロック・オーガを見つけ出し、本物のアシュリーを救い出せ。
解説
目的:
時間内にオルロック・オーガの討伐
状況:
猛吹雪の中にある山荘が舞台で体感的な寒さはありません。
外に出ることは不可です。
山荘は2階建てで鍵など施錠出来る物はありません。
1階:食堂兼ラウンジ、厨房、倉庫
2回:寝室3部屋
全員がアシュリー達と対面している状況から始まります。
振り子時計が午前0時になった時点で本物のアシュリーは食べられてしまいます。
アシュリー:
1人だけ本物で、同様に他のどちらかもオルロック・オーガか夢の人物です。
全員、不審な状況に警戒しておりウィンクルムにも警戒心を露わにしています。
・黒髪のアシュリー
ショートヘアに赤い瞳のゴスロリ少女、見た目は10歳。
人懐こい笑みを浮かべていますが、一番警戒心が強いです。
彼女はこれから料理を作るようです。
・褐色のアシュリー
長い銀髪に浅黒い肌の儚げな女性、見た目は20歳。
ぼんやりとしており状況がよく解っていないようです。
彼女はラウンジでぼうっとしています。
・青目のアシュリー
ボブヘアに青い瞳の妙齢の女性、見た目は30歳。
挙動不審な態度が目立ち、真に受けやすく流されやすいようです。
彼女は倉庫内に用があるようです。
●オルロック・オーガ
ダークニスが作り出した特別なトラオム・オーガ。
ギフトボックスに入っていて開けた人にゴシックホラーの夢を見せます。
通常のトラオム・オーガ同様、夢の中でオーガに食われると、現実世界の被害者も石になります。
※トラオム・オーガはハロウィンイベントをご参照下さい。
●注意事項
夢の中では左手の紋章が消え、トランスしても光らず
被害者に「ウィンクルム」だと認識してもらえません。
また、武器も大型の物だと隠せず誤解を招く可能性があります。
工夫して隠してください。
●プラン記述上の注意
情報収集をする場合は「誰に」「何を」「どのように、どうやって」尋ねるのかを明記して下さい。
「情報収集をする」「○○と話す」だけの記述は失敗判定とします。
ゲームマスターより
木乃です。推理モノなら任せろー!(バリバリバリー
と言う訳で猛吹雪の山荘内で犯人探しという
ハジメ=チャンとかコナン=クンとか居そうな状況です。
オープニングの内容をよーく見ると本物のアシュリーについては解ると思います。
親子なら多少似ているところはあるでしょう。
オルロック・オーガ自体の戦闘力もそこまで高くはないですが、
油断したら返り討ちにはされかねません。
プランに表記する際は「黒髪」「褐色」「青目」と分けて頂けたら幸いです。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
ニッカ=コットン(ライト=ヒュージ=ファウンテン)
【褐色】 短剣はレースやフェルトで作った花飾りがぎっしり付いた手提げバッグに入れて持ち運ぶ あたし達は褐色アシュリーに話を聞いてみるわ 遠まわしって苦手だけど慎重に穏やかに聞くわ ・家族構成(お父さんの年齢 ・傷痕の残るような怪我をしたことは? ・怖いものは? 確信を得られなければライトに火を調達してもらい見せる 褐色が本物なら一緒に連れてルンさん達に合流する オーガなら出来るだけ変わりない態度で接し、他の2組が合流するまで動向を監視する ☆戦闘 ルンさん、花木さんと三人で敵を囲む 一度攻撃をした時点でライトと入れ替わり、ライトとアシュリーの間にポジションを取る 剣は構えたまま戦闘態勢は崩さない 攻撃できる隙を伺う |
ルン(テヤン)
(本物のアシュリーさんは、褐色の肌をした人なの? でも、まずは彼女達に状況を説明しよう) 準備 ・武器は布で厚く包み、レンジャーズ・ブーツの中に入れる。 行動 ・名前を名乗り、アシュリーという人を捜している事、 目的が終われば帰る事を伝える。 情報収集の為、黒髪のアシュリーに質問していいか聞く。 終わったら厨房を出ると伝える。 質問 ・家族はいるか ※父親の話がない場合、敢えて父親は生存しているか問う。 ・過去怪我した事があるか ※火傷の話がない場合、敢えて火傷した事があるか問う。 その後、ニッカや佳代と合流。 情報交換をした上で本物のアシュリーに会う。 戦闘時 ・テヤンとトランス後、 アシュリーの傍を離れないよう、彼女を守る。 |
名生 佳代(花木 宏介)
青目の聞き込み。護衛担当。 褐色が本物っぽいけどねぇ…。 青目が本物なのもありえるからその時は護るつもりで! …逆に、オーガって可能性もあるけどね。 青目のアシュリー…青アシュリーの疑いを晴らすためにも聞いていい? アシュリー前に怖い思いとかしたことない? あとぉ、オーガ…に心当たりない? ちょっとでもあったら教えて! どうして倉庫に行きたいしぃ? 危ないかもしれないし、アタイが代わりに行くよ? どーしてもって言うならウチラも一緒にいく。 これ以上疑われないためにも、さ。 本物のアシュリーが判明したら、一緒に合流。 オーガだと思ったら、その場を動かず動向を見る。 何かあれば、ヤバイしぃ!こっち来るしぃ!って皆を呼ぶしぃ! |
●序曲・破滅の始まり
誰かな 誰かな 本物 誰かな、誰かな
黒髪アシュリー ニコニコかわいい 赤い瞳が麗し
褐色アシュリー ボンヤリぽやぽや 黒いお目目は 宝石みたい
青目アシュリー イライラぶるぶる 金糸の髪の毛、肩まで長い
誰かな 誰かな 本物誰かな 美味しく食べるの 誰かな 誰かな
今 夜 の 獲 物 は 誰 か な ダ レ カ ナ ?
●冒頭、あるいは波乱の幕開け
パチパチ、パチ……
暖炉の中で煌々と燃え盛る焚き火が僅かに沈黙した部屋の中で音を奏で、壁にかかる振り子時計は6時を示している。
三人のアシュリーは名を名乗った後、それぞれ後から現れたウィンクルム達を注視していた。
(ま、まずい……すっごく見られてる?)
ルンはアシュリー達の異様な視線に疑念を感じ、持ってきていた小刀と短剣をブーツの隙間に鞘ごと落として隠した。
テヤンも所持していた手裏剣は片手で扱える代物だ、懐に入れさえすれば見た目からすぐにバレることはないだろうと思うものの冷や汗が背筋を伝う。
……しかし、二人の咄嗟の機転に他の者達は至らなかったのは手痛かった。
「ちょ、ちょっと!!この人達、刃物を持っているわよ!?」
青目のアシュリーはニッカ=コットンとライト=ヒュージ=ファウンテンの腰に提げている物や手に持っていたモノを見て声を荒げる。
……神人用の短剣コネクトハーツ、ショートソードに大盾だ。
(こ、こんな時カバンがあったらすぐ入れられたのに……!)
ニッカはカバンを用意してくれば良かったと後悔した。
しかし、ニッカがこの状況に気づいたのはいつだろうか?
アシュリーの父親から依頼された時か?アシュリーの家に着く前か?家に着いた時か?
答えは簡単だった、到着した『たった今』だ。
この場ですぐに対処出来る方法を選んだルン達のようにすぐさま懐に隠すことに思い至らず、一手遅れたことは辛い。
そしてライトに関しても同様だ、攻城戦にも用いる大盾を所持していれば否が応でも目立ってしまう。
「いや、これは……普段、使っている物で」
もし所持していても納得させられるような切り返しが出来たらまた違うだろうが、ライトは納得させる言葉を思い浮かばない。
持ってきたこと自体、運が悪かったとも言える。
「そっちの眼鏡のお嬢さん方も、物騒なものをお持ちね」
褐色のアシュリーは目を細めながら名代 佳代と花木 宏介に視線を注ぐ。
佳代の腰にはマシュマロカット用の大型ナイフにお化けを模した盾が提げられ、宏介も仕込み刀は見えていないものの腰のホルターに手裏剣が収まったままだ。
「ちょ、ちょっと待って欲しいしぃ!?なんでウチらを疑う訳!?」
疑われる筋合いはないとばかりに佳代は褐色のアシュリーに反論するが、褐色のアシュリーは訝しげに佳代を見つめる。
「何故って、貴方達もこの場にいる人間だし……どうして自分達が無関係だと思うの?」
「やーっ、アシュリー怖いよー!」
佳代の真意を見計ろうと射るような視線を漆黒の瞳から向ける褐色のアシュリーの横で、黒髪のアシュリーは座っていた一人用のソファの後ろに身を隠した。
「さ、先にその刃物も盾も手放して!持っている武器も盾も、そこに全部置いて!!」
青目のアシュリーは虚勢を張っているのかヒステリックに喚き散らしながら武装を置くよう求めた。
「ちょ、ちょっと待ってよ。あたし達の話を聞いてもらえない?」
「お、お話を聞いてもらいたい時は、ちゃんとお願いを聞いてからだよー」
ルンが青目のアシュリーの剣幕に気圧されつつも、話を進めようとすると黒髪のアシュリーは加勢するように青目のアシュリーの要求に応じてからだと言う。
(かったりぃな。早くお嬢さんつーか、本物のアシュリーさんを連れて、帰りてぇぜ)
テヤンは予想以上にこじれてしまった厄介な状況に対して思わず毒づいた。
「わ、解ったわ!あたし達が武器を放せば、カーミェニさんのお話を聞いてくれるのよね?」
「お嬢さん!?」
ニッカが要求に応じようと一歩前に出るとライトは驚き、制止しようとする。
ライトとしても何時、本物のアシュリーを標的にしたオルロック・オーガが現れるのか解らないのだ。
武器を手放すということはオーガが現れてすぐに攻撃が出来なくなってしまう危険性を多く含んでいるのだ。
「何?あなたは武器を手放せないの?どうして手放せないのよ?!」
「あー……解った、解ったからこれ以上騒がないで」
「ちょっとバカ眼鏡!あんたまでこんな理不尽な要求を飲む気なのぉ!?」
青目のアシュリーが再び騒ぎ始めると、宏介も観念して手裏剣の入ったホルターを外し始め佳代が憤慨し始める。
「ピンク髪の可愛らしいお嬢さんのお話を聞く前に武装を置いて。信頼関係とは互いの満足を満たして初めて蓄積されるものよ……ご同意頂ける?」
感情らしい感情の浮かばない褐色のアシュリーは感情的な二人のアシュリーの代わりに改めて『信頼関係』という言葉を持ち出し、ウィンクルム達の武装解除を求めた。
今現在、三人のアシュリーに対して信頼されるための行動もとっておらず、信頼を得られる物もなにもなかった。
……疑念にまみれた渦中に飛び込み、自分達が対岸の火事を見るような……『無関係の立場にいると思っている』事がアシュリー達の信頼を得にくくしていた。
この場に加わってしまえば当事者が誰なのか不明なのだ、無関係ですではもう済まない。
三人のアシュリーから疑惑の眼差しを向けられている事をようやく理解したライトと佳代も渋々ながら持っていた武器と盾を床に置いた。
褐色のアシュリーと青目のアシュリーはそれぞれ拾い上げると、ウィンクルムと反対の壁際……ソファの近くに押し込んですぐには拾えない位置に移動させた。
「こ、これであたしの話を聞いてくれるわよね?」
ルンは悪化していく状況を見て、どうすれば好転させられるか考えているうちに思わずツインテールにまとめていた薔薇色の髪の毛先を指で弄ぶ。
青目のアシュリーは興奮気味に武器の前に腰を下ろすと、褐色のアシュリーは再び三人がけのソファに座った。
「自己紹介のタイミングを逃しちゃったわね、あたしルンって言うんだけど……アシュリーっていう人を探しているの」
「何を言っているのよ、ここにいるじゃない」
「アシュリーはアシュリーだよ!」
「……3人いるけど、全員?」
三者三様の反応を見せるアシュリーに思わずルンも苦笑いを浮かべつつ話を続ける。
「あ、あははは……全員じゃないけど、目的が終わればあたし達も帰るので安心して欲しいわ」
「目的ってなぁに?」
目的、という言葉が引っかかるのか黒髪のアシュリーは首を傾げながらルンの目的について問いただした。
「本物のアシュリーさんを救出するためにオルロック・オーガっていう新種のオーガを倒しにきたのよ!」
「嘘!?じゃあ貴方達ウィンクルムなの!?」
青目のアシュリーは先ほどとは打って変わって前のめりにルンへ事実確認をした、
危機的状況にあるとはいえここまで変わり身が早いのもいっそ清々しい。
「あれれ?でも待って」
そこで待ったをかけたのは黒髪のアシュリーだ、人差し指をちょんと当てて首を傾げる可愛らしい仕草を浮かべながら、
映像化した思考を見るように天井の方へと視線を向けていた。
「ウィンクルムって、左手に文様があるってパパが言ってたよ?ピンクのおねえちゃん、左手見せてもらえる?」
幼い言動が目立つものの、警戒心が強いのか黒髪のアシュリーは文様を見せて欲しいとお願いした。
「いいわよ。テディも契約してるんだし一緒に見せてあげよ?」
「あたぼぅよ!これでオイラ達がホントのこと言ってるって解んだろ」
テヤンはルンの呼びかけに応じて左手甲を外し、三人のアシュリーに左手の甲を見せた。
「……何もないじゃない」
「はぁ!?そんなバカ、な……え?」
青目のアシュリーの呟きにテヤンはムッとした表情を見せながら自身の左手の甲を確認した……そこに、ウィンクルムが契約した証である赤い文様は、ない。
テヤン達の異常にハッとしたライトも自身の左手の甲を確認するが、赤い文様はなかった。
「……こんな人達と一緒に居られないわ。私、倉庫に篭る!!」
青目のアシュリーは怒り心頭で、勢いよく立ち上がるとズカズカとウィンクルム達の脇を通って倉庫へと向かい出す。
「ちょっと待ちぃ!?」
佳代は青目のアシュリーの袖を掴んで引き止める。
「一人で動いたら危ないってのぉ、それになんで倉庫に行くのさぁ?」
「なによ、毛布を取りに行くのもいけない訳?」
倉庫へ毛布を取りに行く、予想以上に説得力のある発言が飛び出して佳代は一瞬言葉に詰まりそうになるものの引き下がってはいけないと思った。
「ほ、ほら、こんな状況じゃあ疑いが深まるっていうか?逆に危ないしぃ、代わりにあたいが取りに行くから、さ」
「あなたね!さっきまで刃物を持ってて、手放すことを渋った人間がすぐ信用されると思ってるの?都合が良すぎるわよ!」
代理で用事を完遂するにも信頼が必要だ、しかも『目的の物を持ってきてくれる』というある程度の信頼だ。
信頼をほんのわずかにでも得ようとする前に相手の要求を満たそうとするのもかえって不自然だった、
青目のアシュリーは肩をブルブルと怒りで震わせ始める。
「あっちの二人もそうだけど……疑っているのはお互い様じゃないか?」
宏介のこの一言が、青目のアシュリーの堪忍袋の緒を切るには充分すぎた。
「どうみてもあなた達の方が怪しいわよ。他の2人は武器なんて持ってすら居なかったのよ!?……そうよ、あなた達がこの場に私達を押し込んで皆殺しにする気なんだわ!」
青目のアシュリーは佳代の手を振り払うと倉庫に駆け込んでいき、その後すぐにガタガタと重い物を動かす音が聞こえ始めた。
……倉庫内の棚を動かして、外側からの侵入を防いでいるのだろう。
「こ、の……バカ眼鏡!」
佳代は宏介の頭を力一杯はたいた。
倉庫内から音が響く以外に、ラウンジには重苦しい空気が漂い始める。
「あ、そうだー!みんなね、お腹すいてるからイライラしてると思うの。アシュリー、頑張って美味しいご飯作るね♪」
黒髪のアシュリーは場違いな明るい気勢を上げるとパタパタと厨房へと向かった。
褐色のアシュリーは押収した武器を見張るつもりなのかその場から動かなかった。
……想像以上の、圧倒的不利な状況を強いられたウィンクルム達はいよいよ本物のアシュリー探しに乗り出す。
●喜劇・お料理の時間
コトコト コトコト 美味しくなあれ スープの中身は お肉がいっぱい
アツアツ アツアツ とろけるお肉と 玉ねぎ甘くて 美味しいわ
グツグツ グツグツ 煮込んでいくよ 今日の夕食 なんだろな
●厨房、あるいは黒髪少女への尋問
「ちょっと良い?」
振り子時計が7時を示す頃。
気を取り直して、ウィンクルム達は手分けしてアシュリー達の話を聞こうと行動を始めた。
ルンとテヤンは厨房で料理をすると言っていた黒髪のアシュリーの方へ足を運んだ。
黒髪のアシュリーは台に乗ってジャガイモやニンジン、玉ねぎの皮むきをしている。
「なぁに?ご飯はまだ出来ないよ?」
黒髪のアシュリーは紅玉の瞳をパチパチと瞬かせながら、入口にいるルンに視線を向ける。
「……ルン、これ」
テヤンは何かの時に役立つだろうと、持っていたメモ帳とペンをルンに耳打ちして後ろ手で渡した。
「少し皆のこと聞きたいんだけど良い?終わったら出るから」
「うーん。ピンクのおねえちゃん達、ちょっと変だからヤな事は言いたくないかなぁ」
黒髪のアシュリーは唇を突き出して不満げな顔を見せると、ルンの質問に対して内容によっては応じないと言う。
先ほどの騒動は最年少にみえる黒髪のアシュリーにもかなりの影響が出ていた。
(この子のせいでウィンクルムって信用を得られなかったのよね……そう思うと生意気ね!)
「解ったわ、聞いたことはメモさせてもらうけど多めに見てね?」
ルンは思わぬ強敵を相手に土壇場こそ笑顔で乗り切ってやろうとニッコリ笑みを浮かべてメモとペンを構える。
黒髪のアシュリーはメモをとることを了承した。
「黒髪のアシュリーちゃんはご家族って居るの?」
「居るよー!パパが居るの」
黒髪のアシュリーは満面の笑みを浮かべた、よほど自身の父親のことが好きなのだろう。
話しながら進められていく調理はすでに野菜の皮を剥き終えており、ジャガイモを包丁で切り始める。
「そのパパって生きてる?」
「? そうだよ、アシュリーのパパ元気だもん」
肉親を死者なのかと言われたことは流石に気に障ったのか、黒髪のアシュリーはむくーっと頬を膨らませる。
ルンが質問して注意を引いている間、後ろで身を屈めていたテヤンはオーガ・ナ・ノーカを黒髪のアシュリーが見える位置に設置した。
(アイツがオルロック・オーガなら尻尾を見せるハズだぜ、上手く映れよ)
角度を調整した後、テヤンは何食わぬ顔でルンの後ろに立ちなおす。
「ごめんごめん、そんなに怒らないで?じゃあ……昔、怪我したことはある?大きな火傷をしたり」
「ううん、ないよ!」
黒髪のアシュリーはルンの問いかけに断言した、『大きな火傷を負ったことはない』と。
(火傷を負ったことはない、これは重要な証言ね!)
確信を得られる言質がとれたとルンは内心喜び、心の中でほくそ笑んだ。
「もういい?ご飯を作り終わるのが遅くなっちゃう」
「うん、答えてくれてありがと。お夕飯、期待しているわね」
ルンは厨房から踵を返すとニッコリと勝利を確信した笑みを浮かべた。
「テディ、あたし達は重要な証言を手に入れたわ。みんなにも知らせないと」
「あ、ルン、待てよ!」
パタパタと静かな山荘内を賑やかな足音が響いていく、しかしこの時2人は重要な事実を見落としていた。
……厨房にも、『凶器』があることを。
●悲劇・煉獄の呪縛
ギラギラ ギラギラ 真っ赤に 燃えた
メラメラ メラメラ 熱いよ 痛いよ 怖いよ
炎が消えても 残っているのは キレイな顔の 燃えた痕
●ラウンジ、あるいは食堂で過ごす褐色の女性
「あの」
「それ以上近づかないで、貴方達も信用できない状況だということは忘れてない?」
ルン達と同時刻、振り子時計が7時を示しカチコチと一定のリズムを刻んでいるラウンジ。
褐色のアシュリーの元にはニッカとライトが訪れた。
厳しい言葉を投げかけ佳代から取り上げた大型ナイフの切っ先を褐色のアシュリーはニッカに向ける、ライトはニッカを庇うように前に割って入る。
「私達も、渦中にいる人間であることを失念しておりました。まずその非礼について誠にお詫び申し上げます」
恭しくライトが一礼するが、褐色のアシュリーはナイフを持つ手を降ろさない。
「少しだけ聞きたいことがあるの!教えてもらえない?」
ライトの後ろに隠されていたニッカも顔を出して褐色のアシュリーに呼びかける。
「……聞くだけなら。変な事したら私も怒るからね」
ニッカの言葉に未だ警戒しながらも、褐色のアシュリーは切っ先を下げて大型ナイフを傍らに置いた。
「あの、アシュリーさんのご家族ってどんな人がいるの?お父さんはいくつ?」
「何故、父に限定して聞いてくるのかは解らないけど……父が一人いるだけよ、60過ぎの」
褐色のアシュリーは僅かに眉を顰めて黒曜石のような瞳をニッカに向ける。
父親が一人居るだけだと言う彼女にニッカは続けて質問する。
ライトは質問が始まると後ろに下がり、ニッカが行き過ぎた質問をしないかと様子を見ながら話を聞いていた。
「傷痕の残るような怪我をしたことは?」
「……ごめんなさい、質問の意図がよく解らないのだけど……何を聞きたいの?」
ニッカは質問の方向を変えるが唐突に変わり過ぎた、話に関連性が感じられなかったこともあり褐色のアシュリーも困惑した様子で首を傾げる。
「あ、じゃあ」
「お嬢さん、待ってください」
次は怖い物を聞くつもりだったニッカはライトの声に次の質問は喉奥に留まった。
アシュリーは不可解な言動をみせるニッカとライトに信頼が置けなくなっていると、ライトは気づいた。
……本来ならもっと早くに気づくべきだったが、まだ瀬戸際だったことが功を奏した。
「ワタシは貴方がたの家族構成も病床歴も興味ないのだけれど」
「すみません、どうしても確かめたい事があるのです」
訝しむ褐色のアシュリーを余所にライトはおもむろに暖炉に近づくと、薪の継ぎ足し用に置かれたトングで暖炉から燃える薪を取り出した
それを見た褐色のアシュリーはギョッと目を見開いた。
「本物のアシュリーさんなら火を見れば反応があるかと思いまして、少々手荒ですが……」
ライトは燃え盛る薪をトングに挟んだまま、褐色のアシュリーの反応がよく見えるようにと近づいていく。
ニッカは固唾を飲んで様子を伺っていた。
だが、忘れてはいけない。
『自分がもし、同じことをされたらどのように対処をしているだろうか?』
硬直したまま大人しく眼前に近づけられるか、みっともなくとも逃げ回って自身の安全を確保するか。
……丸腰なら、そうだったのだろう。
褐色のアシュリーは傍らに置いていた佳代の大型ナイフを握ると間近まで近づいてきたライト……正確にはトングで掴んでいた燃焼中の薪を勢いよく切り飛ばした。
柔らかく弾性の強いマシュマロをカットするための物だが、武器として扱えるほどの強度を誇っているのだ。
薪は大型ナイフで勢いよく破砕され、破片が飛び散り……火の消えきっていない木炭がニッカの頬を掠める。
「きゃああっ!?」
「お嬢さん!」
突然飛来した燃える破片に反応できず、ニッカは痛みを伴う熱さを感じて転倒する。
ライトはトングを投げ捨てると慌ててニッカの元へと駆け寄る。
「大丈夫ですか、お嬢さん?!」
「平気よ、ライト。……アシュリーさん、本気で嫌がってた……もしかしたら本物かも」
ニッカの頬に僅かな赤みのついた痕が残ったものの、冷やせば直ぐに治まりそうだと解りライトはホッと胸をなでおろした。
……しかし、いまだ冷め切らない怒りを燃やしている者が残っていた。
「貴方達」
地の底から這い上がるような、低く唸るような女の声にビクッとニッカは背を強ばらせた。
声の主、褐色のアシュリーに視線を向けると彼女は能面のような無表情に怒りを灯した瞳で凝視していた。
「火ってね?人に当たれば火傷もするし、死に至らしめることもあるの。
髪も爪も溶けて、肌は焼け爛れていき、肉は焼け、呼吸をする度に炎を吸い込んで、内臓が炙られ、焼け溶けて……
親から火は危ないって、習わなかった?」
子供に言い聞かせるような口調と炎の恐ろしさを語る冷たすぎる声色、そして生々しすぎる表現の数々はニッカを震え上がらせるには充分だった。
本物のアシュリーでなくとも、燃え盛る物体を他人に近づけて見せることがとても危険な行為だと解るはずだ。
……それも心に傷が残るほどの重傷を負った張本人か確認するには、あまりにも残酷すぎた。
(も、もっと良い方法があったの……?で、でもどうしたらよかったの?)
別の方法を今から考えるにはニッカとライトには遅すぎた。褐色のアシュリーは、声は荒げなかったものの手に持つナイフのような鋭利な視線でニッカとライトを見つめた。
「2階で頭を冷やして。今、貴方達と食事を共にしたらカトラリーが凶器に変わるような気がしてならないわ」
植え付けられた疑念は萌芽し、不信感を実らせ始め、意識は対立へと変わりつつある。
●2階、あるいは思考の冷却時間
「黒髪のアシュリーはパパがいるけど、火傷は負っていないそうよ。黒髪のアシュリーは偽物で間違いないわね」
ルンは佳代達を呼び集めて、2階の寝室へ集合させると各々の情報を共有することにした。
テヤンは2階へ向かう途中、ラウンジにいるライト達が褐色のアシュリーと一触即発の状況を見つけて強引に割って入り、どうにか連れ出してきた。
「おい、大丈夫かよ?」
「う、うん、大丈夫よ!ありがとう」
強がるもののカタカタと小さく身を震わすニッカにテヤンもなにか起きたのかと心配せずにはいられなかった。
「もうあの青目のアシュリー、めっちゃムカつくしぃ!ぜんっぜん話も聞いてくれないしぃ、返事も返してくれないしぃ!ふぎぃぃーっ」
倉庫前まで行きなんとか情報収集が出来ないものかと何度もノックしたものの、青目のアシュリーは反応しなかった。
何も聞けなかったとやり場のない怒りを募らせる佳代は羽毛の詰まった枕をサンドバッグがわりに殴りつけて鬱憤を晴らしていた。
羽毛を覆う布地に裂け目ができたのか、羽毛が少しずつ溢れ出していた。
「褐色のアシュリーさんはどうだったの?」
「父親が60過ぎだと言う事と……あと、火を近づけて燃えてる薪を近づけて見せようとしたら佳代さんのナイフで思い切り破砕しました」
ルンの確認にニッカの代わりにライトが答えるとルンは驚いて目を見開いた。
「ちょっとやり過ぎじゃない?本物じゃなくても驚くぞ、それ」
傍らで佳代の憂さ晴らしを眺めていた宏介も話を聞くと渋い顔を見せ、ライトは一言申し訳ないと呟いた。
「あたしは褐色のアシュリーさんが本物っぽいと思うのよね……テディ、カメラの方はどう?」
「バッチリ映ってやがるぜぇ!けど……」
テヤンに設置していたオーガ・ナ・ノーカの調子についてルンが確認すると、テヤンは視聴出来る状態だったというが怪しいところは一切映っていない。
ただ10歳くらいの女の子が、ゴテゴテのフリルとリボンを揺らしながらシチューを鼻歌交じりに作っている様子だけが見える。
「なんか、解らなくなってきたね。本物のアシュリーさん」
「あの青目のアシュリーが本物だったらぁ、あたいもうやだぁー!」
ニッカは三人のアシュリーを思い浮かべるが、誰が本当のアシュリーなのか確信が持てぬ状況に溜め息が出そうだった。
佳代も思うように成果を上げられずジタジタとベッドの上で暴れている。
「てやんでぇ!!なぁにおツユムード醸してやがんだっ!?」
そんな消沈した雰囲気に叱咤したのは、テヤンだった。
ウジウジしているのも性分に合わなかったテヤンにとって目の前の仲間が既に諦めかけているのではないかと思えてきたことがとても腹立たしかった。
「本物のアシュリーさんを、オイラ達で助け出すってんだろ!?ギリギリまで粘って、引き摺りだして、助けてから謝っても遅くぁねぇだろ!」
「テヤン、それを言うならお通夜ムードじゃない?」
テヤンの大見得に全員が呆気にとられる中、宏介が思わずテヤンの言い間違いに訂正を入れるとテヤンは「う、うるせぇ!」と顔を赤くした。
「そうですね、まだオーガとも対峙していなければ本物のアシュリーさんの為に何もしていませんでした。ここからが本番だと思って気を引き締めなければ……お嬢さん、ここから挽回していきましょう」
「……うんっ」
ライトは自分よりも幼い少年に励まされるとは思わなかったが、気持ちを切り替えることができたのか苦悩を浮かべていた表情は消えていた。
ニッカも落ち込んでばかりいられないと頑張って笑みを浮かべる。
「でもぉ、これからどうするっていうのさ?」
「本物は、おそらく褐色のアシュリーさん。あの目の色と肌の色は依頼してきたお父さんに似ているもの」
ベッドでうだっている佳代にルンは褐色のアシュリーこそ、依頼人の娘ではないかと告げる。
「えぇー!でもあの青目のアシュリーの可能性だってぇ……」
「バ佳代、確信が持てないならなんで相談しなかった?どうしたらいいか相談してれば気にした方が良い相手も定まっただろう」
確信が持てず優柔不断な態度を見せる佳代に、宏介は『疑問や不安があるなら仲間に相談すれば解決していただろう』とたしなめた。
不安を残したまま出発しても後悔するだけ、それならいっそ疑問を打ち明けて仲間と一緒に解決する方が得策だ。
今更ぐだぐだと言っても始まらないと言う宏介の正論に佳代はぐぅの音も出なかった。
「青目のアシュリーさんはあそこから出ていないと思うし、2階に上がってから随分時間が経っちゃったよね?もう下に降りないと」
ニッカは先ほどの冷たい視線への恐怖が抜けた訳ではないが、守りたい気持ちが未だに揺らいでいない。
本物のアシュリーである可能性の高い褐色のアシュリーを救うべく腰掛けていた椅子から立ち上がる。
階段へと続くドアを開くと低い金属音が木霊する。
《ボーン、ボーン、ボーン……》
それは振り子時計の時間の切り替わりを伝えるチャイムだった。
低く鳴り響くチャイムは……11時を知らせた。
●終曲・オオカミの唄
グルル グルル 食事の時間 今日の獲物は 誰かしら
フシュシュ フシュシュ 今日の獲物は 目の前だ
ニヒヒ ニヒヒヒ 美味しそう 味の決め手は 希望? 絶望?
キャハハ キャハハハ お祝い お祝い 知らせよう
●決戦・あるいは踏み出すべき一歩は
佳代達が1階まで降りてくると、褐色のアシュリーは黒髪のアシュリーと共に押収していたニッカ達の武装を置いている傍のソファに腰掛けていた。
(えぇぇぇぇ……なんで仲良くなってるのぉ!?)
佳代は驚きを隠せなかったのだが、黒髪のアシュリーも褐色のアシュリーももはや疑うべき対象が変わっているのだ。
……彼女達が疑っているのは他でもない、救出に来ているウィンクルムだ。
信頼は積み重なれば大きな力となるが、その逆は……不信は大きな障害となり果てる。
これまでの積もらせていた不信感が敵の敵を『味方』に変えてしまい、利害関係が生まれた二人のアシュリーは互いを守ることで生存率をあげようと試みているのだ。
褐色のアシュリーは全員の姿を見るや、キッと鋭い視線を向ける。
「褐色肌のアシュリーさん、目的を果たしに来たわよ」
「どう言う意味?」
「救出対象である本物のアシュリーさんがあなただと宣言するわ」
ルンはビシッと人差し指を褐色のアシュリーの鼻先に指し示す、しかし褐色のアシュリーは困惑した様子を見せるばかりだ。
「……じゃあ、この子は誰なの?アシュリーという少女ではないの?」
腕にしがみつく黒髪のアシュリーを見遣りながら、褐色のアシュリーは問い質す。
「今解ってるてぇのはそいつが人間じゃねぇってこった!」
「夢の住人か、新種のオーガか……さっさと姿を現したらどうなんだ?」
テヤンと宏介は褐色のアシュリーに、黒髪のアシュリーが普通の人間ではない事を告げて離れるように呼びかける。
……褐色のアシュリーは黒髪のアシュリーを見つめた。
「ぎ、銀色のおねえちゃん……こ、怖いよぉ……」
黒髪のアシュリーは涙を堪えて褐色のアシュリーにすがりつく。
「やすっぽい芝居打ってんじゃねぇーしぃ、早く離れろっての!」
偽物だと分かっている今は佳代も強気の発言で褐色のアシュリーの猜疑心を煽ろうと試みる。
しかし、褐色のアシュリーの感情を覆すには決定打が欠けていた……積もらせた疑念を払拭するだけの、決定打が。
「……貴方達、疑いを逸らすためなら子供にまで向けるの?上で密談している間も貴方達の分までご飯を作っていたというのに
……あのヒステリックな人ならまだしも、さすがにどうかしているわ」
褐色のアシュリーの答えは、黒髪のアシュリーを擁護するモノだった。
「せ、せめて武器だけ返してもらえない?あたし達、戦えなくってとても危険よ?」
ニッカは丸腰のままではどうにも出来ないからと、せめて返してもらえないかと訴えた……アシュリーはこれまで押さえ込んでいた感情を爆発させるように語気を強めた。
「貴方達の行動がチグハグしていて信じられない気持ちが解る?自分達には関係ないと何処かで思っている節が感じられる……そりゃそうよね。貴方達が実行犯なら、絶対殺されないもの!」
《カチ、コチ、カチ、コチ……》
問答が始まってから既に10分が経過している、ウィンクルム達はここでひとつの決断をしなければならない。
武器が手元にないままオルロック・オーガの出現を座して待つか。
武器を受け取る代わりに褐色のアシュリーから離れて待機するか、二つに一つ。
どちらの条件も決して良いものではない、しかし褐色のアシュリーはこれ以上譲ることはないだろう。
オルロック・オーガは誰なのか?確信が持てぬが故に最終手段とも言える武装を強引に奪い取ることも憚られ、身動きが取れずに沈黙が流れていく。
……長いようで、短い5分が過ぎた。
「……解りました、お嬢さんの分も含めて武具をお返し頂けますでしょうか?」
「じゃあ、暖炉の反対に滑らせるから厨房側に移って」
ライトは熟考した……褐色のアシュリー、そしてニッカ。
どちらも守るためにはどうすればよいのか、考えた末にライトは武器を取り戻すことを優先した。
褐色のアシュリーは攻城戦用の大盾にショートソードとコネクトハーツを乗せる厨房側に移動したライトの方へ滑らせる。
「ラ、ライト!いいの?」
「戦うためにも道具は必要です、時には決断を下さねばなりません」
ニッカは取り戻したコネクトハーツを手に取るもののアシュリーから離れてしまうことを懸念した、しかし交換条件を破ったとなれば褐色のアシュリーがどう動くかは最早予想がつけられない。
「ちょっと、こっちにも返して欲しいしぃ!」
「絶対に近づかないと約束出来る?それが最低条件よ」
「約束するから褐色の姐さん早く返してぇ!」
佳代も早々に武装を取り戻すべきかと判断して、お化け型の盾に手裏剣ホルダーと大型ナイフを乗せて、倉庫側へ滑らせて渡した。
「あたし達は問題ないわよね?」
「……どうかしら、お仲間がドジを踏んだだけで貴方も武器を隠しているんじゃないのかとワタシは考えているのだけれど?」
(完全に疑われてるー!?でも、他の皆がバレてるし仕方ないわね……)
武器は隠せたものの、他の4人が見つかっている事もありルンとテヤンも隠しているのではないかと疑われてしまうのは必然的な流れだった。
しかし、確信されていないという点はまだ救いがある。
時刻は気づけば11時半。長針は真下を向き、短針間もなく真上を向きそうだった。
佳代はまだ青目のアシュリーが何かをするんじゃないのかと心配していた、彼女も夢の人物なのかオルロック・オーガなのか判明していない。
それどころか情報が一切掴めていないのだ、少しでも確信が持てる状態にしたかった佳代はもう一度倉庫のドアに向いた。
「佳代」
「宏介。あたいらが青目のアシュリー姐さんから話を聞くにはこれで最後のチャンスな気がすんだよね」
制止しようとする宏介に佳代はまだ確定した情報のない青目のアシュリーからなんとしても情報が欲しかった。
何度とノックしたものの反応がなかった倉庫内に再びノックする。
「もうほっといて!」
「ちょい待ち、今ね……あんた達の誰かがオーガじゃないの?って話が出てるんだよね」
ようやくドア越しに反応を返してくれたことに僅かに安堵しながらも佳代は気を引き締めて質問した。
「違うんならさぁ、オーガについて心当たりない?ちょっとでもいいから教えて!」
「知らないわよ!あなた達が勝手に言い出した事でしょ、気づいたらこんな所に飛ばされていたっていうのに……」
虚勢を張る青目のアシュリーに呆れながら佳代はもう少しだけ質問を重ねようと言葉を考える。
「じゃあ、前に怖い思いをしたことない?」
「前?今この状況以上に怖いものなんて知らないわよ!武装した集団が突然現れるし!」
再びヒステリーを起こしそうな予感を感じた佳代はもうこれ以上は聞けないだろうと判断しドアから離れた。
「……アシュリーを護るのが義務だ、俺達はその義務を果たすだけだから」
「訳の解らない事言わないで!そっちにもアシュリーは二人いるでしょ?もう放っておいて」
素気なく宏介の言葉に青目のアシュリーは苛立ちをぶつけてそのまま沈黙してしまった。
(煩い女だ……)
頭痛がする錯覚を覚えながら宏介はそそくさと倉庫から離れた。
《コチ、カチ、コチ、カチ……》
時間は刻々と過ぎていき……気づけば11時58分。
未だにオルロック・オーガは現れず奇妙な膠着状態が続いていた。
救出対象だと思われる褐色のアシュリーはウィンクルムではなく、黒髪のアシュリーを信じて傍らに置いてウィンクルム達を警戒し
ウィンクルム達は褐色のアシュリーをオルロック・オーガから守るべく臨戦態勢であるものの一向に現れる様子がなく、
先に黒髪のアシュリーを引き離せないかと各々で思考を巡らせていた。
唯一、ソファから2mほど離れた位置に待機することができたルンとテヤンが頼みの綱となっていた。
カチリ、と長針が僅かに動き11時59分となり……日付が変わる頃に何かが起きる気がすると、本能が警鐘を鳴らし始める。
「ライト」
「大丈夫です、現れた瞬間が勝負です」
大盾で自身とニッカを庇うように構えながら、ライトは褐色のアシュリーを凝視する。
「宏介、解ってる?」
「ちゃんと連携は取る」
佳代は左目だけで見るように宏介に目配せする。
「テディ」
「てやんでぃ、舐められちゃ終めぇだぜ」
ルンはブーツの中に隠した小刀と短剣に手を伸ばす、柄を引き抜けばすぐに使えるのも利点だ。
「……おねえちゃん」
「大丈夫、今は信じて」
黒髪のアシュリーは褐色のアシュリーに擦り寄ると、褐色のアシュリーも庇おうと抱き寄せられる。
宏介達に命を狙われているのだと疑念が強まり額から脂汗が流れる、
《カチ、コチ、カチ、コチ……コチ》
一定のリズムを刻む振り子時計の音が嫌に大きく聞こえた、それほどの緊張感が高まる中……ついに長針が真上を向いた。
……同時に、呻き声が上がる。
「あ゛、ぁ゛ぁ゛……ゴホッ、ゲホッ、カハァ!」
褐色のアシュリーは、口から鈍い赤色の液体を零し始め咳き込むたびにビチャビチャと床に撒き散らす。
……黒髪のアシュリーはニタァと微笑み、褐色のアシュリーの心臓を貫いた厨房から隠し持ってきていた包丁を引き抜く。
「キャッハハハハハハ……勝ったぁぁぁぁ!!!我々の勝ちだぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
可愛らしい風貌に下卑た笑いを浮かべる血濡れの黒髪少女……否、オルロック・オーガは自らの制約に則り《その時》が来た瞬間に本物のアシュリーを殺害した。
アシュリーは自身の身体からこぼれ落ちて出来た血の池で既に事切れていた。
《数多の悲しみ、ここに集え!》
《メガネで殴れ!》
《太陽の華、大地の盾》
ニッカ達はアシュリーの死亡に戸惑いは隠せなかったが、ここで逃すわけにはいかないとトランスを決行。
「遅ぇぇんだよぉぉ!?アシュリーはもう死んでだからよおぉぉお!!あぁぁぁばぁよぉぉぉぉ!!」
ゲハゲハゲハと下品な笑い声が響く中、足場が大きく揺れ……床がボロボロと闇の中へと落ちていきライト達を飲み込んだ。
●横たわる者
「あ、アシュリー…………う、うぅぅ、ああああぁぁぁぁぁぁ……!」
夢の中から戻ってきたニッカ達が見たのは、包帯で巻かれた人の形をした石……アシュリーだったモノが横たわるベッド。
愛娘が必ず目覚めると信じていた父親は、ベッドサイドで泣き崩れた。
ライト達はどう言葉をかけたものかと沈痛な面持ちで悲哀する男の背中を見ることしか出来なかった。
「これ以上、アシュリーのような子が……増えぬよう、無力な私の代わりに……必ず、倒して下さい……!」
シワに深い手を握り怒りで震わせながら、オルロック・オーガの討伐をウィンクルム達に切なる願いを伝えた。
今後、同じような事件が多発する可能性があるためウィンクルム達は調査報告書に以下のようにまとめた。
・オルロック・オーガは夢の中で活動する場合、なんらかの役に化けて演じる
・ある一定時間が経過すると、本性を現す一撃で殺害する
・一定時間が経過する前に、オルロック・オーガは討伐しなければいけない
・オルロック・オーガの夢の登場人物にとって、ウィンクルも同様に警戒対象として扱われる
依頼結果:失敗
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 木乃 |
エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | 推理 |
エピソードタイプ | EX |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 難しい |
参加費 | 1,500ハートコイン |
参加人数 | 3 / 2 ~ 5 |
報酬 | 通常 |
リリース日 | 04月05日 |
出発日 | 04月14日 00:00 |
予定納品日 | 04月24日 |
参加者
会議室
-
2015/04/13-23:50
うちらも提出できたしぃ。
合流や情報交換ね、りょーかい!
オーガに心当たりないか直接聞いちゃった。
うん、もち青目が本物だったら護るつもりだしぃ!
当日は宜しくねぇ! -
2015/04/13-23:30
あたし達も出したわ、後は微調整するかしないか……ね。
テヤンのプランでオーガ・ナノーカを貸す事を書いているわ。
オルロック・オーガである証拠を掴めないか確かめたいみたい。
合流する事や情報交換する事も書いたわ。
ニッカさんの、オルロック・オーガだと思ったら、その場を離れない事も書いてみる!
-
2015/04/13-20:03
一応、プラン書いたわ
褐色アシュリーが本物だったら、一緒に移動して
名生さんたちかルンさんたちと合流すればいいかしら
オルロック・オーガだなと思った班はその場を動かず動向を監視する感じでどうかしら?
さっき、ライトが陽炎を使うのがルンさんって言ってるけど、テヤンさんの間違いね
ごめんなさいね
-
2015/04/13-19:08
じゃあ、もう時間もないし、ちょっとまとめてみるわね
武器は裁縫で装飾した何かに隠すか、もしくはライトの盾の裏側に一緒にくっつけるわ。
あたしは「褐色アシュリー」担当で、そのままラウンジで聞き込み。
まずは遠まわしに聞いてみて、それでもダメならトラウマキーワードを出すわね。
どこかで火を借りられたら、ちいさな火でも見せてみて褐色アシュリーの反応を見てみるわ!
聞き込み中に「本物」だと確信が持てたら、全員集合したいけれどどうしようかしら?
-
2015/04/13-19:01
ライト:
ルンさんが陽炎を使うのならば、私はアプローチではなくプロテクションをセットして
防御効果を高めようと思います。
先ほども言いましたが、ニッカが攻撃したら私が入れ替わる形で前に出ます。
戦闘に関してはこれだけでよろしいですか? -
2015/04/13-13:58
>宏介
おう!任せとけ!
陽炎を使うのは初めてだから、何人分身が出来るかわかんねぇけど。
分身は宏介やライトの近くで手裏剣を投げている予定だ。
おいらは、トラオム・オーガの真横か背後から攻撃を仕掛ける。
……が、トランスするようルンには頼んでおくか。(=プランにハッキリ書いておく事)
使えなかったら、元も子もねぇから。 -
2015/04/13-10:43
>ルン
あぁ、なるほど、わかりやすい表をありがとう。
少し勘違いしていたから、そちらに合わせる。
>テヤン
ふむ…陽炎で気を散らすのもありか…。
単純に人数が多く見えた方が的を絞りづらくなるしな。
陽炎で陽動を頼めるか? -
2015/04/13-01:55
>宏介
小細工っつーか、妨害に近ぇけど、
おいらが陽炎で分身を作り出し、トラオム・オーガの気を散らす試みは出来るぜ?
あるいは、忍法霞で潜り込み、敵の背後から奇襲するくれぇか?
(※本当に出来るかは、GM様の判定によりますが……)
もちろん攻撃重視するなら、それこそ双葉で攻めるけどな。(にんまり) -
2015/04/13-01:44
ゴメン……書き直すね。
>ニッカさん
褐色のアシュリーさんの性格からして、ランプや火を見せるのは反応があるかも。
山荘内にランプはありそう!火はOP見た限りでは厨房(コンロなど)から借りられる……かな?
マッチ箱やライターが山荘にあればいいんだけど。
>ライトさん
そうですね!ライトさんの後ろで、神人達が本物のアシュリーさんを囲んで保護する形です。
※図
宏介
↓ 佳代
オルロック・オーガ ←ライト ニッカ アシュリーさん
↑ ルン
テヤン
横から見た図です、こんな感じですね。
矢印は攻撃なので、攻撃は3方向からで合っています。
えっと……皆さんの図がどう見えてるかわかりませんが、
佳代さんとあたしは、アシュリーさんを左右挟んで保護する形になります。 -
2015/04/13-00:48
>ルンさん
わかったわ。
遠まわしに聞いてダメだったら「火傷」や「顔に包帯」ってキーワードになる言葉を出そうかな。
・・・遠まわしって苦手なんだけど、彼女を傷つけちゃダメだものね。
「火傷」がトラウマになっているなら、ランプか何か、火を見せてみて反応を見るのもありかしら・・・
ライト:
戦闘ポジションに関してですが、私のうしろに神人と本物のアシュリーさん、ということでいいのでしょうか。
ルンさんの話の通りにポジションを取れば、攻撃は3方向から、ということになりますね?
-
2015/04/13-00:47
む、3人で出発かな。
もう少し人員が増えるとよかったが…まぁ、頑張っていこう。
戦闘はそうだな、テヤンが言うとおり前衛にライト、後衛に俺とテヤンだな。
双葉弐式を持っていくつもりだ。
小細工をしている余裕もなさそうだし、純粋に火力で押そうか。
ふむ、行動制限しすぎるのも不自然か…。
ある程度は自由にさせつつ、警戒は怠らないと言った感じか。
正直、疑ってるのはお互い様みたいなものだしな。
俺らはアシュリーを守らなければいけない、そのための行動だと説得するしかないな。
こちらも、怪我したことはないかとか、そういったことを聞き出そう。 -
2015/04/12-23:46
>ニッカ
心の傷っていうくらいだ。
藪から棒に(※いきなり)火傷した事ある?とか聞くなら、遠回しに聞いた方がいい。
どうしても聞きたい事が聞けなかったら、初めて火傷って言葉を使えばいいんじゃねぇか?
本物のアシュリーがわかったら、ひとまず、神人達で取り囲むか。
オルロック・オーガからは、引き離さなきゃならねぇし。
で、肝心のオルロック・オーガに関しては、正面がライト、
左右で宏介、おいら達が逆三角状に取り囲んで攻撃するつもりだ。
おいらの手裏剣攻撃は、双葉しかねぇけどな…。
-
2015/04/12-22:52
そうね……。
本当にアイテムを持っていけるかは、当日(リザルトノベル)までわからないわ。
メタな事言うと、GMさんの解説では、もうアシュリーさん達と会っている事になっているから。
……もしかしたら、当日(リザルトノベルで)は
武器と防具以外、何も持たない(持ち込めない)まま、アシュリーさん達に聞き込む事になるかも。
そこでアイテムが持ち込めなかった場合、聞きたい事を絞ろうと思うの。
聞きたい事としては、この2点なんだけど、他にある?
・家族構成
(お父さんが存在や記憶があるか聞き出すため)
・今まで大きな怪我をした事はないか?
(アシュリーさん本人が火傷した経験や記憶があるか聞き出す為)
※言葉を濁したら、小さな事でもいいので、と付け加える。
この質問で聞き足りないとか、他に聞きたい事があるなら、
各自でつけ加えてもいいけど……。 -
2015/04/12-09:09
それじゃ、あたしたちが、褐色アシュリーに聞き込みするわね。
うーん・・・そうね、本物だとあたしたちが確認出来ないと困るものね。
やっぱりトラウマをつついてみる方法がいいかしら?
オルロック・オーガは0時までは手を出してこないんじゃないかなって思ってたわ。
それに黒髪ちゃんと青目さんはそれぞれ厨房と倉庫に行くつもりみたいだけど
動きを規制してたら怪しまれて聞き込みできないんじゃないかしら?
褐色アシュリーは動くつもりないみたいだから、どちらにしてもあたしたちはラウンジで聞き込みね。
ルンさんも言ってたけど、アイテムって持っていけるのかしらね??
-
2015/04/12-07:59
うーんと、うちは青目の聞き込みをしてみたいかなぁ。
さっきも言ったけど、倉庫に行こうとするのが引っかかるしねぇ。
宏介は手裏剣での攻撃だから後継になるかなぁ。
アシュリーを守る感じで動けると思う!
んーと、三人のアシュリーは同じところにいてもらうか、別行動にするかどうするぅ?
同じところにいると、オーガの近くに置くことになるし、
別行動だといざという時に連携取りづらくなりそうだけど…。
一番自然なのは寝る時間までは食堂兼ラウンジにみんなでいてもらって(なるべく昼のうちにはオーガ始末したい)、寝室には担当別に分かれて護衛に着くとか。 -
2015/04/12-04:55
ライト:
ルンさん方は黒髪のアシュリーを担当して下さるのですね
承知しました
名生さん方はどうされますか?
オルロック・オーガと戦闘になった時のポジションも決めなければなりませんね。
私はロイヤルナイトなので前列でしょうか。
ニッカがコネクトハーツで攻撃した後、入れ替わる形で前に出て一撃与えられればと思っています
開始時間が18時で、0時までしか時間がないので段取りよく進めなければなりませんね。 -
2015/04/12-03:26
佳代さん、宏介さん、初めまして。ルンとテヤンです。よろしくお願いします。
あたしは、黒髪の女の子に聞き込むわ。
情報収集の時は、メモ帳とペンを持って行くつもりよ。
持って行けなかったら……うん、顔と手に書き尽くす。 -
2015/04/12-01:33
あ、言い忘れてたけど、コネクトハーツは一応
短剣「コネクトハーツ」って名前だし、短いのかなーって思ってるわ
だからこれを装備して行くつもり
レベル低いから攻撃力欲しいしね -
2015/04/12-01:21
ライト:
花木さんの武器は手裏剣ですか、隠すのは容易ですね。
私は大きめの盾の裏にショートソードを隠して持ち歩こうと思います
ニッカは裁縫が得意なので布やぬいぐるみで武器をカモフラージュできないかと考えているようです
もうあまり時間がないのでどう動くか決めていかなければなりませんね -
2015/04/11-08:20
名生さん、お久しぶりね。
今回もよろしくお願いします!
3人とも褐色アシュリーが本物だという認識みたいね
丁度3組になったし、一人ずつ担当決めて聞き込みしてみない?
方法はまだ分からないけれど、それでトラオム・オーガがどのアシュリーか分かれば
名生さんが言うように増援を呼んで全員で戦えるしね。 -
2015/04/10-22:11
途中参加失礼するしぃ!
名生 佳代と花木 宏介だしぃ。
ニッカ姐さんは久しぶり、ルン姐さんは初めましてだねぇ。
よろしくだしぃ!
うーんと、アタイも褐色の子が本物っぽいって思ってた!
付け加えて言うなら、青目の子が倉庫に行きたがってる理由が気になるしぃ…。
青目がオーガならなおさら倉庫に近づけないようにしたほうがいいと思う。
アタイたちが代わりに倉庫の物取ってくる、とかね。
ごめん!黒髪と青目のどっちがオーガなのかわかんない!
はっきりしなかった場合、両方に対策しておけば安心かなぁって思うんだけど、どうだろ?
戦闘になったりして片方がオーガなのが確定した時点で増援を呼ぶとか。
武器かぁ。
宏介は手裏剣だから服の中に忍ばせれば容易に持ち込めそうじゃん?
アタイは短剣を持って行こうかなって。服の中に入れられるかなぁ?
-
2015/04/10-11:48
大きい盾みたいだし、小振りの剣なら隠せるかも!
ニッカさんのは、コネクトハーツだよね?隠せる長さや大きさがちょっとわからないから、
隠せるかもわからないなぁ。
トラオム・オーガは、黒髪の女の子と金髪の女の人が半々ね。
強いて言うなら、黒髪の女の子の方が怪しいわ。 -
2015/04/09-22:52
盾は防具と認識されるのね、よかったわ。
じゃあライトは盾の裏側に剣を隠したらどうかしら?
私も剣を持っているし、服の中に隠してみようかしら。
因みになんだけど、トラオム・オーガが化けてるのは誰だと思う?
私は黒髪ちゃんじゃないかなって思うんだけど。
問題は本物とトラオム・オーガを見つけ出して、
あたしたちとルンさんたちが一緒に闘えるように持って行く方法ね -
2015/04/09-22:31
テヤン:
おいら達もトラオム・オーガ倒した事ねぇから経験ねぇんだけど。
ライトの調べた内容で合ってるぜ。
……よく、考えたら本物のアシュリーを見つける事ぁ手段ってヤツだったな。
アシュリーにとってのハッピーエンドは、ちとわかんねぇし、
オルロック・オーガを倒す目的から、本末転倒になっから。
-
2015/04/09-22:17
うん、そうしましょ。まだ、日もあるし。
行き詰まったら、また振り出しに戻れるわ。
盾は一般的に、防具と認識されてるみたい。
武器は大きさにもよるけど、護身用ナイフか飾りなら、仕立てられるかも。
布や上着で包んでおくって案もあるよ? -
2015/04/09-21:46
ライト:
一先ず、調べたことを載せておきます
■『トラオム・オーガ』
『黄昏世界』に潜むという夢専門のオーガの種類名称。
その多くはカボチャなどがデミ・オーガ化したもののようです。
夢の外では、それほど強力な個体ではありませんが、夢の中へ入ると、夢の中の登場人物などに成きることで、それらの特殊能力を使うことができ、厄介です。
■『眠り続ける人』
トラオム・オーガにより夢を見続けているの人たち。
目覚めさせる方法は2つ。
1つは、夢の中のトラオム・オーガを見つけ出して倒すこと。
もう1つは、お話自体をハッピーエンドで終わらせてしまうことです。
-
2015/04/09-21:23
あ、精霊の紹介を忘れていたわ
ライトはロイヤルナイトよ
同じ考えなら進めやすいわね
本物は褐色のアシュリー説で進める?
武器も隠さなきゃいけないみたいだし、行動内容も詳しく書かなきゃいけないし
難しいわよね・・・
盾って武器に入るかしら・・・(悩 -
2015/04/09-20:38
ニッカさん、はじめまして。ルンとシノビのテヤンです。
よろしくお願いいたします。
あたしも褐色のアシュリーさんが本物だと思ってます。
あくまでも、外見は20歳くらいって話だから、いまひとつ断言出来ないんだけど。 -
2015/04/09-20:11
レベルは低いけど、頑張るわね!
実は、初の‘難しい’エピでどうしようって冷や汗かいてるわ
私の予想は褐色のアシュリーが本物だと思うんだけど、どうかしら? -
2015/04/09-20:08