美術館で2人の時間をたのしもう(和歌祭 麒麟 マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

●2人の時間を楽しもう
 首都タブロス市近郊に総合美術館が設立されました。
 タブロス市の芸術家たちの名作と呼ばれる品が、潤沢に展示されています。
 現代アートから写実画まであります。
 種類ごとにエリアが分かれていて、見たいものを、入口でもらえるマップから探すことが出来ます。
 とても広大な敷地面積に建てられた美術館なので、すべて見て回るだけで半日はかかります。
 おしゃべりが出来ないような雰囲気はなく、芸術と触れ合うことを純粋に楽しみに、多くのお客さんが連日訪れています。
 芸術に触れながら、彼とおしゃべりに行ってはいかがでしょうか?
 開館時間7時、閉館時間18時です。
 入館料は150ジェールとなっています。
 設立記念として、水族館のフリー券がもらえます。

●美術館のまわり情報
 周辺には水族館、スイーツ専門店があります。

 水族館は、河でとれる淡水魚をメインに扱っています。
 水族館というと海の魚をイメージしやすいですが、ここでは地元の河に生息している魚介類を展示しています。
 淡水魚だから地味ということはなく、見た目が綺麗な魚や、おもしろい形をした貝もいます。
 釣り体験コーナーがあり、屋内釣り場で釣りを楽しむことが出来ます。
 餌は人工イクラで、触って気持ち悪いということはありません。
 彼に餌を付けてもらってもいいかもしれませんね!
 開館時間10時、閉館時間18時です。
 フリー券なしだと、入館料80ジェール、釣り体験40ジェールです。
 フリー券を持っていると、釣り体験も無料になります。

 スイーツ専門店では、複数のパティシエがいろいろなスイーツを作っています。
 パティシエたちは長い年月の修行をしてきていて、お客さんを喜ばせようと、注文されたお菓子をその場であっという間に作ってしまいます。
 どういう原理かは秘密とのこと。
 自分たちだけのスイーツを作ってもらうことも出来るので、ちょっと話題になっているお店です。
 お店の中は落ち着いた雰囲気になっています。
 大きめのテーブルに、ゆったりとくつろげるソファーが備え付けられていて、のんびりとお話しをするのにもぴったりです。
 甘いお菓子が苦手なお客さんのために、ちょっと大人風味のビター系などもそろえてあって、カップルに人気があるそうです。
 飲み物は紅茶をメインに取り扱っています。
 種類は豊富で大抵のモノは取り扱っています。
 ですが、柑橘系植物オイルを染みこませた茶葉をベースにした、「ほんわかブレンドティー」が一番人気になっています。
 香り、色、味のバランスがとてもいいと評判です。
 紅茶以外にもジュースや珈琲など豊富に取り扱っています。
 開店時間7時、閉店時間19時ですのでデートの途中に寄ってみてはいかがでしょうか?
 料金は合計60ジェールとなっています。

解説

精霊といっぱいお話しをして、仲良くなろう!
美術館や水族館、スイーツ専門店でいっぱいお話をしましょう。
精霊といっぱいお話しすると、今までより仲良くなれちゃうかも!

美術館で芸術に触れながら、精霊とお話ししてみましょう。
感性が刺激されるココなら、精霊の普段とは違った一面が見られるかも?

美術館だけじゃ飽きちゃうという事もありますよね。
大丈夫です。周辺には水族館もあります。
一風変わった施設で、屋内釣り体験が出来ちゃいます。
精霊と協力して釣りをすると楽しいですよ。

お茶したい時は近くのスイーツ専門店をご利用下さい。
あなただけのオリジナルスイーツを作ってもらえます。
紅茶と一緒にスイーツを楽しみながら、精霊との時間を楽しみましょう。

ゲームマスターより

天候、気温を気にしないで楽しめる屋内デートはいかがですか?
お外はまだ寒くて……、なんてアナタにぴったりのデートコースです。
美術館で芸術を楽しみながら、彼とおしゃべりするだけで素敵な時間になります。
お洒落をして彼との時間を楽しんじゃいましょう!
水族館やスイーツ専門店でも2人だけの思い出が作れちゃうかも!?

リザルトノベル

◆アクション・プラン

セリス(三ツ矢 光)

 


セリス(三ツ矢 光)
 


●芸術堪能タイム
『アンリ』は熱心に展示されている絵画に目を通していた。
「ふむ、なかなか、いいな」
 美術に興味があるとは一見思えないアンリだが、美術館の入口で地図をもらって、真っ直ぐにこの場所に来ていた。
(きちんとした格好で、黙っていればそれなりに見えるのよね)
『リゼット』はアンリを見つめながらそう思った。
 アンリはタキシードにチノパンを合わせ、手袋とペアルックのマフラーという格好。全体的に落ち着いた感じで、白い肌と金色の髪が美しく際立っている。
「美術品に興味ないと思ってけど、好きなの?」
 リゼットはワンピースの上にレザージャケットを羽織っている。スカートはフリルが付いていて可愛らしい。ペアルックのマフラーに手袋が仲の良さを感じさせる。ピンクの帽子が紫の髪と合っていた。
「美術品というより、絵が好きかな。見ているとワクワクしてこないか?」
 アンリは子供のような笑顔でリゼットに語りかける。
「よくわからないかなー」
「じゃあこれは? こっちもいいな!」
 アンリは次々と絵を見ていく。
「意外にちゃんと見てるのね……って、裸婦ばかりじゃない!」
「綺麗だ……やっぱり女はこういうもんだよな」
 どこか夢見心地のアンリ。
(もうっ! 変態! 最低! どうせ私は貧相な体よ!)
「まあ、俺は最近控えめも悪くないと思っているが」
 リゼットの方を見ながらアンリはさらっという。
「控えめもって、……馬鹿なこといってないでよっ」
 リゼットは少し恥ずかしくなり、歩調が早くなる。アンリは何がおかしいのか笑いながらリゼットのあとを付いてきた。
 裸婦のコーナーは終わり、風景画のコーナーになる。
 世界各地の風景画が展示されているコーナーだ。
「あー、こういうのって、写真じゃなんでいけないのかって思ったりしない?」
 アンリは裸婦を見てたときとはまるでテンションが違ってどうでも良さそうだ。
「わかってないわね。絵描きの心に映った風景が描写されているのよ。写真と違って、描いた人物の主観が入っているところがおもしろいんだから」
「へー、そういうもんですかねー」
「私はあまり外の世界を知らないから、こういう絵って嫌いじゃないかな」
「リズはお嬢様だもんな。ここら辺の絵で描かれてるような場所には行かないよね」
 絵に描かれているのは、険しい山から登る太陽。他には、極寒の地でまれに見られる自然現象の絵がある。
「普通、こんな場所に行こうなんて人いないんじゃないの?」
「いわれてみればそうだよな、芸術家ってちょっとわからんな。なんで絵のためにこんな場所にわざわざ行くんだろう?」
 アンリは少し興味を持ったように絵を見つめる。
「きっと、見たことないものを探してみたいのね。それで、その感動がこうして絵になるのだと思うよ」
「詩人だなー」
 アンリはリゼットに感心していた。

●水族館は魚でいっぱい
『手屋 笹』は『カガヤ・アクショア』と一緒に水族館に来ていた。
 淡水魚をメインにしているとのことで、ちょっと変わっている。おもしろそうだということで来たのだ。 
笹はワンピースの上にレザージャケットを着て、フリルのスカート姿でお洒落に決めている。ペアルックのマフラーで防寒対策もばっちりだ。
 カガヤはワイシャツにチノパンを落ち着いた色でまとめてきている。ペアルックのマフラーは当然巻いている。
 前評判通り、珍しい色をした魚や、おもしろい形をした貝が豊富な種類展示してあった。ただ、笹がこの場に来た理由は、単に水族館で魚を鑑賞するためだけではない。
 カガヤが身を呈して、笹をデミ・ホブゴブリンの攻撃から守ってくれた事への感謝をいいたくて誘ったのだ。
 お礼を言うだけにわざわざ会いたいとはなかなか言い出せず、こうして水族館にカガヤを誘ったわけである。
 カガヤは何か話があるとだけ笹から聞かされていた。なかなか切り出さないので、カガヤは魚を見て笹が話す気になるまで雑談をしながら見て回ろうと思うのだった。
「笹ちゃんは魚とか好きなの?」
「綺麗なモノを見るのは好きですわ」
「確かにここに展示されてる魚は綺麗なの多いよね。魚屋とかじゃ見ないのばかりさ」
 カガヤは笹を呼んで、浅い水槽に自然をもして展示されているコーナーに連れて行く。
「ここ、おもしろいよ。魚と貝が一緒に展示されてる」
「綺麗ですね」
 間接照明が通路を薄暗く照らし、水槽を明るく照らしているのだ。水面が輝き、魚の鱗が美しくきらめく。
 笹はそろそろ切り出そうと決意を決めて口を開く。
「カ、カガヤ……その……この間は守ってくださってありがとうございました」
 笹はなぜかお礼を言わなければいけないと思ってた。カガヤの行動はウィンクムルとして当然の行動だと頭ではわかっている。
 それでも、どこか落ち着かない。
(なぜ……わたくしは動揺しているのでしょう?)
「ん? お、おう。ウィンクルムだから当然だしな。……でも、ちゃんと言ってもらえると嬉しいな!」
 カガヤは照れくさそうに笑っている。笹はつかえていたモノがとれたかのように、晴れやかな気持ちになった。
「せっかく来たのですから、もっと見て回りましょう」
「おう、そうだな!」
 笹とカガヤは大型淡水魚コーナーに向かった。
 このコーナーでは海の生物も顔負けの巨大な魚が展示されているという。大きな河だからこそ生息できたのだろうと思われるこの魚は、純白の色をしていた。
 鱗は銀のように輝き、他の魚を圧倒する存在感を持っている。
「すごいな」
「こんな大きな魚が河にいるんですね」
「どうやって釣ったんだこれ?」
「網じゃないかしら?」
「網か! こんなかっこいい魚を釣ったヤツはさぞかし驚いただろうな。笹ちゃんみたいにちびっこいと喰われちまうぞ」
「ちびっこいって言うな!」
 カガヤにローキックを放つ笹。
「いたっ、痛いって、どうしたの?」
「もうっ! カガヤは本当に空気が読めませんね!」
 カガヤを一通りド突いて、改めて白銀の魚を眺める。狭い水槽に入れられて可愛そうだなと思ってしまう。
 これだけ体が大きいのだ。河を今でも自由に泳ぎ回りたいと思っているに違いないと感じるのだった。
 リゼットとアンリは美術館でもらったチケットで水族館に来ていた。
 綺麗なモノが好きなリゼットは水族館も楽しみにしている。
「アンリ、見て、この魚、綺麗だよ。熱帯魚みたい」
「こんな魚が河に泳いでいるのか。こうして泳いでいるところを見るのって新鮮だな」
「あ、この大きい子の後ろに小さい子がたくさん隠れてて可愛い」
 群れをなす魚の一種で、大きい個体に隠れるようにして、小さい個体が身を守る特性がある魚である。黄色く鮮やかな鱗が美しい。
 リゼットは次の水槽に移動する。それに付いていくアンリ。
「こいつは泳ぐスピードが速いね」
「速いだけじゃないよ。キラキラしてて綺麗」
「なになに、鳥の攻撃を素早い泳ぎで逃げ切るように進化しているのか。鳥から逃げられるから水面近くを泳ぐと……」
 水面ギリギリを閃光のように泳ぐ魚の姿は美しかった。
 水槽の中に夢中になっているリゼットは魅力的で、アンリは顔がほころんでいることに気がついた。
 照れを隠すように「この魚、うまそうだな」と呟くのだった。
「こんな綺麗な魚を食べたいなんて、はしたないわよ。魚はいいから、つぎは貝を見ましょう」
「はい、はい、こちらですよ」
 アンリにエスコートされながら、リゼットはおもしろい形をした貝が展示されているコーナーに足を運ぶ。
「これ星みたいな形してるわね。しかもつやつやしてる」
「説明によると、この形で岩に体を引っかけて流されないようにしているらしい。表面がつやつやなのは、虫が体に付かないようにだってさ」
「隣のこれはお団子みたいね」
「この貝を何個か横に並べたら、串団子みたいだな。色合い的にも」
「ここの水族館の魚とか貝って地元に生息しているのなんでしょ?」
「らしいな」
「実際に河で見たらもっと綺麗なのかな?」
「見つけるのが難しいと思うけどね。こういう所に展示されているのって、珍しいからっていうのがあると思うんだ。それでも、実際に河で見つけたら、感動はこの場で見ている以上だと思うよ」
 リゼットとアンリはしばらく貝のコーナーを楽しんでいた。

●フィッシング体験
 笹とカガヤは、立ってばかりいても仕方ないと釣り体験コーナーに来ていた。
 釣る魚は小型のモノなので竿も小さい。仕掛けも単純なモノで、道具のレンタルと一緒に釣りの説明が書かれたパンフレットが渡された。
「笹ちゃんは釣りやったことあるか?」
「あんまり、しませんね。カガヤはするんですの?」
「俺か? 俺は結構やるぞ。バーベキューとかするときに現地で調達したこともあるからな!」
「それは無計画というのでは……」
「バーベキューのメインは肉だからいいんだよ。結果的に魚も大漁だったし、問題なしだ」
 ケラケラと笑いながら、折りたたみのイスに腰掛け、餌の人工イクラに針を刺して釣り堀に投げる。投げるといっても遠くに投げる必要はなく、手前に落とすといった感じだ。
 浮きが水面にぷかぷかと浮いていた。
 笹も折りたたみイスを広げて腰掛けると、説明書を軽く読んで人工イクラを針に付けて投げた。
 浮きを眺めているだけというのも退屈なので、カガヤに話を振ってみる。
「この間の怪我はもう平気なんですの?」
「ん? まだ気にしているのか? 大丈夫だよ。俺は丈夫だからな。それより、笹ちゃんに何かあった方が気が気じゃないさ」
「そうなんですの?」
 いたずらっぽく笹はカガヤを見た。
「浮きから目をそらすとアタリを逃しちゃうぞ」
 笹の浮きが水面で踊っていた。
「どうすればいいんですの?」
「竿を軽く立ててみて」
「こうですの? あっ、凄く引いてます」
「今ので針がかかったから、あとは手元で釣り上げるんだよ」
 カガヤは自分の竿を放置して笹の手伝いに回った。
 笹の手に魚の力強い引きの感触が伝わってくる。
「あんまり力を入れると、糸が切れちゃうから、ゆっくりとね」
「ゆっくりとっ」
「よし、もう釣り上げて平気だよ」
「えいっ」
 針に中程度の魚がかかっていた。水面から上げると竿全体に重みが増す。
 素早く、手元まで持ってくると釣ったという感触が得られた。
「釣れました」
「やったね」
「これをどうすれば?」
「まかせて」
 カガヤは慣れた手つきで魚から針を抜くと、水を張ったバケツに魚を入れた。
「どう? 楽しいでしょ?」
「ええ、カガヤはなれているんですね」
「暇つぶしでやる程度だけどね」
 カガヤの浮きが今度は沈む。
「こっちもきたぞ」
 カガヤは慣れた手つきで魚を釣り上げる。
「笹ちゃんより小さかったな」
「まだ時間はたくさんあります。たくさん釣りましょう」
「そうだな」
 餌を付けて再び竿を投げる。しばらくこの単純作業の繰り返しだ。
 言葉を多く必要とすることはなく、魚を釣ることに夢中になれる。
 食いつきがよくて次々と魚がバケツの中に入っていった。
「カガヤ、これからもよろしくね」
 笹はカガヤと目が合ったときそういった。
「こちらこそ、よろしくな」
 笹はカガヤに伝えたいことを言えたことに満足を得られた。
 カガヤも笹と一緒の時間を過ごせて楽しそうだった。
リゼットとアンリは釣り体験に来ている。
 先ほどからリゼットは魚と格闘、否、竿の扱いに苦戦していた。
「なんで、餌が落ちてしまうの! 全然魚が餌を食べないじゃない!」
 うまくいかなくて、イライラが溜まっている様子。
「焦らないで、落ち着かないと魚が逃げちゃうよ」
 アンリはそう言いながら、順調に魚を釣り上げていた。
 それを見てリゼットはさらにイライラが増すのだった。
「そっちと場所変わってちょうだい! きっとこの場所がいけないのね」
「同じだと思うけどなあ」
 場所を変わるアンリ。リゼットは今度こそ釣れると期待して竿を投げる。
 数分後。
「よし、かかった」
 アンリは相変わらずテンポよく魚を釣り上げていく。
「どうして、アンリばかり釣れるの!?」
「そう怒らないで、釣り方教えてあげるよ」
 アンリは餌を針に通すところから、竿の投げ方、浮きの見方を教えた。最後に魚が食いついたときのアタリの取り方まで教えると、リゼットはそこそこ釣れるようになったのだった。
「釣りなんて簡単ね。アンリ、勝負よ。多く釣った方が勝ちなんだからね」
「機嫌がよくなってくれてなにより。今まで釣った分は数えないんだよね?」
「当たり前でしょう、始めるよ」
 リゼットはアンリに教えてもらった通りに竿を投げる。魚が順調に釣れているので、浮きを眺めるのも楽しい。
 アンリはリゼットの反応を楽しみながら、釣りを楽しんでいる。
「魚が食いつくまで待てるようになったじゃないか」
「これくらい、私にかかれば造作もないよ」
「飲み込みが早くて、先生感動だよ」
「これで釣れなかったら『先生』のせいってことでいいわね?」
 アンリは魚のアタリをとって釣り上げる。
「まずは一匹、お先」
「すぐ追いつくんだから」
 リゼットのいう通り、すぐにリゼットの竿にもアタリが来る。
「私も一匹目よ」
「まだまだ、勝負はわからないさ」
 アンリは楽しそうに浮きを眺めていた。
 釣りは一見地味だが、魚を釣る競争相手が隣にいると思うと楽しい。それが戦闘を共にしているパートナーならなおさらだ。
 こうして休日に神人と精霊で出かけるというのは悪くない。
「来たわ」
 リゼットは二匹目を釣り上げる。リゼットの表情は笑顔だ。
 アンリはリゼットの笑顔に見ほれていた。
「あっ、餌持ってかれた!」
「アンリはドジね」
 リゼットは初めこそ慣れない釣りだったが、やり方さえ覚えてしまえば楽しい遊びだった。
 アンリは餌を取り付けると竿を投げる。
「三匹目がかかったよ」
「食いつきがいいね」
 リゼットは始め釣れなかったのが嘘のように、魚が釣れていく。
「よし、二匹目」
 アンリも追いつくようにして、魚を釣り上げる。
「まだ、私の方がリードしているよ」
 釣りが楽しいのかと思っていたリゼットだが、リードして余裕が出てくると、アンリと一緒に釣りをしているから楽しいのだと思い始める。
 気がつくと、アンリはリゼットと釣った数が並んでいた。
 ここまで来ると負けたくないという気持ちもある。それ以上に、この時間をもっと楽しみたいという感情の方が強い気がする。
 なんだかんだで、釣りが出来るように教えてくれたのはアンリだ。がさつなところもあるが、面倒見が良いのだ。
 アンリが多くの人たちから兄貴分として親しまれていることは知っている。きっと、こうした人柄が好かれているのだろう。
 今だけは、アンリを認めてあげたい気持ちのリゼット。でも、本人には絶対にいわない。いつか、アンリともっと仲良くなるときが来たら、また違うことを感じるのだろうかとリゼットは思った。
「もう餌がないから、釣りはここまでだね」
「そうね」
 結果はアンリの方が一匹多かった。
「リズは飲み込み早いよ。短時間でこれだけ釣れるようになるなんて、すごいね」
「アンリがいたからよ」
「ん?」
「アンリの教え方が上手だったって言ったの」
 リゼットとアンリは楽しい時間を過ごしたのだった。   



依頼結果:成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 和歌祭 麒麟
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 2 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 03月11日
出発日 03月19日 00:00
予定納品日 03月29日

参加者

会議室

  • [2]リゼット

    2014/03/18-12:52 

    ギリギリの時間だけど参加するわね。
    美術館だったらうちの駄犬も大人しくしていてくれそうだわ。
    じっくり芸術鑑賞を楽しみましょ。よろしくね。

  • [1]手屋 笹

    2014/03/17-13:17 

    水族館を散策しつつ
    カガヤと少ししておきたい話があります。
    さてどう切り出しましょうか。


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