【薫】甘い香りのキスをして(森静流 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 春も近いある日、あなたたたちウィンクルムにお給料が入りました。
 お祝いにあなたたちは近所の繁華街の有名な餃子専門店に行きました。
「うちの餃子は中身も色々だし、たれも沢山あるよ! たっぷり食べて行ってくれ!」
 親父さんは威勢のいい声をかけながら、大きな中華鍋で次々と餃子やチャーハンを作っていきます。
 あなたは餃子を食べるのは久しぶりだったので、薬味のたっぷりきいた餃子を次々頼みます。相方の方は
「餃子にビールってぴったりだよね~!」
 そう言って、お酒の方もかなり頼みました。
 数時間後、満腹するまで餃子を食べてあなたたちは、手を繋いで夜道を帰っていきました。近道するために街路樹が植えてある川のほとりを歩きます。風情のある街灯の下、人気も無い夜道、ほろ酔い加減……
 ふとあなたは思いついて繋いだ手に力をこめて相方の顔を見つめます。
 そのまま顔が近づいていき……
「やめて、くさい!!」
 途端に相方は鼻と口を両手で覆い、あなたから離れていきました!
 ガーン!!

「ちょっとそこのあなたたち! そんなあなたたちに協力してあげるわ!!」

 不意に、街路樹の影から白衣に眼鏡のお姉さんが飛び出てきました!
「私はブレスアロマ研究員、ミュゼット! あなた今、口臭で悩んでいるわね!? そんなあなたにぴったりのアロマがあるのよ!」
「ブレスアロマ……???」
 聞き慣れない名前に首を傾げるあなたたちに、ミュゼットは勝ち誇って眼鏡をくいっとやりながら、白衣の中から手のひら大の香水のようなボトルを取り出しました。
「まだ試作品段階だけれど……研究の余地を残しているんだけれど、誰かに試して欲しかったのよね~! これさえあれば、いつどんな時でもどんな体調でも爽やかで甘いキスが出来るわ!」
 あなたたちは差し出されるボトルを受け取ってみました。本当に、一見、おしゃれな香水のように見えますが、中身は違うようです。
「そのボトルを口にシュっとしてみて! 嫌な匂いはたちまち消えて、かわりに好みの匂いが口いっぱいに広がるから! 何を食べても、効果は三日ぐらい続くわ!」
「は、はあ……」
「さあさあ、今すぐシュっとして! キスしてみて! どんな相手もめろめろになるいい匂いのキスをが出来るから!!」
 ミュゼットは凄い勢いで迫ってきます。何でそんなにキスにこだわっているのでしょうか……。
「だって、好きな人とのキスは匂いを気にせず、……どころか、甘くて優しくて柔らかい匂いに包まれてしたいじゃないのよ! そのために何年もかけて研究したのよ!」
 事情は分かりました。
 ミュゼットはブレスアロマのボトルは数個持っているようです。好きな匂いを選びましょう。そして口臭の匂いを確かめて、おもむろにウィンクルムとキスしてください。
 これはあくまでミュゼットの研究に協力するためですが、それでもちょっとは私情を入れてくださっても構いませんよ?

解説

【解説】
 個別エピソードになります。
 ミュゼットの研究しているブレスアロマを試してみてください。

 ブレスアロマは以下の種類がありますのでお好きなものを選んでください。

ローズ
ミント
レモン
ストロベリー
オレンジ

 ブレスアロマを使うと口臭がたちまち以上のような匂いになり、果物の甘みも感じられるようになります。それをお互いに確かめた上で、効果の続く三日以内にキスをして、その感想をミュゼットに報告してください。
 キスする場所は唇がベストですが、頬など顔の部分ならどこでもOKです。
 ミュゼットには一言「○○って報告しよう」ぐらいの文章をつけてくだされば結構です。(長文でも構いません)
 餃子を食べてきた帰りということで300jrいただきます。

ゲームマスターより

リアル乙女の頃はキスの味に夢を見ていましたww現在乙女なウィンクルムの方々がどんな反応をするか楽しみですww

リザルトノベル

◆アクション・プラン

かのん(天藍)

  ローズ
顔を寄せる天藍に尋ねる
お花の香りします?

食後の匂い気にしなくても良いのは嬉しい

確かに男性というか天藍向きの香りではないかも
強いて言えばミントだろうと言う呟き聞き
2人で違う香りを使えるか尋ねる

期待に満ちたミュゼットさんには申し訳ないけれど人前でキスなんて
恥ずかしいですし、無理です
後で報告しますねと、そそくさとその場を退散

気付けば自宅の庭の門扉の前
会えなくなるわけではないけれど、離れるのは寂しくてもう少し一緒にいたい
上着掴んで天藍を見上げる

もう家に入った方が良いと促され門扉を開ける
動く様子のない天藍に首を傾げる

良い香りの沢山のキスのお返しにおやすみなさいの言葉と共に頬へキスを
小走りで家に戻る


クロス(オルクス)
  ☆心情
(何故キスの報告をしないといけないのか謎だがな…

☆行動
・翌日の夜護衛任務から帰るとオルクがまだ夕食を食べてないと聞き軽食を作り部屋に訪問し自分からキス

「(軽くノックし許可後入室
オルク?
一旦休憩しろよ、夕飯作ってきたからさ
あぁただいま、オルクもお疲れ様(微笑
はいサンドイッチ
少しは食べねぇと倒れるぞ?
オムレツ風とツナハムな(机に置く
それは良かった(微笑
お粗末様でした(クス
なんだ、オル…っ!?(膝に乗せられ抱き締められる
あー、偶に可愛いよなオルクって(クスクス
そんなオルクにご褒美、な(首に手を回し口にキス その後額くっつけ照れ笑い」

☆報告
・滅多に自分からはしないキスをしたら甘くて心が暖かくなった


シャルティ(グルナ・カリエンテ)
  ミント 唇
相方の一言になぜだかムカッとした
うる…さい、わね……そんなに嫌なら受け取るの止めとけば良かったでしょ
別に、なにも怒ってないけど
……なによ。なにか言いたいことでもあるの?
唇への妙な感覚に驚く
な、なに…なんなのよ……
わ…分かってるわよ…! ミュゼットの研究の手伝いでしょ
そんなこといちいち言わなくたって分かってるわよ分かってるのよ…!
うるさい。これ以上なにも言うんじゃないわよ…ふん
これ以上意識させてなにがしたいのよ…このバカ。鈍感。戦闘狂(ぼそりと呟く)

報告「口臭は気にならなくなった」、とだけ


レイナス・ティア(ルディウス・カナディア)
  ルディウス様に嫌われた……しにたい……

そんな時に現れたミュゼットさんにブレスアロマを受け取りました
種類は複数あったので……その……大人びて、ローズ…を……

「ルディウスさ…ルディウス! そ、その…! キ、キ……キス…を、キスをさせて、ください!」
「お断りします」
即答…もう…しにたい……
「額……でも、頬で、も…いいんです……!! どこでもいいから、キス…させてください……!!」
「嫌です。任務ですら2回しかトランスした事ないというのに」
……もう…いきていけない……!

涙ながらに世界の絶望の淵に立っていたところを、ルディウスが聞いてくれました
事情を話したら、頬なら──と……!!
ローズの香りが、とても素敵でした


ルイーゼ・ラーシェリマ(オリヴァー・エリッド)
  わかる、わかるわその気持ち!
やっぱり素敵なキスって女の子の憧れだもの

……ああっ!(今気づき頭抱える
そ、そうね。それなら大丈夫!な、はず…
先輩達はみんな通った道
契約した以上避けては通れないのよね
ちょっと恥ずかしいけど…
…私、頑張るわ!ちょっと早く機会が来ただけよね!

じゃあ私はストロベリーにするわね
わあ、すごい!素敵な香り…
口の中も甘くてとっても心が弾むけど…(精霊ちらり
じゃ、じゃあ行くわよ!動いちゃダメだし目も開けちゃだめっ!
自身もぎゅっと目を瞑って頬にキス
感触があったらすぐに離す

報告は、そうね
どきどきしちゃってまともに香りを楽しむ余裕はなかったわって伝えなきゃ…
…ウィンクルムって、すごいのね


シャルティ(グルナ・カリエンテ)編

 ミュゼットからブレスアロマを受け取ったシャルティと精霊のグルナ・カリエンテは、帰宅してからキスする事にしました。
 ブレスアロマはミント、場所は唇です。クールなシャルティに戦闘狂のグルナならば、ミントの匂いになるのもうよく分かりますね。
 家に戻って、二人で居間で向かい合います。
 そこでグルナがこう言いました。
「なんも思ってねぇ同士がこんなんって、どうなんだよ……いや、マジで」
 シャルティはグルナの一言になぜだかムカっとしました。
「うる…さい、わね……そんなに嫌なら受け取るの止めとけば良かったでしょ」
 ムカムカしてシャルティはつっけんどんに言います。
「……お前が怒る時って、嫌なことあった時と困った時だよな」
 グルナは面倒そうに指摘しました。
「別に、なにも怒ってないけど」
 冷たい口調でシャルティはそう言い、ツンとそっぽを向きました。
「あー……」
 グルナは面倒な上に困ってしまいました。
「……なによ。なにか言いたいことでもあるの?」
 冷ややかに言い放つシャルティ。不機嫌そうに目を閉じています。
 グルナはがしがしと自分の頭をかいて、軽くため息をつきました。
 そのまま、シャルティの唇に軽くキスをしました。
 シャルティは唇への妙な感覚に驚き、目を見開きました。
 目の前にはグルナの閉じた目があります。
 たちまち真っ赤になってシャルティは顔を離しました。
「な、なに……なんなのよ……」
「目的は、分かって……るんだよ、な?」
 グルナも顔を離して目を見開き、シャルティに確認を取りました。
「わ……分かってるわよ……! ミュゼットの研究の手伝いでしょ!」
 シャルティはうろたえている事を隠さずに、赤面したまま大きな声で言います。
「お、おい…なにそんなに怒ってんだよ」
 キスをしたグルナの方が戸惑っています。
「そんなこといちいち言わなくたって分かってるわよ分かってるのよ……!」
 シャルティは自分の唇を拭いながら、怒りまくっているようです。
「お前の言ったとおり研究の一環だろーが」
 グルナは必死にシャルティをなだめようとします。
「うるさい。これ以上なにも言うんじゃないわよ……ふん」
 しかしシャルティは唇に何度も触れながらグルナの方へ背を向けて自分の部屋に行ってしまいました。
(……やべぇ、めっちゃ怒ってるし…)
 グルナはシャルティの心理が分かりません。
「これ以上意識させてなにがしたいのよ…このバカ。鈍感。戦闘狂」
 シャルティは自分の部屋に戻ると、ドアを閉めて、そうぼそりと呟きました。
 グルナは唇へのキスが女性にとってどれだけ重大なものか分かってはいるものの、何故シャルティがそこまで怒っているのか全く分かっていないのです。やはり、本当の戦闘狂なのかもしれません。
 しかしそんなグルナが何故、ミュゼットの研究に協力すると言って、ブレスアロマを受け取ったのでしょうか。
 そうして家に帰ってからシャルティに向かってキスをしたいと言ったのなら、シャルティだってグルナがどんな気持ちなのかと色々想像してしまっても無理もないと言うものです。無意識のうちに、シャルティとキスしてみたいと思ったのでしょうか?
 そしてシャルティもそこで何故に承諾したのでしょうか。嫌ならば、グルナにいつもどおりクールに「他の女の子当たって」と一言言えばすんだのに。何故協力してキスしようと言いだし、OKを出したのか……。
 謎は深まるばかりです。
 その後、シャルティがミュゼットへの報告書にこう書きました。
「口臭は気にならなくなった」、とだけ。
 内心が全く見えないのがシャルティらしいですね。

レイナス・ティア(ルディウス・カナディア)

 レイナス・ティアは精霊のルディウス・カナディアに対してよくこういう思いを抱きます。
(ルディウス様に嫌われた……しにたい……)
 簡単にそんなことを思ってはいけないのですが……。
 そんな時にばったり出会ったミュゼット女子から、レイナスはブレスアロマをもらいました。匂いはちょっと背伸びして大人のローズです。
 レイナスは早速、口の中にブレスアロマをしゅっとやると、ルディウスを探し回りました。ルディウスはA.R.O.A.の玄関のあたりにいたので、裏庭の木陰に誘い出しました。
「ルディウスさ……ルディウス! そ、その…! キ、キ……キス…を、キスをさせて、ください!」
「お断りします」
 ルディウスは即答です。
(もう……しにたい……)
 しかしレイナスはめげません。必死に食い下がります。
「額……でも、頬で、も……いいんです……!! どこでもいいから、キス……させてください……!!」
「嫌です。任務ですら2回しかトランスした事ないというのに」
 にべもなく、ルディウスは言い切りました。
(……もう…いきていけない……!)
 レイナスは泣きそうな顔になって、裏庭の木陰の下をさまよい歩き、向こうに行ってしまいました。
 ルディウスは一回、A.R.O.A.の本部の方に戻って、職員と必要な仕事を片付けました。それから家に戻ろうと思いましたが、レイナスの事を思い出して気になりました。
(任務のトランスですら、キスの回数は全部数えても2回です。たった、2回。それでいきなりプライベートにキスを迫られても困ります。………ですが、何か様子がおかしいですね。普段からそんなダイナミックな事を言う様な神人でしたら、僕は自害を躊躇わなかったでしょう。レイナスに何かあったのか話を聞かなくては。僕達はウィンクルムの相方同士なのですから)
 そういう訳で、元の裏庭の方へ行ってみると、木陰に額を押しつけるようにして寄りかかっているレイナスを見つけました。涙ながらに世界の絶望の淵に立っているようです。
 ルディウスはレイナスの肩を叩いて、何があったのか事情を聞き出しました。レイナスは素直にミュゼットの研究に協力する話をしました。
「……なるほど、そのミュゼット女史の……」
 世の中にはけったいな研究を思いつく女性がいるものだなあ、とルディウスは少し呆れましたが、礼儀として口には出しませんでした。
 神人が一回引き受けて来た仕事です。中途半端に放り出す事は許されないでしょう。ここはウィンクルムの評判のためにも、ブレスアロマの研究に協力することにします。
「レイナス。レポートは僕が書きますから、頬なら好きなだけどうぞ。頬へのキスでしたら、これからの任務で嫌というほどする事になるでしょうし」
 レポートを自分が書くと言い出したのは、箱入り娘のレイナスに任せると何を書くか分からないからです。そういう訳で、レイナスはルディウスの頬にキスをすることにしたのでした。
 レイナスはルディウスの頬にちゅっと軽くキスをしました。
 優しいローズの匂いが世界にぱっと広がったようでした。
 レポートにはルディウスが「ミュゼット女史へ:餃子の匂いは跡形も無く。……まあ……この機会は有難う御座います……」
 そう書きました。
 ルディウスは、レイナスが一度引き受けた仕事を放り出すのはウィンクルムの評判に関わると思ったようですが、恐らく、レイナス以外の誰かにだったら頬へのキスも許さなかったのではないでしょうか。
 かけがえのないウィンクルムの絆は感じているのだと思いますよ。

クロス(オルクス)編

 クロスは精霊のオルクスと餃子を食べに行った帰りに、ミュゼットからブレスアロマをもらい研究に協力することになりました。
 翌日の夜、クロスが任務から帰ると、オルクスはまだ夕食を食べていないという事でした。部屋にこもって朝からずっと書類を片付けているようです。それで、クロスは軽食を作って持って行く事にしました。
 今日のクロスは夜叉装束「黒桜」に「ボトムス」ロールアップジーンズを履き、足下はブーツ「クロスウォーカー」です。和風なのにスタイリッシュな出で立ちです。
 軽食を作り終えた後、思い出したのでストロベリーのブレスアロマを口にしゅっとやります。
「うがぁぁぁあああ! あのアロマ使ってるのに結局まだ実行出来てねぇし書類多いし……!」
 書類の奔流に埋まりながら、オルクスは爆発寸前です。オルクスの方は夜叉装束「黒桜」はクロスとおそろいで、探検ブラザーズというボトムスを履き、足下はバックルベルトブーツです。テイルスの野生味が感じられる格好です。
 そのとき、お腹がぐうと鳴りました。
「……そういや夕飯食ってねぇや……」
 そのとき、部屋のドアがノックされました。
「開いてるぞ」
「オルク?」
 顔を出したのはクロスでした。
「一旦休憩しろよ、夕飯作ってきたからさ」
 そう言ってサンドイッチを並べたお皿を差し出します。
「お帰り、護衛任務お疲れさん」
 オルクスは可愛い恋人に微笑んでそう声をかけます。
「あぁただいま、オルクもお疲れ様」
 クロスも負けない笑顔です。
「あぁサンキュー」
 本当に書類整理で疲れていたオルクスは苦笑いです。
「はいサンドイッチ。少しは食べねぇと倒れるぞ? オムレツ風とツナハムな」
 クロスはサンドイッチのお皿を彼の机の上に置きました。
 お腹をすかせていたオルクスはサンドイッチで小休憩を取る事にしました。遠慮無く食べます。
「ん、相変わらず美味いな」
「それは良かった」
 食事を取って顔に赤みがさしてきたオルクスにクロスは安心の微笑みを見せます。
「ご馳走様」
 あっという間にオルクスはサンドイッチを平らげてしまいました。
「お粗末様でした」
 綺麗に食べてくれたオルクスにクロスはくすりと笑います。
「なぁクー、ちょっと来い」
「なんだ、オル…っ!?」
 食事を終えたオルクスはすぐそばのクロスに手を伸ばし、姫だっこのように膝に乗せて抱き締めました。クロスはたちまち抱き締められてしまいました。
「あー癒やされるー」
 オルクスはふにゃりと笑ってクロスに頬ずりしてきます。
「あー、たまに可愛いよな、オルクって」
 くすぐったくてクロスはくすくすと笑い出しました。
「しゃぁねぇだろぉ疲れてんだし」
 オルクスはクロスにだけ見せる表情で弱音を吐きます。こんな事を言えるのも相手がクロスだからでしょうか。
「そんなオルクにご褒美、な」
 クロスはそんな彼の首に手を回してその唇にキスをしました。ストロベリーの甘い香りと味わいが口の中全体に広がります。やがて幸せな気持ちに満たされて、クロスは唇を話しました。
 思わず、彼の顔を見て、額に額をくっつけて照れ笑いをします。
 オルクスも示し合わせたようにクロスに額を合わせていきます。同じように照れた笑いを見せながら、この上なく甘美な安らぎを感じていたのでした。日々、どんなに忙しくても疲れていても、戦っていけるのは、クロスがそこにいてくれるからだ--。そんな気持ちでした。

 クロスからミュゼットへの報告
☆報告
・滅多に自分からはしないキスをしたら甘くて心が暖かくなった

 オルクスからミュゼットへの報告
☆報告
・クーからのキスで癒された
・苺ミルク味も欲しい

 仲の良い夫婦のような報告にミュゼットもにんまり笑ったという事です。

かのん(天藍)編

 かのんと精霊の天藍は、餃子を食べに行った後、ミュゼットからブレスアロマの研究に協力してくれるように頼まれました。
 今日のかのんはフェアリースノウニットに【スカート】マカロンバレリーナ、靴はスイートホイップステップで、アウターにマシュマロトレンチを着ています。白、赤、ピンクの王道の女の子らしいスタイルです。帽子のフェルトキャスキャップや指輪のエイル・サルマンなどショコランド製の小物も目立ちます。
 天藍の方は狐神御服「黒衣大和」にヴァン・ショーパンツを履き、アウターは夜叉装束「黒桜」、足下はカジュアル・スノーです。和風の男っぽい格好です。小物はかのんとおそろいのスノーフレークウォッチや、【お守り】恋文心結びなどと、かのんとの結びつきを示すものが多いです。
 さて、香りの方ですが
「ローズ」
 かのんはそう言いかけて、顔を寄せている天藍の方に聞き直します。
「お花の香りします?」
「……かのんには合うが男の俺が薔薇の香りはないだろう」
 それから、天藍は自警団の仲間達と会話中に、薔薇の香りが香る図を想像し頭を振りました。
 それでかのんはミュゼットに別の香りを頼んでいいか尋ね、自分にはローズ、天藍にはミントを選びました。
(食後の匂いを気にしなくてもいいのは嬉しい。だけど、期待に満ちたミュゼットさんには申し訳ないけれど人前でキスなんて恥ずかしいですし、無理です)
 そういう訳で、かのんはミュゼットに「後で報告しますね」と言い置いてそそくさとその場を去りました。
 天藍はかのんを家まで送っていきました。離れがたい気持ちは二人とも同じです。天藍は口実を設けて家に入りたい気もしましたが、夜遅い時間ですので我慢します。
「おやすみ」
 そう言って、天藍はかのんの額にキスをしました。爽やかなミントの匂いがします。
 会えなくなるわけではないけれど、天藍と離れるのは寂しい。そんな気持ちで、かのんは天藍の上着を掴み見上げます。
(その表情は反則だろう)
 天藍はかのんを抱き締めました。
 それから、額、こめかみ、瞼へと掠めるようなキスを一つずつ落としていきます。そのたびにすっきりしているのに甘いミントの匂いがかのんの顔を掠めていきます。かのんは思わず目を閉じます。顔を傾けると、かのんの唇からもローズの香りがこぼれます。
 そうして、天藍は甘い香りに誘われて、かのんの唇へとそっと触れるようなキスを落としました。女性らしい薔薇の匂いと、薔薇の味が、天藍の口いっぱいに広がっていきます。
--しばらくして。
「玄関に入るのを見送ったら帰る」
 天藍にそう促され、かのんは家の門扉を開けます。
 天藍は、動く気配がありません。
 かのんは首を傾げます。
 それから不意打ちのように、かのんは彼に飛びついて、天藍の頬にキスをします。今までの沢山の甘いキスのお礼に。天藍は驚きましたが、かのんはキスを終えるとすぐに離れていきました。
「おやすみなさい」
 そう告げて、かのんは小走りで家の中に入っていきました。
 やがて家に灯火がつき、窓のカーテンを開いて、かのんは外にいる天藍の方を見ています。
 天藍は、家の中からこちらを見ているかのんに軽く手を振ってから、ゆっくりと帰路につきました。かのんが傍らにいない時間というのは、どうしてこうぽっかりと胸に穴が開いたような気持ちになるのでしょうか。
(明日はかのんを誘って報告に行こう……それは甘い時を貰えたと)
 天藍は、かのんがいなくても、明日はかのんと一緒にいる自分を想像して、ほっと安らいだ笑みをその顔に浮かべました。
 ウィンクルムの二人の絆はどんな香りよりも甘くしっかりとした、決して消えないものなのかもしれません。

ルイーゼ・ラーシェリマ(オリヴァー・エリッド)編

 ルイーゼ・ラーシェリマは精霊のオリヴァー・エリッドと餃子を食べに行った帰りに、ミュゼットからブレスアロマの話を聞きました。
 その日のルイーゼはフルール・ソルシエールにアイオライト・ブルームという手袋をつけたドレススタイルです。ネックレスはスリジエ・ワルツ、Sエフェメラ・イヤリング、ピンク色が軽やかに揺れる様子が分かるようですね。
 オリヴァーの方はジーンズ「パウダースノー」にペンデュラムトレンチを合わせた冬の男性らしい出で立ちでした。
「わかる、わかるわその気持ち! やっぱり素敵なキスって女の子の憧れだもの!」
 ルイーゼはやや興奮気味に、ミュゼットの研究に賛同します。
「ルイーゼさん、そういうの好きそうですよね」
 オリヴァーはルイーザはもろにそういう話が好きなタイプだと分かるので、はしゃぎようには納得です。でも、キスをと頼まれたわりには平然としている様子で首を傾げて、あることに思いついて指摘しました。
「ルイーザさん。研究に協力するということは、俺達もキスするんですよ」
「……ああっ!」
 ルイーゼは今気がついたので頭を抱えてしまいます。
「では頬ではどうでしょうか? トランスをするには頬へのキスが必要ですし、練習がわりにでも」
 オリヴァーは無難なところを提案しました。
「そ、そうね。それなら大丈夫! な、はず……先輩達はみんな通った道。契約した以上避けては通れないのよね。ちょっと恥ずかしいけど……私、頑張るわ! ちょっと早く機会が来ただけよね!」
 ルイーゼは気を取り直しました。何だか自分で自分に言い聞かせているようにも見えます。
 オリヴァーは男女どちらとも指定がなかったので、自分がちゃちゃっとルイーゼにキスしてもよかったのですが、彼女がやる気を出しているので見守る事にしました。
「はい、いつか通る道ですから」
「じゃあ私はストロベリーにするわね」
 ルイーゼは早速ブレスアロマを選んで口に吹きかけました。
「わあ、すごい!素敵な香り……口の中も甘くてとっても心が弾むけど……」
 それからルイーゼは精霊のオリヴァーをちらりと見ました。口の中のストロベリーの香りがかえって恥ずかしい気がします。餃子を食べた口でキスなんて考えられないけれど、このストロベリーのいい匂いだったらキスだって恥ずかしくない。でも恥ずかしい。はじめての複雑な気持ちです。
「じゃ、じゃあ行くわよ! 動いちゃダメだし目も開けちゃだめっ!」
 そういうルイーゼのためにオリヴァーは自分から体を屈めて背丈を合わせました。なんといっても身長154㎝のルイーゼに対してオリヴァーは174㎝。ちょうど20㎝も背丈が違うのです。それから言われた通りに目を閉じます。苦笑しつつも、一生懸命なルイーゼに合わせています。
 ルイーゼは自分もぎゅっと目を閉じて、思い切ってオリヴァーの頬にキスをしました。
 頬の感触があったと思った途端に離れます。
 オリヴァーは、目を閉じていてもストロベリーの香りの動きでルイーゼが右往左往しているのが分かり、何とも言えずに面白いと思いました。ルイーゼが盛大にうろたえているのが分かるので、彼はかえって冷静になったのです。
 ですが、頬の感触には流石に照れます。
 それからルイーゼはミュゼットに報告です。
(そ、そうね……どきどきしちゃってまともに香りを楽しむ余裕はなかったわって伝えなきゃ……)
 それでは、ブレスアロマの研究にはならないのですが……。ですが、ルイーゼは真剣です。
 これもウィンクルムの契約をしたため。今後、トランスのためへのキスへの第一歩。練習台にはなったでしょう。今後のルイーゼとオリヴァーの活躍に期待大です。
(ウィンクルムって、すごいのね)
 ルイーゼは感心しています。彼女たちももう、そのすごいウィンクルムの一人なのですよ。愛を持って頑張っていってください。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


( イラストレーター: カナリア  )


エピソード情報

マスター 森静流
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 02月16日
出発日 02月24日 00:00
予定納品日 03月05日

参加者

会議室


PAGE TOP