プロローグ
豪華客船アクサ--。そこで祝勝の宴が行われています。
クリスマスも終わり、お正月イベントで賑わっている船内。
あなたは、楽しい気持ちで一通り回ってきましたが、ふと見ると廊下で道行く子供の頭を噛んでいる獅子舞に出会いました。獅子頭を持っている人が一人、中の人が一人で軽快に踊っています。
子供はおびえて泣きそうになっていますが、これは、強い厄除けになり、成長、学力向上、無病息災などの効果があって絶対強い子供になる! とのこと。噛んでもらった子供の親の方は満面の笑みで感謝している様子です。
勿論、大人にだって御利益はあるのです。獅子舞に邪気を食べてもらっているのですから。
立ち止まって見物していると、着物姿のスタッフがやってきて獅子舞の歴史や文化などを軽く説明してくれました。本当に行き届いていますね。
そして
「どうです? 獅子舞をやってみませんか?」
--え?
なんと今なら300jrで獅子舞の中の人になって踊ったり噛んだり出来るそうです。
「オーガを追い払うウィンクルムにならば、噛んだだけで邪気を追い払う力が本当にあるかもしれませんね」
スタッフはそんなことを言って大真面目な様子。
あなたは相方と顔を見合わせ、考え込みます。
解説
ウィンクルムで、獅子舞の中の人になって一緒に踊ってみたり、道行く人を噛んでみたりしてください。
頭部分にどちらが入り、胴体部分にどちらが入るか明記して下さい。
個別エピソードになります。
参加料として300jrいただきます。
ゲームマスターより
外側から見ると怖い獅子舞だけれど、内側はわりと暗がりで体が密着している状態なんじゃないか--と思いついて、アップしてみました。よろしくお願いします。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
今年は色々な体験が出来るな(うきうき えっ、ウキウキなんてしてないぞ(目ソラシ ジャンケンで俺が前 動かし方を聞く 由来も聞こう 俺は噛んで貰ったこと無いけど小さな子は泣くんじゃないかと心配に 練習でランスが腰とか色々サワサワしてくる… あっ… なにやってるかな マジメにやろうよっ(真赤 えー、じゃないっ 俺が後ろをするからなっ(てしてしっ 中に入ると悪戯したくなる気持ちは分からなくも無い ランスの尻尾がふわふわもふもふのふりふり 一寸つつきたいが… ここは我慢 結構激しい運動で、必死で付いてく 外の音で状況を想像して和むよ 結構疲れたなあ… カポ?) ああ、そっか さっきの話で… 俺も交代 ランスを獅子頭でそっとカプっ 幸運が来ますように |
セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
オレが獅子の前に入るぜ。 オレ達の息がぴったりな所を見せてやろうぜ。 笛の音に合わせてキリリと舞うぜ。 獅子舞は神事の一種でもあるし、 縁起ものだしイイ感じに踊りたい。 説明を聞いて、後は笛や太鼓の音を聞いて、 心で感じて踊ればきっと大丈夫だと思う! と、根拠もないが自信あり。 度胸でなんとでもなるからだ。 スポーツ色々して体を動かすの好きだし! 厄払いに大いに貢献したいので、 観客にじゃんじゃん寄って行って、 頭をカミカミ、な仕草をして廻るぜ。 オレもそうしてもらうと嬉しいからさ。 獅子の耳ピクピクさせて愛嬌も出しつつ。 大人も子供もまんべんなくカミカミ。 小さなお子サマには泣かれないようにしないとな! 頭を下げて寄るぜ。 |
蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
獅子頭を持つ方 意外と獅子の頭って重いな… そして後ろにぴったりフィンの体温 ちょっとくっ付き過ぎなんじゃないか?(心臓ばくばく言ってるの、気付かれてないよな?) そりゃ…確かに離れすぎると獅子の頭と体が離れてしまう…けど フィンに子供達が来たと言われ、意識を切り替え よし、頭を噛んでやるぞ 今年一年の病気、魔を払ってより良く過ごせるよう願いを込め… って、フィン、どうして俺の腰に手を… 踊るのに、支えが欲しいって… (近過ぎるだろ!) 駄目だ、集中! 気にしたら負け… 子供達が去っていくのにホッと一息 フィン、少し休憩するぞ 歩きにくいから、一旦離れて… 声が出ない 怒るに怒れないし… 無言で獅子頭でフィンに噛み付く 厄払い、だ |
フィリップ(ヴァイス・シュバルツ)
頭 …だから、契約早々…… 良くない。なんでアンタはなんでも引き受けたがんだよ 面倒。それだけじゃあダメか? 任命すんな。あー…それはもっとやだ。どうせするんなら頭で …は? なんで …ああ、別に…。こっちはそういうの慣れてるんでね。気にしたことがない 一段落ついた頃 …なめてたのかよ獅子舞の中の人 ふん、慣れてないだけだ。…苦手なんだよ誰かに泣かれたり、喜ばれんの …うるさい。……それと胴体が笑うな気持ち悪い そういう問題じゃない… |
シムレス(ソドリーン)
胴 なかなか面白い舞だったので体験するかと聞かれちょっとならしてみてもいいという気に 紐に驚愕 「何をする!? お構いなしに始められてしまい引っ張られていく (俺によくもこんな事を… 止まれと言いたいけど余裕がない 足がもつれて転びそうそんな醜態絶対嫌だ 息が切れ苦しい (精霊の体力について行ける訳ないだろう 「辛いなら俺を掴んでいいからがんばれやりきれ そんな声が聞こえて 転びたくなくて片手で相手の腰帯掴む (くそ 終って倒れ込む ぜーぜー 何か言ってやりたいが声出せそうもない 差出された水なんとか起き上がり一口飲み驚く (水がこんなに美味しいなんて… 精霊睨み こういうの見越してしてやられたみたいで悔しい NG 精霊共コーデ内容描写 |
シムレス(ソドリーン)編
シムレスと精霊のソドリーンは、獅子舞を見に来ています。
シムレスは、なかなか面白い舞だったので、体験するかと聞かれ、ちょっとならしてみていいという気になりました。彼は世界を見たいと願う刹那主義者で、深く濃い青の髪ストレートセミロングを持つ上品な女顔を持っています。今までは幽閉に近い環境でしたが精霊のソドリーンと出会ってからはこの広い人間と精霊たちが共に暮らす魔法世界『らぶてぃめっと世界(ステージ)』のあらゆる事を知りたいのです。今回の獅子舞体験もその一つのつもりです。
シムレスは今回は胴体をすることに決めました。
そのとき、頭の方に入るはずのソドリーンが二人分の衣装と一本の紐を借りてきました。
「それっ!」
ソドリーンはシムレスと自分を紐の端と端で結びます。シムレスは紐に驚愕します。
「何をする!?」
「リタイアはさせねえ」
ソドリーンは慌てるシムレスをお構いなしに引っ張っていきました。ソドリーンの方は赤いボリュームのあるうねった長髪を持つマキナです。長髪で耳が隠れているため、一見してマキナとは分かりません。少し厳しい感じのする美形です。
(俺によくもこんなことを……)
そのソドリーンに対し、シムレスは内心怒っています。
一方、ソドリーンは内心では
(短い付き合いだが分ってきた事がある。このボンボンは途中で絶対抜けやがる。興味を示していたから体験するかと聞いたら頷きやがった。その軽はずみな気まぐれに思い知らせてやる)
そういう考えの上での紐で縛る行動でした。
「おらーいくぞー!」
ソドリーンが頭を持ち上げて舞を開始します。シムレスは止まれと言いたいけど余裕がありません。
ソドリーンは大胆な動きで口カパカパしながら踊り始めました。
お客様に子供がいれば、頭をカプ。大人もカプ!
ソドリーンの動きは大きく細かく、とても激しい獅子舞の踊りになっています。お坊ちゃまのシムレスはとてもついていけません。
「おらケツ景気よく舞え!」
そう怒鳴ってもシムレスからは返事がありません。シムレスはシムレスで一生懸命踊っているのですが、ソドリーンの動きが激しすぎるのです。
ソドリーンは後ろから辛そうな気配を感じます。シムレスは足がもつれて転びそうですがそんな醜態は絶対嫌です。そろそろ息が切れ苦しくなってきました。
(精霊の体力について行ける訳ないだろう!)
心の中で悲鳴を上げるシムレス。
「辛いなら俺を掴んでいいからがんばれやりきれ!」
そんな声が聞こえて、シムレスは転びたくなくて片手でソドリーンの腰帯を掴みました。
(くそ!)
心の中で毒づきますが、ソドリーンの腰を掴んでなんとか立っている状態です。意外に仲良しに見える光景です。獅子舞の中は暗くて、よく見えませんけれどね。
そうして、ソドリーンとシムレスは獅子舞を舞いきりました。
舞が終わった後、シムレスは疲れて倒れ込んでしまいました。
ぜいぜいと息が切れて、ソドリーンに文句を言ってやりたくても声が出せそうもありません。
ソドリーンは神人の疲労困憊ぶりを満足気に見下ろしています。
彼は係の人に頼んで水を持ってきてもらいました。
それから屈んで「やり切ったなお疲れ、水だ」
そう言ってシムレスに水を差し出しました。
シムレスは差し出された水に対して、なんとか起き上がり一口飲んで驚きました。
(水がこんなに美味しいなんて……)
それからソドリーンを睨み付けます。何もかも見越してやられたようで悔しいのです。
ソドリーンはシムレスのその表情を見て達成感を抱きます。
「いい年になりそうだな。よろしく」
いい笑顔で笑うソドリーンに、シムレスも苦笑を返したのでした。よい一年を!
フィリップ(ヴァイス・シュバルツ)編
豪華客船アクサで、フィリップと精霊のヴァイス・シュバルツは獅子舞を踊る事にしました。フィリップが知らないうちにヴァイスが引き受けてしまったのです。フィリップが頭、ヴァイスが胴体役ということになりました。
「…だから、契約早々……」
神人のフィリップはやや不満げです。柔らかな白銀の髪にアイスブルーの双眸を持つ彼は、今日はタートルネック「スノーツートン」の上にモッズ白ふわを上着に合わせて着ています。脚はサスペンダーパンツ「アシンメトリー」です。
元々面倒くさがりで一匹狼の彼は、人前で獅子舞を踊るという事は考えた事もなかったのです。
「んだよいーだろ面白いかもしんねぇじゃん?」
それに対して相方の精霊のヴァイスは完全に面白がっています。彼は腰下まで伸びた色素のない髪に黒曜石のような双眸の謎めいたマキナです。今日着ているものは、ホワイトヴァイツに外套のクロスビーコートを合わせています。ボトムスはジーンズ「パウダースノー」です。
彼はフィリップに比べて様々な事に興味を示すタイプのようです。
「良くない。なんでアンタはなんでも引き受けたがんだよ」
フィリップはまだ不満そうです。
「逆に、なんでそんなに嫌なんだよ」
ヴァイスはそれが気になりました。その原因さえ取り除けば、フィリップは快く踊ってくれるのかと思ったのです。
「面倒。それだけじゃあダメか?」
フィリップは即答しました。
「……理由としちゃあ十分だけどよ。つーか、そんなんばっか言ってると、胴体役に任命するぞ」
「任命すんな。あー…それはもっとやだ。どうせするんなら頭で」
面倒そうながらも、フィリップはそう決めました。半分乗り気になっているようなものです。
「つか、獅子舞が邪気食うんなら、その食った邪気、フィリップに降りかかるんじゃね?」
面白そうにヴァイスが言いました。
「……は? なんで」
フィリップがアイスブルーの瞳を見開きます。
「あー? だってそうだろ? 噛む役、テメーじゃん」
「……ああ、別に……。こっちはそういうの慣れてるんでね。気にしたことがない」
クールで気だるげな調子で、フィリップはそう返しました。
さて、獅子舞が一段落ついた頃。
「くっそ…テラ重労働……獅子舞の中の人なめんなってヤツ?」
ネット用語を使いながら、ヴァイスは床にへたりこんでいます。
二人ともまだ獅子舞の衣装は脱いでいません。横から見ると、獅子舞がしゃがみこんで休憩を取っているように見えます。
「……なめてたのかよ獅子舞の中の人」
頭部の方でしゃがみこみ、息を切らしながら、フィリップはそう突っ込みました。
「テメーは子どもに泣かれてめっちゃ動揺してたじゃん」
突っ込まれて悔しげに、それでもヴァイスはフィリップをからかおうとしました。
「ふん、慣れてないだけだ。……苦手なんだよ誰かに泣かれたり、喜ばれんの」
冷めた調子でフィリップは言い返しました。
「あ? やっぱ人慣れしてねぇ一匹狼の言うことはちげぇな」
おかしそうにヴァイスは笑っています。
「……うるさい。……それと胴体が笑うな気持ち悪い」
「人に気づかれねぇようにこっそり笑ったんだし良いじゃねぇか」
「そういう問題じゃない……」
獅子舞の中の暗がりで、ヴァイスの笑顔は見えないはずです。でも気配だけで相手の表情を察せるようになったのでしょう。そんな、喧嘩するほど仲のよいウィンクルムには今年も素敵な幸運が沢山やってくるでしょうね。
蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)編
豪華客船セイジサで、蒼崎海十と精霊のフィン・ブラーシュは一緒に獅子舞をすることにしました。海十が獅子頭を持つ方です。海十は黒髪黒目の精悍な少年。フィンは金髪碧眼の謎めいた陽気な青年です。
「意外と獅子の頭って重いな……」
海十は獅子頭を上手に持ちながらそんな事を呟きました。
そんな事よりも気になるのは、後ろにぴったりくっつくフィンの体温です。
(これって……結構海十と密着してしまうね。……海十から良い香り。いけないと思いつつ、つい悪戯心が浮かんでしまうのは……仕方ないよね)
フィンはフィンでそんなことを考えながら海十にくっついているのです。
「ちょっとくっ付き過ぎなんじゃないか?」
海十は後ろのフィンに向かってそう言いました。
(心臓ばくばく言ってるの、気付かれてないよな?)
自分の心臓の音が気になりながら海十はフィンから距離を取ろうとします。
「ほら、離れすぎると、獅子の頭と胴体がバラバラになっちゃうから」
そう言ってフィンはすぐさま海十にくっつきなおしました。
「そりゃ……確かに離れすぎると獅子の頭と体が離れてしまう……けど」
海十は困ってしまいます。フィンの言うことも尤もなんですけどね。お互いに好きな人同士ですから、意識しあって離れようとしたりくっついたり、色々ある訳です。
「子供達が来たよ、海十」
フィンに子供達が来たと言われ、海十は意識を切り替えます。
フィンは海十の腰に手を回して、楽しくステップを踏みます。
獅子舞は嬉しそうに躍動し続けます。
最後に海十は子供たちに向かい直します。
(よし、頭を噛んでやるぞ。今年一年の病気、魔を払ってより良く過ごせるよう願いを込め……)
子供たちはやはり怖いのか逃げそうになっていますが親御さんが止めて、そこを海十はガブリと噛んでいきます。
それからまた獅子舞のステップ。
(凄く楽しい! 人前で(隠れてはいるけども)海十にこんな風に堂々と引っ付いていられるなんて、滅多にないし)
フィンは嬉しくてますます海十の方にくっついていきます。
そうしている間に、フィンの手が海十の腰に。
踊るのに支えが欲しいと言いつつ、ぴったりと。
(近過ぎるだろ!)
獅子舞の衣装に隠れていますが、暗がりで海十の顔は真っ赤。嫌な訳ではないんですが、獅子舞の最中ですし、至近距離には子供たちや親御さんや、色々な人がいるのですから。
意識しまくってしまうのは仕方ありません。
(駄目だ、集中! 気にしたら負け……)
そう念じながら海十は必死に踊ります。フィンの方は相変わらず海十の方にぴったりくっつきながら動きを合わせています。
ようやく子供たちが去って行くのを見てほっと一息をつく海十。
「フィン、少し休憩するぞ。歩きにくいから、一旦離れて……」
休憩を促す海十にフィンは頷きました。
そして獅子舞の中、彼を引き寄せてキスをします。ずっと海十に触れていて、彼に対する気持ちが高まりっぱなしだったのですから。
(オニーサンもいい加減我慢の限界だった訳で……ここなら誰も気付かない)
海十はもう声が出ません。
顔は真っ赤。頭の中は真っ白です。
確かに、獅子舞の中の人同士でキスするなんて、観衆には分かるはずがないけれど、これは本当にびっくりです。
それもこれもフィンが海十の事を好き過ぎるから。それは海十にも分かっています。
だから怒るに怒れず、海十は獅子頭をひったくると、中から出てきたフィンにかみつきました。
「厄払いだ!」
「有難う。次は俺が海十の厄を祓うよ」
フィンは余裕でそう言って、獅子頭を取り返すと、海十の頭にかみついたのでした。
新年早々、いちゃいちゃと、極上のカップルですね。こんな素敵なカップルには邪気も自ずと払われて、素敵な一年が送れる事でしょう。
アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)編
豪華客船セイジサで、アキ・セイジは精霊のヴェルトール・ランスと獅子舞をすることにしました。
セイジは黒髪に赤い瞳の大学生です。一見クールで凜々しい雰囲気です。ランスは金髪に金の瞳のテイルスです。とても明るく人なつっこく、強気です。
「今年は色々な体験が出来るな」
気分を高揚させてセイジはそう言っています。
ランスはクールっぽいのにセイジの実は子供めいた所にギャップ萌えです。
「ウキウキしてんな」
ふふ、と笑いながら言うと、セイジは目をそらしました。
「えっ、ウキウキなんてしてないぞ」
その後、じゃんけんをして、セイジが前、ランスが後ろになりました。
それから二人で係の人に獅子舞の動かし方、踊り方、由来などを聞きます。セイジは獅子舞に噛んでもらうと邪気が払われ賢い子に育つという話を聞いて首を傾げています。
セイジ自身は噛んでもらった事はないのですが、小さな子は泣いてしまうのではないかと心配なのです。
「幸せのためだけど子供には良い迷惑だよな。あとさ、獅子じゃなく銀狼舞でもいいと思んだ。獅子優遇ダメゼッタイだ」
そんな様子のセイジを見てランスがそう言いました。
それでは二人で練習開始です。
ランスは位置的にセイジの腰を掴んで練習する形になります。
ついつい楽しくなって腰とかその前とか色々サワサワし始めるランスです。
(こんな無防備なセイジ、野生の心が黙っちゃ居ないぜ!)
男心というかテイルスの狼心が爆発です。
セイジはあんまりサワサワされて
「あっ……」
思わず声を立ててしまいました。
そして思い切りランスを振り返り睨み付けます。
「なにやってるかな。マジメにやろうよっ」
もう顔が真っ赤です。
「えー」
調子に乗っていたランスは不満そう。
「えー、じゃないっ! 俺が後ろをするからなっ!」
てしてしっとランスを叩いて後ろに回り込むセイジ。
(……って叱られた! そりゃそーか)
狼がきゅーんと鳴いているような表情になるランス。
今度はセイジが後ろに入って踊ります。
中に入ると悪戯したくなる気持ちは分からなくもないです。
テイルスのランスの尻尾がふわふわもふもふのふりふりなのです。
(一寸つつきたいが……ここは我慢)
セイジは必死に理性を保ちます。でもテイルスの尻尾がふりふりと揺れるのを触るのを我慢するのは結構大変です。
ランスはランスでセイジが後ろに居るとか手が触れてるという事実にドキドキです。
ランスは本気を出して獅子舞を踊ります。頑張ります。
それでも子供たちには泣かれないようにおどけた仕草で。
「ど……どうだ?」
かぷっと子供たちを噛んでみます。子供たちはおどけた踊りでご機嫌で、笑いながら噛まれています。
セイジは結構激しい運動である獅子舞に必死で付いてきます。外の音で状況を想像しては和みます。子供たちの笑い声が聞こえますからね。
一段落すると休憩室で獅子舞を脱いで一休みです。
(結構、疲れたなあ……)
椅子に腰掛けてぼーっとしていると、カポ! と、頭を噛まれてしまいました。
見上げるとランスが獅子頭を持って笑っています。
「噛んで貰ったこと無いって言ってたから」
セイジが噛まれた経験がないと話していたのを覚えていたのです。彼のために厄払いしてくれたのでしょう。
「ああ、そっか、さっきの話で……」
セイジは納得して、ランスの持っている獅子頭に手を伸ばしました。
交代です。
今度はセイジがランスを獅子頭でそっとカプ。
「幸運が来ますように」
「ははは、サンキュ」
ランスも噛まれて嬉しそうです。
新年早々、仲のよいウィンクルムです。今年もこの調子でずっと仲良く、幸せであり続ける事でしょう。獅子舞は二人の邪気を払い、愛を高めたようですね!
セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)編
豪華客船アクサで、セイリュー・グラシアと精霊のラキア・ジェイドバインは獅子舞を踊る事になりました。
セイリューは黒髪に紫色の瞳の、快活で精神力の高いヒーロー気質の青年です。相方のラキアは、赤い長髪に緑色の瞳の外見年齢18歳です。
今日、セイリューが着ていた服はノルディックセーターをインナーに、フリアンジャケットを外套にしています。満月柄スウェットをボトムスにして厄避けの長靴を履いています。冬の若者らしい格好です。
ラキアの方は聖夜のコルセットドレスを中に着てフリアンジャケットをアウターにしています。脚は粉雪タイツにホットチョコブーツを履いています。ジャケットがさりげなくセイリューとおそろいですね。
セイリューが獅子の前に入る事になります。
(オレ達の息がぴったりな所を見せてやろうぜ。笛の音に合わせてキリリと舞うぜ。獅子舞は神事の一種でもあるし、縁起ものだしイイ感じに踊りたい。説明を聞いて、後は笛や太鼓の音を聞いて、心で感じて踊ればきっと大丈夫だと思う!)
そういう、根拠もないんですが自信があるのです。
セイリューはなんといっても度胸があるからです。男は度胸!
彼はスポーツを色々しており、体を動かすのも大好きなのです。だから獅子舞のステップも苦も無く踊れる事でしょう。
ラキアはセイリューの後ろに入ります。
彼の方が身長が高いので後ろに入った方がバランスがよさそうだからです。
踊りは、セイリューの足下を見ていてタイミングを見てステップを踏むつもりでいます。何しろ練習なしのぶっつけ本番ですから、相手の動きをよく見なくては。
特に長い髪の毛は束ねて邪魔にならないようにします。
ラキアは係員に動画を撮ってもらうように頼みました。セイリューの獅子舞姿はやっぱり見ておきたいと思います。
(彼には黙ってこっそり撮ってもらおう。後で驚くかな)
ラキアはくすっと笑います。
本番ですが、セイリューは流石の運動神経で元気よく軽快なステップを踏んでいき、観客の注目を集めました。ラキアも彼についていく素晴らしい動きです。
意外にリズム感抜群のセイリューにラキアも感心しています。笛や太鼓の調子に合わせて左右に飛んだり、回転したり、首を大きくもたげてカカカカ! と口を開け閉めしたり……。プロに負けない獅子舞です。
セイリューは厄払いに大いに貢献したいので、観客にじゃんじゃん寄っていって、頭を噛みまくる仕草をして回ります。
自分だったらそうしてもらうと嬉しいからです。自分がされて嬉しい事を他人に進んでしてあげるのは基本です。
獅子の耳をぴくぴくさせて愛嬌も出して行きます。初めてとは思えないほどセイリューの獅子舞は愛嬌があり可愛らしく、それでいて獅子らしい威厳もあるのです。係の人も満足している様子でずっと動画を撮っています。
セイリューは右に左に回り込んで、大人も子供もまんべんなくカミカミ。
小さなお子様に泣かれないように気をつけながら噛んでまわります。
頭を下げて近寄っていくセイリュー。
子供たちは手を打ち鳴らして拍手をし、セイリューに噛まれるたびにきゃっきゃと声を上げます。セイリューはますます勢いに乗って踊ったり、噛んだり。
頭を噛みに回るだろうなと思っていたラキアは、予想通りの動きに思わず苦笑。
(君の考えている事ってホント判りやすいね)
そう思いながらついていきます。
二人のウィンクルムはリズムを合わせた軽快な獅子舞と、頭を噛む厄払いを抜群の呼吸でこなし、大勢の人に喜ばれ感謝されました。
素晴らしいコンビのウィンクルムには今年も大きな幸運がやってくることでしょう。愛と幸せに溢れた一年を送れますように!
依頼結果:大成功
MVP:
エピソード情報 |
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---|---|
マスター | 森静流 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 男性のみ |
エピソードジャンル | コメディ |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 01月13日 |
出発日 | 01月20日 00:00 |
予定納品日 | 01月30日 |
参加者
- アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
- セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
- 蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
- フィリップ(ヴァイス・シュバルツ)
- シムレス(ソドリーン)
会議室
-
2016/01/19-23:57
-
2016/01/19-23:01
アキ・セイジだ。相棒はウイズのランス。
よろしくな。
プランは提出できているよ。上手くいっていると良いな。
(PL:最初はセイジが前なんですが、諸般の事情でランスが前になる予定です。) -
2016/01/19-22:59
-
2016/01/19-09:05
…獅子、舞……?
あー…フィリップと、ヴァイス。
相方がああいうの、興味あるって言うんで来たけど……一応俺が頭で相方の方が胴体のつもり。 -
2016/01/18-22:06
-
2016/01/18-00:49
蒼崎海十です。
パートナーはフィン。
皆様、宜しくお願い致します!
獅子舞の中がどんな風になっているのか、とても興味があります。
問題は、前と後、どちらをやるかという事だけど…(フィンをちらっと見て)
噛むのをやってみたいから、俺は前を希望するつもりです。 -
2016/01/17-20:44
-
2016/01/17-16:48
ソドリーン:
ソドリーンと神人のシムレスだ
新参者だ、よろしくな