【夜桜】紅い月に惑わされ(木口アキノ マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

 サクラウヅキに古くから伝わる秘酒があるという。
 杯に注いだ秘酒に、ヨミツキと月を映して異性に飲ませれば、その人はたちまち恋に落ちるそうだ。
 もちろん、単なる言い伝え。
 秘酒とされる酒、存在するにはするが、実際にはそこまでの力はない。
 ただ、飲むと気分が高揚しやすいため、そう言われているのだ。
 ところが、だ。
 サクラウヅキから分離され、夜と瘴気の支配する世界となったサクラヨミツキ。そこに禍々しく光る紅月。
 それらが怪しい力をもたらした。
 かくして秘酒は本物の力を持ち、それを知るところとなったマントゥール教団が、その秘酒を悪用せぬはずがなかった。

 人というのは強いもので、どんな逆境に置かれても、そこに楽しみを見出すことができるようだ。
 サクラヨミツキ、夜の世界を楽しもうと、新たな酒場がいくつか開店している。
 しかし、A.R.O.A.に妙な噂が届いた。
 酒場のうちのひとつが、マントゥール教団により経営されているものである、と。
 教団はそこで、資金集めと教団への勧誘を行っている。
 勧誘は妙な手口を使っているらしく、なぜか男性、特に精霊が次々と入信しているという。
 早速A.R.O.A.は潜入捜査を開始した。
 まずは教団経営と思しき酒場をいくつか選定し、そこへ店員としてA.R.O.A.職員を派遣する。
 彼らからの報告により、教団関与の可能性が濃厚と判断された酒場に、今度はウィンクルムが客と店員とに扮して潜り込む、といった方法だ。
 今回あなたたちに与えられた任務は、酒場「月桜」に神人は1日体験入店のホステス、精霊は客として潜入し教団の勧誘手口を明らかにしたうえで、オーナーの男性を確保すること。
 先に店員として潜入しているA.R.O.A.職員の男性、ホリーが色々と手配をしてくれるであろう。

 こうしてあなたたちは酒場「月桜」に潜入した。
 客として潜入した精霊が通されたのは個室で、ホステスが1人つく。
 ホリーのはからいで、あなたは後からヘルプ要員として自分の精霊の個室へ入れることになった。
 ところがそこで見たのは、ホステスに完全に惚れきっている精霊の姿であった。
 怒っている場合ではない。
 秘酒の噂は聞いていた。
 その力でこうなったのだと判断したあなたは、こう考えた。
 だったら、こちらに惚れさせてやるまでよ!!
 パートナーの好みはこれまでの付き合いでそれなりにわかっているのだ。
 それを駆使して、こちらに振り向かせてみせる、落としてみせる!

解説

バトルはバトルでも恋愛バトルです。
秘酒により惚れやすい状態になっている精霊を、ホステスとあの手この手で奪い合いです。
精霊を自分に惚れ返させれば、その後はオーナーを捕獲するため、逃げようとするオーナー、さらに捕獲を邪魔しようとする店員たちとの戦闘になります。
戦闘が終わるころには、秘酒の効果も切れていつもの精霊に戻っていることでしょう。
バトルコーデはホリーが預かっていてくれます。必要な時には届けてくれるでしょう。
恋愛バトルパートでは神人、精霊共にお好きな衣装を指定してください。  
これも、ホリーが用意してくれます。
飲食物の注文も受け付けます。簡単なものなら大抵揃っています。費用は経費で落ちますが、高価なものを注文してはA.R.O.A.会計が泣きますので、ホリーに止められます。
恋愛バトルパートは個別描写、オーナー捕獲バトルは、精霊を取り返したペアから順に参加することになります。
バトル中はまだ秘酒の効果が続いているので、精霊はいつも以上にあなたをお姫様扱いしてくれるかもしれませんね。バトル終盤になるほどにその効果は薄まっていきます。
任務の性格上、参加は精霊の実年齢が20歳以上のウィンクルムにお願いいたします。
また、神人に年齢制限はありませんが、ヘルプとはいえ酒場のホステス役を演じることになりますことを、ご了承ください。

ゲームマスターより

秘酒は男性、特に精霊に効きやすいものだったようです。
教団員は秘酒の力で惚れさせて、入信させていたんですね。
恋愛バトルと捕獲バトルとに分かれており、さらに恋愛バトルは個別描写となるためEXとさせていただきます。
また、アドリブも多めになるかと思います、ご了承ください。
精霊と恋仲にある人もそうじゃない人も、熱いラブバトルを楽しんでいただけると嬉しいです。

最後になりましたが、この度の震災で被害に遭われました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
1日も早いご復旧をお祈りいたします。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

月野 輝(アルベルト)

  何、これ?
アルが女性にこんなデレっとしてる姿なんて初めて見るわ
ある意味面白いけど…ムカムカの方が大きいわね
絶対に取り戻してみせるんだからっ!

アルは基本的に女性の武器を前面に出されるの嫌いなはず
だから
・お酌をする時はちょっと手を震えさせて
・少し零して「ごめんなさいっ!」と大慌てでズボンを拭いて
・その時にうっかりした風に手に触れ、ハッと顔を赤らめながら顔を見つめる
少しドジをしつつ「こう言うの慣れてなくて…」
それでも手は抜かない姿勢を披露
アルは真面目で一生懸命な人が好きなのよ、知ってるんだから

■戦闘
ハイトランス・ジェミニを使用
アルは店員を押さえておいて
私はオーナーを追うわ
出入口前に立ち塞がり通せんぼ


夢路 希望(スノー・ラビット)
  衣装:
ショートインロングドレス
グローブ


事前:
可能ならホリーさんに店内の出入口確認
オーナーへ挨拶(顔把握

恋愛:
彼の様子に内心ムッ
(今は我慢…笑顔です)
ノゾミです、宜しくお願いします

可愛いお耳ですね
髪もふわふわ
…あの、触れても、いいですか?
耳から髪を優しく撫でる
目が合えば微笑み
おねだりにはあやすような手つき

フード相談では自然と距離詰め
フルーツ盛り(小)とかどうでしょう?
内緒で林檎を兎切りにしてもらい
喜ぶ彼の口元へ
はい、あーん
ふふ…甘えん坊さんですね

手を重ね上目遣い
ユキのこと…もっと知りたいです

捕獲:
先ならHTRジェミニ、出入口に立ち塞ぎオーナー逃亡阻止
後なら店員対応中心
武器の柄で転ばせ足止め隙作り


クロス(オルクス)
  ☆セクシー系 蒼と桃色のグラデロングドレス

☆恋愛
・酒は極力飲まない
(あんのクソ狼がぁぁあああ!
何デレデレしてんだよっ!
今迄俺の事好きだとか言ってたのに!
別れたけど!ムカつく!
「おいオルク!お前又こんなに甘いもん頼んで!
病気になるから程々にしろって言っただろ!?
…っ!(ズキッ
そう…オルクはもう俺の事、好きじゃ無いんだな…
当たり前だよね、こんな中途半端でディオも好きな俺とじゃ元々釣り合う訳が無い(ポロポロ
だからお前がそいつと付き合いたいなら俺は身を引くよ…
オルクが幸せなら俺は嬉しい、から…(泣笑」

☆捕獲
・逃走経路を事前把握
・先でも後でも店員対処
・場合によりHTR
・刀の峰打ちか体術
・ロープで縛る


ユラ(ハイネ・ハリス)
  誰だこの人…!?
こんなの珍しいから暫く眺めて…いやいや、そんな場合じゃない
でも私、好みのタイプとか知らないからなぁ

二人のやり取りを眺め)
ハイネさんってこういう人が好きなんだ
へーそう…なら私じゃダメだね
美人でもないし、胸もないし…(しょぼん
そ、そうかな?
(ハイネさんに褒められると、とても照れるっていうか…
あれ、惚れさせるつもりが落とされてる私!?
でもチャンスだよね?ちょっと恥ずかしいけど、もうひと押し
頑張れ私!

精霊の手を取り)
それじゃあ私の事、好き?

精霊が戻り次第トランス
事前に逃走経路と標的の顔を確認
客の避難誘導等はホリーに協力依頼

戦闘後)
ねぇ私可愛い?
そ、そう…(秘酒の効果まだ切れてないのかな


オンディーヌ・ブルースノウ(エヴァンジェリスタ・ウォルフ)
  事前にオーナーの特徴、非常口等逃走経路と照明の場所を確認
深いブルーのクロスホルターネックドレス

前半
対女性
微笑と品性を失わず、フォローに見せかけ褒め殺し
相手のマウントを取ることも視野に

対精霊
迫られる精霊に密かに苦笑
じっと見つめ、目が合えば安心させるように微笑
机上をこっそり整頓(単に気になる
好意の言葉は通常通りストレートに
話下手な精霊の会話をさり気なくフォロー
精霊が居心地良くあるよう心がけ
ふたりだけの会話を増やす
スコッチ・バルヴェニーをストレートで
お好きなのではと思いましたの
チェイサーを渡す時などにさり気なく触れ、僅かにはにかみ

後半
照明を適度に上げて戦闘時の視界確保
精霊と行動を共にし、援護に回る


●戦いの前に
 任務に当たるウィンクルムたちはそれぞれ配置についた。
 つまり、精霊は男性客として。神人は1日体験入店のホステスとして。
「よろしくお願いします!」
 ずらり並んだ美女たちに、店のオーナーは相好を崩した。
 美女なうえに、自分たちから「オーナーにご挨拶がしたい」と申し出てくるとは、なんて熱心な娘たちなのだろう。
 彼女たちひとりひとりに声をかけると、皆真剣な瞳でこちらの顔をじいっと見つめ返してくれる。
 実際には、オーナーの外見を記憶しようとしてじいっと見ているのだが。(背は、あまり高くないわね)
(肥満とまではいかないけれど、小太り、という感じですわね)
(年齢は40歳前後ってところか?)
(鬘の色が……地毛の色と合ってなくて気になります)
(どうして蛍光色のジャケットなんか着てるのかな。目が痛くなりそうだよ)
 と、神人たちはそれぞれ彼を観察していたのだ。
「体験入店とはいえ、慣れない仕事で大変なこともあるかと思う。是非頑張っていただきたい。店の二階突き当たりが私の執務室だ、何かあったら相談に乗ろう」
 精一杯威厳のある態度をとり、オーナーは最後にそう言うと、ホステス控え室を出て行く。
「……ということです」
 廊下から聞こえるオーナーの足音が遠くなってから、ホリーが口を開く。
「オーナーの顔も覚えたし、執務室の場所もわかりましたわ。あとは、屋内見取り図があると助かりますわ」
 オンディーヌ・ブルースノウが言うと、夢路 希望も
「できれば、店内の出入口を把握しておきたいです」
 と言う。
 ホリーは室内デスクにある書類入れから見取り図を探し出してくれた。
 事前にオーナーに挨拶を、というのも神人たちからの発案であった。オーナーがすんなりと顔を出してくれたおかげで、神人たちは皆、彼の顔をしっかりと覚えることができた。
 ホリーが見せてくれた見取り図で、神人たちは店の間取り、非常出口の場所を確認する。
「一階はメインフロアと個室に分かれているのね。6部屋ある個室部分とメインフロアの間に厨房、厨房向かいに二階に登る階段があるわね」
「二階は今私たちがいる控え室と、その隣に衣装室兼更衣室、さらに奥にオーナーの執務室、だね」
「非常出口はメインフロアのカウンター奥と、厨房の廊下を挟んだ向かい側、だな」
 月野 輝、ユラ、クロスは特に、記憶スキルでしっかりと見取り図を頭に叩き込む。
「個室が6室もあるんですね」
 希望が呟く。多めの個室は、そこでなにやらよからぬ計画が為されている可能性を示唆している。
 精霊たちには前もって、個室での接客を注文するよう伝えてあり、ホリーの計らいで彼らが入店するまで個室は空室状態にしていた。
 そろそろ精霊たちが個室に通され、最初のドリンクに口をつけている頃だろう。
「では皆さん、お願いしますね」
 ホリーが控え室の扉を開ける。
「他のお客さんの避難誘導が必要になった時には、お手伝いをお願いね」
 ユラはホリーにそう頼み、神人たちはそれぞれの持ち場へと向かった。

●ドレスは戦闘服
 元軍人であるが故の鋭い目つきのうえに、長身でガタイの良いエヴァンジェリスタ・ウォルフが黒スーツにボルドーのバンドカラーシャツに身を包めば、申し訳ないがとても堅気の人間には見えない。
 しかし、どんな客でも笑顔で接客できるのが一流のホステス。
 隣に腰を下ろしたのは、彼とは対照的に小柄で、よく笑いよく喋る女性であった。
 元来このような店も苦手であり、よく喋りべたべた絡むような女性も苦手なエヴァンジェリスタだが、これも任務だと耐えることにした。
 耐えることに関してはさほど苦手ではない。
「サクラウヅキでこの時期だけ飲める、良いお酒があるのよ」
 まあ、今はサクラウヅキじゃなくてサクラヨミツキだけどね、と肩を竦めて笑うホステス。
 今だけ飲める良い酒、という存在はエヴァンジェリスタの心を揺さぶる。
 そんな風に言われては、酒好きとしては試さずにはいられない。
「では、それを」
「わあ、嬉しい。私のお勧めを飲んでくれるなんて」
 ホステスはエヴァンジェリスタに肩を寄せ、彼を見上げて笑った。
 肩が触れているが、我慢。
 すぐに運ばれてきた酒は、桜のような薄紅色で見た目も美しく、杯を持ち上げると思わず深呼吸したくなるほど芳醇な香りが鼻腔に届く。一口、口に含めばひやりと冷たくアルコール成分が舌を刺激するが、口内で温められていくうちに仄かな甘みが広がって、飲み下すと胸が温かくなる。
 飲み易く、良い酒であった。
「……旨い」
 口をついて出る言葉。さらにもう一口二口と杯を傾ける。
「うふふ。美味しいでしょ。なかなか手に入らないお酒なのよ。今このお酒を出せるのはうちのお店くらいじゃないかしら。あら、もう空けてしまったの?もう一杯注ぎましょうか」
 するりと身を寄せ、二杯目を注がれる。
「あなた美味しそうに飲んでくれるのね。もっと注ぎたくなっちゃう」
 エヴァンジェリスタの膝に手を置きころころと笑うホステス。
(このような女性も存外愛らしいものやもしれぬな……)
 容姿だって悪くはない。もしも自分がウィンクルムではなく普通の男だったとしたら、もしかしたらこんな女性が伴侶になった、そんな未来もあったかもしれない。

 オンディーヌは個室へ向かうまでの間も抜かりなく店内の様子に視線を巡らせていた。
 特に、照明の配置、スイッチの位置。
 敵の手口をハッキリさせた後は、あのオーナーを捕らえなければならない。薄暗い店内では行動に支障が出る。必要な時には照明を適度に上げられるようにしておきたい。
 気を引き締めつつ個室の扉を開ける。と。
「きゃー、綺麗な毛並〜」
 エヴァンジェリスタの尻尾にじゃれつくようにその毛流れを手櫛で弄るホステス。そして驚くべきことに、エヴァンジェリスタが満更でもない表情を見せている。
「……まぁ」
 雰囲気を察したオンディーヌはセルリアンブルーの双眸を細めた。
(面白いことになっていますわね)
 オンディーヌは表情筋に極上の笑みを乗せ、声をあげる。
「失礼いたしますわ。お手伝いに参りました、オンディーヌと申します」
「あら。そういえば新人さんが来るんだったわね」
 客の手前、「体験入店」ではなく「新人」扱いである。
「至らぬところもありますが、よろしくお願いしますわ」
 楚々として歩けば、オンディーヌの氷のように美しい長髪が揺れる。
 彼女の身を包んでいるのは、その瞳と髪の色を引き立たせるような深いブルーのクロスホルターネックドレス。
 彼女はまるで、自分を一番美しく見せてくれるのはどのようなドレスなのか、知っているかのようであった。
 しかし、その装いは異性の目を引くためのものではない。
 同性に、自分の美しさを誇示するためのもの。自分には敵わないと思わせるための武装。
 そして微笑みは優美なる敵意。
 スカートの裾を揃えつつ、オンディーヌはエヴァンジェリスタの反対側、先輩ホステスの隣に腰をおろす。
 エヴァンジェリスタに密着せずとも勝負はできる。いやむしろ、密着しないからこその戦い方がある。
「あなたはまだ慣れていないでしょうから、無理はしないでね」
 先輩ホステスに小声で言われ、オンディーヌは上品な微笑みを返す。
「はい。先輩のお仕事をよくお勉強させていただきますわ」
 言葉とは裏腹に自信に満ちたその笑顔は、暗に「あなたに学ぶことはなにもない」と言っているようなものだった。
 オンディーヌの余裕の笑みに、先輩ホステスは負けたくないと焦りを感じる。負けなくないと思うことがすでに負けの始まりなのだと気付かずに。
 ホステスはエヴァンジェリスタに向き直ると、
「じゃあ、改めて飲み直しましょ」
 と笑顔を作る。
「あら」
 オンディーヌが声をあげる。
「それでしたら、お好みのお酒を新しく頼みますわ。何がよろしくて?」
 ずっとホステスのペースで飲んでいたエヴァンジェリスタだったが、ここにきてようやく、自分に合わせてもらえたことにほっとした。
 オンディーヌと目が合えば彼女はエヴァンジェリスタを安心させるように微笑んでくれる。
 安堵もあり、素直に自分の好きな酒の名を挙げる。
「では、バーボンを」
「承知いたしましたわ」
 するりと立ち上がり、扉を開けて鈴を鳴らしボーイを呼び酒を頼む。
 戻ってきて座るまでの所作は指先まで美しく隙がない。
 負けてなるものか!と思ったのか、酒を待つ間、ホステスは弾丸のようにエヴァンジェリスタに話しかけ、肩に触れたり手を取ったりと気を引こうとする。
 元々無口なエヴァンジェリスタは会話に困り助けを求めるようにオンディーヌを見る。
 すると彼女は、散らかったテーブルの上を整頓している最中であった。
「どうしましたの?」
 視線に気付き顔を上げたオンディーヌが微笑む。
 ぐらりとエヴァンジェリスタの心が揺れた。
 自分の新人はこんなにも美しく、気の利く女性だったのか、と。
 やがて運ばれてきたバーボン。
 それを飲み干すころに、なぜかストレートのスコッチ・バルヴェニーが届く。
 エヴァンジェリスタが不思議そうな顔をしていると、オンディーヌが微笑む。
「お好きなのではと思いましたの」
 エヴァンジェリスタは、オンディーヌが自分の好みを把握していることに感動を覚えた。
「こちらもどうぞ」
 と、オンディーヌはチェイサーを差し出す。
「いただくであります」
 エヴァンジェリスタがグラスを受け取る際に、ふと指先が触れ合った。
 オンディーヌの指先が、驚いたようにピクリと震えたものだから、エヴァンジェリスタもはっとして彼女を見つめる。目が合えば、触れたことを恥じらうようにはにかみ視線を逸らすオンディーヌ。その表情は、これまで完璧な美しさを見せていた彼女の小さな綻び。それ故に、一層いじらしく愛おしく見える。
 最早2人の間に座っているホステスの存在などないかのようであった。
 オンディーヌは控えめに、けれどエヴァンジェリスタに合わせた会話を楽しみ、スコッチを飲み終えるころには、彼の心はしっかりとオンディーヌに魅了されていた。

●いつだって懸命に
 無難なスーツ姿で客を装ったアルベルトは、これは一体どうしたことかと、自分自身に疑問を持った。
 目の前にいるのは、色香を醸し出した女性。
 こういったタイプの女性には興味がなく、ほぼ関わることもなかったというのに、彼女はどうしてか、アルベルトの目に大変魅力的な女性に映っているのである。
 その原因は彼女に勧められた酒にあるのだが。
「どうしたのかしら?」
 アルベルトの視線に気付いたホステスは、一層魅力的に笑ってみせる。
「あ、いいえ……」
 アルベルトとしたことが、思わず頬を赤らめて視線を逸らしてしまう。
 輝が部屋を訪れたのは、丁度その時。
(何、これ?)
 作り笑顔の輝の頬が引き攣った。
 輝の心境は複雑であった。
 なにしろ、アルベルトがこのように女性にデレっとしている姿なんて初めて見るのだ。
 ある意味面白い光景かもしれない。  
 だが、婚約者の輝にだって、今までこんな表情を見せたことはあっただろうか?
 そう考えると胸の底からムカムカとした気持ちが湧き上がり、「面白い」なんていう気持ちを上回った。
(絶対に取り戻してみせるんだからっ!)
 ムカムカ、というよりむしろ闘志に近い。
 とはいえ、どうやって?
 考えを巡らせている間にも、ホステスはアルベルトの腕に身を寄せ、親しげに耳に何事か囁いている。
 それに対し笑顔で応じているアルベルト。すっかりホステスに見惚れている様子だ。
 しかし、アルベルトは元々あのような女性が好みだっただろうか?
 彼は基本的に女性の武器を前面に出されるのは嫌いなはずだ。
(アルの女性の好み……)
 曲がりなりにも輝はアルベルトに将来の伴侶にと選ばれた身である。
 であれば、アルベルトは輝のどこかに、女性としての魅力を感じていたことになる。
(私の魅力……って、どこかしら)
 自分の長所というものは、なかなか自分ではわからないものである。
(例えば……真面目だとか?)
 自分で言うのもなんだが、何にでも一生懸命になれる自身はある。
 あとは……。考えているうちに、輝をからかういつものアルベルトの顔が思い浮かんだ。
(アルは、私がドジなことをしたときもとても楽しそうに笑っていたわね)
 真面目で一生懸命、でもちょっとドジなところもある女性。
 それが、輝の導き出したアルベルトの理想の女性像であった。
(よし、その路線でいくわよ)
 輝はひとつ頷くと、ワインレッドのラメ入りドレスの裾を揺らして歩きだす。
 ホステスとの会話に夢中なアルベルトの後ろ側を回って、ホステスとは反対側の彼の隣に腰を下ろす。
 会話が途切れるタイミングを見計らい、酒瓶を持ち上げる。
「グラスの中身が減っているみたいですね」
 声をかけると、やっとアルベルトはこちらを見てくれる。
「ああ、ありがとう」
 アルベルトが持ち上げたグラスに、輝は酒を注ぐ。
 微かに震える輝の手。グラスの中の酒もそれに合わせて水面が揺れる。
 これは輝の作戦である。わざと震えてみせることで、「男性に酌をするのに慣れていないけど一生懸命やってますアピール」である。
 なかなか芸が細かい。
 そしてここから、さらに高度なテクニックに挑戦する。
 注ぎ終えて酒瓶を戻す際に、大ごとにならない程度の量の酒を溢す。
「きゃっ、ご、ごめんなさい」
(どうしよう、アルにかかっちゃった!)
 少しテーブルの上に溢してドジアピールのつもりであったが、手元が狂いアルベルトの膝にも酒がかかってしまった。
 演技の中に本気の焦りが混じる。
「やだ、大丈夫?」
 ホステスが慣れた手つきでタオルを取り、アルベルトの膝を拭こうとする。
「わっ、私がやります!」
 大慌てでホステスからタオルを奪い急いで酒を拭き取る。
 これは、ホステスに拭かせてなるものか!という闘争心ではなく、本気で、「自分でやってしまったことには自分で責任を取らねば」と思って咄嗟に出た計算外の行動であった。
(うう……失敗してしまったわ)
 なんとか挽回しなければ。
 輝はズボンの酒を拭き取り終えると、うっかりを装ってアルベルトの手に触れる。
「あっ」
 小さく声をあげ、はにかむように視線を逸らして俯く。
 それからもじもじとアルベルトの顔を見つめる。
 ここまでの努力が功を奏したのか、彼は、くすくすと笑っていた。
 あともうひと押し。
「こう言うの慣れてなくて……」
 手にしたタオルを畳もうとして手を滑らせ落とすが、すぐに拾い上げ綺麗にたたみ直す。
 ドジはしても手は抜かないアピール作戦は続く。
 アルベルトは次第に、一生懸命な輝の姿に惹きつけられていく。
 正確に言えば、一生懸命に「ドジだけど一生懸命なホステス」を演じる輝に。
 ついにアルベルトはぷっと吹き出す。
 ホステスに向かい
「あなたも魅力的でしたが……」
 と言うと、輝の肩を引き寄せる。
「やはり輝の方が良い」
 輝は小声でアルベルトに囁く。
「アルが真面目で一生懸命な人が好きなの、知ってるんだから」
 どうだ、と言わんばかりの自信満々の顔で。
「なるほどねぇ」
(真面目で一生懸命な人がと言うより、輝がそのタイプだっただけなんだが)
 と、アルベルトはこっそり笑った。

●ふわふわ、撫で撫で
 希望とスノー・ラビットは事前の打ち合わせもしっかり行っていた。
 服装は、希望はパステルピンクのショートインロングドレスに同色のグローブ。スノーはオフホワイトのチノパンに生成りのシャツといった白基調の綺麗系でまとめたうえに指なしのアームカバーで手の甲の紋章を隠すことにも気をくばる。
 さらに、店の者には顔見知りであることを伏せ、スノーは綽名の「ユキ」で通すことを2人で決めていた。
 希望がいざ個室へ入ると、そこは、肉食動物に草食動物が襲われている現場であった。
 もとい。
 肉食系お姉さんがスノーにぐいぐい女子アピールしている最中であった。
 実はスノー、お酒を飲むのは初めてであった。
 以前に依頼で菫の砂糖漬けを摘んだ際に砂糖酔いで酔った気分になったことはあったけれど。
(お酒、苦かったけど何だかいい気分)
 なんだかふわふわと頭の芯が揺れている感じで、胸も温かく、全てが心地良く思える。
 スノーは上気した顔でへにゃりと笑い、お姉さんに腕を絡まれても
(うわー、あったかーい、やわらかーい、いい気持ち〜)
 と、されるがままである。
 そう、希望が部屋に入ってきても。
 そんな彼の様子に内心ムッとしつつも、希望はぎこちなく笑顔を作る。
「ノゾミです、宜しくお願いします」
「よろしくね、ノゾミさん」
 緩みきった笑顔のスノーにそう返される。
(今は我慢……笑顔です)
 希望は自分にそう言い聞かせ、ぺこりと一礼すると、テーブルを挟んでスノーの前を横切り、彼の隣へと移動する。
 ショートインロングドレスはショート部分の裾が意外と短く、歩くと思ったよりも脚が露わになる。
(こ、これは、恥ずかしいです)
 それでも毅然と背筋を伸ばし、希望はスノーの隣に腰を下ろす。
 その間にもお姉さんは
「この耳最高!たまらない〜」
 とスノーの兎耳を撫で撫で。
 スノーも心地よさそうな笑顔だ。
 その様子を見て、希望の密かな闘争心に火がつく。
(甘いです、お姉さん……!スノーくんの耳の撫で方はそんなんじゃダメです!)
 希望は微笑んでスノーの顔を覗き込む。
「可愛いお耳ですね。髪もふわふわ」
「だよね!」
 希望の言葉を受けてここぞとばかりにスノーに触れまくるお姉さんはあえて無視。
「……あの、触れても、いいですか?」
 普段ですら勇気の要る言葉を、スノーの瞳をじっと見つめて口にする。
「えへへ……うん、どうぞ」
 きちんと化粧を施した希望から間近に見つめられて、スノーは相好を崩す。
 希望はスノーの手触り良い耳にそっと手を伸ばし、耳から髪を優しく撫でる。
 スノーの表情がうっとりと幸せそうになる。
 どんなふうに触れられるのが一番心地良いのか、希望の手はこれまでの経験で知っているのだ。
「……もっと……お願い」
 そう強請るスノーと目が合うと、希望は微笑み、さらに優しく、小さな子をあやすような手つきで撫でる。
 2人きりの世界が出来上がりつつあった。
 が、ここでお姉さんのブロック!
「そろそろ何か食べたくならなぁい?」
 ふんわりとした良い雰囲気を打ち壊すように、スノーの前にずいとメニュー表を差し出す。
「ん……せっかくだから分けて食べられるものにしたいな」
 スノーの意識が希望から離れてしまう。
 しかし希望もお姉さんの妨害をガード!
「フルーツ盛りとかどうでしょう?甘くてもスッキリして良いと思います」
 と、相談するついでに更にスノーとの距離を詰める。
「じゃあ、それをお願いしようかな」
「わかりました」
 希望はすいと立ち上がり、また、テーブル越しにスノーの前を歩き注文のために扉へ向かう。
 ひらひらしたドレスの裾はスノーの視線を引き寄せ、引き寄せられた視線は自然と希望の脚へ向かう。
(ノゾミさんの脚……あんまりじっくり見たことないけど、キレー……)
 いつもの控え目な希望はもちろん大好きだ。だけど、こんな希望もまた違った魅力がある。
 やがて運ばれてきたフルーツ盛りを見て、スノーは子供のように歓声をあげ、満面の笑顔になる。
 林檎が、兎の形にカットされているのだ。もちろん希望の計らいである。
希望は、喜ぶスノーの口元に兎林檎を運ぶ。
「はい、あーん」
 顔を赤らめて恥じらいがちに「あーん」された林檎に、スノーはパクリと食いつく。
 甘酸っぱい林檎をシャクシャクかじるスノーの姿に、希望は微笑む。
「ノゾミさん、あーんってして?」
ふいに、お返しの林檎を差し出され、希望は一瞬目をぱちくりさせるも、
「ふふ……甘えん坊さんですね」
 と、その林檎を口に含む。
 いい雰囲気になったところで、お姉さんの妨害が入る前に希望はスノーの手に自分の手を重ねる。
 こくん、と林檎を飲み込むと、上目遣いでスノーの赤い瞳をじっと見つめる。
「ユキのこと……もっと知りたいです」
 ユキ、と呼ばれると、まるで出会ったばかりの頃の希望にそう言われたような気分にもなり、スノーの胸はきゅんっと高鳴った。
「……僕も……」
 スノーは重ねられた希望の手を包み込むように握った。
 もはや、お姉さんの妨害など効力を持たない。スノーの心は希望のものであった。

●落とすつもりで落とされて?
 いつもの神官服ではさすがに場にそぐわないということで、シンプルなシャツ姿になったハイネ・ハリスの隣についたのは、スレンダー美人という言葉がぴったりくるような女性だった。
 どうせ普段からやる気のないハイネなのことだ、どんな美女ホステスが来ようとたいして反応もせずにいるのだろうと思いきや。
(誰だこの人……!?)
 ユラの知っているハイネの姿とは別人のようであった。
 まず、女性に対してこんなに優しい顔を向けているハイネを見たことがない。
 その笑顔は残念なことにユラに向けられているものではなく、隣に座るホステスに向けてのもの。
 そしてホステスが会話の合間に肩や腿に触れても、嫌な顔ひとつせずにそれを受け入れている。
 ハイネは女性に触られても平気な人であっただろうか?ハイネが女性とここまで接近していたことが、未だかつてあっただろうか?
(こんなの珍しいから暫く眺めて……いやいや、そんな場合じゃない)
 ユラはぶんぶん首を振る。
 このままでは、ハイネがマントゥール教団に引き込まれてしまう。
 それを避けるためにはハイネの心をホステスから引き離し自分に向かせなければ。
 しかしここでひとつ問題が。
(でも私、ハイネさんの好みのタイプとか知らないからなぁ)
 どうやって自分の方を向かせればいいのやら。
 とりあえず、ホステスの隣にちょこんと座り、2人のやり取りを眺めることにする。
 ホステスは当たり障りの無い世間話をしたり、ハイネが興味を持ちそうな経典の話をしたりと話題が豊富だ。
 それに対し、優しく微笑み返事を返すハイネ。
「ハイネさんってこういう人が好きなんだ」
 するりと、そんな言葉がユラの口をついて出てしまった。
「好き?」
 ハイネが復唱すると、室内に少しの沈黙が流れる。
 いち早く、ホステスが
「あら、そうだったら嬉しいわ」
 と、気まずい空気を破ってくれる。
 ハイネは少し考えるような素振りを見せてから、
「……そうだね」
 と肯定する。
「顔もスタイルも理想としては完璧じゃないかな」
「ふふ、褒め上手なんだから」
 ホステスが軽くハイネの腕を叩く。
 ハイネの返答は、思ったよりもユラの心に刺さりこんだようだ。
「へーそう……なら私じゃダメだね」
 意図せずに抑揚を無くすユラの声。
「美人でもないし、胸もないし……」
 視線はどんどん下がっていって、レモン色のシフォンスカートを穿いた自分の膝へ。
 そんなユラへ、意外そうな顔でハイネが言葉をかける。
「そんなことはないだろう」
「へ?」
 ユラは顔をあげ、ハイネを見つめた。
「君は美人ではないけど」
「……ぐっ……」
「愛嬌はある」
 一応、元気付けてくれているのだろうか?いや、ハイネという男はそこまで気が効く男ではないだろう。おそらく、他意なく思ったままを言っているだけだ。
 けれど、一旦落ち込んだ心に彼の言葉はなかなか悪い気はしなかった。
「優しい所もあるし、マイペースなのも嫌いじゃない」
 言われる度、だんだん元気が出てくる。
「それに笑った顔は可愛いよ」
「そ、そうかな?」
(ハイネさんに褒められると、とても照れるっていうか……)
 面映くなり、ユラはハイネから視線を外す。
 しかしハイネは外された視線を追うようにユラの顔をじーっと覗き込んでくる。
「そうか、君って可愛いんだね」
 今までハイネに言われたことのないセリフを言われ、ユラは赤面して固まる。
「やだ、新人さんなんだから、あまりからかわないであげてよ〜」
 ホステスが嗜める声は、どこか遠くで聞こえているようで。
(あれ、惚れさせるつもりが落とされてる私!?)
 ユラは熱くなった自分の頬を押さえた。
(でもチャンスだよね?ちょっと恥ずかしいけど、もう一押し)
 頑張れ私!と自分を奮い立たせる。
 思い切ってずずいっと身を乗り出し、間にいるホステス越しにハイネの手をとる。
 じっと彼の顔を見つめて、思いつめた声で問う。
「それじゃあ私の事、好き?」
 ハイネは数秒キョトンとし、ユラの言葉を反芻する。
「好き?」
 この言葉を問い返すのは、2度目。
 だが、先程よりもストンと腑に落ちたような表情になると、こくんと頷く。
「うん、好きだよ」
 ユラの顔がぱあっと明るくなる。それを見て、にっこり笑うハイネ。
「君と一緒にいると飽きないしね」
 それに……。言葉には出さないが、ユラに触れられた時に感じる体温のほうが、ずっと落ち着いたから。
 見つめ合うユラとハイネ。
「えーっと。挟まれた私の立場は?」
 ただ1人、ホステスは困惑するのみであった。

●涙の力
(あんのクソ狼がぁぁあああ!何デレデレしてんだよっ!)
 扉の隙間から室内の様子を窺っていたクロスは、ギリギリと壁に爪を立てんばかりの怒りを感じていた。
 ワンショルダーで深いスリットの入ったロングドレスは、肩から裾にかけて、蒼と桃色のグラデーション。なんとも色香漂うドレスであるが、それを見に纏っているクロスから漂うのは色香ではなく、怒気。
 中にいるオルクスは、白のワイシャツに薄い水色のネクタイで清潔感のあるスーツ姿。こざっぱりとして仕事も趣味もソツなくこなしてます、というサラリーマン風。
 酒は強く俗に言う「ザル」であるオルクスは、件の秘酒もすでに飲み干し、新たな酒瓶がテーブルに並んでいる。
 そのせいか、オルクスは非常に饒舌であった。
 童顔で金髪の巻き毛という、お人形みたいなホステスに自分から絡みにいっている。
「ははっキミは本当に可愛いなぁ」
 と、彼女の肩に腕を回してみたり。
「え?オレが好みのタイプだって?そんな事言って他の奴等にも言ってるんだろ?」
 軽口を叩いたかと思えば、ホステスの顎を掴みクイと上げ迫る。
「それはそれで妬けるな……?」
 オルクスがホステスに絡む度に、クロスからまるで憤怒のオーラが生じているようだった。
(今迄俺の事好きだとか言ってたのに!別れたけど!ムカつく!)
 クロスは、ばーんっと個室の扉を開けた。
「新人のクロスでーす、よろしくお願いしまーすっ」
 にっこり笑顔、でも禍々しい空気を纏ったクロスの登場だ。
「……ん?クーじゃないか!」
 白々しく言うオルクス。
 クロスは深いスリットのスカートにも関わらず、ずかずか大股で歩み、オルクスの隣にどっかと腰を下ろす。
「おー両手に花だな!」
 かっかっと笑い、両隣の女性たちの肩へと腕を乗せるオルクス。
 だがすぐにホステスの方へ向き直ると、彼女の頬に手を添え見つめ合う。
「だが一番はキミさ」
 ホステスに対して調子の良いオルクスの様子に、ぐぐっと怒りゲージが上がる。
 気持ちを落ち着かせようとテーブルの上に視線を彷徨わせるクロス。
 そこには、扉の隙間から見ていた時には気付かなかったチョコレート菓子やパフェの器、食べかけのケーキ、ドーナツなど、驚くほどに甘いものが並んでいた。
「おいオルク!お前又こんなに甘いもん頼んで!病気になるから程々にしろって言っただろ!?」
 とうとう堪えきれなくなってクロスは目を吊り上げて大声をあげる。
「なんだよクー、今日くらいは良いじゃないか」
 オルクスは煩そうにクロスを振り返った。
「それに別れたんだから関係無いだろ」
「……っ!」
 オルクスの言葉はクロスの心を深く抉った。
(確かに……別れたけど……っ)
 だからって、健康のことを心配してはいけないなんてことにはならないじゃないか。
 クロスは肩を落とし所在なさげにスカートの乱れを直す。
 そんな彼女をよそに、オルクスはまたもやホステスを口説きにかかる。
「あぁそうだ、オレ今フリーだしキミと付き合うか」
 本気とも冗談ともつかぬ口調。
 クロスと想いあっていた時には、例え冗談でも他の女性にそんなことは言わなかったはずだ。
(そう……オルクはもう俺の事、好きじゃ無いんだな……)
 改めて、そう実感する。
(当たり前だよね、こんな中途半端でディオも好きな俺とじゃ元々釣り合う訳が無い)
 任務中だというのに自制がきかなくなり、クロスの銀の瞳から涙の粒がポロポロと零れ落ちる。
 クロスの小さな嗚咽を聴き取り、オルクスは異変に気付く。
「クー……?何で泣いて……」
「お前がそいつと付き合いたいなら俺は身を引くよ……」
 振り向いたオルクスが目にしたのは、涙を零しながらも健気に笑うクロスの姿であった。
「オルクが幸せなら俺は嬉しい、から……」
 自分に振り向かせるよりも。
 オルクスが今、愛しいと思う相手と共にいればいい。
 そうなるように、送り出してやるしかない。
 それが今、自分にできる精一杯なのだから。
 そう思えば思うほど、クロスの涙は止まらなくなる。
「……あ、ははは」
 ふいに、オルクスの唇から乾いた笑いが漏れる。
「馬鹿だなぁ」
 オルクスの言う通りだ。なんて自分はバカなんだろう、とクロスは思った。
 自分の気持ちもどっちつかずで、そのくせオルクスの気持ちが他の人に向いたと思うだけでこんなに涙が出るほど悲しくて。
 しかし、オルクスの「馬鹿だなぁ」に続く言葉は、「馬鹿だなぁ、クーは」ではなく、
「馬鹿だなぁオレは」
 であった。
 オルクスは優しい笑顔でクロスを見ていた。
「こんな良い女がいるのに他の奴に目移りしちまうなんて……」
 オルクスは親指でそっとクロスの涙を拭う。
「ディオスに殺されんな」
 予想外の展開に思考がついていかないクロス。オルクスはその手をとり、唇でその甲に触れた。
「あ……オルク……」
 クロスの瞳から新たな涙。今度は、嬉しさだけで作られた涙だった。

●オーナーを捕獲せよ
 精霊の心を惹きつけ、共に個室を出たオンディーヌは、エヴァンジェリスタに秘酒でホステスに惚れやすくさせられていたこと、これがマントゥール教団の勧誘手口だということを小声で手短に説明し、手口が明らかになった今、すぐにでもオーナーを捕らえに行こうとトランスする。
「けど、わたくし達だけではどうしようもありませんわ」
「うむ……」
 ひと気のない廊下でホリーから装備品を受け取り武装したところで、輝とアルベルトが隣の部屋から出てきた。
 装備を整えトランスを済ませると輝は、
「アルは店員を押さえておいて。私はオーナーを追うわ」
 と別行動をとる旨を提案し、自分も戦闘できるよう、ハイトランス・ジェミニに移行するためアルベルトの手の甲へと口づける。
「これでは逆だな」
 と意味深な言葉を言われ輝が「え?」と顔をあげると、アルベルトは輝の額に口づける。
「……な……!」
 真っ赤になって額を押さえる輝。
「姫へのキスは騎士からするものだからね」
 さらりと気障なことを言うと、エヴァンジェリスタに向かって、
「敵もすぐに異変に気付くでしょう。4人いれば初動には充分です」
 と出陣を促す。
「了解であります」
 生真面目なエヴァンジェリスタの返答が捕獲作戦開始の合図であった。
 アルベルトがメインフロアと厨房から店員が出てこないかと警戒する。
 後方の警戒を彼に任せ、輝とオンディーヌ、エヴァンジェリスタは二階へ登る。
 二階の廊下は真っ暗であった。
「確か、この辺りに……」
 オンディーヌが廊下の照明を点ける。
 一気に明るくしては不審がられるので、まずは薄暗く。それでも今は充分であった。
「二階は静かですね」
 後ろから声が聞こえ、皆驚いて振り向くが、声の主はアルベルトだった。
「アル!」
「一階の店員対策は夢路さんたちに任せてきました」
 どうやら希望もスノーを取り戻したらしい。
「姫を放ってはおけませんしね」
 耳元で囁かれ、輝はまたもや赤面する。秘酒の効果、恐るべし。
 一階では、ハイネとユラが個室を出て武装しトランスしたところで、ハイネの相手をしていたホステスも部屋を出てきて大声をあげる。
「なにかおかしいと思ったら!あなたたち、ウィンクルムね!」
「えへへー、バレちゃった」
 笑ってごまかすユラと、彼女をかばうように前に出て二丁拳銃「ユスティーツの雷鳴」を構えるハイネ。
 拳銃を見てぐっと怯むホステスの後ろから、クロスの手刀が首筋を狙って飛び、彼女を気絶させる。
「遅くなって悪いな!」
 そう言うクロスの目の周りが赤いことには、今は誰も触れなかった。
 騒ぎが大きくなり、厨房からも店員が出てくる気配があったので、クロスとオルクスは急ぎ装備を整えトランスする。
 皆の装備が揃ったところで、ホリーには客の避難誘導に当たってもらう。
「ノゾミさんは僕が守るよ」
 スノーが希望の手を握り、見つめる。
「スノーくん、後ろ……っ」
 希望を見つめすぎて後方の敵に気付くのが遅れるが、希望が祈雨杖「小雪」を持つ手を伸ばし敵の足を引っ掛けて転ばせる。
 ハイネとオルクスはそれぞれの神人を背に守る形で襲いかかってくる店員たちに威嚇射撃。
 距離が近すぎて射撃不可能な場合にはオルクスの体術で店員たちが二階へ登るのを阻止した。
 二階に登った4人は、控え室や更衣室から店員が出てこないか警戒しつつ奥のオーナー執務室へ急ぐ。
 階下から戦闘の音が聞こえてきたので、ゆっくりしている時間はないとわかる。
 オンディーヌに寄り添うように走るエヴァンジェリスタは、彼女が少しでもよろけると即座に手を出し支える。過保護なくらいに。これも秘酒の効果か。
 幸いこの時間、二階の部屋には人がいなかったようだ。
 執務室に辿り着き、エヴァンジェリスタがその扉を勢いよく開けると、中には2人の男がいた。
「あちらがオーナーですわ!」
 オンディーヌが、オーナーと記憶している方の男性を指差す。
 輝も、「間違いないわ」と、小柄で小太りのツートンヘアな蛍光ジャケットの男に向かって走る。
 オーナーは、騒音で異変を感じ取っていたのか、手にナイフを持っていた。
 それを発見し、輝は足を止めた。
 もう1人の男も、武器は持っていないが拳を構え、オーナーの横に立つ。 その体格の良さから、彼は用心棒的存在なのかもしれない。武力はこの男の方が高そうだ。
「アルベルト殿、オーナーを頼むであります」
 エヴァンジェリスタはそう言うが早いか、用心棒の間合いへ入り込み低い位置でベアザハンマーを薙ぐ。
 アルベルトも駆け、オーナーが繰り出すナイフを紙一重で避けると、【大太刀】備前長船の柄で彼の小手を打ちナイフを落とす。
 用心棒は転倒させられ、脛を押さえ悶え苦しんでいる。
 オーナーは痛みに震える手でなおもナイフを拾おうとするが、アルベルトがそれを蹴り飛ばし、オーナーに笑いかける。
「殺してしまわないよう手加減するのって、結構難しいんですよ」
 輝はその笑顔を見て、(出たわね、腹黒眼鏡)と胸中で呟いた。
 オーナーはすっかり戦意を喪失し、膝をつく。
 すかさずエヴァンジェリスタが用意していたロープでオーナーと用心棒を捕縛した。

 縛り上げたオーナーを一階に引き連れていくと、まだ元気のある店員たちは逃げていき、残った、というかウィンクルムたちによって気絶させられていた店員たちは、それぞれロープでオーナー同様捕縛される。
 客の避難を終えたホリーが戻ってくると、皆の手際の良さを称賛した。
 これで任務完了。
 精霊たちの秘酒の効果もそろそろ切れている……はず。
「お化粧したノゾミさんも可愛いね。あのドレス、また着てくれる?」
 希望の手を取り微笑むスノーに顔を赤らめる希望。秘酒の効果が続行しているのか、それともこれは素で言っているのか。
「まあ、今日は面白いものを見せてもらったからいいわ」
 と余裕ぶって輝が言えば、アルベルトがくすくす笑う。
「それはこちらも同じだが」
 一生懸命アルベルトの気を引こうとする輝もなかなか見ごたえのあるものであった。
 輝は自分の仕出かしたドジを思い出し、真っ赤になった。
 ユラはおずおずとハイネに問う。
「ねぇ私可愛い?」
 ハイネはすぐにさらりと答えてくれた。
「うん、可愛いよ」
「そ、そう……」
(秘酒の効果、まだ切れてないのかな)
 ユラは疑うが、効果はもう切れている。
 ハイネは本当にユラのことを可愛いと思っているのだ。ただし、そこに恋愛感情があるとは限らないだけの話である。
「いやー、それにしてもびっくりしたよ。クーがあそこで泣き出すとはな」
 オルクスが思い出して言う。
「あ、あれは……」
 クロスが何かを言おうとするが。
「迫真の演技だったよな。オレを助けるためにしてくれたんだろ?」
 本気の涙だったとは、気づいていないのだろうか。
「ま、まあな!女優張りだったろ?」
 クロスはちくりと痛む胸を押さえ、笑顔を作ってみせた。

 確かに厄介な秘酒だった。
 だが、なかなかに旨かった、と、エヴァンジェリスタは酒の味を思い出して1人頷くのであった。






依頼結果:成功
MVP
名前:オンディーヌ・ブルースノウ
呼び名:貴女、ディーナ
  名前:エヴァンジェリスタ・ウォルフ
呼び名:エヴァン

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 木口アキノ
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル イベント
エピソードタイプ EX
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,500ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 04月21日
出発日 04月29日 00:00
予定納品日 05月09日

参加者

会議室

  • [27]クロス

    2016/04/28-22:35 

  • 何分経験が浅いものですから、お言葉に甘えて
    わたくしも精霊と行動を共にさせていただくことにいたしました
    その他は当初の予定どおり、店員との戦闘へ回りますわ

    プランの方も提出が完了いたしました
    皆様お疲れ様でした
    無事、達成できると宜しいわね

  • [25]月野 輝

    2016/04/28-22:09 

  • [24]月野 輝

    2016/04/28-22:09 

    私、先も後も書く余裕無かったので、とにかくオーナーを追って
    出入口前に立ち塞がるってことになってるわ。
    戦闘部分、ほんとに付け足し程度になっちゃったわね……

    一応プランは提出し終わったわ。
    何かあれば対応はまだ可能だと思うけど、ひとまず挨拶だけしとくわね。
    無事に精霊さん達を取り戻して、教団員を捕まえられますように。

    それでは皆さん……

  • [23]クロス

    2016/04/28-21:45 

    クロス:
    取り敢えずプラン完成
    俺達は主に店員対象、先でも後でも店員メインにしといた
    精霊と一緒に行動ってのも皆同じかな

  • [22]ユラ

    2016/04/28-21:08 

    私のとこは先ならオーナーを、後ならまず出入り口の封鎖に動こうかなと思ってる。
    どちらにしても精霊と一緒に行動するかな。

  • [21]月野 輝

    2016/04/28-20:23 

    あ、店員対策の方多いのね。
    じゃあ、アルには私と一緒に来て貰う事にするわ。
    その方がハイトランスも安定するでしょうし。
    店の中だから少しくらい離れても大丈夫だろうとは思ってたんだけど、
    近くにいた方が安心だものね。

  • [20]夢路 希望

    2016/04/28-17:50 

    私とスノーくんは、一緒に行動する予定です。

    出発ギリギリまで練ったり詰めたりしているので、変更する可能性もありますが……
    現時点では、先の方ならオーナー、後なら店員を、と。
    ハイトランスは検討中です。

  • [19]クロス

    2016/04/28-12:53 

    クロス:
    まぁそれもそうか…
    なんかごめんな(苦笑)
    順番だってどうなるかも分からないし…
    なら俺らは主に店員対策にしようかな
    俺も ハイトランスしようと考えてたけど、俺は場合によってと書いておこう
    出発迄時間無いから決める所は決めておこう

  • [18]月野 輝

    2016/04/28-12:16 

    えっと、私がそうするって言うだけだから、精霊さんがオーナー追っても構わないと思うわ。
    もしかしたら店に入った時に見かけてるって可能性もあるし、
    明らかにオーナーだって判る行動してる可能性もあるし。

    もし私達が戦闘始めるのが先の方だったら、
    私が追ってるのがオーナーだってみんなにも判るって可能性もありそうだし。
    私がオーナーを追うのは、ハイトランスできるからと言うのもあるし、ね。
    基本的に神人のみんなは無理しない方がいいと思うわ。

  • [17]クロス

    2016/04/28-00:09 

    クロス:
    なら神人達がオーナー捕縛担当で精霊が店員担当に分かれるのはどうだ?
    精霊がオーナーの顔を知らないのであればそっちの方が確実な気がするんだが…

  • [16]月野 輝

    2016/04/27-23:43 

    >戦闘

    バトルの時どのペアから戦闘になるのかが分からないので、大ざっぱにしか書けないかなとも思ったのよね。
    とりあえず私達は、ハイトランスジェミニで力を二分。
    教団員相手ならその方がいいと思うのね。
    それで店員の相手はアルに任せて、私はオーナーを追うわ。
    オーナーの顔、アルじゃ分からないかもしれないから。

    そして、この戦闘プランは、ほぼウィッシュに入れる事になりそうね。

  • [15]ユラ

    2016/04/27-22:45 

    私も仮プランは仕上げてみたよ。
    うん、やっぱり捕獲バトルは最低限のことしか書けなかったけど、
    結局は精霊を取り戻せないと意味ないものね。
    恋愛バトルをメインで考えて大丈夫かな。

  • [14]クロス

    2016/04/27-21:56 

    クロス:
    俺もプランには簡易的だけど書ける所は書いといたよ
    取り敢えずメインになるのが恋愛バトルだろうし…
    でもまぁ一応確保の仕方とかは書いといた方が安心だろって認識で良いと思う

  • 月野様のご意見に同意いたしまして、仮プランを仕上げてみましたわ
    ひとまず、現在の所の後半の動きを書いておきますわね

    わたくしは昨夜のとおり、オーナーの逃走阻止と皆様の援護を
    それから、店内が薄暗いと思われるので照明を上げますわね

    エヴァンの動きは、店員を薙ぎ払い援護をメインに動きます

    オーナーの確保につきましては、適性のある方にお願いできたらと思います
    きっとエヴァン向きではないと思いますので…

    上記はあくまで現時点での予定ですから、必要があれば変更いたします
    こう動いてほしい、こっちが都合がいいなどありましたら合わせますわ
    いつでも変更いたしますので、どうぞお気軽にご提案くださいませ

  • [12]夢路 希望

    2016/04/27-01:33 

    ……そうですね。
    ブルースノウさんや月野さんが仰るように、捕獲バトルの方は必要最低限のことをきちんとできればと思います。

    まずは頑張って、スノーくんを、取り戻します。(小声で呟き、拳をぎゅっ

  • [11]月野 輝

    2016/04/27-00:19 

    正直言えば、この依頼の主目的は前半部分よね。
    そちらに重点を置いてプランを書くのが想定されてる物だと思うわ。
    バトルに関する詳細がほとんど無いのもそう言う事じゃないかなって。

    だから最低限で大丈夫じゃないかしら。

  • ひとまずの仮プランを組んでみましたけれど
    やはりどうしても文字数に阻まれますわね…

    事前に非常口等確認して逃走経路把握し、オーナー逃走阻止
    店内が薄暗いと思われるので照明を上げる、程度が限界でしたわ

    どちらかに重点をざるを得ないとなると、どうしても前半戦になってしまいますもの
    事前情報の量から考えても、あまり細かく決めなくとも問題はないのかしらねぇ

  • [9]ユラ

    2016/04/26-23:35 

    店内の状況が詳しく分からないから、どこまで考えるべきなのか悩むよね…
    不安の種を残すのは怖いけど、あまり詰めても強敵(文字数)に阻まれたし。
    捕獲バトルは最低限のことだけ書いておけばいいのかなぁ……

  • [8]夢路 希望

    2016/04/26-22:35 

    すみません、挨拶が遅くなってしまいました。
    夢路希望、です。
    パートナーは、テンペストダンサーの、スノー・ラビットくん、です。
    初めましての方も、お久しぶりの方も、宜しくお願いします。

    出入口の場所の確認や、もし他にお客さんがいた場合の誘導については、
    ホリーさんにできる範囲で協力をお願いできそうであればお願いしたいな、と。

    塞ぎに向かう出入口は、それぞれ別々にするがいいでしょうか?
    情報共有が必要であれば一応サイバースノーヘッドを持っているのですが、
    他に持ち込む方がいるか、運んできてもらうタイミングをどうするか、で迷っています。

  • [7]クロス

    2016/04/26-22:04 

    クロス:
    顔出し遅くなってすまん!!

    >オーナー
    確かにオーナーが俺達の正体を知るのは精霊を取り戻してからだろうな
    なら先回りしなくても平気か…
    そうなると、一番重要なのは逃走経路を断つ事だな
    という事は最後らへんの人達が逃走経路を断つ様にした方が良いのか…
    とは言えそこまで書ける文字数が足りなさすぎて無理そうだ…(汗

    >他の客とホステス
    うーん、そこら辺どうなのか分からない…
    プロローグも解説にも詳しく載ってないからな…
    メインは恋愛バトルらしいから、あまり気にしない方が良いのか…?

  • こんばんは、ご挨拶が遅くなってしまい申し訳ありません
    オンディーヌと申します、パートナーはテイルスのエヴァンジェリスタですわ
    どうぞ宜しく、お見知りおきくださいませ

    確かに非常口等の確認は必須だと思いますわ
    オーナーの捕獲が必要である以上、逃げ道を潰す必要がありますから
    もしも複数あれば、それも念頭に置いて手分けしなくてはなりませんものね

    他の客もですけれど、ホステスの女性たちはどうなのでしょう
    こちらも教団員とみなして問題ないかしら?
    女性たちが教団員であるなら、客とふたりきりにしない方がよいのかしら
    …そこまで気を回す必要はなくて?

    あと気になったのは個室以外の席があるか否かと、店の規模ですわね
    小規模で個室のみであれば、客はわたくしたちのパートナーだけ、とも考えられますけれど
    普通にフロアのボックス席などあれば、戦闘に巻き込まれないよう
    どこかひと部屋に誘導するなど、必要かもしれませんわね

    ただ、月野様の仰るように、戦闘まで手が回らないというのには同感ですわね

  • [5]月野 輝

    2016/04/26-00:28 

    挨拶が遅れてごめんなさい。
    月野輝とパートナーのアルベルトです。
    初めましての方もお久しぶりの方もどうぞよろしくね。

    何というか、おかしな事態になったわねえ……
    こう言うアル見るの初めてで、ちょっと面白いとか思tt…あ、いえ、何でも。

    >他のお客さん
    お客さんは部屋から出ないで貰えばいいのじゃないかしら。
    「皆さん!危険なので部屋から出ないで下さい!」
    って叫んでおけば大丈夫だと思うわ。
    戦闘に関わらない場所にいる人はホリーさんが何とかしてくれるんじゃって気も……
    甘いかしら。

    >オーナー
    オーナーの顔は、体験入店とは言えホステスやるのだし、最初に挨拶くらい
    するでしょうから、その時に確認できるだろうと思ってたわ。

    逃走経路を調べておくのはいいわよね。
    考えられるのは店の出入口と勝手口かしらね。
    非常口とかもあるかもしれないけど、とにかく出入口の場所を把握しておけばいいかも。
    先回りは……必要ないかなって気もするんだけど。
    オーナーが私達をウィンクルムだと認識するのは、
    たぶん精霊さん達を取り戻して部屋から出た後かなって思うのよね。

    そしたら、その時点で抵抗を始めるんじゃないかなって思うのよね。
    そこに、精霊さんを取り戻す事に成功したペアが順番に参戦、って事じゃないかなって。
    後から来たペアは、出入口を押さえれば逃亡は防止できそう……じゃない?


    と言うか……
    精霊さん取り戻すのに文字数食われて、捕獲バトルの方まであまり手が回らない予感がヒシヒシとするのだけど、私(笑)

  • [4]クロス

    2016/04/25-23:49 

    クロス:
    あー、他の客、かー
    そこは考えてなかったわ(汗
    もしいるなら避難誘導もしないと…
    うーん、いるかなぁ…
    でもいそうだよなぁ…

  • [3]ユラ

    2016/04/25-23:18 

    どうも、ユラと精霊のハイネさんです。
    よろしくお願いしまーす。

    いやぁなんていうか…秘酒って凄いねぇ。
    ハイネさんがデレてるとか、珍しすぎてどうしていいか分からない(笑)

    ま、それはともかく。
    お店の出入り口とかはホリーさんが詳しそうだから聞けば分かるかな。
    あとはオーナーがどの人なのか、ちゃんと確認しておかないとね。
    店員の対処とか捕縛とか諸々了解です。
    んーそういえば、私達の他にお客さんいないのかな。
    いるなら避難も考えなきゃいけないけど……?

  • [2]クロス

    2016/04/25-21:11 

    クロス:
    初めましての人も久し振りの人もいるな
    改めて宜しく!

    ったくあのクソ狼め…
    なぁにデレデレしてんだよ、あ゛!?
    っと失礼、感情的になってしまった…

    一応オーナー達を捕縛するにはどうするか相談した方が良いと思ってな
    俺が考えているのは、事前に逃げ道等を把握しといて、可能であるなら先回りして確保かな
    とは言え順次にオーナー確保に向かうから先回りは出来るかどうか分からないけど…
    それと店員には戦える神人は体術等で応戦し気絶させるのが良いだろう
    精霊も平気そうなら気絶させられるだろうしな
    気絶したらロープを申請するからそれを使って縛り上げる

    まぁ大体の流れはこんな感じか?
    皆の意見待っている

  • [1]クロス

    2016/04/25-21:01 


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