雪が積もっちゃいました(和歌祭 麒麟 マスター) 【難易度:簡単】

プロローグ

 お天気ニュースが夜、テレビで放送されていた。
「今夜から明日の日の出まで、大雨が予想されています。川の近くにお住まいの方は、警報などに注意してくださいね。
 また、今夜は例年より気温が下がると予想されています。しっかりお布団を掛けて、風邪を引かないようにしてくださいね。
 それでは、おやすみなさい!」
 お天気ニュースで天気を確認したキミたちは、夜の冷え込み対策に、布団を厚くするなり、いつもより厚着をするなりして眠りについた。
 朝、目が覚めると、天気予報って当てにならないなと思うキミたちだった。

 外は一面の白一色!
 一晩のうちに大雪が降って積もっていた!

 一応、当てにならないお天気ニュースをつけると、早速雪についてレポーターが何か言ってる。
「例年より早くタブロスで積雪がありました。今の外気ですが……、夜の冷え込みが嘘のようで、××度と暖かい気温になっています。
 今日から数日間、晴れが続き、積雪による影響は最小限になるでしょう」
 キミたちは、本当かよと思いながらも、朝食の準備をしていた。

 電話が鳴る。

 朝っぱらから何だろうと電話に出ると、A.R.O.A.からだった。オーガだろうか? 違った。

「あのー、外の積雪ってもう気がついてますよね? A.R.O.A.の周辺も積雪が酷いんですよ。地域活動の一環として、ウィンクルムたちで雪かきして欲しいんですよね。
 ボランティアを絶賛募集してるんですよ!」

 どうやら雪かきして欲しいとのお願いらしい。

「雪かきはたぶん午前中で終わるんで、その後は雪で遊ぶ時間にして、A.R.O.A.からお汁粉と甘酒を地域の方に配る予定になってるんです。
 雪かきのボランティアに参加してくれたウィンクルムたちにも、もちろんでますよ。ぜひ参加してください」

 まだ雪の季節には早いと思っていたが、積もってしまったものは仕方がない。
 地域活動も重要である。
 ボランティア活動をするのもいいかもしれない。
 今日はそれほど寒くない。むしろ、過ごしやすいくらいかも知れない。
 雪で遊ぶにはいい日和である。パートナーと一緒に雪かきをしたあとは、雪だるまやかまくらを作って遊んでもいいかもしれない。

解説

 雪かきエピソードです。
 A.R.O.A.の周辺地域の道路に積もった雪を道路の端に寄せてください。
 たっぷりと一晩で雪が降ったので、雪かきは時間がかかります。ですが、新しい雪なので溶けて重くなった雪に比べれば、労力は思っているほどかかりません。
 道路の端は日当たりがいいので、寄せた雪は数日中に溶けてなくなります。
 雪の後始末の心配は必要なさそうなので、作業が終わった後は、広い歩道で雪遊びをしてもこの日は許されます。
 というか、結構な人が雪遊びをしています。
 A.R.O.A.からお汁粉と甘酒が振る舞われるので、おいしく頂いちゃってください。

 転んで怪我をするといけないので、保険料300Jrが必要です。

★ストーリーの流れ
 前半は地域活動のボランティアとして、雪かきをしてもらいます。

 後半は、パートナーと一緒に雪で遊ぶなり、お汁粉や甘酒を楽しむなりと、大量にある雪を楽しんでもらう流れになっています。

ゲームマスターより

 うぅ、寒い。
 まだ私の所では雪には早いですが、気温が低い日が続いています。
 風邪とか、みなさん気を付けてくださいね。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

音無淺稀(フェルド・レーゲン)

  ・事前申請
ソリ
雪かき用スコップ

雪かきはあまりやった事ありませんが、人出が足りないということですし
道路の邪魔にならないところに雪をどかさないと歩く時大変ですよね

フェルドさんも雪かきは初めてですか?
ふふ、頑張りましょうね

それにしても、行ったり来たりするのは大変ですね
そうだ、フェルドさん
ソリを貸して下さいますか?

ソリに雪を入れて…はい、これで所定の場所まで運びましょう

多分、全部雪かきする頃には大きな山ができてるでしょうしかまくら作りませんか?

中をくりぬいて、くりぬいた雪はかまくらの上に乗せていって

真ん中を掘りごたつの要領でくりぬいて椅子を作って
ガスコンロを持ち込んでお鍋を作り、皆でつつきましょう



テレーズ(山吹)
  雪ですね!
すごいですよ山吹さん、ほら一面真っ白です!
あっ(滑って顔面から雪に突っ込む

えへへ、ちょっとはしゃぎ過ぎてしまいましたね
それにしても綺麗な人型ですね!
我ながら見事なものだと思います

では雪かき頑張りますね
やった事はないんですがとにかく道路側に寄せればいいんですよね?
それならきっと私にもできますよね
詳しい人がいたらコツとか聞きにいったりしちゃいつつ頑張りますよー

終わったら全力で遊びます
私はぜひとも雪だるまを作りたいです
よし、山吹さん勝負しましょう!
雪玉作って大きい方を作った方が勝ちですよ
では!と、わわっ

働いたり遊んだ後は食べ物がより一層美味しく感じられますね
うんうん、楽しい一日でした!


結城 舞(ケルヴィ・ムーヴ)
  事前申請
・スノーダンプ
・シリコン

ふえー、大雪です。
でも、こういう時こそ、雪かきはとても大事。

えっと、スノーダンプは別名ママさんダンプといわれてるんですよ…これにシリコンをぬれば準備万端。

このスノーダンプはこうやって…上から雪をこうブロックと作るように切れ目をいれて…一気にしたから救えば大量に運べるんですよー。
あとはすくった雪の塊を所定の位置に…っと。

そう言われれば、これだけの雪を余らせるのはすごくもったいないので…かまくらをつくるのは私も大賛成です!

えっと、…掘りすぎない事が重要なのですね。
では雪かきをしつつ、少したまった雪山を作ったあとに掘り進めて頑張って作っていきましょう。


水田 茉莉花(八月一日 智)
  ねぇ、ほづみさん…雪かきに行くだけよね?
何でそんな装備してるの?

そりに雪かきスコップ、バケツに雪玉製造器って…
遊ぶ気満々じゃないですかこのバカチビ!

お早うございます、みなさん
…雪かき、どの辺りから始めますか?
ああ…ハイハイ、わかりました

これくらいで雪は足りるかしら、音無さん、結城さん?
後は…って、ほづみさんがいない!
えっ、近所の子と遊んでる?!
…ごめんなさい、引っ張ってきます!

ほづみさん、今は雪かきボランティア中ですよ
子どもと遊んでいる場合でh…(ストライク)

全員そこに並びなさいっ!
頭は狙うの禁止、雪玉の中に石を入れるのもダメ
ほづみさんは罰として甘酒造りの手伝いをします!
(保育のスキルで諭す)


ジェシカ(ルイス)
  天気予報外れてよかったわ、雪よ雪!
さっさと雪かきすませちゃって遊びましょ!

さあ、やるわよ雪かき
とりあえず道路の端によせればいいのよね
力仕事なら得意だから頑張るわ

ああ、終わった終わった!
後は遊ぶだけよね、雪合戦でもしましょうよ
でもルイスはあんま疲れてる感じもしないわね
あんな女顔なのに、なんかずるいわ(理不尽)
何?大丈夫よ、怒らないから言ってみて
……なによそれ、私だって成長してるわよ!
逃げるんじゃないわよルイス!当ててあげるから!

勝負の世界はシビアなのよ
勝者として私はルイスのお汁粉を要求するわ
2つも食べたらカロリーがあれな気もするけどまあ一杯動いたし大丈夫よね
まあ、何だかんだいって楽しかったわね!


 雪かきのボランティアに参加することになった。
 A.R.O.A.に向かう途中には雪かきを始めている住人がかなりの数いる。
 雪かきになれた人から、へっぴり腰で雪かきをしている素人まで総出で雪かきをしていた。
 

(雪かきはあまりやったことがありませんが、人手が足りないということですし)
 音無淺稀はそう思い、フェルド・レーゲンと一緒にA.R.O.A.周辺の雪かきにボランティアで来ている。
「道路の邪魔にならないところに雪をどかさないと、歩くとき大変ですよね」
「オトナシ……ん、わかった。今回の任務は雪かきをして道路を歩きやすくすること」
 淺稀はA.R.O.A.から雪かき用スコップとソリを借りてきた。
 とりあえず、道具はこの程度あれば平気であろうと思う。
 雪かき用スコップは普通のスコップと構造が少し違う。スコップの先端が平らになっていて、全体的に四角い。
 雪を効率よく掬えるようにこのような構造になっているのだ。
 A.R.O.A.から頼まれたエリアは、雪かきがまだ始まっていない、少し広めの通りだ。
 淺稀がスコップを雪にさし込むと、すんなりと雪を掬うことが出来た。
 雪が新しいので柔らかいのだ。それに、時間が早いので、雪が溶けていないおかげで、水でべしゃっとした雪になっていない。
 雪かきは大変だが、時間をかければ何とかなりそうである。
 フェルドは慣れない手つきで雪かきをしていた。額に汗を浮かべながら、せっせと行っている。
「フェルドさんも雪かきは初めてですか?」
 フェルドはコクリと頷く。
「ふふ、頑張りましょうね」
 たっぷりと積もった雪を淺稀とフェルドは淡々と道の端にどけていく。雪かきは結構な肉体労働だった。
「それにしても、行ったり来たりするのは大変ですね」
「……確かに大変……、だがオトナシ、他にどうするの?」
 淺稀は少し考えていった。
「そうだ、フェルドさん、ソリを貸して下さいますか?」
 フェルドは黙ってソリを淺稀の前に持ってくる。
「ソリに雪を入れて……はい、こでれ所定の場所まで運びましょう」
 雪がたっぷりと乗ったソリを見てフェルドはいった。
「このソリに雪を積んで運べばいいの?」
 淺稀はフェルドにソリの紐を頭の上からかぶせる。
「そうですよ。たぶん、全部雪かきする頃には大きな山が出来ているでしょうし、かまくらを作りませんか?」
「……かまくら」
 フェルドの瞳は初めてのかまくらというワードにキラキラと輝いている。
 フェルドは無言でソリを引きずっていき、道の端の雪置き場に雪を機械的に積んでいく。

 雪かきが終わる頃には立派な雪山が出来ていた。
(これなら、中をくりぬいて、くりぬいた雪をかまくらの上に乗せていけば大丈夫そう)
 淺稀とフェルドは仲良くかまくらを作っていく。
「壁面は任せて」
 器用に壁を平らにしていくフェルド。初めての体験にワクワクしているのが伝わってくる。
 せっかくのかまくらなので、中の真下をくりぬいて掘りごたつを作った。
 早速かまくらの中に入ると、二人で入って丁度いいサイズに仕上がっていた。
「風が入らないから寒くない。むしろ雪の密度があるから暖かく感じる」
 フェルドの初かまくらの感想である。
 かまくらの中でゆっくりしているとA.R.O.A.の職員がお汁粉と甘酒を運んできてくれた。
 二人が頑張っている姿を見ていて、持ってきてくれたようだ。
「お汁粉と甘酒、頑張ったんだし、オトナシも飲まないと駄目」
 作った掘りごたつでお汁粉と甘酒を楽しんでいると、不思議と疲労がとれていくように感じる。
 ボランティアをしてみるのも悪くないと思う二人だった。
 せっかくのかまくらだ。鍋をかまくらの中でやりたいということになった。
 準備をしていたらあっという間に日は傾いていく。
 フェルドがいった。
「オトナシ……、雪で壁を作ったから、この中に蝋燭を入れて簡単な明かりをつけよう」
 フェルドは鍋の準備をしているとき、ついでに用意していた蝋燭を設置すると明かりをつけた。
 かまくらの中に蝋燭の優しい光が広がる。
「これで暗くない」
 かまくらで蝋燭の明かりに包まれながら、鍋を楽しんで、雪を満喫するのだった。


「雪ですね!」
 テレーズは一面に広がる雪景色に見ほれていた。
「綺麗に積もりましたね」
 山吹もテレーズと同様の感想を抱いた。
「すごいですよ、山吹さん、ほら、一面真っ白です!」
 新雪に足跡をつけながらはしゃぐテレーズ。
「あ、テレーズさん、滑りますからそんなに動き回ると危な……」
「あっ」
 すてーんと転んで顔面から柔らかな雪にテレーズは埋もれた。柔らかな雪が沢山あって特に痛くはない。
 テレーズは雪を払いながら起き上がり、山吹の方を見て、いった。
「えへへ、ちょっとはしゃぎ過ぎてしまいましたね」
「嬉しいのはわかりますが、足元には気を付けてくださいね。怪我をしたら大変ですから」
 山吹は苦笑しつつテレーズにいった。
 レテーズは
「それにしても綺麗な人型が出来ましたね! 我ながら見事なものだと思います」
 と、相変わらずテンションが高い。
 山吹は楽しそうなテレーズに癒やされつつ、A.R.O.A.で渡された雪かき道具をテレーズにも渡した。
「では、気を取り直して雪かきを始めましょうか。終わったら遊ぶ時間もお汁粉も待っていますから、頑張りましょう」
「雪かき頑張りますね」
 テレーズと山吹はスコップで雪を掬っては道の端へ寄せていく。なかなか体力を使う。
「雪かきってやったことないんですが、とにかく道路端に寄せればいいんですよね?」
「そうみたいですね。周りの人たちも端に寄せてますし、歩いたり馬車が通るのに邪魔にならなければいいんだと思います」
「それならきっと私にも出来ますよね」
 山吹が淡々と雪かきをしている間に、テレーズは近くで雪かきをしている住民に雪かきのコツを聞いたりして、効率を上げていった。

 雪かきは、これで十分だろうという程度に終わった頃には、体がポカポカしていた。
「せっかく雪が沢山あるんだし、雪で遊びましょう。私はぜひとも雪だるまを作りたいです」
「面白そうですね」
「よし、山吹さん、勝負をしましょう! 雪玉をつくって、大きい方を作った方が勝ちですよ。 では!」
 勢いよく走り出したテレーズは再び足元の雪に足を滑らせる。
「と、わわっ」
 とっさに山吹がテレーズを抱き留めた。
 普段はあまり気にとめないが、しっかりと抱き留められると、山吹もちゃんと男性らしい力があるんだと思う。
「本当に気を付けてくださいね」
 山吹は苦笑しながらも、テレーズを胸に抱きしめていった。
 結構顔が近い。
 雪かきをしたからなのか、テレーズは鼓動が高鳴るのを感じる。
 悪い気分ではない。
「ごめんなさーい」
 テレーズは素直に謝ると、山吹と再び一緒に雪だるまを作り始めた。
 テレーズと山吹は完成した雪だるまを眺めながら、A.R.O.A.が持ってきてくれた甘酒を飲む。
「とても大きいのになりましたね」
「我ながら、よくこんな大きな雪だるまを作ったものです」
 山吹は甘酒を啜った。
「せっかくだから、顔を書いてあげましょう!」
「雪はすぐには溶けませんから、ゆっくりとやっていきましょう」
 二人は楽しく雪かきボランティアの時間を過ごした。


「ふえー、大雪です。でも、こういう時こそ、雪かきはとても大事」
 結城 舞はA.R.O.A.の雪かきボランティアに参加していた。横にはケルヴィ・ムーヴがいる。
「ふ……雪かきですね。とはいえ、ボランティア……、ボランティアというのは仁義なき善意を与える戦闘なのですよ」
 ケルヴィが妙なテンションになってるなと感じながらも、舞はA.R.O.A.に電話で準備しておいてもらったスノーダンプとシリコンを受け取っていた。
 スノーダンプというのは大型の角形シャベルにパイプの持ち手がついているものをいう。
「スノーダンプは別名ママさんダンプといわれてるんですよ。……これにシリコンを塗れば準備万端」
 シリコンを塗ることによって、スノーダンプに雪をつきにくくすることが出来るのだ。
 スノーダンプがあれば、雪かきの効率はぐっと上がる。
 舞がスノーダンプをもって指定された場所に移動する間、ケルヴィは他のボランティア参加者に目を光らせている。
「いいですか! ちゃんと、雪は指定の場所にまず移してください!」
 明らかに素人っぽい雪かきボランティアを見ると、
「そこっ、そんなへっぴり腰でいると流れ弾に当たって死ぬぞ!?」
 と、徐々にヒートアップしていく。
 最終的には、
「いいか、雪はそのまま放っておくと凍ってしまって、危険だからな。いい例えるなら、何もない街中で地雷が仕掛けられているようなものだっ」
 といった、ちょっとした演説モードになっていた。
 ケルヴィの雪かきにかける熱いパッションと、軍人スイッチが同時に入ってしまったようだ。
 そんなケルヴィの横でせっせと舞は雪かきをする。
「スノーダンプはこうやって……上から雪を、ブロックを作るように切れ目を入れて……、一気に下から掬えば大量に運べるんですよー」
 スノーダンプに、器用に雪のブロックを乗せた舞は、手際よく雪を運ぶ。
「あとは掬った雪の塊を所定の位置に……っと」

 こうして雪かきをしていると時間はあっという間に過ぎ去るものである。
「十分に片付きましたね」
「お疲れまさです」
 二人で大量の雪を見ていると、せっかくだからかまくらを作ろうという話になった。
 また、こんなに雪がいつ降るかわからない。遊べるときに遊ぶのも重要である。
「せっかくの雪です。余らせるのはもったいないですからね」
「そう言われれば、これだけの雪を余らせるのはもったいないですね……、かまくら作るのは、私も大賛成です!」
 ケルヴィからかまくら作製のレクチャーを受けて舞はふむふむと納得する。
「えっと、……掘りすぎないことが重要なのですね。では雪かきしつつ、少したまった雪で雪山を作った後に掘り進めましょう。頑張りましょうね」
 淡々と作業をする二人。二人の動作には無駄は少なく、慣れを感じる。
(……しかし、舞くんの雪かきの動き……、文句のつけようがありませんね。かまくらが出来た後にでも、暖かい飲み物でも差し入れることにしましょう)
 かまくらが完成した後は、二人で中に入り、今日のボランティアの話に花が咲いた。
 お汁粉と甘酒を飲みながら、楽しい時間となった。


「雪~雪~♪」
 八月一日 智は歌を口ずさみながらいろいろな道具を持ってきていた。
「ねぇ、ほづみさん……、雪かきに行くだけだよね? なんでそんな装備しているの?」
 水田 茉莉花は智の持ってきている道具に疑問をぶつける。雪かきの装備と違う気がするからだ。
「そりに雪かき用スコップ、バケツに雪玉製造器って……遊ぶ気満々じゃないですか、このバカチビ!」
 智は笑いながら茉莉花の追及をかわす。
「ん? ソリの上の雪を乗せれば運びやすいでしょー?」
 さすがにそう言われてしまうと反論できない。
 茉莉花はA.R.O.A.に担当エリアを教えてもらって雪かきを始めることにした。
 すでに現場には人が沢山集まっていた。
「お早うございます、みなさん。……雪かき、どの当たりから始めますか? ああ……はい、はい、わかりました」
 細かい話を現場で聞いた後、早速雪かきを始める茉莉花。
 雪かき用スコップで雪を掬っては、指定の場所へ雪を運んでいく。
 なかなかの重労働である。あとこの動作を何回繰り返せばいいのかと思うほど、雪はたっぷりあった。

 雪かきをしていると、終わった後は遊びたいという話に周囲はなっていく。
「せっかくですから」
 と、淺稀や舞とかまくらでも作ろうということになった。
 必要な雪を、かまくらを作る場所に移動する。
「これくらいで雪は足りるかしら、音無さん、結城さん? 後は……って、ほづみさんがいない!」
 雪かきをしていたはずなのに、いつの間にか姿を消している智。
 近場のボランティアの人が、居場所を教えてくれたので急行する茉莉花だった。
「おっしゃー、お兄ちゃん負けねぇぞ! きゅっと雪を摘まめばできあがる雪玉製造器の威力を見ろってんだ! バケツ一杯の雪玉をくらえーっ!」
 茉莉花が智の居場所を見つけると、彼は子供と一緒に雪合戦をして遊んでいた。
 雪かきをサボって自分だけ遊んでいるなんて酷いと思う。
「子供と遊んでる場合では……ごふっ」
 茉莉花の顔面に智が投げた雪玉が綺麗に命中した。
「あ、やあっべー、『オニ』に当たっちまった」
 楽しそうに智は笑っている。
 茉莉花は全然笑ってないが。
「全員そこに並びなさい! 頭を狙うのは禁止、雪の中に石を入れるのもダメ。ほづみさんは罰としてA.R.O.A.で甘酒造りの手伝いをしてもらいます!」
 ぴしゃりと怒られて智は頭が低くなる。
「ア、ハイ、スイマセンスイマセン、ゴメンナサイ。ほら、ちび達も謝る!」
「えー!! 今日くらいは遊ぼ……」
 近くの子供の頭を掴んで無理矢理謝らせる智。
 これ以上、茉莉花を怒らせるわけにはいかないとぺこぺこと謝る智を見て、子供達も察して謝るのだった。
 

「天気予報が外れてよかったわ。雪よ、雪! さっさと雪かき済ませちゃって遊びましょ!」
 ジェシカは積もった雪に気分が高揚している。
 一面に足跡すらついてない雪が広がっているのだから、テンションが上がるのは仕方ない。
「うん、確かに外れてよかったかもね。ボクも雪かきのあと、遊ぶ時間が楽しみだよ。そのためにも雪かき頑張ろうね」
 ルイスはそういうと、A.R.O.A.から借りてきた雪かき用スコップをジェシカにも渡した。
「さあ、やるわよ、雪かき。とりあえず道路の端に寄せればいいのよね。力仕事なら得意だから頑張るわ」
 ジェシカはテンポよく雪を掬っては道路の端に寄せていく。
「どこに積んだ方がいいとかあるのかな? 周りの人に確認してくるね」
 ルイスは雪かき玄人っぽい人に声をかけて、雪を集める場所を確認した。
 ジェシカに場所を伝えると、しばらく二人は黙々と雪かき作業に集中するのだった。

 二人がまじめにやったこともあり、担当エリアはすっかり綺麗になっていた。
「ああ、終わった、終わった! 後は遊ぶだけよね、雪合戦でもしましょうよ」
 ジェシカは体を伸ばしながら、提案する。
「ルイスはあんまり疲れてない感じがするわね。女顔なのに、なんかずるいわ」
 ジェシカの理不尽な意見に困るルイス。
「ええ、女顔とか全然関係ないし、ずるいと言われても……。僕だって男なんだから。ジェシカは……あ、やっぱいい」
 ルイスが何かを言いかけたのを、ジェシカは見逃さない。
「なによ、最後まで言いなさい」
「い、いや何でもない」
「大丈夫よ、怒らないから言ってみて」
 ジェシカにここまで言われてしまっては、言うしかないだろう。
「……ええと、ジェシカはそういう子供っぽいところが昔から変わってないなあと」
 ルイスはジェシカの反応を伺う。
「……なによそれ、私だって成長してるわよ!」
 ルイスに子供っぽいといわれて、軽く傷つく。「もっとよく見なさい!」と雪玉を次から次へとルイスに投げつける。
「やっぱり怒るんじゃないかー! まって、まって、一方的に雪玉投げないで!」
 逃げるルイスを追いかけながらジェシカはいった。
「逃げるんじゃないわよ、ルイス! 当ててあげるから!」
 しばらくすると、ルイスはジェシカの雪玉で雪まみれになっていた。
「勝負の世界はシビアなのよ。勝者として私はルイスのお汁粉を要求するわ。2つも食べたらカロリーがあれな気もするけど、まあいっぱい動いたし、大丈夫よね」
 ジェシカは雪遊びに満足している様子。
 ジェシカは雪の上に大の字で転がっているルイスにいった。
「なんだかんだいって、楽しかったわね!」
 ルイスはぐったりしながらいった。
「ゆ、雪合戦のがずっと疲れた。まあ、お汁粉でジェシカの機嫌がなおるならいい、かな……」



依頼結果:成功
MVP
名前:結城 舞
呼び名:舞
  名前:ケルヴィ・ムーヴ
呼び名:ケルヴィさん

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 和歌祭 麒麟
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 11月10日
出発日 11月17日 00:00
予定納品日 11月27日

参加者

会議室

  • [6]テレーズ

    2014/11/16-15:21 

    テレーズと申します。
    よろしくお願いしますねー。
    雪かき頑張りまーす!

  • [5]水田 茉莉花

    2014/11/15-12:20 

    あ、そうだ、音無さん。
    あたし達もかまくら用の雪集め、お手伝いしていいかしら?
    スキルは無いから、そりで持ってきては乗せるくらいしか出来ないんですけど・・・。

  • [4]水田 茉莉花

    2014/11/15-01:00 

    みなさんはじめまして、水田茉莉花です。
    パートナーは、マキナのほづみさんです・・・けど、
    マキナって、雪に対してこんなに浮かれる種族だったかしら?
    (そりにスコップやらバケツやら雪玉製造ペンチやらを乗せていこうとする精霊に目をやりつつ)

  • [3]ジェシカ

    2014/11/15-00:12 

    ジェシカよ。
    今回はよろしくね!

    雪!いいわね、なんだかわくわくするわ。
    ちゃっちゃっと雪かきしちゃって思いっきり遊んでくる事にするわね。

  • [2]結城 舞

    2014/11/14-06:31 

    こんにちは。
    皆さん、今回もよろしくお願いしますね。

    雪かきなら私もそれなりに出来ますし、淺稀さんのかまくら作りのお手伝いを是非したいと思っています。

    楽しみながら、頑張りましょうー!

  • [1]音無淺稀

    2014/11/14-01:11 

    こんにちわ、舞さん以外は…初めましてでしょうか。
    音無淺稀と申します。

    雪かきですか…あまり雪かきした事ないのですが…。
    玄人の舞さんがいらっしゃいますので、一緒にかまくらを作っていけたらいいなと思ってました。

    ふふ、頑張って豪華にしましょうね。
    中でお鍋も作れたらいいですね。
    雪かき兼遊び、という感じで頑張りましょう!


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