プロローグ
『ギルティ・シード』
神々や神人には力を及ばさないが、一般人や動植物、精霊をオーガ化させようと狙うマントゥール教団が撒いた悪しき種。
ウィンクルムが愛を高めて、その悪しき種を枯らさなければならない--。
そういう説明をA.R.O.A.本部で受けたあなたと精霊は、近くのグリーンヒル公園に向かって歩いています。厳しい任務の事を聞いたので、明るい公園で気分を切り替えながら今後の作戦について相談しようと思ったのでした。
(精霊とクリスマスの相談をしたいのに。いえ、それもしなきゃダメよね。ギルティ・シードを枯らすためには彼と愛を盛り上げなきゃ。でも、それを直接、精霊と話し合いながら実行したって、逆に白けたりしないかしら? でも、しなきゃいけないことだし。ああ、彼とのクリスマスを純粋に楽しみたいのに、悩みは尽きない……)
そんなあなたに話しかけてきた人物がいます。
「新装開店のカフェです。ただいまケーキセットがサービス価格です~」
そんなあなたたちに、街角でティッシュ配りのバイトさんが声をかけてきました。
「ケーキもドリンクも選び放題ですよ~、よろしかったらどうぞ~!」
精霊があなたを振り返りました。
「公園もいいけど、カフェでもよくない?」
「……そうね。新しいお店の中で、気分替えて、話しましょうか」
あなたと精霊はバイトさんからお店の場所を聞いてそこに向かったのでした。
新装開店の店はガラス張りで、秋の花がたっぷりと飾られていました。
ドアを開けるとドアベルがかろんかろんっと気持ちのよい音を立てます。
入ってすぐのショーケースの中には見ているだけでも楽しくなるようなケーキが並んでいて、直接選ぶ事が出来ました。
あなたと精霊は一人300Jrでケーキセットを頼み、広い店内に向かって行きました。
丸い大きなテーブルや普通の四人がけの席があります。
「……あら?」
そのとき、あなたは、A.R.O.A.で何度か見かけた事のあるウィンクルムを認めました。「オーガ……クリスマス……」
そんな話し声が聞こえてきます。
あなたは、自分達と同じ悩みを持っているんだな、と思いました。
さて--
解説
ダブルデート、もしくはトリプル……となるようなデート? です。
新装カフェで、他のウィンクルムと交流しながらクリスマスについて話し合い、それにより愛を高めてください。
話題は『相方とのクリスマスをどんなふうに過ごしたいか』『ギルティ・シードを枯らすための愛の作戦』などがいいかと思われます。勿論、話したい事が他にあれば、それをプランに書いて構いません。
プランには、
・交流したいウィンクルムの相手
・その相手と話したいこと(出来たら台詞で)
・(それを聞きつけた時の相方の反応)
などを書いてください。
相方は、自分が話し相手に夢中になっているかもしれませんので、必ずしも話題を聞きつけなくても大丈夫です。
どうしても相手を選べない場合はその旨と話したい話題を書いてください。こちらで調整しますが、出来るだけ相手を書いてください。
テーブルは丸テーブルに最大五人まで座れます。
丸テーブルは二つあります。話す人数によって席はこちらで調整します。
カフェのメニュー
ケーキ
いちごショート チョコレートケーキ スフレフロマージュ リンゴとキャラメルのタルト 生チョコロールケーキ モンブラン
ドリンク
※コーヒー ※ミルクティー ※レモンティー ※カフェラテ ※抹茶ラテ 野菜ジュース
※アイスもあります
ケーキとドリンクを一つずつ選んで一人300Jrのセットになります。
ゲームマスターより
新しいイベントが開催されました。これからどうなることか、皆さん期待と不安がありますよね。ウィンクルムはそのことについて、どんな思いでいるのでしょうか。同じウィンクルムと話し合い、相方への愛を再確認して高め、さらに種もからしてしまいましょう!
リザルトノベル
◆アクション・プラン
桜倉 歌菜(月成 羽純)
交流: アラノアさんとガルヴァンさん ミミさんとルシードさん 話: ギルティ・シードを枯らすための愛の作戦という事で 何をするか参考にする為に 今年一年で印象に残った出来事と どんなクリスマスを過ごしてみたいかをお伺い出来たらなって 私が印象に残った出来事は 夢想花の咲く遺跡での一時でしょうか 花の色に鍾乳石の輝き、今思い出してもうっとりします…! …ぷ、ぷろぽーずされた事も(照) クリスマスは、一昨年はレストランで食事 去年は羽純くんの家で食事 今年は…例えばですけど、遊園地でパレード参加とか楽しいかも♪ 私も羽純くんと仲良く…もっと彼の事知りたいなと思ってて… 基本は、相手を知る事かなって…(恋が絡んでくると瞳キラキラ |
ミミ(ルシード)
三組で話 リンゴとキャラメルのタルト、ミルクティー 甘い物好き。ケーキ美味しい 今年印象に残った事 やっぱり契約した事でしょうか まさか私がって感じで、正直未だに実感が…(紋様撫でつつ あ、でも嫌だった訳ではなくて… 皆さんも色々な出来事を経験されているんですね 仲が良さそうで羨ましく思い クリスマス 正直どうしようかと… で、できればもう少し仲良くなれたらなぁとは思っているんですが…(神人のみに向けこそこそ 皆考える事は同じなんですね。がんばりましょうね…! ううん、イルミネーションとか…? それなら会話が途切れても景色見てれば誤魔化せる、かなと…(ぼそぼそ 視線気づき何か失言したかとびくびく え。ありがとうございます…? |
アラノア(ガルヴァン・ヴァールンガルド)
皆さんと話せたらいいな… 生チョコロールケーキ カフェラテ 今年一年で印象に残った出来事 やっぱり夏にあった碑文の試練でしょうか… いつ言うつもりのない本音がぽろっと出てしまうのではと気が気じゃありませんでしたし… そっその話はやめて…! 羞恥で顔を覆う ああ、ガルヴァンさんが小さい頃もごっ ご、ごめんなさい… どんなクリスマスを過ごしてみたいか うーん…まだ決まってませんが…えっと… 精霊をチラと見 ガ、ガルヴァンさんともっと仲良くなれたらなって… 身を乗り出して精霊には聞こえない声量でこそこそ 皆さんも精霊さんとより仲良く、より親密になれるよう頑張りたいですね…! えっ、あ、う、うん…? ど、どうしたんだろガルヴァンさん… |
その日、A.R.O.A.本部に程近い新装オープンのカフェに、三組のウィンクルムがほとんど同時刻に訪れました。
桜倉 歌菜とその精霊月成 羽純。
アラノアとその精霊ガルヴァン・ヴァールンガルド。
ミミとその精霊ルシード。
計六名です。
六人は、先程A.R.O.A.でマントゥール教団の新たな脅威についてしっかり説明を受けてきたところでした。
その後、偶然、この秋の花がたっぷり飾られた新しいカフェに入ったところです。A.R.O.A.本部で何度か見かけた事のあるお互いの姿に、六人は驚き、そのまま相席して交流を持つ事になりました。
みんな、A.R.O.A.で聞いた新たな危機『ギルティ・シード』の事や、来月に控えたクリスマスの事で、話したい事があったのです。
大きなテーブル二つを並べてくっつけて、それぞれが自分の席に座りました。
注文はお店に入ってきた時にすませています。
歌菜はいちごショートとカフェラテ。羽純はモンブランとミルクティー。
アラノアは生チョコロールケーキとカフェラテ。ガルヴァンはスフレフロマージュとレモンティー。
ミミはリンゴとキャラメルのタルトにミルクティー。ルシードはチョコレートケーキにコーヒー。
「わあ、このタルト、いい匂い。それにとても甘いわ」
注文はすぐに届きました。ミミは甘い物が好きなのでケーキを美味しそうに食べますが、ルシードは逆に甘い物が苦手なので、全く対照的な表情になってしまいました。
一方、羽純は甘党ですので、ルシードのすぐ横の席でモンブランに舌鼓を打っています。
羽純に限らず、女性陣も、ケーキと温かい飲み物にほっこりとした笑顔を見せていました。
そこで歌菜が言いました。
「ギルティ・シードを枯らすための愛の作戦という事で、何をするか参考にする為に、今年一年で印象に残った出来事と、どんなクリスマスを過ごしてみたいかをお伺い出来たらなって」
それに対してミミもアラノアも頷きます。
今年も残り二ヶ月、同じウィンクルムとしてどんな事件が起こったのか知りたいし、年末最大のイベントクリスマスは、みんなどうするつもりか興味があるのです。
羽純は頷いています。ガルヴァンとルシードは余り表情が変わりませんが、興味が全くない訳でもないようです。神人が楽しみにしている雰囲気を知っているからでしょうか。
さて、誰から話し出すか……という雰囲気になったところで、歌菜が小首を傾げながら言いました。
まずは言い出しっぺなのでしょう。
「私が印象に残った出来事は、夢想花の咲く遺跡での一時でしょうか。花の色に鍾乳石の輝き、今思い出してもうっとりします……!」
それは今年の六月に恋慕石柱に行った時の事です。
神秘的な遺跡、古代にウィンクルム達が結婚の儀式を行っていた場所で、歌菜は苛烈な戦いに疲れている羽純に、休息を促したのでした。
群れ飛ぶエンゲージ・ホタル。青く咲き乱れる夢想花。
あの幻想的で美しい光景は、歌菜は一生忘れる事はないでしょう。恋慕石柱の夢のように美しい景色--そこで、歌菜は正に夢としか思えない出来事に出会ったのです。
歌菜はうっとりと夢見る瞳になって、胸の前で指を組み合わせて言いました。
「……ぷ、ぷろぽーずされた事も」
照れながらそう言ってしまう歌菜。
一方、羽純は、美味しく楽しんでいたミルクティーで咽せそうになってしまい、必死に耐えます。
「プロポーズって? 精霊からですか!?」
ミミは目をまんまるにして歌菜に訊ねました。
まだ神人になって日の浅いミミは、ウィンクルムとは愛を温め育てながら戦うものとは知っていました。ですが、そこまで深く愛し合っているウィンクルムに遭遇した事がなかったのです。
(も、もしかしたら、私とルシードさんもいつか……ううん、今は考えられない)
ミミは歌菜と羽純とルシードの顔をそれぞれ均等に見回しながらそんなことを考えています。
ミルクティーで咽せかけていた羽純は慌てて話題を変える事にしました。雰囲気からいってまだ新米のミミやルシードから歌菜との愛の軌跡の事を色々突っ込んで聞かれてはたまらないと思ったのです。
羽純は咳払いをします。
「サクラウヅキで見た珍しい品種の桜……ヨミツキも、印象に残ってるな」
ですが、去年からウィンクルムであるアラノアの方も、サクラウヅキには向かわなかったので、話題に乗る事は出来ませんでした。
「……あの、お二人は婚約したウィンクルムなのですか?」
ガルヴァンと微妙な関係であるアラノアは、おずおずと歌菜と羽純にそう訊ねました。
「……はいっ!」
歌菜は緊張に顔を赤らめつつも、満面の笑顔でそう答えました。
「……そうだ」
羽純の方は、歌菜がはっきりと肯定してしまったので、まさか否定する訳にもいかずそう答えました。
ミミは感動しているような面持ちで歌菜達を見ます。
アラノアは歌菜達を見た後、そっとガルヴァンの方を盗み見ました。ガルヴァンが何の反応も示していないため、何も言わずに前を向きます。
ガルヴァンはアラノアの視線を過ぎ去った後に、すっと一瞬、琥珀色の目でアラノアの横顔を見るのですが、そうした動きには誰も気がつきませんでした。
「ご婚約おめでとうございます」
真面目な性格のルシードは律儀にそう言いました。
「そ、そうですね。おめでとうございます!」
感動していたミミは慌ててそう言い、アラノアとガルヴァンも丁寧に祝福の言葉を述べました。
「あ、ありがとうっ」
歌菜は照れまくりながらも嬉しそうにお礼を言います。
「ありがとう」
羽純の方はまだ冷静ですが、やはり面はゆいながらも嬉しそうです。
その後、歌菜は聞かれるがままに、ミミに夢想花の咲き乱れる遺跡での婚約について話し、羽純はミルクティーを飲みつつ平静のふりを装いました。ルシードとガルヴァンは礼儀正しく真顔で聞いています。アラノアは時々、ガルヴァンの方を見つめながら、彼がいつもと変わらぬ仏頂面な事を確認しては、大人しく歌菜の方を向き直るのでした。
ミミの方はまだ高校生ですから、夢のように素敵なプロポーズへの憧れはあります。それを受けた歌菜がいるのですから、自分にも……という期待の心が湧いてきた様子です。
「アラノアさんは、今年一番、印象に残った事は?」
やがて、歌菜が、ずっと大人しくしているアラノアにそう訊ねました。
「はい」
アラノアはちょっとびっくりして、一度そう返事をしてから、考え込みました。
「やっぱり夏にあった碑文の試練でしょうか……いつ言うつもりのない本音がぽろっと出てしまうのではと気が気じゃありませんでしたし……」
アラノアは暗い性格ではないので、きちんとそう答えました。
「目立ちたがりでもないのにステージに上がって歌ったりしたしな」
そこでガルヴァンがそう口を挟みました。
「そっその話はやめて……!」
アラノアは羞恥で顔を覆ってしまいます。
夏にウィンクルム達が碑文の影響を受けていた頃、アラノアは大勢の前でステージで不安の心を歌い上げてしまったのでした。
何故そんな似合わない行動を取ってしまったのか。その場ですぐに羞恥が込み上がってきて転げ回りたい程だったのです。
それを、ガルヴァンがこの場で言うなんて。
ガルヴァンの方は渋い顔でレモンティーを飲みながら、
「……俺の場合は父さんがタブロスに来た時だな……」
「ああ、ガルヴァンさんが小さい頃」
もごっとアラノアは声がこもります。
ガルヴァンが言いかけた神人の口を押さえたのでした。
ガルヴァンの父ヴァルリエルが言う事には、ガルヴァンは母親似なので、小さい頃はよく女の子と間違えられていたそうです。
「別に隠してもいなければ恥として思う事もないが、あまり言うな……」
ガルヴァンが重い声でそう言いました。
(……本当にそう思ってる……?)
アラノアは疑問でしたが、ガルヴァンが嫌がっているので、皆の前で言う事はしませんでした。
他の四人の方は頭の上に「?」が浮いています。
「……ミミさんは、今年一年で印象に残った事は……」
アラノアが話題の切り替えをはかりました。
「やっぱり契約した事でしょうか。まさか私がって感じで、正直未だに実感が……」
ミミは左手の紋様を撫でています。
ルシードは無言でミミを見つめました。
「あ、でも嫌だった訳ではなくて……」
ミミはルシードを嫌がっている訳ではないと伝えるように言います。
「皆さんも色々な出来事を経験されているんですね」
ミミは他の神人達の仲の良さを羨ましく思っているようです。
一方、ルシードはそんなそぶりが見られません。
「印象に残った事……」
思案しているようです。
「ああ、ミミとその父親に会った事だろうか。親子とは性別が違ってもこうも似るのかというくらい似ていたのが印象深かった」
ルシードはミミの父のケンの事を思い出しながらそう言いました。本当によく似ている父娘だったのです。
それにしても、あのとき、ルシードはミミに、自分にもあれぐらい気安く接して欲しいと言ったのですが、未だにミミはルシードに緊張感のある様子を見せています。
(俺の何がいけないんだろう……)
純粋に、ちょっとよく分かりません。
「その節はご迷惑を……」
何しろこうしてミミが、恐縮して頭を下げています。これは、ミミがルシードを恐がっている訳ではなくて、父の暴走を恥ずかしがっているのですがね。
その後も思い出話をしているうちに交流が深まり、やがて自然に、話題は来月のイベント、クリスマスに変わっていきました。
歌菜が言います。
「クリスマスは、一昨年はレストランで食事。去年は羽純くんの家で食事。今年は…例えばですけど、遊園地でパレード参加とか楽しいかも♪」
歌菜は期待に胸を膨らませながらそう言いました。
「遊園地か……」
クリスマスの遊園地。
人混みを予想して、羽純は少しげんなりとしました。とは言っても、歌菜が望むならつきあう訳ですがね。
「賑やかなクリスマスも悪くはない」
羽純はそう言っています。全く、羽純は歌菜に甘いですね。
「私も羽純くんと仲良く……もっと彼の事知りたいなと思ってて……基本は、相手を知る事かなって……」
恋を語る時の歌菜の瞳はキラキラ輝き、とても可愛らしいのです。
「どんなクリスマスを過ごしてみたいか……」
そういう話題ですから、アラノアも考え込みます。
「うーん……まだ決まってませんが……えっと……」
そこでアラノアはガルヴァンをチラっと見ました。それから、ガルヴァンには聞こえないようにと、歌菜とミミの方に大きく身を乗り出してこそこそと言いました。
「ガ、ガルヴァンさんともっと仲良くなれたらなって……」
歌菜とミミは、もちろん、大きく身を乗り出して、物凄い勢いで首を縦に振ります。
愛を育てるべき精霊ともっと仲良くなりたい。
この場で最重要の話題ではないですか。
(彼とはどこまで進んでるんですか?)
(告白は?)
何やらギラギラした雰囲気になりつつも小声で会話する女子達。
取り残された男性陣は、お互いに顔を見合わせますが、何やら入ってはいけない雰囲気を感じ取り、困惑してその場で黙り込んでしまいました。
仕方ないのでアラノアの精霊のガルヴァンが口を開きました。
「アラノア、……今年も家に来るか?」
去年のクリスマスは、初めてアラノアを家に迎え入れたのです。
そのときは、まだそういった感情は持っていなかったはずです。
それなら、この気持ちを自覚した今年は、どう過ごせばいいのでしょうか。ガルヴァンは、去年とは全く違う気持ちでアラノアを誘います。
「えっ、あ、う、うん……?」
歌菜とミミと話し込んでいて、急に声をかけられたアラノアは、思わず挙動不審な返事をしてしまいます。
「……そうか、なら、いい」
ガルヴァンは相変わらずの仏頂面でそう言いました。
ですが、雰囲気は先程よりも和らいでいます。
(ど、どうしたんだろ、ガルヴァンさん……)
アラノアはガルヴァンの突然の言葉に戸惑っています。
一方、そんな二人を見て、歌菜とミミは互いに手を打ち合わせて大喜び。
ルシードはそんな羽純やガルヴァンの様子を見て、自分もちゃんと考えなければならないと思いました。
今までは、何も考えていなかったのです。
神人のミミとの初めてのクリスマス。
さて、どうしましょう。
「ミミ、クリスマスは何か希望はあるか」
それでルシードは直球でミミに訊ねてみる事にしました。
ミミと二人でクリスマスを過ごす事には何の疑問もありません。当然の事のようです。
「ううん。イルミネーションとか……?」
ミミの方も、誘われても特に疑問は感じませんでした。
(イルミネーション?)
歌菜が小声でミミに耳打ちをしました。
(そ、それなら、会話が途切れても景色見てれば、誤魔化せる、かなと……)
ミミは歌菜にぼそぼそと答えます。
歌菜は、精霊とのつきあいがまだ浅い神人の前でちょっぴり歯がゆい思いです。でも、自分にもそんな時代があったなとも思います。
(ミミ、……俺の前とは大違いだ)
そんなミミの様子に、ルシードはちょっと悩んでしまいます。
ミミは初対面のアラノアや歌菜ともちゃんと会話が出来ているのです。
頻繁に会話が途絶えてしまう自分と、一体何が違うのでしょう。
それで、ルシードは、ミミが甘い物が大好きだという事を思い出しました。
(そうだ)
そういう訳で、ルシードは全く手つかずの自分のチョコケーキをミミの前に差し出しました。
「やる」
ルシードの視線とその行動に、ミミはびくびくしてしまいます。
自分が何か失言をしたのかと思ったのです。
「え。ありがとうございます……?」
それを見た歌菜は、自分のいちごショートのいちごの部分を半分に切り分けて羽純に渡しました。
「羽純くん、あげる」
「歌菜、いいのか?」
「羽純くんと半分この方がおいしいもの」
そういう訳で婚約者同士は安定のラブラブをその場で開始します。
それを見たアラノアは、自分もまだそれほど食べていない生チョコロールケーキの方に視線を落とします。
流石に、食べかけを差し出すのは抵抗があります。かといって、ガルヴァンに一口チョーダイとか、半分ことか、まだやった事がありません。やってもいいのでしょうか。
するとガルヴァンがまだ食べていないスフレフロマージュの端の方を切ってアラノアの方に渡しました。
「ガ、ガルヴァンさん……?」
「うまいぞ」
ガルヴァンはまだ一口も食べていないのにそう言いました。
アラノアはびっくりしてしまいます。
(まだ食べていないのに、何で分かるの? それに、何でガルヴァンさんは私にくれたんだろう……周りに合わせて、空気を読んだのかな??)
自信のないアラノアはあれこれと考えこんでしまい、素直に喜ぶ事が出来ません。
「ありがとう、ガルヴァンさんも食べる……?」
それでロールケーキの方にナイフをかざしますが、ガルヴァンはそれほど喜びませんでした。
「俺はいい。お前が全部食べればいい」
「甘いもの、苦手なんですか?」
するとそこにルシードが口を挟みます。
「ああ、いや……」
言葉を濁しつつも、ガルヴァンはルシードと奥手の男同士で精霊稼業や仕事の話をし始めてしまいました。まるで照れている事を隠すように。
「羽純は仕事は何を?」
「カクテルバーで……」
羽純もその会話に加わります。
歌菜とアラノアとミミは、素敵なクリスマスの話から、冬のファッションや流行のスイーツの話に話題が流れていき、女同士で盛り上がります。
そのまま、様々な組み合わせで話題が流れていき、六人は、ギルティ・シードの事など忘れて、タブロスのクリスマスを控えたウィンクルム達としてのひとときを過ごしたのでした。
ウィンクルムはオーガと戦う者。ですが、同時に、女神ジェンマの名の下に愛を育てる者達でもあるのです。
その愛の力の前に、カフェの外側に落ちていたギルティ・シードはぱちんと真っ二つに割れてしまったのでした。
依頼結果:大成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 森静流 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | イベント |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ビギナー |
シンパシー | 使用可 |
難易度 | 簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 3 / 2 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 11月01日 |
出発日 | 11月07日 00:00 |
予定納品日 | 11月17日 |
参加者
会議室
-
2016/11/06-23:56
-
2016/11/06-23:55
-
2016/11/05-23:52
連投失礼します…!
書き間違えがありましたので訂正です…!
遊園地でカウントダウン→遊園地でパレードに参加、ですっ
カウントダウンは年末…!(恥) -
2016/11/05-21:47
歌菜:
アラノアさん、ミミさん、ありがとうございます♪
『ダブルデート、もしくはトリプル……となるような』、とあるので、
3組ならば、トリプルおっけーかなと思った次第です。
5組参加なら、ダブルとトリプル、
4組参加なら、ダブルとダブル……って、カンジかな、と。
丸テーブル(最大五人まで)は二つ、話す人数によって席はGM様で調整頂けるとあるので、
何とかなるかな…と考えておりました。
えへへ、皆さんとワイワイ話せるのが楽しみです♪
あと、わーっと話したいことを主張してしまったのですが…
その他話したいことがあれば、是非教えて頂けたら嬉しいです♪
>今年一年で印象に残った出来事
えーっと、私が『今年一年で印象に残った出来事』は…
やっぱり…夢想花の咲く遺跡での一時でしょうか。
花の色に鍾乳石の輝き、今思い出してもうっとりします…!
…ぷ、ぷろぽーずされたことも……(頬に両手を当て、思わずトリップ)
羽純:
(コホンと咳払い)
サクラウヅキで見た珍しい品種の桜…ヨミツキも、印象に残ってるな。
>どんなクリスマスを過ごしてみたいか
歌菜:
(ハッと我に返って)
え、えーっと…クリスマス…
(アラノアさんとミミさんの言葉に瞳を輝かせ)
うんうん、私もです。私ももっと…羽純くんと仲良く…もっと彼の事知りたいなと思ってて…(こそこそ)
仲良くなる基本は、相手を知る事かなって…。
がんばりましょうね!(ぐっ)
これまでですと…初めてのクリスマスはレストランで食事で、
去年は羽純くんの家で食事をしたんですよね…
今年は…例えばですけど、遊園地でカウントダウンとか楽しいかも♪
羽純:
遊園地か…(人が多そうだなと思っている顔) -
2016/11/05-18:31
こんにちは。私はミミで、パートナーはルシードさんです。
どうぞよろしくお願いします。
私も三組一緒に賛成です。
みなさんとお話できるの、とても楽しみです!
ある程度は調整して貰えるようなので、みんなでわいわい形式で大丈夫じゃないかなって思ってます。
>今年一年で印象に残った出来事
私は、やっぱり顕現して、契約した事ですね。
正直まだ契約してから日も浅くて色々と実感が薄くて…。
まだ時々、これは夢なんじゃないかって思ってしまう時も。
>どんなクリスマスを過ごしてみたいか
今までは家族や友達と過ごしていましたけれど…。
今年は状況的にもルシードさんと過ごした方がよさげな感じ、ですよね。
ど、どうしよう…。何をすれば…。
ううん…、今だと会話が途切れて気まずくなってしまう事も多いので…。
この機会に、私ももう少し仲良くなれたらいいなぁ、と…(同じく小声でぼそぼそと -
2016/11/05-12:08
アラノアとガルヴァンさんです。
よろしくお願いします。
えっと、この場合特定の相手と話すのではなく一つの話題を皆でわいわい話す形でもいいんでしょうか…?
>今年一年で印象に残った出来事
アラノア
やっぱり夏にあった碑文の試練でしょうか…
いつ言うつもりのない本音がぽろっと出てしまうのではと気が気じゃありませんでしたし…
ガルヴァン
目立ちたがりでもないのにステージに上がって歌ったりしたしな
アラノア
そっその話はやめて…!(羞恥で顔を覆う
>どんなクリスマスを過ごしてみたいか
アラノア
うーん…まだ決まってませんが…えっと…(精霊をチラと見
ガ、ガルヴァンさんともっと仲良くなれたらなって…(身を乗り出して精霊には聞こえない声量でこそこそ
ガルヴァン
…? -
2016/11/05-00:06
-
2016/11/05-00:06
桜倉歌菜と申します。
パートナーは羽純くんです。
皆様、よろしくお願いいたします♪
折角なので、ギルティ・シードを枯らすための愛の作戦という事で、
これから何をするか参考にするために…
今年一年で印象に残った出来事
どんなクリスマスを過ごしてみたいか
をお喋りしてみる…なんて楽しいかな?と思いました!
今のところ三組ですので、三組で一緒にお話し出来たらなと考えております♪
もしよろしければ、よろしくお願いいたします!