【祭祀】どんな姿だって好きなんだ!(森静流 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 あなたは、紅月ノ神社の納涼花火大会に精霊と一緒に来ています。
 花火大会まではまだ随分時間があるので、あなたは精霊と一緒に屋台巡りをすることにしました。
 境内には沢山の屋台があふれかえり、オーソドックスなたこ焼きや金魚すくいから、見た事もないような不思議なものまで様々です。
 あなたは、人混みに流されないように精霊と手を繋ぎながら、端の方から端の方まで見て行こうとしました。
 そのとき、あなたは、屋台の一群から外れたところにぽつりと立つ小さな屋台に気がつきました。
 そこでは帽子を目深に被った青年が大きなくじ引きのような箱を屋台に置いているだけで、のぼりすらも立っていないのです。
「なあ、あれ、何の屋台だろう?」
「……さあ。全然、人がいないな?」
 あなたと精霊は顔を見合わせ、その屋台の方に行ってみました。
「やあ、君たち、ロットキャンディはどうだい?」
「え……? ロット(くじびき)キャンディ??」
 あなたと精霊は聞いた事のない名前にびっくりしてしまいます。
「この箱の中には様々な効果のあるキャンディが無差別に入ってある。手を突っ込んで一個だけ取り出して、食べてみてくれ。きっと素晴らしい効果を見せてくれる事だろう」
「効果って、例えばどんな?」
「それはキャンディを食べてみてのお楽しみさ」
 あなたはなんだか嫌な予感がしたので、精霊の手を引っ張って帰ろうとしました。
「へえ~、それじゃ、一つ試して見ようかなあ」
 しかし、精霊の方はすっかり興味を持ったようでした。
(よしなよ)
 あなたは目配せしますが、精霊は気にもとめず、青年に言われるがままに300Jr払ってキャンディを一個取りました。
「毎度あり! 効果は一時間で消えるからね!」
 青年は愛想良く笑っています。
(やめればいいのに……)
 あなたは嫌な予感がしてならないのですが、精霊は平気な顔をしてぱくっとキャンディを口に放り込んでしまいました。
 効果は即座に現れました。
 ぼんっ……と精霊の体が煙に包まれたかと思うと……。

 精霊は猫耳になってしまったのです!!

解説

【解説】
 屋台で買った得体の知れないキャンディをなめたらとんでもないことになってしまった。そういうエピソードです。
 キャンディの効果は以下です。

・女体化
・ショタ化(お好きなショタ年齢でどうぞ)
・獣耳と獣尻尾が生えてくる(お好きな動物でどうぞ)
・ニャーニャーと猫語でしか話せなくなる
・羽根が生える
・何故か相方と中身が入れ替わり

※ロットキャンディを試せるのは神人か精霊かのいずれか片方です。
※碑文の影響で、どちらも本音を吐露しやすい状況です。変身した方は感情を露わにし、相方も思った事をそのまま言ってしまうかもしれません。
※効果は一時間で消えます。
※効果は上記のうちどれか一つになります。
※お代は300Jrです。
 

ゲームマスターより

どんな姿だって好きなんだ!

リザルトノベル

◆アクション・プラン

蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)

  素晴らしい効果って…これどう考えてもフラグ…
なのに、どうして躊躇なく食べるんだ、フィン

にゃー?
もしかしてフィン…喋れなくなった?
ど、どうするんだよ、こんなの…!
え?多分、直ぐに戻るから大丈夫?
…あれ、不思議だ
フィンの言ってる事、何となく分かる

じたばたしても仕方ないし、元に戻るまで屋台を巡ろう
…何か心配だし、ほら…手
喋れないフィンは子供みたいで可愛いと思う

フィンが気になってる様子を感じると、即座に足を止めて、フィンの代わりに店主に尋ねたり

美味そうなたこ焼き…フィンも食べたいみたいだし、購入
座れる場所を探して、熱々たこ焼きを息を掛けて冷ましフィンの口元へ運ぶ
美味いか?
…もう元に戻ったのか(少し残念


ラティオ・ウィーウェレ(ノクス)
  君もそういうのに興味を持つんだね。
少し意外だったよ。(慎重派だと思ってた

くっ、あはは!(耐えようとして諦めた
効果ってこういう事だったのかい。似合ってるじゃないか!
ああ、すまない。
なんというか、似合い過ぎていてね。(くつくつ笑う

けれども、少し残念だ。(手を伸ばし、猫耳に触れようとする
この耳と尻尾も黒なら良かったと思ったのさ。君の黒は綺麗だからね。
何がだい? 本当の事じゃないか。(ノクスの様子に気づかない
(忙しなく動く耳と尻尾を観察

効果は一時間だけか。どういう原理だろう。
もう一つ購入して成分を解析したいものだけれど。
うーん、職業病さ。(困り笑い

(案外するっと言えるものだね。これが碑文の影響なのかな)


ユズリノ(シャーマイン)
  「わー 何故か相方と中身が入れ替わっちゃったー
わたわた「どうなっちゃうの!?
まあいいか 好奇心も出てきた
視界が違う!
「これがシャミィの世界なんだね 僕ってチビ(笑
「そうかな (庇護欲って言ってるのこういう事なのかな(照

屋台巡り中
「ふふ 尻尾の感じ面白い ふらふら揺れて不思議
表情曇り「…どうしよう トイレ行きたい

「え だって今僕シャミィだよ? 
 見ないのは可能だけど どうしたって触っ…(真赤
「そ そうだね 君の体だもん 万一漏ら ううん 名誉の為に行ってくる!
トイレに消える

はっ
気付けば外
覚悟決めジッパーに手を掛けていた筈なのに
「戻った!

出てきた彼が浮かない顔
「どうしたの
「それは僕も 後もうちょっ(口抑えもごもご
察し「僕も! アハハ


セツカ=ノートン(マオ・ローリゼン)
  ・心情
マオと一緒にお祭り、楽しみ
今日は、お勉強じゃなくていっぱい遊んでくれるって言ってたもんね!

・行動
マオの手を引いて、あっちこっち色んな屋台をみるね!
「マオ、マオ、あっち、なんか不思議な屋台あるよ?
ロットキャンディ…? なに、それ、楽しそう!
マオが止めるのを聞かずに勝手にやってしまおう
「わ、なにこれ?!
三毛猫さんだー!
飴の効果が続くうちに、色んな所を巡ってみたいな

・本音
耳と尻尾って、ちょっとだけ、マオとお揃いっぽくて嬉しいな
「マオは、僕の教育係なんだから、僕だけみてくれればいいのっ
人が少ない所で、そんな風に言っちゃうかも
だってさ、お兄ちゃんにも教えてたりしてて、一緒の時間、少ないんだもの


●ユズリノ(シャーマイン)編
 今日、ユズリノと精霊のシャーマインは、紅月ノ神社の納涼花火大会に来ています。そこの屋台で、シャーマインはロットキャンディを購入しました。
 ロットキャンディをシャーマインが食べた途端、ユズリノはシャーマインに、シャーマインはユズリノになってしまいました。
「わー! 何故かシャミイと中身が入れ替わっちゃった!」
 ユズリノはびっくりしています。
「悪い。巻き込む系だったか。アハハ」
 しかしユズリノになったシャーマインは笑っています。
「どうなっちゃうの!?」
 ユズリノはわたわたしています。
「一時間だけだし、つきあってくれよ」
 シャーマインが平然として笑っているので、ユズリノもまあいいかという気持ちになってきました。それに、好奇心も湧いてきました。
(視界が違う!)
 ユズリノはまずその事に気がつきました。背の高いシャーマインの視界は普段のユズリノとは大違いなのです。
 一方、ユズリノの中に入っているシャーマインは、自分の体を眺めます。
「成る程。首疲れるな。今度から少し屈むか」
「これがシャミイの世界なんだね。僕ってチビ」
 ユズリノはユズリノの体を見下ろして笑いました。
「俺には申し分ない加減だ。守ってやりたくなるだろ」
「そうかな」
 ユズリノは照れてしまいます。
(庇護欲って言ってるのこういう事なのかな)
 そんな事を思います。
 それから二人は入れ替わったまま屋台巡りを始めました。
「ふふ。尻尾の感じ面白い。ふらふら揺れて不思議」
 テイルスのシャーマインには長い尻尾があります。彼の体の中に入っているユズリノにはその感触が新鮮なのです。
「こっちは無いから落ち着かない」
 シャーマインはユズリノの体で歩きながら笑って言います。
 そして振り返ると、ユズリノはシャーマインの体でもじもじしていました。
 表情が曇ります。
「……どうしよう。トイレ行きたい」
「? 行って来いよ」
「え、だって。今、僕、シャミイだよ? 見ないのは可能だけど、どうしたって触っ……」
 そこまで言って、ユズリノは真っ赤になって黙りこくってしまいました。
(触?)
 シャーマインはそこでユズリノが何が言いたいのか理解します。
「別に、ちょちょいですむだろ。意識するな」
(う……)
 しかしそのとき、シャーマインの頭の中を、ユズリノが触れているところが巡っていきました。
 羞恥が雲のように沸き立ってきます。
「い、いいから行って来い。我慢する方が問題だろ」
 ユズリノにつられて赤面しながらシャーマインが言います。
「そ、そうだね。君の体だもん。万一もら……ううん。名誉のために行ってくる!」
 そういう訳でユズリノは付近に立っていた公衆トイレの方へと消えました。
 それを見送った後、シャーマインは想像が暴走してきます。とにかく恥ずかしい事とおかしな興奮で、ユズリノの体を抱き締めてしまうのでした。
(あそこでリノは……)
 一方、ユズリノは覚悟を決めてジッパーに触ったところでした。
 そこで場面が転換しました。
 はっと気がつくとそこは外、先程、シャーマインと一緒に立っていた場所です。
 そして視界は普段の視界になっていました。
「戻った!」
 ちょうど一時間経って、ユズリノはユズリノの体に戻る事が出来たのです。
 少し待っていると、トイレの中からシャーマインが出てきました。彼は何故か浮かない顔をしています。
「どうしたの?」
「何だろう。この残念感……」
 シャーマインは正直にそう呟きました。
(う。余計な事しゃべらすな碑文!)
 碑文の影響でシャーマインは本音を吐露してしまったのです。
「それは僕も。後もうちょっ……」
 そこでユズリノは慌てて口を押さえてしまいます。彼にも碑文の影響はあるのです。
 二人は顔を見合わせました。
「リノといると楽しいな! アハハ」
「僕も! アハハ」
 二人は笑って誤魔化しました。
 この後、おかしな空気をぬぐい去るために、祭に戻って花火を見ながら、とにかく二人で笑い倒したのでした。
 
●ラティオ・ウィーウェレ(ノクス)編
 今日は紅月ノ神社の納涼花火大会です。ラティオ・ウィーウェレと精霊のノクスは、神社を早速訪れました。
 屋台巡りをしていて、ノクスがロットキャンディを購入しました。
「君もそういうのに興味持つんだね。少し意外だったよ」
 ラティオはノクスの事を慎重派だと思っていたのです。
「ふん。我が何に興味を持とうと勝手だろう。たかが飴玉一つ、大した事はないだろう」
 そうしてノクスはぱくりと飴玉を食べてしまいました。
 ぼふんっと煙が巻き起こります。変身。
 するとラティオがじーっと彼の頭の上を見つめています。
「は?」
 その視線をたどり、ノクスが右手を頭に持って行くと、ふわふわの耳が生えています。
「まさか」
 ノクスは後ろを振り返ると、蛇の尻尾はもふもふの猫の尻尾にかわっていました。可愛らしい茶トラ柄です。ノクスは呆然としてしまいます。
 元々ノクスは身長190㎝近い細マッチョ。地黒の肌に黒髪黒目。手足には蛇の鱗。しかも中身は外見年齢の二倍以上、と、相当に強面のキャラなのです。自分でもプライド高く強いキャラだと思っているでしょう。
 それが茶トラの猫耳尻尾。
 ノクスは我がことながら、ぽかーんとしてしまいます。
「くっ、あはは!」
 耐えるのを諦めて、ラティオは笑い出しました。
「効果ってこういう事だったのかい。似合っているじゃないか!」
「貴様! 笑うでないわ!」
 ノクスは怒り出しました。
「ああ、すまない。なんというか、似合い過ぎていてね」
 ラティオはくつくつ笑っています。
「何が似合うだ。嬉しくもない」
 ノクスは眉根を寄せてすっかり不機嫌です。
「けれども、少し残念だ」
 ラティオは手を伸ばしてノクスの猫耳に触れようとしました。
「ほう、何がだ」
 ノクスは笑われた事が腹立たしくて、首を傾けてラティオの手をよけます。
「この耳と尻尾も黒なら良かったと思ったのさ。君の黒は綺麗だからね」
「貴様、恥ずかしいと思わんのか」
 予想外の事を言われて、ノクスは若干顔を赤くします。
「何がだい? 本当の事じゃないか」
 ラティオはノクスの様子に気がついていません。
「そうか。貴様はそういう奴か」
 ノクスはラティオの事を天然タラシだと認識しました。それはなんというか、相方としては色々と面倒なような気がして、顔をしかめてしまいます。自分の羞恥や複雑な気持ちをラティオに分からせるのは難しいでしょう。
 ラティオはノクスの苛立たしげな声には答えず、忙しなく動く耳と尻尾を観察しています。
「効果は一時間だけか。どういう原理だろう」
「この研究馬鹿が」
 ノクスは祭にも白衣で来たラティオを睨み付けます。
「もう一つ購入して、成分を解析したいものだけれど」
 ラティオはノクスの悪態は華麗にスルーします。
「楽しむべき祭に、無粋とは思わんのか。貴様は」
「うーん、職業病さ」
 ラティオは困って笑っています。
「ふん」
 ノクスは鼻を鳴らしていますが、内心では彼が研究に集中しすぎる事を心配しています。
(案外するっと言えるものだね。これが碑文の影響なのかな)
 君の黒は綺麗。自分でもそんなにすんなりと言えるつもりはなかったのです。
(よりによって猫のテイルス擬きになろうとは。我は蛇なのだぞ)
 ノクスは蛇であることにプライドがあるので、そのことばかり気にしています。
 その後、猫耳を気にしているノクスを離れたベンチに連れて行って、二人で一時間ばかり時間を潰しました。決して仲が悪い訳ではないのです。

●蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)編
 紅月ノ神社の納涼花火大会に、蒼崎海十はフィン・ブラーシュと連れだってやってきました。
 屋台巡りをしていて、二人はロットキャンディというものを見つけました。
(素晴らしい効果って……これどう考えてもフラグ……)
 海十は屋台の青年の説明に、少し引いています。
 しかし、隣でフィンがさっさと購入してしまいました。
「なのに、どうして躊躇いなく食べるんだ、フィン!」
「だって、どんな効果が出るか気になるじゃない?」
 海十の前でぱくっとフィンは飴を食べてしまったのです。

「……にゃー」

 不意に、フィンはそう言いました。
(あれ? にゃーってしか言えなくなった)
「にゃー?」
 海十がフィンに聞き返します。
「にゃー」
 フィンはまたにゃーと鳴きました。
(成る程、こういう効果か)
 海十、と名前を呼ぼうとしてもにゃーとしか声が出せないので、フィンはそう納得しました。
「もしかしてフィン……喋られなくなった?」
 海十の方にも状況は通じているようです。
(俺がにゃーなんて言っても可愛くないし、どうせなら海十に食べて貰いたかったなあ……)
 フィンの方はのんきなもので、そんな事を考えながら海十の顔を見つめていました。
「ど、どうするんだよ、こんなの……!」
 海十の方はすっかり焦っています。
 それを見て、フィンはにゃーにゃーと鳴きました。
「え? 多分、すぐに戻るから大丈夫?」
 その猫語を聞いて、海十は正確にフィンの言葉を理解しました。
(……あれ、不思議だ。フィンの言ってる事、何となく分かる)
 これにはフィンも感動です。
 海十はフィンの猫語で落ち着きを取り戻しました。
「じたばたしても仕方ないし、元に戻るまで屋台を巡ろう。……何か心配だし、ほら……手」
 感動しているフィンに対して、海十は手をさしのべました。二人は手を繋いで歩き始めました。
(これは……本当に嬉しい。愛の力だね、なんて言えば海十は照れて怒るだろうけど……以心伝心ってこの事だよなぁ)
(喋られないフィンは子供みたいで可愛いと思う)
 フィンは海十にエスコートされながら歩きます。
 フィンが気になっている様子を感じ取ると、海十は即座に足を止めて、フィンのかわりに屋台の店主に質問してくれます。
(美味しそうなたこ焼き……フィンも食べたいみたいだ)
 海十はたこ焼きを購入すると、空いているベンチを探してフィンを連れて行きます。熱々のたこ焼きに息を吹きかけて冷まし、フィンの口元に運びます。
(食べさせてくれるの? 別に喋られない以外は普通なんだけれど……)
 普段はむしろフィンが海十を気遣いエスコートする立場なので、なんだかむずむずします。
 それでもフィンはたこ焼きをぱくっと食べました。
「美味いか?」
 すると嬉しそうに笑って頷くフィン。
「美味しいよ」
 するっとそう言いました。一時間経過で、元に戻ったようです。
「……もう元に戻ったのか」
 海十は少し残念そうに言いました。碑文の影響で、本来なら喜ぶべきと分かっていても、本音を吐露してしまったのです。
「うん、俺も残念。海十に優しくしてもらえるなら、もうちょっとこのままでいいなって思っていた」
 フィンの方も、本音を吐露してしまいました。
「……っ」
 海十はなんだか赤面してしまいます。フィンの事を子供扱いして色々と面倒を見ていた自分がなんだかとても気恥ずかしいのです。
 一方、フィンの方は平然としたもので笑っていました。海十からの愛情を感じるのが嬉しいのは本当の事なんですから。本音を吐露してしまう碑文の影響は、ウィンクルムの絆を着々と深めているようです。

●セツカ=ノートン(マオ・ローリゼン)編
 今日は紅月ノ神社の納涼花火大会です。セツカ=ノートンは精霊のマオ・ローリゼンと二人で神社に訪れました。
(マオと一緒にお祭り、楽しみ。今日は、お勉強じゃなくていっぱい遊んでくれるって言ってたもんね!)
 セツカは白い髪に赤い瞳の色白の少年です。儚げで透き通るような印象があるかもしれません。全体に大人しい性格なのは、家がそれなりに歴史のある有名な菓子店で、付き人に囲まれながら大事に育てられたのでした。といっても、末っ子三男ですから、上の兄達に比べれば比較的自由だったのですが。
(今日はここのところずっと勉強漬けだったセツカと息抜き。だけど、一番息抜きになってるのは自分かも)
 精霊のマオは、セツカに仕える一族の出です。本来なら、次男坊の従者になるはずだったのですが、二年前、十歳のセツカに一目惚れしてしまったのです。その後、なんだかんだで、強引にパートナーとしておさまりました。現在は教育係です。
 セツカはマオの手を引いて、あちらこちらの色々な屋台を見て回ります。マオの方はお祭りを見て歩くはずなのですが、視線は全てセツカの方へ。
(セツカの安全のため)
 そう自分に言い訳するのですが、ただ単にセツカを見ていたいのです。彼は色々とセツカに関して病んでいるところがあるのでした。
「マオ、マオ、あっち、なんか不思議な屋台あるよ? ロットキャンディ? なに、それ、楽しそう!」
 慌ててマオは止めました。
 そんなあやしい飴を勝手になめてはいけません。
 ですが、セツカはマオが止めるのを聞かずにロットキャンディを購入して、自分の口に放り込んでしまいました。
 ぼふんっと煙が舞い上がります。
 その煙から出てきた時、セツカは三毛猫の耳と尻尾を生やしていました。12歳の小さな少年が猫耳尻尾を生やしてぽかんとしています。
「わ、なにこれ!? 三毛猫さんだー!」
 セツカは驚きましたが、それでも逆に舞い上がってきました。猫耳尻尾なんて、不思議だし面白いし、なんだか可愛いです。
 三毛猫に変身しているうちに、色々なところを巡ってみたいと思います。
 ですが、そんなセツカを、マオは何も言わずにぎゅっと抱き締めて来たのでした。そこは屋台通りでそれなりに人目もあるのですが……。
(セツカが愛らしすぎて……!!)
 セツカはびっくりしていますが、特に抵抗はしませんでした。マオがセツカに関して人目も気にせず奇行に走るのはよくあることなため、すっかり慣れているのです。
 そのあと、二人はやはり手を繋いで屋台巡りを続けました。人通りが多い人気の屋台では、マオも商品に注目してしまいます。
 それから、人気が無い隅の方に行った時に、セツカがぐいぐいとマオの手を引っ張ってきました。
 何事かと近づいてきたマオの耳元に、小声で言います。
「マオは、僕の教育係なんだから、僕だけみてくれればいいのっ」
 目元を赤らめて睨むようにしながらセツカは言いました。わがままかもしれませんが、それが本音なのでした。
(だってさ、お兄ちゃんにも教えてたりしてて、一緒の時間、少ないんだもの……)
 三人兄弟の末っ子はそんなことを考えます。出来のいい兄達の方に人が注目しがちであるため、自分の教育係は自分だけの方を見ていて欲しいと願うのです。その彼が、さっき、大きな屋台の商品の方を見ていたため、ちょっとした焼き餅を焼いてしまったのでした。
 それに対して、マオは苦笑しました。
「俺が見ていたいのは、君だけだよ」
 それもまた、彼の本音なのでした。その奥の本音までは心の中に隠しておきます。
(寧ろ他の人なんて邪魔、なんて思ってることは流石に内緒。でも、セツカがそう思っててくれたなんて凄く嬉しい。これは……少し、うぬぼれてもいいのかな?)
 思わずまた抱き締めたくなりますが、セツカの方は猫耳を立てて少し怒っている雰囲気もあるので諦めます。その後、一時間ばかり、マオはセツカにねだられるままに屋台通りを巡ったのでした。振り回されるのもまた快感、と思う彼は、病んでる程に神人を愛しているのです。



依頼結果:大成功
MVP
名前:蒼崎 海十
呼び名:海十
  名前:フィン・ブラーシュ
呼び名:フィン

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 森静流
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル イベント
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ビギナー
シンパシー 使用可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 4 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 09月02日
出発日 09月08日 00:00
予定納品日 09月18日

参加者

会議室

  • [8]蒼崎 海十

    2016/09/07-23:45 

  • [7]蒼崎 海十

    2016/09/07-23:45 

  • [6]セツカ=ノートン

    2016/09/07-22:07 

    初めまして、セツカと、僕の教育係……じゃない、えぇっと、相棒っていうんだっけ……相棒のマオです。
    依頼自体が初めてなのでどきどきしつつ、宜しくお願い致します。

  • [5]ユズリノ

    2016/09/07-14:31 

    ユズリノと相方シャーマインです。
    よろしくお願いします。

    …酷いネタを盛り込んでしまった、いいんだろうか(汗)

  • [4]蒼崎 海十

    2016/09/07-00:08 

  • [3]蒼崎 海十

    2016/09/07-00:08 

    蒼崎海十です。
    パートナーはフィン。
    皆様、よろしくお願いいたします!

    ロットキャンディ…一体どんな効果になるのやら…

    楽しい一時になりますように。

  • あはは!
    ノクスに耳と尻尾みたいだ。
    蛇のテイルスなのにね。どんな見た目になるか楽しみだよ。

  • 僕はラティオ・ウィーウェレさ。
    どうぞよろしく。

    うん。これはまた面白そうなキャンディだね。
    どういう事になるか。ここはサイコロで決めるとしようか。

    Aの奇数がノクス。偶然が僕。
    Bは丁度6つあるから、上から順で。

    【ダイスA(6面):5】【ダイスB(6面):3】


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