愛しい者、恨む者(草壁楓 マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

●戻らぬ仲間
 タブロスから5時間ほど離れた森深くにある洞窟。
 この森の近隣に住む住民から最近洞窟周辺と洞窟内でオーガを目撃したとの情報が入り2組のウィンクルムが出向いていた。
 しかし1週間、2週間過ぎても戻ってくる気配がないとA.R.O.A.の職員は困惑していた。
 住民からはオーガの目撃情報が続々と寄せられ、討伐が難航を示していることも報告がない中でも見て取れる。
 戻らないウィンクルムはけして経験が少ない者ばかりでもなく、何かあったのは確かだ。
 このまま放っておくわけにもいかずもう一度ウィンクルムを派遣することを決断する。

 そして今数組のウィンクルムがその問題の洞窟の前に集まっていた。
 先に派遣されたウィンクルムの手掛かりがないかと入り口付近の探索を試みるが、何も手がかりは見付けられない。
 洞窟に来る前にA.R.O.A.の職員と住民から行方不明のウィンクルムとオーガについての情報は少しばかりではあるが集めた。
 行方不明のウィンクルムは2組、
 神人『セシル』と精霊『アヴァン』
 神人『レイン』と精霊『ラビス』
 である。
 2組は多少の情報を収集したあと、「直ぐに戻る」と村人に言い残し洞窟に向かったこと、そして特に変わった様子も無かったと聞く。
 また、オーガは1体で無黒目がちの眼球が2つあり頭髪などはないとの情報から『ヤックルロア』の可能性が高いと憶測できた。
 さほど強敵でもないオーガの情報を聞き、再度派遣されたウィンクルム達は疑問を持つ。
 経験の少なくないウィンクルム2組がなぜ戻らないのか……と。

 洞窟まで案内してくれた村人の老人は、ここまでしか案内できないと村に戻ろうとしている。
 老人は去る間際に一言こう言った。
「この洞窟は昔から、何かと噂のある洞窟でね……人がそうそう寄り付かないんだよ」
 噂と言われ戻ろうとする老人を引き止める数人のウィンクルム。
 村で情報収集をした際にはそのような情報はなかったからだ。
「人の心を見透かす洞窟……青透光の窟と言われておるよ」
 心を見透かす?
 そこにいた全員が疑問に思うが、それ以上は分からないと老人は首を横に振って足早に去っていった。
 老人の話したことが気に掛かるがこのままここで話していても空が暗くなってしまう、と全員が洞窟の中へと入っていく。
 洞窟はそう狭くなく、動物やオーガの気配はしない……行方不明のウィンクルムの気配もない。
 少しどんよりとした雰囲気が漂う中、懐中電灯を照らし警戒しながら洞窟の奥へと進んでいく。
 入り口から数百メール進んだところで複数に道別れしている広い空間へと辿り着く。
 このどれかの道に行方不明になったウィンクルムがいるかもしれない、そしてオーガも。
 しかし、ここで黙っていてもしょうがないと分岐している道へと進むことを決め、別行動し、何かあれば合流しようと話し合いそれぞれの道へと進んで行った。

●対峙するウィンクルム
 それは数日前……それなりに広い空間へと出た1組のウィンクルムがいる。
 セシルとアヴァンだ。
 辺りを見回すがどうやらここにはオーガの気配はないようだ。
 その空間には小さな天使を模した古めかしい石像がある。
 セシルは天使の翼部分をそっと優しく触れてみる。
 すると突如2人の周りに青白い光が差す、どこから差しているのだろうと天を見上げるがどうにもどこからか分からない。
 視線を戻し洞窟内を見ていると背セシルが奥を静かに指差した。
 アヴァンもその方向を警戒しながら凝視した。
 いないと思っていた空間に人が現れる……その姿を見た瞬間セシルはその人物へとゆっくりと歩を進めて行く。
「ジャレス!!」
 そう呟きながら。
 しかし、アヴァンの対応は違う。
 剣を抜き、険しい表情を浮かべながら少しずつ近付いていく。
「テメーは!?」
 セシルをこちらへと戻ってくるように手招きするが、セシルは首を横に振る。
「何を殺気立っているんだ俺の弟のジャレスだ。剣を収めてくれよ」
「お前こそ何言ってるんだよ!そいつは俺らの村を滅ぼした奴じゃないか!」
 2人の押し問答は続く。お互いに一歩も引く気はないようだ。

 どれぐらい経っただろうか……睨み合ってから。
 2人の顔に疲弊の色が見て取れる。
 そんな2人の下へゆっくりと、そうゆっくりとヤックルロアが近付いてくる。
 2人はその姿に全く気付かないようだ。
 そしてその場に鮮血が広がった。
「アヴァ……ン」
 胸を貫かれた精霊アヴァンの姿に背セシルは呆然と立ち尽くす。
「ジャレスお前だけでも」
 振り返りジャレスの手を取ろうとするセシルだったが後ろには誰もいない。居たはずの弟の姿がどこにもないのだ。
「どなたをお探しかな?」
「誰だ!?」
 後ずさりをしながら声を掛けてきた人物を見る、ヤックルロアの後方がゆっくりと一人の人物が現れる。
「君には危害を加えるつもりはないよ、ご安心を」
 優しい微笑みを浮べながら1歩1歩と近付いていく長い金髪で赤い瞳、白い燕尾服のような物を着ている者。
 女のようでもあるが声は少し低い声でセシルに優しく声を掛ける。
「精霊はあまり好みではないのですが、大丈夫、怖いことはしないからこちらへおいで」
「ダメ……だ。逃げろセシ……ル」
「精霊はお黙りください!!目障りなんで!」
 そうその者が叫んだ瞬間アヴァンに刺さったヤックルロアの爪が更に深く突き刺さり、口から更に鮮血がこぼれ出る。
「やめろーーーーーーーーー!」
 セシルの絶叫と共にその者はセシルを気絶させる。
 そしてその者はセシルを抱き止める。
「セシルさんですか……大丈夫、レインさんもご一緒ですよ」
 片方の口角を上げて静かに笑ったのだった。

解説

●目的
 
  目的は行方不明のウィンクルムの捜索、もし無事であれば救出とヤックルロアの討伐、と謎の人物の調査です。

●大幅な流れ

  洞窟に入り分かれ道で他のウィンクルムと別れたところから開始となります。
  少し大きな空間に出ると神人と精霊で別々の幻を見て対峙することにになるでしょう。
  幻を打破することを念頭にしなくては、大怪我を負うことになるかもしれません。(死には至りません)
  打破かその他の方法で抜け出した後にヤックルロアの討伐と謎の人物の調査となります。
  後に行方不明のウィンクルムの捜索と救出します。

●謎の人物について

    長い金髪で赤い瞳、白い燕尾服のような物を着ている。
    神人には優しいようだがどうやら精霊は嫌いなようだ。
    性別は不明。

●行方不明のウィンクルムについて

  ・神人『セシル』Lv.25
   精霊『アヴァン』Lv.40、テイルス、ハードグレイカー

  ・神人『レイン』Lv.35
   精霊『ラビス』Lv.38、ファータ、ライフビショップ

●洞窟について

  大きな洞窟で道別れが激しく広い空間がいくつも存在している。
  広い空間には一筋の青い光が差し込むようだ。いくつかのとても古い小さな天使の石像がそこここに置いてある。

●プランに書いてほしいもの

  ・神人と精霊どちらが守りたい者や愛している(いた)者、会いたい者を見ているのか。その者との関係性や心情や行動等。
   又は憎い者や恨んでいる者、顔も見たくない者をみているのか。こちらにもその者との関係性と心情や行動等。
  ・幻を打破する方法(洞窟内にある物や、お互いの信頼関係、愛情などで打破できるかもしれません)
  ・謎の人物に問いたい事、又は調査したい箇所。
  ・行方不明のウィンクルムの捜索方法やもし見つけた場合の対応。

  上記4点は必ずお書きください。
  文字数が厳しい場合は掲示板をご活用いただいて構いません。
  アドリブが多々入る場合がございますので、もしNGな方はプランにお書きくださると助かります。

ゲームマスターより

 草壁 楓です。ご訪問ありがとうございます!
男性側は初めてとなります、どうぞ今後とも良しなにです。
謎めいたお話も良いかなと思い書いてみました。描写が多いためEXとなります。
プランに書いていただくことが多々ありますが、どうぞ宜しくお願いします。

初の男性側ということもあり多少緊張していますが、どうぞお手柔らかに♪

リザルトノベル

◆アクション・プラン

ハティ(ブリンド)

  不自然な傷や血痕など痕跡がないか確認
幻は守るために側にいたのに守られてしまった相手
無意識に庇い違和感
銃を向けられているが低い
リーダーはリンより背が高い
少し考え「死人だ」と答える
声を聞きたかったが声はかけられなかった
あの人は戦って死んだのだから
死を否定したくなかった
リンは誰の姿をと思うが銃を向けようとした相手だ
詮索せず質問を変える
これは今回の依頼に関係あると思うか?
トランスを済ませ周辺警戒

戦闘時ハイトランス
二刀で腕による攻撃を防ぎつつ応戦
捜索中はリンに見張りになってもらい
手当が必要な時は交代
敵の増援があっても突破が必要でない限り行方不明者の保護を優先
攻撃が彼らに向かないよう牽制、移動を補佐し外へ


咲祈(サフィニア)
  会いたい者
幼馴染みの少女(故人)
…アネモネ?
……。そんなわけ、ないか…彼女は死んだんだ(詳細EP12)
違う、また幻だ。と考え、彼女の名を口に出す
アネ…モネ?
にこりと笑うその顔が、記憶を失くす前に何度も見た幼馴染みの笑顔と同じだった

サフィニア、
…えっちょっと待ってくれ
幻なんだろう…彼女に至ってはいるはずがない
天使の像を調べる必要があるかもしれない
(幻打破方法は天使像を入念に調べる)

こちらは基本的に戦闘以外は洞窟内調査
天使像、洞窟内の構造などで変わったことがあれば相方精霊に伝える

戦闘
後衛。基本的にクリアレインで援護


ヴァレリアーノ・アレンスキー(イサーク)
  地図と灯り持参
事前に洞窟内の地図確認

・守りたい者:アレクサンドル
呼称はサーシャ
相棒で常に隣にいて当たり前の存在
無自覚依存症
恋愛感情今の所無し

幻を守るが違和感抱く
幻は天使の翼部分を鎌で破壊して打破出来るか試す

前衛
仲間と連携
コンフェイト・ドライブをイーサに発動
大鎌で敵の腕狙う

・謎の人物へ質問
名前は?
神人だけを狙って捕獲する目的と精霊嫌いな理由
洞窟内でオーガが目撃された情報しかなかったのに都合よく洞窟内に現れたのは偶然か?
洞窟と謎の人物に関係はあるか

外見から謎の人物が精霊か特徴分かれば嬉しい

台詞
何故そんなにもサーシャを嫌う?
…イーサ?
いつお前が教会を去ったか思い出せない…他にも去った者がいたような


加納星夜(アルス・ハーベルンゲン)
  幻影見ていない。精霊がおかしなことを言っているので力いっぱいどついて起こす。
謎の人物に問いたいのは何が目的なのかということ。
調査に関しては、左手づたいに壁をたどっていく。
ウィンクルムをもし見つけたら何があったのか聞き、必要ならば手当をして連れ帰る。また、最初から最後までオーガが出てこないかずっと気を配り続ける。特に戦闘時は複数来ないか見張る。また、戦闘開始後はセシルたち四人の前に立って護衛

幻影を見たあと、精霊が落ち込んでいるようなので、何があったのか聞く。自分が精霊の死んだ許嫁と瓜二つと聞いて、凄く迷惑そうな顔をする。その後、精霊に守りたいと伝えられると、ちょっと黙ったあと、「好きにすれば?」


●探索~いくつかの手掛かり
 行方不明のウィンクルムを探すために新たなウィンクルムが洞窟内に入る。
 新たに任務を受けたのは4組。
 それぞれA.R.O.A.より渡されたライトを照らしながら前へと進む。
 ヤックルロアが目撃されていることもあり、行動は慎重である。
 暫く進むと8つの分岐点へと到着する。
「ここから分岐しているようだ」
 口を開いたのはヴァレリアーノ・アレンスキー。
 彼は洞窟内の地図をA.R.O.A.に申請したが職員が村人に聞いたところ人が寄り付かないことから手に入れることは出来なかった。
 それぞれ一つずつ覗き込んでみたり耳を澄ましてみたりとするが何も聞こえない。
 4組いることからそれぞれ2つずつ分岐している道を調べることにして、何かあれば集合場所に集まることを話し合って別れることとする。
 

 加納星夜は左づたいに壁を辿っていた。
 星夜の精霊アルス・ハーベルンゲンも同じく左手づたいで一緒に進んでいく。
 2人は少し緊張した面持ちを放っている。
 2人にとって始めての任務、敵が現れた場合2人では立ち向かうのは少々難しいかもしれない。
 慎重に進んでいると明るく広い空間へと出た。
「ここで行き止まりみたいだぜ」
 星夜はそう言って辺りを見回す。
「行方不明のウィンクルムはどうやら居ないみたいだ」
 慎重に空間内を調べる星夜はふと壁の奥を覗き込む。そこには細かく切断された天使の像を見つける。
 星夜は古い卜占の家の生まれでカンが鋭いため像があった場所に真っ直ぐと進み見つけ出せたのだ。
「アル……これなんだと思う?」
 呼ばれたアルスは星夜の下へと歩み寄り覗き込む。
「誰かが壊したみたいだな」
「オレもそう思う……誰か居たんだ」
 2人は頷き合い仲間に報告しようと話した。

 同じ頃、咲祈とサフィニアも洞窟内を探索していた。
「サフィニア……更に分岐してる」
 サフィニアは咲祈と離れすぎないように探索を進めていた。
「どっちにするかだね、とりあえず手前から行ってみようよ」
 咲祈は提案に頷くと分岐した道を一緒に進む。
「手掛かりを何か見つけたいね」
「居ることは間違いないって言ってたからさ」
「無事だといいね」
 あぁと頷きながら咲祈は前を見据えた。
 進んでいくと今までの暗さが嘘のように明るい空間へと出る2人。
「随分と明るいな」
 今まで暗い道を進んでいたこともあり咲祈は少し目を細めるとサフィニアも一緒に手で瞳を庇うようにした。
「手掛かりを探そう」
 サフィニアの言葉に咲祈は頷き2人は調査を開始した。

 一方ヴァレリアーノとイサークも洞窟内を隈なく探索している。
「そんなに広いとは思わなかったけど、案外広いもんだね」
「迷わないように道を記憶しておかないといけないようだ」
 少し空洞になっている箇所があればイサークは覗きこみ見落としがないようにウィンクルムを捜索する。
「入り口付近にいるのなら脱出が可能だろうから、もっと奥だろう」
 ヴァレリアーノはそう推理して道の奥を見つめる。
「奥には何が待ってるか分からないからね、気をつけてよ坊ちゃん」
「もちろんだ」
 ヤックルロアがどこに潜んでいるかもわからない。
 そのまま分岐もなく2人は広い空間へと出る、ここは少し暗く探索もままならない。
「坊ちゃん、ボク思うんだけど……行方不明のウィンクルムが帰ってこないのは帰らないじゃなくて、帰れなくて戻ってこれないとボク達は思ってるんだよね」
「何かしら妨害されているということか」
「そうそう、それ。だから簡単には見付からないって考えだよ」
 暗い洞窟内をライトを照らしながら何か手掛かりを探す。
「坊ちゃん……微かに血痕を見つけたよ」
 イサークの言葉にヴァレリアーノも確認するようにその場所を覗き込む。
「ここに居たようだな」
「そうみたい……少なくとも怪我しちゃったみたいだね」
 更に血痕を辿っていくと壊された天使の像を見つける。
「これは……負傷した状態で壊したのか?」
 像の周りに数箇所血痕を見付け、どうにか破壊したものだと憶測できる。
「他のメンバーに報告しておこう、天使の像が壊されたいたと」
 イサークはヴァレリアーノの言葉に頷いた。

 全員が分岐点に入っていったのを見届けたハティとブリンドは自分達も分岐された道に入っていっていた。
 ハティが探索をしている時、ブリンドは周囲の警戒を怠らなかった。
「2週間の空白があるのは気掛かりだ」
「なんかあったんじゃねーの?」
 救い出そうにも当の本人達が見当たらない限り救い出すことも出来ない。
 2人の歩いた道には桜の花びらが落ちている。
 ブリンドは足に『【足甲】桜道』を装備している。
 『【足甲】桜道』は歩いた道に桜の花びらで作られた道ができるという代物だ。もし2人に何かあったり道に迷ったときでもこの花びらがあれば窮地に落ちることはないだろう。
 ハティは見落としがないように道も丹念に調べていた。ふと、窪みがいくつかあることに気付く。
「リン、これは何だと思う?」
「杖みてーなのの窪みだな、しかも新しいものだぜ」
 2人は屈みながらその跡を追っていくことにする。
「居てくれたらいーんだが」
 ブリンドはそう願いながらハティと共にその杖の跡を追っていく。
 そのままいくつかの分岐はあったが杖のあとを追った2人は広い場所に出る。
「いないか……」
「いねーのかよ」
 少し悔しそうに2人は顔を見合わせた。

●幻惑~光の中に見た者は

 探索を開始してから暫くの時間が経っていた。
 一度情報交換をと集まったメンバー。
 星夜は壊されていた天使の像について、咲祈は探索の結果妙に光る石を発見していた。
 また、ヴァレリアーノは血痕が複数あった後にここでも天使の像が壊されていたこと。
 そしてハティは杖のような跡がついた窪みをいくつも発見したことを報告した。
 ウィンクルムかはたまた違う何者かがいるのは間違いないと話す。
 それぞれまた何かあれば集合しようと話しまた分岐へと入っていく。
 お互いに気を付けるように声を掛け合いつつ。

 もう一つの分岐点を進む咲祈とサフィニア。
 その前もいくつかの分岐に差し当たったが妙に光る石を見つける以外特に目ぼしいことはなかった。
 また広い空間へと出た2人はは辺りを見回す、人の気配はない。
「ここは今までで一番明るいみたいだ」
「そうみたい……!!」
 2人が探索を開始したところだった。
 空間内が青く光りだす。
「咲祈、大丈夫?」
 目を細めてサフィニアは咲祈の無事を確認する。
「あぁ……」
 強い光で咲祈は一瞬目を閉じたが、少し和らいだのを確認すると少しずつ目を開く。
 すると、瞳の中に1人の人物が映しだされる。
(……アネモネ?)
 咲祈の前には幼馴染の少女アネモネの姿が現れている。
(……。そんなわけ、ないか…彼女は死んだんだ)
 違う、また幻だ。
「アネ…モネ?」
 彼女の名を口に出す。
「ツバキ」
 咲祈の耳のその名を呼ぶ声が聞こえる、記憶を失くす前に何度も見た幼馴染みの笑顔と同じ笑顔を浮かべて。
 サフィニアは咲祈の様子に少しの戸惑いを見せながら彼が見ている方向へと目を向けた。
 そこにいたのはサフィニアにとって顔も見たくない者。
「あんたは……!」
 かつて神人と契約して誰かが安心できるようにしたいとサフィニアに言っていたにも関わらず、マントゥール教団に手を貸し隣村を滅ぼした自分と同じディアボロ。
「よく俺の前に姿に現せたな……」
 サフィニアは憎悪に満ちた表情になり相手に構える。
「咲祈、下がって」
 大事な神人である咲祈を護るためサフィニアは後ろに下がらせる。
「サフィニア……えっちょっと待ってくれ」
 そんなサフィニアの様子に咲祈は戸惑いを見せる。
「幻なんだろう……彼女に至ってはいるはずがない」
 咲祈は冷静だった。
 アネモネは死んだという事実を受け止めているからこそできた判断だ。
「……幻……?」
 サフィニアの目の前にいるディアボロは薄ら笑いを浮かべてこちらを見ている。
「天使の像を調べる必要があるかもしれない」
「天使の像……確かに関係ありそうだ」
 そう言って2人は幻を見ないように天使の像を探し出す。
 その間2人それぞれの幻は2人を惑わすような言動をしてはいるが、2人は打ち破るべく探し回る。
 先程、星夜は壊されていた天使の像があったことを話していた。しかも誰かが壊したようだと。
「これだ」
 2人は天使の像を見付けると入念に調べ像の手から光が出ていることに気付きそこを破壊する。
 すると幻はあっという間に消え失せる。
「人の心を見透かすね……なるほどだね」
「他のメンバーに知らせよう、幻に惑わされている間に襲われたら危ないからさ」
 咲祈の言葉に集合場所へと向かった。

 初の任務にまだ緊張を隠せない星夜とアルスは順当に左手を使いながら洞窟内を更に探索している。
 あれからもいくつか壊れた天使の像や報告があった光る石を見つけてはいるが、その他に特に変わったような雰囲気はなかった。
「何も収穫がないな、また分岐だぜアル」
「分岐が多い……これだけ分岐していたら迷うだろう」
 分岐が多いことにウィンクルムが迷った可能性も頭に入れながらどちらにするかと歩みを止める。
「セイはどちらだと思う?」
「こっち」
 カンの鋭い星夜にアルスは訪ねると星夜は明かりが見える方向を指した。
 アルスはそれに従いその方向へと進む。
 進み続けると眩いぐらいの光が差す空間に出る。
 星夜は少し目を慣らした後に空間内を調べ始める。
 アルスも同じく調べようとした時、空間内が更に眩く青く光りだす。
「くっ!」
 星夜は咄嗟に目を閉じ顔を服で覆う。
 アルスは光を遮るように手で避けようとしたが、少し遅かった。
 アルスの目の前に突如オーガに殺された彼の婚約者フィリスの幻が現れた。
「フィ……リス」
 そう言いながらアルスはその幻の下へと少しずつ歩み寄っていく。
「アルス……」
 幻の彼女は生前と変わらぬ姿でアルスを呼ぶ。
「フィリスなのか?」
 泣きそうな顔をして緑色の瞳で見つめながら彼女の下へと辿り着く。
「愛してるわ、アルス」
 生前と同じ微笑を浮べ、愛を告げてくる彼女にアルスは瞳に微かに涙を浮かべる。
「俺も愛してる」
 死んだはずの彼女が目の前にいるという事実にアルスは目を離すことができない。
 暫く顔を覆っていた星夜は少し光が和らいだのを確認し顔を上げた。
 そこには何もない場所でおかしなことをしている自分の精霊を確認する。
「アルはなにを?」
 星夜はカンの良さからなのか、顔を覆ったことにより少しの眩暈はするものの幻を見ることはなかった。
 アルスをしばらく凝視する星夜ではあったが、何もないところで愛を告げているアルスはとても奇妙で何が起こっているのかわからない。
 とりあえず目が虚ろであり正気でないことは確かで、
(どついてみよう)
 と、どつくことにする。
「おい、アル!何をやってるんだ、誰もいないだろ!」
 星夜は早足でアルスに近付くとどつきまわす。
 しかし、2人はまだウィンクルムになって日が浅くお互いを想う気持ちが足りないようでなかなかアルスが正気には戻らない。
「アル!」
 何度どついても正気に戻らないアルスに星夜は困ったが、あることを思い出す。
 壊されていた天使の像、もしかしたらと探し回る。
 時間が掛かればいつ敵に襲われるか分からない。
「どこだ!」
 探し回っている間アルスは婚約者フィリスを愛しそうに見つめて話しかけている。
 もちろん星夜にはただ虚ろに何ごとかを話しているアルスにしか見えない。
「フィリス……あなたに会いたかったんだ」
 星夜はフィリスって誰だ!などと考えつつも必死に探す。
「ここか!」
 星夜は何とか天使の像を見つけ出し、『護身用小刀「ライラック」』で像を破壊する。
 青い光は消えそこにただ呆然と立ち尽くすアルスがいる。
「アル!!」
 光が消えたことで星夜は再びアルスをどついてみる。
「セイ……」
 どうやら正気に戻ったようだ。
 アルスはまじまじと星夜の顔を見る。
 そして、婚約者フィリスが居なくなったことに落胆する。
「戻ったみたいだな、どうしたんだ?」
 安心したように星夜は一つ息を吐いた。
「フィリスが居たんだ、婚約者だった」
 アルスは自分の過去について語りだす。
 兄妹同然に育った婚約者、そしてその婚約者がオーガに殺され出奔したと。
「セイにそっくりなんだ……婚約者とセイが瓜二つなんだ」
 そのアルスの告白に星夜は一瞬動きを止める。
「だから、神人であるセイを何があっても守りたいんだ」
 星夜は全部聞き迷惑そうな顔をする。そしてアルスの瞳を真っ直ぐと黒色の瞳は見つめ暫く黙ると、
「好きにすれば?」
 と告げる。
 つれない態度の星夜にアルスは自分の事を思っている事は分かっていることから苦笑を浮かべるしかなかった。
「もう少しだったのに、おしいですねぇ」
 そんな2人の下に声だけが空間内に響く。
「誰だ!」
 しかし辺りを見回しても誰もいない。
「どこだ!」
 アルスは片手剣『カットラス』を構えるが何者もいない。
 笑い声だけがその場に響き渡る。
「残念、残念」
 そう言うと謎の声は消え、また静まり返る。
「居なくなった、みたいだぜ」
 星夜の声に構えを解くアルスは緊張を少し緩める。
 何者かがいることは明確になった以上皆と集合したほうがいいと2人は急いで集合場所に移動を決めた。

 一方ハティとブリンドは『【足甲】桜道』の花びらが落ちていない最後の分岐した道を歩いていた。
「ここで俺達の役割分の最後だ」
「あーそうなるな」
 ハティもブリンドも少しの手掛かりも見落とさないように足元や天井、他あらゆるところをライトで照らしながら探索を進める。
「あれからは何も見付かっていないというのも……」
 言いかけてハティは足元を更に照らし出す。
「血痕発見か?」
 ブリンドもハティに照らされた箇所を凝視する。
「ヴァレリアーノさんが言っていたのよりは新しいものだぜ」
 ハティは血痕の乾き具合からそう導き出す。
「今度こそこの奥に何か居るんじゃねえの?」
 血痕の先を見つめるブリンドにハティも一緒に見つめる。
 血痕を辿る2人は周囲に敵の気配がしないかを確認しつつ奥へと更に進む。
「行き止まりのようだぜ」
 そう言うと明るく広い空間に2人も出る。
「血痕は……あるみたいか」
 続いている血痕をブリンドは確認するとその先を見ようとした。
「眩しくて見づらいようだ」
 ハティは眩しそうに目を細める。
 すると、青い光が空間を彩り始め2人は更に固く目を瞑る。
「いきなりなんなんだ」
 ハティは眩しいながらも薄っすらと目を開ける。
 同じくブリンドも。
「アンタは……」
「テメーは!」
 咄嗟にブリンドは『片手銃「マルモア」』を構える。
 その構えた方向にハティは無意識に両手を広げてブリンドの前へと立ちはだかり庇う行動をする。
「何やってる?ハティ……どけ」
「リンこそ……」
 2人はお互いから目を離さないように見つめ合う。
 ハティが庇っている者。
 それは守るために側にいたのに守られてしまった相手。
 今度こそ護ろうとブリンドの前へと無意識に体が動いていた。
 ブリンドはいつもより更に冷ややかな顔をしてハティの後ろにいる者を見ていた。
 全ての終わりを望んだ女……その女はブリンドとは親子関係にあった。
 しかし終わりを望んだ女は彼が小さい頃、手を引き冷たい水の中へと一緒に入り全てを終わりにしようとした。
(一人で死ぬことも出来ず俺を殺す事も出来ず)
 だからこそ彼は苦しむ女をこの手で殺した。
(こいつには知られたくない……知らなくていい)
 ブリンドの中で子供の頃の水底の記憶が蘇る。
 冷たい銀色の瞳がハティの後ろの者を鋭く見つめる。。
 銃を向けられているハティはブリンドから目を離さなかったが、ふと違和感に気付く。
(リーダーはリンより背が高い)
 自分が護っている相手はブリンドより背が高い、だがブリンドの銃口はそうとは思えないほど低い位置を狙っている。
「おい……何を見てる?」
 ハティの違和感の察知に気付いたブリンドは我に返り質問する。
「死人だ」
 即答だった。
「俺もだ」
 死人が居るわけがないと2人は顔を見合わせる。
 ハティは護っている者の死を否定したくなかった。
 声を聞きたかったが声はかけられなかった……あの人は戦って死んだのだから、と。
「これは今回の依頼に関係あると思うか?」
「大アリだろ」
 幾分お互いの幻が和らいできた頃、何かが壊れる音がする。
 それと同時に青い光が一瞬で消える。
「今度はなんだ?」
 ハティが見回すとそこには一人のファータの青年が息を切らしながら石像を壊していた。
「おめー誰だ?」
 ブリンドは咄嗟にハティに駆け寄りトランスをする。
「Báleygr」
 ハティがブリンドの頬にキスをすると回りにオーラが解き放たれる。
 瞬時に警戒をするブリンド。
「やはりウィンクルムか……助かった」
 2人がトランスすると安心したようにその青年はその場にへ垂れ込む。
 肩から血を流していることを確認する。
「ラビスだ、ウィンクルムだ」
 その名が行方不明者の中にいたことを2人は思い出し、ラビスの下へと歩み寄る。
 傷は幸いあまり深くないようだが、浅くもない。息が少し荒いのも気になる。
 その場でできる応急手当をブリンドが施す。
「無理して動くなよ先輩」
 とブリンドは手当てを終えるとハティは質問をしだす。
「他の者はどうしたんだ?」
「死んではいない……神人は必ず」
 疲れたように答えるラビスにブリンドも質問をする。
「何に襲われたか覚えてるか?」
 するとラビスは頷き、長い金髪で赤い瞳の白い燕尾服のような物を着た男に襲われたと話す。
「妙なのがいるみたいだぜ」
「オーガかまた他の何かがな」
 2人は更に詳細を聞き、急いで集合場所へと歩き出す。
 あまり猶予はないと。

 同じ頃、ヴァレリアーノとイサークも最奥へと足を伸ばしていた。
「杖みたいな跡がずーっとあるよね」
 イサークはその跡を辿るように目線を向ける。
 4組の中で一番奥にいるのはこの2人。
「これを辿れば何かあるだろう」
 何者かがこの跡を付けながら奥に進んだのは間違いない。
「随分奥まで来たんだな」
 後ろを振り返ると真っ暗闇になっている。分岐点の入り口はおろか何も見えない。
「この奥が怪しそうだよ」
 イサークの目が鋭く奥を睨む。
 警戒を怠ることなく前へと進むと徐々に光が差し込んでくる。
 そのまま跡を追い続けその光の先へと辿り着く2人。
「ここは……」
 太陽があるのではと錯覚するほどの光の中に入る2人は前が少し霞んで見えるようだ。
「霞むね……気をつけてよ坊ちゃん」
 そう言いながらイサークは更なる警戒をした。
 すると、一瞬にしてその場に青い光が一面を彩る。
 眩しさに2人は目を細めると辺りを見回す。
 その見回した先を見て驚きヴァレリアーノは目を見開いた。
「サーシャ」
 それはヴァレリアーノのもう1人のパートナーアレクサンドル。
 そしてイサークも、
「アレク……」
 2人は同じ者を見ていた。
「なぜサーシャがここにいるんだ」
 ヴァレリアーノは驚きを隠せないでいた。
 アレクサンドルはヴァレリアーノにとって常に隣にいて当たり前の存在であり、恋愛感情は無いものの無自覚に依存する程の守りたい者。
 そしてイサークにとっては、大事な人を殺された恨みを抱いている者。
 お互い同じ者を見ているが抱く感情は全く逆のものである。
「どうしたんだ、今回はあいつと任務をすると……」
「アーノが心配になったのだよ」
 2人が会話しているとイサークが『巻物「漂流譚」』を構える。
 その行動にヴァレリアーノは驚きイサークとアレクサンドルの間に入る。
「我慢の限界。仇討ちだよ、殺スから退いて坊や」
 イサークの紫色の瞳は濃さを増し、本気だった。
「何故そんなにもサーシャを嫌う?」
 ヴァレリアーノも引きはしない、アレクサンドルを傷付けさせはしないと退く気はないようだ。
 どうしてそんなアレクサンドルが嫌いなのか、それも存在を亡き者にしたいぐらいに、とヴァレリアーノは疑問に思う。
「大切な人を殺された気持ち、坊やなら分かるデショ……?」
 大切な人……ヴァレリアーノはそう言われ両親がオーガに食い殺された過去を思い出す。
「……イーサ?」
 痛いほど分かりはするが、それがなぜアレクサンドルなのかと考えつつイサークを見る。
「相棒は、隣にはボクがいればいいじゃん」
 そう言いながら退けてとジェスチャーで訴えるが、ヴァレリアーノは首を横に振る。
 しかしイサークはヴァレリアーノをかわすように攻撃を仕掛けると同時にヴァレリアーノを抱き締める。
「本当の最初の出逢いは、宿り木の下じゃなくてあの教会なんだよ…忘れちゃった?ヴァーレ」
 少し切なく震えた声でイサークはそう告げた。
 その行動に驚きながらも教会でのことを思い出そうとするが、
「いつお前が教会を去ったか思い出せない…他にも去った者がいたような」
 一考に思い出せない。
 しばらく固まる2人。
 もう少しでというところで思い出せそうな頃、アレクサンドルが口を開く。
「アーノ……どうしたのかね?」
 緊迫した空気の中、攻撃されたはずのアレクサンドルは先ほどと変わらない佇まいでそこに立っている。
 おかしいと、さっきイサークに攻撃されたはずだとヴァレリアーノはアレクサンドルを見やる。
 同じくイサークも驚きを隠せないでいた、避けたわけでもなくそこにただ居るアレクサンドルに。
「お前は誰だ」
 ヴァレリアーノは混乱しそうな頭を振り、先程壊れていた天使の像のことを思い出す。
 そして抱き締められた向こう側に天使の像がこちらを向いているのを見つける。
 イサークの手をすり抜けて咄嗟に『デビルズ・デス・サイズ』を振り上げながら天使の像の羽を破壊する。
 その威力と共に天使の像は破壊され、青い光が一瞬にして掻き消えた。
「いなく……なった」
 2人は驚きを隠せなさそうにアレクサンドルが居た場所を見つめる。
 イサークがなぜあんなにアレクサンドルを恨むのかともう一度尋ねようと振り向いた時だった。
 イサークの背後に人影が現れる。
「イーサ!」
「!!??」
 イサークが振り向くと長い金髪で赤い瞳、白い燕尾服のような物を着た男が居た。
「な!」
 イサークに振り下ろされそうになる刃、駆け出すヴァレリアーノ。
 しかし、間一髪でブリンドの『片手銃「マルモア」』が火を噴いた。
「あらま、お仲間ですか……残念残念」
 スッと後退するその者はニタリと不気味な笑みを浮かべる。
「てめー何者だ?」
そこには3組のウィンクルムが駆けつけてきた。
「精霊は話しかけないでいただきたいですね」
 冷ややかな目でブリンドを見る。
「大丈夫か?」
 アルスがヴァレリアーノとイサークに尋ねると、2人は問題ないと答える。
 そして4組のウィンクルムが揃いその者と対峙する。


●戦闘~謎の者とヤックルロア

「時間をあげましょう!トランスでもなんでもどうぞ」
 そう言って精霊は目に映らないのか神人達を見る。
「Бог благословит вас」
 ヴァレリアーノは瞬時にイサークへの頬へキスをするとトランスを完了させる。
 2人にとって初のトランスとなるが、2人の想いは重なり滞りなく済ませることができた。
「炎は揺らめき、消える」
 咲祈とサフィニアも先の2人とほぼ同時にトランスをする。
 しかし、星夜とアルスは敵の出現によりぎこちない動きになったのかトランスは行わなかった。
 そんな中でもアルスは星夜を護るような位置にいる。
「名前は?」
 ヴァレリアーノはその者に問うた。
「私の名前ですか?お綺麗な方に問われて言わないはずがない……ジュレヌと申します。どうぞお見知りおきを」
 と丁寧にお辞儀をする。
「まぁ、やはりここでは無粋ですので奥でお待ちしておりますよ」
 笑顔で神人だけにそう告げてジュレヌは奥へと消えていく。
 制止しようにも出来ぬ程の速さで。
 暫く警戒は解かずに周囲を見渡すが、今直ぐに敵が襲ってこないことを確認し4組は話し出す。
「しかし助かったよ」
 イサークはブリンドに礼を述べる。
「集合場所でアンタ達を待ってはいたんだが、なかなか来ないのと幻を見たんで急いで駆けつけたまでだ」
 それに精霊を一人発見したこともハティは一緒に告げる。
 4組はそれぞれ持ち得た情報を交換し始める。
 発見したウィンクルムの情報によると、この奥に神人はいると話していたこと、そしてもう一人の精霊は大怪我をしていたのでスキルで治療をして眠っていたので天使の像の仕掛けを壊し回り戻ると居なくなっていたと。
 そして幻は天使の像がなんらかの仕掛けにより見せていることは間違いないと話していたことを。
「あと、この奥にヤックルロアがいるって話してたぜ」
 そのためにヴァレリアーノ達の下へと急遽駆けつけたのは言うまでもなかった。
「オレ探索したんだけど血痕が大量にある所を見つけたぜ」
 星夜は洞窟内を一番探索し、大量の血痕を発見していた。
 たぶんそれがまだ発見できていない精霊のものだろうと憶測できると、アルスも付け加える。
 あの出血量をみるにあまり時間が無いかもしれないと4組は奥へ、ジュレヌの待つ奥へと足を踏み入れていく。

 奥を進み続けかなりの深さまで潜るとオーガの咆哮が微かに聞こえてくる。
 そして、人の声も。
「声がする」
 咲祈は声がする方向へと目線を向けた。
「人ということは、神人かあるいは精霊かだろう」
 アルスは咲祈の言葉に反応し言う。
「精霊だとしたら危ないな……急ごう」
 ヴァレリアーノはその声のする方向へと駆け出すとイサークも同時に走り出す。
「無事でいて欲しいもんだぜ」
 ブリンドはそう言いながらハティと共に走る。
 初のオーガ戦に緊張しつつ星夜とアルスも走り出す。
 それに咲祈とサフィニアも続く。
 辿りついた先には息も絶え絶えのテイルスの精霊が何とか立っている状態だった。
「アヴァン君か?」
 その咲祈の言葉に力なく振り返るテイルスの精霊。
「そうだ……ウィンクルム……」
 4組のウィンクルムの姿を見るとアヴァンはその場に倒れこんだ。
 咄嗟に星夜とアルスは駆け寄り抱き止める。
「これは……」
 そのアヴァンを抱きとめた星夜は驚いた。わき腹から出血しているのだ。
「手当てを」
 そう言って星夜はアルスとともに手当てを開始する。
 簡単な手当てしかできないが、まずは出血を止めなくてはと。
 ハティとブリンドはまだ少し距離のあるうちにとハイトランスを済ませる。
「お出ましだ」
 ハティはそう言って前を見据える。
 手当てをしている2人の他はヤックルロアの出現により陣形を整える。
 前衛にはサフィニア、ヴァレリアーノ、ブリンドの3人。
 中衛にはイサーク。
 後衛に咲祈。
 ハティは増援があってもいいように見張りつつ負傷者と手当てをする2人を護るように立つ。
 ウィンクルムを見たヤックルロアは咆哮を上げる。
「やってやるさ」
 先手を打ったのは咲祈。
 『鉱弓「クリアレイン」』を放ち光を反射して相手の視界を奪う。
 次にイサークがパペットマペットを放ち、クマ・イヌ・ネコなどの動物のぬいぐるみが出現しヤックルロアに攻撃を仕掛ける。
 相手の隙が生まれたところで『クレイジングライン』で双葉弐式を放つ。サフィニアの気を込めた手裏剣が左右同時にヤックルロアを攻撃する。
 ヤックルロアに攻撃は覿面だった。がヤックルロアは後方で手当てをしている2人を見付けると、ミミズに変形した腕を脱皮するかの如く放つ。
 しかしそこはハティが待機していた。
 『妖刀・恋慕』でその腕を振り払う。
 それにアルスも加わり敵の攻撃は不発に終る。
 攻撃を避けられたことにより更に怯むヤックルロアにブリンドが『片手銃「マルモア」』にてWシューターを放つ。
 連続で放たれる弾は両脇から迫り、ヤックルロアの逃げ場を奪う。
 ヴァレリアーノもその隙を突き両腕を狙うように『デビルズ・デス・サイズ』を振るう。
 なかなか出血が止まらずに焦る星夜。
 アルスとハティは交代し、ハティは手当てに、アルスは敵からの攻撃に備える。
 ヤックルロアはもう少しで倒れるように足を震わせている。
 そこにヴァレリアーノはコンフェイト・ドライブを発動させるためにイサークへと近付き頭をポンポンと撫でた。
 それによりイサークの攻撃、防御、命中、回避能力がアップし、彼はタロットダンスを発動させる。
 ヤックルロアは自分と同じ大きさのタロットカードに囲まれると、挙動不審に陥る。
 タロットカードの呪いの言葉を口にしながらイサークはヤックルロアに最後の攻撃を仕掛け、同時にブリンドも畳み掛けるように弾丸を放つ。
 そしてヤックルロアはその場に倒れた。
 ウィンクルム達の勝利だ。
 その頃にはアヴァンの出血も何とか止まり、増援もなく危機は去っていた。


●救出~ジュレヌの企み

 危険が無いことを確認した後、アヴァンを今動かすのは危険と判断したウィンクルム達はそっと寝かせ更に奥へと進んでいる。
 奥に進むにつれて、咲祈が見つけた妙に光る石が増えていく。そして花の香りも微かにだがしてくる。
 今までの洞窟とは異なり光る石の効果か別世界のようでもある。
「この奥に消えたわけだから、ここにいるんだろ」
 残りの神人を見つけようと星夜は奥を覗き込みながら進んでいる。
「居てくれなくては困るだろう」
 まだジュレヌが残っているとアルスは星夜の前にで警戒をしている。
「たぶん、無事だろうさ」
 咲祈はそう言う。
 精霊には増悪を見せたが神人には友好的だったことを思うと神人は無事だろうと。
「そうだといいんだけどね……」
 少しはにかみながらいうサフィニアは前を見ると、いつもとは違う顔つきを見せる。
「いらっしゃいませ、神人の皆さま。まぁ精霊は呼んでいませんが……いいでしょう」
 ウィンクルム達の姿を見付けるとゆっくりとジュレヌは近付いてくる。
「何か目的があるんだろ」
 星夜はジュレヌへ率直に質問する。
「目的?それはこの世から精霊を消すためですよ」
 ニッコリと微笑み答える。
「では、神人だけを狙って捕獲する目的と精霊嫌いな理由は?」
 ヴァレリアーノも続いて質問をする。
「精霊が嫌いな理由ですか、鋭いですね」
 クスクスと笑いヴァレリアーノを見据える。
「神人は捕獲ではなく保護ですよ。無粋な精霊に傷付けられたり殺されたりする前にね」
「嫌いな理由は?」
「それはぁ~そうですねぇ~……内緒です」
 人差し指を立てて少し意地悪そうに笑いつつ答えた。
「オーガが居る中、都合よく洞窟内に現れたのは偶然か?」
 質問を変えヴァレリアーノはまた質問をする。
「オーガ、居る居たではなく……私の仲良しさん」
 ニコニコと髪をかき上げる。
「オーガが居れば……貴方たちのようなお綺麗な神人が現れてくださるでしょ?」
「罠か」
 そのジュレヌの言葉にハティは冷たい視線を向ける。
「さていい時間です」
 そう言われ攻撃が来るのかとブリンドは威嚇射撃を行う。
「はぁ~だから、精霊は嫌いなんですよ」
 できる事なら捕縛したいブリンドだったが難なく避けられたことで諦めることにする。
「ではでは、また会えるといいですね」
「神人はどこだ」
「失礼、奥に居ますよ……丁重におもてなしさせていただきましたので無事、ですよ」
 不敵な笑みを浮かべながらジュレヌは消えていく。
 追いかけたい気持ちもあるが、今はウィンクルムの生命を優先と諦め奥へと進む。
 行方不明の神人は本当に奥にいた。
 何かで眠らされているのか、ピクリとも動かない。
 起こしに掛かるが全く目覚める様子がないため分担して抱えて洞窟を出ることにした。
 途中負傷している精霊も回収しつつ。


●帰還~村にてそして後日

 A.R.O.A.の職員が心配そうに全員の無事を祈りつつ村で待っていた。
 今回派遣させたウィンクルムに怪我はなく安堵の息をもらすが、先に派遣されたウィンクルムは重傷者1名、軽症者1名、それに眠っているだけの神人の2名だ。
「しかしあいつはなんだったんだ?」
 ブリンドは洞窟の方向をみると訝しげな表情のままハティに問う。
「さぁな、オーガが神人を襲わずコントロールされているとなると教団員か人を辞めた系列か……」
 分からないと首を振る。
 咲祈は洞窟内で見つけた妙に光る石を職員に渡す。
 そして最奥にこの石がたくさんあったことを話し、天使の像があった場所に粉々になったこの石も一緒にあったことも告げた。
 また、星夜はその最奥で微かに花の香りがしたことも職員に話し、幻を見たこと等の情報提供をする。
「質問の答えについても報告しておこう」
 ヴァレリアーノは自分がジュレヌにした質問と答えについても報告を行う。
 少し長丁場となったことからこの日はそこで解散となった。

 数日後、A.R.O.A.の職員からブリンドは連絡を受け、行方不明になっていた神人の下へと病院にハティと共に出向いていた。
 行方不明になっていた神人のセシルとレインは随分顔色もよく、2人を招く。
「すまねー、あの男について聞いていいか?」
 神人2人快く頷くと行方不明になっていた2週間のことを話し出す。
 洞窟に入ってヤックルロアを倒すため探索をしていたところ、皆と同じく幻を見たと。
 そこにジュレヌが現れて精霊を攻撃され、アヴァンに至っては重症を、ラビスはギリギリのところで避け軽症を負った。その隙に妙に光る石がたくさんある所へと運ばれていたと。
「で、そこで長い時間何があったかだ」
 それにまた答える2人の神人。
 精霊がいかに酷いことをするか、残忍か、そして女神ジェンマに保護されている神人がいかに素晴らしいかと話していたと。
 神人2人には何もしないが、外にいる精霊に何かあったら困る?と何回も問われ戻ることは出来なかった。
 ラビスは自分の精霊が負傷しているのを知っているので、逆らわないことを選択したとも話す。
 あ、というとレインは思い出したように話す。
「よくは聞こえなかったんですが、姉さんは、とかあいつらさえとか何か言っているのを何回か」
「姉さんか……」
 他に食事や飲み物なども出されていたこと、神人は特に危害を加えられることは一切無かったと話していた。
 これ以上の情報は無いと軽く礼をしハティとブリンドは病院を後にした。

 神人からの話し終わったと同時にA.R.O.A.からの報告があった。
 青い石は乱反射が激しく辺りを照らすには小さいものでも数個あれば十分なこと。
 咲祈からの報告を受けたA.R.O.A.は天使の壊れていない像を調べるとその中からその石がでてきたと話す。
 そのため洞窟の内部に微かな太陽光が当たる箇所に天使の像が設置してあり、青い光が差し込むようになったようだと見解を述べた。
 そして星夜の微かに花の香りがしたとの報告にはその花の香りがする粉末が発見され幻覚作用があることはわかったが、何の花かは分からず調査を続行するとされていた。
 太陽光が差すことで天使の像に埋め込まれた粉末が散布されるように仕掛けが施されており幻を見たのではと憶測された。
 次にジュレヌについて調べたが特に情報はなく、捕まっていた神人から彼の姉に何かあり精霊との関連性があるようで、こちらも調査を続行するとされている。
 また最後に、重症を負っていたアヴァンは順調に回復に向かっていることも報告されたのだった。



依頼結果:大成功
MVP
名前:ヴァレリアーノ・アレンスキー
呼び名:お前
  名前:イサーク
呼び名:坊ちゃん、坊や

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 草壁楓
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル 戦闘
エピソードタイプ EX
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,500ハートコイン
参加人数 4 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 05月05日
出発日 05月13日 00:00
予定納品日 05月23日

参加者

会議室

  • [13]ハティ

    2016/05/12-23:57 

    こんばんは、と、おつかれさま。プランは提出済してきた。
    オーガが神人を襲わずコントロールされているとなると教団員か人を辞めた系列か…気にはなるが、
    怖いことはしないと言っても二週間の空白は気がかりだ。無事だといいんだが。

  • [12]咲祈

    2016/05/12-23:52 

    顔出し遅れてごめんね
    ハティくんたちもよろしくね。

    プランはできてるよ。
    俺と咲祈は戦闘以外は洞窟内の調査メインになってるかな
    行方不明の二組、無事だと良いんだけど…

  • [11]加納星夜

    2016/05/12-22:57 

    こんばんは、ハティ。他のみんなも。

    もう既にプランは提出してしまった。
    戦闘については足手まといにならないよう気をつける。

    オーガ複数の場合を考えて、俺はとくに周囲に気を配ろう。
    後は迷子にならない上で、何かの手がかりがつかめればいいが……。

  • [10]ハティ

    2016/05/12-22:56 

    あと必要だと言われてるのは捜索方法か。
    負傷した精霊を見ている神人がおとなしく従うとは思えんが拘束されているか、精霊を人質にされているということもあるかもしれないな…。
    プランで触れられてはいないんだが精霊装備の足甲【桜道】が桜の足あとを残せるらしいので辿った道をわかりやすくはできるかもしれない。
    意図してこの機能を使用したことがないのでできるとは言い切れないんだが…
    ブリンドはある程度は見て覚えて記憶することが可能だと思うので、マッピングしてもらおうかと。

  • [9]ハティ

    2016/05/12-21:42 

    最終日になっての飛び入りも飛び入りですまねえ。プレストガンナーのブリンドとハティだ。
    戦闘ではハイトランスしてハティは前衛、俺は敵の数で臨機応変に対応出来ればと考えてる。
    幻についてはハティの相手は多分、以前いた自警団のリーダーだった男だな。話でしか知らねえしお互い相手が死人みてえだから詮索するつもりはねえが。
    戦闘以外では行方不明者の救出優先で書いてる。
    ないとは思うがオーガが複数いた場合を考えて念のためハティと交代で捜索中の見張り、応急処置程度になるとは思うが可能な範囲で負傷者の手当が出来ればと思って参加させてもらった。
    精霊嫌いの男については突っ込めてねえんだが、四人というかセシルとレインにはその場で話が聞けなくても回復してから男について話を聞けりゃあなーとは思う。

  • イサーク:

    星夜君もこーんばんはーっと♪
    坊ちゃんは初めてじゃないけど、ボクもウィンクルムとしてオーガ退治や調査はハジメテだから一緒にがんばろー。
    スタートが洞窟の分かれ道で他のウィンクルムと別れた所からだからバラバラなんだよね。
    できれば皆怪我なく幻打破出来ればいいナ。

    ボク達は謎の人物へ聞く事が多くなっちゃったから、調査方面は星夜君達にもお任せすることになるカモ。

  • [7]加納星夜

    2016/05/12-00:08 

    こんばんは。遅くなってすまない。

    ウィンクルムとしてオーガの調査に関わるのは初めて。
    だから、ヤックルロアの事も初めて知ったし
    謎の人物に関しても知っている事はない。

    ただ、こちらでは
    精霊のアルスが思い出してしまうことがあるらしい。
    オーガに殺された婚約者の事……だとか。

    調査に関しては壁を左手づたいにずっと伝っていく。
    天使の石像に当たるなり、何か手がかりをつかめればいい。

    戦闘に関しては足手まといにならないように頑張るつもりだ。

  • 明日は恐らくここに書き込めないだろうから、星夜の反応を待たずに早めに書き込ませてもらう。すまない。
    ヴァレリアーノ・アレンスキーだ。改めてよろしく頼む。

    >謎の人物、調査
    サフィニア達は謎の人物に聞く事がなさそうなら、俺達の方でいくつか聞きたい事を書いておく。
    主に[3]に書いたことを聞くつもりだ。
    逆に洞窟内の調査は二人に任せることになると思う。

    >戦闘
    俺達はヤックルロアと対峙したことがないため、他の依頼の報告書を読んだんだが、
    敵は「過去に食した動物の頭部に腕を変形させて攻撃する」らしい。
    どの戦闘習性を両腕に宿すかわからないが、
    「攻撃中はその動物の習性に脳が支配される」ようなので腕には特に注意したら良いと思う。

  • [5]咲祈

    2016/05/11-13:56 

    連投
    俺も咲祈も、謎の人物に訊きたいこととかは特にないんだ。
    だから洞窟内の調査をしようかと思ってるよ。
    天使の石像が少し気になるんだ。

    戦闘は、俺は前衛に回れないこともないから、前衛で
    咲祈は後衛かな。咲祈にはクリアレイン持たせるよ。

    とりあえず今言えるのはこれくらいかな。

  • [4]咲祈

    2016/05/11-13:55 

    プランでああじゃないこうじゃないやってる間に人が増えてるね。
    皆初めましてだよね。神人は咲祈で、俺はサフィニアでシノビだよ。
    まず、何が見えるかだけど

    咲祈は、愛してる者というよりは、大切だった人かな。
    仲の良かった幼馴染みの女の子。
    で、俺は憎いというか…名前を聞くのも嫌な精霊。
    過去も今も苦手な相手。幻でも会いたくなかった…

  • 二重投稿しちゃったカラ消し消し。

    >謎の人物
    明らかに神人だけを狙っていたのなら、神人を捕獲して何をするつもりなのか聞きたいネ。
    その謎の人物が誰とも契約してなかったら、その為の候補探しとかかナー。もしくは教団員絡み?
    あと、洞窟内にはオーガ目撃しかなかったのに、都合よく”ここ”に現れたってのが何か引っ掛かるかナー。
    洞窟と謎の人物の関係がちょっと気になったよ。
    精霊の事はおキライのようだから坊やに聞いてもらう予定。
    咲祈君と星夜君は何か聞きたい事ある?

    >行方不明のウィンクルム
    ウィンクルムが帰ってこないのは帰らないじゃなくて、帰れなくて戻ってこれないとボク達は思ってるよ。
    謎の人物が見つかればおのずと見つかりそう…?
    討伐と謎の人物の調査後に、洞窟内をくまなく捜索ってところかなー。見つけたら保護して村へ避難したいかナ。

  • ハーイ、飛び入りギリギリ参加でごめんネ。
    ボクは皆と会うの初めてだから軽く自己紹介ー。マキナのトリックスター、イサークだヨ。
    相方はそこのツンと澄ましてる坊や。よろしくー(帽子脱ぎながら深々とお辞儀

    何だかやる事てんこ盛りダカラ、早速本題いっちゃうネー。
    ボク達がやろうとしてる事、ざっと書いとくよ。

    >幻
    坊ちゃんが見てるのは同じ者。坊やのもう一人の…パートナー、アレクね。
    坊やはああだこうだ言いながら何かと気に掛けてるけど、ボクはアイツの事ダイキライ。
    ボクの大事な人を奪った張本人ダカラ。それは坊やの大事な人でもあるけどさー坊やは何も知らないから。
    アイツもボクの事嫌ってると思うケド、殺したいほど憎いネ。
    ヴ…坊やをアレクから守る為にも、そして復讐するには絶好の機会かモ。ふふふーん♪

    >幻の打破方法
    ボクは坊っちゃんに絶大の信頼置いてるけど、
    坊ちゃんはボクの事まだ警戒してるし二人とも幻覚にかかってるからネ。
    坊やが洞窟内にある天使の翼部分を破壊して幻覚解けるか試みてみるってさー。

    >戦闘
    ヤックルロアと対峙したら坊やは前衛、ボクは中衛で戦う事になるよ。
    「タロットダンス」で攻撃が主かナ。


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