カードゲームしよう(うち マスター) 【難易度:簡単】

プロローグ

 ●『ウェポン・マジック』

 夕暮れ時、仕事の時間が終わり、誰もが気の緩むそんな時間帯。
 A.R.O.A.事務所の奥で何やら賑やかな声が聞こえてくる。

「4ターン目、行くっすよ」
 新人女性職員ナカムラが口元に笑みを浮かべてそう言う。
「ふっふっふ、何処からでも掛かってき給え」
 相対する上司の男性職員スギバヤシもまた挑発的な笑みを浮かべている。

 ウェポン・マジック。
 巷で人気のカードゲームの名前で、今現在ナカムラとスギバヤシが遊んでいるカードゲームの名前でもある。

「私は『3点の剣』っす」
「ふはははは、残念だったなぁナカムラ君。俺は『2点の闇』、即ちキミの負けだ」
 ぺらりと伏せていたカードを表に返しながらスギバヤシの笑みは更に深くなる。
「これでナカムラ君が7点、俺が8点……さぁ、最後のターンだ」
「……分かってるっす。私のカードはもう決まってるっすから、スギバヤシさんはゆっくり考えていいっすよ」
「ほぅ、点数がリードされているというのに随分と余裕だな」
 挑発的に不敵な笑みを浮かべるナカムラに対してスギバヤシはカードを選んでいる時、スギバヤシが呼んでいたウィンクルム達がやってきた。

「お、やっときたな」
 ウィンクルム達はスギバヤシ達がやっているカードを指差して「何をやってる?」と聞いた……。

解説

 ●参加費
 400Jr。

 ●ルール
 1~5の数字の書かれた点数カードと武器カードの2種類のカードの組み合わせを場に伏せ、相手と同時にそれらを表に返して勝負をする。
 武器カードの強弱判定の後、勝った方が点数カード分の得点を得る。
 点数カードは1回使えば捨て札になり二度と使えない、武器カードは手札に戻すので何度でも使える。
 これを点数カードが無くなるまで、つまり5回続け、最終的に得点の高かった方が勝ちになる。

 ●武器カードの種類
 剣、槍、弓、闇、光。

 ●武器カードの強弱
 剣は弓と光に強い、槍と闇に弱い。
 槍は剣と光に強い、弓と闇に弱い。
 弓は槍と光に強い、剣と闇に弱い。
 闇は剣と槍と弓に強い、光に弱い。
 光は闇に強い、剣と槍と弓に弱い。光は闇にしか勝てないが闇に勝てば2倍の得点を得る。
 武器カードが同じカードの場合、点数カードの数字の大きい方が勝つ。

 ●戦略(必須記入項目)
 勝負で出すカードの順番を神人と精霊別々に記入下さい。
 【例】 1剣、3弓、5闇、4光、2闇(これだと初手は1点と剣カードで勝負となり、順々に出していき5手目は2点と闇カードで勝負と言うことになります)

 ●対戦相手(必須項目)
 精霊と神人分で1回ずつ、会議室の10面ダイスを振って下さい(振らない場合はこちらで振ります)。
 ダイス目が一番近い人と戦う事になります(自分の精霊と神人が戦う事はありません。
 トーナメント形式で戦っていき、勝つと出番が増える……かと。

ゲームマスターより

休日にカードゲームで遊んでみようの巻(なんか寝てたら適当なカードゲームを思いついた)。
いやぁ、このゲーム本当は1手1手を相手の出すカード見て考えてやる感じなんですが、最初に全部出す順番決めても多分大丈夫の筈です。
普通に剣槍弓カードでじゃんけんをするのか、堅実に闇カードで攻めるのか、敢えて光カードを使っていくのか、という戦略をお楽しみいただければ幸いです。

Q.これハピなの?
A.カードゲームで遊ぶんだからハピなんじゃない?

色々説明しましたが、結局は運の要素が強めのゲームになるので相手の手を読みつつ、楽しくプレイして下さい。

神人と精霊の思考する様子をご堪能出来るように頑張ります。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

羽瀬川 千代(ラセルタ=ブラドッツ)

  カードゲームってあまり馴染みが無かったんだけど
ルールも覚えやすいし、これなら俺にも出来そうかな
…ラセルタさんもやる気になったみたいで何より(ほっと胸撫で下ろし

3闇、1剣、2槍、4闇、5弓

あまり深くは考えず直感に任せて出していこう
最後の一枚は…PGのラセルタさんにあやかって弓を選ぶ
勿論、悔しくない訳じゃないし勝てれば嬉しいけれど
今は他のウィンクルムさんと一緒にゲームが出来るこの時間を楽しみたくて

他の人の試合も見に行けるかな
どちらの手札も見えない位置で、はらはらしつつ勝敗の行く末を見守る

試合が終わったラセルタさんにはお疲れさまと声をかけ
相変わらずどんな場面でも余裕綽々というか…格好良かったよ(ふふ



アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
  ◆札
・初戦
1闇⇒2闇⇒3闇⇒4闇⇒5闇
面白みの無い闇オンリーデッキだと思うだろ?
俺もそう思う

・勝ち進めたら数札はシャッフルして入替え

・決勝に進めたら以下の札
4弓⇒3槍⇒1剣⇒2剣⇒5光
最後位は…ってさ

◆ゲーム前
ランスと剣弓槍と点数札のみで試し勝負
武器札はシャッフルしてランダム

ここに闇と光…か(うーむ

◆ゲーム後
結構楽しかったな
全部一度限り…
成程、それなら相手の残り武器札も読みあえるな
よしやってみるか

武器と言えば、ランスはどれを使ってみたい?
俺は槍。応用性高いしさ
効率的には銃。剣より銃だよ(ふふ

魔法の発動体も剣型のが出来ると良いよな
ランスなら物理打撃もいけると思う

ああ勿論だ
俺がランスを守るよ(にこ



セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  トーナメントで勝ち上がって行くのか。
なら、優勝するトコまでカード順を考えとかなきゃ!
初回4闇、5闇、2剣、3光、1弓
2回目3剣、4光、2闇、1槍、5光
3回目5闇、3闇、1光、4槍、2槍
4回目2光、1剣、5闇、3闇、4弓
初回から強敵相手で身が引き締まるぜ。

後はイメージトレーニングで自分の勝ち続ける姿を想像しまくるだけだ。
大丈夫、勝てる勝てる。
鏡に向かってキリッとした表情で。
今までもこうやって勝ってきたじゃないか!と自分に言い聞かせるんだ。
「オレはリアルラックに賭ける!」(←えっ?)
勝利のイメージを引き寄せるのは大事だぜ?

負けた時は爽やか笑顔で「素晴らしい対戦だったな!」と握手し互いを讃えあおう。



蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
  は?賭け?
フィンより勝ち残ったら…何をして貰えばいいんだ?
家事はやって貰ってるし…思い浮かばない
悩んでいたら勝手に決められ…ちょっと待て、おい!

ゲームが始まってしまったので黙る
こうなったら絶対に勝ってやる

闇カードを使うのが手堅いか?
他の皆がどうだかは分からないが…フィンは闇だらけにはしないだろう、何となく
かと言って、光ばかりで攻めてくるか…
面白さを追求する奴だが…
兎に角、俺は闇カードで固める
後は勘

1闇、2闇、4光、3闇、5槍

フィンより勝ち残ったらガッツポーズ
負けたら真剣に悔しい

約束の罰ゲーム…

…って、冗談!?
何だか凄く悔しい
不意打ちに後ろから抱き付いて驚かせようとしたが
笑われてしまった
悔しい



俊・ブルックス(ネカット・グラキエス)
  ネカの提案に了承はするけど嫌な予感しかしない
勝ちに行くしかない

5闇、1槍、2弓、3剣、4闇

対戦相手には礼を尽くす
勝っても負けても楽しんで、終わったらお互い健闘をたたえる
カードを出す時はなるべく無表情
何かあっても今回ばかりはツッコミはしない、耐える
耐えろ俺!

ネカが対戦中は心の中で応援…なんかあいつ、やけにざわざわしてるな

終了後にカード選んだ基準等をネカに話す
こう言うゲームの場合、初手は様子見する場合が結構あるからな、そこを突いた手札を考えてみた
そういや始まる前に賭けの話したっけ
俺の方が上位だったら…特にお願いってのはねえな
今は傍に居てくれるだけで十分だ
まあ、これからもよろしく頼むぜ、相棒(頭ぽん



 ●新感覚シミュレートカードゲーム『ウェポン・マジック』

 スギバヤシとナカムラに呼び出されたウィンクルム達は簡単なルール説明を受け、ウェポン・マジック専用のゲーム盤を借りて実際にトーナメント戦をしてみる事になった。

「ふーん、トーナメントで勝ち上がっていくのか。どうせなら勝ちに行く。その為にはまず勝ち続ける姿をイメージするんだ。よーし、燃えてきたぁ!」
「セイリュー、君どこまで勝ち上がるつもりなの」
 説明を聞き終え、燃える『セイリュー・グラシア』を『ラキア・ジェイドバイン』はクスクスと微笑ましそうに眺める。

「これは……単純ながら駆け引きの要素もある愉しみ甲斐のあるゲームだな」
 やや目を輝かせた『ラセルタ=ブラドッツ』は楽しげにカードの絵柄を眺める。
 そんなラセルタに相槌を打ちながら『羽瀬川 千代』は笑い掛ける。
「カードゲームってあまり馴染みがなかったんだけど、ルールも覚え易いし、これなら俺にも出来そうかな」

 説明を受けて試しにに勝負してみようと『アキ・セイジ』は『ヴェルトール・ランス』に提案し、軽く対戦してみる。
「剣弓槍の武器カードだけでやると簡単なじゃんけん、そこに闇と光があって点数カードで駆け引きを楽しめる、か……中々面白いな」
「セイジが笑いながら考えてるな……よっし、俺も頑張るぞーっ!」
 ランスはセイジの楽しそうな笑顔を見てニヤニヤしながら気を締めるようにググっと握り拳を作った。

 カードの絵柄を見ながらどう戦っていこうかと考え込む『俊・ブルックス』に、『ネカット・グラキエス』は笑いながらこう提案する。
「今日のシュンはやる気です……。そうだ、良い事を思いつきました。良い成績を収めた方のお願いを何でも一つだけ聞くというのはどうです? 直接対決とは別として、こういう勝負もありでしょう?」
「……嫌な予感しかしないが、まぁいいだろ。だけど俺だってすぐに負けるつもりはないぜ?」
「ふふんっ、その意気や良しです」
 ネカットはニコリといい笑顔で返した事で、俊の不安は更に大きくなった。

「ふふ、あっちで面白い事を話してるな。海十、俺達も賭けをしよう。多く勝ち残った方が何でも一つ言う事を聞くって事で」
 ネカット達のやり取りを聞いていた『フィン・ブラーシュ』が『蒼崎 海十』に悪戯そうな笑みを向ける。
「は? 賭け? って言っても別にして欲しい事なんて無いし、家事はもうやって貰ってるし……全然思い浮かばないな」
「思い付かない? それなら俺が勝ったら海十がオニーサンにキスをする事。海十が勝ったら、俺がキスをしてあげよう」
 悩む海十を見てフィンは背中を叩きながらとんでもない事を言った。
「……え? は? なんだそれ、ちょっと待て、おい―――」
「―――それじゃ、そろそろ実際にゲームをやってみるっすよー!」
 慌てる海十を遮るようにナカムラがゲーム開始を宣言する。



 ●海十VSラセルタ

「先ずは海十さんとラセルタさんっす、前に出てきてくださいっす」
 ナカムラの声の後、にやりと悪い顔でフィンは海十の背を押す。
「あ、このっ……!」
「はいはい、ゲーム始まるよ」
 海十は後ろで笑ってるフィンをキッと睨み返すが、ゲームが始まってしまったので黙った。

「よろしく頼むぞ」
「こっちこそ、よろしく頼む(こうなったら絶対勝ってやるからな)」
 テーブルに設置された専用のゲーム盤を前で堂々と挨拶をするラセルタに少し遅れて海十も頭を下げる。
「定位置はそことそこっす」
 ナカムラに指示され、二人はテーブルを挟んで反対側に立たされる。
「それじゃあ対戦開始っす!」

 開始の合図を聞いて、ラセルタはすぐに1点と光を場に伏せた。
「(俺様の戦略は剣槍弓の3種を排し、勝つ可能性の高い闇を中心に点を伸ばしていく!)」
「(……やっぱり闇カードを使うのが手堅いか?)」
 少し悩み、海十は1点と闇を場に伏せる。
「(海十も真剣になったな……やっぱり勝負はこうでないとな)」
 真面目な顔になった海十を見てフィンは楽しそうに頷く。

 お互いのカードがセットされると、ゲーム盤の二人の前に3頭身程度に可愛くデフォルメされた自分に模したアバターキャラ〈映像〉が現れ、伏せていたカードがオープンされると同時に攻撃を放つ。
 ラセルタが選んだカードは光、海十が選んだカードは闇、ミニラセルタとミニ海十は両手を胸の前で重ね、白い魔法弾と黒い魔法弾を作り、それを同時に放った。
 光弾と闇弾は中央でぶつかり合い、海十の闇弾がラセルタの光弾に飲み込まれ、ぶつかるものの無くなったラセルタの光弾がミニ海十を吹き飛ばした。
「おぉ、最初から光と闇のぶつかり合いっすか! 兎も角これでラセルタさんが1点の倍の2点獲得っす」

「おぉぉ、やるじゃないかミニ俺様!」
 自分が得点を獲得した事も相まって、ラセルタは大興奮である。
「へぇ、ミニ海十も中々可愛いな」
 海十が勝っても負けてもいいフィンとしてはどちらにしても楽しそうだ。

 続いて2手目、ラセルタ3闇、海十2闇でラセルタが3点獲得。
 そして3手目、ラセルタ5闇、海十4光で海十が一気に8点獲得。
「ぐ、こういう事もあるか……」
「頑張れラセルタさん……!」
 悔しそうなラセルタをはらはらしながら千代は見守る。
「よし、一気に逆転だ!」
 一転して嬉しそうな海十。
 次の4手目で態とらしく長考をしたラセルタの2光に、海十は3闇で合わせてしまい、ラセルタに4点獲得されまたも逆転されてしまう。
 そして最後の5手目。
 ラセルタ4闇、対する海十は5槍でラセルタが5点獲得し、合計得点がラセルタ14点、海十8点でラセルタの勝利となった。

「はっはっは、俺様であれば当然の結果だろうな!」
「悔しいけど完敗だな……。こうなったらラセルタを応援させてもらうから頑張ってくれ」
「あぁ俺様に任せておけ」
 上機嫌のラセルタと少しだけ悔しそうな海十は最後に握手をしてゲーム盤から離れて行く。

「あっはっは、ドンマイ海十」
 悔しそうに戻ってきた海十を元気付けようとフィンは笑って励ます。
「結果は負けだったけど、楽しかったな……」
 負けたけど何処か満足気に海十はそう言った。

「お疲れ様」
「おう、どうだった千代?」
「相変わらずどんな場面でも余裕綽々と言うか、格好良かったよ」
 柔らかい笑顔で迎える千代の言葉に、ラセルタはそうだろうそうだろうと嬉しそうに応える。



 ●フィンVS千代

「次はフィンさんと千代さんの対戦っす!」
「よっし、それじゃ負けちゃった海十の代わりに俺が勝ってくるからな。約束、忘れるなよ」
「あ……」
 完全に忘れていたらしい海十を置いてフィンはゲーム盤の方に。

「それじゃ、今度は俺みたいだから行ってくるよ」
「千代、全力で行って来い」
「……うん」
 こくりと力強く頷き、千代は前に出た。

「(海十は堅実さを狙って闇カード多めだったけど光でのカウンターにやられている印象だった……それなら俺は博打になるけど光カードを多用してみよう!)」
 対戦が始まり、定位置に着いたフィンはすぐに4点と光カードを出す。
「(ラセルタさんは長考したりしてたけど俺はあまり深く考えても逆に悪い結果になりそうだし、直感に任せて出す!)」
 対する千代も直感で選んだ3点と闇カードを出す。

 ミニフィンの光弾とミニ千代の闇弾がぶつかり、打ち負けたミニ千代が吹き飛ばされる。
「よし! 先ずは8点だ!」
 華麗にカウンターが決まり、フィンは無邪気に喜ぶ。
「これは……派手にやられちゃったな」
 対する千代は苦笑交じりだ。

 2手目、フィン3光、千代1剣で千代が1点返す。
 3手目、フィン1光、千代2槍で更に千代が2点獲得。
 4手目、フィン2光、千代4闇でまたもフィンが4点獲得。

 そして最後の5手目。
 フィンが出す5剣に、
「最後はラセルタさんに肖って弓で勝負だ」
 千代は5弓を選択し、ミニ千代の放つ矢をミニフィンが切り払って接近したミニフィンの剣の一撃でミニ千代は倒れた。
 結果はフィンが17点、千代3点となりフィンの勝利となった。

「負けちゃったよ」
 若干悔しそうな千代の肩をラセルタはポンと叩いて。
「よくやった」
 と、一言。
「うん、ありがとう」



 ●俊VSセイリュー

「次は俊さんとセイリューさんっす!」
 ナカムラに呼ばれた俊とセイリューはどちらもやる気満々と言った感じでゲーム盤の前に着いた。

「よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくっ! 初回から強敵相手で身が引き締まるぜ」
 礼儀正しく頭を下げる俊と本当に楽しそうに武者震いをするセイリュー。

「これでっ」
 俊はなるべく顔に出ないよう意識をしながら選んだカードは5点と闇カード。
「オレはオレのリアルラックに賭ける!」
 対するセイリューは4点と闇カードを勢い良く選び取り、バシッと格好良くセットする。

 ミニ俊とミニセイリューの闇弾勝負は5点の俊の勝利。
「良し、作戦通り!」
 グッと俊はガッツポーズをし、すぐに次のカードを選ぶ。
「える・おー・ぶい・いー・ふぁいとだ、しゅーん!」
 ネカットは俊の気が散らないように小声で応援するが、俊にはバッチリ聞こえていたりする。
「(ダメだ今は突っ込むな、耐えろ俺。対戦に集中するんだ……!)」
 と、物の見事に俊の気を散らせる事になっている。

 そして2手目、俊1槍、セイリュー5闇でセイリューが5点取り返す。
「まだまだっ!」
 飽くまでも勝つ事だけを考え、セイリューは次のカードを選ぶ。
「頑張れセイリュー」
 対戦も白熱し、静かに観戦するラキアも手に汗握る。

 しかし3手目、俊2弓、セイリュー2剣、綺麗に矢を弾き返してからの剣での切り返しで俊に2点獲得され。
 4手目、俊3剣、セイリュー3光でカウンターが失敗し、俊が3点獲得。
 5手目、俊4闇、セイリュー1弓で俊が更に4点獲得。
 これで合計得点が俊14点、セイリュー5点で俊の勝利となった。

「か、勝った……!」
「負けたかーっ! でも楽しい対戦だったぜ」
 終始セイリューの勢いに押されていた俊はホッと息を吐き、負けたセイリューは爽やかな笑顔で握手をし、清々しくゲーム盤から離れていった。



 ●セイジVSラキア

「次の対戦はセイジさんとラキアさんっす!」

「漸く俺の番か……」
 ナカムラに呼ばれ、セイジはカードを手に立ち上がる。
「セイジーがんばれー!」
 後ろでは諸手を振ってランスが応援をする。
 その様子に少なからず元気を貰い、セイジはゲーム盤に着く。

「セイリュー、行ってくるよ」
「おう、頑張れラキア! 小難しい事は考えずに勝つ事だけを意識するんだ!」
「あはは、君のそのポジティブ思考がとっても羨ましいよ(セイジさんはこういう勝負はとても強そうだからね、勝てる気がしないけど頑張ろう)」
 セイリューの励ましに苦笑で返し、ラキアもゲーム盤へ。

「俺の戦略は既に決まっている!」
 迷い無くセイジの選んだカードは1点と闇。
「何となくこれがいいと啓示が……(ハッ、セイリューの思考に段々と俺も染められて来ている!?)」
 対するラキアも即断で5点と光を選択。

 ミニラキアは華麗に光弾でのカウンターを決め、ミニセイジは吹き飛ばされる。
「おぉ、10点も獲得出来た!」
「……こういう事もある、か」
 まさかの大量得点に驚くラキア、その様子を見ながらセイジは仕方ないとすぐに頭を切り替える。

 2手目、セイジ2闇、ラキア4光でまたもカウンター成功で8点獲得。
 3手目、セイジ3闇、ラキア3光、3連続カウンター成功で6点獲得。

「む、完全に裏目になってしまった……か?」
 まさかまさかのラキアの3連続カウンターにセイジの顔は曇る。
「うぉぉ、すげーぞラキア!」
 ラキアの連続得点にセイリューは大興奮。
「まぐれだよまぐれ……」

 続く4手目、セイジ4闇、ラキア2剣、漸くセイジ4点獲得。
 そして5手目、セイジ5闇、ラキア1闇でセイジ5点獲得するが、合計得点ではセイジ9点に対してラキア24点と大差が付いてしまった。
「負けてしまったけど楽しかったよ、ありがとう」
「こちらこそありがとうございました」



 ●ネカットVSランス

「次はネカットさんとランスさんっす」

「それじゃシュン、行ってくるよ」
 そう言ってくるりと優雅にネカットはゲーム盤の方へ。
「頑張ってこい」

「闇だけって面白み無いなぁ」
「俺もそう思う」
「そう思うのに闇だけなのな」
 あっさりとしたセイジの返しにランスは思わず苦笑する。
「光を複数使われたら負けるのは仕方ない、元々そう言う戦略だったからな」
「へへっ、それじゃセイジの代わりに俺が頑張ってくるぜ!」

「(駆け引きのゲームとは言え、運の要素が多い……ならばっ、敢えて何も考えない!)」
 悩む素振りを見せつつ、ネカットは自分の指運を信じて1点と剣カードを選ぶ。
「(俺はセイジとは違うカード全部使ってみるぞ)」
 ネカットの素振りをまるで気にせずランスは2点と剣カードを選択。

 ゲーム盤中央でミニネカットとミニランスの剣がぶつかり、力負けしたミニネカットが弾き飛ばされる。
「良いぞーミニランス! 先ずは2点先取だ!」
 グッと小気味良くサムズアップするランス。
「(声に出すのは恥ずかしいから心の中で応援……なんかアイツ、様子がおかしいぞ)」
 ざわ……ざわ……。
「(私の作戦は飽くまでも揺さぶり、です!)」
 ネカットはプレッシャーを放つようにゆっくりカード選択をする。
 2手目、ネカット3槍、ランス1光でネカットが3点獲得。
 3手目、ネカット4光、ランス3槍でランスが3点獲得。
 4手目、ネカット5闇、ランス5闇で引き分け。
 そして5手目、ネカット2弓、ランス4弓でランスが4点獲得。
 これにより合計得点はネカットが3点、ランス9点でランスの勝利。

「んー、負けてしまいましたか」
 がくりと膝を付いて倒れるミニネカットを少しだけ悔しそう見ながらネカットは素直に負けを認めた。
「ありがとう、楽しかったぜ」
 結果としては6点差だが、意外と僅差の戦いにランスも満足気だ。

「うーん、直感〈適当〉で選んだのですがダメでした。シュン、勝利の秘訣はなんです?」
「やっぱり直感だったのかよ! こういうゲームの場合、初手は様子見する場合が結構あるから、俺はそこを突くようなカードを選んでみたら上手い事ハマった形だな」
「おぉーシュンにしては考えられてますね」
「おい、どういう意味だそれ!」



 ●フィンVSラキア

「準決勝は勝ち上がったフィンさんとラキアさんっす」

「(俺はブレずにカウンター〈大物〉狙いだ)」
 1戦目と同様にフィンは4点と光。
「(折角勝ったんだしさっきとは別のカードで行こう)」
 1手目、フィン4光に対してラキアは先程とは別の戦略を取って4槍を選択し、ラキアが4点獲得。

 2手目、フィン3光、ラキア2弓、ラキア堅実に2点獲得。
 3手目、フィン1光、ラキア5光、光と光で2倍にはならないもののラキア5点獲得。
 4手目、フィン2光、ラキア1剣でラキア1点獲得。
 5手目、フィン5剣、ラキア3弓、カッチリと噛み合ってしまいラキアが3点獲得。

 これで合計得点はフィン0点、ラキア15点とラキア完勝の結果に終わった。

「たははー、負けちゃったよ」
「あまり悔しそうじゃないな」
 笑いながら海十の元へ戻ってきたフィンに海十は少し不服そうだが。
「こういうのは勝っても負けても楽しいもんだよ」
 と、フィンに逆に諭されてしまう。
「さて、約束の罰ゲームだけど……」
「……う」
 意地悪そうに笑うフィンに海十は少しだけたじろく。
「ほらほら、俺の方が勝ったぞ~」
 言いながらフィンはくるりくるりと楽しそうにその場で回る。
 海十は意を決して不意打ち気味に後ろから抱き着いて驚かせようとしたが……。
「ふふふ、硬くなっちゃってるよ」
 緊張してる事を看破されてしまい、逆にフィンに笑われてしまった。



 ●俊VSランスVSラセルタ

「最後の準決勝は人数的な問題で俊さんとランスさんとラセルタさんの3人でサバイバルっす~」

「よろしくお願いします(俺の戦略は変わらず、初手で攻める!)」
 俊は5点と闇を選択。
「へへっ行くぜぇ!(全部シャッフルしてランダムに出す!)」
 ランスの指運で選ばれたのは1点と光。
「成る程デスマッチか、面白い!(即出しだ)」
 ラセルタも1点と光を選択。
 これにより、俊は0点、ランスは俊の闇に勝ち2点、ラセルタも俊の闇に勝ち2点獲得。

 2手目、俊1槍、ランス2剣、ラセルタ3闇。
 俊は1点、ランスは0点、ラセルタは6点獲得。

 3手目、俊2弓、ランス5闇、ラセルタ5闇。
 俊は0点、ランスは5点、ラセルタも5点獲得。

 4手目、俊3剣、ランス4弓、ラセルタ2光。
 俊は6点、ランスは4点、ラセルタは0点獲得。

 5手目、俊4闇、ランス3槍、ラセルタ4闇。
 俊は4点、ランス0点、ラセルタ4点獲得。

 合計得点、俊11点、ランス11点、ラセルタ17点でラセルタ、堂々の勝利。

「意外と良い勝負だったな」
「ドンマイです、シュン」
「そういや賭けの話だが……特にお願いってのはねぇけど、そうだな……今はネカが傍に居てくれるだけで十分だ。まあ、これからもよろしく頼むぜ、相棒」
 と、俊はネカットの頭をぽんと叩いた。

「負けちまったよーセイジ慰めてくれー!」
「……熱くなり過ぎだ。まあ、それだけこのカードゲームが面白かったって事かな」
「そうだな、凄く楽しかったな」
「色んな武器札の読み合いは楽しかったな。……武器と言えばランスはどれを使ってみたい?」
「武器かぁ、やっぱり俺はでかい剣を使ってみたいな。一度にドカンと薙ぎ払えるやつ。セイジは?」
「俺は槍、応用性の高さが魅力だよ。でも効率的には銃、銃は剣よりも強しだよ」
「でも……代わりにセイジが俺の剣になってくれるなら今のままでも良い……ぜ」
 ランスは顔を赤らめ、少しだけ恥ずかしそうにそう言った。
「ああ勿論だ。俺に出来るなら俺がランスを守るよ」



 ●ラキアVSラセルタ

「それじゃ決勝戦はラキアさんとラセルタさんっす」

「なんだかんだと言いながらも決勝まで来てしまった(白目」
「ラキアー頑張れーっ!」
 応援するセイリューは後ろの方でブンブンと勢い良く手を振る。
 初手、ラキア4点と槍。

「頑張ってねラセルタさん」
「任せておけ」
 初手、ラセルタ1点と光。

 初手、ラキア4点先取。

 2手目、ミニラキアの2点弓攻撃をミニラセルタは3点闇で矢を飲み込み、ミニラキアを吹き飛ばしてラセルタは3点を取り返す。

 3手目、ミニラキアの5点光に、ミニラセルタは5点闇を合わせてしまい、ラキアが10点を獲得してしまう。

 4手目、ミニラキアは1点剣攻撃、ミニラセルタはカウンター狙いで2点光で失敗、これでラキアが更に1点獲得。

 5手目、ミニラキアの3点弓を、ミニラセルタが4点闇で蹴散らす、ラセルタは4点獲得するが、これで試合終了。

 合計得点はラキア15点、ラセルタ7点でラキアの勝利となった。

「負けてしまったが、中々に楽しい催しだった」
 そう言って身を翻したラセルタは静かに千代の方へと戻っていった。

「お疲れ様」
 戻ってきたラセルタに千代はそっと声を掛ける。
「う、む……良い所まで行ったのだがな」
 先程までそんな素振りは見せては居なかったが、やはりラセルタも悔しかったようで声にいつもの覇気がないように感じられる。
「惜しかったね、今日はラセルタさんの好きな洋梨を買って帰ろう」
「!」
 ショボンと垂れていたラセルタの尻尾がピンと元気になったのを横目で見て、千代は少しホッとした。



 ●優勝はラキア

「勝った……?」
「やったラキアの勝ちだ~っ!」
 勝った本人よりも早くセイリューはガッツポーズで喜ぶ。

「とは言っても優勝賞品とかは無いけどな」
 ゲーム盤を片付けるスギバヤシが申し訳なさそうにそう言う。
「いえいえ、俺もセイリューも楽しめましたしそれだけで十分ですよ」
「……スマンな」

「さ、セイリュー、そろそろ帰りましょうか。夕飯はどうします?」
「ラキアんちで食う」
「はいはい、それじゃあメニューはどうしましょうかね……」
 二人は楽しそうにそんな会話を繰り広げながら帰路に着いたのだった。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター うち
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 4 ~ 5
報酬 なし
リリース日 02月16日
出発日 02月23日 00:00
予定納品日 03月05日

参加者

会議室

  • [9]アキ・セイジ

    2015/02/22-23:19 

    プランは提出できたよ。一息つこう。皆お疲れ様(皿にカード状のウエハースのせてさし出し

    ダイスA*2=ウエハースの枚数

    【ダイスA(10面):8】

  • [8]俊・ブルックス

    2015/02/22-07:20 

    今度こそ確定したな。
    (確定人数勘違いしてました)
    とりあえずダイス目をまとめてみた。

    ※敬称略・順不同
    1
    2
    3
    4 フィン
    5 ネカット ランス
    6 俊 セイリュー
    7 千代
    8
    9 セイジ ラキア
    10 海十 ラセルタ

    こうだな。まあ誰と当たっても楽しくやろうぜ。
    改めてよろしくな。

  • [7]羽瀬川 千代

    2015/02/22-00:18 

    こんばんは、無事に確定したようで何よりです。
    羽瀬川千代とパートナーのラセルタさんです。
    楽しい一時になりますように、皆様どうぞ宜しくお願い致します。

    早速ダイスを振らせて頂きますね。

    ダイスA:神人
    ダイスB:精霊

    【ダイスA(10面):7】【ダイスB(10面):10】

  • セイリュー・グラシアと精霊ラキアだ。
    今回も皆ヨロシク。
    皆で楽しく遊べたらいいな!
    なので早速ダイス振っちゃうぞー。

    ダイスA:神人セイリュー
    ダイスB:精霊ラキア

    【ダイスA(10面):6】【ダイスB(10面):9】

  • [5]蒼崎 海十

    2015/02/22-00:08 

  • [4]蒼崎 海十

    2015/02/22-00:07 

    海十:人数揃いましたね…!よろしくお願いします。
    蒼崎海十と…

    フィン:そのパートナーのフィンです。
    運要素の高いゲームなんだね。こういうのってワクワクするなぁ♪

    海十:楽しみたいと思います。

    ダイスA:神人(海十)
    ダイスB:精霊(フィン)

    【ダイスA(10面):10】【ダイスB(10面):4】

  • [3]アキ・セイジ

    2015/02/21-09:58 

    アキ・セイジだ。相棒はウイズのランス。よろしくな。
    確定は4人から。あと1人。
    ……というわけで、多分誰か入ってくれると信じてる。

    読みあいや駆け引きが不可能で、運の要素が大きいゲームだし、
    一寸した余興に楽しんでいけたらと思う。

    ダイスA:神人セイジ  ダイスB:精霊ランス

    致命的なミス(察して:汗)があったため書き直しました

    【ダイスA(10面):9】【ダイスB(10面):5】

  • [1]俊・ブルックス

    2015/02/21-00:22 

    ネカット:
    わーい、確定しましたっ♪
    というわけで、シュンと精霊のネカットです。皆さんよろしくお願いします。
    私もシュンも、ゲーム大好きなので楽しみです。
    本気で行きますよ!(わくわく)

    俊:
    ……というわけだ。
    いつもはツッコミ役だが、今回ばかりはそうも言ってられん。勝ちに行こうと思う。
    というわけでまずはダイスだな。

    ダイスA:神人
    ダイスB:精霊

    【ダイスA(10面):6】【ダイスB(10面):5】


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