茜を、塗れ(こーや マスター) 【難易度:簡単】

プロローグ

●ガランス
「ん、んー」
 床を一蹴りすれば、キャスター付きの椅子が体をほんの少し机から離してくれる。
そのまま肩をぐるりと回し、体を解してやった。
こきり、こきりと小気味良い音が鳴るが、あまり嬉しくは無い。
 女――貸し衣装店『ソレル・ルージュ』の店主兼デザイナーであるルイーズは大きく息を吐いた。
クリスマス、バレンタインデー、ホワイトデー……女性達がドレスを欲しがるイベントの数々。
それがようやく一段落着いた。
 この店ではレンタル以外にも販売やオーダーメイドも引き受けている。
今仕上げたものは夏の販売用ドレスのデザインだ。
ある程度の自由は利くが、やはり流行の形や色を気にしなくてはいけない。
オーダーメイドの方は当然の話だが客の好みを優先する必要がある。
ごく稀に丸投げしてくれる客も要るが稀な存在であり、残念ながらこの冬から春の間の客の中にはいなかった。
 つまり――
「あー……好き勝手やりたい」
 自分の好きなようにデザインしたいというルイーズの欲求を発散したくて堪らないのだ。
椅子の上でだらりと脱力したまま天井を見つめていたルイーズの体が、ふいに跳ね起きた。
 そう、そうだった!
前は馴染み客から助言を受け、A.R.O.A.で募集をかけて貰ったのだ。
今回もその手で行こうと勢いよくルイーズは立ち上がる。
勢い余って後ろに下がりすぎた椅子を慌てて引き寄せつつも、頭の中でプランを練る。
A.R.O.A.はウィンクルム間の絆を深めることを推奨しており、任務ではない、こういった誘いの募集も行わせてくれる。
いくらルイーズの趣味とはいえ、やはりプロ。
無料という訳にはいかないが、デザイン料を取る代わりに他所で仕立てて貰ってもいいとすれば問題ない。
それと今回は貸衣装の試着も出来るようにしておこう。
メイク及びヘアメイクまでは流石にサービスできないが、一着くらいの試着ならば構わない。
 ルイーズはハミングしながら軽い足取りでスケジュールを確認すべく店内のカウンターへと向かった。

解説

○参加費
デザイン料300jr

○すること
最終的にはルイーズのデザイン画できゃっきゃして頂ければ幸いですが、
それまでは下記のどちらかをどうぞ
ただし、店内のドレスに関するお任せはNGです
駄目、絶対

・店内のドレスを試着する
お好きなドレスを一着だけ試着できます
プロローグにあるようにメイク及びヘアメイクは出来ませんが、スタッフが着付けてくれます
色や大体のイメージもしくは形を指定してください

・店内のドレスを見て回る
軽く体に当てたり、ドレスを見てきゃっきゃするだけになります
どんなドレスを見てきゃっきゃするか、色と大体のイメージもしくは形を指定してください

ドレス指定の例:ピンクの可愛らしいドレス、グリーンのマーメイドライン等

○登場人物
スルーでも絡んでいただいても、どちらでも構いません

・ルイーズ
『ソレル・ルージュ』の店主兼デザイナー
気さくな人です
ちょっとお話しするくらいなら大丈夫ですが、がっつり話し込むことはNG

○注意
ルイーズがどんなドレスをデザインするかは指定できません
こーやが趣味と趣味と趣味と趣味で考えますので御了承ください

『赤く、彩る』の続編になりますが、前回のことを知らなくてもまったく問題ありません
ただし、前回登場していたシレーヌは登場しませんのでご了承ください

ゲームマスターより

特に意味ない豆腐占い
10面ダイスを一回そーれ

1・2:冷奴
3・4:麻婆豆腐
5・6:揚げ出し豆腐
7・8:湯豆腐
9・10:豆腐ステーキの豆乳ソース 大胆に湯葉を添えて

リザルトノベル

◆アクション・プラン

ニッカ=コットン(ライト=ヒュージ=ファウンテン)

  実家が服飾工房を営み、且つ自身の夢もデザイナーであるニッカにとって現デザイナーの仕事を見られるのはとても楽しみなことだ

ルイーズさんに挨拶をし自身の(上記)ことを話し終えると興味深く店内を歩く
白いドレスを自身にあてがい
「これ素敵!やっぱりドレスはAラインね
 斜めに上がったオーバースカートから見えるフリルがお洒落だわ」
とテンション上昇

ふとライトが見ていることに気付き毒づいてみるが
毒舌を返され憤慨しつつドレスを戻す
カバンがないことに気付き慌てるとライトがスッとカバンを差し出すので、カバンを持ってくれていたことに気付く
照れくさいが仏頂面でお礼を言う

デザイン画を受け取り、自分で縫うことをルイーズに告げる


月野 輝(アルベルト)
  ■店内のドレスを見て歩く

いつも表から見てるだけだったお店なのよね
だから入って見れるの楽しみにしてたの
だってドレス手に取るような事ってあんまりないし

興味ない事もないわよ
私に似合うかどうかは別として
私、よくドレスよりも着物のイメージだって言われるのよね

だって、ほら、こう言うの似合わないでしょ?
(ピンクのフリフリドレスを当ててみて)

ジューンブライドのイベントの時の事覚えててくれたの?

これ?
わあ、ちょっと和風テイストが入ってるのね
こういうドレスも素敵

こうなるとルイーズさんのデザインができてくるのがとても楽しみね
そうね、デザインが出来たらどこかで仕立てて貰うわ
だからまた一緒に出かけて?
一緒に歩きたいの



ひろの(ルシエロ=ザガン)
  何で、ルシェは連れて来たのかな……。

試着はしないけど。ドレスは、見る。
着ること、たぶん無いけど。

「シンプルなの、とか」
フリルいっぱいは好きじゃない。
(頷き
「こういう目立たないお洒落、結構好き」刺繍、きれい。

こっちは、フレアドレスだっけ?(深紅
丈短い。

女の子みたいなのは「……似合わないから」
言われなかったから、聞かれると思わなかった。
この格好も変、かな。

(さらりと否定され見上げる
(違和感無いなら、これでも良いんじゃないのかな)(首傾げ

こういうのなら、私でも似合うのかな……。(デザイン画をじっと見る
何で、ルシェが聞くんだろ。

(着てみたい、けど。ほんとは似合わない……かも)
(でも、こういうのいいな)



アマリリス(ヴェルナー)
  どんなデザインになるのか楽しみですわ

店内のドレスを見て回る

それは勿論
自分だけのデザインだなんて心惹かれる要素しかありませんわ
まあヴェルナーには難しい感覚かもしれませんね
貴方いつも黒い服ばかりだものね…

自分で選ぶと代わり映えしなそうですし貴方が選んで下さらない?
別に似合う似合わないはいいの
貴方の意見が聞きたいわ
好みが知りたいとかそういうのではありませんからね

なんとなく、選ぶ傾向が分かったような気がするわ
自分では選ばないようなデザインだから中々新鮮です
今度、服でも見に行きましょうか
今回のお礼に次はわたくしが選んであげるわ

さすがにプロのデザインだけあって洗練されていますね
また別の自分になれそう



菫 離々(蓮)
  いつも黒や赤が多いのでピンクは如何でしょう
このドレスは光沢も上品で素敵です
え? ハチさんにはどれが似合うかなと。

冗談ですよ
でも自分以外の誰かを想い、
彼の人には何が似合うか悩むのは楽しいですね
ハチさんはどれを選んでくれますか

私の普段着は父の趣味が多分に反映されていますから
自分の好みだと黒で纏めてしまいます
と手に取るのは漆黒のマーメイドラインで。

デザイン画にはお礼を
私にどんな線や色が宛がわれたのかじっくり拝見

ハチさん、沈んでます?
今日一つ知れたでしょう。私のこと。
いつかまた訊きますね
どれを選んでくれますかって
初めましての印象と、こんにちはの印象と、
きっと変わっていくものでしょうから(デザイン画撫で


●フリル
 少しばかり小柄な体を弾ませてニッカ=コットンは店内へと足を踏み入れる。
見るからに楽しみにしていることが分かる彼女の瞳はきらきらと輝いている。
 一拍遅れてライト=ヒュージ=ファウンテンも店に入る。
しゃんと伸びた背筋は騎士らしく紳士的な姿勢。彼が歩く度にマントが小さく翻る。
「いらっしゃい」
 テーブルにスケッチブックと画材を広げた女が二人の入店に気付き声をかけてきた。
この女がルイーズだということは初対面のニッカでも一瞬で理解できた。
 ニッカは急いで、けれど走らないように気を付けながらもルイーズに近寄る。
「初めまして、ニッカ=コットンよ」
「初めまして、ルイーズよ。今日はありがとね。申し込んだこと、絶対に後悔させないから」
 にっこりと、自分の能力に自信を持った笑みをルイーズは浮かべた。
現役で活躍している人ならではの表情に、ニッカは羨望の眼差しを向ける。
「実家は服飾工房を営んでて、私もデザイナーになりたいの。だからルイーズの仕事を見るのはとても楽しみにしていたのよ」
「あら、それじゃあ未来のデザイナーの夢をもっと膨らませるようなものを考えないとね」
 ニッカは頬を紅潮させて頷くと、ルイーズの邪魔にならないようにと店内に置かれたドレスを見に向かう。
その一歩後ろを静かに、そして確かな存在感を持ったライトが付いて行く。

「ベルベットのロングドレス!」
 ニッカが感嘆の声を上げる。
ベルベットはただでさえ重い生地なのに、他の生地よりも摩擦を起こしやすい。
その為、引きずって歩かなくてはならない程の長さのドレスに使われるのは一般的ではない。
使われても上半身だけだったり、装飾の一部だったり、オーバースカートだったり。
全身ベルベットというのはなかなかお目にかかれない。
「足元には気をつけて下さいね」
 後ろからライトが声をかけるが、ニッカは振り返ることなく「分かってるわ」と答えた。
ニッカが足元も見えない程、興奮しているように見えていたが、流石は服飾工房の娘というべきか。
ドレスにも馴染みのあるニッカは考えるまでもなくドレスの長さを推測し、適切な距離で近付いている。
 あちこちにある沢山のドレスを愛でていたニッカの視線が一着のドレスで止まる。
誘われるようにニッカはそのドレスを手に取った。途端、零れるような笑みを浮かべる。
「これ素敵!」
 白い絹が美しいAラインのドレス。
オーバースカートの下を彩るフリルは柔らかく、ほんのりと淡いピンクと、同じように淡い黄色が可愛らしさを強調している。
 体に当ててみたい欲求に駆られたニッカは、その欲求に逆らうことなくドレスを手元へ引き寄せた。
彼女が体に当てるつもりなのだろうと察したライトがさっとカバンを持ってやる。
カバンを持ってもらっていることに気付くことなく、ニッカは夢中で鏡の前へと向かった。
「やっぱりドレスはAラインね。斜めに上がったオーバースカートから見えるフリルがお洒落だわ!」
 角度を変えながらも、ニッカは上機嫌で鏡に映る自身を眺める。
着てみたらどうなるだろう?動けばフリルがふわふわと踊るのではないだろうか。
今は少しばかり丈が長いかもしれないが、2・3年を経て7cmヒールのパンプスを履けば丁度いいかもしれない。
 あれこれと考えていたニッカは鏡越しに自身へ向けられている視線に気付いた。ライトだ。
彼は褒めるでもなく感想を言うでもなく、小さな微笑みを浮かべ、黙ってニッカを見ていた。
 怪訝な表情を浮かべてニッカは振り返るも、ライトが何を考えているかは読み取れない。
付き合いが浅いというだけでなく、元もとの彼の態度と表情では感情が分かりにくいというのもあるのだろう。
「なによ、何か文句でもあるわけ?気持ち悪いんだけど」
 唇を尖らせたニッカが毒づくも、相手は強敵。
さらりと受け流したどころか――
「お嬢さん、気持ち悪いとは口が過ぎますよ。ただ、背の低いお嬢さんではそのドレスが着こなせないと思っていただけです」
「うるさいわよ!もうっ!!」
 自分でも分かっていただけにニッカは憤慨し、ドレスに皺がよらないように注意しながらも勢いよく元の場所へと戻す。
その時、目に入った自身の手にカバンがないことにようやくニッカは気付いた。
 あっと声を上げる直前、すっとライトが持っていたカバンを差し出す。
自身が持っていたはずのカバンをライトが持っているということは、ニッカが気付かないうちに彼が持ってくれたという事。
 尖らせていた唇をきゅっと引き締め、目を逸らしながら仏頂面でカバンを受け取る。
「……ありがと」
「笑顔で言えれば合格点でしたね」
 返された言葉にふんと顔を逸らすことで、ニッカは自身の照れを隠したのであった。

 デザイン画を受け取ったニッカは思わず「わぁ……」と声を漏らす。
身長差もあり、一歩後ろに立つライトにもデザイン画がよく見えた。
 可愛らしいローズピンクのAラインドレス。
膝丈の裾は薔薇を模っている様にも見えるローズレッドのフリルで飾られている。
肘から二の腕にかけては付け袖で、裾のフリルよりも少し大きな薔薇のフリル。色はやはりローズレッドだ。
腰のリボンもフリルと同じ色で、右胸の下ぐらいの位置に結び目がある。
 石が大きなグリーンのペンダントを着けると良し。
靴は大人っぽく見せるなら茶色、可愛く見せたいなら白かグリーンというアドバイスがデザインの横に添えられていた。
 ニッカはデザイン画を握り締めたままルイーズを見上げた。
どう?というルイーズの無言の問いかけに、ニッカは答えない。いや、答えるまでも無いことはニッカの表情で一目瞭然だった。
「私、絶対に自分でこれを縫うわ!」
「楽しみにしてる。出来上がったら見せに来てね。そこの彼と一緒に」
 最後の言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか、ニッカはこくこくと力強く頷いた。
その様を、やはりライトは無言で見守る。
彼が何を考えてこの光景を見ていたのかは――彼の胸の内に仕舞われた。



●エンパイア
 今にもハミングしだしそうな月野 輝の隣をアルベルトは歩く。
実際にそんなことはしていないが、それほどに彼女は楽しそうに見える。
眼鏡の奥にあるアルベルトの金紅石の瞳が自然と細くなる。
「やっぱり輝もドレスに興味があるのですね」
 からかうような声音と言葉。
けれどじんわりと滲む温かさを知ってか知らずか、輝はあっさりと肯定した。
「興味ない事もないわよ。私に似合うかどうかは別として」
 いつも表から見るだけの店だった。こんなドレスを着る機会なんてまず無い。
だから堂々と店に入ってドレスを手に取れるのこの機会を輝は楽しみにしていたのだ。
 からかい甲斐がないと言わんばかりにアルベルトは軽く肩を竦める。
とはいえ、輝がここまで素直に喜んでいるのだから悪い気はしない。
アルベルト自身にドレスへの興味が無いにしても、だ。男性ならばそれも仕方がないことではあるのだが。
「私、よくドレスよりも着物のイメージだって言われるのよね」
 言いながらも輝の手がドレスに触れる。
さらりと艶やかな手触りに、とろりと滑らかな手触り、しっとりと猫の毛皮のような手触りと、様々な生地を指先で楽しむ。
けれど、その表情にはほんの少しの苦さがある。
 鴉の濡れ羽色に輝く頭部を見つめ、アルベルトは輝の言葉を反芻する。
アルベルトが指先を自身の口元に当てれば、自然と考え込むような姿勢になる。
「和服は確かに似合うでしょうけど、ドレスが似合わないと言う事もないのでは?」
「だって、ほら、こう言うの似合わないでしょ?」
 手近なところにあったドレスを輝は引き寄せ、体に当てる。
フリルがふんだんに使われた淡いピンクのドレスは、輝の雰囲気と相まってどこかちぐはぐして見える。
「それは選んだ物が悪いですよ」
 アルベルトがうっすらと笑む。
彼の笑みに嘲りの色はなく、慈愛が込められているのだということは輝にも分かる。
 だからこそ輝はほんの少し首を傾げた。
輝の髪がさらと音を立てて体に当てたドレスに触れるのを、アルベルトの目が追う。
「ドレスに限らず似合う似合わないはあるのですから。実際、ウェディングドレスは似合ってたじゃないですか」
「え……ジューンブライドのイベントの時の事覚えててくれたの?」
 驚く輝が目を見開くのに対し、アルベルトの瞳が再び細められた。
嬉しさから紅潮する頬にアルベルトが気付いてなければいいと、輝はこっそり考えてしまう。
「なら、こんなのはどうでしょうか」
 アルベルトは目星をつけていたドレスを手に取り、そっと輝の体に当てた。
洗練されていながらも豪華な黒地に金模様のドレスは、和服のような袖が特徴的だ。
和服を意識している為か、生地は少し固い。
「わあ、ちょっと和風テイストが入ってるのね」
「ルイーズさんはどこかで着物について調べられたんでしょうね」
 紅月ノ神社などでは一般的な衣装だが、タブロスでは一般的ではない。
輝自身だけでなく、アルベルトと輝の共通の友人にも着ている女の子はいるが、それ以外ではなかなかお目にかかれない。
二人は気付いていないが、輝に当てられたドレスの縫製は本来の和服のものとは大きく違う為、ルイーズはあくまでも見た目だけを意識したのだろう。
「こういうドレスも素敵」
 嬉しそうに輝が笑う。
やはり、可愛らしいものよりもこういう落ち着いた雰囲気のドレスの方が輝には似合う。
輝の黒髪と黒い生地は馴染みが良い為、今は溶け込んでしまっているが結い上げれば白い肌と相まってはっと目を引くに違いない。
「こうなるとルイーズさんのデザインができてくるのがとても楽しみね」
 自分にも似合うドレスがあるのだと理解した輝は、鏡に眼を向ける。
一瞬、アルベルトが選んでくれたドレスを着た自分の姿が映った気がした。

「はい、こんな感じにしてみました」
 おどけた様に言いながらデザイン画を渡してきたルイーズはニヤニヤと笑っている。
何故だろうと疑問に思いながらも輝は大人しくデザイン画を受け取った。
 描かれているのは輝があまり着る事の無い色―濃いグリーンのドレスだ。
ビスチェタイプのエンパイアデザイン。
どちらかと言えば可愛らしい印象になりがちな形だが、胸下の切り替え部をリボンではなく大胆に黒い刺繍を入れることで大人びた雰囲気にしている。
膝下までの丈はあるが、その刺繍以外の装飾は少ない。
 その代わりに、ほぼ黒に近い濃いグレーの七分丈ボレロがある。
デザイン画ではうっすらと色を塗っている程度だが、「総レースがお勧め!」と書かれてある。
靴はグレーのパンプスに赤いシューズクリップを付け、髪にも同じ色のコサージュを付けるようにとも。
「それじゃあ、次行くわねー」
 輝とアルベルトの反応を見ることなくルイーズは去っていく。
その時まで彼女はニヤニヤと笑ったままだった。
 ほうっと輝は溜息を零した。
こんな色の服はあまり着たことがないにも関わらず、何故か落ち着くような気がする。
「近いうちにどこかで仕立てて貰うわ」
「そうしなさい。折角デザインして頂いたんですから」
 輝はデザイン画からアルベルトへと視線を移す。
見上げることになるが、そのことに慣れてから随分経っている。
 アルベルトの髪を見て、輝はデザイン画に感じた安心感の正体に気付いた。
ああ、そうだ。この色は――
 輝は穏やかに微笑む。
「だから、また一緒に出かけて?一緒に歩きたいの」
「もちろん」
 略礼装が必要な場所になるだろうけれど。
特別な場所だからこそ、馴染みのある緑に包まれて一緒に歩きたい。
 風に揺れ、細波を立てる水面に一滴落とされる。
緑色のその雫は、ゆっくりと、滲むように水を染めていった。



●ドレープ
 ゆるり、鈍い動作でひろのは首を傾げた。何故自分がここにいるのか分からない。
いや、ルシエロ=ザガンが彼女をこの募集に乗ったからだということは理解している。
しかし、ルシエロがひろのを連れてきたその理由が分からない。
 戸惑いを見せるひろのをルシエロは横目で見下ろす。理由はとても単純。
彼は任務でしかひろのの女性らしい服装を見たことが無い。
沢山のドレスを見て、デザインをしてもらうことで少しは見た目を気にするようになって貰いたい男心。
 ひろのなりのペースで店内を歩く。ルシエロは前を歩いているが、彼女のペースに合わせてくれているようだ。
試着をする気もないし、今後着ることもないとは思う。
けれど、見るだけならば――ひろのの視線がドレスへと向けられる。
「どんなデザインが好みだ?」
 手近なドレスを軽く引き寄せながらルシエロが問い掛ける。
ちらとひろのを窺えば、彼女は考えこむように視線を逸らした末に、視界に入ったドレスを見てぽつり。
「シンプルなの、とか」
 ひろのの視線の先にはふんだんにフリルが使われたドレス。こういうのはあまり好みではない。
ルシエロはそのドレスを確認すると、彼女の抵抗が少なそうなドレスを探す。
ただ飾りが無いのは味気ない。
 形はシンプルでも色が派手だったり、色が落ち着いていると思って見てみればスパンコールやビーズを使った刺繍が大きく入れられていたり。
至る所にファーが取り付けられていたり、形も色もシンプルだがよくよく見れば薄い生地の為、足が透けて見えるものだったりと、なかなかひろのが好みそうなドレスは見当たらない。
 ふんっと鼻を鳴らした矢先、ドレスを裁いていたルシエロの指先にクリーム色のドレスが行き当たる。
軽く引き出せばシンプルなAラインで、前身ごろから後ろ身ごろにかけて芍薬の刺繍が施されている。
黄色の刺繍糸のみが使われている為、目立たないがよくよく見れば――というさりげなさだ。
「こういうのか?」
 ルシエロが手に取ったドレスを見てひろのは頷く。
その唇はほんの少し弧を描いている。
「こういう目立たないお洒落、結構好き」
 一色のみで仕上げられているにもかかわらず、華やかな芍薬の花に「刺繍、綺麗」と小さく口にする。
ゆったりとした動作でひろのは手を伸ばし、刺繍に触れた。
 空いた手を腰に当てて様子を見ていたルシエロは他のドレスへと目を向ける。
すぐ近くにあった深紅のドレスが気になったが、そちらへ手を伸ばす前に少し悩む。
ひろの本人の主張が薄いこともあり、濃い色は似合わないかもしれない。
 しかし、そんなルシエロの考えを知らないひろのはクリーム色のドレスをきちんと仕舞ってから、彼が見ていたドレスを引き出した。
「こっちは、フレアドレスだっけ?」
 朝顔の花のような形状のスカート部は波立っていて、立体加減を強調している。
丈が短かった為かひろのはすぐに元に戻したが、色自体は嫌ではなかったようだ。
 その反応を見て、装飾とデザイン次第ではひろのも抵抗は無いだろうとルシエロは結論付けた。
さらに他のドレスを見繕おうとして、ふいにルシエロは気付いた。
ひろのの口元が、先程から変わらず緩い弧を描いたままであることに。
彼女もこういう女の子らしい服を見るのは、やはり嫌いではないのだ。
「オマエは、何故男みたいな格好ばかりする?」
 きょとんと、ひろのにしては大きく目を見開いた。
今まで聞かれたことも無かったし、聞かれるとも思っていなかった問いかけ。
「……似合わないから」
 自然と視線が下る。
この格好も変なのかもしれないと思うと、どうしようもなく落ち着かない気分になる。
が――
「そんな事は無いだろう」
 さらりと、ごく当たり前のことを言うようなルシエロの口調。
ひろのは思わず彼を見上げた。
「確かに、その格好に違和感は無いんだが」
 言いながらルシエロは視線を逸らす。
違和感が無いのであれば問題ないのではないかと思ったひろのは首を傾げる。
 ルシエロはそれ以上、何も語らなかった。
ただその背中は、「それ以上は自分で気付け」と言っているようにも見えた。

 完成したデザインを覗き込みながら、流石はプロだとルシエロは感心した。
「貴女、そんな格好だし女の子らしいのに慣れてないんでしょ」
 ひろの――というよりもひろのの服を指差し、ルイーズは核心を突く。
すぱっと切り込むようなその口調に、ひろのは腰が引けたように後退る。
人見知りのひろのにはルイーズのような女性は、慣れるのに時間がかかる。
「折角いい素材持ってるのに……」
 ぶつぶつと何か言っているルイーズから逃げるようにひろのはデザイン画へと目を落とす。
落ち着いたライラックグレーのAラインドレスは、左脇腹のギャザーから流れるドレープだけが装飾といえるようなものだった。
首元はスクエアネックになっており、まさにシルエットだけで魅せる膝丈までのドレスだ。
 しかし、よくよく見てみれば右肩にだけ黒い刺繍が入っている。
すぐ側に拡大図が描かれており、どうやら刺繍は蔦模様のようで、つたの先々に小さな黒いラインストーンをつけるらしい。
手袋は長めの黒、靴も同じ黒。足が落ち着かないなら黒いストッキングを履くようにと書かれてある。
アクセサリーはなんでも合う筈だからパートナーに見繕ってもらいなさい、とも。
 こういうのであれば自分でも似合うのだろうか。
デザイン画と睨めっこするひろのの横で、ルシエロがルイーズに問い掛ける。
「この場合、髪はどういったものがいい?」
「片耳だけ出した方がいいかな。髪にあれこれつけるの慣れてなさそうだし、そういうデザインにもしてないしね。
付けるとしても細めのカチューシャくらいがいいかな。あ、小さめのイヤリングをつけるといいかもしれない」
「成る程」
 どうしてルシエロが聞くのかと言う前に、ルイーズが答えを返したせいでひろのは聞きそびれてしまった。
元よりのんびりとしているというのもあるが、初対面のルイーズがいるということもあってどうしてもペースが乱れてしまう。
 そんなひろののことはお構い無しにルシエロは考え込む。
このドレスを仕立てるのであれば、自分はどういう色の服がいいだろうか。
 ――いや、考えるまでも無いか。ルシエロは緩く笑む。
さりげなくルイーズはヒントを散りばめている。
刺繍も、靴も、装飾品も黒。『落ち着かないようなら』黒いストッキング……とあれば黒しかない。
 さて、これを着せる機会は来るのかと、小さなひろのの頭を見下ろしながらルシエロは思った。



●スレンダーライン
 いつも控えめな笑みを浮かべながらおっとりと歩くのが菫 離々の常。
けれど蓮には、今日の彼女の足取りが心なしか弾んでいるように見える。
こつりこつり、女性にしては低めのヒールが音を立てているのがその証拠。
「いつも黒や赤が多いのでピンクは如何でしょう」
 離々が触れたピンクのドレスはふんわりと柔らかな質感で、サテンほどのぎらつきも絹のような大人しめの光沢でもない。
恐らくはタフタだろう。少し固めの生地は引き出してなお形が崩れる気配を見せない。
「お嬢、黒や赤ってそんなに身に着けてましたっけ」
 蓮に浮かんだのは当然の疑問。
彼女は柔らかな色合いの緑や白など、パステルカラーの服を好んでいるように思っていた、のだが。
「って、何故俺にドレスを」
 離々が手に取ったドレスは何故か蓮の体に当てられる。
蓮は黒や赤の服を好んでいるが、まさか男である自分のことを言っているのだと誰が思うだろうか。
「え?ハチさんにはどれが似合うかなと」
 にこっと離々は笑みを深めるが、残念ながら高身長の蓮では丈が短すぎる。
簡単に当ててみただけでも爪先が見えてしまうほどだ。いや、まあ、そういう問題ではないのだが。
「……恐ろしいことを言い出さないでください」
 離々の冗談――だと思いたい、信じたい――がずしりと蓮の肩に圧し掛かる。
中々に重い一撃である。
 肩を落とした蓮を見ながら、離々は変わらぬ笑顔でドレスを元の場所に戻す。
「冗談ですよ」
 その言葉に心底ほっとした様子の蓮が大きく息を吐いたのを見て、離々はくすくすと小さな笑い声を上げる。
蓮にドレスをというのは冗談にしても、自分以外の誰かを想い、何が似合うか考え悩むのはなかなかに楽しい。
 では、蓮はどんなドレスを選んでくれるのだろうか。
そう考えれば離々の目が蓮を追うのはとても自然なこと。
 視線の先では蓮がドレスを見繕いながら頭を抱えている。
離々にこそピンクのプリンセスラインがいい、いや、それは自分が着て欲しいと思ったドレスだ。
と、自分で否定しておきながら手が伸びるのはやはりピンク。
 悩みに悩んだ彼は離々を振り返った。
「お嬢自身の好みはパステルカラーでしょうか」
 ゆるく頭を振って離々は否定してみせた。
意外だと言わんばかりに蓮の左目が丸くなる。
「私の普段着は父の趣味が多分に反映されていますから」
「あ、親父さんの趣味でしたか」
 男とは夢見がちなもの……と続けようとして、自身も人のことは言えないと口を噤む。
先程、まさに夢見がちの代名詞とも言えそうなピンクのドレスを選ぼうとしたばかりだ。
「自分の好みだと黒で纏めてしまいます」
 すっと離々が蓮の隣に並ぶ。
彼女が手に取ったのは漆黒のマーメイドライン。
生地自体の光沢があるものの、刺繍も飾りも無いドレスだ。
「大胆な……」
 思わず蓮は言葉につまる。
何故かと言えば胸元まで大きく切り込まれたVネックだった為だ。
マーメイドラインという体型を魅せるドレスだからこそ、余計に際立って見える。
「色はともかく胸元の開きが……俺は嬉しいで
「どうかしましたか、蓮さん」
 うっかり口を滑らせかけた蓮の言葉を、分かっていてかどうか判別し辛い笑みと声音で離々が遮る。
なんでもないとぎこちなく返し、蓮は離々に似合うドレスを探す作業へと戻る。
 見繕う手は止めず、ちらと離々の様子を窺う。
確かに、いつもよりは足取りは軽い気がする。
けれど、離々の年頃であればもっとキャッキャウフフとはしゃぐものではないだろうか。
にこにこと笑ってはいるものの、それも普段と同じ笑み。
楽しさと嬉しさの段階が分からないのは難儀なものだ。
 離々に聞こえないよう小さく溜息を吐き、今度こそ蓮は離々に似合いそうなドレスを探す作業に専念した。

 デザイン画を受け取った離々はじっくりと眺める。
自分にどんな色やデザインが宛がわれたのかがとても気になるのだ。
その興味の方向性も、蓮が彼女を掴めないと思う理由の一つだろう。
 少し赤みの強い紫――ピオニーパープル。
ネックラインはビスチェタイプに見せかけているが、よく見れば細身の金属ストラップがある。
形は膝下までのスレンダーラインだが、膝上で深い赤の太いテープで切り替えが入っており、そこから細かなプリーツが現れている。
 自分でも父親でも選ばない色と形を、どこか不思議に思いながら離々は顔を上げた。
「ありがとうございます」
「こちらこそ、お付き合いありがと」
 ルイーズは笑みを返し「さー、つぎつぎー!」と別のデザインへと取り掛かる。
 離々が再びデザイン画を見ようと視線を落とす間際、どこか沈んでいるような蓮の様子に気付いた。
そのまま蓮へと視線を移し、じっと彼を見つめる。
「ハチさん、沈んでます?」
「沈んでるわけでは。お嬢の好みよく把握してなかったなと。……俺もまだまだです」
 葡萄石の離々の瞳が、眼鏡の奥で細められる。
今回は上手くいかなくても。でも、次があるなら――
「いつかまた訊きますね。どれを選んでくれますかって」
 今日が『初めまして』なら、次は『こんにちは』。その印象は違って当然。
変わっていくものなのだから。
 離々は優しい手つきでデザイン画を撫でた。
形になっていないドレスの手触りを味わっているような、そんな心地がした。



●ギャザー
 ヴェルナーから見たアマリリスはとても機嫌が良さそうだった。
そのことは純粋に良かったと思う。
しかし、ヴェルナーは男性らしくこういった場に縁が無い為、どうしても居心地が悪くなる。
 その緊張ゆえか、彼の動きはほんの少しぎこちない。
アマリリスは気付いているが、あえて指摘しなかった。
こういった場所でそのような指摘が男の恥になることは重々理解していたから。
「デザイン画は楽しみですか?」
 居心地の悪さを誤魔化すように、楽しそうなアマリリスへ問い掛ける。
アマリリスはいつも通りの柔らかな笑みのまま、ヴェルナーへと視線を向けた。
「それは勿論。自分だけのデザインだなんて心惹かれる要素しかありませんわ」
「そういうものなのですか」
 ヴェルナー自身は理解できないが、女性はそうなのだろうと納得する。
その心中を見抜いたのか、アマリリスが彼の衣服に一瞬目を走らせてから、再びヴェルナーと目を合わせた。
「まあ、ヴェルナーには難しい感覚かもしれませんね。貴方いつも黒い服ばかりだものね……」
 図星を指され、居心地の悪さも相まって右へ左へと瞳が泳ぐ。
実際、自宅の衣装棚を開けば黒い服ばかりである。
顔を合わせる機会も多いアマリリスは、勿論そのことをよく知っていた。
「服を選ぶのは苦手でして、どうしても似たようなものばかりに……」
 その返答にアマリリスは心中で嘆息する。
心境を簡単に表せば「やっぱり」と言ったところであろう。
 ふいに、アマリリスは思いついた。
自分で選べば似たようなものになる、ヴェルナーの言葉にも一理ある。
それならば――
「自分で選ぶと代わり映えしなそうですし、貴方が選んで下さらない?」
「え、私がですか?それはちょっと……」
 ヴェルナーには気に入って貰えるようなものを選べる自信が全くと言っていいほど無い。
その額に冷や汗が浮かんだよう見えるが、アマリリスは見ないふり。
「別に似合う似合わないはいいの。貴方の意見が聞きたいわ」
 どうにか逃げる為の言葉を捜そうとするものの、そこは相手の方が一枚上手。
「好みが知りたいとかそういうのではありませんからね」
 添えられた言葉でチェックメイト。しかも詰みの一手だ。
降参するしかないヴェルナーは、渋々承諾の言葉を口にした。

 まるで強敵と対峙しているようだと、アマリリスは思った。
それ程までにヴェルナーは苦戦している。
どこか微笑ましさを感じながらも、アマリリスは黙って彼を見守る。
「こういうのは、どうでしょうか……?」
 悪戦苦闘の末にヴェルナーが見繕った三着のドレスはどれも黒。
アマリリスは驚かなかった。というよりも想定の範囲内だった。
そのことにも、やはり微笑ましさを感じる。
 ヴェルナーが選んだドレスの傾向は一目で読み取れた。
長袖のワンショルダー、アメリカンスリーブ、丸首のパコダスリーブ。
大人の女性を前面に押し出した――はっきり言ってしまえば露出を前面に押し出しがちな黒のドレスの中でも、かなり露出が控えめなものばかりだ。
 ヴェルナーは黙ったままのアマリリスに不安げな眼差しを向ける。
気に入らなかったのだろうか、そう思った矢先にアマリリスが深く頷いた。
「自分では選ばないようなデザインだから中々新鮮です」
 興味深そうな様子のアマリリス。
機嫌は悪くなさそうだと安堵し、ヴェルナーはほっと胸を撫で下ろした。
 パコダスリーブのドレスを手に取り、体に当てながらアマリリスは鏡ではなくヴェルナーへと視線を向ける。
「今度、服でも見に行きましょうか」
「え……?」
 唐突なアマリリスからの誘いにヴェルナーが驚きを見せると、アマリリスは笑みを深くした。
「今回のお礼に次はわたくしが選んであげるわ」
「それは有り難いです」
「楽しみにしておいてね」
 言い終えるとアマリリスは鏡へと視線を移す。
普段選ばない色とデザインが楽しいらしい。
 その様子を見守りながら、ヴェルナーは彼女が自分にどんな服を選ぶのかと気になった。
不安、というよりも興味が強い。
そして、気付いた。先程のアマリリスも、このような気持ちだったのではないか、と。

 淡い黄色、プリムローズイエローが真っ先にヴェルナーの目を引いた。
こういう色もアマリリスにはいいのかもしれないという感心と、予想外の色への驚愕。
横から覗いているだけでなく、身長差もあってアマリリスの様子は窺えない。
分かるのはいつもと同じ笑みが浮かんでいるということだけ。
 アンクル丈のAラインドレスは、ギャザースカートと色が相まって可愛くもすっきりした印象。
腰には明るい茶色のリボンが巻かれており、右胸の下あたりで、結び目を隠すようにピンクと白のアマリリスの花が飾られている。
花から垂らされたリボンはスカートのひだの内に馴染むのだろう。
ラウンドのネックラインは胸から首元にかけては肌が透ける生地をと指定が入れられている。
靴と手袋は落ち着いて見せるならリボンと同じ茶色、華やかさを重視するならピンクと書かれてある。
「さすがにプロのデザインだけあって洗練されていますね」
 呟いたアマリリスの口元がいつもより柔らかなものに見えて、ヴェルナーは彼女も気に入ったのだと結論付けた。
そう、彼女『も』。
 デザインの良し悪しは、正直に言ってよく分からない。
けれど、アマリリスには似合いそうだと思う。そして、着ている所を見たいとも。
「また別の自分になれそう」
 着た時は、見せて貰えますか。
ヴェルナーは言おうかどうか葛藤し、結局は言葉を引っ込める。
 気付いたアマリリスはデザイン画からヴェルナーの鮮やかなグリーンの瞳へと眼を向ける。
「正直な言葉を聞けるほうが嬉しいですわ」
 いつか言った言葉を口にしながらも、彼にとってはそれが難しいことだとは分かっている。
だから、いつか。
――このドレスを着た時は、正直な貴方の言葉を下さいな。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター こーや
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ロマンス
エピソードタイプ EX
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 簡単
参加費 1,500ハートコイン
参加人数 5 / 4 ~ 5
報酬 なし
リリース日 03月05日
出発日 03月10日 00:00
予定納品日 03月20日

参加者

会議室

  • [12]菫 離々

    2015/03/09-23:26 

  • [11]菫 離々

    2015/03/09-23:25 

    蓮:
    会議室から良い匂いが。いただきます。

    味付けはあまりしない方向ですかねえ。
    豆腐自体の味を愉しむといいますか。

  • [10]ニッカ=コットン

    2015/03/09-22:31 

    あ、ホントね!(笑)
    お鍋美味しそうだわ
    まだまだ寒い日が続いてるから、お鍋食べたくなるわ

    プラン、提出したわ

  • [9]月野 輝

    2015/03/09-21:29 

  • [8]月野 輝

    2015/03/09-21:27 

    占い、冷や奴と湯豆腐しかないわね(笑)
    こうなったら全部鍋に入れちゃいましょうか。

    と言う事で……

  • [7]ニッカ=コットン

    2015/03/09-19:04 

    はじめまして、ニッカ=コットンよ。
    こっちは精霊のライト。
    たぶんだけど悪いヤツじゃないわ。・・・たぶんだけど。
    よろしくね。
    エピソードに出るの初めてだから、ちょっと緊張してるわ。


    あたしの実家が服飾工房を営んでるの。
    だから試着もしたいけど、どちらかと言えば、ドレスを見て回りたいわね。
    ルイーズさんのデザイン画にもすごく興味があるのよ。
    見るの楽しみだわ。

    【ダイスA(10面):2】

  • [5]菫 離々

    2015/03/08-23:40 

    初めまして。スミレ・リリと、精霊はハチスさんです。
    よろしくお願いしますね。

    今のところ、デザイン画を楽しみにしつつ店内を見て回ろうかと。
    どういうものが似合うでしょうね。

    【ダイスA(10面):7】

  • [4]アマリリス

    2015/03/08-22:30 



    【ダイスA(10面):2】

  • [3]月野 輝

    2015/03/08-16:47 

    ニッカさん達と離々さん達は初めまして。
    ひろのちゃんとルシェさんはウィッグ以来、
    アマリリスさんとヴェルナーさんはお久しぶり。

    私、自分のドレス選ぶより、みんなのドレス選んで「これ似合いそう!」とかやりたいわ……

    アル「それは趣旨が違うのでは」

    判ってるわよ。試着するか見て回るかはまだ考えてる所なんだけど、とりあえず、皆さん、よろしくね。

    占い…何が出るかしら。

    【ダイスA(10面):7】

  • [2]ひろの

    2015/03/08-12:27 

    ……!(気がついて、サイコロを振る

    【ダイスA(10面):1】

  • [1]ひろの

    2015/03/08-10:56 

    ひろの、です。
    よろしく、お願いします。

    ……スカート、好きじゃないけど。
    ルシェ、が……。(視線を彷徨わせる


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