プロローグ
新年です! HAPPY NEW YEAR!
冷たい空気に青空が広がり、神社の鳥居もその赤さを際立たせます。新しい年。身が引き締まる思いです。
晴れ着のお嬢さん方、楽しそうな若者グループ、中の良さそうな家族連れ。神様にご挨拶をするのでしょうか。それとも願掛けに行くのでしょうか。神社は初詣で結構な人混みです。その人混みの中に貴女もいました。
「きゃっ!」
押されて転びそうになった貴女を精霊が慌てて支えてくれました。
「大丈夫か?」
そう。年の初めという事で、今年も1年頑張らねばと、貴女も精霊と一緒に初詣に来たのです。
(ああ、何だかどきどきするなぁ)
転びそうになった恥ずかしさと思いもかけず精霊が支えてくれた嬉しさで新年早々どぎまぎしてしまう貴女。
人混みに押されながら拝殿に着くと、横にいる精霊に気を取られながらもきちんと参拝を済ませます。
拝殿から離れ、ふと社務所を見ると、『おみくじ』の文字。
そこではたくさんの人が笑ったり、肩を落としたり、今年の運勢を占っています。
それを見て貴女と精霊は顔を見合わせました。
「……引いてくか?」
精霊の言葉に貴女はこくんと頷きました。
みくじ筒を一生懸命振り、えい! とみくじ棒を取り出します。
ドキドキしながらその番号のくじを引き換える貴女。
果たして結果は? オーガとの戦いを占う? それともパートナーとの関係?
年の初めの運試し。是非今年の運勢をパートナーと占ってみてください♪
解説
おみくじの結果を話し合う2人、そして気持ちや行動を描写します。基本神社内での描写です。
●くじの種類は2種類
・普通のおみくじ
・恋みくじ
2種類があります。どちらを引くのか明記して下さい。
●くじは1回引く
くじを引くのは1回だけです。神人でも精霊でも、同時で2人で引いても構いません。
誰が(もしくは2人が)引いたのか明記して下さい。
●くじの引き方
6面ダイスを1つ振って決定します。ダイス結果を明記してください。
6:大吉
5:中吉
4:小吉
3:吉
2:凶
1:大凶
(大凶でも気にする事はありません! これからガッツリ良くなる運勢です!)
●消費ジェール
交通費+おみくじ代300ジェールお支払い頂きます。
ゲームマスターより
初めまして! そして明けましておめでとうございます!
KANと申します。
新年のおみくじ、何が出るかドキドキしますよね。
どんな結果が出て、2人で何を話すのか。
今年の2人の関係の、小さな変化になれば幸いです♪
リザルトノベル
◆アクション・プラン
リヴィエラ(ロジェ)
※恋みくじを引くほう 5:中吉 リヴィエラ: 新年の神社って何だか、空気が凛としていて清々しいですね、ロジェ! あら? これは…こ、恋みくじ!? 素敵! ロジェ、引いてみても良いですか?(ドキドキ) ええと、結果は…中吉…? (ロジェの言葉を聞いて、怒ったように抗議) 何を仰るのですか!? 今年も、私達は一緒に居られるハズです! これからも、ずっとずっと一緒です! ロジェは死んでしまったりしません、追手がきたって、私が守るもの! 中吉という事は、未来は自分の手で切り開けるという事ですっ! (ロジェに頭を撫でられ、真っ赤になってあわあわ) …はわっ!? そ、その…今年も宜しくお願いします、ロジェ。 |
瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
くじを引く。恋みくじ。結果は、大凶? ま。とんでもない見間違い。 いったん、おみくじから目を逸らし。 フェルンさんの顔を見て、にっこり笑って。 深呼吸して、もう一回ちゃんとおみくじを見ます。 【大凶】 ! 「本当にあるのですね、大凶って」 ぽそり。 新年早々、気落の幕開けです。 自分がリリカルさに欠けている自覚はあるんです。 共感的でもなく。 端的に言えば「女の子っぽくない」。 これが恋愛的に盛り上がりに欠ける要因ではないか と自己分析が脳裏を走ります。 そもそも恋する女の子はこんな自己分析しません。 会話を多くしようと、努力しているのですが。 成程。もっと理解しあえる余地が沢山あり、そのための行動をしなさい、という啓示かも。 |
マーベリィ・ハートベル(ユリシアン・クロスタッド)
お参り済ませみくじ売り場へ 普通みくじかと思ったら恋みくじ引こうと言われ焦り 滅相もございません 関係を占うまでもありません 私はこれまで通り‥ 二人で恋みくじ引く事になり あわあわ 恥かしい (関係の向上‥?ウィンクルムとして絆を高める事?いつでも上を目指しておいでなのですね おみくじ一緒に覗き込む 吉‥でございますね 日々堅実に過すが吉でございます(ニコ 密かにほっと安堵 占いは気にしてしまう性質 もし大胆な運勢説明が書かれていたらと思うと (私は今の旦那様との距離が好き これ以上近づいてしまったらきっと私は欲が出る 立場を忘れてしまう‥それは‥ダメ はい結んでいきましょう (結果に納得されてないみたい‥クス おみくじ結ぶ |
●2人への託宣『笑顔は、幸せを生む』
それは、なかなかショッキングな文字だった。噂には聞いていたが、まさかそれが本当に存在し、そして自分が遭遇するとは。
年が明け、瀬谷 瑞希はパートナーのフェルン・ミュラーと、神様に今年1年の無事をお祈りしようと初詣に出掛けたのだ。ウィンクルムの任務は本当に危ない事もあるから、これは大事な事だろう。それ以外のお願い事があるかどうかは本人達にしか分からないが。
兎にも角にも混雑する神社で、2人はきちんと参拝を済ませた。ミズキのお祈りする真剣な横顔もいいな、なんて思いながらフェルンが何とはなしに周囲を見渡すと、ある文字が飛び込んできた。
「へぇ、ミズキ、恋みくじがあるよ。引く?」
瑞希に気軽に問いかける。売り場前は結構な人混みだ。
「はいっ、是非!」
フェルンの提案に瑞希は嬉しそうな笑顔で答えた。その顔を見て、フェルンも嬉しくなる。
そう、そんな晴れ渡る新年に相応しい和やかな雰囲気だったのだ。さっきまでは。
2人で社務所に行き、料金を払う。そして瑞希は、みくじ筒を丁寧に振り、出てきたみくじ棒の番号のくじを引き換えた。手元にある小さな紙。何だかとてもどきどきする。瑞希はおみくじを胸に、1度静かに目を閉じた。
去年は色々な事があった。フェルンさんにたくさん助けてもらった。今年も1年、お互いに仲良く、無事に過ごせますように。
そして瑞希はゆっくりと願いを込めておみくじを開く。フェルンはそんな瑞希を何だか少し緊張しながら見守る。
カサリ。瑞希の白い指が恋みくじを開けた。そこに書かれていた文字は。
【大凶】
―――ま、とんでもない見間違い。
新年から自分の目は疲れてしまっているに違いない。瑞希はふぅと一息つくと一旦おみくじから目を離し、傍らのフェルンを見た。
「どう?」
おみくじの結果を聞いてくるフェルンに瑞希はにっこりと笑う。大丈夫、ちゃんとフェルンさんの姿が見えるわ。瑞希は深呼吸をして再びおみくじに向き直った。はてさて。そこに書かれている文字は。
【大凶】
―――あああ、変わってない~~~!
ズーンと肩を落とす瑞希であった。
(お、笑顔だ。いい結果だったのかな?)
振り向いた瑞希の笑顔に自分も笑顔で答えながら、フェルンはそう考えていた。そうだよな、新年早々ミズキの笑顔が見られたんだから、それは俺にとっては既に結果を出してるよな。
と思ったのも束の間、瑞希はもう1度おみくじを凝視すると、突然ガックリと肩を落としたではないか。
「ミズキ?!」
「本当にあるのですね、大凶って」
小さく呟く瑞希の言葉に驚いて彼女のくじを覗いてみると、そこには確かに燦然と【大凶】の文字が鎮座ましましていた。
―――シーン。
2人の間に、沈黙の神様が舞い降りた。
「『物事を考え過ぎ、思い届きにくし。己の言葉を届けずんば、その心の内、相手に見えず』ですか……」
おみくじの託宣を読みながら、瑞希はどんどんブルーになっていく。
新年早々、気落ちの幕開け。自分がリリカルさに欠けている自覚はある。どうも理路整然にいかないと釈然としないというか。突き詰めて考えすぎてしまう。
そう、要は『女の子っぽくない』。これが恋愛的に盛り上がりに欠ける要因ではないかしら……って既にバリバリ自己分析してるし。恋する女の子はこんなに自己分析しないし。
会話ももっと多くしようと、努力はしているつもりだった。けれど、瑞希はなかなか気軽に言葉に出せないのだ。この言葉で相手に伝わるかどうか、その言葉で正しいのかと考えると、どうしてもそこで言葉がストップしてしまう。
「確かに私、言葉足りないですね……」
浮上できず落ち込む瑞希に、フェルンが言った。
「いや、そうじゃないと思うよ?」
「フェルンさん?」
「言葉が足りないって事じゃなくて、まだまだお互い知らないことが沢山あるから、もっとお互いを良く知りなさいっていう神様のメッセージじゃないかな?」
瑞希の瞳をしっかり捉え、フェルンは軽く笑ってみせる。不思議とその笑顔は瑞希の心を軽くしてくれた。
「成る程。もっと理解し合える余地が沢山あるのだから、そのための行動をせよ、という事ですか」
「そうそう。もっと一緒に過ごして、楽しい時間を重ねなさいって事かも」
少しおどけて、フェルンは片目をつぶってみせる。その仕草に瑞希は小さく笑ってしまった。
「ありがとうございます、フェルンさん」
「どうして? こっちこそありがとうだよ?」
「え?」
「君は言葉が足りなくなんかない。俺はミズキに『フェルンさん』と呼ばれるの、凄く嬉しいよ」
ぱっと朱を散らしたように赤くなる瑞希にフェルンは微笑み、おみくじを結ぼうかと提案した。「あ、そうですね!」と瑞希が社務所脇の結び所に走って行く。その揺れるポニーテールをフェルンは温かい気持ちで見つめていた。
ミズキが安心してくれて、よかった。
でも、本当に俺は君はそのままでいいと思ってるんだ。
俺は君の冷静さも、思慮深い所もすごいと思っている。
そして、何よりも。
俺は君の笑顔が大好きなんだ。
君の事をもっと知りたいし、君の笑顔をもっと見たい。
あのおみくじは俺へのメッセージだ。もっともっと、君を幸せにするようにと。君の笑顔を増やすようにと。
そうだな。俺はもっと頑張らないと。
新年の青空に誓い、フェルンは瑞希の元にゆっくりと歩きだした。
●2人への託宣『関係のさらなる向上を』
「え? 恋みくじ……ですか?」
「うん、そう」
神社の社務所前。お守りを買う人やおみくじを引く人でごった返す中、マーベリィ・ハートベルは、精霊であり、且つ敬愛する主人であるユリシアン・クロスタッドの言葉に目を丸くした。
マーベリィにとって全く予想外の展開だったのだ。おみくじを引こうかとユリシアンに言われ、料金を払って普通におみくじの筒を手に取ろうとしたマーベリィ。そこでユリシアンに止められたのだ。
引くのは恋みくじだと。
最初マーベリィは事態がよく飲み込めなかった。旦那様であるユリシアンと自分が恋みくじを引く、などとは彼女は欠片も想像していなかったのである。
そんなマーベリィをユリシアンはにこにこしながら見ている。
ようやく事態を飲み込んだマーベリィは、慌てて真っ赤になりながらぶんぶんと手と顔を同時に振った。
「え! いえ、滅相もございません! そんな占うまでもなく、これまで通り旦那様にお仕え……」
「ストップ!」
ユリシアンは可愛い慌て振りのマーベリィの口元ぎりぎりに、自分の人差し指を優雅に立てた。
「ぼくは占うべきだと思うんだ。ぼく等の関係向上のためにね。ウィンクルムとして、良好な関係を築きたくないのかい?」
「いえ、築きたいです」
素直に答えるマーベリィに、ユリシアンはその瞳を覗き込みながら言った。
「もちろん今でも十分ぼく等は仲良しだけど、ぼくはどん欲なんだ。もっと上の関係を目指したいんだよ、マリィ」
(……プライベートなきみとの関係も、ね)
と、ユリシアンは心の中で付け足す。そして自分の本音が見え隠れする言葉に少し恥ずかしくなったのか、
「はは、ただの占いなんだから気負う必要はないよ」
と、マーベリィに軽くウインクをした。
結局、マーベリィはユリシアンと一緒に恋みくじを引く事になった。
(私達の関係の向上は、確かにウィンクルムとして絆を高める事に繋がります。旦那様はいつでも上を目指しておいでなのですね……!)
ユリシアンの言葉を向上心と受け取ったマーベリィは、その高尚な志に感動していた。だから、清廉な気持ちでくじを引けばいい、引かなければいけないのに。
(どうしてこんなにドキドキしてしまうのでしょうか)
マーベリィは顔が赤くなるのを押さえられない。じぶんの持っている筒には「恋」の文字が入り、その筒を美しいユリシアンが自分と一緒に持っているのだ。彼女の頭から「清廉」の文字が飛んでいってしまったのを責める事はできないだろう。
(ああ、恥ずかしい……!)
あわあわしながら、そしてそんな様子をユリシアンがまたもやにこにこしながら見ている事に気付かずに、えいっとマーベリィは彼と一緒に筒を振った。
2人は引き換えたくじをドキドキしながら覗き込む。そこには。
「吉……でございますね」
「吉……だな。この神社では並び的に4番目か」
良くも悪くもなく、現状維持が吉って所かな、とユリシアンは苦笑する。マーベリィはそんな彼に、
「日々堅実に過ごすが吉でございます」
とにこりと微笑んだ。
くじの結果とマーベリィの達観したような微笑みに、ユリシアンはもどかしさすら覚えた。
神様は焦らずじっくり慎重にと言い、それを彼女は微笑みながら肯定する。
(今の所はこれまで通り、か)
神様の言葉を否定する気はさらさらないが、どうも新年早々出鼻をくじかれた気がして不満顔になってしまうユリシアン。
(結果に納得されていないみたい……)
そんなユリシアンを様子を見ながらマーベリィは思わずクスリと笑ってしまうが、実は彼女はおみくじの結果に内心安堵していたのだ。
自分の性格上、どうしても占いは気にしてしまう。もし、おみくじに大胆な運勢が書かれていたら。
(私は旦那様との今の距離が好きなのです)
自分に言い聞かせるようにきゅっと目をつぶる。
これ以上彼に近付いてしまったら、それを許されてしまったら。
きっと私は欲が出る。立場を忘れてしまう。
(そんな事……ダメなのです……)
自分の心の奥底を神様に見透かされ、念を押された様な気がしてしまう。誰にも見せず、自分も気付かないようにしている心の底を。
「結ぶかい?」
ユリシアンの言葉にマーベリィはハッと顔を上げた。彼は指におみくじを挟み彼女の目の前でひらりと振った。
「はい、結んでいきましょう」
マーベリィは笑顔で答える。そう、何を迷う事があるのか。こんな素敵な旦那様の元で働け、ウィンクルムとしても活動できるのだ。今年もしっかり、自分の出来る事をしなければ。
決意を新たにおみくじを結んだマーベリィの肩に、ユリシアンが優しく手を置いた。
「帰ろうか」
コクンとマーベリィは頷き、2人は人混みを歩き出す。
この混雑の中人にぶつからずに歩けるのは、ユリシアンがそれとなく盾になってマーベリィと歩いてくれているからだ。彼の手が置かれた肩が熱い。
(恋みくじがこれで吉だったのなら、大吉はどうなってしまうのでしょうか)
何だかのぼせてしまうマーベリィだった。
●2人への託宣『いつも、一緒に』
たくさんの人が神様に新年のご挨拶をしようと手を合わせている拝殿前。リヴィエラとロジェも同様に新たなる気持ちで参拝を済ませ、まだまだ押し寄せる人波を避けるように拝殿の脇で一息つく事にした。
「新年の神社って何だか、空気が凜としてすがすがしいですね、ロジェ!」
うーんと人混みに押されてぎゅうぎゅうになった体を伸ばし、リヴィエラはロジェに爽やかな笑顔を見せる。確かに新年とは不思議な物だ。全てがまっさらになって、0からのスタートが切れる気がする。
そんな少しわくわくする気持ちで辺りを見回していたリヴィエラがふと視線を留めた。
向こうの社務所に「おみくじ」の文字が見える。早速2人は行ってみる事にした。
社務所の前も結構な人出だった。そんな中2人がおみくじの場所を覗いてみると。
「恋……みくじ!?」
リヴィエラが小さく叫ぶ。ロジェは予感がした。リヴィエラが何だか楽しそうなのが判ったのだ。案の定、リヴィエラは目をきらきらさせながらロジェを振り返った。
「ロジェ、引いてみても良いですか?」
わくわくドキドキ。全身から『引きたいのですオーラ』を出されてしまえば、ロジェに異論があるはずもない。ロジェはしょうがないなというように苦笑した。
「ああ。いいんじゃないか」
おみくじの結果は、中吉だった。
「中吉って、どうなんでしょう?」
「良くも悪くもない、といったところじゃないか?」
「そうですか! それなら安心ですね!」
人気の少ない社務所の横で、リヴィエラがうんうんと頷く。しかしそれと反対にロジェの表情は暗かった。
「どうしたんですか、ロジェ?」
不思議に思ったリヴィエラが問いかける。その顔を直視せず、ロジェは横顔を見せながら独り言のようにつぶやいた。
「……という事は、悪い事が起こる事もあるという事、だよな」
「!?」
ロジェの言葉にリヴィエラが息を呑む。
「俺は今年も君と一緒に居られるのだろうか?」
胸が痛くなるようなロジェの声だった。淡々としているのに、その奥底から声にならない叫びが聞こえてくるような。
「……どうして、そんな事?」
かろうじてリヴィエラが口を開く。口角を、無理矢理上げて。私は今どんな顔をしてるのだろうか。上手く表情を作れている自信がない。
しかし彼女の様子に気付かずロジェはまだ虚空を見つめていた。
「これまでは、君の父親が差し向けた追手から何とか逃げ延びてこれたが……」
ここで初めてロジェはリヴィエラに向かい、少し寂しそうに微笑んだ。
「でも心配はいらない。俺は死んでも君を護ってみせる。君をあの父親になんて渡しはしな……い……?」
最後が疑問系になったのには訳があった。自分の話を聞いていると思っていたリヴィエラが、下を向いていたからだ。心なしか肩が少し震えているような気がする。
「リヴィエ……」
「―――何を仰るのですか!?」
心配してかけたロジェの声は、怒ったようなリヴィエラの声に掻き消された。
「今年も、私達は一緒に居られるハズです! これからも、ずっとずっと一緒です!」
リヴィエラは顔を上げ、真っ直ぐに見つめていた。ロジェの瞳を、真っ直ぐに。
リヴィエラは、悲しかったのだ。一緒にいる事をあきらめ、自分1人をこの世界に置き去りにするような事を考えるロジェが悲しかったのだ。死んでまでなんか、守って欲しくない。ロジェのいない世界の生など、意味はない。
「ロジェは死んでしまったりしません。追手がきたって、私が守るもの! 中吉という事は、未来は自分の手で切り開けるという事ですっ!」
最後は、ほとんど叫ぶような声だった。周囲の野次馬達が何事かと興味本位で2人を覗き込む。そんな輩を殺気を帯びた瞳をもって一睨みで蹴散らすと、ロジェはリヴィエラの傍にそっと寄り添った。
「……すまない、俺とした事が少し弱気になっていたようだ」
素直に、頭を下げた。リヴィエラの真摯な気持ちが、胸に刺さる。
何故自分はこんな弱音を吐いてしまったのだろう。自分のした事に後悔はしないと決めていたはずではないのか。
彼女に捨てさせたものの大きさを、重さを、俺は知っている。だからこそ、俺は彼女を護らなければいけない。この手を離さずに。
彼女をこの世に1人になんか出来る訳がない。
「あ! いえ、謝らないで下さい。その、そんなつもりじゃ……!」
我に返ったのか、リヴィエラがロジェの前であたふたしだす。そんな様子を見て、ロジェは小さく吹き出してしまった。
(俺が護ると言いながら、俺は君に護られていたんだな)
ロジェはリヴィエラの頭を優しく撫でた。
「今年も一緒に生きていこう。改めて、明けましておめでとう、リヴィー」
頭を撫でられたリヴィエラは、絵の具を吸い込んだように首までみるみる真っ赤になる。
「……はわっ!? そ、その……今年も宜しくお願いします、ロジェ」
そして神人と精霊はお互いの瞳を見つめ、微笑みあう。
明けましておめでとう。今年も、君と笑っていられますように。
依頼結果:大成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | KAN |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | イベント |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | とても簡単 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 3 / 2 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 01月07日 |
出発日 | 01月12日 00:00 |
予定納品日 | 01月22日 |
参加者
- リヴィエラ(ロジェ)
- 瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
- マーベリィ・ハートベル(ユリシアン・クロスタッド)
会議室
-
2016/01/11-14:07
あけましておめでとうございます、リヴィエラと申します。
パートナーはロジェと申します。
おみくじって何だかドキドキするのですが、恋みくじというものを
引いてみようかと思います…!
(腕をぐるんぐるん回して気合を入れる)
【ダイスA(6面):5】 -
2016/01/11-01:34
ユリシアン:
よろしくおねがいします
こちらも同時2個振りでそれぞれ引けるのかと思ったのだが‥
では二人で恋みくじを引くとしよう
【ダイスA(6面):3】 -
2016/01/11-00:21
こんばんは、瀬谷瑞希です。
パートナーはファータのフェルンさんです。
出発できるか判りませんけれど
ダイスは振っておこうと思います。
神人と精霊と1回ずつおみくじが引けるのかと思いましたが
神人か精霊どちらか単独で1回 か 2人合わせて1回
が正解のようですね。
間違えたので[1]を削除しました。
では私が恋みくじを引いてみたいと思います。
【ダイスA(6面):1】