プロローグ
◆急転直下の大騒動
木枯らしが寒さを強める、時期はもう年の瀬だ。
「いやぁ、こう寒くっちゃ手綱を握る手も凍っちまうってもんよ」
ガタガタと馬車に揺られながら御者の男が両手に吐息をかけながら摩る。
男は郊外の村に生活用品を届けて帰る途中だった。
街道は道沿いに寒さで萎れかけている背の高い草が生えているが、澄み切った空はよく見える。
草原内に開通しているというイメージで良いだろう。
しかし、そんな晴れやかな寒空に『青天の霹靂』が起きる。
『ゴブゴブ!ゴブー!』
「なっ!?」
萎れかけの草陰から突如、何かが飛び出してきた。
(こ、こいつァゴブリンか!?)
男が慌てて振り返ると……一瞬、二本の角が見えた。
「ひ、ヒィィィ!!ま、まさかデミ・オーガかぁ!?」
聞いた話によると『オーガは頭から角が生えており、デミ・オーガも小さな角が生えている』という。
驚いた男が馬車を急加速すると、ゴブリンと思しき影は街道に振り下ろされ御者は無事に首都・タブロスまで逃げ落ちた。
そのまま御者は馬車を走らせ、A.R.O.A.本部まで駆け込んだ。
***
「と言う訳で、今回はデミ・ゴブリンと思しき姿が確認されました」
男性職員は穏やかな笑みを浮かべて、御者の話から今回の依頼の説明につないだ。
「今回は大した被害ではありませんが、放っておけば何をするか解りませんので早急に退治してください。ただ……」
職員はなにか気になるのか、唸りながら首を傾げる。
「御者の方が見たゴブリンは『頭の横に2本の角があった』という事ですが、
《オーガは額に角が生えます》何かと見間違えたの可能性がかなり高いです」
しかし放っておく訳にはいかない。
2本角のゴブリンの正体とは、如何に。
解説
※重要※
この依頼は新人ウィンクル向けです。
経験を積んだウィンクルムの皆さんではかなり物足りないと思いますので、
予めご了承ください。
目的:
ゴブリン5匹の討伐
ゴブリン:
茶色い肌をした醜い小人です。
子供ほどの身長で、愚かで臆病な性格をしています。
廃墟やダンジョン、荒野など人の寄り付かない場所に小さな集落を作っています。
彼らは被害妄想による自衛か、弱いものいじめしたさに人間を攻撃します。
今回は5匹のゴブリンが確認されており、全員が手に棍棒を持っていて2本の角が生えているという証言があります。
見間違えた角は『なにか被っているから』でしょう。
街道:
成人男性の腰くらいの高さの草が街道脇に鬱蒼と茂っています。
ゴブリンの背よりは低いので、じっくり観察すれば何処に潜んでいるかは解るでしょう。
街道は全長10kmで、草原エリアはタブロスから2km進んだ中腹の3km内になります。
注意:
・本部に申請する道具に頼りすぎてしまうと、認可が降りなかった場合に作戦が成立しない可能性がでます。
・ジョブには得意、不得意があるかと思います。
『自分は何ができるか?』『どんな事をした方が連携が取りやすいか?』を考えると良いでしょう。
・神人は戦闘になると何をすればいいか?
戦う精霊にとって必要なサポートも、沢山あると思います。
まずは『出来そうなこと』を考えてみて下さい。
ゲームマスターより
ドーモ、ウィンクルム=サン。木乃デス。
努力・友情・勝利の王道スタイルでアピっていくスタイル。
あ、距離とか時間とか伏兵とか教団とか細かすぎることは気にしなくて大丈夫です。
大事なことは『なにが描写や解説に書かれているか』です。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
フィオナ・ローワン(クルセイド)
戦場は随分冷えるみたいなので 薄手で動きやすい防寒具を準備して身につけていきます また、トランスは、戦いのフィールドに入る前に済ませます ゴブリンへの対処は精霊さんとクルセイドに任せることにして 私はゴブリンが逃げないよう、囲い込む側に回ります もう、震えてばかりじゃいられませんし 私なりに、戦わなくてはいけませんもの 他の神人さんたちと連携を取って動くつもりです |
向坂 咲裟(カルラス・エスクリヴァ)
流石にこの時期の郊外は寒いわね こんな寒い時季にゴブリン達が活動するのは…ご飯がないのかしら? おじさん、大丈夫?背中を勢いよく擦れば暖くなると思うの。擦る? 目標地点に近付いたらトランスね …頬が冷たいわ。やっぱり擦る? ゴブリンの退路を断つ作戦にワタシも協力するわ 敵を逃さないで倒せても、大怪我をしては元も子もないもの…気をつけないとね ただ、怪我をする覚悟は持って臨むわ ゴブリン達は弱い者いじめが好きだけど、臆病な性質を持っていると聞くから、私たち神人だけでも数人で武器を構えていると草むらに隠れてしまいそうね その場合はしっかり観察して隠れ場所を探すわね サキサカサカサは皆と協力してゴブリン達を討伐するわ |
ユラ(ルーク)
手袋など防寒具持参 2本角のゴブリン?? バイキングヘルメットみたいなものでも被ってるのかな? デミじゃないと思うけど、油断は禁物だよね ■戦闘中は草原内を回り込むようにして街道の反対側に移動 戦場を見渡し、逃げ出す奴がいたら他の人と協力して退路を断つように立ち塞がる 相手の動きを見て、特に棍棒の攻撃はなるべく避けるように 可能ならこちらからも攻撃するが、あくまで足止めとしての役割を果たす この間はオーガに突っ込んでいったんだから、それに比べれば ゴブリンなんて可愛いものだよ・・・多分 もしゴブリンが被っている「何か」を落としたりしたら、拾っておきたいな 報告の時にデミじゃなかったですよっていう証拠になるものね |
リセ・フェリーニ(ノア・スウィーニー)
事前にトランスを済ませ ノアを囮として先行させる 敵の意識がカルラスさんとノアに向くように 視認できる距離でアプローチ範囲外からついていく 敵が近寄って戦闘が始まったら急いで合流 戦闘中は敵を観察し、傷の深い敵を攻撃するよう精霊に指示を出す 敵が草むらへ逃げ込まないように妨害するように立ち 逃げるような素振りを見せる敵がいれば 精霊たちに声をかけて知らせる 精霊での対応が難しいようであれば 草むらを背にした状態で街道側へ向かって攻撃 それでも逃げられてしまった場合は 逃げていった場所を確認し、その位置を精霊に伝える 草むらで襲われては私の力では不利になるでしょうから 私自身は深追いを避け 戦況の確認と指示出しを優先するわ |
宮森 夜月(神楽音 朱鞠)
動きやすい防寒着、手が滑らないよう革の手袋 戦闘前にトランス。 神人はゴブリンたちが逃げ出さないよう、 ユラさんと一緒に退路を断ちに回る。 周囲を見渡すようにし、 逃げそうな素振りを見せるゴブリンは 朱鞠や他のメンバーに知らせて逃走を阻止、討伐。 基本的には、精霊たちのサポートに回る 敵に大きな隙がある場合は攻撃 他の神人に危害が及べば出来るだけ守るように動く。 ゴブリンが被っている何かが攻撃の妨げになったら アプローチにひきつけられている敵の背後から 気づかれないよう注意して近づいて、 被っているものを脱がせないか試す。 気づかれるor被り物を脱がせたら逃げる 優先度は低く、あくまでゴブリンの討伐と仲間との連携優先。 |
◆寒空の下で
季節は冬、暦は師走。
澄み切った青空の下に吹き抜ける寒風が体の芯まで冷やしてしまいそう。
見晴らしの良い草原は冷たい風を遮るものもなく、凍えるような寒さだ。
「ま、冬の屋外なんだし寒いのは当然よね……あー、早く帰って温かい紅茶でも飲みたいわ」
リセ・フェリーニは長い髪を後ろに払いながら草原内を通る街道の先を見つめる。
草原と言っても青々とした芝生で覆われている訳ではない、腰くらいの高さまで伸びた萎びかけの草が両脇に広がっているのだ。
幼児なら草の中に紛れてしまえば全身すっぽり隠れてしまうだろう。
「ったく。臆病だっていうなら、棲家で大人しくしてろっての」
悪態をこぼすルークは半目で苦々しい表情を浮かべる。
通報された《2本角のゴブリン》の行動はゴブリンのよくある行動ではあるが、やられた方は堪ったものではない。
「まぁまぁ、そうカッカしないで。ホントにデミ・オーガなら一大事だしね」
ユラがルークを窘めるように見上げてニッコリ微笑む。
「こんな寒い時期にゴブリン達が活動するのは、ご飯がないのかしら?」
向坂 咲裟はなぜ襲撃したのだろうと首をかしげた。
「大方、イタズラ目的で仕掛けてきたんじゃないかな?空の荷台に食い物なんて載ってないし襲う意味が無い事くらい解るだろう」
ノア・スウィーニーが職員から伝え聞いた御者の状況を思い出す。
御者の男が襲われたのは『近隣の村へ生活用品を届けた、後』……つまり荷台に何も載っていない状態だ。
荷物が目的でない以上は、人命かイタズラかの2択しか残っていない。
「なんにせよ、悪い子にはちょいとキツイお灸が必要だな……それにしてもこの時期の風は骨身に染みる」
カルラス・エスクリヴァは歳を感じるのか、シミジミと呟きながら両腕を摩る。
「いつ現れるか解らないしすぐに戦えるように準備しましょう、クルセイド」
「朱鞠、私達もトランスしておこう」
フィオナ・ローワンと宮森 夜月が互いのパートナーを呼び寄せる。
『遥に遠き満月に帰命す、招福あれ。』
『灯せ、狐火』
『盾となり等しく耐えよ』
『最善を尽くせ』
『勝利の美酒を私に』
5人の神人がインスパイアスペルを唱え、精霊の頬に口付けるとそれぞれ身に宿すオーラが溢れ出る。
「さて、まずは……ゴブリン共を引き付けないとな」
カルラスがスゥと大きく息を吸い込む。
《出て来い、醜い小人共!!》
ドンッ!とオーラを罵声に乗せて周囲に放つように自身の存在をアピールする。
……しかし、草原は穏やかな風に揺れるばかりでカルラスの声は虚しく木霊する。
「ちょっと、なにも反応がないわよ?」
「もしや聞こえていないのであれば、効果は期待できないのではないかね」
特に変わった様子がないことにリセは怪訝な表情を浮かべると、朱鞠が改めて状況を省みる。
ゴブリンが何処にいるのかも解らない以上、アプローチが聞こえているかどうかは運次第。
反応がない所を見ると、タブロス側の街道入口付近に彷徨いていないようだ。
「もう少し確実な方法を考えるべきだったな、大まかな位置でも探しておけばよかったか」
「とにかく進もうぜ。ここにいても寒いだけだし」
クルセイドは伏し目がちに呟くと、しびれを切らしたルークは埒が明かないとばかりに街道を歩き始める。
一行はとりあえず、ゴブリンを引きずり出すために歩を進めることにした。
◆イタズラ5人衆
「中腹まで来たけど、何処にいるのかしら」
「思ったより草むらが広いんだよね」
咲裂達は街道を進むと中央部まで入り込んでいた、キョロキョロと周囲を見回すがこちらに向かってくる影はない。
夜月も草原というだけあって規模がそれなりに大きかったことを想定しておいた方が良かったかも、と眉を顰める。
「……む?」
ふと、朱鞠が草原の一角に不審な動きを見つける。穏やかな風に揺らぐ動きを無視した、不規則な動作が数ヶ所。
野生動物なのかもしれないが、気になるモノは気になる。
「ノアよ、あそこが気になるのだが試しに引き付けてはくれないかね?」
「ああ、解った」
朱鞠がノアを呼び止めると見つけた方向を指で示し、提案する。
《おーい!》
ノアは気合を入れて不審な動きの方へアプローチすると、ガサガサと動いていた動きが一瞬止まりこちらへ向かってくる。
ガサガサガサ――
『ゴブゴブッ?』
『ゴブー!』
現れたのは、象牙に見立てたような角が両側頭部に付いたボロボロのヘルメット……バイキングヘルムを被ったゴブリンが5匹。
しっかり留め金でアゴ下に留めているのか、パッと見では生えていると誤解してもおかしくはない。
……《オーガは角が生えている》としか知らない者には、勘違いさせてしまうには充分だろう。
「やっぱり!」
「なんとも紛らわしい兜を付けていますね」
職員から聞いた話でなんとなく予想をしていたユラが、驚きの声を上げる。
フィオナもなんとも言えない表情で5匹のバイキング風ゴブリンを見つめる。
『……ゴブー!!』
ゴブリンは全員の手にある武器を見て状況を理解したのか、棍棒を振り上げて『俺達とやり合おうってのか!?』とばかりに臨戦態勢に入る。
バイキングヘルム以外では、薄布を体に巻きつけているくらいで特に防具は身につけていないようだ。
「これが女の子の相手だったら歓迎なんだけどなぁ」
「お転婆なレディの方が数倍マシだな」
軽口を叩くノアにカルラスも便乗しながら同時に前に出る。
『怖いか小童ども!』
先ほど上手くいかなかったこともあり、ゴブリンにもう一度アプローチを仕掛けると
意味を知ってか知らずか、ムキー!とゴブリン達が憤慨して鼻息を荒く吹かせて突撃を仕掛けてくる。
「そうは問屋が卸さないってね!」
突撃してきたゴブリンに対しノアの持つ漆黒の猫目石が付いたワンドがギラリと妖しく光ると、カルラスに向けて振り上げられた棍棒を弾き飛ばす。
しかし、スキルと違い持続性がある訳ではない。遅れて振り下ろされた棍棒がカルラスの腹部や大腿部に食い込む。
「ぐぅッ!?」
「我も助太刀するぞ」
群がるゴブリンに朱鞠が短刀を振りかざし棍棒を持つ手元を狙う。
『ゴブーッ!!』
挑発されて興奮しているのか、棍棒を振り回すゴブリンの手は常に動いている上に子供サイズということもあり的としては小さい。
朱鞠の短刀は弾き飛ばされ狙いが外される。
「どいてろ、これでまとめて!」
ルークが朱鞠の後ろから飛び出す勢いと共にコマのように回転し始める。
荒れ狂う竜巻のような猛烈な勢いで突進するルークの剛剣に数体のゴブリンが吹き飛ばされる。
『ゴブゴブゥッ!?』
「逃さん!」
クルセイドもノア達の後ろから跳ね上がり飛び出す、両手に持つダガーが倒れていたゴブリンめがけて突き刺そうとすると慌てたゴブリンが転がって逃げ延びる。
「今の内に……こっちへ」
ユラはルーク達が交戦する中、草原へと駆け込む。
ゴブリンが臆病な性格だという情報を聞いて、万が一に備えて逃走経路を絶とうと考えたのだ。
しかし腰くらいの高さで萎びかけていることもあり、脚が思うように前に出せず草に取られそうになりながらの移動となった。
「ユラさんがあっちなら、私はそっちにする!」
夜月も草原の中央にある街道だけに、反対側に抜けていくことを予想して別方向へと駆け出す。
草の状態はユラの方と変わらず、こちらも予想より手間取る移動だ。
(草むらは、両脇……あれ、なにか大事なことを見落としてる?)
左右の草むらに走り出したユラと夜月を見て、リセは《大事なこと》を忘れているような気がしてきた。
――しかしそれが何なのかは、思いつかない。
「……あー、もうっ!なんでこんな時に限ってわっかんないのよ!!」
喉に小骨が引っかかるような感覚にリセは苛立ちと焦燥感を覚える。
早く伝えなければいけない気がするのに、なにを見落としているのだろう?と。
「サキサカサカサは、サキサカサカサは……」
咲裂は呟きながら他の神人がどんな行動をとっているのか連携をとろうと見ていた。
しかし、ユラも夜月も別方向に動き、リセは様子見しているため誰に合わせればいいのか解らない。
《自分がどう動くのか?》
こればかりは他人に決めてもらうものではなく、自分で考えるしかなかった。
「えと、ユラさんだけでも足りないような、夜月さんだけでも足りないような……ああ、どうしましょう」
フィオナも逃げられないように回り込まなければと、考えていたものの……一番大事な自分はどのように立ち回るかを考えていなかった。
ユラも夜月も手助けが必要な状態である、が。故にフィオナはどちらに優先した方がいいのか決めかねていた。
他の人の動向を見て連携をしようと動きを合わせることはとても大事だが、
大前提として《自分がどうしたいか、何をしたいのか》は自分の意思で決めるしかない。
精霊とゴブリンの抗争はまだ終わる気配がない。
◆思うだけでも
「チッ、油断は禁物だね」
ノアは舌打ちしながらワンドを構えなおす、詠唱し始めると周囲に光の粒子が浮かび出す。
光の粒子はノアを中心に四方へ徐々に浮かび上がる範囲を広げていった。
「済まないな、少しだけ痛みが引いた……しかし疲れが抜けないものだ」
カルラスは冷や汗を拭いながらノアに礼を告げる、しかし2度のスキル使用で魔力が枯渇しかけているからか疲労感は拭えない。
「小さい的を狙うのは非効率か、止むを得まい」
朱鞠が棍棒で弾かれて痺れる手を振りながら手を1匹のゴブリンに向けるとボソボソと詠唱する。
途端、頭上にピコピコハンマーが現れてゴブリンのバイキングヘルムごとピコピコと乱打し始める。
『ゴブーッ!?』
兜越しとはいえ、頭部を何度も殴られては一堪りもない。
頭をクラクラと揺らしていたがすぐに気を取り直したゴブリンが朱鞠に向かって棍棒で殴りつけようと迫る。
『ゴブ!』
「させるかっつーの!」
間に割り込むようにルークがロングソードの刃で打ち払うと、振り返しながらゴブリンの胴体にロングソードで斬り込む。
ゴブリンは勢いよく振り飛ばされると草むらから顔を覗かせていた岩に体を強く打ち付け、そのままズルズルと力なく崩れ落ちていった。
「まず1匹だぜ!」
「では、私の剣技もお見せしようか」
ルークがガッツポーズを決めている脇をクルセイドが駆ける、先ほど負傷したゴブリンへ一気に距離を詰める。
不意を突かれたゴブリンの顔面にクルセイドの膝がめり込む。
訳も分からぬまま宙に身を投げ出されるゴブリンはゆっくりと上昇していき、クルセイドと目が合う。
……瞬間、両の手に握られていた双刃がゴブリンを大きく斬り裂く。地面に落ちるときにはゴブリンは既に息絶えていた。
『ゴ、ゴブーッ!』
『ゴブ……』
『ゴブゴブッ』
残るは3体、仲間が倒されてしまいあわあわとたじろぎ始める。
2匹が倒れたこの状況に、3匹のゴブリンは互いの顔を見合わせたかと思うと……それぞれ別方向に走り出した。
そもそも、思考が読めない相手がどこに逃走してしまうかは元々想定することは、相手の思考を読み取らない限りはほぼ不可能だ。
……相手が臆病な性格であることに、気を取られ過ぎていたのかもしれない。
「逃げたわ!ノア、さっさと追いかけなさい!」
ゴブリンが逃げ出したことでモヤモヤとした感覚が強まるリセだが、今は気にしている場合ではない。
逃げ出すゴブリンを早く追うようにノアに指示を飛ばすと、ノアも走り出す。
「に、逃げてしまうわ」
「待って下さい!」
リセの声にハッとした咲裂とフィオナも逃げたゴブリン達の後を追う。
ゴブリン達は地の利のある草むらの中へと駆け込んでいく。
草むらを越えた向こう側には森が見えるのだが、草むらは直線距離でも1km以上はありそうだ。
ゴブリン達は草むらから頭が少し出ているが、背の低さからウィンクルム達よりは身動きが取りやすいようだ。
――つまり、草むらを越えた時点でゴブリン達に追いつくことは困難になる。
「しまった、これでは狙いが」
姿がよく見えないとなると追跡する難度は上がっていく、朱鞠の切れ長の目に焦りが浮かぶ。
「朱鞠、なんでもいいから早く攻撃して!逃げられちゃうわ!」
草むらを掻き分けるようにしながら追走する夜月が朱鞠に激を飛ばす。
「致し方あるまい、外しても恨むのではないぞ」
朱鞠がもう一度手を翳して詠唱を始める、不規則に動くゴブリンに意識を集中する。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦……去ね」
朱鞠の執念が功を奏したのか、逃げるゴブリンの頭上に見事ピコピコハンマーが現れる。
『ゴブー……ッ!?』
ピコピコと打ち据えられたゴブリンの動きはその場で止まった。
「に、逃がさないんだからね……」
ユラの儀式杖を握る両手に力が入り汗が滲む、こちらの方向に先回りしているのは自分一人しかいない。
他の精霊や神人も追いかけているが思うように前進できていない。
今は、私一人しか時間を稼ぐことができないのだという使命感と重責が緊張感となり表情を強ばらせ脂汗が流れる。
『ゴブッ!?』
「く、くらえー!」
逃走先に待ち伏せていたユラにゴブリンが驚き、ユラが頭上めがけて儀式杖を力一杯振り下ろす。
パコンッ!と鉄同士が打ち合う軽快な音が草原に鳴り響く。
『……ゴブゴブゴブー!!』
「きゃああっ!?」
大した痛みもなかったのか、怒り狂ったゴブリンはすぐにユラに対して棍棒を振り上げて殴りつけようとする。
予想外の反撃の早さにユラは後退して避けようとすると、草に足を取られて尻餅を付く。
隙を突いたゴブリンはそのまま走り去っていった。
「こ、これ以上来たらこの剣で刺すからね!?良いんだね!?」
夜月も支給された剣を構えて逃げ延びようと迫ってきたゴブリンに脅しつける。
とはいえ1対1のこの状況に助っ人を望むのはかなり厳しいものがあり、自分1人でやるしかない危機的状況に夜月の剣を握る手が震える。
(た、たかがゴブリン1匹じゃない!大した攻撃だって出来ないハズ――)
『ゴブー!』
しかし《窮鼠、猫を噛む》というように、追い詰められた者ほど何をしでかすか解らない。
夜月の発した言葉を理解しているのかは解らないが、ゴブリンは勢いよく夜月に棍棒で殴りかかった。
「う、嘘っ……かはっ!?」
腹部に棍棒がぶち当たると夜月は痛みでしゃがみこんだ、鎧越しとはいえ響く鈍痛は堪えるものがある。
反対側を抜けていたゴブリンも腹を抱えてうずくまる夜月の脇を慌てて走り去っていった。
◆冷風の帰路
結果、3匹のゴブリンの退治に成功し2匹が逃走した。
「すみません、先回りできていたのに」
「うぅ、まだお腹に鈍痛が響いてる……今度会ったらタダじゃ済まさないんだから」
ユラは申し訳なさそうに眉を下げて俯き、夜月も棍棒で思い切り打たれた腹部を抑えながら膝に手をつく。
「ごめんなさい、サキサカサカサも自分がどうするかを決めていなかったわ」
「私も他の方の動きばかり気にしておりました」
咲裂とフィオナも漠然としたイメージで連携を取ることばかり考えていて、自分達がどのような動きをするか決めていなかった。
連携というのは、互いの長所を活かし合い、支える役割を分担した状態で初めて成立するのである。
そう言う意味では相互理解や方針の把握などが足りておらず、結果として活かすことが出来なかったのだ。
「そうよ、そうよそうよそうよ!……冷静に考えれば当たり前じゃない」
「リセちゃん、大丈夫?」
「ねぇ、この街道の草原エリアって距離はどれくらいだったかしら?」
戦闘中から見落としを気にしてずっと眉間にシワを寄せているリセにノアが気遣わしげに声をかけると、
わなわなと唇を震わせて質問を投げかける。その表情は怒りとも悔しさとも、悔恨が入り混じっている。
「確か、3kmではなかったかね?」
「そうなのよ、3kmよ!なんでこんな単純なことに気づかなかったのかしら……!!」
朱鞠が職員から聞いていた街道の情報を思い出しリセに教えると、リセは悔しそうに地団駄を踏む。
「3km?……そうか、距離がそれだけあるのならこの草原自体が広いことも想定すべきだったのか」
カルラスがリセの問いと朱鞠の答えた距離に、ハッとして改めて全域を見回す。
……街道は草原内を縦断するように開通しているが、両脇の草原は道幅以上に広かった。
事前に聞いていた情報に対しても、重要なモノがなんなのか?精査すべき情報を誤ったかもしれない。
「はぁー……今からもう一度捜索するのも難しいだろう、今日は一先ず数匹だけでも倒せたことは良しとしよう」
クルセイドは大きく溜め息を吐くと、吐息は白く染まり風に流され霧散していく。
「……あ、そうだ」
ユラは埋めたゴブリンの死体から墓標がわりに外しておいたバイキングヘルムを1つ取る。
「ユラ、そんなの拾ってもボロっちくて使えないぞ?」
「ううん、報告の時にデミじゃなかったですよっていう証拠にしようと思って」
ルークが不思議そうにユラの動作を見ていると、ユラは小さく首を横に振る。
ゴブリンは時折、捨てられた防具を面白がって拾うこともある。
報告する上ではとても重要な証拠品だ。
フィオナ達は冷たい風に頬を撫でられながら帰路についた。
***
後日、件の街道からバイキングヘルムを着けたお騒がせゴブリンが街道から居なくなったという噂が広まった。
しかし数日後、別の街道で同じような噂が広まり始めた。
《2本角のゴブリンが暴れている》と。
A.R.O.A.に依頼していた御者の男は、同じゴブリンかもしれないと思い警察に通報するのであった。
依頼結果:普通
MVP:
名前:ユラ 呼び名:ユラ |
名前:ルーク 呼び名:ルーク、ルー君 |
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 木乃 |
エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | 戦闘 |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
報酬 | 通常 |
リリース日 | 11月30日 |
出発日 | 12月08日 00:00 |
予定納品日 | 12月18日 |
参加者
会議室
-
2014/12/07-20:25
プランはほぼ完了しています。
ルー君にはトルネードクラッシュ後、近くの敵から確実に仕留めてもらうようにしてます。
>防寒具
申請じゃなく持参ですね。完全に書き間違えた・・・
フィオナさん、指摘ありがとう。お大事にしてくださいね。
これ以降書きこむことはできないけれど、出発前には一度こちらを確認するようにするので
もし何かあれば気軽に書きこんでおいてください。
それでは、皆さん頑張りましょうね! -
2014/12/07-20:19
連投ごめんなさい。
>退路を断つ
ワタシも立候補するわ。
サキサカサカサはゴブリンを逃がさぬよう皆と頑張るわ。
フィオナさんの背後さん、大丈夫かしら。季節も季節だから、無理をしないでね。
>防寒具の申請について
違っていたらごめんなさいね。
「申請」については、通常時には持っていないアイテムを持ち込むのを「申請」しているという事だと思うわ。 -
2014/12/07-19:54
ワタシは、念を入れられていると考え「被っているものをなんとかする」ことに意義があると思っていたのだけれど…あまり深く考えるべきではなかったわね。ごめんなさい。
皆の言う通り、兜には気に掛けず倒す事を優先するわね。
カルさんは盾での防御に集中していると思うからそこまで手数を増やせないかもしれないけれど、皆が標的にしている個体をなるべく狙ってもらうようお願いするわね。
>防寒具
なるほど、思いつかなかったわ。ありがとう。
着込んで動きが悪くなるといけないから、手袋やカイロなどが良さげかしら…? -
2014/12/07-19:42
こんばんは。
ギリギリになってしまってごめんなさい。
後の方の人が、風邪にやられてしまって…
この時期、何より怖い敵ですね。
ゴブリンとの戦闘手段は、確認させていただきました
クルセイドには、動きの速さを生かして
ゴブリンを逃がさないように、留意して動いてもらいますね
退路を断つのは…私もお手伝いできるかと思います
>防寒具
ホームセンターで普通に購入できるものは自分で準備できるとのことなので
態々本部に防寒具の申請をしなくても
恐らく、個人で準備できるのではないでしょうか…?
申請、の意味をはき違えていたらごめんなさい -
2014/12/07-17:32
防寒具、確かに必要そう。教えてくれてありがとうございます。
-
2014/12/07-17:23
私もデミだと勘違いしている、というヒントなのではないかと思ったわ。
本当に角が生えているならはっきりと角が生えている帽子をかぶるのは難しいはずだし。
乱戦を避けるためには
最初のうちは狙いを絞って集中攻撃をしかけて、数を減らすのがいいかしら。
標的にしている以外の敵が大人しく見ていてくれるわけはないから
出来る範囲で、ということにはなってしまうと思うけれど
それぞれが散開しすぎないように意識しておくだけでも違ってくると思うわ。 -
2014/12/07-03:33
>何か被っている
私もそこは気になったんだけど、「コレだ!」っていう意味が見いだせなかったんだよね・・・
単純にデミではないよっていうアピールなのかなぁとも思ったり。
あと、さきほど言い忘れてしまったんだけど、防寒具を申請しておこうかと思います。
プロローグを読み直してて、ふと「手綱を握る手が凍ってしまう」=「武器を持つ手も凍る?」と思って。
必要ないかもしれないけど、暖かい格好にして損はないよね。多分。 -
2014/12/07-02:44
依頼の解説でわざわざ、何か被っているに言及してあるから
何か意味があるのかと踏んだんだけど…違ったかな、ごめんね。
では、こちらは朱鞠が敵の手足を攻撃して動きを止めて行く事にしようかな
罰ゲームは逃げだすゴブリンの攻撃用に取っておいて、
私はユラさんと一緒に退路を断つ側に回ろうかな。 -
2014/12/07-02:18
私も帽子をわざわざ脱がしにいくのは反対だなぁ
そこにそれほど防御力があるとも思えないし、せっかくの素早さ職を生かすなら
初手は脚や手を狙って相手の動きを止めて欲しいな。
その方がこちらの攻撃も当たりやすいし、どうしても帽子を取りたいのであっても
多少弱らせてからの方がより安全で確実だと思う。
・・・正直、帽子脱がせるだけ近づけるなら、いっそ顔面狙って目でも潰してほしいけど。
アプローチの時間は5分だよね。
できればその間に決着をつけてしまいたいなぁって考えてる。
今回どこまで通用するか分からないけど、他の依頼ではレベル1の神人でも
充分ゴブリンとやりあえたから、精霊達が力を合わせればやれる時間だと思う。
あと私自身は逃げ出す奴の退路を断てるように行動するつもりなんだけれど、
もし覚悟のある神人さんがいたら協力してほしいなぁ。
1匹ならともかく、数匹で草原内なんかに逃げ込まれると、さすがに一人じゃ対応しきれないなと思って。
危険がないとは言い切れないけど、すぐに精霊が合流するだろうし、足止め役くらいにはなれるかな。 -
2014/12/06-22:56
相手は武器を持って、それなりの殺意を持って向かってくる相手よ。
その懐に入って相手の防具を剥ぎ取るというのは
相手が普通の人間だったとしても相当難しいと思うわ。
こちらがまだ経験不足で戦いを長引かせることが得策ではない以上
短時間で多くの攻撃を当てて、なるべく早く倒す方がいい。
そんな中で相手の防具を剥ぐために一手、もしくはそれ以上の時間を使うのは
現状の私達の実力では得策ではないと思うわ。
頭を狙え無いのであればそれ以外の胴体を狙うなり
顎のあたりを狙って脳震盪を起こさせるとか、そういう攻撃的な工夫のほうがいいかと。
バリアについては武器の効果ね。
他人には使えないかもしれないけれど
ノアが盾になれば対応できるかと。
初撃くらいは防げればという程度のイメージよ。
スキルで回復もできるから、スキルは戦闘中盤ころからサンクチュアリⅠで
3m範囲の人を回復するようにしておくわね。 -
2014/12/06-22:25
ユラさん、よろしくね。
アプローチでの引き付けは決定ね。
カルさんの煽りが光る時が来たのね、頑張ってもらうわ。
相手はデミオーガでもない5体のゴブリンよね。
兜脱がす手間があっても、こちらが消耗しきる事は無いと思うわ。
私たちはスキルを何度も打てないから少しでも相手の防御力を減らしたいのよね。
戦闘時間が長引いてゴブリンが逃げ出そうとしても兜を脱がしていれば、朱鞠さんの罰ゲームで動きを止める事が出来そうだもの。
バリア…サンクチュアリかしら?持続的な回復は素敵ね。
後衛が前線に出るのは少し怖いけれど、それはとっても魅力的だわ…。
弱いものいじめしたさに人間を攻撃するそうだから、アプローチの効果が薄れてしまったら私たち神人は恰好の的になってしまうかもしれないし、乱戦は避けたいわよね。
…私たちも、剣を振り回す用意をしないとかしら。(素振りをしつつ) -
2014/12/06-18:40
帽子を脱がせに行くためには、こちらが至近距離、というより
触れるくらいの距離まで近づかなくちゃいけないわけだから
かなり危険な行為になると思うわ。
トランスしてスキルで攻撃をするのであれば
そこまで危険を冒さなくても帽子(兜?)越しでも
十分なダメージを与えられるんじゃないかしら。
脱がせて回る時間を使うと、それだけ戦闘時間が長くなって
こちらも消耗するし、相手の逃走の可能性も上がってしまうかもしれないわ。
あと、敵はこちらと同数だから囮が一人というのも少しリスクが高すぎるかも。
囮にノアもつかせて、カルラスさんがアプローチを使って敵をおびき寄せたところで
ノアのバリアで守りを固めたら、消耗を極力抑えた状態で戦闘を始められないかしら。
後衛職が最前線に入ってしまう事になるけれど
他のメンバーが合流できたら、前線から抜けて回復に回らせるわ。 -
2014/12/06-13:55
アプローチで引き付け、いいと思う。
カルラスさんにはちょっと危険な役回りになってしまうけどよろしくお願いします。
カルラスさんを挟むように素早さ職のクルセイドさんと朱鞠にいてもらって、
回り込んでアプローチに寄ってきたゴブリンの帽子を片っ端から脱がせて、
ルークさんのトルネードクラッシュをあてる、とかどうかな?
ノアさんにはカルラスさんの後ろにいてもらって、
万が一カルラスさんが怪我したらファストエイド、とか
トルネードクラッシュは側面攻撃だけど、やっぱりヘルメットなり帽子なりは
脱がせて防御力を奪ってしまった方がいいような気がするの。
個人的な私の意見だから、なにか他に良さそうな作戦があったら教えてね -
2014/12/05-08:49
どうも、途中参加失礼します。
ユラです。パートナーはハードブレイカーのルーク。
全員初めましてだね、よろしくお願いします。
それにしても見事にジョブが分かれたね(笑)
さて・・・ぱっと思いついたことを書いていくね。
>頭の2本の角
「何か被っている」という所から、バイキングヘルメット?っていうのかな。
角のついた帽子を被っているのを想像したんだけど。
廃墟やダンジョンで拾ったのかなぁ・・・
>戦闘
ゴブリンは最初は草原内に隠れているわけだよね。それを誘き寄せる囮の役割が必要?
アプローチで引き付けて攻撃は賛成。ルー君は前衛だから、ガンガンいってもらう予定。
あとは臆病な性格だし、逃げ出さないように退路を断つ方法も考えておいた方がいいかな?
囮やこの辺は神人達でもできるんじゃないかなぁと。
他にも意見や気になったことがあったら言ってください。
また夜には確認しに来ます。 -
2014/12/04-23:40
朱鞠:フィオナ、咲裟、それからリセもだな、よろしく頼むぞ。
こんなに可愛らしいお嬢さん方と一緒に過ごせるとは、我は幸せ者だな。
さて、本題の方だが、
我は頭の横に生えている二本の角、とやらが気にかかる。
オーガの角は額に生える。
もしも頭に何かかぶっているのだったら、それを脱がしてしまわないと
背の低い相手にはちと厄介かと思うてな。
我の罰ゲームは頭の上からの攻撃なのだ。
-
2014/12/04-22:37
初めまして、ワタシは向坂 咲裟よ。
パートナーはロイヤルナイトのカルラスおじさん。
よろしくお願いするわ。
カルさんがアプローチで敵を引き付けている間に、皆に攻撃を加えてもらうという形を提案するわ。 -
2014/12/04-19:40
はじめまして。フィオナ・ローワンです。
此方は、パートナーのクルセイド、テンペストダンサーです。
よろしくお願いいたします。
クルセイドは、前衛向き…の職ですね。
前衛として、頑張ってくれると、思います。
-
2014/12/04-00:26
始めまして、夜月と言います。
こっちはトリックスターの朱鞠。
よろしくお願いします。
こちらも前衛というより後方支援向きとは思いますが、
スキルを当てて行けば足止め・攪乱くらいはできるかとも思います -
2014/12/04-00:06
リセよ。パートナーはライフビショップのノア。
よろしくお願いね。
積極的に前に出るのには向いていないジョブだけど
相手がデミオーガでないとすれば
最悪なんとかなるかもしれない。
とはいえ基本的には前衛のサポートができればと考えているわ。