プロローグ
深夜のタブロス市内。
下町に接する倉庫街の一角で、タブロス市警のレオン・フィンチ警部補は日中の熱さを残すアスファルトの地面からゆっくりと上体を起こした。
路地裏である為、視界は悪い。
通りに立つ街灯からのぼんやりした光を頼りにして、何とか状況を確認した。
全身至る所に激痛が走った。それもその筈で、フィンチ警部補のスーツは上下共にあらゆる箇所が切り刻まれており、乾いた血糊がべったりと張り付いている。
幸い命に別状は無いと思いたいところだが、医者ではないフィンチ警部補には、己の生命にどれ程の危険が迫っているのかは分からない。
ただ実感として意識ははっきりしており、四肢も辛うじて、己の意志に従って自由に動かすことが出来た。
「やぁフィンチ警部補。こんなところに居たのかね」
通りへと通じる路地裏口に、漆黒の長身がのっそりと姿を現した。
デーモンリップスと名乗る怪人――デミ・ギルティである。
フィンチ警部補は路面に座り込んだまま、リラックスした様子でひと息入れた。
「応援はもう、呼んだのかい?」
「当然だ。A.R.O.A.の伝達網は優秀だからな、数分もすれば近隣のウィンクルムが駆けつけてくるだろう」
これはブラフではない。
フィンチ警部補は意識を回復させると同時に、スマートフォンから緊急応援要請信号と位置情報を発信していたのだ。
意識的にではなく、ほとんど条件反射の中で発信していたのだから、これはもうどちらかといえば、職業病に近いのかも知れない。
「それはそうと、珍しくひとりだな」
「手駒が全滅しちまったからね。俺が直接、ウィンクルム御一行様をおもてなししなきゃあな」
喉の奥で低く笑ってから、デーモンリップスは踵を返した。
手負いのフィンチ警部補には用は無い、といわんばかりだった。
「警部補殿は、そこでゆっくり観戦してな。俺が勝ったら、最後の引導を渡して進ぜよう」
「首を洗って待っているさ」
フィンチ警部補の声色に、恐れの感情は微塵にも見られない。
駆け付けてくるであろうウィンクルム達がデーモンリップスに勝利することを期待しているのか――或いは、己の命に対して未練が無いのか。
一方、デーモンリップスは倉庫街の通りにひとり佇み、ウィンクルム達の到着をしばし、待ち続けた。
解説
デミ・ギルティの怪人デーモンリップスとの決着戦です。
場所はフィンチ警部補からの連絡で既に判明している為、捜索は不要です。
戦闘のみに集中して下さい。
<デーモンリップス>
デミ・ギルティのオーガです。
外見的には三十代の男性で、二メートルを超える長身と引き締まった筋肉が鎧のように全身を覆う非常に頑健な体格、額から伸びる短い三本の角、そして全身の皮膚が真紅と漆黒の二色で隈取のように彩られているという特徴があり、普段は黒ずくめの衣服に身を包んでいます。
人身掌握術に長けており、人の暗い感情を操ることが可能で、オーガ化の進行を極度に早める能力を持っています。
また、超疾連播という能力を具えています。
これはマッハを超える超速度の身体能力で、それ以外には特徴はありませんが、飛来する弾丸を指先で摘まみ取ったり、相手が意識する前に背後に廻ることが出来ます。
尚、デーモンリップスの弱点は黄金の鱗ですが、隠されている位置については、フィンチ警部補が何らかの情報を握っている模様です。
ゲームマスターより
本プロローグをお読み下さり、誠にありがとうございます。
オートンとの決着戦に続き、デーモンリップスとの腐れ縁も断ち切るエピソードをお届けします。
純粋に戦闘オンリーですので、それ以外の要素は考えて頂かなくても大丈夫です。
尚、ストーリー的には下名が担当した過去のエピソードと諸々の関連性がありますが、特にこれといった参加条件等はございません。
もしよろしければ、参加をご検討頂けますと幸いです。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
リチェルカーレ(シリウス)
フィンチ警部補、良かった生きていた…! 安心できない状況だけれど、それでも。 どうか皆で帰れますよう。 可能なら応急セットとインカム(人数分)申請 現場についたらトランス フィンチ警部補の方に向かう まずは応急手当て(医学スキル使用) 応急セットが無ければスカートの裾を割いて止血 黄金の器について 気が付いたことがあれば教えて欲しいと小さな声で 後はわたしたちが どうか逃げてください 弱点わかれば仲間に周知 インカム 無理なら携帯でアラノアさんに伝えます 神符で拘束付与して破壊サポート 器破壊に成功すればLT フィンチ警部離脱までは護衛 彼の盾をしながら封樹の杖で植物を操り デーモンリップスの足を絡めとれないかやってみる |
シルキア・スー(クラウス)
現場向う中 トランス 携帯でAROAに警部補を病院へ運ぶ人員派遣要請+仲間に周知も依頼 警部補にメッセージ『生きていてくれたんですね 良かった』 デーモンリップス(以降DLと略)の元へ 時間稼ぎ+注意引きにDLに語り掛け 警部補を手駒にしようとして失敗した様ね 自分の存在に迷いがあるの? 私から言えるのは オーガに残された唯一の救いは『心に愛を抱き滅びる事』 一度滅びて生き直して 戦闘では片手本効果の為連携行動をしたい 攻撃仕掛けl4の方へ誘いカウンター発動させたい 好機に呪符で足の拘束狙う 彼が瀕死なら聖鎧の効果で回復 鱗破壊後も連携優先 動きが鈍り止めが見込めるならSTで攻撃を 生還したら警部補にお詫びとDLとの関係聞きたい |
アラノア(ガルヴァン・ヴァールンガルド)
トランス インカムが通らなかった場合 リチェさんと私の携帯電話を通話状態にさせたままクラウスさんの背後あたりに移動しリチェさんからの鱗の位置情報を待つ 携帯から鱗の位置情報が入り次第皆に情報共有 鱗の位置情報伝達前 デーモンリップスの足止め 仲間との連携重視 盾構え体力温存重視 伝達後 鱗の破壊を目的とした攻撃を避ける事を予測し先に呪符を投げ隙を作れたらいいな 閃光ノ白外套の閃光効果で怯ませる事ができたらもっといいな 出来れば呪符を鱗の位置に投げ破壊 鱗破壊後HTG 後はもう全力で呪符を投げる 全体的な流れの中で相手に隙があれば呪符の六道封印を試す 上手くいけばオーラや超疾連播の特殊効果を無効化し形勢逆転できるかもしれない |
●決戦の夜
デーモンリップスとの決戦の場は、夜の倉庫街。
最初に現場へと辿り着いたリチェルカーレとシリウスは、A.R.O.A.本部で調達してきたタブレットを覗き込み、レオン・フィンチ警部補の持つスマートフォンの位置情報を確認した。
「……居ました。フィンチ警部補は東十二番倉庫群の二十四番地です」
同じく調達してきたインカムを通して、リチェルカーレは仲間のウィンクルムにも情報を流す。
通報を信じるならば、そのすぐ近くにはデーモンリップスが居座っている筈だ。
「ここから二、三分程の距離か」
シリウスの若干緊張を孕んだ声に、リチェルカーレも表情を強張らせつつ頷き返す。
倉庫街に到着する直前には既にトランスを発動しており、いつでも戦闘に突入することは出来る。
が、今回の相手はあのデーモンリップス――これまで散々手を焼かされてきたデミ・ギルティだ。
普通の戦い方が通用する相手ではないことを、ふたりは誰よりもよく理解していた。
「私はまず、フィンチ警部補の保護に向かうわ。幾ら本人は無事だっていっても、やっぱり心配だからね」
「デーモンリップスは任せろ。だが、あの超疾連播だけは何か対抗策を考えないとな」
勿論、今すぐに有効なアイデアが浮かんでくる筈もない。
シリウスは兎に角、使える限りの技や装備をありったけ注ぎ込み、その中で有効対策を見出していくしかないと腹を括った。
実際、超疾連播の威力を目の当たりにしたことがあるウィンクルムは、ほとんど居ない。
リチェルカーレとシリウスもその例に漏れず、敵がどれ程の速さで迫ってくるのかを実感として理解出来ている訳ではなかった。
(弱点が分かるまでは回避に専念するしかないのだろうが……)
専念したところで、相手の速さがこちらの身体能力と反応速度を上回っていたら、最早どうしようもない。
(なるべく多めの人数で攻撃を分散させるしかないか)
であれば、他のウィンクルム達と同じタイミングで一斉に仕掛けるしかないだろう。
単独での突撃はご法度だ――シリウスはもう一度タブレットを覗き込み、デーモンリップス撃退に向かっている他のウィンクルムの位置を頭に叩き込んだ。
同じ頃、別方向から現場へ急行しているシルキア・スーとクラウスのふたりは、一旦足を止めて状況を確認した。
A.R.O.A.に要請していた補助人員と救急隊は、あと数分で倉庫街近くに到達するとのこと。
デーモンリップスに対抗出来るウィンクルムは、決して人数が多いとはいい難い。
それでも、向かわねばならない。
シルキアとクラウスは、フィンチ警部補が無事なのかどうかの一点に最大の関心を払っていたが、今回デーモンリップス出現の一報を入れてきたのが他ならぬフィンチ警部補自身だったことに、ふたりは少なからず胸を撫で下ろす気分だった。
と、そこへ――。
「丁度面子が揃ったようだな」
背後から、聞き覚えのある声が響いた。
アラノアを従えたガルヴァン・ヴァールンガルドが、既に戦闘態勢を整えた様子で静かに歩を寄せてきた。
クラウスはその戦闘スタイルの性格上、デーモンリップス相手に直接接近戦を仕掛けるというよりは、やや後方に退いて神人達の盾になる役割が適任であろう。
しかしガルヴァンは妙な表現だが、攻めの防御を得意とする。
一撃必殺の逆転打を叩き込むよりは、守りを固めて相手の懐に飛び込み、打撃を蓄積していくボディーブローの如き戦術が持ち味であった。
「相手が速度で攻めてくるのであれば、同じ土俵に立つのは不利かも知れん」
「敵はデミ・ギルティだから一撃が滅茶苦茶重いのは想像出来るけど、ガルヴァンさんなら耐えられるかも知れないですし」
アラノアは当然のことながら、ガルヴァンの戦術をよく理解している。
敵が鈍重ならば速度と手数で勝負し、逆に恐ろしく機敏であれば敢えて速度では勝負せず、ひたすら守りを固めて敵の接近を待ち、カウンターで打撃を重ねてゆくという戦い方もある。
問題は、超疾連播によってデーモンリップスがどこまで速くなるのかという、その一点のみであろう。
ここでクラウスが、意外な提案を口にした。
「まずは俺が仕掛けてみる」
シャイニングアローIIを発動させつつ、デーモンリップスの間合いに入ってみる、というのである。
デーモンリップスの速度がシャイニングアローIIの反応速度を上回るのかどうかで、こちらの戦い方も大きく変わってくるだろうというのが、クラウスの読みであった。
超疾連播を当初、範囲衝撃波と予測していたクラウスだが、その後フィンチ警部補から送られてきた情報で、それが大きな誤りであることを知った。超疾連播は単純な超速度に過ぎないのだ。
だが、速さの桁が違う。
ほとんど未踏の領域に近しい戦いに足を踏み入れるのに際し、シャイニングアローIIの反射速度を目安に用いるというのは、策としては決して悪くない。
「良かろう。俺とシリウスが仕掛けるのは、その後だ……聞こえているな?」
ガルヴァンの最後の台詞は、インカムを通じてシリウスに投げかけられたものだ。
イヤホン越しに、シリウスの応答が聞こえた。
これで、戦術は決まった。
あとは実践あるのみだ。
それから数分後。
ウィンクルム達は東十二番倉庫群の二十四番地で合流を果たした。
「フィンチ警部補……本当にご無事で良かったです……ッ!」
救急セットを小脇に抱えて、リチェルカーレは路上に座り込んでいる全身傷だらけのフィンチ警部補の傍らへと駆け寄った。
同じくシルキアも、どこか申し訳無さそうな顔つきで足早に歩を寄せ、軽く頭を下げた。
「生きていてくれたんですね……良かった」
「気にするな。これも仕事だ」
微かに苦笑するフィンチ警部補だが、額に脂汗を浮かべているところを見ると、肉体に受けた打撃は決して小さなものではない。
シルキアが事前に救急隊を要請していたのは、正解だったといえよう。
「ところで君達は、奴の弱点を把握しているか?」
「いえ……実はまだ、何の情報も得られていません」
手際良く応急処置を施しながら、リチェルカーレは表情を曇らせた。
既にシリウス、ガルヴァン、クラウス、そしてアラノアの四人がデーモンリップスと接敵している。
リチェルカーレとシルキアは、四人がデーモンリップスを引きつけてくれているから、難無くフィンチ警部補のもとへ足を運ぶことが出来たともいえた。
「奴の弱点は恐らく、黄金の鱗だ。その位置は、これは私の目測だが、この辺りだろう」
いいながらフィンチ警部補は、自らのうなじの辺りを指差した。
そういえば、とリチェルカーレとシルキアは互いの顔を見合わせた。
これまで何度かデーモンリップスと戦闘に突入することがあったが、あの漆黒の魔人は激しい戦闘の中にあって、ただの一度もフードを取り払ったことが無い。
更にフィンチ警部補曰く、過去にデーモンリップスと交戦した際には、妙に後頭部からうなじ付近を守る仕草が多かったのだという。
そしてフィンチ警部補はもうひとつ、付け加えた。
「奴の超疾連播は確かに速い。だが、予測が出来ない訳でもない」
というのも、超疾連播は常に直線の動きに対してのみ発動するのだという。
つまりデーモンリップスの動きに反応するのではなく、こちらが意図した攻撃ポイントに追い込めば何とかなる、というのだ。
「アラノアさん、聞こえました?」
『勿論ッ! 早速、皆に伝えますッ!』
応答を返してきたアラノアの声には、腹の底から湧き上がるような力強さがあった。
全く手も足も出ないと思われていた圧倒的な強敵に対し、攻略の糸口が見つかったのである。意気高揚としない訳がない。
「じゃ、後は任せたわね。私も皆と一緒に、戦ってくる」
シルキアはゆっくりと立ち上がった。
その瞳には、絶対に勝つ、という決意にも似た闘志の光が宿っていた。
●最後の激闘
クラウスは少なからず、仰天した。
デーモンリップスはシャイニングアローIIの反射防御による反撃など全く意に介さず、間合いに飛び込んできたクラウスに対して、文字通り目にも留まらぬ速さの突きや蹴りを叩き込んできた。
もしもクラウスが防御を固め、回復技能をあらかじめ用意していなかったなら、この最初の接近戦で敢え無く絶命していたことだろう。
「ほほう。良い守りだ。俺の初撃を凌ぎ切れる奴なんて、そうそう居ないんだがね」
シャイニングアローIIによる打撃を全身に受けても尚、悠然と佇むデーモンリップス。
逆にクラウスは強烈な蹴りを真正面から喰らい、数メートル弾き飛ばされたところで、辛うじて踏ん張っていた。
「超疾連播は直線の動きに対してのみ発動する……分かってはいても、中々見切れるものではないな」
クラウスに代わって、シリウスが前に出た。
デーモンリップスの戦術と、その速さは理解出来た。
その上でシリウスが下したのは、小手先の対処ではどうにもならない、という絶望にも似た結論だった。
これまで出会ったことも無いような速さだった。デーモンリップスが構えたと思った次の瞬間には、その拳がクラウスの肩口に達していたのである。
あの速さを、自分ならばかわせるのか――正直なところ、自信は無かった。
が、それでもやるしかない。
フィンチ警部補の元からシルキアが駆けつけてきて、一瞬だけデーモンリップスの視線が動いた。
シリウスはその先を遮る位置に身を移し、剣を構える。
「お前の相手は、俺達だろう?」
「まぁそう硬いこといいなさんな。俺は向かってくる奴は、誰だってウェルカムさ」
デーモンリップスの軽口を聞き流しながら、シリウスはガルヴァンの位置を視界の隅で捕捉していた。
黄金の鱗の位置は分かった。
後はどうやって、あの位置に有効打を叩き込むかの一点だったが、超疾連播による猛攻をかいくぐり、更に背後を取ってうなじ付近に攻撃を入れるというのは、口でいう程、簡単ではない。
だが、やりようはあった。
(鱗の破壊は、あのふたりに任せるか)
シリウスはガルヴァンとアラノアに、対デーモンリップス戦術の要を託した。
というのも、クラウスとシルキアは黄金の鱗を破壊した後に備えて戦闘力を温存する方針であったし、リチェルカーレがフィンチ警部補の保護に廻っている今、シリウスは単独で戦わねばならない。
であれば必然的に、黄金の鱗を破壊する為に策を用意しているガルヴァンとアラノアに全てを託す以外に無いのである。
だがシリウスに、不安は無かった。
(あのふたりならば、必ずやってくれる)
シリウスはひとつ気合の声を吐き出してから、デーモンリップスとの接近戦に突入した。
「警部補を手駒にしようとして、失敗したようねッ!」
少しでもデーモンリップスの注意を引きつけて、シリウスやガルヴァンが有利になるようにと、シルキアが声を張り上げて呼びかけた。
デーモンリップスは誘いに乗ったのか、皮肉めいた笑みを唇の端に浮かべた。
「失敗どころか、良い餌になってくれたぜ。お陰でお前さん達が釣れた」
「妙ないい分ね……もしかして、自分の存在に迷いがあるの? 私からいえるのは、オーガに残された唯一の救いは、心に愛を抱いて滅びること。一度滅んで、生き直して」
デーモンリップスの注意を分散させる為の台詞ではあったが、しかし同時に、シルキアの本心でもあった。
だが、効果的に機能しているかといえば、結果は伴っていないといわざるを得ない。
シリウスの剣戟は今のところ、デーモンリップスの回避を上回ることが出来ていなかった。
ならばと、今度はクラウスが声を張り上げた。
「お前がデミオーガを生み出す理由を考えた……つまり、お前は見たかったのだ。デミという半端な存在で自我を持つ者が何をし、翻弄される者がどうするのかを。少なくとも俺には、そう見える。ギルティになり損ねたデミ・ギルティよ」
だが、これも失敗だった。
シリウスの攻撃は依然として、デーモンリップスにかすりもしない。
尤も、多少の注意を引くことは出来たようだが。
「もう終わりかい? 生憎だがね、俺は口喧嘩には興味ねぇんだよ」
結果こそが全て、といわんばかりに。
デーモンリップスはシリウスが繰り出すあらゆる攻撃をかいくぐり、極めてシンプルな前蹴りを一閃。
シリウスは直撃こそ辛うじて免れたものの、左の脇腹に決して軽くはない打撃を受けた。
その衝撃は腰にまで至っていたらしく、下半身の踏ん張りが若干効かなくなり始めていた。
速度を身上とする戦士にとって、足腰の力を奪われるというのは致命的ともいえよう。
シリウスは僅かに間合いを取りつつ、苦笑した。
「その動き、拳法だな。それも随分と歴史のある流派と見た」
「ある高僧に、教えを乞うたんだがね。今じゃもうすっかり伝承者が途絶えちまった、昔ながらの殺人拳さ」
成程、とシリウスは内心で頷いた。
一気に間合いへと踏み込み、相手の急所に必殺の一撃を瞬時に叩き込む。
超疾連播とは最高の組み合わせともいえる戦闘技能であろう。
廻し蹴りや投げ技、組技を一切使わず、最短距離から放たれる直線の一撃は、フィンチ警部補がいうように、確かに予測可能ではある。
だがそれは、相手の動きを見切れるだけの速さを自分自身も身に着けていれば、の話だ。
残念ながらシリウスでは、デーモンリップスの攻撃を完全にかわし切れるだけの速さを発揮することは出来ない。
辛うじて受け身を取ることで致命傷になるのを免れるのが、精一杯だった。
分かっていても、かわせない。それが超疾連播の恐るべき性能であろう。
しかし、だからこそ、シリウスにはますます己の考えが間違っていなかったと確信を得ることが出来た。
(矢張りだな……間違いなく、あのふたりなら成功する)
そのシリウスの期待に副うべく、ガルヴァンがいよいよ突撃していった。
ブラッディローズを発動して防御力を高めたガルヴァンは、デーモンリップスの正面へと突撃した。
(奴は正面からの攻撃を回避する際は必ず、バックステップを踏む)
それが、シリウスとクラウスの戦いから得られた、唯一にして最大の情報だった。
敵の動きが分かっていれば、それが如何に高速であろうとも、その回避運動の先に罠を張り巡らして一撃を加えることが可能だ。
その罠を張っているのが、アラノアだった。
アラノアはガルヴァンが正面突撃を仕掛ける寸前、デーモンリップスの後方約一メートルの辺り、うなじの高さ付近に呪符を投擲していたのだ。
シリウスとガルヴァンが徹底して正面からの攻撃を仕掛け続けていた為、デーモンリップスはアラノアの呪符にはまるで気付いていなかった。
突撃するガルヴァンにカウンターとなる退がり突きを繰り出しつつ、デーモンリップスはまるで吸い込まれるようにして、アラノアが仕掛けた呪符へと自ら飛び込んでゆく。
「ぬぉッ!?」
今まで聞いたことがないような驚きの声を上げ、デーモンリップスは後ろから弾かれるような勢いで、前のめりに跪いた。
それまで目深に被っていたフードが四散し、デーモンリップスの首から上が薄闇の中で露呈していた。
砕かれた黄金の鱗が、うなじのやや下方付近で哀れな姿を晒していた。
「中々、味な真似をやってくれたな。シンプルな能力にはシンプルな罠で対抗ってな訳か」
デーモンリップスの動きが極端に鈍くなった。と同時に、それまで身に纏っていたオーラが、目に見えて分かる程に弱まっている。
倒すなら、今しかない。
ここでガルヴァンは、ダブルハートを発動した。
シリウスとクラウスは既に攻撃出来る状態ではなかったが、代わりにシルキアが戦線に加入。
クラウスの傍らへと駆け寄ったシルキアは、セイクリッド・トランスを発動した。
そして、アラノアである。彼女もまた、装備している呪符全てを注ぎ込む腹積もりで、ダブルハートを発動させたガルヴァンに続いてデーモンリップスの間合いの中へと突撃した。
●嗤う死者
何故か、デーモンリップスはほとんど抵抗らしい抵抗もしないまま、ウィンクルム達の必死の総攻撃を受け続け、そのまま大の字に仰臥した。
誰が見ても、分かる。
デーモンリップスの魂はもう間も無く、消滅しようとしていた。
と、そこへフィンチ警部補が、リチェルカーレの肩を借りて戦いが集結した場へと、足を運んできた。
「やぁ警部補……見ての通り、俺の勝ちだ」
「あぁ、そうだな。お前の望みがようやく叶ったという訳だな」
ふたりの間から放たれた思わぬ言葉に、リチェルカーレは驚きの表情を隠せない。
「一体、何があったのですか?」
リチェルカーレが、かすれた声で訊く。
フィンチ警部補は沈痛な面持ちで、低い声を絞り出した。
今から二十年程前。
無差別の連続通り魔殺人事件が発生した。その犠牲者の中には、三歳と五歳というまだ幼い命もあった。
殺されたふたりの幼子の父親が、デーモンリップスだった。
当然ながらデーモンリップスは激しい憎悪を抱いた。
だがその憎悪は犯人ではなく、事件を未然に防げなかったフィンチ警部補でもなく――愛する子供達を救えなかった自分自身に対して向けられた。
己への激憎が高まった挙句、当時精霊だったデーモンリップスは、オーガに墜ちた。
力をつけ、デミ・ギルティとなった後も、自分自身への憎悪は募る一方だったという。だがデーモンリップスは自分自身を滅ぼす方法を知らなかった。
ウィンクルムのみが己を滅ぼしてくれると知ったデーモンリップスは、その後、数々の罪に手を染めるようになっていった。
自身を確実に滅ぼしてくれるウィンクルムと出会う為に。
「お前さん達にとっちゃ、傍迷惑な話だろう? だが迷惑千万こそが、オーガの真骨頂ってなもんさ」
デーモンリップスは、満足げに嗤った。
だがリチェルカーレはようやく、理解出来た。
これまでデーモンリップスは裏で悪事を企むというよりは、寧ろ積極的にその姿を見せていた。これ見よがしなまでの露出の理由が、ウィンクルムと死を賭けた戦いを得る為だったとすれば合点がゆく。
勿論、これまでデーモンリップスが重ねてきた罪は決して赦されるものではない。
しかし今、こうしてその魂が消滅しようとしている姿を見て、心が晴れるかといえば、決してそんなことはなかった。
「フィンチ警部補を殺さなかったのは、俺達を誘い出す為だったという訳か」
ガルヴァンは、僅かに憐憫の色を湛えた瞳で視線を落とした。
しかし、デーモンリップスは答えない。
既にその魂は、消滅していた。
依頼結果:成功
MVP:
名前:アラノア 呼び名:アラノア |
名前:ガルヴァン・ヴァールンガルド 呼び名:ガルヴァンさん |
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 革酎 |
エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | 戦闘 |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 難しい |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 3 / 2 ~ 4 |
報酬 | 多い |
リリース日 | 08月22日 |
出発日 | 08月29日 00:00 |
予定納品日 | 09月08日 |
参加者
会議室
-
2017/08/28-23:50
プラン提出しています。
…前回の様なトラップ?に行動が引っかからないといいんですが……コワイ(汗)
無事乗り切れます様に(祈)
相談お疲れ様でした。 -
2017/08/28-23:45
-
2017/08/28-23:28
>通信
あ、それなら大丈夫かも!アラノアさん、お願いしてもいいですか?
インカムが無理ならアラノアさんに携帯でとわたしもプランに書いておきますね。 -
2017/08/28-23:16
>通信
まだこちらの文字数に余裕があるので私が携帯での連絡係になりましょうか?
この場合防衛が得意そうなクラウスさんの背後あたりに退避して情報待機と言う形になりますが。
連絡後皆に鱗の位置情報周知し、私達は鱗の破壊に動くみたいな感じでどうでしょう。 -
2017/08/28-23:06
>通信
あ、そうか携帯!と思ったのですが、シリウスが双剣なので片方携帯持つのはちょっと苦しいかしら…。ガルヴァンさんの両手斧もどうかな?どなたかが耳打ちしてくれるなら、それでもいけるかも、です。
>立ち位置
じゃあアラノアさんは前衛かしら?それではわたしは後衛で、フィンチ警部補離脱までは護衛をつとめますね。封樹の杖でデーモンリップの動きを邪魔できないか、やってみます。 -
2017/08/28-22:22
遅れてしまいすみません。
>通信
えっと、インカムが通らなかった場合、携帯電話でリチェさんと通話状態させっぱなしで情報伝達とかできないでしょうか?(この場合片手が携帯で塞がってしまいますが…)
>立ち回り
リチェさんが情報を聞きに行くのなら私達は足止めに行こうかなと思ってます。
私は隙があれば呪符で六道封印を試そうかと思っています。上手くいけばオーラや超疾連播の特殊効果を無効化して攻撃を加える事も可能だと思うので。
ガルヴァンさんはいつものようにとしか言えませんが…とりあえず超疾連播の餌食にならないように立ち回れたらいいな… -
2017/08/28-22:15
いえ、こっちが知っていることがばれずに弱点を狙えれば一番ですものね。インカム申請が通ればいいなと思います(ぐ、と握りこぶし)。
あ、あとこちらもダメ元で応急セットも申請しました。
手当てしてフィンチ警部補に弱点情報聞ければ、「後は任せて、逃げてください」と伝えるようにしますね。 -
2017/08/28-22:07
成程!
すいません認識が足りていませんでした。失礼しました。
了解です。 -
2017/08/28-22:06
連投失礼しますね。
予想ですが、ガルヴァンさんはたぶん前衛で動かれるのではないでしょうか?
そのままデーモンリップスに向かうんじゃないかなと思います。
アラノアさんは今装備されているものだと後衛かな?と勝手に思っていますけど、どうかな?槍とかも持っていらした気がするので、前衛かもしれないですね。
前衛(デーモンリップス抑え):シリウス・シルキア・クラウス・(ガルヴァン)
後衛(フィンチ警部護衛):(リチェ)・(アラノア)
といった感じかしら?わたしはアラノアさんの配置によってもう片方に移ります。 -
2017/08/28-22:02
文字数なんとかなりそうですので、とりあえずインカム人数分申請しておきますね。
うーん、現場に到着してデーモンリップス・フィンチ警部補と接触、戦闘開始とフィンチ警部補にお話聞くのはどうしてもタイミングが被ると思いますので…シリウス(とガルヴァンさん?)がデーモンリップスに向かうのは情報を聞くより前になると思います。
この人数で後衛に前衛のふたりを置いておくのはかえって危険かなと。デーモンリップスもゆっくり待ってはくれないでしょうし…。
それよりはこっちが弱点情報を知ったこと、デーモンリップスに知られてしまっても口で情報伝達した方がいいかなと思います。
「警部補殿はそこで観戦してな」という発言からも、フィンチ警部補とデーモンリップスの距離はそんなに離れていないと思いますし。
あ、インカム通ればもちろんそちらを使いますね。 -
2017/08/28-21:53
情報を聞いてからシリウスさんやアラノアさん達がデーモンリップスへ向かうという事ならインカムはなくても大丈夫な気がします。
アラノアさん達はどう動くのでしょう…? -
2017/08/28-21:47
>弱点の伝達
あ、そうですね。普通に仲間に周知、としましたが詳しくした方が良かったかしら。
以前デミギルティ戦に参加した時も、その辺は情報は仲間と共有としていましたので大丈夫かなと思ってしまっていました。
うーん、わたしが前衛に動くのならそのタイミングで言えばいいと思うのですけど…。後衛につくのだとどうすればいいかな。
インカムを貸してもらうよう、プランに書いてみましょうか?状況的にアイテムの貸し出しが通るか微妙な気もしますが、ダメ元で。 -
2017/08/28-21:30
>リチェルカーレさん
弱点情報の伝達はどのように? -
2017/08/28-21:19
フィンチ警部補の安全確保が第一ですので、アラノアさんが近接攻撃に行かれるのならそのままわたしがフィンチ警部補につきますね。
その場合はエムシから封樹の杖に持ち替えて、植物も使ってのデーモンリップスの動きを邪魔します。
シリウスはエトワール(回避上げ)、アナリーゼ(手数増)、ユニゾン(カウンター)、レクイエム(自分の攻撃力増と相手の聴覚奪う)、アレグロ(敵の防御力減)です。
器破壊までは基本能力上げだけ、破壊後にスキルを使うつもりでいます。 -
2017/08/28-20:34
>救援要請
そうですね、AROAの人が来てくれるまで居て貰えた方が良いと思いますが、状況が状況なのでリチェルカーレさんの判断でいいと私は思います。
あと、要請した事はAROAから皆さんに連絡が行くようにします。
私達は真直ぐデーモンリップスの所へ行きます。
今回は素早さ自慢の敵ですから、動きを阻害する手は多くてもいいんじゃないかと思っています。
どれかでもヒットして捉えられればそれが突破口になると信じて。 -
2017/08/28-19:50
はい、ではフィンチ警部補の手当てはお任せください。
併せてデーモンリップスの弱点情報も訊きますね。
シルキアさんがAROAへ救援要請入れてくださるのなら、フィンチ警部補の安全が確保されるまではそのままいた方がよいでしょうか?
それでも良いですし、アラノアさんが遠距離武器を装備されるのでしたら、フィンチ警部補はお任せしてわたしも前衛で攻撃に参加しようと思います。
この人数なら攻撃手は多い方が良いでしょうし、外套の目晦ましとかできることもあると思うんです。
器の破壊に成功したら、当初の予定通りらぶてぃめっとトランスに移行するつもりです。持続時間が短いですが、一気に畳みかけてしまいたいと。ハイトランスの方がよければ教えてくださいね。 -
2017/08/28-16:56
私達はデーモンリップスに隙を作る事を重視で動きたいと思っています。
弱点含め攻撃面はお任せしたいですがいいでしょうか?
なので、弱点情報は私達にまで周知届かなくても大丈夫だと思います。
弱点破壊後に攻撃を畳み掛けられる様な場面ではセイクリッド・トランス使う予定です。
クラウスのスキルは目眩ましとカウンターと回復と回復&治療3割増しパッシブになります。 -
2017/08/28-05:26
クラウス:
俺達の武器についてだが、
シルキアは回避を10下げる片手剣と拘束呪符
俺は味方との連携行動をした際に敵の動きを鈍らせる効果を持つ片手本を装備予定だ。
初動、リチェルカーレ殿が警部補殿の所へ行ってくれるならば、俺達もデーモンリップスの抑えに付きたい。
攻撃を仕掛けてきたならその攻撃は可能な限り俺が受ける。
俺を盾にしてもらって構わない。
だが、可能なら最初は奴と話ができないかと考えている。
弱点情報を得る迄の時間稼ぎだ。
戦闘では鈍らせる効果を発動させる為、
シルキアは俺との連携を、俺は皆との連携となる動きをしたいと考えている。
回数制限はない、連携が決れば何度でも発動する。
効果が発動すれば弱点の攻撃も通るやもしれぬ。
ダメージが通る様になれば、足を潰したい。 -
2017/08/28-00:19
シルキアとLBのクラウスです。
今回もよろしくお願いしますね。
あ、甘い物頂いても?
これから頭フル回転させるエネルギーにしたいです。
>フィンチ警部補
…生きてた。
前回の事でどう償えばいいかと思っていたのですが、生きていたなら全力で守らないとですね。
ですが、怪我の状態が怪しいようなので、私としては彼にはこの場から退場して頂きたいです。
AROAに要請してフィンチ警部補を回収してくれる人を呼んではどうでしょうか。
重要情報聞き出した後AROA職員にAROAの病院へ運んでもらう形です。
問題なければ連絡要請は私の方でします。
少し、考えを整えてからまた発言します。
ひとまずここまで。 -
2017/08/27-22:43
アラノアさん、よろしくお願いします。
本当、人数が増えれば良いのですけど…(追加で白玉餡蜜も並べてみる)。
とりあえず、人数が増えても増えなくても、シリウスは前衛でデーモンリップスへの対応をするそうです。とりあえず手数で攪乱、引きつけ役をと。
わたしはどうしようかと悩み中です。一応、最初はフィンチ警部のところへ走っていって応急手当手当て(医学・薬学スキル2あります)をしながら黄金の鱗について聞こうと考えています。
「超疾連播」が怖いので、少しでも足止めができないかしら。効果のほどがわかりませんが、神符は一応持っていきます。
攻撃に参加するなら防御力を下げるエムシを、サポートに徹するなら封樹の杖をと思っています。もう少し悩みますね。 -
2017/08/27-13:20
アラノアとSSのガルヴァンさんです。
よろしくお願いします。
デミギルティ相手にこの人数は正直キツイ…ですが出来る事は最大限やらないとですね…。
私達がやる事の流れとしては
1.誰かがフィンチ警部補に黄金の鱗の情報を聞き出しに行く
2.その間デーモンリップスを押さえる(ここで何かのまぐれで黄金の鱗の位置特定or破壊出来たら万歳三唱レベル)
3.黄金の鱗の位置情報を引き出したら味方に周知(インカム等があれば早いがこの状況では厳しいか?)
4.鱗の破壊そして討伐(シンプルだがそれだけに過去最高レベルに難しいだろう)
シンプルイズベストとはよく言ったもので、下手な小細工が無い分純粋な戦術と戦闘力で相手に勝たなければならないのが今回最大の問題ですね…。
純粋な戦闘での圧倒が無理なら、搦め手による奇策と戦術を用いて相手を翻弄するしかありません。(そもそも翻弄できるのかという疑問は今は投げ捨てます)
とにかくあの超高速による肉弾戦は厄介です。下手したら一発で沈みます。
相手の傾向とすればこちらがどんな手を打ってくるのか高みの見物のような余裕が見られるということ。少なくとも黄金の鱗の位置が特定されるかその余裕が崩れない内は全力で叩き潰しに来ないだろうということ。(これはただの憶測にすぎないので十分な警戒と黄金の鱗の位置特定までの体力維持は絶対でしょう)
とにもかくにも人が集まらないと絶望感が凄いので人寄せ祈願しときます(お茶と最中をお供え) -
2017/08/27-10:56
リチェルカーレです。パートナーはTDのシリウス。
どうぞよろしくお願いします。
フィンチ警部、良かった生きていた…!
とは言え、安心できる状況ではないですね。早く手当てしないと。
純戦ということですので、現地に行くまでは悩まなくてもよさそうです。
とりあえず、早めにフィンチ警部に黄金の鱗の情報をきかないと勝負になりません、よね?
前衛でデーモンリップスを押さえつつ、後衛がフィンチ警部に話をきく感じでしょうか。
本当なら警部には逃げて欲しいですが、この人数では難しいかしら…。
弱点判明か破壊までは普通のトランス、その後らぶてぃめっとトランスにしようかと今のところ思っています。