プロローグ
貴方は今日、首都タブロスのA.R.O.A.本部近くのデパートに来ています。
本部でちょっとした用事を果たした帰り、ウィンクルムの相方へのクリスマスプレゼントを探しに来たのでした。
一階から順番に最上階の方まで登っていって、貴方は相方へのちょうどいいプレゼントの目星をつけました。クリスマスまでには買っておこうと思います。
最上階は展示場になっていて、イベントや教室などもたまに開かれているようです。
貴方は何気なくそちらの方へ近寄っていき
『クリスマスカード教室』
というものが開催されている様子に気がつきました。
なんだろう、と思って近づいて行くとイベントの係の人が笑顔で貴方に話しかけてきました。
「貴方もいかがですか? マスキングテープやリボンやフェルトを使って、手軽に貴方だけのクリスマスカードが作れるんです。貴方の大切な人への気持ちもこめて……」
「マスキングテープでそんなに簡単にクリスマスカードが手作りできるんですか?」
貴方が興味を持ってそう聞いてみると、係の人は見本を見せてくれました。次の教室まで時間があったようなのです。
緑の星や水玉のマスキングテープを横に何段階も貼っていって、てっぺんに黄色い星模様のテープを貼っただけのクリスマスツリー。
小枝に細いリボンで何色ものフェルトを吊して、そのままカードに貼ったもの。
貴方は様々な工夫を凝らしたクリスマスカードを見せてもらいました。
「これなら作れそう……」
「また、この教室には特別なサービスがあるんですよ。ちょっと魔法を使うんですが」
「魔法?」
「あなたがカードに話しかけると、それがそのままカードの上に思った通りの文字になるんです。ピンクのキラキラの斜体文字とか、ゴシックの太文字の黒とか……筆跡に自信のない方にはおすすめです。また、カードへ話した言葉が、大切な人に届いて、カードを開いた瞬間に音声となって甦るサービスも行っています」
「なるほど、それは素敵ですね」
「カード教室は一時間後からまた開催されます。料金は300Jrほどかかりますが、いかがでしょう。クリスマスプレゼントだけではなく、貴方だけの素敵なカードを作ってはみませんか?」
貴方は考えこんだ。そういう素敵なカードなのだが、魔法を使うせいか、クリスマスを過ぎると翌日には風になって消えてしまうそうなのだ。それで300Jr。さあ、どうしようかな。
解説
クリスマスカード教室。貴方だけの素敵なクリスマスカードを作ります。
参加者はウィンクルム双方でも神人だけでも精霊だけでも構いません。
●好きな紙に、マスキングテープ、リボン、シール、紐、ボタン、厚紙の切り抜き、小枝などで貴方だけのカードを作ってください。文房具店や雑貨店で普通に手に入りそうなものなら、何でもOKです。
●作ったカードに魔法をかけます。カードに向かって呟いた言葉が、そのまま自由自在でどんな文字にでも変形して書かれていきます。ウィンクルムの相方へのクリスマスのお祝いの言葉を何でも仰ってください。
声がカードを開いた瞬間、そのまま相手に届く魔法もかけられます。
●魔法がかかっているため、クリスマスカードはクリスマスの翌日には風になって消えます。
●料金は一人300Jrになります。
●作ったカードを相方に渡して下さい。神人→精霊でも、精霊→神人でも、双方カード交換でも構いません。カードを受け取った時にどんな反応があったか、会話をしたかなどをプランに書いてください。
ゲームマスターより
プレゼントだけではなくカードも懲りたいですね。クリスマスには!
リザルトノベル
◆アクション・プラン
出石 香奈(レムレース・エーヴィヒカイト)
自宅でクリスマスの準備 簡単な飾り付けをして、料理とケーキ、ノンアルコールのワインを用意しレムの訪問を待つ プレゼントは手編みのニット帽 マキナ用に耳当てを大きめに編む 二人で食事した後でプレゼントを互いにに渡す レムのはカード付きなのね、読んでもいい? カードを開き、聞こえた言葉にしばし固まる ゆ、指輪?指輪ってまさか…やだ、どうしよう嬉しい あ…それでハンドクリームなのね 仕事もあるけど、これはその…夜遅くまで編み物をしていたからで… プレゼントを抱き締め、ふと涙がこぼれる これからのこと…レムとの未来のことを考えたら、なぜか涙が出てきちゃって こちらこそ本当にありがとう、大切に使うわ それから…あたしも愛してるわ |
シルキア・スー(クラウス)
作る側 買物済ませ教室に参加 彼との合流まで時間あるし 台紙は白 濃い青と水色のグラデの厚紙で枠を 上部星型スパンコール散し 下部2人が暮らすアパートと木等の風景要素の厚紙パーツ貼る 表紙に雪の結晶スパンコールでリース形取り水色のリボンとフェルトの青薔薇をあしらう 言葉を吹き込む ちょっと恥ずかしいけど 当日 彼の部屋でクリスマスパーティ 料理は寮母の様な大家婦人と作った物 「だから料理は大丈夫 問題なのは ラッピングしたケーキの箱恐る恐る渡す 緊張 抱き寄せられ 彼の声が感極まった様子に思えて背中ぽんぽん 「これからもよろしくね、青薔薇さん 彼からもプレゼント貰いシャンパンで乾杯 ケーキは半分こにしてくれて 美味しそうに食べてくれた |
●シルキア・スー(クラウス)編
今日、シルキア・スーは精霊のクラウスと、タブロスのデパートへ来ています。クリスマスのプレゼントを二人で探しに来たのでした。
途中からは別行動で、クラウスは喫茶店でコーヒーを飲みながら読書です。
何でもシルキアは、正月のお節作りを失敗した汚名を返上したいので、今回は手作りのクリスマスケーキをプレゼントするとのことです。クラウスはそう宣言されました。
そのケーキの材料の買い物をしているシルキアを、クラウスは喫茶店で待っているのです。シルキアは料理を習っているようですが、上達して自信をつけたでしょうか。
読書中なのですが、クラウスはシルキアの事を思い出しては、笑みをこぼしてしまいます。
買い物をしながら、シルキアはデパートの催事場で『クリスマスカード教室』が開催されていることに気がつきました。
(クラウスとの合流まで、まだ時間はあるし……)
シルキアは早速、教室でカードを作る事にしました。
教室では係の先生がシルキアの希望を聞いて、様々な道具を机に並べてくれました。シルキアは指定の席に腰掛けて、クラウスのために自分だけが作れるクリスマスカードを作っていきます。
シルキアが選んだ台紙はシロです。
濃い青と水色のグラデーションの厚紙でワクを作ります。
台紙の上の方には星形のスパンコールを散らします。
下の方にはシルキアとクラウスが暮らすアパートと、木などの風景を表す厚紙のパーツを貼ります。
表紙にはユキの結晶をスパンコールで、リースの形に作ります。
それから水色のリボンとフェルトの青薔薇をあしらいました。
それから言葉を直接にカードに吹き込みます。
(ちょっと恥ずかしいけれど……)
係の先生は気にとめていないと思いますが、シルキアは自分の声をカードに吹き込む時に、ちょっと赤くなってしまいました。
やがて、クリスマス当日。
クラウスの部屋でクリスマスパーティとなります。
クリスマスの手料理は、まるで寮母のような大家夫人と作った物ですので、安心です。
「だから、料理は大丈夫。問題なのは……」
シルキアは緊張気味にラッピングしたケーキの箱を恐る恐るクラウスへと手渡しました。
クラウスはケーキの箱に添えられていたカードに気がつき、手に取ります。
表紙は青薔薇でした。
「お前にとって俺を象徴する花だったな」
クラウスは微笑みました。
それから、そっとカードを開きます。
カードから声が流れ出しました。
『私の心に咲く青薔薇は、これからもずっと枯れる事なく咲き続けるでしょう。私を支える青薔薇さん、ありがとう。メリクリ!』
思いがけない声によるメッセージを聞いて、顔を上げると、シルキアが真っ赤になってクラウスの方を見つめている事が分かります。
クラウスはカードをテーブルに置いて、そっと彼女の事を抱き寄せました。シルキアの柔らかい感触。柔らかい匂い。
「支えられているのは俺も同じ……」
抱き寄せられ、そう囁かれて、シルキアは驚きます。
クラウスの声は感極まってかすれているように感じました。
シルキアは背中に手を回して彼をぽんぽんと叩くように撫でました。
「これからもよろしくね、青薔薇さん」
クラウスは喜びに胸が苦しいほどで、取り乱さないように努めるのが難しいほどでした。
「ありが……とう」
お礼を言うのですが、やはりかすれたような声になってしまいます。
ですが、思い切ったようにシルキアから体を離して、彼も自分で用意していたプレゼントを彼女の方へと渡しました。
「受け取って欲しい。俺からの気持ちを……」
「ありがとう!」
シルキアは満面の笑顔で綺麗にラッピングされた小箱を受け取りました。それは、開けてみると、地支の指輪と同じ色合いをしたカンパニュラの花のケーキでした。
「……カンパニュラは7/8の誕生花だと聞く。それでお前に……」
「嬉しい。考えてもみなかった……」
シルキアは感激に声が詰まります。
自分がずっと地支の指輪を身につけている事に、クラウスは気がついていたのです。そしてシルキアが地支の指輪をお気に入りにしているのは、クラウスと同じ色をしているからなのでした。
しかも、誕生日を覚えていて、誕生花も自分で調べてくれたのです。シルキアはクラウスとの心の繫がりを強く感じました。
「カンパニュラの花言葉は、「感謝」「誠実」「節操」……」
そこでクラウスは言葉を切ってしまいました。本当はまだあるのですが、まだ彼は、それを自分から告げる覚悟が決められないのです。
他の花言葉は、「友情」「真剣な恋」「思いを告げる」……などです。何故、言えないのかと、クラウス自身、じれったい気持ちでいますが、どうしようもありません。
ですが、目の前に純粋に喜んでいるシルキアを見るのはとても嬉しく、今日はそれだけでも十分だと思えました。
シルキアはクラウスとともに席に着いて、シャンパンをグラスに注いで乾杯することにしました。
「メリークリスマス!」
それから二人でパーティの始まりです。
クラウスはケーキを半分に切ってシルキアの皿に乗せました。
自らも、シルキアが大家夫人に習いながら作り上げたケーキを美味しそうに頬張ります。
胸がいっぱいで食べたケーキは甘さが幸福感を満たしていき、クラウスは心から満足することが出来ました。
「来年も、一緒にクリスマスを過ごせるといいね」
自然とそんな話になります。
来年も、再来年も、ずっと相方と一緒--。それは現実の事になりそうで、二人は微笑みをかわしました。
「去年の今頃は、何をしていたっけ」
シルキアが尋ねると、クラウスはすぐに答えました。
「一緒に展望台にイルミネーションを見に行ったはずだ。悩みを話した」
「悩み?」
シルキアは問いかけてから思い出し、顔の赤らむ思いをしました。
クラウスは、戦場でシルキアを失ってしまうかもしれないという恐怖を感じ、それを克服したい、こんな弱さも持つ男だが信じて欲しいと告げたのです。
シルキアは、そのとき、告白したいと思ったのですが、彼の胸の前で結局何も言えなかったのでした。
(あ、ああ、あのとき、私なんて……)
動揺するのはシャンパンのせいで酔っ払っているだけだと、シルキアは必死に自分をなだめようとします。
「後は……。正月にお節料理を作ってもらったな」
「そ、そうだね」
話題が変わったのは嬉しいのですが、シルキアとしては辛いところです。
知識が焦げ焦げ、昆布も焦げ焦げ、クラウスの機転で黒豆の健康だけは守られたけれど……。
でも、あのときから、努力を重ねて、今はクリスマスの料理もケーキも作れるようになりました。
今年も実りのある一年だったと思います。
(クラウスにとって、今年はどんな一年だったのかな……)
シルキアはそれが気になりました。
そこで、そういえば、とクラウスが顔を上げて話し出しました。
「春にはショコランドでもシルキアから、メッセージカードを貰ったな。それからやはり春に、サクラウヅキでオーガをたくさん討伐した。夏には海でスイカ割りもしたし、花火を見に行った。秋には悪戯南瓜のせいで本当に酷い目にあった。今年は、ずっとシルキアといたな……」
だからこそ、シルキアにとっての支えはクラウスで、クラウスにとってもシルキアは支えなのでしょう。
「来年もきっと、私はクラウスと一緒にいるよ。ずっと一緒だよ」
シルキアは確信のある微笑みでそう言い、クラウスも笑いながら頷いて、二人はまた乾杯をしました。楽しいクリスマスパーティはまだまだ続きそうです。
●出石 香奈(レムレース・エーヴィヒカイト)編
その日、出石 香奈の精霊レムレース・エーヴィヒカイトは、デパートにクリスマスプレゼントを買いに行き、そこでクリスマスカード教室を見つけました。
早速参加して、自分だけの香奈に送るクリスマスカードを作りました。
赤い服を着た自分を模したサンタのミニキャラの切り絵のカードです。
プレゼントはハンドクリームに決めました。
メッセージは……
『メリークリスマス
俺は口下手だから、こんな形で伝えることを許してほしい
いつか、その手に似合う指輪を贈らせてくれ
……愛している』
シンプルで小さめの濃い銀色の文字が、カードに自然に浮かび上がります。
それからレムレースは、カードとプレゼントを持って香奈の自宅へ向かいます。描いた切り絵と似ている赤い服を身につけて。
一方、香奈の方は自宅で忙しくクリスマスの準備です。
部屋に簡単な飾り付けをして、料理とケーキを作り、ノンアルコールのワインを用意して、レムレースの訪れを待っているのです。
(緑茶と甘菓子も一応買っておいたけれど、クリスマスにいきなりこれを出すのって変よねえ……。パーティが終わった後に、時間があったら出す事にしよう)
プレゼントは手編みのニット帽です。
マキナ用に耳当てを大きめに編みました。
レムレースが訪問すると、早速、二人はパーティを始めましたが、レムレースがそわそわしている様子に香奈はすぐに気がつきました。
(プレゼントが気になるのかな?)
なんとなくそう思って、香奈は食事を早めに切り上げて、プレゼントをレムレースへ渡しました。
「手編みか……。ありがとう。俺の耳の形にあわせて作ってくれたんだな。嬉しい」
「結構苦労したのよ。でも、頑張った耳のところを編むのって結構楽しかった」
次にレムレースが、香奈に自分のプレゼントを手渡します。香奈にやっと渡せると思うと、レムレースはちょっとだけほっとした表情になりました。プレゼントを持ったままじりじりしている時間が、一番緊張していたのです。
「レムはカード付きなのね。読んでもいい?」
香奈がそう尋ねると、レムレースは真剣な表情で頷きました。
香奈がカードを開くと、レムレースの声が魔法で流れます。
真剣な熱っぽい声……。
「ゆ、指輪? 指輪ってまさか……やだどうしよう嬉しい」
「ああ、指輪だ。少し気が早いかもしれないが、ここに予約をしておきたい」
そう言って、レムレースは香奈の左手を取りました。
香奈は感激した様子で、されるがままになっています。
「思った以上に手が荒れているな。毎日仕事でバイクの整備をしていれば無理もない」
「あ……それでハンドクリームなのね。仕事もあるけど、これはその……夜遅くまで編み物をしていたからで……」
「編み物? そうか、俺のために……ありがとう。しっかりケアしてくれ」
そう告げて、レムレースは彼女の左手の薬指に軽くキスしました。
香奈は、プレゼントとカードを強く抱き締めます。
ふと、涙がこぼれ落ちました。
「香奈?」
わずかに動揺するレムレース。
「これからのこと……レムとの未来のことを考えたら、なぜか涙が出てきちゃって。こちらこそ本当にありがとう、大切に使うわ。それから……あたしも愛してるわ」
感情がこみあがってきて涙をこぼす香奈をレムレースはそっと抱き寄せました。香奈はしばらく、静かに泣いていました。
今年は本当にたくさんの事を経験しました。
年の初めの船旅で、レムレースに「伴侶」になって欲しいと言われました。あのときは一晩だけの恋人と言ったけれど、今はこうして、指輪の約束をして胸に抱かれています。
ショコランドでは、レムレースが香奈の周辺の男性に激しい嫉妬を見せました。
その後、香奈がバイクショップの店員に就職が決まって。二人で会える時間が減ってしまったけれど、信頼感はかえって上がりました。
そして、ようやく知る事が出来たのは--。
香奈の出生の秘密。
マントゥール教団員で、オーガへの生贄に娘を捧げようとしていた父。守り通して、非業の死を遂げた母。
それを知った時に、そばにいてくれたのはレムレースでした。
『母の仇を討ちたい』
その自然な願いを受け止めてくれたのもレムレースでした。
守るだけでは足りない、過去を乗り越える支えになりたいと……それすらも越えるような言葉に出来ない感情で、香奈を包み込んだレムレース。
それからレムレースの故郷、二人の出会いの街へ訪れて、レムレースは『天命』に出会えた記念日と口にしました。
そしてレムレースの前でウェディングドレスを着た日。
浜辺で、彼に抱き上げられて、彼からの告白を受けたのです。
彼は、今までの男達とは違う。
一生、続く、恋もある。
そう信じたいのです。
信じていいのです。
レムレースは、信じさせてくれるのです。
それから、花火を見上げながら、彼から交際を申し込まれました。将来も考えて……と。遠回しのプロポーズかと思い、香奈は、今までの悲しい過去が消えて行く事を感じました。
ボディジュエリーを身に纏いながら、彼の意外に危険な言葉を聞いて、それを構わないと思った事もありました。
ツーリングに行って、ひょんなきっかけでレムレースの子どもの頃を聞いたり。
そんな一年の事が、香奈の胸からこみあがってきます。
レムレースは今、どんな気持ちで、どんな表情でいるのかと、見上げると、彼はただ慈しむ瞳で香奈だけを見ていたのでした。
「香奈はいつも強くあろうとするが、……時には自分の弱さを認める事も大事だと思う」
レムレースは指先で香奈の涙を拭いました。
「決して涙を見せない事だけが強さなのではない、自分は完璧ではないのだと、永遠に傷つかないことなどはないのだと、……香奈はそう知っているのだと思う」
だからこその涙なのだと、レムレースは言いたいようでした。
ですが、何か言葉が気持ちに追いつかないらしく、苦しそうな表情を見せます。
「レムレース、無理しないで。……私、ただ……」
「香奈、……香奈が母の仇を討ちたいと思う気持ち……それは当然の事だろうと思う。そして……。俺が、そんなお前の背中を守って……お前の過去を受け入れ、過去を乗り越えるだけの力をもてるか……それが、俺の戦いになるだろう」
レムレースは言葉を紡ぎながら、どこかで気持ちがうまく伝わらないもどかしさを感じて、口元を歪めます。
「香奈は……。今まで、大勢の男達と知り合い、結ばれる縁にはつながらなかった。それは俺に出会うためだったと思って欲しい。本当の相手と巡り会えなかったから……。何故に俺は、お前に一番最初に出会う事が出来なかったのだろう。香奈が、俺を信じる事が恐いと思い、辛い感情を覚えるのは……何でなんだ」
レムレースは強く自分の拳を握りしめました。香奈は、そんなレムレースの真剣な思いに驚き、恥ずかしさと照れが出て、突然笑い出してしまいました。
「香奈!」
「ごめん、あなたを笑っている訳じゃないわよ。ちょっと待ってて、今、緑茶を入れるから」
どこまでも純粋で生真面目で朴念仁のレムレース。それが、香奈の一生の恋人なのです。
香奈は彼の前に、彼の好みにあわせた緑茶と菓子を差し出しました。
「レム、あなたのすっごく真面目な気持ち、分かりたいと思うし、多分、私、分かっていると思うわ。でも、そんな顔を近くして真剣に言われたら、どうしたらいいかわからなくなっちゃうじゃないの」
「そうなのか……」
それから、クリスマスのご馳走と一緒に、緑茶を出しながら二人で他愛ないおしゃべりをしました。禁酒中の香奈にはちょうどよかったかもしれません。これからの未来は、二人に相応しい、二人だけのやり方で、紡いでいくのです。
依頼結果:大成功
MVP:
エピソード情報 |
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マスター | 森静流 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | ロマンス |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ビギナー |
シンパシー | 使用可 |
難易度 | とても簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 2 / 2 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 12月02日 |
出発日 | 12月09日 00:00 |
予定納品日 | 12月19日 |
参加者
会議室
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2016/12/08-12:44
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2016/12/07-13:26
シルキアとパートナーのクラウスです。
どうぞよろしくお願いします。
声のメッセージは素敵だけどずっと残るのは恥ずかし過ぎるので
消えてくれるのは私にはありがたい仕様。