次女の取引と思惑と(木乃 マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

◆そして彼女は帰ってきた
「皆集まったわね、まず最初にいくつか事前説明があるからよく聞いてね?」

女性職員は情報をまとめたバインダーに目を通しながら情報を伝える。

「今回はスラム街にデミ・オーガが侵入した可能性があると警察から協力要請があったわ。
 ……盗賊団か、デミ・オーガで意見が割れたみたい、警察は盗賊団の可能性がかなり高いと思ってるけど
 市民からオーガなんじゃないかって言う人も居るから万が一に備えて協力してほしいとのことよ」

職員はホワイトボードに以下のように書き出した。


○場所はタブロス旧市街地にあたるスラム街
 市街地内で不審な影が多数目撃されており、
 特に目撃例が多かったのは、地下にワインセラーを有していた豪邸跡地。

 付近には細い路地も多く、車や馬で移動するより徒歩で動いた方が良い。
 建造物などを破壊すると地域住民に影響が出るので、建物を破壊しないこと。


○今回は警察と協力して行動する
警察は警備部より機動隊100人を派遣し、大規模な一斉捜査を行う。
所属は精霊よりも人間の数が多く、機動性を重視してタクティカルバトンで武装した者を中心に拳銃も用意している。

もしウィンクルムの方で違法、あるいは迷惑行為が発覚した場合は警察まで連行すると忠告が来ている。


○本作戦より試験的に同行してもらう人物がいる



「もう一度言うけど、盗賊団の可能性がかなり高いと思ってるみたいよ。最近は市街地でもで強奪行為が増えてるそうだし」
「あの……試験的に同行してもらう人物って?」

最後に書かれた一文は、明らかにおかしい。
一斉捜査に試験的に入れるということは『警察の監視下でなければならない事情』があるということだ。

「それは本人が来てから言おうと思ったけど……」
女性職員は困ったように細い眉を寄せると、バァンッ!と会議室のドアが開く。


扉の向こうには男女が居た、どうやら女性の方が蹴破ろうとしたらしい。
一人は大柄で屈強な女性、両手を何故かタオルで隠している。
もう一人はキッチリと警察の制服を着込んだ、シェパードの耳を生やしたテイルスの青年。
女性より頭一つ分小さな青年はわなわな唇を震わせ、顔色が青ざめている。

「はぁぁ……貴女が司法取引に応じるとは思わなかったわよ、レジーナ・オクタヴィア」

職員の呟いた名に、何人かが反応する。
目の前に居る大きな女性はかつてマントゥール教団に所属し、破壊工作をしていた過激派三姉妹の次女である。
「ど、どうしてコイツがここに居るんだよ!?」
「まだ説明してなかったのかよ。てかあたし今は拘束されてるから何もできねーし」
憎々しげに睨みつけながらレジーナを指差す精霊に、レジーナ本人は呆れるように肩を竦める。

「ふぅ、本人が来たから改めて説明するわね。

 本当なら刑期を終え審査を通過した者だけウィンクルムに迎えるのだけど
 やはり戦力増強をある程度は視野に入れるべきではないか?っていう話が出たのよ。
 そこで、服役中のごく僅かにいる神人と司法取引して刑期の短縮は出来ないか政府に掛け合ったの。

 ……警察と協力して動く事件に限り、ウィンクルムとして出動させ、活動次第で刑期の短縮は出来ないかってね。
 そこで白羽の矢が立ったのがレジーナよ。

 以前は教団員だったけど忠誠心がある訳ではないみたいだし、刑務所内でも模範囚だったから社会復帰は問題ないと判断したのだけど
 ……彼女、あと30年は刑務所内で過ごす予定よ。刑期の事情もあって最初に選出されたのよ」

「んで、幸か不幸か犬のお巡りさんがあたしの相棒なんだとさ」
「誰が犬のお巡りさんか!先程といいもっと女性らしく慎ましい立ち居振る舞いをだな……!」
皮肉っぽく笑みを浮かべるレジーナの脇で青年がピンと耳を立てて説教し始める。

「お説教の前に自己紹介をしてくれない?」
「ハッ!?し、失礼しました。
 自分はホワイト・ヒル地方警察署より本日タブロス市警第5分署へ転属しました大文字五郎です!
ウィンクルムとして実戦は未経験ですが数ヶ月前より訓練を積んでいた次第です。以後、お見知りおきを!」
冷静にツッこむ女性職員の言葉に姿勢を正し、敬礼する姿は凛々しい。


「大五郎はホンットクソ真面目だなぁ」「大五郎と呼ぶな!だいたいキミは俺より年下で……!」
やんややんやとコントを始める2人に呆れながら、女性職員は説明を最下する。

「とにかく、この2人にも今回は同行してもらうわ。
 ウィンクルムとしてはド素人だけど、それ以前から実戦経験はあるからね?
 頼りきりは良くないけど、結果次第では戦力増強につながるかもしれないの」


相手がなんであろうとキッチリ解決してね、と女性職員は痛む頭を押さえながら話を締めた。

解説

目的:
警察と協力して、盗賊団の捕縛orデミ・オーガの撃破

場所:
タブロス市街の外周にあたるスラム街。
盗賊団かデミ・オーガかで警察内は意見が割れているものの、9割が『盗賊団である』と主張している。

なお、デミ・オーガの姿を目撃した者はいない。

地下に大規模なワインセラーを所有していた豪邸跡地を根城にしている可能性が高い。

警察:
100人の機動隊でバックアップ。
盗賊団なら逮捕、デミオーガなら避難誘導の方針でいる。

周辺地域から根城と思われる豪邸跡地へのローラー作戦で動く予定。
100人中精霊は10人以下。

NPC:
レジーナ・オクタヴィア 24歳、一応女性
マントゥール教団の過激派だったオクタヴィア三姉妹の次女。
とあるエピソードで神人に顕現した180超の赤髪マッチョ女子。
元は怪力だったが、現在は見た目以上に腕力はない。
得物はコネクトハーツ。

元・教団員ではあるが戻る気なし。
取引にのったのも思う所があるため、任務は真面目にこなす。

大文字五郎 29歳、シェパードのテイルス
ホワイト・ヒルから契約の都合でタブロスに来た青年。
見た目は170未満で小柄だが、正義感の強い熱血漢という典型的なテイルス。
ジョブはロイヤルナイトで、得物は片手鈍器と片手盾。

2人の連携は全く取れていませんが実力でゴリ押しするパワープレイが目立つようです。
大五郎もスキルをいくつか使用できるので、デミ・オーガ数体程度なら2人で圧倒出来なくはないでしょう。


諸注意:
・建造物の破壊行為や近隣住民が迷惑してしまう恐れのある行動は避けましょう、お巡りさんがみてる。
・盗賊だった場合、相手は人間ですのでオーバーキルはダメ絶対、お巡りさんそこに居る。
・レジーナに後ろから刺される可能性は考慮すると文字数が勿体無いです。
 依頼の目的は間違えないようにしましょう(ココ重要)


●攻略に関する質問、お問い合わせは一切解答しかねますので予めご了承下さい。

ゲームマスターより

木乃です。奴です。

今回は公的機関である警察が協力しております。
オープニングや解説でどのように動くか把握したほうがよいでしょう。
大事なことは、書かれている情報を把握することです。

それでは皆様のご参加をお待ちしております。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

リゼット(アンリ)

  作戦開始前にスラム街の地図を借りられたら
敵が潜みやすそうな路地や建物を記憶

作戦行動中はデミオーガがいた場合
真っ先に接敵し被害を抑えるため
警察のローラー作戦の最前線で行動、豪邸跡地を目指す
道が分岐する箇所ではオーガ・ナノーカを先行させて様子を確認

跡地に着いたら突入前、到着までにオーガが現れたらその時点でトランス

戦闘時にはアンリを前に出し
私は下がった位置で索敵、戦況の把握
無力化した敵の捕縛

増援や不意打ちがあれば
不自然にならない程度にレジーナさん達に目線を向け
精霊・警察どちらにも聞こえるよう対処を呼びかける

自分で動かざるをえない場合
人間相手に攻撃する場合は弓で腕や足等
致命傷にならないような場所を狙う


楓乃(ウォルフ)
  ■行動
一緒に任務にあたるメンバーに挨拶。
機動隊のリーダーを把握。
オーガ遭遇時にすぐ対処出来るよう、ローラー作戦・豪邸跡地突入時の前線に加えてもらいたいとお願いする。

■戦闘
⇒対盗賊団
トランスはせずMPを温存。
精霊の背中を護れる位置に付きお互いをフォロー。
錫杖での打撃攻撃。
動けなくなった敵を警察に引き渡し捕縛。

⇒対オーガ
トランス後はすぐに後ろに下がる。
破壊行為は控えているものの、廃墟内だと激しい戦闘で崩落もありそうなので離れた位置から観察し警戒。

■心情
レジーナさん達の連携が気になってしまう。
2人とてもいいパートナーになれそうなのになぁと思うものの言葉ではうまく言えず。(せめて行動で伝えられれば…)



◆はじめての共同戦線
「A.R.O.A.本部より参りました楓乃です、本日はよろしくお願いします」
「俺はウォルフだ、今日はよろしく頼むぜ」
楓乃とウォルフは今日の一斉捜査を統括する担当捜査官の元に来ていた。
見た目は40代だろうか。
警察官の制服を身に付けており腰にはタクティカルバトン(警棒)、肩にガンホルダーを付けている。
捜査本部は捜査区域である北側に簡易テントが建てられており、無線機も設置されていた。
人数は複数ヶ所にすでに別れているのか15人程度の警察官が捜査準備をしている、
指揮官クラスの者のみ拳銃を携帯しそれ以外の物は警棒のみで対処するようだ。

「ご足労頂き感謝致します。周辺住人からの声も無視できなかったこともあり、念のため依頼させて頂いた次第なのですが……
捜査以上に骨が折れそうな案件もございますので、そちらも何卒よろしくお願いします」
捜査官が視線を向けた先。

《ボリボリ、ボリボリボリ》

黒いパンツスーツに、革の手袋を身につけた大女は板状のクランキーチョコを頬張っている。
赤い髪は毛先がバラバラで、一番長いものは鎖骨まであり伸び放題といった印象だ。
「キミは捜査前に菓子を食べるとはどういう了見なのだ、場を弁えたまえ!」
「腹減ったら戦は出来ないっていうじゃないさ」
頭一個分小さいシェパードの耳と尻尾を持つテイルスの警察官が注意しても、クランキーチョコを食べる口は止まらず。

「試験的投入とは言え、レジーナ・オクタヴィアはあの調子です。
大文字巡査長が同行しているので逃走は難しいと思われますが、連携して動けるかは疑問というのが本官の意見です」
捜査官は溜め息を吐きながら楓乃達に向き直ると、不安があると本音を漏らす。
「マイペースな人、なのでしょうか?良いパートナーになると思うのに……」
やいのやいのと、言い合いを続けるレジーナと大文字五郎を見つめながら楓乃はしょんぼりと眉を下げる。
……ウォルフは何故かニヤニヤと意味深な笑みを浮かべているが。

「捜査区域の地図、借りるわよ」
リゼットは作戦区域に当たるスラムの地図を借りた。
記憶してしまえば荷物もなく動けると思ったのだが、大通りなどの目立つ通路は記憶できたものの
肝心の入り組んだ通路は複雑、目星のつけたい建物も似通った廃墟ばかり。
短時間では曖昧に覚えてしまう恐れがあり、読み込む時間も足りないと感じたのだ。
「オーガが来たらやべぇし、俺が先行して盾代わりになるわ。後ろは任せたぜ」
楓乃達の話している脇からアンリも顔を出し、機動隊長にウィンクルムは前線に出ると申告する。

「……先行、と言われますと?」
「機動隊より私達の方が先に動くってことよ、問題でもあるの?」
捜査官の返答にリゼットが疑問を投げかける。

「ローラー作戦の都合上、機動隊が円状に同時進行しながらしらみつぶしに捜査し、
包囲網を狭めることで相手の逃走経路も塞いでいくのです。
万が一、逃走されては地の利のある相手の方が有利でしょうし、突出して動けば隙も出来てしまいますので」
廃墟の多いスラム街とは言え、狭い路地が多いのだ。
先行するにしても、本来の機動隊側が提示していた作戦は『ローラー作戦』である。
ウィンクルムが先行するにしても逃走経路を封じなければ、先行しても何処かしらから逃げられてしまうだろう。

「構うこたぁないよ、こっちは好きにやらせてもらうさ」
「こら、勝手に進言するんじゃない!」
意見を出してきたのは先程まで菓子を食べていたレジーナだ、ニヤニヤと笑みを浮かべる脇で五郎が咎めている。
「アンタら知ってるの?この区域の何処がどうなってんのか詳細にさぁ」
「いや、知らねぇけどよ……」
レジーナの問いにウォルフは頭をポリポリと掻きながら答える。
「あたしも解らないけどさ、警察も有効に使った方がいいぜぇ?
デミ・オーガなら時間稼ぎくらい出来るだろうし、盗賊ならさっさと拘束して情報引きだしゃいいんだから」
レジーナはクランキーチョコの欠片を頬張りながらシニカルな笑みを見せる。
(元、いや今も犯罪者よね。言ってることはスジが通ってる気がするわ)
リゼットは犯罪者であるレジーナの意見に複雑な表情を浮かべる。

「ま、戦闘以外はアンタらの意見を聴いてあたしも動くからさ。協力するって誓約書も書いちゃったし」
「面倒をかけるが、今日はよろしく頼む……ってまだ食べる気かぁ!?」
レジーナは懐から棒状のチョコが入った紙パックを取り出してモリモリと食べ始め、五郎は止めろと叱りつける、
(大食らいなのか、単なるマイペースなのか……なんか拍子抜けしちまうな)
アンリは前評判とは少し違うレジーナの印象に困惑していた。
もっと苛烈で暴力的で自己中心的な奴だと思ったのだが……
いや、さっきから菓子食ってるし自己中心的なのは間違ってねぇわとアンリは思い直す。

(同情すっけど、なんだかんだで気が合ってるよなぁ)
再びニヤニヤとウォルフが笑みを浮かべていると、レジーナが突然ウォルフのスネを蹴り飛ばす。
「イテェ!?」
「いきなり何をしてるんだ!?」
「なんか腹立つこと考えてそうだったから」

(本当に大丈夫かしら?)
スネを押さえ悶絶しているウォルフに楓乃が慌てて駆け寄る中、リゼットは呆れながら小さく溜め息を吐いた。

◆最前より先行
楓乃達はローラー作戦で包囲する機動隊とは別で、遊撃という形にして時間差で先行することにした。
万が一、連絡が必要な場合は五郎が専用無線機を所持しているため通信問題も支障はない。
『こちら南西3隊、不審な影を――』
『東2隊、引き続き追跡を続行する』
「こちらウィンクルム、了解。引き続き先行する」

逐一報告される無線連絡に五郎も返答を返し、ウィンクルムは揃って前進している。
「ちょっと、どうして私達の方には何も現れないの?!」
リゼットは不満を露わにして五郎に怪訝な表情を向ける。
「俺に言われても困るのだが……」
「で、でも、私達より後方の機動隊さん達は不審な影を見ているのですよね?」
リゼットの問いに困る果てる五郎、楓乃も先行しているハズの自分達に異変が起きないことに首を傾げる。

「そりゃ起きないさ」
「どういう意味だよ」
遠巻きに追走しているだろう機動隊の声がする方に視線を向けていたレジーナが呟く。
最後尾で警戒しているウォルフが発言の意味を解りかねて眉を顰める。
片手はいつでも迎撃できるように両手で抱える必要がある巨大スプーンのような武器にかけている。
「あたしが盗賊の立場だったら絶対あんたらは襲わないね」
「はぁ?」
同じく最前列で大剣に手をかけて警戒していたアンリもレジーナの言葉に首を傾げる。
「すぐ解るさ」

レジーナがニタァと表情を歪めるのと、ほぼ同時に五郎が武器のバトンを握り締める。
《タタタ……》
駆けてくる足音が聞こえる。
前と後ろを確認するが、人影はなし。
「上だな!」
左右に見える石造りの低い平屋根の上だと予想し、ウォルフが巨大スプーンを構える。
《ッタン!》
頭上から飛び降りてきた男は、よほど焦って走っていたのだろう。
顔はおろか腕まで発汗しボロボロのシャツが体に張り付いている。
怪しいと感じた五郎が即座に無線連絡を他部隊にも回す。
「不審者を発見した!これより身柄を拘束するッ」
アンリも大剣を構えて、目の前の男の攻撃に備える。

しかし、男は襲いかかるどころからアンリ達とは反対方向に走っていく。
「ハァ!?」
「な、なんで逃げるのよ!」
予想外の行動にウォルフが呆気にとられているとリゼットも男の恥も外聞もない、いっそ清々しいまでの逃走に激昴する。
「ど、どうしてでしょう?」
「ああいう小賢しい連中は自分より弱くて、無警戒な奴を狙うんだよ。
おチビ1人でスラムをフラついてたら間違いなく襲ってただろうけどね、金持ってそうだし」
楓乃が目を瞬かせていると、レジーナはリゼットを指差しながら襲われないと確信していた理由を告げる。

外道には外道のやり方がある。
『強きを助け、弱きを挫く』
強い者には媚びへつらい長いものにに巻かれるのだが、弱い者には暴虐に振る舞い貶めることも厭わない。
……警戒し襲撃に備えたが故に、襲うメリットを感じられずウィンクルムを相手にしなかったのだ。

「そんな事どうでもいいから!早く追うわよ!」
「路地に入られちまったら拙いぞ」
「ま、待ってくださいー!」
出し抜かれた事に怒り心頭のリゼットはアンリと共に走り始める、驚いた楓乃が後を追いウォルフと大五郎も追随していく。

「今はほっときゃいいのに……ま、先に目的地まで行ってりゃ合流できるっしょ」
慌てて追いかけていくウォルフ達の背を見送りながら、レジーナはとぼとぼと歩き始める。
目指すはローラー作戦の最終目的地である地下にワインセラーを保有するという豪邸跡地だ。

◆全員集合
『何故、単独行動をとったのか説明してもらおうか』
「追いつかなさそうだったから先に目的地まで来ただけだってば」

数十分後、アンリ達は逃げる盗賊を追い回したが地形を実際に歩いて把握していた盗賊も無策だった訳ではなく、
複雑な路地を駆使して楓乃達を撒くとそのまま逃げきったようだ。
……そして諦めて走る速度を緩めたとき。
ようやくレジーナの不在に気づき、慌てて五郎が無線連絡を飛ばし所在を確認すると、
北東から進行していた部隊が豪邸跡地に向かっていたレジーナを発見、先に豪邸跡地まで護送した。

ウォルフ達も無事に合流することができたが、それで一件落着では済まない。
五郎の無線機越しに捜査本部で待機していた捜査官は怒気を滲ませてレジーナに説明を求めるが、当人は面倒そうに返事を返す。
『大文字巡査長、キミもキミだぞ!目先に囚われて彼女から目を離すとは何事か!?』
「も、申し訳ありません……」
当然、監視役も兼ねていたパートナーである五郎にも激が飛ばされる。
身内であるが故に、上官の捜査官も厳しい目で見る必要があるのかもしれない。

『大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません』
「とんでもないです、後は豪邸跡地を……か、家宅捜査?するだけ、ですよね……」
『はい、豪邸跡地内に何人か駆け込む姿を確認している報告が何件かありますので』
走り回って完全にバテている楓乃はなんとか応答し、捜査官も情報を総括して伝えていく。
『デミ・オーガは住人の杞憂で間違いありませんが、どうも盗賊団は機動隊が行動開始前より警戒を強めていたように思います』
(警戒しながら先行したせいで盗賊団から避けられてたのか?)
ウォルフは先ほどの状況とレジーナの言葉を思い出し、冷や汗が流れる。
スラムは住人や用事でもない限り、一般人は出入りしないのだから警戒していれば多少なり目立つのだろう。

『ここからは一斉に突入して退路を遮断する手筈です。
拘束する為に交戦を余儀なくされますが、ウィンクルムの皆さんは相手がデミ・オーガではありませんけれど、どうされますか』
「乗りかかった船よ、コケにされたままじゃ虫の居所が悪いもの」
「リズに同感だ、俺らも協力するぜ」
防寒性に優れた具足を身につけていたリゼットとしては、散々走り回され汗もだらだら。
とんだ大目玉を食らわされた形だ、黙って引き下がるつもりがないのはアンリも同じである。
『引き続きよろしくお願いします』
捜査官側で無線を全回線に開き、周囲の警察官の無線機から微弱なノイズ音が同時に聞こえる。

『これより突入を許可する、目標は市街地での強奪を繰り返していたと思われる盗賊団と予想。
盗賊団の人数や武装など規模は現在不明。事前に罠を仕掛ける用意は困難と思われる……総員、盗賊団を無力化した後に身柄を拘束せよ』

無線機から捜査官から突入許可を受けた機動隊が、武装を手に豪邸跡地へと向き直る。
警察官のとある小隊が身を屈めながら足音を立てぬよう豪邸跡に接近し、
全員に合図を送ると一斉に動き出した。いよいよ作戦は最終段階に移る。

◆豪邸跡・制圧戦
《ドォンッ!》
機動隊が扉を破り一気に突入すると、ホコリまみれの既に廃墟と化した豪邸内へと雪崩込む。
カーペットやカーテンはボロ布と化し、女の肖像画も汚れでくすんでしまい美しさを曇らせていた。
しかし、廃墟という割にはホコリに足跡がくっきりと浮かんでおり最近人が出入りした痕跡は容易に解る。
「我々は2階、1階部分の制圧に当たります」
「解ったぜ」
警察官の一人がウォルフに豪邸内で重点的に動く箇所を伝えると、敬礼してすぐさま持ち場に走っていく。

「私達はどこを調べましょう?」
「特に考えてなかったわね」
楓乃は首を傾げると、リゼットも眉を顰めて考える。
「ワインセラーが地下にあったと思う。厨房にあるんじゃないだろうか」
「そういや地下は調べるって言ってなかったな、見てくるか」
五郎がワインセラーの存在を思い出し、アンリも念のため調べようと大剣を持ち直す。

機動隊が応接室や遊戯室を捜査する合間を縫って、厨房を見つけて入ると
同様にホコリを被り、天井には蜘蛛の巣も張られ長年使われているようには見えなかった。
……が、入口で見つけた足跡の痕跡はここにもある。
「ここも出入りしていたのは間違いないわね」
「つーことは、ワインセラーに隠れてるってことか?」
リゼットは僅かに青白い光りが溢れる鉱弓を手に奥の扉を見つめ、ウォルフもまさかと言いたげな表情になる。

「入りゃ解るでしょ?いたらその場で戦争よ」
レジーナは腰に差していたA.R.O.A.で開発した短剣を取り出す。
楓乃達は奥の扉を開き地下へと続く階段を降りていく、コツコツと小さい足音を響かせて進むと
そこには……壁やワイン棚が数台並んだ地下室だった、しかし棚だけではなく
「6人よりは多いね」

なんと、20人近くの盗賊が潜んでいた。

「親分、スラムで妙な動きしてた奴らですっ」
「なんだコイツら、女子供じゃねーか?……野郎共、警官共も全員はここにゃ入れねぇ……殺っちまえ!」
子分達がナイフや棍棒を手にウィンクルム達に殺到する。
「こ、こんなに居るって聞いてねぇぞ!?」
「くそっ、一度に全員の相手は難しいな」
応戦しようと前に飛び出すウォルフとアンリだが、倍以上の人数で同時に襲いかかられると流石に大型武器では小回りの効いた対応が難しい。
「後ろがガラ空きだぜぇ!」
「させません!」
攻撃を受け止めていたウォルフの背後を狙った盗賊に楓乃がシャンッ!と錫杖を鳴らしながら反撃する。
「グギャァ!?」
……打ち所が悪かったのか、楓乃の一撃で盗賊は気絶した。

しかし、半数近くの盗賊は囲まれた3人を通り過ぎて……『見た目が一番弱そうな人物』に狙いを定めていた。
「な、なんでこっちまで来るのよー!?」
小柄で年少であるリゼットは後方から戦況を見ようと思ったが、それどころではなかった。
鉱弓に矢を番えて構えると盗賊の手足を狙おうとするが、1人だけ止めても残りの多数がもう一度番えている間に攻撃を仕掛けてくるだろう。
そしてもう一つ想定外だった事は『屋内戦』だ。
家具や壁など弓の利点を活かしきれなくなる狭い屋内では、近接攻撃や受け流しの難しい弓矢ほど不利になる武器はない。

「1人でも潰すんだからっ」
リゼットは鉱弓を構え、ナイフを持つ盗賊の手を狙うが薄暗く狙いも定めにくい。
「リ、リゼットちゃん!」
楓乃がリゼットの窮地に気づくも、囲まれて身動きがとれない。
アンリもウォルフ達と共に突出していたためにリゼットの救出に間に合わなくなっていた。
「けひゃひゃ!!」
下卑た笑みを浮かべながら盗賊の手に持つナイフが凶刃と化し、リゼットが思わず目を瞑った……その時。

《キィンッ!》
「……え」
「キミ達、か弱い少女を狙って恥ずかしくないのか?」
衝撃が来なかったことを不思議に思いながら、リゼットがうっすらと瞼を開けると
盾でナイフを弾き飛ばした五郎の背中が見えた。
「言ったろ、自分より弱くて無警戒な奴を狙うって……な!」
レジーナもリゼットに殺到していた盗賊の1人に短剣の柄で殴りつけて気絶させる。
「おう、天下のウィンクルム様と警察を舐めてんじゃねーぞ?全員しばくぞコラ」
「な……ウィンクルムだって!?」
ニヤリと笑うレジーナの宣言に盗賊団に動揺が走る、本来はオーガと戦っているのだから無理はないだろう。

「お、親分……」
「構うこたぁねぇ……数はこっちが上よ!強行突破だぁ!!」
すでに戦意を削がれた子分に親分は数の暴力で解決しろと指示を飛ばし、自身も厚い刃のナイフを握る。
「リゼットさんは俺の方で対応する、先に囲ってる連中から対応してくれ」
「五郎さん、お願いします!……ウォルフ、一気に行きましょう」
五郎はバトンと盾を構え直すと周りの盗賊達と対峙する。
楓乃も急いで対処しようとウォルフに目配せする。
「任せとけっ……うぉらぁぁぁッ!!」
ウォルフが気合を込めた強烈な突きを放つと盗賊の体は軽々と吹き飛ばされ、
壁に埋め込まれたワイン棚に強かに打ち付けて地に伏せる。
「勘弁しろよな、これでも手加減してんだぜ?」
思った以上に吹っ飛ばされてウォルフも苦笑いを見せる。

「リズ、すぐ行くからな!」
アンリの得物は刺突に特化した大剣だが、ウォルフと同じように突けば間違いなく盗賊に大きな風穴が空くだろう。
大剣で平打ちして殴打しながら数の暴力に対抗する。
「これ以上イタイ目見たくなかったら大人しくしろ、上も機動隊が包囲してるんだぜ?」
「ヒ、ヒェェェ……!」
ウォルフとアンリの奮闘もあり、半数以上が気絶されると盗賊団の戦意はほとんど喪失していた。
カランカラン、とナイフを落として脱力した者には楓乃とリゼットが手を拘束して落としたナイフも回収する。
「く、くそぉ……!!」
親分はギリリと顔を醜く歪め歯噛みすると、持っていた分厚いナイフを叩きつけて両手を上げた。

……制圧完了である。

◆成果報告
すぐに五郎が上階の機動隊を呼び寄せ、盗賊団の身柄を拘束すると豪邸跡地から連行していく。
捜査官も本部から豪邸跡地まで移動してきたようで、外に出るとすぐに声をかけてきた。

「ご協力感謝致します、怪我はありませんでしょうか?」
「なんとかなぁ、オーガと勝手が違うからやりづらかったぜ」
アンリはグリグリと自身の肩を揉みながら疲れた声を漏らす。
「同じ人間……と、考えれば確かに相手も考えて動いてくるものですよね」
「人間相手は警察の主な担当ですから、オーガのように体力がない分を悪知恵でカバーしてくるんですよ」
楓乃は相手が予想外の動きばかりをするので『相手ならどう動くか?』と考えた方が良かったかと反省。

「して……彼女の働きはどうでしたか?どうも戦闘狂の気があったので心配だったのですが」
「悪くはない、んじゃないかしら?」
リゼットは弓が有効に機能できないと悟ると五郎の後ろから様子を見て拘束出来そうな盗賊に目星を付けていた。
レジーナはあの後、リゼットを狙っていた盗賊を気絶させて回っていた。
「たださ、持ってたのってコネクトハーツだろ?五郎と一緒に動かねぇと機能しねーぜ?」
「……ふむ」
ウォルフはレジーナがコネクトハーツを持っていたことを思い出し、機能を有効利用出来ていないと捜査官に伝える。

コネクトハーツは単体での威力は大したことはないものの、神人が攻撃した後に精霊も攻撃することで威力を増幅させるのだ。
しかしレジーナの後に五郎は続けて攻撃できる状態ではなく、リゼットを狙って近くにいた盗賊の相手をしていた。

「どうやら、皆さんとは連携を取れているようですね……問題は肝心の大文字巡査長と息を合わせる気がないというところでしょうか」

警察……もとい、政府は『レジーナがウィンクルムとして機能するか』を査定しているようだ。
今回はA.R.O.A.所属のウィンクルムと連携が取れていたことに評価は出たものの、
自分達のウィンクルムとしての行動に難があるという結論だ。

レジーナの懲役は3年ほど短縮された。
残りの懲役は27年、先は長い。



依頼結果:成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 木乃
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル 戦闘
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 2 / 2 ~ 4
報酬 通常
リリース日 02月28日
出発日 03月09日 00:00
予定納品日 03月19日

参加者

会議室

  • [7]楓乃

    2015/03/08-19:32 

    >私達がまず盾になって先行すると伝える
    オーガがいる可能性があるので、私達がまず先に…と言えば
    警察の方も納得してくれそうですね…!
    伝え方って大事ですね。

    そうですね…。
    柔軟に対応できるようにあまりかっちりと決めすぎない方がいいのかもしれませんね。
    ご指摘ありがとうございます!

    出発まで時間も無いので、一旦今話合えた状態でプランまとめてみますね!
    リゼットさん、アンリさん!改めてよろしくお願いします!

  • [6]リゼット

    2015/03/08-17:15 

    機動隊の人たちが私達の思うとおりに動いてくれるのかどうかはわかりませんが
    オーガがいる可能性がある以上は、建物に踏み込むときには私達が先頭について
    もし地下にオーガがいた場合に備える、というところでしょうか。
    人間だけだった場合はこちらの人数が多い方が捕縛にも有利ですし。
    建物の状況も敵も曖昧にされている今回のような場合は、あまりこれと決めてかかるよりも
    それなりに柔軟性を持たせておいたほうが潰しが効くと思うので。

    警察の人に対しても入ってくるな!よりは、私達がまず盾になって先行すると伝えるほうが
    心情的に向こうも協力してくれやすいでしょうし。
    こちらもうまく相手を利用したいですからね。

  • [5]楓乃

    2015/03/08-11:14 

    そうですね。
    各個、全力で目の前の敵を対処ということを基本にプランは練りますね

    豪邸跡地での戦闘をどうするか考えていたのですが、
    機動隊の方々には盗賊がドア以外の場所から逃げ出したりしないように
    豪邸を全方位取り囲むように待機してもらう。
    私達とレジーナさん、大五…ごほん、大文字五郎さんで建物の地下へ向かう。
    というのはいかがでしょうか?

    ワインセラーがどれほどの大きさかが分からないので、
    (下手するとまともにその場で戦えない可能性があるので)
    事前に警察の方に見取り図があったら見せていただけないか確認をとるのがいいかもしれませんね。
    まずは大文字五郎さんに伺ってみて、彼が持っていないのであれば、
    ローラー作戦を取り仕切っている方を教えてもらって尋ねてみましょうか。

    もし見取り図を見て戦えるスペースが無いようならば、
    地下から各個誘き出して、囲まれないような階段などで一人ずつ撃破というのもありなのかなって。
    やや戦い難いかも知れませんが、こちらが階段の上側に居れば下にいる敵の動きも把握しやすそうです。

  • [4]リゼット

    2015/03/07-20:56 

    最後の砦…そうですね。
    でも頼りすぎも良くないので
    捕縛については状況的にそう仕向けられるような余裕があるときには、という感じでしょうか。
    私達のフォローをお願いします、なんて具体的に伝えてしまっては
    プライドを傷つけかねないので、全力で目の前の敵に対処するのが基本ですね。

    デミオーガへの対応は私も特には考えていません。
    敢えてあげるならデミであればトランスしなくても倒せるということですから
    対人戦ではアビリティの使用を控えてMPを温存しておく、くらいでしょうか。

    現状アンリもウォルフさんもハードブレイカーですから
    力技で圧倒していく形にはなりそうですね。
    ただ、相手はこちらを殺すつもりでかかってくるでしょうから
    油断しすぎてもいけないと思うので、武器は通常通りの両手剣を持たせるつもりです。

    私は弓で致命傷にならないような場所を狙って援護をしようかと。
    といっても攻撃メインというよりも索敵や戦場の状況の把握の方を重視して動きます。
    記憶スキルで事前に地形を頭に入れられたらいいかなとも考えています。

  • [3]楓乃

    2015/03/07-08:33 

    リゼットさん、アンリさんお久しぶりです。
    ご参加ありがとうございます!とても心強いです。
    私もレジーナさん達のことを信じて、任務成功できるよう頑張りたいと思っています。

    そうですね。
    目的は敵の捕獲(盗賊団)か討伐(デミ・オーガ)とはっきりしているわけですし、
    どちらの場合にしろ警察のローラー作戦の前線に同行させていただけると動き出しやすいですね。

    レジーナさんの功績を立てやすくするように動く…なるほど。
    私にはそういった考えが無かったので、とてもいい視点だなって思います…!

    「取り逃がしそうな時のフォローに入ってもらう」というのはいいですね。
    ええと、そうですね。
    フォローというよりは、最後の砦になっていただくという感じが近いでしょうか。
    (その後ろに更に他の警察も控えているだろうし最後、というのは正しくないんでしょうが)
    何重にも網を広げていた方が敵の取りこぼしはなさそうですよね。

    それと、「あえて弱らせて捕縛」という方は出来ればぐらいで考えたいなって。
    私達、人との戦闘やたくさんの仲間と行動する任務は初めてなので、
    お恥ずかしいところ、正直あまり余裕が無さそうなんです……。
    対人、しかも盗賊団となると、こずるい手とか使ってきそうな気がしまして…。

    あ。それと「敵」のことですが、盗賊団であるという方向でプラン埋めるということで大丈夫かと思っています。
    事前に警察も色々と調査していると思いますし、デミ・オーガの姿を見た人もいないということでしたし…。

    盗賊団との戦闘ですが、ウォルフだけじゃなくて私も戦闘に参加するつもりです。
    精霊と比べるとあまり動けないのは事実なのですが、後ろで待機してたりすると、
    敵からいい標的にされちゃうんじゃないかと思ったのですよね…。
    なので、私も一緒に頑張りたいと思います…!

    それと装備は殺傷力があまり無い物を装備するようにしますね。
    ウォルフは斧を装備していることが多いので、それだとオーバーキルしちゃいますもんね…。
    お巡りさんが見てる…!!

    ウォルフ:
    見ててもやらねーだろ…。
    お前それ、言いたいだけか。

  • [2]リゼット

    2015/03/06-09:36 

    遅ればせながら参加させていただきます。
    パートナーはハードブレイカーのアンリ。よろしくお願いしますね。

    私たちの他にも(NPCの)ウィンクルムは参加しているみたいだから
    今回ここに集まった私たちはまとまって行動した方がいいかしら。
    みんなで協力してレジーナさんたちが功績を立てやすくするように動ければベストね。

    私たちで先行して潜んでいる敵をあぶりだして
    ある程度弱らせたところをレジーナさんたちに捕縛してもらったり
    私たちが抑えそびれて取り逃がしてしまいそうな時にフォローしてもらうとか
    そういうことなら他の人の目から見ても手柄だと捉えられやすいんじゃないかと思うわ。

    あとはなるべく早く豪邸跡地に着けるように
    警察のローラー作戦の前線について行動するのがいいでしょうね。

    私は今回、レジーナさんたちを信頼して行動していいと思っているわ。
    もしなにかしたら…とかそういうことを考えて(プランに織り込んで)いると
    言葉にしなくてもどうしても行動に出てしまいがちだもの。
    A.R.O.Aを、同じウィンクルムを信頼してもらって、これから一緒に戦っていきたいと考えているわ。

  • [1]楓乃

    2015/03/04-00:42 

    一番乗りですね。

    何をするかまだ考えれていませんが、
    気になってしかたがなかったので参加しました。

    考えながら他の参加者さんがいらっしゃるのを待ちますかね。

    お巡りさんがみてるよ!!


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