【慈愛】らーめん食べ放題はじめました(和歌祭 麒麟 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 スノーウッドの森近くのホワイト・ヒルの町にあるラーメン横丁は、例年より客入りが多く、儲かっていた。
 背景にはウィンクルムたちがノースガルドに訪れて活動をしていることが上げられる。
 ラーメン横丁はせっかくウィンクルムが沢山来ているのだからと、イベントを企画することにした。

 ラーメンフリーパス。
 ラーメンフリーパスとはラーメン横丁で販売されているラーメン食べ放題のチケットだ。
 ラーメンフリーパスを持っているウィンクルムは、チケットを購入した日に限り、ラーメン横丁のあらゆるラーメンが食べ放題となる。

 醤油ラーメンに味噌ラーメン、塩ラーメンに五目そば、豚骨ラーメン、魚介ラーメン、和風らーめんと何でもそろっている。

 キミたちがラーメン屋をはしごしていると、「食い倒れラーメン」というラーメン屋に気がつく。
 ここでは、ラーメンの大食い大会を開いていた。
 景品はホワイト・ヒルの町の旅館一泊二日ご招待だ。
 大盛り塩バターラーメンをウィンクルム二人で合計10杯食べれば成功となるらしい。

 この手のイベントは失敗したら、お支払いというのが定番だが、この日はイベントということで、失敗しても「残念でした!」と言われるだけで特にペナルティはないそうだ。

 せっかくラーメン横丁でイベントを開いているのだし、景品を狙って、大食い大会に参加してみるのも悪くないだろう。

解説

 ラーメン横丁でラーメンを食べるエピソードです。
 ラーメンを食べるだけでも、スノーウッドの森に漂う瘴気を払う効果があります。
 ラーメンを食べて、瘴気を追い払いましょう。

★ストーリーの流れ
 前半はラーメンフリーパスをもって好きなラーメン屋で、好みのラーメンを食べながら、楽しい時間を過ごしましょう。

 後半は、景品を狙って大食い大会に参加してもらいます。
 二人で10杯と多めですが、失敗しても何も起きないので気にせず挑戦してみてください。
 頑張って大量の塩バターラーメンを攻略しましょう! 

※ラーメンフリーパス代金として参加に500Jrが必要となります。

ゲームマスターより

 寒い季節は暖かいものがおいしいですよね。
 らーめんを食べながら楽しいひとときを過ごしてください。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

(桐華)

  桐華さん、五目ラーメン半分こしませんかっ!
そんで桐華の好きな味も半分こしてー
それなら、もう一種類くらい行けるんじゃない?

う…ふんだんな野菜に見え隠れするこの子は人参さん…
や、野菜炒めの人参くらい食べれるもん…(言いつつ桐華の器にちょこちょこお引越し)
ケチ!ちょっとくらい食べてくれたっていいじゃん!

既に結構お腹一杯だけど、折角だから10杯目指して挑戦
どうしたの桐華、何だかさっきからだんまり
…僕も、桐華の事何にも知らないよ?
だけどそれって、いけないこと?
これからゆっくり知ってくつもりだよ
だから、消えないでよね。僕の前から

…手が止まっちゃったね
でも、休んだからもう少し食べれそう
暖かいのが、幸せだもの


高原 晃司(アイン=ストレイフ)
  うっひょー!ラーメンだぜ!!
寒い日にはラーメンに限る!
しかも大食い大会もやってるそうじゃねぇか
アインと一緒なら何でもできそうな気がする

「うっし!!!気合入れて頑張るか!!!」

アインにいい所みせねぇとな!
すっげーコッテリ系だろうからあれだな
でも塩だからあっさり系かも…?
だが大食い大会の一番の苦行は味に飽きちまう事だ
なんとかして味を変えてラーメンを存分にたのしまねぇとな

「どんな奴でも味に飽きちまったら美味さも半減しちまうしそれに食べるペースも満腹感も早くなる」

今回は時間は沢山ありそうだし
味に飽きちまうのだけは気をつけよう

そこら辺に調味料とかあれば使えねぇかな…?

なんにせよ絶対二人で旅館にいくぜ!


セラフィム・ロイス(火山 タイガ)
  え!?着込むから待って

■ラーメンも初めて。上流家庭で禁止だった
大衆食堂も夏祭りも火山家も海や森にも行ったけど…
『ラーメン横丁』・・・(下町の冬景色っていうのかな。お店も笑顔も暖かくて)
ど!?どこから食べようね(見られてるのにドキリ)
チーズない?制覇って・・・2杯ううん、1杯も食べれば満腹になる自信あるよ僕・・・
タイガさえよければ分けない?

割り箸に尊敬を抱いたり、おいしいと感動
小皿で猫舌配慮。音を立てずに食べ

こう?仲間になれたかな。怒られそうだけど今だけはね(悪戯っ子の微笑)


嘘。重箱5段いける癖に・・・『参加したい』って顔に書いてある。僕は戦力にならないけど行こう
(助けに1杯でも多く・・・)



暁 千尋(ジルヴェール・シフォン)
  アドリブ大歓迎
すっかり寒くなりましたからね、ラーメン食べ放題とは有り難いです
さて、どれから食べましょうか…悩みますね
最初は醤油…いや味噌や豚骨も捨てがたいです
あぁ、このお店のおすすめはありますか?

大食い大会…まだ食べる気なんですか!?
先生が仰るなら参加しますけど……太りますよ?
(……女性?いや、そこはスルーすべきか?)

麺類はのびると面倒ですから、早めに食べるよう心掛けた方が良いですね
あとは途中で味を変えられるよう調味料をお借りできればいいのですが
このような大会では水分はあまり取らない方がいいと聞いたことがあります
なので、なるべく飲み物は控えるように
目標は高く優勝ですが、まぁ無理はしない程度に


スコット・アラガキ(ミステリア=ミスト)
  らーめん♪らーめん♪
わはー。ほんとにらーめん屋ばっかりだ
人類の夢!チャーシュー麺食べ比べができるよ!

煮卵おいひぃー半熟だー
ミストの方がすべすべでおいしそうだけど
?…言わないよ。ミストはたまに変なこと言うよね
次はどの店行く?お腹苦しかったら半分食べてあげるよ

いっぱい食べたら上手くすすれるようになるかな?
って訳で大食い大会、俺も出るー(挙手
ミストの応援があれば無敵だよ

でもしょっぱいの続きだとゲンナリだなー
うー…アイス食べたい

ミストがあーんしてくれるなら俺がんばる
昔はよくしてくれたのに最近ぜんぜんだよね
なんで?大人だとダメなの?(ただ不思議そうに

〆はみんなでらーめんパフェ食べようよ
甘い物は別腹だよね




 ここはホワイト・ヒルの町にあるラーメン横丁である。
 多くの人たちが歩いている。
 ラーメンのいい匂いが通りに香ってきていた。
「叶と飯食いに出かけるのは二回目か。前は格式ばった高級店だったけど、今日は庶民的だな」
 桐華はラーメン横丁にずらっとならぶ店を見ていった。
「いいじゃん、庶民的。緊張しなくて済むし」
 叶は楽しそうにどのラーメン屋に入ろうかと、きょろきょろしていた。
 ラーメンフリーパスがあるので、好きなラーメンが好きなだけ食べられる。
 二人は店を決めると入店した。
 店内は広くないが、頑固親父の店という感じで、ラーメン通を気取ったお客が沢山入っていた。
 店内の天井から吊してあるテレビには、プロ野球が延々と放送されている。
 誰が見ているのかわからないが、頑固親父の趣味なのかも知れない。
 店の壁には「うまかったです」「らーめん最高」などと書かれた著名人の色紙が所狭しと貼られている。
「五目ラーメンください!」
「こっちは味噌ラーメン」
 叶と桐華が頑固親父に注文すると「あいよ」と低い声で返事が返ってきた。
 らーめんが出てくるまでの待ち時間はそれほどなく、すぐにラーメンとご対面となった。
「いただきます」
「うまそうだな」
 割り箸を割って麺を啜り、スープを飲むとさすがラーメン横丁に店を出しているだけのことはあると、納得のうまさだった。
「桐華さん、五目ラーメン半分こしませんかっ!
 そんで桐華の好きな味も半分こしてー
 それなら、もう一種類くらいいけるんじゃない?」
「その案は悪くないな」
「じゃあ、早速分けるね。
 ……ふんだんな野菜に見え隠れするこの子は人参さん……」
 ラーメンを分けるために頑固親父に小さなどんぶりをそれぞれ一個ずつ出して貰ったのだが、叶は人参ばかりを桐華のどんぶりに移していく。
「おい、自分で食え」
 叶のどんぶりから引っ越ししてきた人参を、再び戻す桐華。
「や、野菜炒めの人参くらい食べれるもん……」
 と、叶は言いつつ、桐華のどんぶりに人参を移動させる。
 人参が二人のどんぶりを行ったり来たりいつまでも繰り返す。
「ケチ! ちょっとくらい食べてくれたっていいじゃん!」
 最終的に叶が根負けして口の中に人参を放り込んで食べるのだった。
(文句を言いながらもきちんと食うんだから、その「生人参嫌い」もどもまで本当やら)
 桐華は、やけくそ気味に人参を食べている叶を笑顔で見ていた。

 しばらく店をはしごしていると、「食い倒れラーメン」という店を見つけた。
 どうやら、大食い大会を開催しているらしい。
 大盛り塩バターラーメンを二人で10杯食べられたら、ホワイト・ヒルの町の旅館に一泊二日ご招待らしい。
 特にペナルティなどはないお祭り企画なので興味がひかれる。
(すでに結構お腹いっぱいだけど、せっかくだから挑戦しようかな)
「桐華、せっかくだから参加してみない?」
「結構、腹にラーメンたまってるが、ペナルティないみたいだし、やるか」
 軽い気分で大食い大会に参加する叶と桐華。
 初めのうちはおいしく食べられたが、5杯を超えたあたりから、つらくなってきて箸が止まる。
 叶はラーメンを食べきるのは諦めた。
 桐華の方を見るとラーメンとにらめっこして黙り込んでいた。
「どうしたの桐華、なんだかさっきからだんまり」
「わかんねえんだよ。お前が」
 桐華は叶のことを知らなすぎて、辟易していたのだ。
 叶は何となく察して、いった。
「……僕も、桐華のこと何も知らないよ?
 だけどそれって、いけないこと?
 これからゆっくり知っていくつもりだよ。
 だから、消えないでよね。僕の前から」
 叶の言葉を聴いて、桐華は口を開く。
「……ゆっくり、ね。
 のんきすぎるお前のペースに合わせろって事か。
 ……消えねえよ。俺がお前の二人目だろうと三人目だろうと、お前の一番になるって決めたんだよ」
 叶は桐華の言葉にきょとんとする。
「……顔、赤いけど、店が熱いからってことにしといてやるよ」
 桐華がいうと、叶は一度、目をつぶって深く息を吐く。
 気持ちを切り替えたように、いつもの叶に戻っていた。
「……手が止まっちゃったね。でも、休んだからもう少し食べれそう。暖かいのが幸せだもの」
 二人は大会終了まで、塩バターラーメンを楽しんだ。


「うっひょー! ラーメンだぜ!! 寒い日はラーメンに限る!」
 高原 晃司はテンション高く、いった。
「……無駄に気合いが入ってますね……」
(一体どうしたのでしょうか?)
 アイン=ストレイフは晃司と並んで歩いている。
 ラーメン横丁にはラーメン屋が沢山あるので、二人はどこに入るかうろうろした後、新しそうな店を選んだ。
「いらっしゃいませー!」
 店の扉をくぐると店員の元気な声が飛んでくる。
 席に案内されて、好きなラーメンを頼んで、まずは一杯目のラーメンを楽しむことにした。
「ラーメン、うめえ!!」
「ラーメンは逃げませんから、そんなに急いで食べなくても平気ですよ」
 晃司の謎のテンションに苦笑しながらアインはゆっくりとラーメンの味を楽しむ。
「さすがにラーメン横丁の激戦区に店を出すだけあって、味はいいですね」
「この店、気に入ったぜ! 他の店回って、腹に余裕があったらまた来ようぜ」
「いったい、何杯食べる気なんですか……」
 二人はラーメンを平らげると、ラーメンフリーパスを見せて店を後にした。

 次はどの店に入ろうかとうろうろしていると、「食い倒れラーメン」という店を見つけた。ラーメンの大食い大会を開催しているようだ。
「大食い大会がやってるじゃねぇか。アイン、やろうぜ。アインと一緒なら何でもできそうな気がする」
「景品は旅館に招待ですか」
 二人は食い倒れラーメンの中に入っていく。
 店内には沢山の挑戦者が撃沈していた。
 晃司はとくにそんなことを気にすることもなく、早速、大会に参加した。
「うっし!! 気合い入れて頑張るか!!!」
「参加したのだから頑張りましょう」
 晃司とアインはそれぞれ気合いを入れる。
 目の前に少し大きめのどんぶりが運んでこられた。
 塩バターラーメンだ。
 割り箸を割って「いただきます!」とラーメンの攻略を開始する。
(アインにいい所みせねぇとな! すげーこってり系だからあれだな。でも、味は塩だからあっさりしてる……か?)
 アインはゆっくりと口の中にラーメンを淡々と運んでいく。
「時間はたっぷりありますし。ただ、ゆっくり食べてると麺が伸びてしまいますね……」
(一定のスピードを保てばわりといけそうですね)
 取りかかってそれほど時間が経たないうちに、二人で合計6杯を攻略している。
「大食い大会の一番の苦行は、味に飽きちまう事だ。なんとかして味を変えてラーメンを存分に楽しまねぇとな」
 晃太はそういって、テーブルに置いてあるラー油や七味唐辛子などに注目した。
 適度にラーメンに混ぜると新しい味になって、まだまだ食べられそうである。
「どんな奴でも味に飽きちまったら旨さも半減しちまうし、それに食べるペースも満腹感も早くなる」
 晃太がいうと、アインは頷いて、いった。
「それは一理ありますね。私もすこし味を変えてみましょう」
 晃太のアイディアが上手くいって、さらにどんぶりを空にしていく。
(水分とかは大食いの敵なので、なるべくとらないように。
 あんまり噛むと満腹感を得てしまうので、噛むのはそこそこにしておきましょう)
 晃太とアインは何とかラスト一杯までたどりついた。
「ここまで来たら絶対に二人で旅館に行くぜ!」
「せっかくの大会ですし、勝ちたいですね」
 晃太がラストスパートといわんばかりに、一気に平らげる。
(賞品も豪華ですし、晃太がこれだけやる気があればこのどんぶりも大丈夫でしょう)
 アインは晃太が食べる最後の塩バターラーメンを見守る。
「よし、食ったぞ!」
 晃太がガッツポーズをした。
「おめでとーございます! 大食いチャレンジ成功です!」
 景品をもらったあと、店員に言われ、二人は記念撮影を店ですることになった。
 店の壁に撮ったばかりの写真を店員が張って「大食い成功!」と見出しをつけて飾る。
 写真の二人は楽しそうに笑っていた。


「出かけよ! 良い所、連れてってやる!」
 火山 タイガはセラフィム・ロイスをラーメン横丁に誘いに来ていた。
 ホワイト・ヒルの町にあるラーメン横丁でイベントをやっていると耳にしたタイガ。
 勇んでメイド達やセラフィムにも内緒で連れ出しに来たのだ。
「え!? 着込むから待って」
 あわてて、上着を羽織るセラフィム。
「大丈夫! すぐ芯から暖かくなるって」
 こうして、タイガによってセラフィムはラーメン横丁に連れて行かれた。

「じゃじゃーん!」
 タイガが指さす方向にはラーメン屋が沢山並ぶ、ラーメン横丁がある。
「大衆食堂も夏祭りも、火山家も海や森にも行ったけど……ラーメン横丁……」
 セラフィムは視界に広がる目新しい風景に魅了される。
(下町の冬景色って言うのかな。お店も、笑顔も暖かくて)
 目を輝かせているセラフィムをタイガは眺めて思う。
(あ、興味津々の顔だ、へへ)
 セラフィムはタイガに見られているのにドキリとして、口を開いた。
「ど!? どこから食べようね」
「セラの好きな味あるか?」
「チーズない?」
「どうだろ。定番の醤油から攻めるか。制覇いくぞ!」
「制覇って……2杯、ううん、1杯も食べれば満腹になる自信あるよ、僕……」
 大食いのタイガに連れられて店に入るセラフィム。出されたラーメンの量を見て、これは2杯食べるのはキツいと判断する。
 タイガもこの量で2杯、セラフィムが食べるのは無理そうだなと思った。
「あ、そっかー……、分けて食わね?」
「タイガさえよければ、分けない?」
 二人の声がハモる。
 同じ事をと考えていたと、笑い合った。
「いろいろ食べれば好きな味、発掘できるかもだし、頑張ってこーな!」
 タイガはいって、割り箸を割る。
「いっただきまーす! うめ!」
 タイガがズルズルと頼んだラーメンを啜っていく。
 一方で、セラフィムは割り箸の仕組みをよく理解していなくて、「これどうするんだろう?」と苦戦していた。
 タイガはすぐさま助け船を出す。
「真ん中に割れ目が入ってるだろう? そこから左右に引っ張って割るんだよ」
「こう?」
 パキッと音がして綺麗に割り箸が割れる。
「……すごい」
 割り箸を割って感動しているセラフィムをみてタイガは微笑ましい気分になった。
 セラフィムは猫舌なので、食べやすいように小皿を用意してもらった。音を立てずに口の中へラーメンを運ぶ。
「おいしい」
 表情が明るくなるセラフィム。上流家庭で育ったセラフィムは、ラーメンは禁止されていて食べたのはこれが初めてだった。
「セラ、こうやんだってば」
 ずずずっ!
 ラーメンを豪快に啜って食べるタイガ。
「こ、こう?」
 ずずず。
 タイガの食べ方をまねするようにしてセラフィムもラーメンを食べてみる。
 舌を火傷するのではないかと思ったが、音を立てて食べると思いの外、熱く感じなかった。
「これで仲間になれたかな。怒られそうだけど、今だけはね」
 厳しくマナーを躾けられてきたセラフィムは、ラーメンの食べ方に少し葛藤した。
 今はこの時間を楽しむことに決めて、いたずらっ子の微笑みを浮かべるのだった。

 店を出た後、何件かはしごして、らーめんの大食い大会を開催している店を見つけた。
「……はは、流石に制覇ペースでやったしなぁ」
 タイガはまだまだ食べられるといった顔で、いった。
「制覇ペースって、嘘、重箱5段いけるくせに……『参加したい』って顔に書いてある」
「バレたか。セラの分まで食うから平気! 優勝すっぞ!!」
「僕は戦力にならないけど、いこう」
 セラフィムは「助けに、一杯でも多く食べよう」と思う。
 タイガは「よし、やってやる!」と楽しそうだ。
 大食いチャレンジが始まると、タイガはどんどん塩バターラーメンを平らげていく。
 セラフィムはそんなタイガを見て逞しいなと思うのだった。


「すっかり寒くなりましたからね、ラーメン食べ放題とはありがたいです」
 暁 千尋はジルヴェール・シフォンと一緒にホワイト・ヒルの町にあるラーメン横丁に来ていた。
 見渡す限りラーメン屋がずらっと並んでいる。
「一概にラーメンといっても色々あるのねぇ」
 ジルヴェールはラーメン横丁を歩きながら、店の前に掲示されている写真付きのメニュー一覧を見ながら、いった。
「このお店、お洒落じゃない? チヒロちゃん、このお店に入りましょう」
 千尋はジルヴェールに手を引かれて、絵画や生け花で綺麗に飾り付けられた、西洋風のラーメン屋に入っていった。
 席に着くと、千尋はメニューとにらめっこをする。
「さて、どれから食べましょうか……、悩みますね。
 最初は醤油……、いや味噌や豚骨も捨てがたいです」
 どれを注文しようかと千尋が悩んでいる間に、ジルヴェールはメニューに目を通し終わっていた。
 数種類のラーメンが注文する最終候補に残ったのだが、全部食べたい。
「勉強にもなるから色々試したいけれど……、そうだわ、チヒロちゃん、シェアしましょう! そうしたら沢山食べられるもの、ね?」
「それ、いいですね。そうしましょうか」
「決まりね」
 こうして、二人で仲良くラーメンをシェアしながら、数種類を食べることになった。
「このお店のオススメはありますか?」
 さっそく、千尋が店員を呼ぶとメニューが決まり、ラーメンを堪能したのだった。

 店を出た後、しばらくラーメン横丁を歩いていた二人。
 賑わっている店があって近寄っていくと、ラーメンの大食い大会が開催されていた。
 塩バターラーメンを二人で10杯食べる事に成功したら、ホワイト・ヒルの町の旅館に一泊二日ご招待だそうだ。
「あら、旅館にご招待なんて素敵! これはもうやるしかないでしょう」
 ジルヴェールは楽しそうに店の中に入っていく。
 それを追いかけるようにして千尋が小走りする。
「大食い大会……、まだ食べる気なんですか!?
 先生が仰るなら参加しますけど……、太りますよ?」
「ふ、太らないわよっ。
 もう! そういうことは女性に言っちゃダメよ」
 太るという言葉に反応しながらも、ジルヴェールは千尋と二人でエントリーした。
 千尋は、
(……女性? いや、そこはスルーするべきか?)
 と、ジルヴェールと違った言葉に反応をしているうちに、エントリーが済まされていた。
 塩バターラーメンが運ばれてくるとジルヴェールは食べ始める前に少し考える。
「これ、制限時間ないのよね?
 せっかくだから味わって食べたいけど、ゆっくりすぎると満足しちゃうから、一定のペースで食べるようにしましょうか。
 急がず慌てず淡々と」
「わかりました。一定のペースで食べるんですね。
 麺がのびると面倒ですから、少し早めに食べた方が良いかもしれませんね。
 あと、調味料がラー油とか唐辛子とかありますから、味を変えながら食べると良いかもしれません」
 二人は作戦を立ててラーメンを食べ始めた。
「お水は飲んでも平気かしら?」
「このような大会では水分はあまりとらない方がいいと聞いたことがあります。
 飲むなら食べ終わってからにしましょう」
「そういうものなのね。
 ちょっと喉が渇いたけど、我慢するわ」
 仲良く大会を最後まで乗りきった二人は、店を出た後、景品を手に持ちながら、いろいろな店を見て楽しんでいた。
「おいしいイベントだったわ。
 お腹もいっぱいになったし、あとは締めにデザートでも食べに行きましょうか」
 ジルヴェールがいうと、千尋は驚愕の表情を見せて、いった。
「ま、まだ、食べるんですか……」
「あら、よく言うでしょ? 甘いものは別腹なのよ」
 ジルヴェールはイタズラっぽく笑うと、「さあ、行くわよ」と千尋の手を引いて店に入っていくのだった。


「らーめん♪ らーめん♪
 わはー、ほんとにらーめん屋ばっかりだ。
 人類の夢! チャーシュー麺食べ比べができるよ!」
 スコット・アラガキはミステリア=ミストと一緒にラーメン横丁を歩いている。
 店の外に並ぶラーメン屋のメニュー看板を眺めながら、「この店、おいしそー」といった感じで通りを歩いている。
「らーめん♪ らーめん♪
 ……軽い夢だな。質量的にはがっつり重めだけど」
 ミストは「ここの店はチャーシュー麺がメインみたいだぞ」と自由に歩くスコットに声をかけて店に連れて行った。
 店内には「特製チャーシュー、あります!」と大きな宣伝ポスターが貼られていて、スコットは目を輝かせていた。
「特製チャーシュー麺、チャーシュー増し増しでください。煮卵も入れてね」
「俺もチャーシュー麺をもらおう」
 注文すると、にこやかな店員が素早くチャーシュー麺を用意してくれた。
 スコットはまずはスープを飲んで、特性チャーシューをかじる。
「おいひぃー。ここのチャーシューすごく良い味だよ!」
「どれ……、確かに良い味だな」
 チャーシューはジューシーで、肉のうま味が凝縮されていた。
「煮卵、おいひぃー、半熟だー。
 ミストの方がすべすべでおいしそうだけど」
 ミストはスコットの発言にラーメンを噴き出しそうになる。
「……俺相手だからよかったけどな、そういう誤解を招く発言は慎めよ。
 特に女の子には。
 俺が職場のバイトの娘に言ったらアウトのヤツだぜ、今の」
「? ……言わないよ。ミストはたまに変なこと言うよね」
 こんなやりとりをしながら、ラーメンをズルズルと食べる。
「しかし、ラーメンは旨いがうまく啜れないし、俺に至っては握り箸だ。他の連中はこういうの食べ慣れているのか?」
 店に沢山来ているウィンクルムたちを見てミストは「上手に食べるな」と感心した。
「いっぱい食べたら、うまく啜れるようになるかな?」
 二人は店内の他のウィンクルムたちが上手にラーメンを食べるのを見て「ビューリフォー」「ふぁんたすてぃーっく」と感想を漏らしていた。

「いっぱい食べれば、上手に食べられるようになるはず……、ということでやってきました! 大食い大会!」
 謎のテンションでスコットは「食い倒れラーメン」という店で開催されている大食い大会にエントリーしていた。
「大食い大会って、おま……、
 あの後、四軒ハシゴしただろ。
 胃袋が宇宙なのか?」
 ミストは「俺は無理」とエントリーはしているが、食べるのははじめから諦めて、スコットの勇姿を隣で見守ることにした。
 塩バターラーメンがが運ばれてくると、スコットはおいしそうに食べて、次々とどんぶりを空にしていく。
「大食漢なのは知ってたが、予想以上に健闘して……。
 これ、完食できるんじゃ……」
 ミストはスコットの食べっぷりに、完食できる可能性が見えてきてそわそわし始めた。
 はじめ思っていた以上に、スコットの食べっぷりに夢中になって、気がついたら応援してた。
「さすがに、この量の塩バターラーメンを食べると、しょっぱいのが続いてゲンナリだなー。
 うー……、アイス食べたい」
 スコットは徐々に塩バターラーメンに飽き始めてくる。
「あと少しだ。がんばれ」
「ミストがあーんしてくれるなら俺がんばる。
 昔はよくしてくれたのに、最近ぜんぜんだよね」
 スコットの言葉にミストは呆れながら、いった。
「もー……、子供じゃあるまいし、甘ったれんなよ」
 ミストは、頼ってくれることにうれしさを感じながらも、スコットの自立を願った。
「なんで? 大人だとダメなの?」
 スコットの方は不思議そうな顔をしていた。
 こんなやりとりをしている間に、10杯平らげてしまったスコット。
 スコットは、
「締めはらーめんパフェを食べようよ。甘いものは別腹だよね」
 と、注文をするのだった。
(満喫したけど、塩分怖ぇ)
 と、ミストが健康を心配したのは誰も知らない。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


( イラストレーター: 越智さゆり  )


エピソード情報

マスター 和歌祭 麒麟
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 11月25日
出発日 12月02日 00:00
予定納品日 12月12日

参加者

会議室

  • [5]叶

    2014/12/01-19:18 

    (真顔になった)
    言わせたみたいで申し訳ない気持ちも一瞬湧いたけど、
    それ以上人何だか皆可愛いなぁって思っちゃった。
    ふふー、食べ歩き前から、ご馳走様な気分。

    改めて、らーめんをお腹いっぱい食べ隊。どうぞ宜しくね。

  • [4]暁 千尋

    2014/11/29-11:43 

    ら、らーめんをお腹いっぱい食べ隊・暁千尋とジル先生です。
    セラフィムさん達以外は初めましてですね。
    皆さんよろしくお願い致します。

    寒い日にラーメンはありがたいですね。
    二人でも10杯は多いと思いますが、参加する以上は尽力に努めます。

  • [3]セラフィム・ロイス

    2014/11/29-11:24 

    (きょろきょろ・・・照汗)
    らーめんをお腹いっぱい食べ隊・セラフィムとタイガだ
    スコット達ははじめまして。あとは見知った面子だね。よろしく頼むよ

    引っ張られて来たけど・・どれだけ食べれるだろうか
    大会にはタイガが一番目指してるけど。前半ではしごし過ぎて、いけるかどうかは怪しいかも。協力したい

  • [2]スコット・アラガキ

    2014/11/28-19:16 

    らーめんをお腹いっぱい食べ隊・次鋒のスコットだよ~。
    好きな具はチャーシューと煮たまごです!
    卵みたいなきれいな頭してるのが俺の精霊のミストだよ。
    みんなよろしくねぇ~。

  • [1]叶

    2014/11/28-17:43 

    ラーメンをお腹いっぱい食べ隊!
    叶と愉快な桐華さんだよ宜しくねー。
    お久しぶりな子半分、初めましてな子半分かなぁ?
    お互い美味しいラーメン色々食べられると良いねぇ。

    あんまり沢山食べれるかは判んないから10杯は初めから諦めモードだけど、
    お支払いもないし、折角だから挑戦だけはしてきまーす。


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