プロローグ
「船長を殺した犯人を、見つけて欲しいのです」
豪華客船でのクルーズの途中に、その殺人事件は起こりました。
被害者はこの船の船長。
お昼過ぎ、船長室で、鈍器で頭を殴られて絶命している彼を、副船長が見つけました。
船長室は荒らされており、船長が身に付けていた高級時計や財布などが失くなっていたそうです。
また、凶器と思われるガラス製の灰皿がその傍らに落ちていました。灰皿は船長室のテーブルに置いてあったものでした。
副船長は直ちに、船員達に閉口令が敷き、航海に支障が出ないように手配しました。
目的地に到着するまで、後二日。
顧客の動揺を誘わないよう、無事に航海を終えなければなりません。
副船長はある決断をしました。
顧客の中に、探偵が居る事を彼は知っていました。
犯人がこの先も何かをしない保証はありません。
ならば、探偵達に犯人を見つけて貰うのが良いのではないか……。
「私は……乗務員の中に犯人が居るのではないかと、そう疑っているのです」
副船長は暗い瞳でそう告げます。
「船長室に一般のお客様が入る事は難しい。当然、関係者以外立入禁止ですから」
だから、殺人犯は船長室に入る事の出来た人間だと、副船長は主張しました。
船長と揉めていた人物は複数居たというのです。
副船長が提示した容疑者は、以下の四人です。
・甲板長
・機関長
・事務長
・船医
上記四人は、この航海中に船長と口論となっている所を、複数の人物に目撃されています。
また、いずれの人物も、船長から借金をしているという噂がありました。
「航海中の仕事の無い時間に、船長は彼らと一緒に賭けポーカーをしていました。
最初は少額で遊んでいたらしいのですが、次第にエスカレートして……かなり大きな額を賭けていたようです」
甲板長はギャンブル好きで、大金を注ぎ込んでしまったという噂があります。
機関長は船長とは古くからの友人ですが、ギャンブルが元で最近はギクシャクしていたとの噂が流れています。
事務長は、船長からパシリ扱いをされており、何か弱みを握られているのではないかとの噂です。
船医は、よく診療室で、隠れて船長と何事か取引をしていたという噂があります。
※
「ようこそ、ミラクル・ミステリーへ!」
マイクを持った青年が高らかに言い、左手を突き上げました。彼の手の甲には、独特の紋章が浮かび上がっています。
そう、彼はウィンクルムです。
「今日は、ミラクル・トラベル・カンパニーの協力を得て、俺達がミラクル・ミステリーを企画・提供します!」
青年の後ろには、やはり手の甲に紋章を持つ男女達が微笑んでいました。
「皆さんもご存じの通り、この豪華客船には『黒き宿木の種』が植え付けられています。この種を浄化する為、この企画を立ち上げました。
どうか皆さん、思い切り楽しんで下さい!」
青年の言葉に、辺りから拍手が鳴り響きます。
『黒き宿木の種』とは、寄生型のオーガの種です。
地面に植えれば瘴気を撒き散らし、動くものに寄生させればオーガに出来るという恐ろしい代物でした。
不幸にも、老夫婦がオーナーである、就航間近だったこの船に、種が植え付けられてしまいました。
黒き宿木の種による瘴気の為、船の中に一般人は立ち入る事が出来ない状態となっています。
昔、新婚旅行で豪華客船でのクルージングをした楽しい思い出を、是非皆に味わって貰いたい──老夫婦はそんな想いで豪華客船を作ったと言います。
ウィンクルムの愛の力で(親密度が増せば)、黒き宿木の種は枯死します。
豪華客船を瘴気から解放する為に、ウィンクルム達は立ち上がったのです。
「これより、皆さんには探偵として、この船内の調査を行って貰います。そして、明日の19時にその結果を発表していただきます」
青年の言葉に、大ホールの壁にある大きな時計を見上げれば、針は現在15時を指そうとしています。
「役者役のウィンクルムは、その役柄の人物として船内に居ます。容疑者以外の船員役──役と言っても実際に業務をしていますが、自由に話を聞いて下さい」
甲板長をはじめ、それぞれの衣装に身を包んだウィンクルム達がぺこりとお辞儀しました。
船内には、現在ウィンクルムしか入る事が出来ない為、豪華客船はウィンクルム達の手によって運行され、ゲームも全てウィンクルムの手によって進行されるのです。
「捜査をせず、船内を自由に楽しんでいただくことも可能です。
カードルームでは色々なゲームが楽しめますので、ご自由にお使いください。
室内プールで泳ぐのも良いかもしれませんね。
夕食は19時、朝食は7時、昼食は12時から、レストラン&バーに用意します。希望があれば、部屋に運ぶ事も可能です」
厨房スタッフは居ない為、食事はケータリングを温めたものとなりますが、そこはご愛敬です。
「大ホールでの発表までに、証拠を集め、犯人を見つけて下さい。それでは、皆様さん、楽しいミラクル・ミステリーを!」
☆☆☆
『豪華客船の施設紹介』
レストラン&バー
大ホール
カードルーム(ポーカー、ブラックジャック、バカラ等を楽しめます)
図書室(様々な本が揃っています)
室内プール
診療室
『客室の紹介』
ツインベッド・バスタブ完備の個室
全室が海に面しており、バルコニーから見える景色は絶景です。
<関係者以外立ち入り禁止>※調査の為、入る事が可能となっています。
船長室※殺人現場
操舵室
機関室
無線室
事務室
船員室
『容疑者一覧』
・甲板長
・機関長
・事務長
・船医
解説
豪華客船で、NPCウィンクルム達が主催する『ミラクル・ミステリー』に参加いただくエピソードです。
参加費用として、一律400Jr消費いたします。
皆様には、副船長に雇われた『探偵』(偶々乗船していた)として、事件を探っていただきます。
翌日の19時までに、船内を捜査し、真相を推理してみてください。
※指紋鑑定などの専門的な鑑定作業はできません。
※船員役は、全員NPCウィンクルムがなりきっております。
推理を行わず、クルージングやミステリーの雰囲気だけ楽しんで過ごす事も可能です。
パートナーと一緒の客室が割り当てられておりますので、休憩や入浴、就寝はそちらでお願いします。
推理を行われる方は、プラン内に犯人の名前と、トリックや動機を明記してください。
※一プレイヤー様に付き、一人のみでお願いいたします。
神人さんと精霊さんで、意見を合わせて発表してください。
記載例:
犯人=甲板長
動機:賭けポーカーで負けが続き、船長に借金していた。
借金の清算を迫られ、カッとなって殴ってしまった。
トリック:殴った後、慌てて逃げて、甲板手にアリバイを強要した。
トリックや動機は、自由に想像してみて下さい。
面白いと思ったものを採用させて頂きます。
全員の推理が入り混じり、面白い結果になる事もあるかもしれません!
※都合上、反映できない場合もございますので、予めご了承ください。
黒き宿木の種に関しては、ウィンクルムが楽しみ、親密度が上がれば自動的に枯死しますので、プランに記載等は不要です。
以前の『ミラクル・ミステリー』のリザルトを読んで頂ければ、雰囲気が掴めるかもしれません。
ミラクル・ミステリー~桜散る夜に~
https://lovetimate.com/scenario/scenario.cgi?type=1&seq=133&gender=0
ゲームマスターより
ゲームマスターを務めさせていただく、『図書館で借りた推理小説の目次に、犯人名を鉛筆で書いていた人、土下座して下さい』雪花菜 凛(きらず りん)です。
犯人を当てる事も推理小説の醍醐味なので、かなりがっくりしました。
むきー!となりながら、必死で消しゴムで消したものです。
という、雪花菜の思い出は置いておいて……。
白羽瀬 理宇GM様主催【船旅】クリスマスGM連動企画に、参加させて頂きます!
今回は、ヤルヤル詐欺になっていた、ミステリー風味なエピソード『ミラクル・ミステリー』です。
あくまで『風』ですので、勘やアイデアで犯人を当てられたらラッキー!なエピソードです。
自由に動機やトリックをプランに記載してください。
皆様のプラン次第で、展開が七色に変わりますので、是非お気軽にご参加いただけますと嬉しいです!
※EXの為、アドリブ多めになりますこと、予めご了承ください。
皆様の素敵なアクションをお待ちしております♪
リザルトノベル
◆アクション・プラン
月野 輝(アルベルト)
前回のツアー楽しかったから今回も楽しみにしてたの さて、犯人は誰かしらね、ワ○ソン君? ふふっ、いいじゃない、アルはお医者様なんだから、ピッタリの役でしょ? 金目の物が盗まれてるって事は単純に考えれば物取りなんだけど これはきっと真実から目を逸らす為のフェイクね じゃあ船医さんにお話聞きに行きましょうか 船長さんをどう思ってたのか聞き出せるといいわね ■推理 犯人は船医 船長と協力して違法な薬物を運んでいた 脅されてやったのか報酬が良かったのかは聞いてみないと判らないけど これ以上は医者としての良心が許さなくて それで強欲な船長を思わず…なんてどうかしら? 今度はこの船、本当に新婚旅行とかで乗れたらいいなってこっそりと |
ハロルド(ディエゴ・ルナ・クィンテロ)
簡単な事件な訳がない そこで終わって良いんですか 動機が被っている容疑者が二人いるのは変 マークシートなら絶対どっちか間違っているパターン 或いは引っかけ 甲板長と機関長…生き別れの双子では 双子は共犯、これ100%です 二回目の調査です 機関室の後にレストラン (調査3割遊び7割) レストランの魚料理を見て閃きました 犯人:甲板長と機関長 動機:偶然にも今回の船旅で再会し喜びも束の間、借金に苦しむ弟(甲板長)を見かね機関長が救いの手を差し伸べた トリック:機関室のクーラーに予め鰹を入れ凍った状態に なんとかして鰹を船長室に持ち込み殴り、その後解凍し料理へ 推理の結果にかかわらず最後は窓のほうへ歩き 終わった…と渾身のドヤ顔 |
ガートルード・フレイム(レオン・フラガラッハ)
待てレオン、副船長は動機が全くないぞ ルール通り四人を疑おう 盗品は四人の持ち物を捜せば出てきそうだ だがそんな短絡的に、物取り目当ての犯行をするだろうか 逆に賭け事は関係ないのでは 犯人は賭け絡みのトラブルがあった甲板長や機関長に罪をなすりつけるつもりで、物を盗み、盗品は海に捨てたのではないか… ★四人に話を聞く ・犯行当時どこで何をしていたか(アリバイはあるか船員に裏をとる) ・四人のうち一番カッとなりやすい人は誰か ★船長室で航海日誌に注目 船長が日記をつけている筈だ ★事務室を念入りに調査 事務長が弱みを握られる理由がないか書類を精査 容疑者の履歴書等個人情報を探す レオン…どうしても副船長を絡ませたいんだな… |
エセル・クレッセン(ラウル・ユーイスト)
うん、推理小説は面白いよな。ミステリーツアー楽しみだなあ。 犯人=事務長 甲板長と機関長両方と揉めてたなら理由はやっぱり借金精算かな? ということは船長はお金が必要だった? 船医と船長の取引かあ。…船だし密輸?禁制品とか麻薬…。 あ、事務長の弱みの話もあった。 …うん、最初は事務長が船医と取引してたんだ。それを船長に知られて弱みを握られ、取引も船長がするようになった。 船長は麻薬に手を出して、ギャンブルの借金精算で賄おうとしてトラブルに。 このままでは取引が表に出るかもしれないし、その時は罪を全部被せられるかもと恐れて、事務長が船長を始末したんだ。 …とりあえず、機関長に話を聞こう。船長の最近の様子とか。 |
秋野 空(ジュニール カステルブランチ)
すみません、事件の事を考えていて… 容疑者全員の動機が同じとはあまりにも不自然に感じたので 趣味全開で変則的な仮説を立てていました 第一発見者の副船長が犯人、という可能性です 探偵に自ら依頼し協力者顔でミスリード 明らかな動機を上げることで他の動機から目を逸らして さり気なく自分を容疑者から外し 容疑者を複数にすることで捜査時間のロスを狙い 容疑を補強する為 金品を奪い海へ捨てて証拠隠滅 本当の動機は、一人の女性を巡る痴情の縺れ 後2日凌いで寄港先で行方を眩ます予定 だと、よりドラマチックです 取られた手に、急に二人きりという現実を感じて赤面 掛けられた言葉の優しさに泣きたいような安心感を得て 頷くかわりにそっと寄り添った |
●現場
探偵達は、事件現場である船長室を訪れていた。
「これが現場ですか……」
ハロルドが見下ろす先には、人の形をしたシーツ。
床の上に倒れる被害者の躯が人目に晒されないよう、誰かがシーツを掛けたという事は一目瞭然であった。
案の定、案内役の副船長が、船員達と一緒に掛けたものだと説明した。
(初手はやはり現場の調査だろう)
ディエゴ・ルナ・クィンテロは、シーツを見下ろすハロルドの隣で、部屋の中を注意深く見渡した。
船長室は、公室と寝室に別れている。
現在、彼らが居るのは公室。
ソファや執務机が並ぶ、かなり広さのある部屋だ。壁には絵画が飾られていた。
船長の死体と思われるシーツは、来客用のソファの近く、執務机の方を向いて倒れているように見える。
「シーツの中身を拝見しても?」
シーツの隣にしゃがみ、そう声を上げたのは、アルベルトだ。
「ええ、構いません」
副船長が固い表情のまま頷く。副船長は、中性的な容貌に白い肌が印象的だった。着用している船内着が大きく見える。
そっとハンカチで口元を押さえ、副船長は探偵達に背を向けた。死体は見たくないのだろう。
そんな副船長の様子を見つめ、レオン・フラガラッハはふむと顎に手を当てた。アイスブルーの瞳が細められる。
「レオン、どうかしたのか?」
ガートルード・フレイムが首を傾ければ、レオンは僅か口の端を上げた。
「後でな」
ぽんと肩を叩かれて、ガートルードは楽しそうなレオンの横顔を見る。
「……後ろから殴られたみたいね」
月野 輝の少し硬い声がして、ガートルードの視線は床に戻った。
そこでは、シーツが上げられ死体(マネキン人形)が露わになっている。
輝の言った通り、死体はうつ伏せに倒れており、後頭部に大きな打撲痕があった。傍らには血に濡れたガラス製の灰皿が転がっている。
「他に外傷はない、みたいだな」
エセル・クレッセンが真剣な眼差しを死体に向けて、顎に手を当てた。
「念の為、服の下に傷がないか確認しましょう。よろしいですか?」
アルベルトが問い掛けると、副船長は背を向けたまま頷く。
男性陣は協力して、死体から衣服を脱がせた。
「やっぱり、他に傷はないか……」
両手両足、胸部腹部背中……順番に見て行って、ラウル・ユーイストが呟くと、一同は一様に頷く。
「防御創がない……という事は不意打ちか、または……顔見知りの犯行が考えられますね」
秋野 空が手首の革ブレスに触れながら口を開くと、その隣でジュニール カステルブランチが瞬きした。
「防御創、ですか?」
「通常、被害者が身を守ろうと抵抗すると、腕などに『防御創』と呼ばれる傷や痣が残るものなのです。今回の場合ですと、凶器は灰皿──犯人が頭に打ち下ろそうとする、それから被害者が身を守ろうとしますと……こう」
空は頭の前で手をクロスしてみせた。
「こんな風に防御しますよね?」
「そこへ……犯人がこう灰皿で攻撃すれば──」
エセルが灰皿を持つ真似をして、空へ手を振り下ろす。
「腕には痣が残る筈だ」
トンと、エセルの指が空の腕を指差した。
「けど、死体にはそんな傷はない」
ラウルの言葉に、ジュニールは成程と頷く。
「部屋が荒らされていたらしいが……」
アルベルトと一緒に元通り死体に衣服を着せ、シーツを被せてから、ディエゴが立ち上がり周囲をもう一度見渡した。
この部屋には、荒らされたような形跡はない。
「綺麗なもんだな」
レオンがそう言うと、副船長は奥の扉を示した。
「荒らされているのは、あちらの寝室になります」
一同は副船長の後に続いて、その扉を潜る。
部屋の中は、文字通り荒れていた。
ベッドの上や床には、クローゼットや本棚、デスクから無造作に出したであろう、衣服や本、船長の私物らしきものが散乱している。
「確か、盗まれたのは船長が身に付けていた高級時計や財布なのですよね?」
「ええ。確認出来ているものは、時計と財布となります。それ以外については……この部屋に何があったのか、我々では正確な所は分からないので……」
アルベルトの問い掛けに、副船長は申し訳なさそうに瞳を伏せた。
「何かを探していたのかしら」
「荒らされている所を見ると、犯人の目的は船長が所持していた『物』と考えるのが妥当だろう」
輝の呟きに、ディエゴが答え眼差しを険しくする。
「しかし、この船という密室の中で盗みとは……」
ガートルードは腕組みをして唸る。
盗品が持ち物から発見されたら、即座に犯人とバレてしまう。果たして、そんな短絡的な犯行を行うものだろうか。
「ガーティ」
そんな彼女の耳元へ、レオンがそっと囁いた。
「俺、分かったかも」
「え?」
驚いてガートルードがダークレッドの瞳を瞬かせると、レオンはパチンとウインクした。
「取り敢えず、犯行現場の確認はこんな所かな。俺達は別の所を探索するぜー」
じゃあなと仲間達に手を振り、レオンはガートルードの手を引いて船長室を出る。
「レオン、もう分かったのか? あれだけで?」
ガートルードは、ずんずんと前を歩くレオンの背中に問い掛けた。
船長室から離れた所で、彼はぴたりと歩みを止め、振り返ってくる。
「副船長が怪しい!」
びしっと人差し指を立てて、レオンが断言した。
「……副船長?」
思わぬ人物の名前に、ガートルードは目を丸くする。
「第一発見者だし、借金してる四人に罪をなすりつけるつもりじゃねえの?」
自信満々な様子のレオンを見上げ、ガートルードが首を振った。
「待てレオン、副船長は動機が全くないぞ。ルール通り四人を疑おう」
「えー」
レオンは不服そうに唇を尖らせる。
「一番怪しくない奴が犯人ってセオリーじゃん」
「ゲームなんだから、ルールに沿うのがセオリーだ」
二人の眼差しがぶつかる。
レオンは軽く肩を竦めた。
「ガーティ頭固てぇな」
「……ただ、動機に関しては、逆に賭け事は関係ないのでは……と思っている」
ガートルードは真っ直ぐにレオンを見た。
「犯人は賭け絡みのトラブルがあった甲板長や機関長に罪をなすりつけるつもりで、物を盗み、盗品は海に捨てたのではないか……」
「成程」
レオンは小さく頷いて、ガートルードに微笑んだ。
「……で、名探偵ガーティは、これから何をする?」
「……茶化すな」
ガートルードはこほんと咳払いした。
「四人に話を聞きに行こう」
「私達も他の場所の探索に行きましょう」
輝はそう言ってアルベルトを見上げた。
「そうだな」
ベッドの上に散らばるものを確認していたアルベルトは、顔を上げるとにっこり笑って頷いた。
「それじゃあ、また後で」
探偵仲間達に会釈して、輝とアルベルトは船長室を後にする。
「楽しそうだな、輝」
真剣に何かを考えている横顔に、アルベルトは笑みを湛えながら言った。
即座に黒曜石の瞳を楽しそうに煌めかせ、輝がこちらを見てくる。
「前回のツアー楽しかったから今回も楽しみにしてたの。
──さて、犯人は誰かしらね、アルベルト君?」
キラキラした眼差しを受けて、アルベルトは自然と己も楽しいと感じる感情が湧き上がるのを感じた。
(できれば、この船が新婚旅行向けだと言うことを意識して欲しい所なんだが……この楽しそうな顔を見られるだけで、今は満足しておくか)
彼女を見つめ、軽く肩を竦めて微笑む。
「やれやれ、探偵助手にされてしまったか」
「ふふっ、いいじゃない、アルはお医者様なんだから、ピッタリの役でしょ?」
輝は両手を後ろで組んで、アルベルトを見上げた。
「それじゃあ名探偵殿、今回も名推理を期待してますよ?」
アルベルトが優雅に一礼すると、輝は小さく咳払いする。
「こほん。じゃあ、現在のところの私の見解を説明するわね」
小さく深呼吸して、輝は口元に手を当てた。
「金目の物が盗まれてるって事は、単純に考えれば物取りなんだけど……これはきっと真実から目を逸らす為のフェイクね」
「そうだな。この巨大な密室とも言える空間で、物取りは短絡的過ぎる」
「アルもそう思う? 私ね、船医さんが気になってるの」
「船医?」
「船長さんと隠れてやり取りしていたっていう話があったでしょ? 気になるの」
「成程……では、これから?」
「ええ、船医さんにお話聞きに行きましょうか」
「ラル、私達も行こう」
クローゼットを眺めていたエセルが顔を上げ、窓の外を見ていたラウルに声を掛けた。
「次は何処に行くんだ?」
「考えながら行く。それでは、お先に失礼する」
エセルが会釈をするのに合わせ頭を下げ、ラウルは彼女と共に船長室の外に出た。
この船の中では、ほとんど揺れがない。
ラウルは広々とした船内を見渡した。
豪華客船でのクルージングにも、このミステリーイベントにも余り興味は無い。
『黒き宿木の種』が関わっているなら、仕事と言えば仕事──そう思っているラウルでも、この船は良い船だなんだろうなと思った。
「推理小説みたいで面白いな」
エセルが銀の瞳を輝かせ、振り返って来る。
楽しそうな彼女に、ラウルは僅か表情を緩めた。
反対するのも面倒くさいと思って付いて来たが、偶にはこんな一時も良いのかもしれない。
「甲板長と機関長──両方と揉めてたなら、理由はやっぱり借金精算かな?」
ゆっくりと歩きつつ、エセルは考えながら口を開く。
「ということは、船長はお金が必要だった?」
「借金してたとか、証拠があればいいんだがな。船医も船長と何か取引していたんだろ?」
「船医と船長の取引かあ。……船だし密輸?禁制品とか麻薬……」
ラウルの言葉に、エセルはうーんと小さく唸った。
「あ、事務長の弱みの話もあった」
「怪しい奴だらけだ」
ラウルが肩を竦めると、エセルは歩みを止める。銀色の瞳が集中し細められて──。
「……とりあえず、機関長に話を聞こう」
「機関長? ああ、船長の古くからの友人だからか」
「船長の最近の様子とか、聞き込みしよう」
エセルとラウルは、機関長を探して機関室へと歩き始める。
「……少しよろしいでしょうか?」
空は、副船長を見上げて遠慮がちに声を掛けた。
副船長が穏やかに微笑んで頷く。
「副船長さんは、船長さんとは長いお付き合いになるのでしょうか?」
副船長は小さく瞬きしてから、窓の外を見た。海が陽の光に輝いている。
「この船で一緒に勤務するようになって、二年でしょうか。私より、機関長の方がずっと長いお付き合いだと思います」
「この船に乗る前は、お知り合いではなかった?」
「名前と顔ぐらいは存じ上げておりました。狭い業界ですから」
副船長はやんわりと微笑んで、壁の時計に視線を向けた。
「申し訳ありません。そろそろ定時報告会の時間ですので、私はこれで失礼します」
「ご案内有難う御座いました」
ジュニールがにこやかにお礼を言えば、副船長は一礼して、船長室を出て行った。
「さて、ソラ。俺達はどうしますか?」
その背中を見送り、空へと視線を向けたジュニールは、彼女の表情に小さく目を見開く。
菫色の瞳は悲しげな色を称え、深く考え込んでいる様子だ。
「ソラ?」
肩にそっと触れて声を掛けると、空がやっとジュニールを見る。
「あ、すみません……少し考え事をしていて」
「考え事をするのなら、何処か落ち着ける場所に移動しますか?」
ジュニールがそう言うと、空は僅か考えるようにしてから、そっと首を振った。
「いいえ……少し、ここで探したいものがあるんです」
ハロルドとディエゴは、再度事件現場である公室に戻っていた。
「その場にあったものを使って殺し、隠滅する努力すら見せていない……」
ディエゴは、床に転がる灰皿を注意深く観察する。
もしかして、凶器は別である可能性も考えたが、後頭部の傷痕とガラス製灰皿の形状は一致しているように見える。
「場当たりで衝動的な性格だ、計画的犯行ならそんなミスはすまい。ところで──灰皿はいつも何処に置かれていたのだろうか?」
丁度私室から出て来た副船長へと声を掛ける。
「灰皿は、いつもこのテーブルの上にありました」
副船長が指差したのは、来客用ソファーに挟まれる形で置いてある木製のテーブルだった。
一礼して去っていく副船長に会釈して、二人は木製のテーブルと灰皿を見遣る。
「では、ここから灰皿を取って、被害者の後頭部を殴った……と」
ハロルドがその動きを再現するように動いた。
「被害者が執務机の方へ何かをしに歩いていく所を、後ろから殴った形になるな」
ディエゴが船長の動きを推察して動き、位置関係を確認する。ハロルドとディエゴは顔を見合わせた。
「船長が殴られているのは、右頭部だ。という事は、犯人は右利き──容疑者の利き手を観察すれば絞られてくる筈」
ディエゴは両手を顔の前で合わせた。
これまでの情報を整理して考える。
衝動的ま犯行、場当たり的行動。これらを総合すれば……。
「性格的に甲板長だろうと踏んで……」
「簡単な事件な訳がない」
きっぱりと、ディエゴの言葉を遮るハロルドの声。
ディエゴはハッとして顔を上げた。
「そこで終わって良いんですか」
ハロルドは真っ直ぐにディエゴを見つめている。
「動機が被っている容疑者が二人いるのは変。
マークシートなら絶対どっちか間違っているパターン。
或いは引っかけ……」
その時、ディエゴは見た。
ハロルドの青と金色のオッドアイ──瞳に力が満ちて。
(瞳孔が開くこの表情、推理が冴えている時の表情だ……!)
カッと雷撃が落ちるような衝撃に、ディエゴは震えた。ハロルドは、今まさに真相を暴き出そうとしている!
「わかりましたよ、ディエゴさん」
ハロルドが力強く人差し指を突き出した。
「この事件の、犯人は──……」
●探索
機関室には、さまざまな機械が並んでおり、機関士達が忙しそうに機械に向き合っていた。
「え? 今日の10時から13時まで、何をしていたかって?」
ガートルードの問いに、機関長はうーんと唸ってから、
「この機関室で指示を出してたぞ。いつも通りだ。なあ、お前ら、そうだよな?」
部屋に居る機関士達へ同意を求めた。機関士達は皆頷く。
「仕事って具体的にどんなことしてるんだ?」
レオンが続けて尋ねると、機関長は笑った。
「機関士ってのは、船にある機械は全部管理しているんだ。
船を動かすエンジンに、船の電気を配給する発電機。ボイラーに、食糧を貯蔵してる冷蔵庫まで、全部機関部の管理だな。
機関士ごとに担当が決まっていて、それを統括するのが俺の仕事だ」
「縁の下の力持ちってカンジだなー」
ちらりとレオンはガートルードを見遣る。彼女は小さく頷いた。
少し話しただけでも、彼が大らかで部下に慕われているのが伝わってくる。
「個人的見解で構わないのだが……甲板長、事務長、船医のうちで、一番カッとなりやすい人は誰だろうか?」
「カッとなりやすい? 熱くなりやすいって事か?」
機関長は顎に手を当てて、瞳を閉じた。
「そうさなぁ……敢えて選ぶなら甲板長かな。明るくて良い奴なんだが、熱くなると周りが見えなくなる所があるからなぁ……」
瞳を開けて苦笑する機関長に、ガートルードは有難うと一礼する。
次に話を聞く人物は決まった。
「もう一つ、いいか?」
レオンが片手を上げて、機関長を見つめた。
「副船長の事なんだけど」
「副船長?」
「船長と副船長がモメてたって事、ない? 喧嘩したりとか、普段から仲悪かったとか……何かあって副船長が船長を恨んでいたりとか」
「いや、副船長が船長と仲が悪い所なんて、見た事ないなぁ。上手くやっていたと思うぞ。副船長はデキる奴だしな。船長のお気に入りだ」
「失礼する」
そこへ、エセルとラウルが姿を現した。
「よ。エセルちゃん達も機関長に話を聞きにきたのか?」
レオンが片手を上げると、エセルが頷いてガートルードと機関長を見る。
「お邪魔しても良いだろうか?」
「勿論」
「こちらの話はもう終わったから大丈夫だ」
レオンが頷き、ガートルードは微笑んだ。
「話、聞かせてくれて有難う。それでは、失礼する」
ガートルードとレオンは、連れ立って機関室を出る。
エセルとラウルは二人を見送ってから、機関長に向き合った。
「お嬢ちゃん達は、何を聞きたいんだ?」
「船長の最近の様子について、聞かせて貰いたい」
「船長の様子?」
「何か、最近変わった様子が無かったとか」
ラウルが補足すると、機関長は腕組みして少し考えた。
「……いや、特に俺は思い当たらないなぁ」
「些細な事でもいいんだ」
エセルがぐっと両手の拳を握って言うと、機関長はそういえば……と瞬きする。
「最近、少しピリピリしてたかな。機嫌が悪いというか……でも、元々気分屋な所もあったし、特に気にしてなかったが……」
「ピリピリ……原因に心当たりはないだろうか?」
エセルがずいっと前に出ると、機関長は申し訳なさそうに首を振った。
「言ったろ?気分屋だって。いつもの事かと思ってた。触らぬ神に祟りなし、だ」
「……そうか……」
エセルが残念そうに肩を落とした時、ラウルがその肩をとんとんと軽く叩いた。
「事務長の弱みについても聞いてみろ」
彼の囁きに、エセルは頷いて機関長を見上げる。
「船長が事務長の弱みを握っているという噂があるそうだが……弱みとは何か、知っていたら教えて欲しい」
「あーそれなぁ……」
機関長の眉が八の字に曲がった。
「気になって聞いた事があるんだが、双方、『弱みを握ったり握られたりはない』って言い張ったんだよなぁ……」
──だから、分からない。
苦笑する機関長を横目に、エセルは深い思考に沈んで行った。
医務室に入ると、消毒液の独特の香りが鼻孔を擽った。
「失礼します」
輝の声に、椅子に腰を掛けていた白衣の男性が振り返った。
「おや、どうされました?」
ニコニコと笑顔で尋ねてくる船医に、アルベルトも笑みを返す。
「我々は探偵です。お話をお伺いに来ました」
「ああ、そうでしたか」
船医は、輝とアルベルトに椅子に座るように促した。
「で、私に聞きたい事とは?」
「亡くなった船長さんとは、よくカードゲームをされていたとお伺いしていますが……仲が良かったのですか?」
輝の問い掛けに、船長は曖昧に微笑む。
「まあ、仕事仲間ですし……ずっと同じ船に乗っているんです。それなりに、と申しましょうか」
「友人関係ではないのですか?」
「友人、ねぇ……あくまで仕事仲間ですよ。なあなあになると仕事がやり辛くなりますからね」
アルベルトは、輝の質問に答える船医をじっと見つめた。
感情の読めない笑みを浮かべてはいるが、嘘は言っていないようだ。
言葉にも態度にも、嘘を吐いているサインは見当たらない。
(灯台もと暗しと言うこともあるかと思いましたが、不審な薬物も……見える範囲には無いようですね)
船医の様子を観察しながら、アルベルトは注意深く部屋の中を見渡していた。
即座に次の行動に思考を切り替える。
「実はですね、私もカードゲームには目がないんですよ」
アルベルトがにっこり微笑めば、船医はおやと瞬きする。
「彼女と二人でゲームしても、どうもいつも同じような展開になってしまって……少し飽きていた所なのです。
貴方は強そうだ。良ければ一戦如何です?」
アルベルトが懐からカードを取り出せば、船医の瞳が輝いた。
「私の推測が正しければ……写真など、もしかしたらあるのかも……」
空は、船長室の私室で、床やベッドに散財するものを、一つ一つ確認していた。
「写真ですか? 一体誰の?」
ジュニールは空の隣で、彼女と同じく散らばっているものの中から、写真を探す。
「……船長さんにとって、そして犯人にとっても大切な人です」
「大切な人……?」
「ええ。そして、それこそがこの事件の動機だと思うのです」
空は思い至ったその結論に、瞳を僅か揺らした。
「事件の動機がそれだとしたら……犯人は、その動機を隠す為に部屋を荒らして、その写真を持ち去ったのかもしれません」
だから、持ち去られていた場合、探しても無駄なのかもしれない。
「でも、少しでも可能性があるのならば……探してみたいんです」
決意の色に染まる空の瞳を見つめ、ジュニールは微笑む。
「なら、俺はソラのお手伝いをするまでです」
「ジューンさん……」
無駄になるかもしれない探索に付き合ってくれる彼に、空は胸が熱くなるのを感じた。
「あ。ソラ、これって……」
その時、ジュニールがシーツの間に挟まっていた金の鎖を手に取る。
シャラリと揺れるそれは、ロケット型のペンダントだった。
ジュニールが小さなロケットを開くと、その中には──。
「その発想はなかった……俺は頭が固いな」
ディエゴはすっきりした表情でハロルドを見ていた。
ハロルドもまた、清々しい笑顔だ。
「私の推理を確かなものをする為にも、裏付け調査をしましょう」
ぐっとハロルドが拳を握れば、ディエゴはうむと重々しく頷く。
意気揚々と二人が向かったのは、機関室だった。
「たのもー!」
扉を開いて中に入れば、機関長と機関員達の視線が一斉に二人の方を向いた。
「おう、また来客か。今日は賑やかだな」
にかっと笑う機関長に、ハロルドはずんずん歩み寄り両手を差し出した。
「? 何だ? 握手か?」
機関長が右手を差し出す。その手をがしっと掴んで、ハロルドの瞳が光った。
「ディエゴさん」
「ああ、右利き、だな」
ぶんぶんと握手した手を振り回して、ハロルドは機関長の手を解放する。
「これで一つ、真相に近付きましたよ。次に行きましょう!」
慌ただしく去っていくハロルドとディエゴを、機関長と機関員は目を丸くして見送ったのだった。
●疑惑
四人から話を聞き終わり、ガートルードとレオンは、船長室に戻っていた。
公室、寝室と順番に散らばるものから本をチェックしていく。
「……うーん、航海日誌があると思ったんだが……」
ガートルードが瞳を曇らせる。
一通り見て回っても、それらしきものは発見出来なかった。
「犯人が持ち去ったかのかもしれないぜ? 航海日誌を持ち去るカモフラージュに、部屋を荒らして財布とかを盗っていったーとか」
レオンの言葉に、ガートルードはそうかもしれないと頷く。
「四人の中じゃ、事務長が怪しくねえか」
考え込むガートルードに、レオンが口を開いた。
「白昼堂々、灰皿で相手殴るって頭のいい奴はやらなさそー」
言いながらレオンは、話を聞いた四人の顔を思い出す。
「かっとなって殴ったって感じじゃん。船医なら、毒使うとか、もう少し計画的なんじゃねーの」
「確かに……それに、事務長が握られていたという弱みも気になるな」
「って訳で、事務室を調べようぜー」
ぐっと親指を立てるレオンに、ガートルードは顔を曇らせる。
「しかし、事務室には事務長本人が居座っていたぞ」
「俺がカードゲームに誘い出すから、その間にガーティよろしく! ギャンブル好きなら乗ってくるだろ。
ついでにディーラーにも船長の話を聞いてくるぜ」
「……分かった」
事務室は何としても調べたい。
レオンの提案に、ガートルードは乗る事にした。
「やっほー事務長さん。今暇ー?」
レオンが単独で事務室へ入ると、事務長は書類整理をしていたようだった。
「また君か。もう話す事はないですよ」
「違う違う。俺の調査はもう終わり。で、ヒマだからー事務長さん、俺とカードルームでゲームでもしない?」
「カードルームでゲーム?」
ピクリと事務長の眉が上がる。興味を持った事は確実だった。
「そ。なんなら……少し賭ける?」
ぼそっと耳元へ囁けば、事務長は咳払いをして立ち上がる。
「……私も今日の仕事は終わった所です。少しだけ、ですよ」
「さっすが事務長さん! 話分かるー」
レオンは両手を合わせてくねくねと踊るようにして喜んだ。それから二人は連れ立って部屋を出ていく。
レオンが僅か後ろを振り返り、こっそりと手を振った。
その後ろ姿を見送ってから、ガートルードは事務室へと潜りこんだのだった。
何時の間にか、船内は夜の闇に包まれている。
レストラン&バーで夕食を食べてから、エセルとラウルは船長室へとやって来た。
「で、何を探すんだ?」
部屋の灯りを灯して、ラウルはエセルを振り返る。
「ずばり、賭けの結果を記した物とか……あと、麻薬だ」
「麻薬?」
エセルは深く頷いた。
「船医と船長の取引で、麻薬とかの禁制品をやり取りしてたかもしれない」
「けど、俺が犯人なら、そういう足の付くものは確実に持ち去ると思うが……」
ラウルの言葉に、エセルはうっと言葉に少し詰まる。
「だ、駄目元だ。持ち去り損ねたものがあるかもしれないし」
ぐっと拳を握るエセルの様子に、ラウルは思わず僅か笑みを零した。
「ああ、分かった。……探してみるか」
ぽんと髪に触れた手が温かくて、エセルは一時停止する。
「ほら、探すぞ」
寝室に散らばるものを確認し始めるラウルに、エセルはハッと我に返ると、紅い頬を隠すように床に落ちるものに視線を向けたのだった。
「いやあ、お強いですね!」
何度目かの勝負を終えて、船医は感嘆の溜息を吐いた。
「いえ、運が良いだけですよ」
アルベルトはにこやかに微笑み、カードを丁寧に揃える。
(アルってば、全然負けなかった……凄いわ)
輝はそっと船医とアルベルトを見比べた。
ポーカー、ブラックジャック、セブンブリッジ……すべてのゲームで、アルベルトは船医を上手に乗せながら勝利を攫っていた。
船医のアルベルトを見つめる眼差しには、尊敬の念が浮かんでいる。
(仕草や表情でブラフかどうかを分析出来れば……勝つ事はそれほど難しくはない。分かりやすい相手で良かった)
アルベルトはすっかりこちらに好意を抱いたらしい船医を見つめた。
「船長さんも、カードゲームはお得意だったんですか?」
「貴方程ではないですが、船長も強かったですね。なかなか勝たせて貰えませんでした」
「船長さんの一人勝ちが多かった?」
「はは、まあ、一番勝ってましたね。甲板長や機関長は負けてよく熱くなってました」
「おや、貴方や事務長さんは熱くならなかったのですか?」
アルベルトの問い掛けに、船医は頬を掻いて笑う。
「確かに金銭を賭けてはいましたが、僅かな額です。娯楽の無い生活のささやかな楽しみ。勝っても負けても、ゲームが楽しめればいいんです」
船医の言葉に、アルベルトと輝は思わず顔を見合わせた。
「では、賭け事でトラブルになって、船長が殺された可能性は無いのでしょうか?」
「私は、そんな事は有り得ないと思いますよ」
きっぱりと答える船医は笑顔で、嘘を言っている気配は読み取れなかった。
ベッドに腰掛けた空は、じっと手の中にあるロケット型のペンダントを見つめている。
「ソラ、食事が来ましたよ」
ジュニールが声を掛けるも、反応はなかった。
ジュニールは空に歩み寄ると、彼女の顔を覗き込んで話し掛けた。
「ソラ、体調でも悪いのですか?」
至近距離で話しかけられ、空は漸く思考の中から戻ってくる。驚くほど近くにあったジュニールの端正な顔立ちに、一気に顔に熱が集まった。
「すみません、事件の事を考えていて……」
「構いませんよ。でも、折角の食事が冷めてしまいますから、少し休憩しましょう」
にっこりと笑うジュニールに頷くと、彼は空の手を取って立たせてくれた。
一緒にテーブルを囲んで、手を合わせる。
「美味しい……」
温かなシチューは、空の凝り固まった身体を解すように温かかった。
レストラン&バーには、静かな音楽が流れている。
本来なら、生の演奏が聴けるのであろうステージがあるが、今はそこには誰も居ない。
代わりに、レコードから流れる少しレトロで柔らかい音楽が、優しく空間を包んでいた。
「良い雰囲気ですね」
テーブル席にディエゴと向かい合わせに座り、ハロルドは窓の外を見る。
窓の外には既に星が瞬き、海面に映り込んだ月が揺れていた。
「お待たせ致しました」
店員が料理を運んでくる。
二人の前に、まず並んだのは前菜。
玉葱のスライスが白、鰹が赤、レタスが緑──クリスマスカラーに彩られた鰹のたたきだ。
「美味しそうですね」
「ああ、見た目も鮮やかで食欲をそそる」
二人は手を合わせてから、早速鰹を口に運んだ。
身がやわらかで、香ばしい。添えられた薬味もまた、美味しさを加速させる。
二人は目を閉じて、その味を味わった──。
「ディエゴさん」
鰹を飲み込んだハロルドが、興奮に掠れる声でパートナーを呼んだ。
まさか──。
冴え冴えと光る彼女の瞳に、ディエゴは息を飲む。
「私、分かりました──そう、鰹、だったんです……!」
●夜
「まさか、こんな事になるなんてな……」
レオンの呟きが、静かな船室に響いた。
「驚いた。……まさか、レオンの言う通りになるとは……」
ベッドに腰掛けたガートルードは、手元の書類を信じられない思いで眺める。
事務室で見つけたそれには、驚愕の事実が書かれていた。
事務室に向かう道すがら、レオンが口にした言葉。
どうしても副船長を絡ませたいんだな──そう思ったガートルードは、予想だにしていなかったのだ。
「レオンの方は、何か話は聞けたのか?」
顔を上げて窓辺に立つ彼に声を掛ければ、レオンはニッと口の端を上げた。
「ああ。なかなか面白い話を聞けたぜ」
彼はテーブルの上にあるワインボトルを取ると、ソムリエナイフを手に丁寧にワインを開ける。
鮮やかな紅を二つのワイングラスに注いで、レオンはその内一つをガートルードに差し出した。
「飲みながら、話そうぜ。ここらで考えを纏めておきたい」
「ああ。……良い香りだな」
グラスを受け取り、ガートルードは芳醇で甘い香りに瞳を細める。
カチンと澄んだグラスの音が、二人の間に響いた。
気品のあるインテリアが、落ち着いたライティングに照らされて、窓の外に広がる夜の海を幻想的に浮かび上がらせていた
「アル、お疲れ様」
輝が差し出したグラスに、アルベルトはグラスを合わせる。
「輝もお疲れ様」
澄んだ音を響かせ微笑み合う。
「船医さん、悪い人では無さそうだったわよね。でも……引っかかる所があるの。アレも気になるし……」
「そうだな。……彼は嘘を言っている様子もなかったが……ただ、何かを隠しているようではあった」
「……そこに真相が隠れてる?」
「きっと……ね。明日、貨物室を探索してみよう」
アルベルトはグラスを傾けると、思わず口元を上げた。
最高に雰囲気の良い場所で、話す事はミステリーイベント一色。でも、それが彼女らしいというか。
「……」
微笑む彼を見つめ、輝は視線のやり場に困るように、グラスへと視線を落とした。
柔らかい灯りに照らされたアルベルトがとても綺麗で……。
(今度はこの船、本当に新婚旅行とかで乗れたらいいなって……)
こっそり描く未来予想図は、輝の胸を温かく満たし、頬をほんのりと赤く染める。
そんな彼女の表情に、アルベルトが密かに笑みを零したのを、輝は知らない──。
ハロルドとディエゴは、辿り着いた結論の衝撃に震えていた。
甲板に立つ二人の髪を、夜風が揺らしている。
「まさか、そんな残酷な方法だったとは……」
ディエゴの声が何処か呆然と響く。
「真実とは、時に残酷なものです」
ハロルドは星々が煌めく空を見上げて、白い息を吐き出した。
「虚しいものですね、分かってしまうと……」
両手で己の身体を抱くハロルドを横目に、ディエゴは着ていた上着を脱ぐ。
「冷えてきたな……」
ふわりと肩に降りた温もりにハロルドが顔を上げると、ディエゴの穏やかな微笑みがあった。
「有難う御座います……」
寒いけど、温かい。
息を吐いて、身を起こす。
「……ッ……」
ラウルはベッドから身を起こし息を吐き出した。
──また、夢見が悪かった。
閉じた瞼に浮かぶのは、血の色。鼓膜に残るのは、悲鳴。
「……ラウ?」
遠慮がちに響いた声に、ラウルは僅か肩を揺らし隣を見遣る。
起き上がったエセルが心配そうにこちらを見ていた。
「……別に、……なんでもない……」
首を振ってラウルはもう一度眠ろうと、横になろうとしたのだが。
「ラウ、少し待っててくれ」
エセルは勢いよくベッドを降りると、駆け足に部屋を出て行ってしまった。
「……?」
待つ?何を?
思わず呆然と見送って暫く、盆を手にエセルが戻ってくる。盆の上には湯気を立てるカップ。
「リラックスして眠れば、悪い夢を見ずに済むかもしれないから」
そう言ってエセルが差し出したのは、ホットミルクだった。
わざわざ厨房から貰ってきたのだろう。
勧められるまま、一緒に温かいミルクを飲めば──ほんのりと、熱が染み渡るようで。
「……サンキュ」
ぼそりと微かに聞こえた彼の声に、エセルは頷いて微笑んだのだった。
黄金色の酒がゆっくりとグラスを満たすと、蜂蜜の甘い華やかな香りが広がった。
「ソラ、食後の蜂蜜酒は如何ですか?」
ソファに座る空に、ジュニールはグラスを手に歩み寄る。
「蜂蜜酒って、新婚旅行を『ハネムーン』という語源になったらしいんですけど、ソラは知ってましたか?」
隣に座って彼女を見つめるも、また彼女は深い思考に潜っているようだった。
期待する反応がなくて残念に思う気持ちも浮かぶが、真剣な彼女の横顔は美しいと思う。
(この際ですし、ソラの事をじっと見つめてみるのもいいかもしれません)
今なら、彼女は己の視線に気付いて困った顔になる事もないから──。
「あ……」
暫く時間が経って、空が睫毛を揺らしたと思ったら、こちらを見てくる。ばっちりと視線が合った。
みるみる空の頬が紅く染まる。
「ジューンさん……何時の間に……」
「ソラ、考えは纏まりましたか?」
ジュニールが差し出すグラスを受け取って、空は小さく頷く。
「趣味全開で変則的な仮説を立てていました」
空は緊張の面持ちで考えを話した。
「わかりました、それで行きましょう」
ジュニールの声に、空は驚いて顔を上げる。
「本当に、いいんですか?」
「俺の守備範囲外ですので正解はわかりませんが……あくまでもゲームですから。ソラが面白いと思った説で良いと思います」
にっこりと微笑む彼には、己に対する信頼が透けてみえて……空は思わず俯いた。鼓動が速くなる。
それを不安と感じ取ったのか、ジュニールは空の手を取った。
ぎゅっと握られた手に、頬が熱くなる感覚を覚え、空は益々顔を上げられない。
ああ、それに意識していなかったけれど、今この部屋に、空とジュニールは二人きりなのだ……!
(真っ赤になったソラ、本当に可愛いです)
愛しさが込み上げたジュニールは頬を緩め、彼女の耳元へ囁く。
「大丈夫ですよ、俺がそばにいますから……」
不思議だ──と空は思った。
ジュニールの言葉は、この胸をこんなにかき乱すのに、優しくて温かくて──。
空は、頷く代わりに、泣きたいような安心感にそっと彼の身体に寄り添った。
何という不意打ちでしょうか……!
ジュニールは左手で口元を覆い、だらしなく緩んでしまう表情を引き締める。空が愛おしくて、どうにかなりそうだ。
溢れる想いを伝えたくて、ジュニールは空の肩に腕を回して、そっとその髪に口付けを落とした。
●推理
「探偵の皆様のお考えを聞かせて欲しいのです」
時計の針が19時を示した。
探索を終え、大ホールに集まった探偵達を、副船長が見つめる。
ホール内には、事件に関係者もすべて集まっていた。
「真実はこうです!」
ハロルドが高らかに声を張った。
「犯人は、甲板長と機関長──貴方達です!」
勢いよく振り被った人差し指が、甲板長と機関長を指差す。
「偶然にも今回の船旅で再会した貴方達は、実は兄弟!
再開の喜びも束の間、船長からの借金に苦しむ弟を見かね、機関長が救いの手を差し伸べたのです」
甲板長と機関長は、互いの顔を見合う。
「殺害のトリックも分かっている。灰皿はフェイクだ」
ディエゴが続けて言えば、ハロルドは大きく頷いた。
「貴方達は、機関室のクーラーに鰹を入れ凍った状態にしたのです。
そして、カチコチに凍った鰹を『なんとか』して船長室に持ち込み、殴って船長を殺した!」
カッとハロルドの瞳が煌めく。
「鰹はその後、解凍し料理に使ったのです。だから、夕食のメニューは鰹料理だったという訳です。
完璧な証拠隠滅でしたが、分かってしまえば簡単な事でした」
トントンとハロルドがこめかみを指先で叩いた。
──終わった。
窓際まで歩き、窓の外を見上げる。ふっと口元に笑みが広がった。
「冷凍鰹を凶器にするとは……残酷な。悪い奴だったのか」
ディエゴは眉間に皺を寄せ、甲板長と機関長を見る。
そこで、ほんの少し引っかかった。
ハロルドの背中に尋ねる。
「所で、『なんとか』って部分は? そこは一番大事なところなんじゃあないのか?」
「なんとかは、なんとかですよ!」
ハロルドは、空気読め!という視線をディエゴに送る。
「私もいいか?」
ずいっと前に出たのは、エセルだった。
「これを見て欲しい」
エセルの声に、ラウルが一枚の紙を取り出した。
「おそらく麻薬の取引について書かれた書類だ」
エセルは紙の日付とグラム数が書かれている部分を指差す。
「船長は、この麻薬の取引が原因で殺されたんだ」
エセルの言葉に、ざわっと場が揺れた。
「最初は、事務長が船医と取引してたんだ。
それを船長に知られて弱みを握られ、取引も船長がするようになった」
エセルが事務長を見遣ると、彼は肩を揺らす。
「船長は麻薬に手を出して、ギャンブルの借金精算で賄おうとしたんだろう。
このままでは取引が表に出るかもしれないし、その時は罪を全部被せられるかもと恐れて──船長を始末したんだ」
事務長がわなわなと震え始めた。
「違法な取引の証拠は、私達も見つけたわ」
続いて前に出たのは輝だった。
「医務室にある薬の中に、これがありました」
輝の隣に並んだアルベルトが、懐から小瓶を取り出す。
「ボトルのラベルは胃薬ですが、中身は恐らく麻薬です」
皆の視線が一斉に、船医へ向けられた。
「脅されてやったのか報酬が良かったのかは分からないけれど、船医さん、貴方は船長と協力して違法な薬物を運んでいた……そうですよね?」
輝の問い掛けに、船医はぎこちなく視線を逸らす。
「これ以上は医者としての良心が許さなくて、それで強欲な船長を思わず……違いますか?」
船医はぎゅっと拳を握ったようだった。
「確認したい事があります」
空がジュニールに背中を優しく押して貰い、前に躍り出た。
「副船長さん。このペンダントに見覚えはありませんか?」
空が取り出したのは、ロケット型ペンダント。
ロケットを開いた中には、女性が微笑む写真があった。
「私は、第一発見者の副船長が犯人、という可能性を考えました」
空は副船長を真っ直ぐに見る。
「探偵に自ら依頼し協力者顔でミスリード。
明らかな動機を上げることで他の動機から目を逸らし、さり気なく自分を容疑者から外したのです。
そして、容疑者を複数にする事で捜査時間のロスを狙い、容疑を補強する為に、船長から金品を奪い海へ捨てて証拠を隠滅したのではありませんか?」
副船長は微動だにせず、空を見返した。
「私の考えた貴方の動機は、一人の女性を巡る痴情の縺れ、です」
ペンダントがキラリと光る。
「二日を凌いで寄港先で行方を眩ます予定だったのではないでしょうか?」
「ちょっと待ってくれ」
そこで声を上げたのはレオンだった。
「これを見て欲しい」
ガートルードが広げたのは、乗員名簿。
「副船長は女性だ!」
レオンが指を突き付けると、副船長は肩を震わせた。
「その写真に写っているのも副船長だろう?」
空の持つペンダントを示せば、副船長は肩を落として頷く。
「犯人は事務長」
レオンの指先が事務長を向いた。
「事務長は船長と副船長を取り合っていた。物取りに見せかけ副船長を手に入れるつもりだった!そうだろう?」
沈黙が落ちる。
果たして、犯人は──。
「犯人は、私達です」
がくりと膝を付いたのは事務長と船医だった。
「ご指摘の通り、麻薬の取引をしていました。船長の指示で、ずっと……。
こんな事はもうやめたかった。
やめる為には、船長を殺すしか無かったんです」
船医がすすり泣く。
「私もずっと脅されて……私と副船長は夫婦なのです。けれど、船長が無理矢理副船長を……。
それから、私を脅してきました。副船長の事を黙っていて欲しかったら、言う事を聞くようにと……」
泣き崩れる事務長に、副船長が寄り添って涙を零した。
Fin.
依頼結果:大成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 雪花菜 凛 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | イベント |
エピソードタイプ | EX |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 普通 |
参加費 | 1,500ハートコイン |
参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
報酬 | なし |
リリース日 | 12月22日 |
出発日 | 12月29日 00:00 |
予定納品日 | 01月08日 |
参加者
- 月野 輝(アルベルト)
- ハロルド(ディエゴ・ルナ・クィンテロ)
- ガートルード・フレイム(レオン・フラガラッハ)
- エセル・クレッセン(ラウル・ユーイスト)
- 秋野 空(ジュニール カステルブランチ)
会議室
-
2015/12/28-23:00
プランは提出。
ほとんど推理で埋まったなあ。
せっかくの豪華客船だから見物もしたかったんだけど。
うん、皆の推理の結果がどうなるか楽しみにしてるな。
お疲れさまでした。 -
2015/12/28-22:20
-
2015/12/28-22:01
-
2015/12/28-22:01
こちらもプランはできてるわ。
もうすぐ出航ね。
みんなで楽しい船旅ができますように。
それでは、皆さんプラン提出…… -
2015/12/28-17:35
レオン:
プラン書けたー(わーい)俺って天才だな!
ガートルード:
(相方の推理に頭を抱えた)
…すまん…ここに役立たずペアが一組いる
皆頑張って犯人を突き止めてくれ…(ガクリ) -
2015/12/28-16:40
おおーっとすまん! 俺だ、レオンだ。相方は神人のガーティーだ。
今から慌てて推理してくるぜー
空ちゃん&ジュニール、エセルちゃん&ラウルははじめましてー!
輝ちゃんたちとハロルドちゃん達は久しぶり、かね(ちゃんと記憶しておけ)
皆の名探偵っぷりを楽しみにしてるぜ。
-
2015/12/26-00:30
改めまして、エセルさん達は初めまして、
他の皆さんはお久しぶりだったり、いつもお世話になってますだったりね。
今回はどうぞよろしくね。
私達、前回も参加したんだけど、みんなの推理が色々違っていてとても楽しかったので
今回も参加出来ることになってとても楽しみにしてたの。
皆さんの推理も楽しみにしてるわね。
ふふ、今回はどうしようかしら(わくわく) -
2015/12/25-22:53
このオープニングを読めば怪しい人が見える
ですがそれは全てでしょうか
否、現場の状況が間違っているとしたら…
誰かが誰かに罪をかぶせたい、もしくは誰かの罪を庇いたいんだとしたら
私には想像もつかないような背景があるのでしょう(真顔)
そして今日日灰皿を凶器に使うなんて陳腐すぎます
空さんの手腕楽しみにしております(微笑)
(いえ、こちらこそ、いつもお世話になっております、今回もよろしくお願いします
大事なことなので二回目の書き込みですが、ふざけます) -
2015/12/25-21:05
ガートルードさんとレオンさんは初めてお会いしますね
どうぞ宜しくお願いいたします
エセルさんとラウルさん、ハロルドさんとディエゴさん、月野さんとアルベルトさんには
以前大変お世話になりました、改めて、宜しくお願いいたします
既にミラクル・ミステリー経験者の方もいらっしゃるようで、心強いです
いったいどんな推理が飛び出すのでしょうか
何だか楽しみですね
ソラは昨夜こちらへ書き込んですぐ、楽しそうにプランを提出していました
それでも納得いかないようで、今日の約束はキャンセルだそうです
謎や暗号やミステリーになると、他は何も目に入らなくなるのはソラらしいですが…
…ハロルドさんとソラは、どうやら気が合いそうですよ(苦笑
カードルームや図書室、室内プールなども気になります
今回はミステリー以外も、何かと楽しめそうですね
(みなさんのプランの化学変化がとっても楽しみです! -
2015/12/25-20:14
私はエセル・クレッセン、パートナーはラウル・ユーイスト。
ハロルドさんとディエゴさん、秋野さんとジュニールさん、この前はお世話になりました。
月野さんたちとガートルードさんたちは初めましてかな。
どうぞよろしく。
うん、推理小説は面白いよな。ミステリーツアー楽しみだ。 -
2015/12/25-12:13
ディエゴさん…あきらかに今回の尺は二時間ドラマのそれなのに
そんなに簡単な動機な訳がないじゃないですか、この事件
裏には深い闇があるに違いないです
一見簡単なこの事件…私がEX分の事件に引き伸ばす!
(皆さん宜しくお願い致します、適当にふざけてようかと思ってます) -
2015/12/25-12:10
被害者の部屋の状況から、犯人は被害者の持ちものが目当てだったんだろうと推察する
そこからある程度は犯人が絞れそうだな -
2015/12/25-00:16
こんばんは、秋野空と申します
パートナーはロイヤルナイトのジュニール・カステルブランチさんです
初めましての皆さんも、以前お世話になった皆さんも
どうぞよろしくお願いいたします
…ミステリーも謎も大好きなので、とても楽しみです -
2015/12/25-00:13
-
2015/12/25-00:09