チョコレートフラワー（森静流　マスター）　【難易度：簡単】

プロローグ

　バレンタインの時期になりました。
　タブロスの有名なショッピングモールの一角に、チョコレートに関する出店ばかりが集められたチョコ・ストリートが作られました。

　そのチョコ・ストリートの中に不思議な花屋があるようです。
　魔法のチョコレートの花です。

　モノクルをつけた老年の職人が、チョコレートで花を作ると言うのです。
　チョコレートを薄くのばした生地を幾重にも重ねて作られる、薔薇、百合、ジャスミン……。
　あるいは空想の中にしかないような見た事もない花。
　花の大きさも形も、蕾も枯れた花も自由自在。
　勿論、その色合いも、モノクルの職人が注文通りに自由自在に作ると言うのです。

　魔法のバレンタインの花には、こんな力があります。

　花の色合いに応じて、贈る相手に、想いを告白してしまうと言うのです。

　例えば赤ならば……情熱的な薔薇のような告白。
　例えば白ならば……清廉な百合のような未来への期待。

　色の中には、未来も過去も自由自在に行き来した夢を見せる事も出来るそうです。

　モノクルの職人は、何でもあなたの愛情や期待に応じて注文通りのチョコレートフラワーを作ります。
　花は一本、300Jr。

　効果が出るのは……チョコレートフラワーを食べた人間。
　……そして、真剣な想いでチョコレートフラワーを”贈る”人間。
　　
　不思議な魔法のチョコレートフラワーを、あなたは買いますか？　

解説

※注文通りにどんな花でもチョコレートで作ってくれる職人です。
※花は一本300Jr。
※花は、空想上の花でも既存の花でも、どんなものでも構いません。薔薇からタンポポまで何でもござれ。
※花の色に応じて、贈る相手に告白が出来ます。また、チョコレートフラワーを食べた人間も想いの吐露、告白を行います。
色は以下になります。

　白……未来への想い（予知夢を見る事が出来ます）
　黒……過去への想い（過去夢を見る事が出来ます）
　赤……前向き、情熱、感情、愛情の告白（エロス、プラグマ、ルダス、マニア）
　青……悲しみや臆病などのマイナス感情、思い出についての吐露、告白
　黄……楽しみごと、友情、友情から愛情へステップしていきたい想いの吐露、告白（ストルゲ）
　ピンク……献身的な愛情、優しい思い出、恋愛の告白（アガペ）

※色の告白に関係なく、ただチョコレートフラワーを贈って食べるだけのプランも受け付けます。
※シンパシーのタイプを書きましたが、PLのキャラクター様のシンパシーと一致していなくても構いません。あえて言うならこんな類の愛情、という区別です。
※愛の告白に限らず、今どんな想いを抱えているかの告白でも構いません。
※予知夢や過去の夢を相手に告白するかどうかは自由ですが、見た衝撃で告白してしまう事が多いようです。

ゲームマスターより

バレンタインが近づいてきましたので、とりあえず告白ネタで一本です。
告白する事は、恋愛ネタに限らず自由度を高くしてみました。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

セイリュー・グラシア（ラキア・ジェイドバイン）

花か…(しばし考える)。 ラキアが庭で色々な花を育てているから、見た目は判るけど、名前はシッカリ覚えていないな。でも食べ易さも考えるとだな…。 ガーベラにしてもらおう。花弁多いから１枚ずつめくって食べやすそうじゃん。(ココは案外大事だぞ。笑) 頭に浮かんだのはピンクのガーベラ。 だって雰囲気が優しくてラキアみたいじゃん。ラキアをイメージして作ってもらおう。 真ん中は褐色系のつぶつぶで食感が違うんだぜ。 いつも色々と気を配ってもらって、感謝しているって心を込めて贈ろう。 安心して任務に行けるのもラキアのおかげ。ラキアが居てくれるからオレ、頑張れる。何か見過ごしていても絶対フォローしてくれるって信じてるから。

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蒼崎　海十（フィン・ブラーシュ）

チョコレートフラワーを食べる方 差し出された白色の勿忘草は、本物みたいに綺麗で 見惚れていたら、フィンが… と、突然、何だよ… （やばい、顔が熱い。フィンと家族に…約束したけど、実際にそんな風に言われたら…嬉しさと訳の分からない羞恥心で心臓が早鐘みたいだ） い、頂くな（照れ隠しに勿忘草を食べる） 目の前に、浮かぶ光景 明るく温かな一軒家 隣で少し大人びたフィンが微笑んでいる 俺の腕の中には…フィンに、俺に似た赤ん坊が居て フィンが優しく髪を撫でる。 ああ、これって…これって… 我に返ると、思わず今見た夢を口に出してた フィンの体温を感じながら、その背中に手を回す 当たり前だろ？ 一緒に幸せになる……俺が幸せにしてやる 必ずだ

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カルファス・レレンノーグ（シーク・ヴァールハイト）

普通にチョコレートフラワーを贈るだけです。 ほい、ちょいとそこで売ってたから買ってきた。 シーク好きだろ？　チョコとか、そういうの。 勿体無いって……食わないのか？　あ、食うのね……。 ん？　あぁ、ライラック。花言葉は『友情』、『思い出』、『大切な友達』。 ほら、世間じゃバレンタインだし俺もちょーっとあやかろうかねぇと思いまして。 や、そういう反応するんじゃねーですよ……。こっちも恥ずかしくなてきますわ。 そんなわけねーですよ。オタクのことはいい友人だと思ってますわ。ま、多少なりとも便利屋扱いしてるけど。 ん。それで構わねーですよ。流石にチョコに緑茶は無粋ってもんですし……ってあれ、もしかして俺もその花食べる流れ？

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●カルファス・レレンノーグ（シーク・ヴァールハイト）編
　バレンタインシーズンです。
　カルファス・レレンノーグと、その精霊のシーク・ヴァールハイトもそれにあやかることになりました。
「ほい、ちょいとそこで売ってたから買ってきた。シーク好きだろ？　チョコとか、そういうの」
　シークの部屋に入ってきたカルファスが、チョコレートフラワーを彼に手渡しました。
　契約を機会に、二人はルームシェアしているのです。だからカルファスは気軽にシークの部屋に入れるのでした。
「なんです、これ？　チョコで出来た……花？　好きですけど、これは……。精巧にできていて食べるのが少々勿体無いですね……」
　シークはちょっとびっくりして、赤い瞳を見開いています。確かに、彼はカルファスの言う通り、洋菓子の方が好みなのですが、チョコレートフラワーの事は知らなかったようです。おっかなびっくりチョコで出来た花を握っています。
「勿体無いって……食わないのか？」
　せっかく買ってきたカルファスは残念そうです。
「もちろんいただきますけど」
「あ、食うのね……」
　カルファスの言葉にシークは即答し、カルファスは気が抜けてしまいました。
「因みに、この花は何のモチーフなんです？　カルファスのことですから、そういうの何故か詳しいでしょう？」
　総じて面倒くさがりでいい加減なカルファスですが、ポテンシャルは高いため、花に関する雑学も持っているようなのです。
「ん？　あぁ、ライラック。花言葉は『友情』、『思い出』、『大切な友達』。ほら、世間じゃバレンタインだし俺もちょーっとあやかろうかねぇと思いまして」
　カルファスは頬を指先でかきながら言いました。
「う……なんかちょっと気恥ずかしいですねそれ……」
　赤くなって身を引いてしまうシークです。
「や、そういう反応するんじゃねーですよ……。こっちも恥ずかしくなてきますわ」
　カルファスも慌ててしまいます。
「ははは！　冗談です。それにしても、『友情』にまつわる花、ですか……。てっきり自分は小間使いとかその位に思われているんじゃないかと思いましたが」
　シークは笑い飛ばしました。
　そして友情にまつわる花という事にいたく関心を持っています。
　何しろ、毎日のようにカルファスの散らかした部屋を、小言を言いつつシークがしっかり掃除するのがすっかり日常になっているのです。散らかすばかりのカルファスは、自分をどう思っているのだろうと考えていました。
「そんなわけねーですよ。オタクのことはいい友人だと思ってますわ。ま、多少なりとも便利屋扱いしてるけど」
　カルファスはちゃんとシークの事を友人として認めています。
　ですが、そのあと余計な一言があるようです。それも、彼に対して気を許し、心を開いているが故なのでしょう。
「それはどうも。……さて、せっかくこうして甘味が手に入ったことですし、お茶でも淹れますか。チョコですし、コーヒーで良いですか？」
　そう言ってシークはチョコレートフラワーを片手に椅子から立ち上がりました。
「ん。それで構わねーですよ。流石にチョコに緑茶は無粋ってもんですし……ってあれ、もしかして俺もその花食べる流れ？」
　シークのために買ってきたカルファスはちょっと驚いて顔を上げます。するとシークは優しくて親しげな笑みを浮かべて彼に向かいました。
「当然です。友情は分かち合うモノ、でしょう？」
　あまりきっぱり言うので、カルファスもそれ以上は拒めませんでした。
　シークが二人のマグカップにコーヒーを入れて部屋に戻ってきました。
　カルファスはテーブルを挟んでシークの向かいに座っています。
　チョコレートフラワーは、魔法の職人の手によって薄紫色の小花を密集させて作られていました。見ただけでは本物のライラックの花のようでした。
　シークがチョコレートフラワーを白い大きな皿に置いたので、二人は、その薄紫の小花を一つずつ千切って食べる事にしました。
「ん。おいしい。正にチョコレートの味……でもほんのり、ライラックの匂いがするな」
　味を確かめながらカルファスが言います。
「ライラックの香料を食品にしたんでしょうかね。凝ってますねえ」
　シークも、チョコレートを食べながら頷いています。
「まあ、どんな花でも作れると言うし、試してみたけど正解だったな」
「へえ……。それで、友情ということでライラックを」
　ちなみに、ライラックには初恋にまつわる花言葉や愛の芽生えという花言葉もあるのですが、カルファスは言う必要がないと思ったので言いませんでした。
「サザンカでもいいかと思ったんだけどな」
「サザンカ？　なぜ？」
「十一月九日の誕生花だよ。シークの誕生日」
「え、サザンカだったんですか？　初めて知りました！」
　シーク本人が驚いています。
「それじゃサザンカは……どんな花言葉？」
　目を瞬いて聞きます。
「困難に打ち勝つ、ひたむき、謙虚、飾らない心……」
「あ、ああ……」
　なかなかシークに合っているかもしれない言葉が出て来て、彼は口ごもりました。そしてカルファスはまた、理想の恋とかひたむきな愛という花言葉は伏せました。シークとは今はいい友達関係です。その友情を大事に育てたいと思ったのでした。

●蒼崎　海十（フィン・ブラーシュ）編
　蒼崎　海十の精霊フィン・ブラーシュは、チョコ・ストリートで魔法のチョコレートフラワーを見つけ、海十のために白い勿忘草を作って貰いました。
（海十がどんな未来への想いを見るのか、知りたいと思った。俺がどんな未来への想いを抱くのかも……）
　それから早速二人の家に帰り、居間でギターの練習をしていた海十に呼びかけました。海十はフィンが帰って来たのでギターを脇に置いて振り返ります。
「海十、これ、魔法のチョコレートの花なんだよ」
　チョコレートと聞いて、海十はびっくりしてしまいます。
　差し出された白い勿忘草は、本物のように綺麗で、思わず見とれてしまうほどなのです。
　フィンも自分が海十に差し出した花を見つめました。
　自然と未来への期待で胸がいっぱいになっていきます。
　気づけば声に出して告白していたのでした。
「俺は……海十と家族になりたい」
「と、突然、なんだよ……」
　海十だって狼狽えてしまいます。
（やばい、顔が熱い。フィンと家族に……約束したけど、実際にそんな風に言われたら……）
　赤面して目をそらしながら、海十は、嬉しさと訳の分からない羞恥心で、早鐘のように鳴る自分の心臓の音を聞いていました。
「海十と結婚して……子供作って……ふふ、海十の子供なら絶対に可愛いと思うんだよね。
俺、甘やかしてしまいそう……ああ、でも、海十が子供達に取られちゃうのはちょっと困るな。俺の事もちゃんと見て欲しい」
　そんな海十を見守りながら、フィンは自分の未来への期待を口に出します。それは彼にとって最も幸せな光景なのでした。
　自分との子どもを、嫉妬しそうなぐらい可愛がる海十も、その家族を守り続ける自分のことも、きっと叶えたい夢なのです。
「い、いただくな」
　幸せそうに語るフィンの前で、いたたまれない羞恥に襲われた海十は、照れ隠しにチョコレートで出来た白い勿忘草を食べました。
　その途端、目の前に見知らぬ－－知らないのに懐かしい光景が浮かび上がりました。

　明るく温かな一軒家。
　隣で少し大人びたフィンが微笑んでいます。
　海十の腕の中には……フィンに、そして海十に似た赤ん坊が居て、フィンが優しく髪を撫でています。

（ああ、これって……これって……）

　我に返った海十は、思わず、今見た夢をフィンに告げていました。
　光が溢れるような幸せの光景……。
　それを聞いたフィンは、あまりにも嬉しくて幸せで、海十の事をぎゅっと抱き締めていました。
「海十と俺の未来。今でも幸せだと思ってたけど……もっともっと幸せになれる。海十となら……」
　海十はフィンの体温を感じながら、その背中に手を回しました。
「当たり前だろ？　一緒に幸せになる……俺が幸せにしてやる。必ずだ」
　決意と確信に満ちた声で海十ははっきりと言いました。オーガによって家族を失ったフィンの事はよく分かっているのです。だからこそ、フィンが海十と家族になりたいという強い願いの事も。
　ならば、幸せにしてやる。二人で、幸せになろう……。
　
『海十の幸せを見つける事が、一番の恩返し』

　二年前、ちょうど今頃の季節のフィンの言葉が甦ります。
　海十は、年上の幼なじみのために、彼が忘れられていく事を拒むために、自分の夢をすりかえて生きていました。
　フィンの言葉で気がつく事が出来たのです。
『俺も兄の為に生きてきた。けど、兄はそれを望んでなかった。兄が亡くなる時、兄の言葉で、やっと気付けた。それから、俺も俺の幸せを探している。海十のお陰でもう一度気付けた。俺達だけの幸せを一緒に探そう。海十となら、見つけられる気がするんだ。俺のパートナーが海十でよかったよ』
　幸せのランプの灯りを受けながら、聞いた言葉。告げた言葉。

　そして二人は、去年のバレンタインと言えば。
『俺の大切な恋人さんへ
　実はこんな風に誰かにチョコレートを渡すのって、人生初かもしれない。
　俺の初めてが海十でよかった。
　これからも海十と沢山の初めてを味わいたいな。
　愛してるよ。
　フィンより』
『こうしてチョコレートを改めてプレゼントって少し変な感じだけど……、
　えーと……笑うなよ？
　ハッピー・バレンタイン。
　俺の大切なフィンへ。
　……好きだよ』
　既に、本当の幸せに気がついて、幸せのあり方を形作り始めていたのです。

　今年、フィンが海十に贈ったのは、告げた想いは、辛い過去を浄化して未来へ繋ぐ白い勿忘草の菓子。
　勿忘草の花言葉は『真実の恋』『真実の愛』『真実の友情』……『私を忘れないでください』。
　勿論、フィンも海十も、兄の事も幼なじみの事も忘れる訳ではないのです。決して忘れないからこそ、今、与えられた真実の愛を胸に、その心に忠実に、未来へ向かって歩き出すのです。
　白いチョコレートの花は二人の手の中にあり、本当の幸せへ導くように、甘い魅惑的な匂いを放っているのでした。

●セイリュー・グラシア（ラキア・ジェイドバイン）編
　バレンタインシーズンのチョコ・ストリートにセイリュー・グラシアが訪れました。そこで彼は魔法のチョコレートの花屋を見つけました。
　もうすぐバレンタインなので、精霊のラキア・ジェイドバインにちょうどいいプレゼントを探していたのです。
　ラキアは花が好きですから、こういうものを贈れば喜ぶかもしれません。でも、彼は考え込んでいます。
「花か……」
　ラキアが庭で色々な花を育てているので、見た目はわかるのですが、名前はしっかりと覚えていないのです。
　それに、花のチョコレートとなると、食べやすさも考えなければなりません。
（ガーベラにしてもらおう。花弁多いから１枚ずつめくって食べやすそうじゃん。ココは案外大事だぞ！）
　そう決めて、セイリューは思わず笑顔になりました。
「おじさん、ピンクのガーベラを作ってください」
　セイリューは財布を取り出しながら、モノクルの職人にそう頼みました。
　セイリューの頭に浮かんだのはピンクのガーベラでした。
　だって、雰囲気が優しくてラキアみたいだからです。ラキアをイメージして作ってもらおうと、セイリューはよく出来た職人に色々と注文をしました。
　出来上がったガーベラのチョコレートは、正に注文通りのラキアのイメージそのものでした。セイリューは両手でそっと大事に持って、ラキアと猫とレカーロの待つ家に帰ります。

　その少し前に、ラキアも実は同じ店を訪れていたのでした。
「チョコレートで花を作ってくれるの？　どんな花でも？」
　ラキアの問いかけに、職人はイエスと答えます。
「なら黒いクリスマスローズを希望。黒だからカカオたっぷりのブラックチョコでお願いしようかな。真ん中の部分は黄色でね」
　ラキアはそんな注文をしました。
（チョコレート素材をふんだんに活かした逸品になると思う）
　彼はそう思っていい笑顔です。

　そうして二人は、家に帰ると、お互いのチョコレートフラワーを交換しました。
「いつも色々と気を配ってもらって、感謝しているんだぜ！」
　セイリューは心をこめてそう言いました。
「安心して任務に行けるのもラキアのおかげ。ラキアが居てくれるからオレ、頑張れる。何か見過ごしていても絶対フォローしてくれるって信じてるから」
　セイリューが真剣な顔をしてそう言うと、ラキアは照れもせずに微笑んでそれを受け止めました。
「真ん中は褐色系のつぶつぶで食感が違うんだぜ」
　そう言ってピンクのチョコのガーベラを手渡すと、ラキアはありがとうと言って受け取ります。
　それからラキアはセイリューに黒のチョコで出来たクリスマスローズを。
「甘味を抑えたチョコレートも時には良いでしょ。セイリュー食べるの好きだから、いつもと違う味を楽しんでほしいな。クロは過去の事を色々と思い起こさせてくれるよね」
「おう！」
　受け取ったセイリューは元気よくそう答えると、早速クリスマスローズを食べてしまいました。

　その途端に、過去の記憶が訪れます。
　それは去年のキャンディニアでの出来事でした。デミ・ラットを倒すために他のウィンクルム達と協力しあった事。
　水玉ハンマーとフライパン、周囲は妖精や小人達、そうして戦う敵は大きなネズミで－－本当にお伽話のような戦いだったけれど、二人は手を抜きませんでした。戦闘の後も、瘴気を取り除くために、セイリューがラキアにキスをして。
　そう。二人はいつだって全力で、真剣で、お互いに向き合っているのです。
　それからさらにショコランドの思い出。
　糖華降る夜、降りしきる流星のような金平糖を見ながら、金平糖のカクテルを作った夜の事。
　セイリューが頼んだのは、『アラウンド・サ・ワールド』
　世界一周という意味のカクテルでした。
『２人で世界の色々な所をまわろうぜ』
『オレ、ラキアと一緒に色々世界を見たいからさ。ラキアと一緒じゃないとつまんない。だから一緒に色々な所を見たい！』
　ラキアが作ったのはチョコティーニ。
『『来年も一緒に金平糖の空を楽しもう』……自宅でゆっくりチョコ摘まみながら２人で飲んでもいいかな。色々な楽しみを積み重ねていきたいよ、君と一緒に』

　去年のバレンタインの事を思い出して、セイリューはその想いをラキアに告げます。ラキアはやはり、微笑んで受け止めました。
「任務ではたくさん大変な事もあったけど、苦労しただけの成果も得ているし、何より自分達の成長の軌跡が見えるようで。俺達、頑張ってるよね。皆もだけど、自分達の事も褒めてあげよう！」
　ラキアの言葉にセイリューは頷き、彼に向かって親指を持ち上げました。
「勿論！　ラキアとならなんだって頑張れる！」
　ラキアも頷きます。
「そしてこれからも一緒に経験を積みかさねて行こうね」
　だって、二人はウィンクルム。二人の絆は揺るがないものなのです。
　ガーベラの花言葉は『元気』『希望』『常の前進』
　クリスマスローズの花言葉は『追憶』……。
　正にその通りのバレンタインを迎えた二人。お互いにとっておきの笑顔をかわして、その日は猫達とともに、過去の話、未来の話、心置きなく語り合ったのでした。それも来年になれば、チョコレートのように甘い思い出話になるでしょう。

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依頼結果：大成功
ＭＶＰ：

名前：蒼崎　海十 呼び名：海十

名前：フィン・ブラーシュ 呼び名：フィン

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メモリアルピンナップ

参加者

• セイリュー・グラシア（ラキア・ジェイドバイン）
• 蒼崎　海十（フィン・ブラーシュ）
• カルファス・レレンノーグ（シーク・ヴァールハイト）

会議室

• 

  [3]蒼崎　海十

  2017/02/03-00:32　

  

• 

  [2]セイリュー・グラシア

  2017/02/02-23:41　

  

• 

  [1]カルファス・レレンノーグ

  2017/01/31-01:58　

  シナリオ参加は女性側含めて2度目の初心者ですが、よろしくお願いします！