突撃!ウィンクルムさんの恋愛事情!!(龍川 那月 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 二月も三分の一が過ぎようとしていた頃、貴女とパートナーはA.O.R.A.の本部へやってきていました。
 用事も終わり、そう言えば、バレンタインはどうしようか。と精霊に予定を聞こうと口を開いた時、
「すみません。ちょっといいですか?」
 手にバインダーを持った職員が声をかけてきました。A.R.O.A.広報のバレンタイン企画の一環で、ウィンクルムたちにインタビューをしているというのです。
「すぐ終わりますから、お願いします」
 と頭を下げる相手に、そんなに時間がかからないならと了承すると、
「ご本人の前では話しにくい話もあるでしょうし」
 そう言って貴女と精霊はそれぞれ別の部屋に通ました。
 部屋にはモニターがあり、画面には精霊とインタビュアーの姿が映っています。
 どういうことかと尋ねると、最近ウィンクルムの間でパートナーとのすれ違いによる仲違いの相談が多いのだと、職員は話し始めました。
「話を聞くと、神人さんが相手の気持ちが分からないから不安になったっていうケースが多くて。そう言うことを減らす目的で神人さんには精霊さんの回答をモニタリングしながら回答してもらっているんです。こちらからモニタリングしていることは精霊さんを含め誰にも口外しません。だますような様な形になって申し訳ありません」
 職員の言葉を聞きながら思い当たる節が全くないわけではないなと思った貴女はこのままインタビューを受けることにしました。

解説

・概要
 インタビューに答えてください。
 質問全てに答える必要はありませんし、全てに答えても構いません。
質問は以下の5つです。番号の後ろに回答を書いていただければと思います。

 1.二人の関係を一言で言うと?
 2.いつ、相手を特別だと自覚しましたか?
 3.今、二人でしたいことはありますか?
 4.相手に不満や直してほしいところがあれば
 5.相手への想いを語って下さい

・プランについて

 神人様のプランには精霊様の回答を見たうえでのリアクションや回答をお書きください。回答する様子をモニタリングしていたことを話す、話さないは自由です。話さなかった場合、精霊様が知ることはありません。
 

・ジェールについて

 その日の飲食費などで300ジェール消費致しました。

ゲームマスターより

 こんにちは。または初めまして。龍川那月と申します。

 バレンタインデー直前ということでA.R.O.A.広報部も力を入れております。
 精霊様には少し気の毒な気もしますが、彼の気持ちを知るいい機会とも思います。 

 素敵なプランお待ちしております。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

リチェルカーレ(シリウス)

  1 残念そうに下を向く
そうね、ウィンクルムのパートナー…え?
呟かれた言葉に ぱっと笑顔
わたしも!あ、ごめんなさい…ええと、わたしも彼と一緒
ウィンクルムでなくても わたしたちはパートナーで、す(真っ赤
2 あ、あれは困ってる顔 
わたしはどうだったかな
大好きなのは最初から…だけど
気が付いたら特別になってた 
4 ひどい!子どもじゃないもん!
シリウスのお薬と病院嫌いも直してほしいわ!(頬ぷくり)
5 優しい顔に一瞬見惚れる
ええと、わたし わたしからは…大好き(花開く笑顔)

後でちゃんと報告 
怒った?
窺うように見て 答えにほっと息を
綺麗な翡翠の目を覗き込んで笑顔
不安なんてないわ
でも ちょっと得した気持ち
シリウスの気持ち 聞けたから


かのん(天藍)
 
偶に、私はもう少し天藍に甘えたら良いって言われたりしているのですけど…
天藍も何もしていないわけじゃないから、邪魔しないように自分でどうにかと頑張っていたんですけど
もう少し天藍にお願いしても良いのでしょうか(首傾げ)


てらいも無く話す天藍の言葉に聞いてる自分の方が恥ずかしくなる
けど、上限がないというのはそのとおりかもしれないです
普段のちょっとした嬉しい事が積み重なっているんだと思うんです
私も、もっと天藍の笑顔が見たいです

合流して
自分だけ天藍の話を聞いてた事に少し後ろめたさ
何気なく尋ねられて、ついそのまま返事をしてしまう
天藍は何かしていた時に声をかけられて中断させられるの嫌じゃないですか?


出石 香奈(レムレース・エーヴィヒカイト)
  バレンタインのチョコを買いに行った帰り
インタビューのモニターをすることに
レムに限ってすれ違いとかないと思うけど、こっそり本音が聞けるかも

興味深く聞き
やっぱりというか、すごく真面目に答えてるわね
それに、あたしが付き合った相手に合わせてしまうくせがあるのもよく分かってるし
自分らしくいていいんだって思わせてくれるレムは、一緒にいてすごく居心地がいいのよね
でもそんな貴方だから、尽くしてあげたいとも思っちゃう
最後の回答に思わずにやけ
ふふ、これは帰ってからが楽しみね

インタビュー後
モニターのことは言わないけど顔には出ちゃうかも
自宅に帰り、買ってきたチョコを渡す
ハッピーバレンタイン!
あたしも、レムを愛してるわ


● 贈る想い(出石 香奈&レムレース・エーヴィヒカイト 編)
 その日、出石香奈と彼女の婚約者である、レムレース・エーヴィヒカイトはバレンタインのチョコを買いに街へ出かけていた。
 帰りに、近くまで来たからと、少しだけ用事を済ませに入った本部で広報部のインタビューを受けることになったのだ。
 レムレースとは別室で企画の本当の趣旨を聞いた香奈は少し考えてからモニターになることを承諾した。
(レムに限ってすれ違いとかないと思うけど)
 彼の性格からしてそう言ったことは起こりにくいと彼女は感じている。彼の独占欲が強いことを香奈は知っているし、彼との間に強い絆があることを自覚しているからこそ今までの男たちの時の様に不安になることもない。だが、それはそれとして。
(こっそり本音が聞けるかも)
 どんな話が彼の口から飛び出すのか楽しみだった。

「まず、お二人の関係を一言でお願いします」
「天命、だな」
「天命?」
「天から授かった使命だ。俺は香奈に会うために生まれてきたのだと思う」
 はっきりとした言葉と迷いのない声でレムレースは答える。心からそう思っているのだから当然と言えば当然だ。
「天命……。そう言い切れるのは素敵なことですね。次にお相手を特別だと自覚したのはいつ頃ですか?」
 インタビュアーが手元の紙に何事か書き込みながら次の質問へと移っていく。
「いつ頃とははっきりしていないのだが……そうだな」
 少し考える。気が付いたら彼女の存在は自分の中で特別なものになっていたが。そう思いながら辿っていく記憶は出会いまでさかのぼっていった。
「今思い起こせば、最初に出会った時にはもう好きになっていたのかもしれない」
 そう、気が付いていなかっただけで、出会ったあの日にもう彼女のことを特別に思っていたのかもしれない。天命ならそれも不思議ではないな。とレムレースは素直に思った。
「そうなんですね。運命の出会いをされたという感じでしょうか。では、今、お二人でしたいことはありますか?」
 したいこと……。そう聞かれて彼はかねてより考えていたことを口にする。
「婚約してしばらく経つし、そろそろ式の計画を立てたいと思っている」
「婚約されているんですね。……結婚式場の下見なんかはサプライズでやる方も多いと聞きますが、やはり最初はそういった感じで始めるんですか?」
 その言葉に、レムレースはいや、と即答する。
「サプライズよりは一緒に考える方が香奈も楽しいだろう」
「準備もお相手と楽しまれたいんですね。素敵だと思います。今までお相手の素敵なところをうかがってきましたが、逆にお相手への不満や直してほしいところがあれば教えてください」
「特に不満、というわけではないが……」
 一言断ってから彼は言葉を続ける。
「いつも俺に合わせようとしなくても、香奈は香奈らしくあって欲しい」

「やっぱりというか、すごく真面目に答えてるわね」
 別室でずっと聞いていた香奈がここで初めて感想を述べた。そうですね。と頷く彼女のインタビュアーに
「それに、あたしが付き合った相手に合わせてしまうくせがあるのもよく分かってるし……。」
「お相手の方はよく見ていらっしゃるんですね」
「確かに。自分らしくいていいんだって思わせてくれるレムは、一緒にいてすごく居心地がいいのよね」
 素敵だと同調するインタビュアーの言葉を聞きながら香奈は思う。
(でもそんな貴方だから尽くしてあげたいとも思っちゃう)

「ここまでありがとうございました。では最後に、お相手への想いを語って下さい」
 インタビュアーの言葉にすまなそうにレムレースは頭を下げた。
「……すまないがこれはノーコメントで頼む」
 今まで殆ど即答で答えてきた彼の申し出に、少し驚いた顔でインタビュアーが理由を尋ねると、
「こういうことは直接伝えたい。他の誰にも聞こえないところで」
 真面目な顔で彼はそう言った。
 その回答を聞いた香奈。思わずその頬が緩み、口元がにやけてしまっていた。
「ふふ、これは帰ってからが楽しみね」

 モニター後、見ていたことは告げないままに、にやけたままの口元を隠しきれないまま香奈は彼との家へと戻った。
 レムレースはそんな彼女の様子に気が付いてはいたが、いつも通りの超鈍感朴念仁ぶりで何かいいことがあったのだろうくらいに感じていた。
「ハッピーバレンタイン!」
 持っていた袋から取り出されたチョコを受け取ると、自然とレムレースの目尻が下がった。中身は見ていないが彼女が選んでくれたものなら彼の口に合わないものであるはずもない。互いの好みを把握するくらいには一緒の時間を過ごしている。
「チョコ、ありがとう」
 先ほどインタビュアーに聞かれたことを思い出す。彼女への想いなど常日頃伝えているつもりだが、それでも
「改めて言わせてくれ」
 誰かに聞かせるための言葉ではなく、誰かに見せるための言葉でもなくただ、貴女だけに捧げる言葉だから。
「香奈を心から愛しく思っている」
「あたしも、レムを愛してるわ」
 少し照れたようにしながらも嬉しそうに愛の言葉を返してくれるこの人だけが聞いてくれればいい言葉だから。

●想うからこそ(かのん&天藍 編)
 かのんと別れた天藍は個室へと案内される。言われるままに椅子に座ると、男性の職員が温かいお茶を持って入ってきた。
「では始めますね」
 職員は簡単に自己紹介をするとそう切り出した。
 お茶を口にしていた天藍も、
ん。と反応し、質問に口を開き始めるのだった。

「本当に仲がいいんですね。率直に言って羨ましいです。でも、気になるところ……例えば不満のようなものはないんですか?」
「不満?ないな」
 インタビュアーの言葉に彼は即答する。本当にないのだろう、その言葉にも声に迷いはなかった。
「即答ですね。どんな些細なことでも構いませんよ」
 少しだけ驚いた声の後、何かありませんか。ともう一度尋ねられる。
「気になるところ、そうだな……。」
 少し考える彼の口からそんな言葉がこぼれる。
「たいした話じゃないが、普段の暮らしの中で、もう少し俺の事をアテにして欲しいなとは思う」
「アテにしてほしい。というともっといろいろ相談してほしい。とか、何かあった時に一人で解決しないでほしいという様なことでしょうか」
 そこまで大ごとじゃないんだが、と言ってから何かいい例はないかと少し考える天藍。
「1人暮らしの頃からの習慣で自力で何とかしてしまっているんだと思うが、手の届かない高さの棚とか、堅く閉まった瓶の蓋とか、四苦八苦している間に俺を呼べば良いだろうと思う事はある」
 別室でそれを聞いていたかのんに、そうなんですか?と女性のインタビュアーが尋ねる。
「偶に、私はもう少し天藍に甘えたら良いって言われたりしているのですけど……」
 最後の方の言葉を濁す彼女に、恋人とはいえ頼るのは抵抗がありますか?と職員が続けると、いいえ。とかのんは首を横に振った。
「天藍も何もしていないわけじゃないから、邪魔しないように自分でどうにかと頑張っていたんです。けど……。」
 何かしているということは少なくとも暇ではない。少なくともかのんはそう考えている。
「自分で何とか出来るようなことを、わざわざ頼むのはどうしても気後れしてしまって」
 かのんは少し困惑したような表情を浮かべそう首を傾げる。
(もう少し天藍にお願いしても良いのでしょうか)

「では、最後にお相手への想いを語って頂ければと思います」
 画面の向こうでは最後の質問へと移っていた。
「何か特別なことをしているわけでも無いが、かのんの笑顔を見ると嬉しくなるな。好きとか、愛おしいとか、大切に思う気持ちに上限てないんだなと、最近思う」
「……」
 インタビューとはいえ初対面の相手に、てらいも無く話す天藍にかのんの方が恥ずかしくなってしまった。熱くなった頬を抑えながらも彼の言葉に耳を傾ける。
 インタビューに答え想いを語る彼の声は優しく、かのんへの愛しさと慈しみに満ちている様に聞こえる。表情はうまく見えないが、きっと二人でいる時のあの穏やかそうな少し嬉しそうにも見えるあの表情なのだろうなとかのんは想像する。こういった場で気持ちを告白されることがこんなに照れることだということを彼女は初めて知った。
「……。けど、上限がないというのはそのとおりかもしれないです」
 少しオーバーな言い方に聞こえるかもしれない。それでも、と頬を赤く染めながらかのんは微笑んだ。
「普段のちょっとした嬉しい事が積み重なっているんだと思うんです」
 目覚めた時に愛しい人が隣にいるとか、一緒に食べる美味しい食事とか、考えが一緒だった瞬間とか、何気なく言っただろう彼の言葉とか、本当に些細なというかちょっとした事なんですが。彼女は日常で感じる嬉しいことや彼への想いを再確認する瞬間を上げていく。
「私も、もっと天藍の笑顔が見たいです」
 締めくくる彼女の声もやはり彼への愛しさにあふれていた。

「ありがとうございました」
 深々と頭を下げる職員を尻目に帰途に就く二人。
「さっきのインタビュー……」
 どこか再会してからずっと挙動不審に見えるかのんに、天藍はインタビューのことを話題に出してみた。明らかに動揺した彼女にそれとなくカマをかけてみると、自分だけ聞いていた後ろめたさからか、かのんは企画の意図と彼のインタビューを見ていたことを白状した。
「……天藍は何かしていた時に声をかけられて中断させられるの嫌じゃないですか?」
 聞いていたインタビューの中で一番気になっていたことを口にする彼女。作業を中断させられることを嫌がる人は多い。些細なことで中断させてしまうことには罪悪感が強いのだと、かのんは続ける。
「当然だろう」
 そう天藍は微笑んだ。その声には彼女の気遣いへの感謝の色が見える。
「話していた事は本音だし、かのんも聞いていたなら話が早い。些細な事だとしてもかのんに頼られたいんだ」
「そう言うなら……」
 もう少し頼ってみようとかのんは心から思った。
 罪悪感のようなものは消えないだろう。でも、天藍が大切だからこそ、大切に思ってくれるからこそ頼りたいと彼女は思うのだった。

●静かに想う(リチェルカーレ&シリウス 編)
 緊張をほぐそうとして交わす雑談にも変わらないシリウスの表情と鋭い目つきに、インタビュアーである職員は少し威圧されながらもインタビューを始めた。
「……あの、えとですね。ではそろそろ始めますね。最初に、お二人の関係を一言で表現して頂いてもいいでしょうか?」
「……ウィンクルムの、パートナーだが?」
 分かりきったことを聞くなと言わんばかりの口調に、別室でその様子を見ていたリチェルカーレは残念そうに下を向き、同じ質問に答える。
「そうね、ウィンクルムのパートナー……」
『本当にそれだけですか?』
 画面の向こうではシリウスが重ねて問われているのが聞こえる。
「……え?」
 少し間があって聞こえた呟き。
『……ウィンクルムで、なくても』
 聞き違いではない。確かにシリウスの声でそう聞こえた。
「わたしも!」
 ぱっと花が咲いたような笑顔でリチェルカーレが返事をする。その言葉は反射的なものだったのだろう。目の前にいるのが彼ではなく職員であることを思い出したのか真っ赤になって
「あ、ごめんなさい……。ええと、わたしも彼と一緒。ウィンクルムでなくても わたしたちはパートナーで、す」
 そう言いなおした。
『いつ、相手を特別だと自覚しましたか?』
 数分前に投げかけられた質問にシリウスは無表情で黙ったまま何も答えない。
「彼、答えませんね」
 リチェルカーレ側にいるインタビュアーの女性もどうしたのだろうと首を傾げ困惑した様子だ。だが、ふと、リチェルカーレは彼の表情が変わっていることに気付いた。
(あ、あれは困ってる顔)
『……覚えていない。いつの間にかとしか、言えない』
 長い沈黙の後、画面の向こうでシリウスはそう言った。どうやらどれだけ思い出しても思い出せず困っていたようだ。
(わたしはどうだったかな)
 リチェルカーレは自分のことを考えてみる。
(大好きなのは最初から……だけど)
 初めて会った時、怖くらいに綺麗なその真っすぐな瞳に魅入られたあの時から彼のことを嫌いだと感じたことはない。だが、それは人として、ウィンクルムのパートナーしてだったはず。それがいつから変わったのだろう。どんなに考えてもそのきっかけに記憶は至らない。
「私も……気が付いたら特別になってた」

 インタビューは続く。
『相手への不満や直してほしいところはありますか?』
『怪しい人間についていくなと声を大にして言いたい』
「ひどい!子どもじゃないもん!シリウスのお薬と病院嫌いも直してほしいわ!」
 職員の質問に画面越しの彼が即答する。その言葉にリチェルカーレも頬をぷくりと膨らませ即座に反応した。
 彼が薬や病院を嫌厭するのは、眠る事を極端に避けているところがあるからだろうとリチェルカーレは考えている。それでも、不調を隠して一人で耐える彼の姿は彼女の心を痛ませる。
『怪しい人についていくような方なんですか?』
 画面向こう、インタビュアーが尋ねると、シリウスはそうだな。と一呼吸おいてから、
『……。無邪気で、無防備で、危なっかしい』
『心配なんですね』
 シリウスの声に本当に心配している色を感じたかのようなインタビュアーの言葉に当然だ。とばかりにシリウスは頷いた。
『最後に、相手への想いを語って下さい』
 その言葉に、彼の目が少しだけ見開かれたのをリチェルカーレは見逃さなかった。だが、それも一瞬、目を眇めた彼の表情に、微かな、あるか無しか位微かなの微笑が浮かぶ。
『一言では、とても言えない』
 その声に、その優しい顔にリチェルカーレは見惚れてしまう。言葉もそうだが、その瞬間、彼にその全てで彼の想いを告げられたような気がしたのだ。
「ええと、わたし わたしからは……大好き」
 頬を染めながらそう語る彼女は花が開いたような満面の笑みを浮かべていた。

 帰り道でリチェルカーレはインタビューを見ていたことを話した。元々終わったら話そうと思っていたのだ。言わないままなのは、後ろ暗いというか、フェアではない気がしたからかもしれない。
「怒った?」
 目を丸くする彼を窺うように見ながら彼女は言葉を続ける。
「……怒りはしないが、何でまた」
 怒っていない。という言葉にほっと息を吐き出したが、どう説明したものかとリチェルカーレは、うん。と少しだけ視線を外す。
「気持ちがわからなくて不安……。お前も、か?」
 追いかけてくるシリウスの言葉。お前も。という言葉に不安になることがあるのかとリチェルカーレは思う。
 そんな様子を一度も見せることなかった綺麗な翡翠の目を覗き込んで彼女は笑う。
「不安なんてないわ」
 これは本当の気持ち。それでも、
「でも、ちょっと得した気持ち」
 何故?と尋ねるシリウス。不安がないのなら得もしないだろうと続ける彼に、リチェルカーレは笑いかけたまま続けた。
「シリウスの気持ち聞けたから」
 不安じゃないからと言って気持ちが聞きたくないわけではない。でも、彼が不安になってしまわないように、もっと気持ちを伝えていこう。そう彼女は心の中で強く思った。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 龍川 那月
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ロマンス
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ビギナー
シンパシー 使用可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 3 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 02月04日
出発日 02月12日 00:00
予定納品日 02月22日

参加者

会議室


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