お前がそういう奴って知ってたよ(森静流 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 あなたはA.R.O.A.の本部(または支部)まで来ています。
 冬には裏切り者のウィンクルムを倒して愛について考えました。
 この春にはA.R.O.A.公認ウィンクルム婚の実施。いつか自分達もすることになるのでしょうか。
 そんな時に、A.R.O.A.の方でウィンクルムに愛の調査をするというので、参加することにしたのです。

「そんな堅苦しい事ではないんですよ」
 職員は、精霊とは別の場所に連れて来られて緊張している神人のあなたにそう言いました。
 そして自然な調子であなたに様々な質問をしてきたのです。どうやら、職員はカウンセラーであるらしく、あなたもすぐに話しやすくなりました。
 あなたは職員の穏やかな話術に釣られ、次第に自然体になって色々と精霊との事を話しました。

 一方、精霊は精霊で、別室で同じ質問をカウンセリング資格のある職員に聞かれています。
 一通り質問が済んだ後、職員は頷きながら、何やら呪文を唱えました。
 何事かと思っているあなたの前にぱっと出現する神人の姿。
「魔法による幻影です。落ち着いて。あなたと同じ質問を受けた神人が、どんな返事をしたのか確認出来ますよ」

 魔法による幻影の神人は、精霊の目の前で、精霊への想いを色々と話し始めました。

 最初は慌てましたが、やがて面妖な面持ちで聞き始める精霊……。

(ああ、こいつ、俺の事そう思ってたのか。あのときのアレはああいう考えか……)

 そういう事を知りながら、この先神人とどうやっていこうかなあと思う精霊でした。

解説

※聞き取り調査の参加者は300Jr徴収されます。

神人と精霊は同じ聞き取り調査を受けます。その上で、精霊のみ、魔法の幻影で神人がどんな調子でどんな事を語ったか知る事が出来ます。

聞き取りの内容は以下になります。

1精霊(神人)をどう思っているか。
(好き、嫌い、愛しているなど。(初参加の方は第一印象))

2精霊(神人)との関係について悩みなどはあるか。
(かつての悲恋を打ち明けられないから、相手の些細な癖が気になるまで、何でもOKです)

3精霊(神人)とどんな関係を築いていきたいか。

4精霊(神人)と行きたいところ、やりたいことなどは何か。
(例えばこんなデートに行きたい……こんなきっかけがあるといいのに……相方のこんな事を知りたい……など何でも)

5他自由
(精霊(神人)に対する愚痴でもノロケでも何でも語ってください。あるいはA.R.O.A.にこんなイベントやって欲しいなどの要望でもOKです)

※以上をアクションプランに記入して下さい。
プランには1~5の番号を記入して下さると見やすいかと思われます。答えたくない番号は飛ばして下さっても構いません。

※ウィッシュプランの方にも、答えたい番号があった場合は記入してください。
そして、神人の幻影を見た上でのリアクションを書いてください。
神人に、幻影を見た事を教える、教えない、全て自由です。その後、優しくなった、怒ってしまったなど、何でも書いて下さい。

※自分が聞き取りにどう答えたか、教え合うかどうかも自由になります。

※アドリブ可、不可など指定がある方は、上に「可」「不」のどちらかを記入して下さい。


ゲームマスターより

ウィンクルムの皆さんの日頃の悩みややりたい事を知りたくてのエピソードです。よろしくお願いします!

リザルトノベル

◆アクション・プラン

セラフィム・ロイス(火山 タイガ)

 

1親友で恋人で掛け替えのない大切な人です。愛してます

2特には。あ、欲望に正直なところは少し困ってます。嬉しいんですけど(赤面

3・・・十分幸せです。これ以上望むのは贅沢かなって

4世界中をタイガと旅して沢山体験をしたいです。思い出の地は行きたいですね

5他ですか?
・・・じゃあA.R.O.A.に要望したいのが。四季折々のツアーを強化や
ウィンクルム同士や市民との交流や、楽しい企画・・・サーカスやミュージカル、お店や祭りなどやるのはどうでしょう?
ウィンクルムへの理解も深まるし、僕達も活力になるかと思って

今日はありがとうございました






信城いつき(ミカ)
 
1.もちろん好きだよ!大好きにさらに大がつくぐらいに
あと綺麗なアクセサリーも作れてすごいって思ってるよ。
俺が今つけてるやつとか、見て見て

3.えっとミカは俺の数歩先にいて、俺が成長できるように見守ってくれる人って感じがする
今はまだミカに頼ってるばかりだから、俺もちゃんと大人になってミカと対等なパートナーになりたい。
ミカの役に立ちたいんだ

※合流後
最後の問い(4)?
……ミカがアクセサリー作るのサポートしたい。
作るのはできないけど、その他にもしなきゃならない事があるって知ったから
電話の応対でもいいから手伝いたいんだ。

また物好きとか言うっ。いいの、俺はミカのアクセサリーのファンなんだから!


歩隆 翠雨(王生 那音)
 
1
第一印象は『王子様』
凄いキラキラしてて
綺麗な男だなぁ…男の俺がパートナーで申し訳ないなと
(驚いた?顔色一つ変わってなかったぜ)

2
俺の扱いが雑…に思えるんだよな
いつもにこやかで紳士な態度なのに
俺に対してだけ素っ気ないというか…俺、何か気に障る事をしたかな?
(本当に?)

3
逆に言えば、俺には気を許してるって事だよなって
だとしたら、嬉しいかな
(そうだぜ。折角の縁だ)

4
那音の好きな物とか聞き出す機会が欲しいかな
(気が合ったな(嬉)

5.縁があって適合した訳だし、上手くやっていきたいぜ

幻影を見た事を言い、感想を告げる
俺が那音に嫌われてるとしても、問題はないさ
現状より下がる事はない、後は上がっていくだけだ


●歩隆 翠雨(王生 那音)編
 今日、歩隆 翠雨は、精霊の王生 那音とともに聞き取り調査のため、A.R.O.A.へと出向いています。
 翠雨と那音は、それぞれ係員のいる別の個室に通されました。
 翠雨は、職員の促すままに居心地のいい部屋の大きなソファに腰掛けます。職員はリラックスした調子で軽快な会話をしてくれました。それで翠雨は気を許し、様々な質問に答えていきます。どうやら職員は、カウンセリングのスキルを持っているようです。

――精霊の事をどう思っていますか?
「第一印象は『王子様』。凄いキラキラしてて、綺麗な男だなぁ……男の俺がパートナーで申し訳ないなと」
 後に、彼の幻影を見た那音は呟きます。
(王子様……か。彼もこの外見には騙されてくれたらしい)
――精霊との関係について、悩みなどはありますか?
「俺の扱いが雑……に思えるんだよな。いつもにこやかで紳士な態度なのに。俺に対してだけ素っ気ないというか……俺、何か気に障る事をしたかな?」
(……驚いた。そんなに俺は態度に出していた? それとも……この男が鋭いのか?)
――精霊とどんな関係を築いていきたいと思っていますか?
「逆に言えば、俺には気を許してるって事だよなって。だとしたら、嬉しいかな」
(……何故そんな能天気な考えになるんだ)
――精霊と行きたいところ、やりたいことなどはありますか?
「那音の好きな物とか聞き出す機会が欲しいかな」
(……知ってどうする)
――他に何でも、ご自由に
「縁があって適合した訳だし、上手くやっていきたいぜ」

 翠雨は、思ったように答えていきました。その幼く見える繊細な整った顔とは裏腹に、中身はしっかりと男性なのだと、職員は半ば期待を裏切られる思いでした。ですが、それが彼の魅力的な個性なのでしょう。

 一方、那音の方も同じくカウンセラーの職員に、同じ質問を受けていました。
――神人の事をどう思っていますか?
「初めてお会いして、声を聴くまで……女性かと思いました。話してみると全く女性的な所はなくて……驚きました」
 後で、那音との会話の流れで彼の答えを知った翠雨はこう思います。
(驚いた? 顔色一つ変わってなかったぜ)
――神人との関係について、悩みなどはありますか?
「出会って間もないですし、問題などありませんよ」
(本当に?)
――神人とどんな関係を築いていきたいと思っていますか?
「良好な関係を築きたいですね」
(そうだぜ。折角の縁だ)
――神人と行きたいところ、やりたいことなどはありますか?
「お互いを知る機会が必要……かもしれません」
(気が合ったな)
 翠雨は喜んでいるようです。


 聞き取り調査が終わり、二人は前もって話していた通りにロビーで待ち合わせます。早速、翠雨は思った事を告げました。
「俺が那音に嫌われてるとしても、問題はないさ。現状より下がる事はない、後は上がっていくだけだ」
 闊達で男らしい態度で翠雨はそう言いました。カウンセラーとの会話でその気持ちを強め、あえて那音に直接言ったのです。
「……どうして、私が貴方を嫌っていると? そう思わせてしまったのなら、態度を改め……」
「なら敬語を止めろよ」
 不服そうに反論した那音に向かい、あっさりと翠雨は答えました。
「……分かった。貴方に敬語を使うのは止めよう。これからよろしく、翠雨さん」
 那音は、品良くそう言って、軽く翠雨に会釈をします。
(厄介な男だ)
 内心はそう思っているのです。
 鋭い翠雨はそれを見透かしているような、あざとい笑みを見せて何も言いませんでした。それでかえって那音は気にしてしまいますが、彼も何も言えません。
「さーて……帰るか」
 翠雨が先に立ってロビーの玄関へと歩き出したので、那音もついていきます。


 外はちょうど雨が上がったところでした。空には濡れたビルとビルの間に渡るように鮮やかな虹がかかっていました。
「おお!」
 大喜びで翠雨はカメラを構え、早速、写真を撮り始めました。彼はフォトグラファー兼骨董店店主なのです。
 慣れた動作で次々と写真を撮る翠雨の隣で那音は足を止めて様子を見守っていました。
「ビルと虹か。空と虹、ビルと虹、風船と虹……様々なアングルで撮っているんだな」
 那音は、翠雨の動作を観察し、やがてまた口を開きました。
「人と虹、は、撮らないのか?」
「うん--まあ」
 カメラを持つ手を下ろして、翠雨は曖昧に笑います。
「そうだな。人を撮るのは苦手だ」
「何故?」
「何となく」
 翠雨は過去の記憶がありません。失った記憶は、知らない方がいいのだろうと、何の執着も見せません。
 けれど、彼の過去を知る手がかりのような癖がいくつか残っていて、それに対して那音の方がもどかしい思いをします。
「また雨が降り出すかもしれない。早く家に帰ろう」
 苛立ちを誤魔化すように、那音は翠雨のカメラを持つ手に触れました。
「ああ、そうだな――だけど、雨なら雨で、いい写真が撮れるさ」
 我が道を行く翠雨は明るくそう言い切りました。那音は一瞬、眩しげに、翠雨の笑顔を見つめました。
 亡くした記憶の中にいる彼は――どんな表情で笑ったのでしょうか?

●信城いつき(ミカ)編

 三月のある日、信城いつきは精霊のミカとともにA.R.O.A.へ出向きました。
 聞き取り調査を受けるためです。
 A.R.O.A.に着いた後、いつきとミカは職員にそれぞれ別の部屋に通されました。
 いつきは、日当たりの良い広々とした個室のソファに腰掛け、カウンセリングのスキルを持っている職員にリラックスしながら受け答えをしていきます。

――精霊の事をどう思っていますか?
「もちろん好きだよ! 大好きにさらに大がつくぐらいに。あと綺麗なアクセサリーも作れてすごいって思ってるよ。俺が今つけてるやつとか、見て見て」
 いつきは、ミカに作ってもらったアクセサリーを職員に自慢しました。
 職員は微笑ましそうに見ています。

――精霊とどんな関係を築いていきたいと思っていますか?
「えっとミカは俺の数歩先にいて、俺が成長できるように見守ってくれる人って感じがする。今はまだミカに頼ってるばかりだから、俺もちゃんと大人になってミカと対等なパートナーになりたい。ミカの役に立ちたいんだ」
 明るく元気な笑顔です。

 一方、ミカの方は――。
――神人の事をどう思っていますか?
「まぁ嫌いではないな」
 ミカは本音を隠して軽口まじりに返答しました。
 やがて職員が、いつきの幻影を出して、彼がどんな反応をしたのか教えると言いだしました。
「あいつの調査内容が確認できる? ……パス」
 ミカはその話を聞いて、即座にそう言いました。すると職員が気を回した事を言います。
「嫌なこと言われるからじゃない、むしろその逆だ!」
 褒められるのが嫌いなミカは嫌がりましたが、職員はさっさといつきの幻影を出しました。
 ミカの目の前では、同じ質問をされたいつきが何も知らずに元気に返事をしている光景が繰り広げられます。
 ミカは思わず眼鏡の上から目を塞ぎます。
「職員もいる所でこれを聞かされるって勘弁してくれ。……ったく。どれだけ過小評価なんだよ」
 自分の事を色々気に掛けているいつきの幻影の話を聞きながら、ミカは心の中で呟きました。
(どれだけお前から貰ってるものがあると思ってるんだ)
 口には出しません。
 しばらく話を聞いていたミカですが、やがてしっかりと顔を上げました。
「幻影はここまででいい。最後のはきちんと自分で聞く」

 ミカといつきは、ロビーで合流しました。
 ミカは幻影の事など何も言わず、何事もなかったような顔でいつきに聞きます。
「チビ、最後の問いは何て答えた? お前は何がやりたい?」
「ミカと何がやりたいか、どこか行きたいところはあるかって話?」
 いつきはコテンと首を傾げながら聞き返します。ミカは頷きます。
「……ミカがアクセサリー作るのサポートしたい。作るのはできないけど、その他にもしなきゃならない事があるって知ったから、電話の応対でもいいから手伝いたいんだ」
 いつきは期待に満ちた目でミカを見上げました。いつきは今、ミカの仕事を短期のアルバイトで手伝っているのです。
「こんな新米のデザイナーにサポート希望とか、相変わらずの物好きだな。ろくにバイト代も出ないぞ。それでもいいなら」
 ミカは半ば呆れながらもいつきの事をからかうように、そう言いました。
「また物好きとか言うっ。いいの、俺はミカのアクセサリーのファンなんだから!」
 そのからかいにあっさり乗ってしまって、いつきはちょっとむくれたような表情になりながらも、むきになってそう言いました。
 ミカは笑みがこぼれそうになるのを見られたくないので、いつきの先を歩いて行きます。
 いつきはいじられていると気がついて、怒って膨れてしまいながらも、いつきはミカの事を追いかけていきます。
「ミカ! ねえ、ミカ!」
「はいはい、聞いているよ、おチビちゃん」
 揶揄するようなミカの声。
(もう! ――でも知っているんだ。分かっているから。本当にはミカが優しくしてくれてるって言う事)
 短期のアルバイトをするようになって、ミカは、いつきのために何度か店長に怒られていたのです。ですが、いつきが自分から気がつくまで、彼は何も言いませんでした。ただいつきを庇って、いつき本人のために丁寧に指導をして。
 いつきが彼の役に立ちたいという気持ちのために、色々と応えてくれていたのです。
(俺がもっとしっかりして、仕事を覚えて、力をつければ、ミカのサポートを出来るようになる。そしてきっと、ミカが素晴らしいアクセサリーをもっともっと作れるように……)
 いつかくれたホワイトサファイアのピアスを手の中に握りしめながら、いつきはずっとミカを追いかけていきます。
 三つの宝石のピアスのように、いつきと、ミカと、レーゲンが、ずっとずっと幸せに、一緒にいられますように。

●セラフィム・ロイス(火山 タイガ)編

 三月のある日、セラフィム・ロイスと精霊の火山 タイガは、聞き取り調査のためにA.R.O.A.に訪れました。
 着いてすぐに二人は、職員によって別々の部屋に通されました。
 セラフィムは日当たりの良い広い部屋に通され、ゆったりとしたソファに腰掛けるように促されました。
 職員はカウンセリングのスキルを持っており、リラックスした雰囲気で巧みな話術を用いてセラフィムに様々な質問をしました。

――精霊の事をどう思っていますか?
「親友で恋人で掛け替えのない大切な人です。愛してます」

――精霊の事で何か悩みはありますか?
「特には。あ、欲望に正直なところは少し困ってます。嬉しいんですけど」
 セラフィムは赤面しています。

――精霊とどんな関係を築きたいですか?
「……十分幸せです。これ以上望むのは贅沢かなって」

――精霊とやりたいこと、どこか行きたいところはありますか?
「世界中をタイガと旅して沢山体験をしたいです。思い出の地は行きたいですね」

――他には何かありますか?
「他ですか? ……じゃあA.R.O.A.に要望したいのが。四季折々のツアーを強化や、ウィンクルム同士や市民との交流や、楽しい企画……サーカスやミュージカル、お店や祭りなどやるのはどうでしょう? ウィンクルムへの理解も深まるし、僕達も活力になるかと思って」

 一方、タイガの方も、同じ質問の受け答えをしていました。
 その後に、職員の手によって、セラフィムの幻影が部屋の中に浮かび上がります。何も知らないセラフィムは、タイガに知られるとも気づかずに、素直に丁寧に質問に答えているのです。
「……職員さーん、そういうことすっと信頼なくすぜー」
 びっくりしつつも思った事を言うタイガです。
 職員が気を回した事を言いました。
「セラ、神人は好きだしA.R.O.A.には感謝してる……けど覗きみるとか後ろめたいし嫌だ」
 真顔でそう言った後、タイガは肩を竦めて笑いました。
「俺がするならまだしもさ!」
 どうやら、自分の意志で勝手に覗く分には構わないと思っているようです。A.R.O.A.によって強制的に見させられた事が不本意だったのでしょうか。
(その場で励ましたり弁解できねーのって苦手だ。気にはなるけどさあ)
 タイガは、幻影のセラフィムの言葉を聞きながらそう思いました。
 そして、なんだかんだ言って、見てしまうのです。
「ふふふーん♪」
 自分の欲望に対して、困っていると言いつつ、嬉しいとも言ってくれたセラフィムに、タイガは思わず鼻歌を歌ってしまいます。
 そして次に、セラフィムが充分に幸せだと応えました。
「えー! 俺はまだ足りねぇ。そりゃ満たされてっけど、結婚も子供もほしいし」
 タイガは指を折って自分の思い描く幸せに対して、足りないものを数えます。セラフィムの方は既に幸せなのですが、タイガはもっと貪欲にセラフィムとの幸せを求めていく方なのでしょう。
 セラフィムがA.R.O.A.に対する要望を出しました。
「俺もやりてぇ! 皆でやりゃ何倍も楽しくなるよな! もしかして俺のこと考えてくれたのか……?♪」
 セラフィムの気持ちをあれこれと考えながら、タイガは既に幸せそうな顔。なんにせよ、セラフィムの事を意識し、セラフィムが自分を意識してくれている事を意識するのは、彼にとって相当な幸せである様子です。

 その後、ロビーで二人は合流しました。
「へへ、結構面白かったな」
 タイガはこのときは、幻影を見た事は言いませんでした。
「行きたいところとか、なんて答えた? ……」
 セラフィムとタイガは、ロビーで軽く立ち話をしました。
「僕は二人で旅をして色々な体験をしたいって。思い出の土地に行きたいと答えたよ」
「思い出の土地って、例えば?」
 機会があったら連れて行ってやろうと、タイガはさりげなく聞きます。
「タイガのいた森かな」
 セラフィムははにかむように笑ってそう言いました。
 それは、蓮華草の花冠の記憶を呼び起こします。
 タイガが育った、見慣れた森の中。
 生涯初めての鬼ごっこをした時の事を。
 そのときに、辛い記憶ではなく、幸せの記憶のしみついた蓮華畑を見る事が出来たのです。
 そのとき、セラフィムはタイガのために花冠を作りたかったけれど、そんな手先は持っていなくて、かわりに一輪の蓮華草と、ハート型のチョコレートを手渡しました。
 僕の気持ち――そう告げて。

(あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ)

 そんな言葉を持つ花とともに、心を渡したのでした。
「そうだな。いつか、本物の花畑に、一緒に行こう」
 タイガは、そう言って、あのときのようにセラフィムの髪の毛に触れました。撫でるような梳くような仕草で、指先でそっと触れます。
「一緒に世界を見て回ろう。沢山、色々な経験をしよう。そして、家族に認められる男になるよ。そうしたら、一緒に暮らすんだ。セラ」
「うん……」
 セラフィムはうつむいてしまいますが、タイガは相変わらず、太陽のような笑顔です。
 その圧倒的に明るく、温かい存在感に、セラフィムは次第に顔を上げ、彼の目を見つめました。真っ直ぐな瞳の中に映る自分自身を見て、自然と笑顔になります。彼の瞳の中にいる自分。自分の瞳の中にいる彼――それが愛し合う二人の関係性。



依頼結果:成功
MVP
名前:セラフィム・ロイス
呼び名:セラ
  名前:火山 タイガ
呼び名:タイガ

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 森静流
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ビギナー
シンパシー 使用可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 3 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 02月25日
出発日 03月08日 00:00
予定納品日 03月18日

参加者

会議室

  • [3]セラフィム・ロイス

    2017/03/07-23:54 

    :タイガ

    よお!俺タイガとセラだ。よろしく!
    ぎりぎり参加~今からプラン書いてくる!楽しんでこうぜ!GO!

  • [2]歩隆 翠雨

    2017/03/07-21:51 

    これが初参加!
    俺は歩隆 翠雨。
    パートナーの那音とは、契約したてなんだが…
    聞き取り調査か。緊張するぜ…。

    よろしくな!

  • [1]信城いつき

    2017/03/05-20:15 


PAGE TOP