伝統に則って(紫水那都 マスター) 【難易度:簡単】

プロローグ

●お正月飾りを作ろう!
「それではみなさん、まずは材料の説明から始めますね」
 にこにこ笑顔でそう始めたのは、ごま塩頭の初老の男性だった。
今回、貴方はパートナーと共に正月飾り作りの体験教室に来ていたのだった。
今回訪れた地域では、『注連飾り』と呼ばれる飾りを作るのが主流で、正月にはどこの家にも飾られるのだという。
「まずはこれ、藁です」
 男性が手に持って掲げたのは、『藁』だった。
「本当は縄にするんですが、今回は難しいのでそのまま使います。藁で編んだ縄には豊作祈願の意味があります」
 その他、葉の裏が白く、後ろ暗いところのない清い心を示す『ウラジロ』。
新しい葉が出てから古い葉が落ちるため、子孫繁栄の意味のある『ユズリハ』。
代々栄えるようにと、家運隆盛の願いを込めた『ダイダイ』。
喜ぶにかけて、縁起が良いとされる『昆布』。
神の力が宿るとされる紙、『御幣』など、様々な縁起物の材料が紹介された。
「ではでは、早速作業に入りましょう」
 男性が、にこやかに続ける。
作業工程は、概ねこうだ。
まず、藁を5本ほど取り一まとめのまま円状にしホチキスで留める。
次に、ウラジロ・ユズリハ・御幣・昆布をホチキスで止めた部分に藁でくくり付ける。
最後に、ダイダイをそれらの中心につければ完成だ。
「円の形にした藁は両はしが左右に飛び出すようにして、交差した部分をホチキスで留めると形が良いですよ」
 男性が、にこやかにそう言う。
「ウラジロは、裏の白い面を表に出すようにしてくださいね。後ろ暗くないってことですから」
 実際に手に持って、材料を見せながらの説明だ。
「それでは、皆さん作ってみましょう。何か分からない事があったらどんどん聞いてくださいね」
 そう締めくくって、男性は皆に材料を配り始めた。
皆に材料がいきわたり、さあ作ろうという時だった。
「あ、そうだ。ご自分のお好きな形にしたり、色を付けたり、現代風にアレンジしてくださっても構いませんからね」
 そんなアナウンスが、先程の男性から入った。
俄然、やる気の出てきた貴方。
さて、どんな正月飾りを作ろうか……?

解説

交通費と材料費で各組400Jr消費します。

もう一つ作りたい場合はプラス100Jr消費します。
プランに『+』と一文字だけご記入ください。

●やること
パートナーと一緒にお正月飾りを作ろう!
一組に一つ分の材料が支給されます。
伝統に則った形状でもよし。
現代風にアレンジするもよし。
花を飾り付けるもよし。
材料はすべて用意されています。
パートナーと協力して、お正月飾りを作りましょう!

●注意
お正月飾りは出来上がったら飾るため、アイテムとしては手に入りません。
ユズリハには毒があります。口に入れないようにお願いします。

ゲームマスターより

こんにちは、紫水です。
お正月飾り、作った事って中々ないですよね。
今回は、そんなお正月飾りを作ってみようという企画です。
よろしくお願いします。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)

  自分で作るのって良いよな
2人で1つずつ作らないか?
1個はランスの実家に送るんだ

そうだな、リースみたいだ(ふふ
正月飾りの形にも色々あるけど、これだとどんな家にも合いそうだな

一寸考え、藁の束をさらにもう一本の藁で巻く
縄じゃなくてもこれならバラけないだろ
あとは…折紙で扇を作って後ろにチョコン
扇にも意味が有るんだよ(説明
我ながら上手くできた

ランスのも華やかで良いよ
それに縄ってのが良いじゃないか(感嘆
きっと喜んで貰えるさ(力づける

新しい年が互いに幸せであるよう祈る
縁起の良い飾り物が幸運を運んでくるように…

正月飾り…俺達らしいっていうか個性が出てるな
うん、ランスそっくり(ふふ

縄にする方法…教えてくれるか?


セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  本当は、藁を編んで縄にするんだろ?
面白そうだから、説明してくれた人にやり方聞いてやってみよう。
アウトドア関係色々してるから縄扱いは得意だし。
編み方教わったらサバイバル的に役に立つかもしれないし。
縄編みの実演をお願いして真似してみるぜ。
修理やサバイバル技能も使って編む。
藁にもすがる思いで!(藁だけに!
縄で作ったら土台立派な感じじゃん?

ラキアと一緒に飾り付け。裏白はちゃんと裏を表に。
他の物も飾り、橙も置く。
もう少し紅白でおめでたい感じにしたいな。
稲の傍に赤と白の紙で色を交互に御幣風に配置してみようぜ。末広がりな感じに置いてさ。赤色が入るといいな!
この土地の人に、沢山の恵みがありますように!と祈る。


●説明はしっかりと
「本日は、ご参加くださってありがとうございます」
 主催者らしき男性が挨拶をして、正月飾り作りの説明が始まった。
材料の持つ意味や基本的な作り方の説明を、真剣な表情で聞く参加者たち。
正月飾りにアレンジをくわえても良いという言葉に、ようやく空気が柔らかくなった。
「あ、ユズリハ。この緑の葉っぱですね。これには毒がありますからね、口に入れないで下さいね」
 子供から大人まで参加している、この正月飾り製作教室。
何かあっては困るのだ。
その老若男女が集まったこの場所で、ウィンクルム達は注目されていた。
その見目麗しさもさることながら、『ウィンクルム』という存在の希少性からか皆が視線を向けてくる。
子供のきらきらした視線に、大人たちの尊敬の視線。
ところどころ、羨ましげな視線もあるような気がする。
憧れや尊敬の混じった視線に、ウィンクルム達はむずがゆさを覚えていた。
「こらこら、あんまり注目すると、ウィンクルムさんが照れちゃうでしょう。それに、手元が狂ったら大変ですからね。そちらに集中してください」
 指導を担当する男性のそんな言葉に参加者たちの視線も散り、ウィンクルムたちもようやく落ち着きを取り戻した。
「何か欲しい材料があったりしたら、気軽に声をかけてくださいね」
 指導員の男性が声をかける。
その男性の元には机があり、通常の正月飾りに使う以外の植物や、色とりどりの紙などが置かれていた。
さあ、これから正月飾り作りが始まるのだ。

●個性豊かに
ひょいと上げられた右手。
「もう一つ分、材料ください」
 という元気な声。
それに応えるように、にこやかな表情で指導員の男性がヴェルトール・ランスの元へ藁やウラジロなどの材料を持って近寄ってきた。
「はい、どうぞ」
 手渡された材料に、
「ありがとう!」
 ランスも朗らかに応える。
ランスがもう一つ分の材料を頼んだのには理由があった。
それは、つい先ほどの事。
アキ・セイジと話している時だった。
「自分で作るのって良いよな」
 セイジの言葉に、ランスも嬉しそうに同意を示す。
すると、セイジが何か思いついたように嬉しそうな表情をする。
「そうだ、2人で1つずつ作らないか?」
「え、どうしてだ?」
 二人での共同作業となると思いわくわくしていたランスだが、セイジの言葉に疑問の声を上げる。
不思議そうな顔をするランスに、セイジがにこにこと言葉を続ける。
「1個は、ランスの実家に送るんだ」
 現在はセイジと同居しており、田舎にある実家からは離れて暮らしているランスへの気遣いだろうか。
にこやかに紡がれたその言葉にランスは、
「成る程!」
 と嬉しそうに同意を示す。
ランスも、実家とのつながりが生まれることが嬉しいのだろう。
それに、セイジの気遣いが素直にうれしいこともあるだろう。
そうして、もう一つ分の材料をお願いしたのだった。
材料がそろったところで、正月飾りを作り始める二人。
「藁、縄にしても良いんだよな?」
 確認するように、そう口に出したのはランスだった。
「ええ、勿論良いですよ」
 指導員の男性が少々驚いたように答える。
ランスは実家が田舎にあるため、縄の作り方を知っていた。
アウトドアも得意で、記憶力にも自信のあるランスは実際に縄を作ってみることにしたのだ。
手に取った藁束を二つに分け、端を片足で踏んだら手のひらの上で転がしてひねる。
ひねった二つの藁束を一本に合わせるようにねじる。
一本に合わせるようにねじったら、二つに分かれている先端をまた手のひらの上で転がしてひねる。
ひねった二つに分かれている藁束を、一本に合わせるようにねじる。
それを繰り返して、一本の縄を作っていく。
器用にひょいひょいと縄を作って行くランスに、感嘆したように、
「すげえ」
 と呟くセイジ。
本当にすごいと思っているのだろう、表情には驚きと尊敬の色が浮かんでいる。
そんなセイジの様子に、ランスは気分を良くしたらしい。
にこにこと縄を作っている。
その様子は、どこか自慢げだ。
「セイジのも作ろうか?」
 何気なく問いかけるランス。
「いや、遠慮しておく。自分で作ることに意味があるからな」
 セイジはそれを断って、しばし考え込む。
少しして、何か思いついたようにパッと顔を上げると、比較的長さのある藁を選んで手に取った。
そして、最初にとっておいた藁の束に、器用にくるくると巻きつけていく。
「縄じゃなくても、これならバラけないだろ」
 そう言って、藁を巻き付けた藁の束を輪にするとホチキスでとめた。
「本当だ!」
 そう言って、セイジのアイデアに素直に感心するランス。
互いに、出来上がった藁の輪を見せ合って笑う。
「なんかさ、丸くした藁ってリースみたくね?」
 ランスがぱっと表情を輝かせて言う。
「そうだな、リースみたいだ」
 そう言って、くすりと笑うセイジ。
「正月飾りの形にもいろいろあるけど、これだとどんな家にも合いそうだな」
 うんうんと、同意するように頷くランス。
しかし、自分の作った縄に視線を移すと神妙な顔つきになる。
「うーん……」
 それを不思議に思ったのだろう、セイジがランスの顔を覗き込み、
「どうしたんだ?」
 と問いかける。
「何だか、不恰好だなあと思ってさ」
 しょんぼりとした様子で答えるランス。
「縄にしたのは良いんだけど、歪んで凸凹だなあ……」
 器用に縄を作っているように見えても、そこは初心者。
綺麗な形の縄を作るのは、中々に難しかったようである。
「大切なのは、形じゃないさ」
 しょげているランスを慰めるように、セイジが口を開く。
「それに、縄ってのが良いじゃないか」
 セイジの言葉に、嬉しそうにランスが顔を上げる。
「そうだよな、形じゃないよな!」
 じんと、心にしみるものがあったのだろう。
その笑顔は、セイジにありがとうと伝えているようだ。
そして、二人は飾り付けの作業に入った。
ウラジロやユズリハ、昆布などの基本的なものから付けていく。
ランスは、松ぼっくりや南天の枝葉などをどんどんと飾り付けていく。
とても賑やかな様子の正月飾りが出来上がったところで、ふとセイジの方を見ると、折り紙で作った扇がちょこんと正月飾りに付けられていた。
「何だ、それ?」
 不思議そうに見やるランスに、セイジが説明する。
「これは、扇だよ」
 扇にも、きちんとめでたい意味があるのだ。
「扇って、端に行くほど広がって行くだろう?そういうのを『末広がり』って言って、末の代に行くほど広がる。子孫繁栄なんかの象徴なんだ」
 セイジの説明に、驚くランス。
「成る程」
 と、感嘆したように言う。
「それじゃあ、新しい年が互いに幸せであるように祈っておこうか」
 にっこりと笑って、セイジが言う。
それに同意して、ランスもセイジと共に神妙な様子で正月飾りに祈りをささげる。
縁起の良い飾り物が、幸運を運んでくるように……
「正月飾り……俺達らしいっていうか、個性が出てるな」
 ひとしきり祈り終えたセイジが、ランスに言う。
「そうか?」
 不思議そうな表情で、ランスがじっくりと二つの正月飾りを見比べる。
「うん、ランスそっくり」
 そう言って、くすくすと笑うセイジ。
「んー……でも、やっぱり不恰好な気がするんだよな」
 どことなく不満そうなランス。
「そんなことない、華やかで良いよ。きっと、御家族にも喜んで貰えるさ」
 そう言って力づけるセイジに、ランスもようやく笑顔になる。
二人笑いあって、正月飾りを眺める。
「今度、縄を作る方法……教えてくれるか?」
 不意に、セイジが言う。
「うん、俺でよかったら教えるよ」
にっこりと笑って、ランスが応えた。

●実り豊かに
「縄の編み方、教えてください!」
 元気良く、説明していた指導員の男性に声を掛けたのはセイリュー・グラシアだった。
「良いですよ」
 にこやかな表情で、男性が近寄ってくる。
男性に声を掛ける少し前、セイリューとパートナーのラキア・ジェイドバインは藁を持って相談していた。
「本当は、藁を編んで縄にするんだろ?」
 先に口を開いたのは、セイリューだった。
「ああ、縄を編むのは以前に地元でも見た事があるよ」
 ラキアが答える。
「面白そうだから、説明してくれた人にやり方聞いてやってみよう」
 わくわくした様子でセイリューがラキアに言う。
アウトドアに関係したことが得意なセイリューは、縄の扱いも得意だった。
「それにさ、編み方教わったらサバイバル的に役に立つかもしれないし」
 いざという時役に立ちそうだろう、と楽しそうに言うセイリューに、ラキアは一つ頷いて見せる。
「そうだね」
 そして、指導員の男性に声を掛けるに至ったわけだが。
「藁を叩いて柔らかくしておくと良いんだよね」
 そう言ったラキアに、指導員の男性が僅かに目を見開く。
「おや、良くご存じですね」
 日曜大工の得意なラキアの知識に、驚いている様子だった。
「ラキア、すごいな」
 セイリューも、ラキアの知識に感嘆している。
「それでは、何か叩くものをお持ちしましょうかね」
 少し待っていてくださいね、と言い置いて、男性は何かを取りに行く。
しばしの後戻ってきた男性の手には、一本の木槌があった。
「どうぞ、これを使ってくださいね」
 差し出された木槌を受け取るセイリュー。
「叩き終わったら、声を掛けてくださいね」
 そう言って、他の参加者の方に視線を向ける男性に、
「はい、ありがとうございます」
 と、声をかけたセイリューとラキア。
二人は早速、藁を叩く作業に入った。
力いっぱい、藁を叩こうとするセイリューに、ラキアの待ったが入った。
「セイリュー、肉を叩いて柔らかくする、あんな感じで」
 叩く寸前で止まったセイリューが、短く、
「お、おう」
 と返す。
「トントンして」
 というラキアの言葉にしたがって、セイリューが藁を叩く。
トントン、トントンとリズム良く。
最初はたどたどしかったが、次第にコツを掴んだのだろう。
叩く作業が上達し、上手く叩けるようになってくる。
しばらくして、藁を叩き終えた二人が、指導員の男性に声をかけた。
「縄編み、実演してもらえませんか?」
 セイリューが、男性にお願いする。
「勿論、良いですよ」
 男性は、快く引き受けてくれた。
「縄はね、編むって言うより『なう』って言う方が正しいんです。だから、縄をなうって言うんですよ」
 説明しながら、指導員の男性が縄をなっていく。
「こうやって、ひねってからねじるんですよ」
 片足で踏んだ藁の束を二つに分け、手のひらの上で転がすようにしてひねる。
ひねった二つの藁の束を、一本にするようにねじる。
説明を受けながら、壊れた物の修理やサバイバルの得意なセイリューが、じっと指導員の男性のやり方を見ながら縄をなう。
真剣なその表情の裏には、藁にもすがるような思いがあった。
「うん、なうの結構巧いじゃない?」
 ラキアがセイリューの作った縄を見て言う。
「そうですね、初心者とは思えませんよ」
 指導員の男性もセイリューを褒める。
セイリューは照れ臭そうにしながらも、黙々と縄をなった。
完成した縄を輪にして、セイリューとラキアは顔を見合わせて頷き合った。
実演までしてもらった指導の甲斐あってか、初心者が作ったとは思えないほど立派な縄がそこにはあった。
「縄で作ったら、土台立派な感じじゃん?」
 にこりと笑うセイリューに、
「そうだね」
 ラキアも同意する。
そうして土台が出来たところで、二人は飾り付けをはじめた。
「教えて貰った、基本の飾り付けをしよう」
 という、ラキアの提案で、二人は協力して飾りを付けていく。
裏白はちゃんと、裏の白い面を表にして付ける。
ユズリハと御幣、昆布。
そして橙を藁でしばり付ける。
「五穀豊穣を願って、稲を付けようか」
 そう提案したのは、ラキアだった。
「それ、良いな」
 セイリューも同意する。
「稲の傍に、赤と白の紙で色を交互にして御幣風に配置してみようぜ。末広がりな感じに置いてさ」
 今度は、セイリューが提案する。
「うん。じゃあ、紙と糊をもらわないとね」
 ラキアも同意し、指導員の男性に頼んで赤と白の紙とはさみ、糊を用意してもらった。
紅白の紙を四角く切り、交互になるように糊で貼り付けてから飾る。
「赤色が入るといいな!」
 セイリューがうんうんと頷く。
「そうだ、松の葉と松ぼっくりも飾ってみよう」
 ラキアが材料を手にする。
二人で松葉と松ぼっくりを飾り、正月飾りが完成した。
神事に関係する飾りは1年の自然の恵みを願うものだ。
そういったことを大切にしている土地だからこそ、この伝統が続いているのだ。
そう思うと、自然と祈りの気持ちが生まれてくるラキア。
この地の人たちに、豊かな恵みがありますように。
そう、祈りを込めて作って行く。
自然と、両手を合わせて祈りの姿勢を取る。
「セイリューも、一緒に祈ろう?」
 その言葉に、はっとするセイリュー。
この土地の人に、たくさんの恵みがありますように。
セイリューもそう願って、両手を合わせた。
しばらくして、二人は顔を上げる。
その表情は、晴ればれとしていた。

●素敵なお正月
全ての参加者が正月飾りを作り終え、和気あいあいと会話を楽しんでいる。
この教室を機に仲を深めた者や、新しく仲良くなった者もいるようだ。
「皆さん、今回はご参加くださってありがとうございました」
 最初に作り方を説明していた男性が、参加者に声をかける。
「皆さんのおかげで、素敵なお正月になります」
 皆が作った正月飾りは、地域のあちらこちらに飾られることとなった。
特にウィンクルムの作った飾りは、ものめずらしさから、またその愛の力にあやかろうと既に見物人が出ているほどだ。
目にも鮮やかな正月飾り達は、あちこちで人の目を引いている。
可愛らしく、格好良く、様々にアレンジされた正月飾りたちが皆を祝っているようだった。
ランスの作った正月飾りは、丁寧に箱詰めされて田舎の実家に送られることとなった。
「喜んでくれると良いな」
 そわそわと落ちつかなげなランスに、
「大丈夫、喜んでくれるさ」
 セイジがそっと肩を叩く。
「オレたちの正月飾り、みんな喜んでくれるかな?」
 そう言って自分たちが作った正月飾りに視線をやるセイリューに、
「この地の人たちの幸せを願ったんだ、きっと祈りは通じているよ」
 と、ラキアが言う。
正月飾りのもたらす幸福とウィンクルムの愛の力で、この地域はきっと安らかな正月を迎える事が出来るだろう。
「そういえば、飾った後の正月飾りはどうするんだろう」
 誰からともなく、疑問の声が上がった。
その疑問に、指導員の男性が答える。
「お正月を過ぎた後に、正月飾りだけでなく、書き初めなども集めて山にして燃やします」
 何だかもったいないような気もするが、焼くことにより炎で清め、煙に乗せて天に返すのだろう。
「畑などで、盛大に火をつけて燃やすんです。残り火で餅や団子を焼いて食べるんですが、それを食べると一年間無病息災でいられると言われています」
 指導員の男性が、にこにこと続ける。
「もし良かったら、正月飾りを燃やす時にもぜひいらしてくださいね」
 もしかしたら、ウィンクルムが再びこの地を訪れるのは、そう遠い先のことではないのかもしれない。



依頼結果:成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 紫水那都
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 2 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 12月26日
出発日 01月02日 00:00
予定納品日 01月12日

参加者

会議室

  • プランは提出できてる。
    オレ達は2人でひとつの飾りを作るつもりだ。
    こういうのを作ると気持ちが引き締まるよな。
    良い時間を過ごせそうだ。

    今年もきっといろいろな事が起きると思うけど、お互いがんばろうぜ!

  • [3]アキ・セイジ

    2016/01/01-19:17 

    作り始めると凝ってしまったり真剣になったりするものだな。
    それに個性が出ると思ったよ。
    俺のはシンプルで歪みがなくてキッチリした感じ、かな。
    ランスのはどうかなあ(ちらっ

    プランは提出できているよ。
    うまく作れていると良いな。

  • [2]アキ・セイジ

    2016/01/01-00:11 


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