【神祭】温泉へ行こう!(禰琉 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

あなたはソファーで精霊と肩を並べ、一緒にパンフレットを眺めている。たまには旅行もいいよね、と何気なくつぶやくと、精霊がどこからかパンフレットを持ってきた。それでさっきからずっと眺めている。
ページをめくったとき、あなたの視線がある温泉旅館に留まった。
「温泉郷か……」
あなたがつぶやくと、精霊も興味深げにその温泉旅館の写真を見つめ始めた。
「へえ……部屋に露天風呂がついてるのか」
「美味しいお酒とお刺身が楽しめるみたい」
「大神祭のキャンペーンで格安で泊まれるみたいだな。いいじゃないか。ここ、行ってみるか?」
精霊の提案にあなたは瞳を輝かせた。
「やった! ありがとう!」
「最近オーガとの闘いで疲れてるしな。たまにはいいだろ」
あなたは喜んで精霊に抱きついた。精霊は頬を朱に染めてなんとかあなたの腕から逃れようとする。
「や、やめろ。離せって」
「ごめんごめん」
あなたは全然申し訳ない様子ではない。ようやく離れると、精霊は深々とため息をついた。
「それよりいいのか? 露天風呂って」
「? 何が?」
あなたが首を傾げると、精霊は今度は呆れまじりのため息をついた。
「ったく……ちょっとは警戒しろよな」
「え? どういうこと?」
まったくわかっていないらしいあなたに精霊はもう何も言わなかった。

解説

大好きな精霊と温泉旅行!

・日本酒とワインが楽しめます。
・旬の魚の刺身が出てきます。
・部屋についてる露天風呂は美肌、疲労、○○に効果あり。(○○はご自由に指定してください)
・宿泊料等々で、300jr消費しました。

精霊の温泉旅行をどうぞお楽しみください!

ゲームマスターより

私は幼い頃から温泉が大好きでした。そう、大好きだったんですが、いつからか潔癖症になって温泉に入れなくなりました(笑)
温泉どころか家の浴槽にも浸かれません(笑)
皆さんの苦手なものはなんですか?

リザルトノベル

◆アクション・プラン

かのん(天藍)

  お部屋に露天風呂付きの温泉ですか?
最近少しずつ涼しくなってきていますし楽しみですね

お刺身もお酒もおいしくて少し飲み過ぎてしまったかもです
天藍が良かったら先に露天風呂に入ってくださいね

妙に空いた間に何か変なこと言っただろうかと首傾げ
1人ずつではなく一緒にと言う天藍の言葉に顔赤らめてしどろもどろ
…恥ずかしいものは恥ずかしいんです…

なんとなく残念そうな気配に断ってばかりも申し訳ないような気がして
それに濁り湯で見えないのなら…

露天風呂に入ったは良いけど、何だか恥ずかしくて天藍の方を向けない
ふと動いた手に誘われるように空を見上げて空に浮かぶ月を見上げる
…綺麗、ですね

こんな風に2人で月を見れるの嬉しいです


七草・シエテ・イルゴ(翡翠・フェイツィ)
  露天風呂は夜に入ります。
髪をアップにし、翡翠さんに続いて、湯船に足を入れましょう。
景色を眺めながら、目には見えませんが、ひんやりとした微風がしました。

食事ですよね! ワインは白でお願いします。
旬のお魚の、しかも、お刺身が食べられるんですよ!?
最高だと思いませんか!?
……あっ、すみません。私ったら……。

ところが夜中に目が覚めてしまい、外を眺めても眠れなくなりました。
色々思い出しました。
この4年、私にとっては、本当に……。
涙が止まりません。

翡翠さんに抱かれながら、彼の言葉を聞いていました。
気がつくと、窓の外から光が差し込んでいた程です。
(寝不足確定……でしょうか)

「……そうですね。うふ、そうします」


●かのん(天藍)の場合

「かのん、温泉に行かないか」
「温泉ですか?」
突然の天藍の誘いにかのんは瞼をしばたたかせた。
「部屋に露天風呂がついてるらしい。しかも美肌に効果があるとかないとか」
「お部屋に露天風呂付きの温泉ですか?」
かのんは小首を傾げる。天藍は頷いた。
「そうだ。最近疲れてるだろうし、かのんなら喜んでくれると思ってな」
――自分のため。そう思うと嬉しくて、かのんは照れくさそうに口許に微笑を刻んだ。
「最近少しずつ涼しくなってきていますし楽しみですね」
天藍もつられたようににっこりと微笑む。
そういうわけでその日の晩、さっそくふたりは温泉旅館に訪れた。
造りが和風でいかにも老舗といった風情だ。部屋に来る途中大きな中庭まであった。
部屋自体はふたりには広すぎるくらいだったが、かのんが嬉しそうな様子だったので天藍はそれだけで満足だった。
食事が運ばれてくると、きらきらと光沢のある刺身にかのんは瞳を輝かせた。
「おいしそう! 何のお魚でしょう?」
「これは鯵じゃないか? いま旬だしな」
「こっちは?」
「うーん……ハタハタじゃないかと思うんだが」
「……じゃあこれは――」
他にもたくさんの種類の刺身があったが、二人はそれを全部おいしそうに平らげた。
「お腹いっぱいだな」
「はい、おいしかったです」
「じゃあ酒でも飲むか。何か希望はあるか?」
「いいえ。天藍が好きなものを頼んでください」
かのんの言葉に甘えて天藍が注文したのは葡萄酒だった。
「香りがいいな」
かのんが葡萄酒を注いであげると、そう言って天藍は一杯呷ってみる。かのんは興味津々でその様子をながめていたが、天藍がそれに気づいてにっこりと笑んだ。
「甘いし、かのんでも飲めると思う」
天藍の言葉に安心したのか、かのんも恐る恐る葡萄酒に口をつけた。
「……おいしい、です」
確かに天藍の言った通り甘味があって舌触りが優しい。かのんはその葡萄酒が気に入ったのか、すぐに飲み干して早くも二杯目を注ぎ始めた。
「飲みすぎるなよ」
笑いながら天藍が言うと、かのんは「はい!」と満面の笑みで答える。しかし天藍の気のせいだろうか、かのんの杯を空けるスピードがどんどん速くなっているような気がした。
(なんだか嫌な予感がする)
――しばらくして。
少し頬を紅く染めたかのんが潤んだ瞳でつぶやいた。
「お刺身もお酒もおいしくて少し飲みすぎてしまったかもです」
「やっぱりか。そんな気はしていた」
(飲みすぎるなって言ったんだけどな)
やっぱり嫌な予感が当たった、と呆れ混じりのため息をつきつつも、天藍の口調は優しい。天藍は小さなコップに水を注ぐとかのんに差し出した。
「水だ。飲めば少しは楽になるだろう」
「ありがとうございます、天藍」
かのんは両手で水を受け取ると、それを一気に飲み干した。
「……なんかジュースみたいな味がします。あれ、天藍が二人見えるような……どっちが本物でしょう」
「……完全に酔っぱらってるな……」
苦笑せざるをえない天藍。そうだ、と思い出したかのように言った。
「飲んだぶんと同じくらいの量の水を摂取すればいいって聞いたことがある。水、まだあるけど?」
「そんな……もう入りません」
かのんが眉をひそめると、天藍はそりゃそうだろうな、と再度苦笑する。
「ところで、まだやっていないことがあるだろう。潰れてもらうと困る」
「やっていないことですか?」
かのんがぱちくりと瞳をしばたたかせると、天藍は淡く微笑んだ。少し呆れたように。
「まだ露天風呂に入ってないだろう。せっかく楽しみにしてたのに」
「……そうでした」
せっかく温泉旅館に来たのだから、温泉に入らないと意味がないだろう。
「天藍が良かったら先に露天風呂に入ってくださいね」
かのんが微笑んで勧めると、天藍はたちまち神妙な面持ちになって口をつぐんだ。
(一緒に入るって選択肢を思い浮かべてもいないんだろうな……)
天藍は内心溜息をついた。実は付き合ってた頃チャンスがなかったわけでもないが……と、思考を巡らせる。ただ、あの頃は諸々考えて自重していたのだ。今なら、と思うのは我が儘だろうか。
かのんは妙に空いた間に何か変なこと言っただろうかと首を傾げた。次に天藍が何を言うのかなど想像だにしていなかった。
「かのん」
妙に改まってかのんを見つめる天藍。かのんは少したじろいだ。
「な、なんですか天藍。急に改まって……」
視線をそむけるかのん。
「一人ずつではなく一緒に入らないか」
真摯にそう誘う天藍の言葉にかのんはハッとして顔をあげた。だがその頬はみるみるうちに赤く染まる。かのんはしどろもどろになった。
「いや、でも、その……」
「嫌か?」
「嫌ではないです! ただ……」
かのんは恥ずかしさのあまり顔をうつむかせた。
「……恥ずかしいものは恥ずかしいんです……」
かのんの反応は恥ずかしがりな彼女らしくて可愛いな、と天藍はひそかに微笑んでいた。しかしこの機会を逃せば当分チャンスは巡ってこないだろう、そう考えてもう少し悪足掻きすることにした。
「俺が先に入って背中を向けている時にかのんが入って。温泉そのものは濁り湯で入ってしまえば問題ないだろう」
天藍のなんとなく残念そうな気配に、かのんのほうも、断ってばかりも申し訳ないような気がしてきた。
(天藍も勇気を出して誘ってくれたのかもしれないし……それに濁り湯で見えないのなら……)
こう考えて、かのんはしぶしぶ一緒に入ることを承諾した。
……まずは天藍が露天風呂に入り、温度を確認した。
「ちょうどいい湯加減だ」
湯は白っぽく濁っており、湯気もたくさん立ち昇っていた。これならかのんも大丈夫だろう、と天藍はほっと胸を撫でおろす。
天藍はとりあえず後ろを向いたまま、無言でかのんが入ってくるのを待った。
ぽちゃん、と湯が跳ねる。
「あの……入りました」
おずおずと口を開くかのん。それを合図に天藍が振り返れば緊張した様子のかのんがそこにいた。
かのんは露天風呂に入ったは良いが、何だか恥ずかしくて天藍の方を向けずにいた。
(天藍と二人きりで温泉だなんて……)
妙に体が火照ってきたのは温泉のせいだけではないだろう。
「湯加減は大丈夫か?」
「は、はい……ちょうどいいです」
「この湯、美肌に効果があるらしいからな……丹念に体に染み込ませとくといいかもな」
「そ、そうですね……」
……ふたりの会話はまったく弾んでいなかった。かのんは天藍が気を遣ってくれているのは理解していたが、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
天藍は肌に良いなんて言われている温泉をかのんにゆっくり楽しんで貰いたくて、何か気が紛れるような話題はないかと必死に思考を巡らせていた。
(それにしても緊張しすぎだろう……)
苦笑いしつつふと視線を上にあげてみると、そこには広大な夜空が広がっていた。天藍はすぐさまこれだ、と思った。
「かのん」
空を指さす天藍。呼ばれたかのんはふと動いた手に誘われるように空を見上げ、次いで感嘆のため息を零した。指で剥がせそうな白銀の月が闇夜にぷかりと浮かんでいた。さながら夜の女王といった風情だ。
「……綺麗、ですね」
月に釘付けになるかのんの視線。天藍はようやく寛ぎ始めた様子に深々と安堵のため息を吐いた。
「一緒に来て良かった」
天藍が囁くと、かのんも花のように笑んだ。
「こんな風に二人で月を見れるの嬉しいです」
「露天風呂で月見か……乙だな。これで酒があったらもっと良いかな」
「またお酒ですか?」
くすり、と小さく笑うかのん。
ふたりは顔を見合わせてひとしきり笑った。
「また、一緒に来よう」
「はい……!」
――何年も、何十年先も、また来たい。ずっと二人のままで。


●七草・シエテ・イルゴ(翡翠・フェイツィ)の場合

七草・シエテ・イルゴと翡翠・フェイツィはふたり揃って仲良く温泉旅館に来ていた。
「和風で趣がありますね」
シエテはすっかりこの旅館を気に入ったようだ。誘ってよかった、と翡翠はひそかに安堵した。
「あ、本当に露天風呂がついてるんですね」
そう嬉しそうにはしゃぐシエテ。
「今から入ろうか?」
翡翠が尋ねるとシエテは首を横に振った。
「恥ずかしいので暗くなってからがいいです」

――太陽が落っこちて月がぷかりと浮かんだ頃。
「温泉に入ろうか」
翡翠の言葉にシエテは微笑んで頷いた。
「先に入っていてください。髪をアップにしますから」
そういうわけで先に温泉に入ったまま、翡翠は今か今かとシエテを待っていた。
(なにウキウキしてるんだ、俺)
内心そうつぶやいていると、髪をアップにしたシエテが現れて湯船に足を入れた。ぽちゃん、と湯が跳ねる。
「ちょうどいいお湯加減ですね」
ふたりで肩を並べ、露天風呂から見える夜景に感嘆のため息を零した。
「綺麗だね」
「綺麗ですね……」
「ここからだと本当、何が見えるんだろうね。俺たちの家はどのあたりかな」
「あっちだと思うんですが……」
そう言ってシエテが左を指さす。すると翡翠が右のほうを指さしながら、
「いや、そっちのあたりだろう」
「え? いやでも……」
「いやいや、そっちが……」
言い合っているうちに、ふたりはいつの間にかぴったりと体を寄せ合っている形になった。
気付いたシエテが頬を真っ赤に染めて、慌てて翡翠から離れる。
翡翠は苦笑いせざるを得なかった。
(やっぱり恥ずかしいんだな……)
しかし、それにしてももうちょっと此方に近づいてくれてもいいのに。ちょっぴり寂しい。
そんなことを考えていると、ひんやりとした一陣の微風が吹いた。
「寒気がしますね……」
シエテがつぶやくと、翡翠はその肩をそっと静かに抱いた。シエテは今度は抵抗しなかった。
「ちょっとは暖かくなった?」
「ありがとうございます、翡翠さん」
ふたりは顔を見合わせて笑った。
「そろそろあがりませんか? お食事がきますよ」
「そうだね。じゃあ先にあがらせてもらうよ」
そう言って翡翠は温泉からあがった。

ふたりは温泉からあがると運ばれてきた食事に舌鼓を打った。
「旬の魚の刺身か……今の季節だと秋刀魚、鰰、鯵か?」
「食事ですよね! ワインは白でお願いします」
シエテが早速注文する。翡翠も微笑みながら口を開いた。
「おっと、俺は日本酒ね。出来るなら熱燗をお願い」
かしこまりました、と一礼して退室する仲居を尻目に、翡翠はシエテに苦笑を向けた。
「はは、嬉しいのはわかるんだけど、シエ、はしゃぎすぎだよ?」
シエテは瞳を輝かせ、屈託のない満面の笑みを浮かべていた。
「旬のお魚の、しかも、お刺身が食べられるんですよ!? 最高だと思いませんか!? ……あっ、すみません。私ったら……」
ようやくはしゃぎすぎなのを自覚したのか、シエテは途端に頬を染めてシュンと顔をうつむかせた。それに翡翠がにっこりと笑う。
「せっかく来たんだから楽しもうか」
「はい!」
ふたりは美味しそうに食事を平らげると、さっそくさっき頼んだ白ワインと熱燗を飲み始めた。
「美味しいです」
「温泉にきて飲む酒は格別だね」
そう言ってふたりはしばらく杯をすすめていたが、翡翠はにわかにシエテの視線に気づいた。
……もしかして。
「シエ、熱燗飲みたいの?」
「……はい……翡翠さんが飲んでる味ってどんなのかなって……」
翡翠は心底シエテを愛しく思った。なので、当然嫌な気分はしなかった。
「わかった。じゃあシエの白ワインも飲んでいい?」
「もちろんです!」
ふたりはお互いにお酒を注いであげて、楽しそうに乾杯した。
「……甘いな」
翡翠がつぶやく。シエテは苦笑した。
「熱燗は少し苦いですね。でも飲めなくはないです」
「やっぱり俺は熱燗を飲ませてもらうよ」
「では、私も白ワインを飲ませていただきます」
ふたりは持っていた杯を交換する。
そうして再び顔を見合わせて笑うのだった。

――深更。
布団のなかに入っても目が覚めてしまい、ふたりはしばらく外を眺めていた。夜空に浮かぶ月が凛としていて美しい。今夜の星は少し霞んで見える、と翡翠は思った。そうこうしているうちにふたりとも目が冴えてしまいますます眠れなくなってしまった。
一方シエテのなかでは色々な記憶が呼び覚まされていた。
「この四年、私にとっては、本当に……」
辛いこと、悲しいこと、苦しいこと。本当に色んなことがあった。瞳から次々と溢れる涙はもうシエテ自身の力では止めようもなかった。
瞳に涙を浮かべて話す傍ら、自分に背を向ける彼女を自分のほうへ向き直らせ、翡翠はそのまま力強く抱きしめた。
「今を変えたい、良くしたい、そうもがきたいのはわかる」
翡翠に抱かれながら、シエテは黙ったまま彼の言葉を聞いていた。
「わかってほしい。家族の事、親友の事、それも全部含めて……俺も今、苦しいんだ」
シエテの四年間の追憶は、見返してみると辛いことばかりではなかった。翡翠と一緒だから、本当に楽しかった。……だけど。
光があれば闇が際立つように、その辛さがいまもシエテの両肩にどっしりと重みを加えている。
(辛いのは私だけじゃない)
翡翠には距離を掴みかねている家族の事、突然現れた昔の親友のこともある。自分以上にたくさんのことを抱えている翡翠。もちろん、支えてあげたいと思っている。ただ、シエテも自分のことでいっぱいいっぱいだった。
(どうすればいいんだろう……)
シエテの心の中はぽっかりと穴が空いたままだった。どうするのが一番いいのだろう。
その答えをシエテはまだ知らない。
同時に翡翠の方も自分の溢れる感情を持て余していた。
辛いのは自分だけじゃない、そう頭では理解しているのに。
(俺は卑怯だな……)
内心独りごちる。辛いのは自分だけじゃないと言い聞かせつつも、自分はシエテの心に寄り添えているか不安だった。シエテは自分も辛いのに、いつも自分に寄り添ってくれる。その温かさ。
(俺は何もできていない……)
いつも格好悪いところを見せてばかりのような気がする。
家族のことも、ユイのことも。
シエテは自分のすべてを受け止めてくれる。
……いや、ユイのことはシエテもどう反応すればいいのか判じかねているに違いない。けれど、自分自身が一番戸惑っているし、一体全体どうすればいいのか皆目見当もつかないのだ。家族のことだって、シエテには色々と気を遣わせているに違いない。
色々と思考を巡らせているうちに、翡翠は窓の外から光が差し込んでいることに気付いた。ふたりを照らす、青白い光。
「朝になってしまいましたね」
苦笑しながらシエテが言った。もう涙は乾いているようだった。
(寝不足確定……でしょうか)
今度はシエテのほうから翡翠に抱きついた。翡翠はやや驚いたが、すぐに瞳を細くして口許に微笑を刻んだ。
「二度寝、するよ。今度は一緒ね」
「……そうですね。うふ、そうします」
いまはただ、この幸せを実感していたい。
いまはただ、辛いことも何もかも、すべてを忘れていたい。
ふたりを見つめる、朝日が昇る。
翡翠は、自分たちの心にも光が差し込めばいいのに――そう、切に願いながら瞳を閉じた。




依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 禰琉
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 2 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 09月17日
出発日 09月22日 00:00
予定納品日 10月02日

参加者

会議室


PAGE TOP