隻眼の悪魔(蒼鷹 マスター) 【難易度:とても難しい】

プロローグ

 ガタ、ガタガタガタガタッ……。

 古びた屋根の板が、激しい風に揺らぐ音が聞こえる。
 ウィンクルムは皆、不安げな面もちで火を囲んでいた。
 小屋の外は猛吹雪。春近いとはいえ、雪深いノースガルドの冬将軍は凄まじい勢いで、この北国がまだ自分の支配下にあることを誇示するようだった。
 しかもこの吹雪は、天気予報にもない突然の事態だった。

「炎龍王の配下の残党か、スノーウッドの森に複数のDスケールオーガの群れがいる」
 その情報を受けて、ウィンクルムたちは森へと討伐に向かった。
 晴れた雪の積もる森で、一同はオーガの群れと交戦し、それほど苦戦することもなく敵を全滅させることができた。

 天候が急変したのはその直後だった。
 吹き荒れる風、横殴りの雪。昼間なのに夜のように暗くなり、景色は一変した。
 ウィンクルムたちは方向感覚を失い、しばらく森をさまよい歩いた。なんとかこの避難小屋を見つけたのは、一時間ほど前のこと。
 避難小屋の中には乾いた薪が残っていた。火を焚いて暖をとり、一同はほっとしたものの、小屋は老朽化が激しく、いつ壊れてもおかしくない状態だった。
 さらには、仲間の一人が、この依頼を受けたときに地元の猟師に描いてもらった地図を広げて、気がかりなことを言った。

 この地図に描いてある避難小屋が、いま自分たちのいる小屋なら、本来帰るはずのルートよりだいぶ外れてしまっている。
 このあたりは、もう氷の牙のテリトリーだ、と。

 氷の牙とは、去年の暮れ、封印石を巡る戦いでウィンクルムたちと戦った、デミウルフのリーダーのことだ。
 通常のデミウルフと氷の牙の違いは、その賢さと統率力にある。氷の牙は地形を利用した狡猾な作戦で戦い慣れたウィンクルムを苦しめ、部下の半分と左目を失ったものの、生きて敗走した。
 その後の噂は全く聞いていないが、仲間を殺したウィンクルムに敵意を抱いていることは間違いないだろう。

 一同のトランスはすでに切れ、あるいは自分たちで消してしまっていた。デミオーガとはトランスなしでも戦えるとはいえ、油断ならない相手と戦うには心細い状況だ。
 避難小屋から近隣の村まで、距離は遠くはなかったものの、大事をとって天候が回復するまでここですごそうと、一同の意見が一致した、そのときだった。

 恐ろしい音を立てて屋根がきしみ、ばりっと破れて崩れ落ちてきた。
 小屋を支える柱が、屋根の上に降り積もった雪の重みに耐えきれず、くの字に折れた。
 一同の頭に肩に、大量の雪が落ちてきて、冷たい烈風が情け容赦なく炎を消し去る。
 一同はなんとかがれきから抜け出した。全員に怪我がなかったのは幸いだった。
 だが、これで「避難小屋にいる」という選択肢はなくなってしまった。

 風は猛烈に吹き荒み、雪は横殴りに叩きつけ、森は夜のように暗い。
 森に、生き物の気配はなかった。
 だが、気配のないことは、何の慰めにもならない。
 狼が獲物を狙うときは、気配を殺して襲いかかるのだから。

解説

●目的
全員無事に近隣の村まで帰還すること。デミウルフの討伐は含まれません。

●状態
全員トランス切れ。怪我はないものの、戦闘の直後に悪天候の中をさまよったため疲労しています。
「晴れた日中、雪の森で複数のDスケールオーガを討伐するために必要な持ち物」は所持しています。日帰り予定でした。

●天候
夕方ですが夜のように暗く、猛吹雪。
命中率や敵発見率などに影響しそうです。

●森の状態
前作で森を覆っていた瘴気は消えていますので、影響は心配しなくて大丈夫です。

●近隣の村にたどり着くために
三つのルートがあります。選んで下さい。

【Aルート】木のまばらな斜面(スキーの中~上級者向けコースくらい)をしばらく登り、登り切ったら同じくらいの距離、斜面を下ります。村へは最短ルートとなります。

【Bルート】雪の深く積もった谷底を通ります。両側は急な斜面になっています。谷川は完全に凍っているので落ちる危険はありませんが、この谷には多くの洞窟があり、雪で入り口がほとんど隠れてしまっているため、足を滑らせると洞窟の中に落ちる危険があります。

【Cルート】木に着雪して、樹氷のようになった森の中を歩きます。敵が隠れる死角が多く、また、同じような景色が続くので迷いやすいです。三つのルートの中でもっとも遠回りで、村に着くのは夜中になるでしょう。

●敵
氷の牙率いるデミウルフの群れが襲撃してきます。いつ襲われるかはわかりません。
前回の戦いで逃げたのは、隻眼となった氷の牙含めてデミウルフが5頭、ネイチャーのウルフが8頭の13頭でした。その後群れに増減があったかどうかなど、正確な状態はわかりません。
また、氷の牙は前回の戦いでウィンクルムの防具の堅さや弓兵の威力、戦い方などを学習しています。

●そのほか
かぶると動物の言葉がわかる「ルンプルの帽子」は、持って行ったことにしてもOKです。※狼の説得は不可能です。

ゲームマスターより

一部でリクエストがあったので、氷の牙再登場です。
前作「氷の牙」は読まなくても問題ありませんが、読んだ方が狼の手の内を想像しやすいかもしれません。

……条件読んで、「鬼か」というツッコミをされそうですが、いえいえ、敵はただのいたいけなデミウルフの群れですので(笑)
前作は「一見あまり難しくなさそうに見えて難しい」依頼でしたので、今回の依頼の方がわかりやすく難しいので、かえって楽かもしれませんね。

とはいえ、これだけですと難しすぎるので、GMからヒントを二つ。

・敵を倒す事は条件に入っていないので、防衛的な作戦をおすすめします。
・前回キーアイテムとなっていた「銃」ですが、装備可能な方がいれば勿論、持ち込み可です。しかし、使いどころを慎重に選ばないと、もしかしたらとんでもないことになるかもしれません。

高い戦闘能力よりも、プランの工夫が問われるエピソードです。
では、お手柔らかに。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)

  「移動は自殺行為に等しい。雪と廃材を使ったかまくらで朝まで暖を取ろう」

俺の判断が皆の命を背負うのだ
頭をフル回転させ積極的にひっぱる
制作や雪塊切出しのコツを指導
俺が基本の形を組む

・小屋隅2壁を壁に活用
・瓦礫を柱とし、板を屋根と壁に乗せ、雪で覆う
・小屋外にも雪を積む
⇒底辺がダイヤ型の、壁に向かったプリン形に仕上がる

・内部は薪を椅子と背もたれに
・カーテンを毛布代用
・入口を内から塞ぎランプ点灯
*退避小屋ならスコップもランプ類もある

アーノに氷の牙の話を聞く
彼のテリトリーだな
奇襲に注意し交代で寝てMPの回復に努めてくれ

持参の小型バーナーで雪を溶かしコーヒーだ
砂糖とクラッカーを添え配る

●襲撃対応はランス欄に



セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  ルンブルの帽子は持って行く。
日帰り予定でも予備1日分の携帯食糧や野外用携帯バーナー調理セットを持ってる。
サバイバルLv5には常識的行動だ。
アーノさんに氷の牙の話を聞くぜ。

セイジの立案で『小屋跡でカマクラを作成、夜明けまで過ごしてからAルートで移動』するぜ。
カマクラ作りはセイジの指示で手早く皆で行う。
作成中は時々帽子も使って狼からの襲撃にも注意する。
汗で体を冷やさないよう留意。
カマクラ待機中2人以上見張りで交代で休み体力回復。

移動時は地図と『デューンの呼び声』で現在位置を確認しつつ皆で固まって進む。帽子も併用し周りの動物達の情報にも耳を傾ける。

敵遭遇時は撃退で。オレは前衛で皆の盾になり刀で攻撃。



ヴァレリアーノ・アレンスキー(アレクサンドル)
  厄介な事になった…


寒さに耐性有だが万全な防寒対策
バーナー、発炎筒、灯り持参

アキの指示でかまくら作成中、オーガ・ナノーカで周辺偵察
敵が居ないか周囲の安全確認
敵襲撃があればかまくらから離れて応戦
かまくら内で一晩休憩
火の番も交代制
迷わぬ様Aルートを覚える
珈琲は頑張って飲む

翌朝皆と固まって行動
斜面なので足元注意
常に周囲警戒
帽子を被り出会った動物達にAルートで避けた方がいい箇所があれば聞く

敵遭遇後は基本防衛
仲間と連携
ネイチャー対応
小刀でネイチャーの目や足を狙い追い払う
氷の牙には発炎筒を投擲
隙が生まれたら深追いせず走って村へ帰還優先

台詞
俺達が恨まれても仕方ないとは思う
お前達と共感出来ても相容れない存在だと



瑪瑙 瑠璃(瑪瑙 珊瑚)
  ここがもし、氷の牙の縄張りなら尚更脱出したい所ですね。
出来れば敵に見つからずして帰りたいものです。

皆さんとかまくらを作って一晩過ごす。
その際、バーナーや暖を取るのにマッチの火を使用。
非常食は乾パンを皆さんに分けながら食べる。
(サバイバルスキル使用)
お湯があればアキさんからコーヒーを頂く。

又は雪を袋に入れ、底をマッチの火で暖める。
お湯がない時、自分達で水を作る為だ。

翌朝、手袋やコートの防寒着でAルートを出発。
皆さんとはぐれないよう、一つに固まって村を目指す。
珊瑚と身を寄せ、木から木へ移るよう慎重に移動。

デミ・ウルフに遭遇したら、カンケツセンで目や口内を狙う。
あくまでも撃退程度で、深追いはしない。



●遭難者の命運
「厄介な事になった……」
 呟いたのはヴァレリアーノ・アレンスキー。彼は以前この付近の森で遭った、狡猾なデミウルフのことを思い出していた。
(爆竹はこの天候では使えないとはいえ……せめて、発炎筒を持ってきていれば)
 狼は焦げ臭い火を恐れる。しかし、「発炎筒」は『普通、晴れた日中のDスケールオーガ討伐には持って行かない』ので、彼もこの日は所持していなかった。
 少年の防寒対策は万全なものの、この身体の芯まで凍り付かすような強風の中で長時間動かずにいたら、いくら北国生まれとはいえ無事では済まない。
 アレクサンドルは非常用に持ってきた携帯用の灯りをともして、ヴァレリアーノの傍に寄りそい、いつ襲ってくるかわからない狼を警戒していた。
「さて、どうするか……このままでいるのは危険なのだよ」
 金髪のファータが行動を促すと、
「かといって、移動は自殺行為に等しい。雪と廃材を使ったかまくらで朝まで暖を取ろう」
 きっぱりとそう言ったのはアキ・セイジ。
 困難なこの状況で、あえて踏破を選ばず、彼はかまくらをつくって一夜を過ごそうと言い出した。皆に、小屋の廃材を利用してプリン型のかまくらを作る作戦を提案する。
 精霊のヴェルトール・ランスは、パートナーの話をよく聞き、同意した上で、
「小屋の中には俺達の役に立つ物があるかもしれない。よく探してみよう」
 と付け加えた。
「俺もセイジの提案に賛成だ。大きなかまくらになるけど、皆で作ればいけると思うぜ」
 こんな時でも臆さず試練に立ち向かう、セイリュー・グラシアが元気に言った。
「作成中、狼への警戒は、神人より聴覚などが高い俺達精霊が気をつけよう」
 赤い長髪のファータ、ラキア・ジェイドバインが提案する。吹雪の中ではあるが、複数の精霊で警戒すればいち早く奇襲を察知できるであろう。
 ヴァレリアーノと同じく氷の牙と対峙した一人である瑪瑙 瑠璃は、一晩を狼の縄張りで過ごすという計画に少しだけ不安げに、
「ここがもし、氷の牙の縄張りなら……長居はせずに脱出したいところですね。
ですが、状況的にアキさんの作戦が最善だと思います。自分たちもかまくら作りのお手伝いをさせて下さい」
「とんかいかく、寒いぜ。こんなに寒いなら、むしろデミ・オーガと戦った方が体温まる……気ぃすんぞ。なまこうやってじーっとしているのが一番寒いぜ。早くはじめよう」
 南国生まれの瑪瑙 珊瑚が手をこすり合わせつつ、沖縄弁混じりで言った。

●人の造りしもの
 風も、雪も、空も、森も。
 全てが狼に味方をする状況の中、ただ一つ、人間に味方する存在があった。
 そう、「潰れた避難小屋」である。
 この【潰れた避難小屋にある資源を活用できるか】が、生き残るための最大のポイントであった。
 セイジとランスが中心となって、潰れた避難小屋を詳しく調べてみると、二人がにらんだ通り、カンテラやランプ、スコップ、古びた毛布、ブルーシートの下に薪など、この状況ではお宝とも言うべきアイテムが次々と出てきた。
 それだけではない。
「これは……発炎筒か?」
 ヴァレリアーノが箱の中にあった筒を見つけた。サバイバル知識に長けたセイリュー、それを覗きこんで、
「ああ……それは発『煙』筒だな。
発『炎』筒は自動車事故なんかの時に使う物で、炎を吹くが、煙はほとんど出ないんだ。
発『煙』筒は山などで遭難したときに使う物で、花火と同じ原理で大量の煙を発して遭難者の位置を知らせる道具だ。
発煙筒が避難小屋においてあるのは自然だな」
 ヴァレリアーノは、これなら使えそうだと直感した。狼は視角以上に嗅覚が鋭いからだ。

 一同はセイジとランスの主導の下、かまくら作りに着手した。ラキアの意見を取り入れ、主に精霊が見張りに立ち、神人が作業する。しかし何もせず長時間いると凍えてくるので、時々役割を交代した。
 セイジは、自分のこの判断が皆の命を背負うという重みを十分に承知し、頭をフル回転させ、積極的に一同を引っ張っていた。制作や雪塊切出しのコツを指導し、基本の形を組んでいく。小屋の隅2壁を壁に活用することで1から基礎を作る労力を減らし、小屋の瓦礫を柱とし、板を屋根と壁に乗せる。それだけでは風に対する強度がないので、掻き出した雪にスコップを押しつけてブロックを作り、周囲に積む。これは同時に、狼の襲撃時にかまくらが壊されないようにする工夫ともなった。

 疲れた身体にむち打ち、全員はよく働いた。汗をかかないように気をつけ、どうしても流れた汗は、珊瑚が用意していたタオルでこまめに拭いた。
 セイリューは時々ルンプルの帽子を被って、狼の声がしないか注意深く耳を傾けた。ヴァレリアーノはオーガ・ナノーカで周囲を偵察することも忘れなかった。狼はいなかった……少なくとも精霊は察知せず、アヒルのモニターにも映らなかった。

 二時間後、かまくらはついに完成した。一同は転がり込むように中に入り、セイジが入口を内から塞ぎ、小屋で見つけた大型のランプに灯をともした。皆、その暖かさと快適さに感動した。
「雪は断熱材とは良く言ったもんだ。十分暖かいぜ」
 ランスは控えめに言ったが、外と比べれば天国と言ってもいい。
 セイジの気配りで、薪を椅子と背もたれがわりに使い、また、毛布が見つかったので、当初毛布代わりに使う予定だったカーテンを床に敷いた。直接座らなくていいので尻が冷えない。
 服についた雪をよく払い、身を寄せ合うようにした。ヴァレリアーノ、セイリュー、瑠璃、珊瑚がバーナーを持ってきていたので、燃料の都合から考えて一つずつ使うことにした。四つもあれば、上手に使えば一晩もつだろう。
 バーナーに火をつける。やがて、全員の凍えた身体が生き返ったように温まった。

●快適な空間
「暖かい。クヌまま寝やさ」
 ほんわりして珊瑚が呟く。
「珊瑚、ここは氷の牙の縄張りだ。気を緩めてはいけない」
 瑠璃は2丁拳銃「カンケツセン」を手に呟いた。出てくるのは温泉水だが、銃の嫌いな狼が驚くかもしれない。
「そうそう、『八匹の子豚が安心してグッスリ眠っていると、狼さんがかまくらをぶち壊してしまいましたとさ』となるぜ」
 霊錫「黄泉塞岩」を手元に引き寄せつつ、茶化すようにランス。
「子豚? 豚がどこにいるんだ?」
 真面目にセイジが反応する。
 セイリュー、二人の会話に吹き出してから、
「真面目な話、こんなにあったかいと本当にそうなりそうだ。大型の狼が数頭がかりでなら、このかまくらも壊せるだろうし。2人以上で見張りして、交代で休んで体力回復しようぜ」
 ランスはぬかりがなかった。かまくら完成時にヴァレリアーノに声をかけ、二人で外にオーガ・ナノーカを仕掛けておいたのだ。風向きに注意しつつ、かまくらの小屋側と、その反対側に一匹ずつアヒルを設置し、瓦礫でカモフラージュする。これは狼に見つかりにくくすると同時に、小型カメラが風や雪に影響されるのを防ぐ工夫だ。
 後は小型カメラの映像をスマホでチェックすればいい。寒風吹きすさむ外で見張りに立たなくてもよい、素晴らしいアイデアだった。

 セイリューが持ってきた携帯用調理セットに雪を入れ、バーナーで溶かし水を作る。セイジがコーヒーを沸かし、砂糖とクラッカーを添えて全員に配る。ランスがバターを振る舞った。コップは避難小屋にあったのを雪で洗ってから使った。
 ヴァレリアーノは砂糖とバターをたっぷり入れてもらったが、苦渋の顔を押し隠すようにして頑張って飲んでいたし(眠れなくなりそうだ)、アレクサンドルはそんな少年にそっと上着を掛けてやっていた。少年は大人たちと混じって一言の文句も言わず作業をしていたが、本当はかなり疲れがたまっているはずだ。
 ランスとセイジは普段は入れないバターと砂糖をたっぷりと入れて飲む。体力の維持のためだ。
 コーヒーは、疲労し、寒さと労働で参った身体に魔法の薬のように染み渡った。
 セイリューとラキアもバターを入れて飲んだ。
「うまいな」
「うん、最高だ」
 どちらともなく呟いて、視線を交わして微笑む。
 珊瑚は氷砂糖を持ってきていた。皆に配ってから、氷砂糖をコーヒーに落とす。彼は瑠璃のコーヒーにも一つ氷砂糖を落とした。ありがとう、と笑んで瑠璃が受け取る。
 瑠璃は温かいコーヒーを飲み終わると、料理が得意なラキアに持ってきていた非常食の乾パンを手渡した。ラキアはその乾パンと、セイリューの携帯食料を使って、チキンコンソメベースの温かいスープおじやを作った。
 食事は皆に絶賛された。皆が腹を空かしていたというだけではなく、味が本当に美味しかったからだ。

 外で吹雪が荒れる中で、文化的な空間と美味しい食事に皆が和んでいた頃、油断なくスマホを眺めていたランスが「狼だ」と囁いた。空気が一気に引き締まった。
 セイジとランス、瑠璃と珊瑚が外に出る。ランスはルンプルの帽子を被り「朝には出て行く!」と叫んだ。
 吹雪の向こうに見える数匹の影は、何も応えない。ただ悪意を秘めた眼で、じっとこちらを睨んでいる。
「歓迎されるとは思ってなかったが、返事もなしか」
 苦笑して、ランス。瑠璃がカンケツセンを発射すると、水鉄砲に驚いたようにぱっと飛び退いた。そのまま闇の中に去っていく。
 一同は設置した二匹のオーガ・ナノーカの様子を見、吹き込んでいた雪を払ってかまくらに戻る。そして待っていた四人に報告した。
「出来ればこれ以上、敵と衝突せずに帰りたいものです」
 瑠璃が呟く。ラキアも同意して、
「退いてほしいな。森の為にも……可能なら、彼らは狼として存在し続けた方がいい。生態系維持の為にも。
しかし、『氷の牙』はこれで簡単に引き下がるような性格なのか?」
 氷の牙と一度対戦した二組のペアは、互いに顔を見合わせた。やがて口々に、前回の依頼のことを語り出す。
「……というわけで、最初の攻撃は『遠吠えで眠らせない』というやり方だった」
 ヴァレリアーノは一度、言葉を切って、
「だから、今回もおそらく……」

●うろつく影
 少年が危惧したとおり、狼はやってきた。
 吹雪の中では遠吠えは効果が落ちる。それを知っているのか、数頭の狼が黙ってやってきて、かまくらの周りをうろつくのが、オーガ・ナノーカのモニターに映った。
 一同は四人ずつ二組に分かれ、交代制で、一組が毛布にくるまって仮眠をとり、もう一組が狼の対応をすることにした。

 狼が来るたび、かまくらの入り口を開け、対峙する。
 吹雪の中で、数頭の狼は現れたウィンクルムを取り巻くが、一定の距離を保っており、それ以上は近づかない。ただ悪意ある目でじっと人間たちを見ているだけだ。
 狼は亡霊のように、うつろな影のように、ウィンクルムの周りを取り巻いては、声もなく、音もなく、視線のみで無言の圧力をかけてくる。ルンプルの帽子を被って声をかけても、一切反応しない。
 狼は瓦礫を投げた程度では去らなかったが、セイリューの大刀「鍔鳴り」やアレクサンドルの月皇帝「狼」のような大きな武器で威嚇すると、さっと身を翻し吹雪に消えた。
 ランスは魔法弾を使ったが、これは火なので狼には効果が高かった。彼はわざと外して撃った。取り巻いているだけで攻撃してこない狼に直撃すれば、さっきの「朝には出て行く」という台詞の説得力が落ちると思ったからだ。

 狼が消えた後、かまくらの状態とオーガ・ナノーカをチェックし、戻る。
 しかし、数十分たつと、また狼がやってきて、周囲をうろつく。
 ウィンクルムたちは安らげない夜を送った。
 狼はどこか、人の心に原初の恐怖を呼び起こす存在である。不安な、嫌な気持ちが全員に広まった。

 それでも、被害は少ないほうだった。八人いたお陰で、半分が警戒している間、半分はL字型になって毛布にくるまり、仮眠をとることができた。警戒する残り半分も、二匹のオーガ・ナノーカの雪をこまめに払う必要はあったものの、外で見張りをしなくて済んだ。
 アヒルが二匹いてよかった。一匹だけなら、死角が大きく狼に対応しきれなかっただろう。
 ヴァレリアーノは起きている間、地図のAルートをよく見て、道や地形を記憶していた。

 翌朝、明るくなると同時に吹雪もましになり、風は強いものの、粉雪がちらつく程度になった。
 一同の体力は7~8割方回復していた。当初突きつけられた状況の困難さを思えば、素晴らしい状態で夜を乗り切ったと言える。
 夜明けと共に狼の影も消えた。
 出発前に皆それぞれ、トランスが回復していないか試す。セイジとランス、セイリューとラキアはトランスに成功、瑠璃と珊瑚、ヴァレリアーノとアレクサンドルはまだ無理のようだ。

●再会
 瑠璃や珊瑚は暖かいかまくらから出る前に、手袋やコートの防寒着をきっちり着込み、万全の用意を整えた。
 吹雪の一夜を乗り切った一同は、まだ帰り道という困難は残っていたが、表情が明るかった。
「狼もこのまま諦めてくれればいいんだけどな」
 とセイリュー。
「俺もそう願うよ。非常救急セット、一度も使わずに済むといいな」
 そうはいいつつも、油断なくあたりを見回すラキア。
 一同はAルートを選択した。セイリューは地図とデューンの呼び声で現在位置を確認する。
 はぐれないよう、また敵襲に備えて、固まるようにして進む。アレクサンドルはフードを被り、ヴァレリアーノの前を歩く。狼がいそうな木陰だけではなく、木の上など周辺を注意深く見ていた彼は、動物に気がついて声を上げた。
「フクロウだ」
 フクロウも彼らの姿に気がつき飛んでくる。セイリュー・ラキアのペアと、ヴァレリアーノ・アレクサンドルのペアはルンプルの帽子を被った。
《お兄さんたち、覚えてるよ、久しぶり! また氷の牙をやっつけに来たの?!》
 目をキラキラ輝かせて、フクロウ。
「いや、我らは今回は村に帰るつもりだが……」
《なーんだ》
 アレクサンドルの言葉にとたんにテンションが落ちる。
「氷の牙の群れは、今はどうなっているか知っているか?」
 氷の牙の弱点をフクロウから教わったという話を聞いていたので、期待を込めてセイリューが尋ねた。
《ん? あのね、僕、今お腹が空いているんだ》

 前回の依頼と今回の依頼の違い。
 ウィンクルムは賄賂を提供できない。

 フクロウ、一同の食料が乾パンくらいしかないのを知り、ふいっと顔を背けて飛び立とうとした。
「待ってくれ。これから斜面を通って村に帰るんだが、避けた方がいい箇所はないか?」
 ヴァレリアーノがすがるように聞く。
《んー?》
 フクロウ、渋々という感じで、
《そうだね、斜面を通るなら、上り坂もそうだけど、下り坂も気をつけた方がいいよ。じゃーねー》
 まだ天候が十分に回復しない中、出会った動物はフクロウ一羽であった。

●斜面にて
 急斜面を登る際、瑠璃と珊瑚の提案で、固まりつつ、まばらに生えている木から木へと移るように移動することになった。
 木は、うまく使えば奇襲からの盾や、目隠しになってくれる。
 木の有用性に気がついた二人の目の付けどころは光っていた。
 木から木へと伝うとジグザグに登るので、まっすぐ進むより時間がかかるが、足腰に負担がかかりにくいし、滑る危険も少ない。
 アレクサンドルとヴァレリアーノをはじめ、一同は足元に注意しつつ、慎重に進んでいった。彼らは雪崩や遭難の危険に気を配るのも忘れていなかった。
 そう、【Aルートを通る際、雪崩の危険性に警戒できるか】は、隠された重要な要素だった。

 一同は急坂を登り切った。
 皆の息は弾んでいたが、坂の頂点に立ち、雪に煙る村が行く手の坂の下に見えたとき、どれほど嬉しかっただろう。
 猛吹雪で一時は生存さえ危ぶまれていたのに、アイデアとチームワークで困難を乗り越え、自力で村が見える場所までたどり着いたのだ。
 皆の勝利だ!
 ウィンクルムたちの口から歓声が上がった。普段は冷静な瑠璃も嬉しそうだった。
 村まであと少し、一、二時間も歩けば着くだろう。
「気は抜けないぜ。下り坂は上り坂より足腰への負担が大きいから、上り坂以上に慎重にならないと滑るぞ」
 サバイバルとスポーツに詳しいセイリューが注意喚起する。

 一同は坂を下りはじめた。ヴァレリアーノは、アレクサンドルが考え込んでいるのに気がついた。
「どうした、サーシャ?」
「うむ、フクロウの言ったことが気になってな……『下り坂に気をつけろ』とは、どういう意味であろうか」
「さっきセイリューが言ったような意味ではないのか?」
「フクロウは空を飛ぶ。足腰や滑ることを気にするであろうか」
「……あ」
 そういえば。
 ヴァレリアーノも考える。
 考えてみたが、何も思いつかなかった。

 なにか、引っかかる。

 代わりに少年は、氷の牙と対峙した時の事を思い出してみた。
 氷の牙はあの時、自分自身が囮となってウィンクルムの気を引き付け、部下に背後から奇襲させたのだ。
 今、ウィンクルムの気を引くものはあるだろうか。

 ……ある。

 行く先に見える村だ。

 ヴァレリアーノは背後を振り返った。そして叫んだ。

「狼だ!!」

 一瞬の間を置いて。

 叫んだ少年目がけて、隻眼の狼が、背後から猛然と襲いかかった。

●奇襲
 疲労と努力、困難の末、ついに見えた村。
 全員の気が緩んでいた。だから、今通ってきたばかりの場所からの奇襲に反応が遅れた。
 アレクサンドルを除いて。
 狼は少年を斜めに突き飛ばし、少年もろとも、斜面を転がるようにして滑っていく。ヴァレリアーノの前にいた精霊は同じく転がるようにして猛然と狼に追いついた。
 月皇帝「狼」を振りかざす。
 しかし。
 今は完全な体調でない。斧を振り下ろし、狼ともみくちゃになっている少年にもし当たったら。
 狼の牙より、自分の武器の方がよほど危険だ。
 精霊が一瞬ためらう。
 その隙に、神人は襲われながらも素早く、発煙筒に点火した。
 吹き出す煙。火薬の臭いに、氷の牙の隻眼が恐怖に見開いた。
 ばっと離れて距離をとる。
 氷の牙は怒りに燃える蒼い目を二人に向けた。
《次に会ったときは殺す》
 そう言い残すと身を翻し、走り去って行く。

 二人は他のメンバーが駆けつけてくるまで、ぞっとしながらそこに佇んでいた。
 氷の牙は、ヴァレリアーノの防具に護られていない部分、目、鼻、口を明らかに狙っていた。
 ギリギリでガードできたが、もし、もう少し気がつくのが遅かったら、顔を滅茶苦茶に食いちぎられていたかもしれない。

「俺達が恨まれても仕方ないとは思う。お前達と共感は出来ても相容れない存在だと」
 風の向こう、点のようになった狼を見ながら、ヴァレリアーノが呟いた。
「前回の雪辱を晴らしたい所だが次に預けておくのだよ」
 と、アレクサンドルも頷いた。

●村の喫茶店にて
「氷の牙の憤怒は、理不尽な運命への慟哭だ」
 ランスがぽつりと呟いた。
「許してくれとは言えない。……次に会えたら、奴と目を逸らさずに気持ちをぶつけたい。人と獣ではなく命と命としてだ。
昔に戻れないならその運命を引き受ける。場合によっては殺す事で奴の魂を救う」
「殺すのか」
 ラキアは少しためらいがちに、
「俺は、今度遭ったら、瘴気を浄化してデミ化の解除を試みてみたい。彼らは生態系に必要な存在だよ」
 ライフビショップの力でデミ化が解除できるのか。誰も試したことはないが、試す価値はあるかもしれない。
「氷の牙が、一頭だけで襲ってきたぬや、なぜだと思う?」
 珊瑚が訊いた。パートナーが引き取り、
「おそらく……ウィンクルムには力では叶わないと思って、部下を留まらせ、一匹だけで向かってきたのだろう。死を覚悟して、報復するつもりで」
 全員に沈黙が降りた。ただのデミウルフだと思っていれば容赦なく殺せるものを、過去を知ったばかりに、敵への奇妙な共感が皆に芽生えていた。
「やしが、とんかいかく勝ったんだぜ」
 珊瑚が、場を取りなすように明るく言う。
 ここは村の喫茶店。心配して待っていた人たちの大歓迎を受けたあとだ。
 彼らは、大自然の猛威と狡猾な狼に真っ向から挑み、誰一人失うことなく無傷で生還したのだ。
 彼らのチームワークと知恵は讃えられていい。見事な勝利だ!



依頼結果:大成功
MVP
名前:アキ・セイジ
呼び名:セイジ
  名前:ヴェルトール・ランス
呼び名:ランス

 

名前:ヴァレリアーノ・アレンスキー
呼び名:アーノ
  名前:アレクサンドル
呼び名:サーシャ

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 蒼鷹
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル 恐怖
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても難しい
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 4 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 02月24日
出発日 03月05日 00:00
予定納品日 03月15日

参加者

会議室

  • [27]瑪瑙 瑠璃

    2015/03/05-00:00 

  • プランは提出済みだ。
    巧くいきますように!

    相談等、皆さんお疲れさまでした。
    (チョコをもぐもぐ)

  • >瑠璃
    成程。そういう事だったか。
    万が一遭難した時もことも考え、インカムなど持っていたらいいんだろうが…
    雪山で使えるのかが微妙なところか。

    あとアキは雪崩の警戒の促し感謝する。
    俺の方も注意しておく。

  • [24]アキ・セイジ

    2015/03/04-22:35 

    【A】移動について一点追記しておくよ。

    大きな炸裂音や破裂音による雪崩の発生には注意だ。
    前日が晴れていたことから積雪の下部が地熱で緩んでいる可能性があるからだ。
    雪がやんで晴れたら危険度がさらに増す。移動時の頭の片隅においておくといいかもな。
    (PL:心配しすぎかもしれませんが、雪山には目に見えない危険が沢山あるのです。)

  • [23]アキ・セイジ

    2015/03/04-22:26 

    プランは書けたよ。
    うまくいっていると良いな。一息つこう(コーヒーに一口チョコレートを添えて机の上に並べる

    サイコロA*3=チョコ数

    【ダイスA(10面):4】

  • [22]瑪瑙 瑠璃

    2015/03/04-22:16 

    >ヴァレリアーノさん
    いえ……。
    どちらかというと仲間の誰かが万が一遭難した時、その人の足跡を手がかりに捜し出すという意味でした。

    けれども、今回の目的を考えると、むしろ余計な事はしない方がいいと思いました。
    なので、深追いはしないこと前提で近隣の村まで戻ります。

  • [21]アキ・セイジ

    2015/03/04-21:31 

    撃退で深追いはしないスタンスで統一できそうだな。良かった。
    相手が帰らなかったら殺すしかないけれど…。
    デミオーガを元に戻す方法ないのかね、これ(苦渋

    では、背後がネオチしないうちに書かせてくるよ。

  • >瑠璃
    敵が逃げたら追いかけてある程度撃破したら、来た道を雪に残った足跡で辿るといった意味か?
    もし可能だったとしても今回はそこに労力を割かない方がいいと思う。
    全員無事に村へと帰るのが目的だからな。深追いはしない方がいい。
    また、天候が荒れたままで雪が降っていたら足跡は消えているだろうし。

  • [19]瑪瑙 瑠璃

    2015/03/04-20:03 

    アキさん、コーヒーの振る舞いありがとうございます。
    恥ずかしながら、自分も珊瑚も砂糖入りで頂きます。

    氷の牙達は、自分達も 撃退 する考えです。
    セイリューさんの言う通り、撲滅まで考えると、遭難するかもしれませんので。

    ……ん?思ったのですが、
    遭難しても、雪を踏んだ足跡で辿ることは出来ないのでしょうか?

  • >アキ
    珈琲、ありがとう。お湯が沸かせるようなら頂きたい。
    (珈琲…実は苦くて飲めないのだが、子供扱いされたくないので砂糖を入れて飲む)

    襲撃の対応だが俺達も「撃退」で。
    今回は追い払う方向で動き、深追いはしない。村へ帰還の方を優先する。

  • かまくらの形状変更は了解した!
    襲撃への対応は基本「撃退」かな。
    救急セットはオレ達大体いつも持っているけど、
    負傷しない方が良いに決まってる。
    敵を深追いすれば遭難する可能性もあるし。
    自然の脅威が一番怖いからな。

    言い忘れていたけど、オレ達2人も銃は無いぜ。

  • [16]アキ・セイジ

    2015/03/03-23:52 

    横倒し三角柱からダイヤモンド底辺台形型への形状変化で一寸手間は増えるけど、
    最初の形より暖かくなるし、真ん中付近でお湯も沸かせる形だから、居住性は高くなるよ。

    俺は、コーヒーつくって皆に振舞うよ。
    バター落とすか砂糖入れるかは個人の好みで。
    俺はいつもはブラックだけど今夜は入れるよ。体力維持のために。

    襲撃への対応も決めておこうか。
    基本スタンスは「殲滅」ではなく「撃退」でいきたいと思ってるけどみんなはどうかな。

  • 瑠璃は俺の方こそ氷の牙では世話になった。今回も宜しく頼む。

    またかまくらの形状変更の件だが了解した。
    手間は多少かかるだろうが、一晩何とかやり過ごしたいと思う。

  • [14]瑪瑙 瑠璃

    2015/03/03-23:05 

    遅ればせながら瑪瑙瑠璃です。ヴァレリアーノさんは、氷の牙ではお世話になりました。
    アキさん、セイリューさんもよろしくお願いします。

    移動ルートがAである事、かまくら(形状変更の件は賛同します)を作って吹雪を凌ぐ、
    その際に暖を取る道具も持参することは自分も賛成しています。
    かまくら作りは是非とも手伝いさせて下さい。

    銃に関しては、正直カンケツセンしか持っていません。ちなみにそれぞれ所持してます。
    かといって、即席で木の鉄砲やパチンコを作れるかも今のところ、わかりませんね。

  • [13]アキ・セイジ

    2015/03/03-22:45 

    人数が増えたな。よろしくな。

    八人だとかまくらの形状を変更する必要があるので訂正する。
    基本的な作り方は同じだが、板を壁の平面に向けて立てかけるのではなく、壁の角に向かって立てかけたい。
    しかも壁に完全に届かせるのではなく、壁の手前で下から柱で支える形にしなくてはならない。
    柱は建材と板で、なんとかしよう。
    天井は薄い板を横に渡して、その上に雪で覆いをかける形だ。
    最初の案だと上から見たら長方形、訂正案だと上から見たら「ブリリアントカットのダイヤモンド」の形になる。
    八人がIの字型に並ぶよりL字型で固まる方が暖かいしな。
    柱を作り横に広がる天井を作る分、手間は増える。
    が、内部の空間も広くなる。

    なので、「人数増に伴うかまくらの形状変更と、製作工程追加」を承諾して貰えたらと思うよ。

  • ふむふむ。翌朝に移動だな、基本方針は了解だ。
    長距離移動する時でも
    食糧を1日分余分に持っておくのは基本中の基本だし。

    移動する際はなるべく固まって移動は賛成。
    分散したら遭難の可能性が高まるから。
    狼達への対応も基本防衛。
    ある程度追い払ったら村へ急ぐ方向でオレ達も行動。
    生態系への影響を考えるとネイチャーの狼は殺さずに行きたい。
    デミになってしまった狼達にどう対応するかを悩んでいる所。
    自分達が無事に帰還する事を最優先にするなら、
    狼達が自ら引いてくれるのが一番良いのだが。

    そして瑪瑙さん達、今回もヨロシク頼むぜ!

  • アキは回答感謝する。あと犬の件もそう言ってもらえて助かった。
    なるほど…アキが言うように作れば問題なく作れそうだな。
    分かりやすく書いてもらえて有難い。
    非常食と…バーナーは持っていく。

    また、方針も【小屋の残骸と雪を活用したかまくらで一晩過ごし、翌朝【A】ルートで移動】で了解だ。
    かまくらにいる際に襲撃にあった場合は、かまくらになるべく被害がいかないよう注意して追い払う。

    あと移動する際はなるべく皆離れず固まって移動で大丈夫だろうか。
    今回は倒すのが目的ではない為、
    「基本防衛。攻撃を仕掛けられたら退治、ある程度追い払ったら村へ急ぐ」方向で俺は動こうと思う。

  • [10]アキ・セイジ

    2015/03/02-20:15 

    >アーノさん
    犬の件、むしろ建設的な提案だったし嬉しかったよ。
    (書き込みを打ち込んでいる間に書き込みがあったので、レスだけ連投になった。)

  • [9]アキ・セイジ

    2015/03/02-20:13 

    セイリューもよろしくな。
    さて、質問の回答といこう。

    >行動の基本方針
    ・方針
    【小屋の残骸と雪を活用したかまくらで一晩過ごし、翌朝【A】ルートで移動】
    …で、決定で良さそうだな。移動せず留まるという通常選び難い選択肢に賛成をもらえて嬉しい。
    天候が回復していなくても夜明けと共に移動する。朝ならいくらか明るくなるからだ。

    ・かまくら
    端的に言えばアーノの質問は「作れるのか?」だな。
    作れる。寧ろ材料はその辺に転がっているので何も無いところでかまくらを作るより早くできる。
    材料は、雪と、さっき天井からドサドサ落ちてきた瓦礫だよ。
    ようするに木材と板が散乱してるんだよ。使い放題だ。

    ・小屋の隅をかまくら設置場所とし、2方の壁をそのまま壁として活用する
    ・木材やレンガを壁の基礎に積む
    ・基礎から壁に向かって寄りかからせるように板を置く(三角形を作る感じだな
     天井の板では長さが足りなかったら床を剝ぎ取れば良い(武器を工具として使おう
    ・雪を建材に被せるように積む(できるだけ沢山積む
    ・入口の三角形を塞ぐように雪のブロックを積んでいく
     *雪は外に沢山ある。避難小屋なら必ずスコップもある
    ・小屋の壁を壁として活用した2方向の屋外にも雪を積む
     *これをやると壁から温度が逃げるのを防げる。雪で小屋の壁を外からガードするわけだ
    ・入口ブロックを数個だけ残し全員がかまくらに入る
    ・入ったら入口に一番近い人が入口ブロックをかまくらがわに寄せて入口を塞ぐ
    ・完成 (・w・)/

    積む雪はスコップでブロック状に切り出して積上げる。積んで押さえてをくりかえす
    注意点としては、汗をかかないように注意すること。汗は体温を奪うからだ。

    かまくらの中では、
    ・避難小屋には停電対策とカンテラやオイルランプの着火のためにあるだろう蝋燭
    ・そもそも避難小屋には有るだろうカンテラまたはオイルランプ
    ・コーヒーを沸かして飲むつもりだった場合持参していたミニコンロ
    ・俺達自身(一人当たり600Wの白熱電球と同程度の発熱をする
    といったもので暖を取る。

    あとは朝まで交代で仮眠をとり体力とMPを回復だ。
    三角すわりで小屋の壁に寄りかかる形だが寝れはするさ。
    食料は鞄の中に各自色々持ってきてるだろ?非常食(カロリーメイトとかチョコレート)さを。

    日帰り任務だろうがなんだろうが、
    「冬の山岳地帯に行くのに、非常食もバーナーももってこない非常識な奴」は、この中には居ないと思っているよ(爽)

  • 連投で申し訳ない。
    狩猟犬の件で貸出可能か心配だったので、俺の方で運営に確認させてもらった。

    結果、今回は「Dスケールオーガを討伐するため」という目的で出発している為、
    特に犬は貸し出されていなかった、との回答なので、狩猟犬を借りるのは不可らしい。
    なので俺達のみで村へ帰還する方法を考えたい。
    余計な提案をしてすまなかった。

  • セイリューは今回も宜しく頼む。
    セイリューの方も文字数に余裕があればそう書いて貰えると有難い。
    また、俺の事はヴァレリーやアレンなど好きに呼んでもらっても構わない。

    >行動方針
    もう一度考え直したが俺は、
    「一晩何とかやり過ごし、天候が回復したら(万が一天候が回復していなくても)次の朝【A】ルートで帰還」を推しておく。

    吹雪の間の移動は確かに危険だし、それに加え真っ暗というのもあるからな。
    時間と労力が不安だったが、ブルーシートがあればきちんと覆うことが出来るかもしれない。
    その間に襲撃も考えられるから気が抜けないといえば抜けないが、多少は体も休まると思う。
    もし暖を取ることになったら、交代制になるんだろうか?

    また、次の朝としたのは夕方よりもまだ視界が良好になっている筈だからというのと、
    日帰り分の荷物しか持っていないのを考慮してそうさせてもらった。

    もっとこうした方が良いとの案があったら遠慮なく言って欲しい。

  • セイリュー・グラシアとライフビショップのラキアだ。
    今回かなり難易度の高い依頼だけれどヨロシク。
    オレ達も「氷の牙についてヴァレリアーノさんに聞く」として良いかな?

    帰還ルートは【A】だな。俺達もそれが良いと思う。
    雪山登山で遭難しかかっているという状況に近いから、
    吹雪の間は移動するなんて自殺行為だと思う。
    雪山は夏であろうとも遭難したら生命に関わる。
    『日帰り予定の依頼で自分達がこの森に行ったまま戻ってきていない』
    ことをA.R.O.A.側が把握しているとは思うし、
    現実的に考えるならセイジさん案の1を推したいところ。
    でもヴァレリアーノさんの示す懸念点への回答はどうなのか、とか
    最終的にヴァレリアーノさんがどういう意見なのかも
    聞かせて貰ってから、さらに対処方法を考えたい。

  • 氷の牙については俺が知りうる情報をアキへ伝えるつもりだ。
    少しは役に立つと思うので、頼りにしてくれて構わない。
    (PL:文字数に余裕がありましたらそう書いて頂ければ有難いです。)

    >ルートについて
    では【A】ルートで帰還する方向で。
    登りの斜面がスキーの中~上級者向けぐらいの斜面だと考えると割と急な斜面だと思うので、
    足元にはかなり注意して進む必要があるな。

    >狩猟犬と網について
    犬については借りれるか分からない為、俺の方で借りる旨をプランに記載しておく。
    指示については狼達から攻撃された場合、ネイチャー(部下)討伐の補助をお願いしようと思っている。
    あまり俺達と離れると危険なので、極力神人の傍にいるようにも指示するつもりだ。
    アキの方でも何か意見があればそれもプランに組み入れる。

    網はそうだな…それでどれだけ時間を稼げるか怪しいのと、
    天候で上手く投げられない可能性も高いと思うので、持参するのはやめておく。

    >行動の基本方針
    俺も吹雪中の移動は相当危険だと思っている。
    アキが提示してくれた1の方針で気になった事があるので、教えてほしい。
    アキの意見次第で俺もどういう方針で行くか答えたい。

    ●壊れた小屋の残骸と雪でかまくら(?)を作って一晩過ごすのか
    今は四人だがもし人数が増えた場合、雪を遮断する空間をかなり広めに確保しなければならない。
    その時間と労力が果たしてあるかという点。

    もし空間を確保中に敵からの襲撃にあった場合、敵をある程度追い払った後、
    再度空間を確保し休憩→天候が回復したら村へ向かうのだろうか。
    また同じ場所で襲われる可能性があると考えると、体力が残っている内に移動した方がいいのではと俺は思った。

    ●天候が回復しなかった場合
    比較的安全な場所で休憩後、天候が回復したらとの事だが、
    回復しなかった場合は次の朝に出発する形になるのだろうか?
    現在夕方だが夜のように真っ暗なので、朝になれば少しは視界もよくなるかもしれない。
    ただ日帰り分の荷物しか持っていない為、
    食料もあまり持ってきてないだろうし天候が回復するまで待機だといつ帰れるか不明なのではと少し思った。

  • [4]アキ・セイジ

    2015/03/01-00:41 

    よろしくなアーノ。

    あの事件に参加していたアーノの知識を頼りにしても良いだろうか?
    (PL:プランで「氷の牙についてアーノに聞く」と書いても良いですか?)

    ・ルートについて
    俺も【A】がいいと思う。
    理由は見通しが良いので奇襲される確率が下がることと、高度差を利用しての襲撃が起き難いからだ。

    ・銃と爆発物と攻撃魔法
    銃は生憎装備できないんだ。基本の魔法は可能だが、疲れてるので期待はしないでくれ。

    ・戦闘について
    犬をつれることは賛成。網は、吹雪の中でどれくらい有効か不安なので一寸よく分からない。移動速度的に逃げるのは厳しそうだなあ。

    ・行動の基本方針についての相談
    吹雪中の移動ハッキリ言って自殺行為だ。
    雪の中に空間を確保してビバークしたほうが生存率は高いと思う。
    雪と小屋の残骸を活用すれば作りやすい。
    きっちり覆えば雪の中の空間は僅かな火で十分暖かくなる。

    目的は「村までの帰還」なんだから、可能なら「ビバークして、天候が回復してから【A】ルートで帰りたい」。

    しかし襲撃が確定だ。テリトリーから離れたいという気持ちもある。
    そんな訳で、大きく二つの方針がある。意見を教えてほしい。

    1.ビバークして、天候が回復してから【A】ルートで帰還する。
    2.若干準備をしたうえで、天候の回復を待たずに【A】ルートで帰還する。
      * どちらの方針も襲撃されたら撃退を試みる。

    ビバークパターンなら、俺がそのビバークをプランで提案する。言いだしっぺとして全力を尽くす。
    踏破パターンなら、防寒対策と警戒に文字をさくよ。

  • 挨拶が遅れてしまってすまない。
    ヴァレリアーノ・アレンスキーとシンクロサモナーのサーシャだ。
    アキは今回も宜しく頼む。
    人数がまだ最大限揃っていないのと、トランス切れな上、皆疲労しているのが厄介だな…
    悪天候に加え奇襲されやすい状態で多少不安が残るが尽力は尽くす。

    >どのルートで行くか
    俺は【Aルート】を推しておく。
    Bは疲労が蓄積してる中、吹雪で洞窟の入り口が隠れてしまっているだろうし、
    洞窟内に落ちたら戻れない可能性が高い。
    またCは一番ルートが長いのもあるが、敵が隠れる死角が多いので、奇襲がされやすいと考えた。
    Aも斜面を登るのは一苦労だとは思うが、最短ルートというのと敵から襲われた場合まだ対処がしやすいと思った。
    アキはどうだろう?

    >作戦
    視界が悪くウルフの正確な数が分からない以上、大多数で集中攻撃されないよう出来れば分散したい。
    網で敵を少しでも足止め出来ればいいのだが。
    また、使えるか不明だが「オーガ・ナノーカ」で偵察して敵の位置や数など把握出来れば、
    道を通る際に注意して防戦出来ると思う。

    銃を持てればよかったのだが、生憎俺達は持てない為、代わりに発炎筒の類を持っていければと思っている。
    敵は「焦げ臭い火」に弱いので、それに相当する物があればいいのだが、アキは何か思いつくか?

    以前、氷の牙と対峙した時に狩猟犬を貸してもらった事があるのだが、
    今回も一緒に連れていけるならかなり心強いんだがな。
    ルンプルの帽子は持ってもいいとの事なので、狩猟犬との会話は可能故。

  • [1]アキ・セイジ

    2015/02/27-00:16 

    アキ・セイジだ。相棒はウイズのランス。よろしくな。


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