行け! SUPER HERO大作戦ッ!(桂木京介 マスター) 【難易度:簡単】

プロローグ

 その日、A.R.O.A.職員の葵は頭痛をこらえているような表情をしていた。血圧が低いのか顔色は白く、眉間を指で押さえている。……まあ、この人は大抵いつもこうなのだが。
「にわかには信じがたい話だ」
 切れ長の瞳を曇らせ、葵は言うのである。

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 コルキスの金羊織りのごとく豊かな髪を揺らし、輝かんばかりの美少年が息せき切って駆けてくる。許されるのならば抱きつきそうな勢いで。
「バル様ーッ!」
「大袈裟に迎えるなサンチェス、面映ゆい」
 サングラスを外した青年はどこか荒々しいものをたたえているが、それでもサンチェスに負けぬ整った容貌だ。しかし何より目を惹くのはその目鼻立ちより、獅子を思わせる髪であろうか。とりわけその、こめかみのあたりだろう。
 渦巻き、言い換えればぐるぐる、正円形の美しい螺旋が髪の左右に二つ、きっちり左右対称に生じているのだ。
 彼こそは、マントゥール教団テューダー派幹部のひとり。
 名はパル。姓はバラ。続けて呼べばバル・バラである! 区切って読んでも同じ気がするが!
 この日までバルは、以前の作戦で負った心身両面の傷を癒やすため療養していたという。だがようやく復帰して、ふたたび前線に立ったのである。人呼んで『マントゥール教団の貴公子』、いや、誰も読んでいない気がするので『自称』の但し書きをつけるべきかもしれないがともかくも、その名にふさわしき栄光の道に復さんとする気概が今の彼にはみなぎっていた。それこそ、ゆらゆらと陽炎が見えるほどに。
「療養中、私は考えた……」
 バルの口調にも、根拠のない自信があふれている。
「栄光あるマントゥール教団の人気を高め、純真なる信徒を増やす方法を!」
「是非にお聞かせ下さい」
 少年副官サンチェスは、きらきらと目を輝かせた。おごそかにバルは告げる。
「それは……スーパーヒーローだ」
「ヒーロー?」
「たとえば幼稚園バスを、ハイジャックする怪人が現れたとする」
「お恐れながらバル様、話が見えてきません」
「聞け、迷える子羊よ! 怪人にバスジャックされひた走るバス、だがこれを救うためマントゥール教団の名を頂く正義のヒーロー、そしてデミ・オーガが颯爽と姿を見せ、怪人を退治したとすればどうなる」
 ああー、と金髪のサンチェスは、雷に打たれたようになった。
「バル様わかりました! 純真な子どもたちはたちまちヒーローに魅せられ、教団に帰依するに違いありません!」
 バルはニヤリと笑みを浮かべた。育ちは良さそうなのだが、こういう笑みをすると彼はたちまち、パルプ小説の悪役じみた雰囲気になる。
「察しがいいなサンチェス、こういう地味なプロモーション活動こそが、やがて大輪を咲かせる起爆剤となるであろう」
 そうと決まれば、とサンチェスは駆け出そうとした。
「待て、どこへ行く?」
「ええ、ちょっと悪の秘密結社を探しに。幼稚園バスのジャックを頼もうと……」
「その秘密結社というのが我々ではないのか。悪かどうかはともかくとしてだな」
「ええー! でも、そうしたら我々はヒーローに退治されてしまいますよ!」
「ヒーローのほうも我々だろうが!」
 ぽん、とサンチェスは手を打った。(年少にもかかわらず、サンチェスは妙におじさんじみたところがある)
「つまり! 自作自演というわけですね! 我々が怪人に扮し、我々の別働隊がヒーローになってこれを退治すると!」
「しーっ! 声が大きい!」
「おっとこれいけません。壁に耳ありと言いますからね……」
 壁もなにもあったものではないのではないか。
 なぜって彼らは、真っ昼間の往来で立ち話をしていたのだから。

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「……といった次第で、市民からの通報があった。まさかとは思いたいが例のバル・バラ、マントゥール教団の一派テューダー派の幹部が悪だくみをしているというのだ。バル・バラという男は以前、大声で『秘密会議』をしていて銀行強盗計画が漏れたという前科がある。ひょっとするとひょっとするかもしれんな、これは」
 バル一派のだいたいの潜伏先はわかっているという。だが実際に犯行を行わない限り、一網打尽とはいかないだろう。
 これが事実とすれば、決行はここ数日と思われる。子どもたちには気の毒だが、スクールバスが実際にジャックされるのを待つべきだろうか。そして連中の用意した『怪人』『スーパーヒーローとデミ・オーガ』がそろって三文芝居が行われんとするまさにその瞬間、颯爽と登場して真のヒーローたちは誰なのかを教えてやるというのはどうか!?
 葵は首を左右に振ってから告げるのである。
「馬鹿馬鹿しいところもあるかもしれんが、連中の計画を途中まで進行させ、それを一気に打ち砕くほうが効果は高いだろう。いつ、どのバスが襲われるのかはわからないもののある程度の目星はついている」
 ただし、と葵は付け加えた。
「作戦遂行する際には、バス内部で戦うのではなくどこか採石場にでも誘導した上で、全員降ろして立ち回りをしたほうがいいだろう。万が一園児たちが巻き込まれることがあってはいかんからな」
 これで目的が見えただろうか。悪のヒーローショーを打ち破り、それ以上のヒーローたちの姿を見せつけるのだ!
 健闘を祈る!

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「ところでサンチェス……」
 とバル・バラは軽く咳払いしてから言った。
「妹のやつは、私の見舞いに一度も来なかったが……息災であろうか」
「申し上げにくいのですがバル様、妹君はすこぶるご健勝であらせられるようです」
「そうか、それなら、いい…………お兄ちゃんは、さびしい……」
 不憫なバル様――そのつぶやきを聞こえなかったふりを装いながら、サンチェスは人知れずそっと心の涙を拭うのであった。

解説

 マントゥール教団の一派テューダー派を構成する幹部、バル・バラが企む(底の浅い)悪巧みを粉砕しましょう! このテューダー派というのは比較的マイナーな一派で、覇権よりも人気取りを目指している傾向があります。

●目的
 バル・バラの計画を粉砕することです。
 その内容は一言でいうと狂言誘拐事件となります。かぶり物の『怪人』と『戦闘員』(全身黒タイツでマスクをしており、「イーッ!」とか鳴く)が幼稚園バスをジャックしどこかへ連れて行こうとするのですが、これをバル・バラ扮する正義の覆面ヒーローが倒すというクサい芝居となっております。ヒーローの名前は、マントゥールマンとか多分そんな、センスを疑うようなのが出てくることでしょう。
 といっても計画を未然に防ぐというよりは、あえて行動を起こさせてその上で、バル・バラ側をはるかに上回る格好いいヒーローを演じて敵を一網打尽にしてしまうほうが、子どもたちも喜ぶと思います。

●バル・バラとサンチェス
 テューダー派の幹部と副官です。
 ご覧の通り駄目な感じの人たちですが、見た目だけは美形です。幹部クラスなので腕も立つことでしょう。とりわけバルはフェンシング、銃撃に通じており、一対一の戦いとなれば手こずりそうです。
 バルはヒーローのコスプレをして出てきますが、正直安っぽいのであまり格好良くなさそうです。
 サンチェスは怪人役を演じます。ラバースーツの着ぐるみで出てくる予定です。

●攻略のポイント
 バルに子どもたちを傷つけるつもりはなく、三文芝居においてもせいぜい怖がらせるだけに終始するでしょう。といっても狭いバス内で戦うのはおすすめできませんので、どこか安全な場所に停車させて(あるいは、バルが停車させるのを見計らって)降りて戦うことをおすすめします。
 バル一派はデミ・オーガを『オレの友達』『使役獣』『カプセル怪獣』などと言って連れてくるので、戦闘そのものは歯ごたえがあります。

 楽しい作戦をお待ちしております。


ゲームマスターより

 お久しぶりです! 桂木京介です。

 コミカルな冒険譚です。マントゥール教団の一派の悪だくみを打ち破り、真のヒーローとして子どもたちを心酔させましょう!(心酔させなくてもバル・バラの計画を倒せれば成功です)

 大怪我するような話にはならないと思います。ご覧のようにバル・バラというのはアホな人であり見え見えの手にもひっかかりがちですので、緻密に漏れのない計画を組むと言うよりは、いかに効果的に撃退できるをかを考えたほうがいいかもしれませんね。

 それでは、素敵なプランをお待ち申し上げております。
 桂木京介でした。

 

リザルトノベル

◆アクション・プラン

月野 輝(アルベルト)

  銀行強盗の報告聞いた時も思ったけど…馬鹿なの、この人
懲りてない『悪者』にはお仕置きが必要よね
な、なに?ちょっと楽しいとか思ってない、わよ…たぶん
でも、ちょうどブイクアの装備もある事だし頑張ってみるわ

■行動
バル・バラが現れたら
お待ちなさい!純真な子供達を騙そうとする偽物!
偽物ではないというなら、私達ウィンクルムと勝負なさい!
正々堂々と名乗りを上げて、こっちが本物であることをアピール

こんな場所では人に迷惑が掛かるわ
本物のヒーローなら迷惑なんて掛けないわよね?
と採石場での戦いを申し出る

■戦闘
「ルーメンよ、私達に力を」
の台詞を言ってトランス
少し戦ってからハイトランスへ移行
「ルーメンに代わって成敗よ!」


リオ・クライン(アモン・イシュタール)
  まったく、自分達で騒ぎを起こしておいて正義の味方を名乗るとは・・・。
私はショーの進行役・・・自分の役割を全うしなくてはな!

<行動>
・ショー開始前に精霊とトランス
・ヒーローショーのお姉さん役、マイク片手に会話術スキル(レベル1)を使用
「みんな!正義のウィンクルムが来たからにはもう大丈夫だ」
・それっぽいコスチューム着用で、内心ノリノリで場を盛り上げる
「さあ、正義の味方のウィンクルムに声援を送ってあげてくれ!」、「みんなの声援がウィンクルム達の力になる!」
・最近、アモンとの距離を感じる気がする(EP49後から)
(なんとか力になってあげたいが、あまり踏み込みすぎるのもな・・・)

※アドリブOK!


瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
  スクールバスの人達とはこっそりスマフォのメッセージアプリで連絡を取り合います。
襲撃があれば車をバスの近くへ寄せて。
バル・バラが出て来たら用意した拡声器で「お待ちなさい」と敵の注意を引きましょう。
(以降煽りは月野さん達へ)
「自分の目的の為なら、子供達を襲っても構わないという考え方がそもそも間違っているのです。弱者を襲うのは卑怯者のすること。危険をまき散らすあなた達を許すわけにはいきません!」
とバル・バラ達を非難してからトランスします。

「女神よ、彼に悪を滅ぼす力を」と杖を掲げます。
ミュラーさんのMPが不足したらディスペンサで回復。
バル・バラを今回こそは捕獲したいので、彼が逃げないように注視します。


ユラ(ハイネ・ハリス)
  アドリブ歓迎

事前にバスルートを教えてもらい、襲撃場所を推測
バルバラの登場後、トランスして仲間と共に颯爽と現れる

「愛と勇気と希望の名のもとに、ウィンクルム参上☆」(決めポーズ
みんな騙されちゃだめだよー
あんな安っぽい恰好のヒーローが本物なわけないもの
格好良くないよね!

戦闘は怪人や戦闘員をメインに数を減らせるように行動
私そんな強くないし、無理はしないよ
攻撃は普通だけど、技名(ミラクルアタック等)とか思いつきで適当に叫んだりして、ショーっぽく演出
できるだけ敵が子供達の方に行かないよう注意
ていうか、ハイネさんがなんか悪役っぽいんだけど!?

戦闘後は子供達を送り届ける
良い子の皆はあんな大人にならないようにね


水田 茉莉花(聖)
  事前に先生っぽい服と幼稚園児っぽい服を本部に申請
それを着て作戦に挑むわ

襲われたバスにこっそり入って
幼稚園の先生と子どものふりをするの

子どもたちを守るように位置取りしながら
クラインさんの話に子どもたちを乗せていくの
「そうねっ、応援したら本物のヒーローは強くなるんだもんね!」
子どもたちが戦闘に釘付けになったらトランスするわ
…ひーくん『ちょっとまって』

子どもたちに危害が加わらないように盾で守ったり
こっそり「輝白砂」の光をデミの方へ向けたりするの
勿論応援も忘れないわ
「キャー!格好いい!成敗しちゃってー!」

戦闘が終わったら子どもたちの頭から教団の事が抜け落ちるように
ウィンクルム格好いいってフォローするわ


●ショック! 悪者軍団あらわる!
 目の焦点が合わない、というような顔をハイネ・ハリスはしていた。
 視界に入っているものを心が拒否しているかのようなまなざしだ。
 言い換えれば『遠い目』となる。今見えているものは幻――そういうことで勘弁してもらえないだろうか。
「……なんだこれ」
 遠い目にもなろう。今、彼の眼下を通り過ぎようという黒い大型装甲車には、デカデカと『ブラザー・フッド・オブ・悪者軍団』と書いてあるのだから! 『悪者軍団』には『わるものぐんだん』とわざわざカナがふってあるのは、読む年齢層に配慮したものか。
 塗装と書き文字に限らない。車体にしたってゴテゴテと、ツノやらドリルやら金棒やらが取り付けられた特殊仕様なのだ。地獄の世界にヤンキーがいたとしたら、こういう改造車を繰り出してくるかもしれない。
 まごうことなき悪者だ。誰がどう見ても、悪者が乗っている車に違いない。ていうか道路交通法とかひっかからないのか。
 つややかな長い前髪をかきあげて、ハイネは深く、深ーくため息をついた。
「いい大人たちが一体何をやってるんだろう」
「そう? わかりやすくていいじゃない?」
 ユラは上機嫌だ。銀色の目が輝いている。彼女は今回、チームを組む皆と手分けして複数の幼稚園とその送迎バスルートを調査し、バル・バラ一派が襲撃するバスはこれだとあたりをつけていたのだ。その上で通行量が極端に少ない時間帯、しかも道路幅が狭くて横付けしやすい位置などからはじきだした予想ポイントを特定すると、ハイネとともに付近のマンション屋上からこれを見張っていたのである。
 そうして観測を開始してわずか二日目にしてユラは、絵に描いたような『悪の軍団』が出撃するのを見たのだ。
「うん、瑞希ちゃんたちにも連絡が付いたね」
 連絡を終えるとユラはいそいそと階段に向かう。
「私たちも準備しないと」
「ああ、がんばってな」
「なに言ってるのハイネさん」
 はい、とユラは彼に、押しつけるようにしてバッグを渡した。
「どうぞ。ハイネさんの分も用意してるから」
「え、僕もやるの!?」
 ハイネは困惑の表情でバッグを開け、中に入っているものを見て「げっ」と声を出してしまった。
「しかもこんな……本気!?」
 対するユラは、ころころと楽しそうに笑うのである。
「本気中の本気だよ! 子どもたちのためだもん!」
「……面倒くさいなぁ」
 とはいうもののハイネもすでに観念はしていた。
 悪役があのレベルである以上、バル・バラ扮するところの正義のヒーローもヒドいものであるというのは容易に想像がつく。あんなものが正義だと信じてしまったら、子どもたちの未来は真っ暗だろう。だったらいっそ……というわけである。
「どちらが本物か、ってわけだね……まあ、比べるまでもないと思うけど……」
 考えてみれば、普段からハイネは、好んでやっているわけではないものの聖職者の仮装をしているような状態なのである。その仮装が、正義のスーパーヒーローに変わったところで大差はないのではないか――とはさすがに言い切れない気もするが、無理矢理そう思うことにした。

 スマホに届いたユラからのメッセージを読むと、すぐに瀬谷 瑞希はフェルン・ミュラーに声をかけた。
「予想通り、襲撃犯のおでましみたいです」
 ポニーテールをキュッときつめに束ね直し、瑞希は真正面を向く。
「追いつけそうですか?」
「行けると思う。みんな、何かにつかまっていてほしい」
「それどういう意味です……?」
 瑞希はそれきり口をつぐみ、両手で肘掛けをしっかりとつかんだ。
 車が急加速したのである。
 フェルンのテクニックは凄まじいものがあった。床に付くほどアクセルを踏み込み、クラッチを三速四速五速と流れるように切り替える。ギアが噛み合う音はまるでスネアドラムの連打、虎じみたエンジンの唸りで耳が遠くなりそう、オイルが焼ける匂いが鼻をつく。そうして彼らを乗せたワゴン車は、獲物を襲うシャチのような勢いで脇道から飛び出したのだ!
 世界が早回しになったようだ。瑞希の眼前の光景はたちまち背後にすっ飛んで行く。
 会話もできぬほどの状態は数分も続かなかった。一気に距離をつめ、例の『ブラザー・フッド・オブ・超悪者軍団』装甲車が確認できるところに至るやたちまち、車は静かな走行へと移ったのだ。瞬時の転身である。
「これくらいの車間でいこうと思う。追跡がばれないように」
 ターコイズブルーの瞳を前方に向けたまま、ミュラーは涼しげに言う。さきほど見せたレーサー級の爆走など、まるでなかったかのように。
「ミズキ 、それにみんなも、怪我はないかい?」
「な、なんとか……」
 と気丈にこたえながらも、瑞希は座席に背をぐったりと預けている。
「車が摩擦熱で燃えるかと思ったぜ、すげードライビングテクだな」
 ふーっ、と息を吐いてアモン・イシュタールは首をすくめた。
「リオ、目、回したりしてねーか?」
 だがアモンが隣の席を見ると、驚いたことにリオ・クラインはキョトンとした顔で「え?」と聞き返してきたのだった。どうも彼女、上の空といった状態である。マイクを握ったままブツブツと、言うべき台詞を呟いている。
「この車がさっきぶっ飛び運転してたの気付いてなかったのか?」
「私は段取りの確認が忙しいんだ。ショーの進行役……自分の役割を全うしなくてはな!」
「まあ、それならいいけどよ」
 アモンは再び首をすくめた。たいしたタマというやつだ。フェルンも、リオも。
 知らずかいていた冷や汗を拭って、それにしても、と月野 輝は言う。
「銀行強盗の報告聞いた時も思ったけど……馬鹿なの、あのバル・バラとかいう人?」
 悪者が幼稚園バスを襲い、これをヒーローが救う筋書きの小芝居を、マントゥール教団の幹部バル・バラという男が企んでいるという。そのストーリーだけでも頭痛ものだが、お膳立てのひとつがあの『悪者』装甲車だとすれば、その後の茶番具合も推して知るべしであろう。
「ああ、馬鹿以外の何者でもないな」
 輝のパートナーことアルベルトは首肯して、ふっと微笑を口の端に浮かべた。
「輝、楽しそうだな」
「楽しそう? 私が? そんなこと思ってない、わよ……たぶん」
「悪気はない。どんな仕事でも、楽しんでやるのが一番だ」
「そうかもしれないけど敵はマントゥール教団……遊びじゃないでしょ、これ」
 その通りだ、とアルベルトはうなずく。そして、
「遊びじゃないということは、彼らにも思い知ってもらわないとな」
 と言って彼は胸元からミントタブレットのケースを取り出し、三粒をまとめて口に放り込んだ。
「いるか?」
 うなずいてひとつ口にした輝は、座席から飛び上がりそうになる。
「辛っ! これムチャクチャ辛いっ! なによこれ!」
「オリジナル配合の辛さ20倍ミントだ。すまん、先に説明するのを忘れていた」
「こ……この腹黒眼鏡っ!」
 絶対わざと黙ってたな、と、じんじんする舌で歯の裏を押しつつ輝は思う。
 このとき助手席の瑞希が声を上げた。
「見て下さい。装甲車が幼稚園バスに横付けしました」
「いよいよか」
 頼んだぞ、とリオは、水田 茉莉花と聖のことを思う。


●怪奇! キノコ人間
「なんですかあなたたちは! やめてください!」
 茉莉花は髪を振り乱し、細腕で悪漢の侵入を妨害しようとする。だが抵抗空しく、強引に外側から開けたドアからは、全身顔までぴっちり黒タイツの男たちが数人、「ヒーッ!」「イーッ!」などと奇声をあげて車中になだれ込んできた。全部、バスに併走する黒塗りの装甲車から出てきたのである。
 あげくのはてに、こいつだ!
「ぐははー! 俺は秘密結社、ブラザー・フッド・オブ・悪者軍団の改造獣、キィーノコ人間!!」
 などと言って変なやつが押し入ってきたではないか!
 彼はキノコ(エリンギっぽい)のかぶりものをして、体にもシイタケやらマイタケやらをぽんぽん生やしたまさしく怪人というほかない姿だ。顔のところだけ穴が開いているから、その素顔がブロンドの美少年だということはわかる。だがこの格好のせいで色々と台無しなのは言うまでもない!
 黒タイツの男(戦闘員)の一人が、剣を運転手につきつけていた。
「ぐーはー! バスを止めたら殺す!」
 キノコ人間は運転手を脅し、くるっと正面を向くと、
「お前らも、騒ぐと死ぃーぬぞー!」
 精一杯腕を振り上げて威嚇のポーズを取ったのだ。だが悲しいかな、着ぐるみのサイズが合っていないのか腕は水平までしか上げられず、間違ったトーテムポールみたいになっている。
 だからといってバスの乗員たち、つまり幼稚園児にとっては恐怖そのものだ。たちまち悲鳴と泣き声が満ち、車内は阿鼻叫喚の様相となった。
 一番前の席で派手にウワーウワーと泣いているのは年長組とおぼしき幼児だった。スモックから出した首をぶんぶん左右に振って、全身で恐怖と混乱を表現していた。
「えーん、まりか先生恐いよー! さんきゅーの代理教員まりかせんせー!」
 そんな説明台詞言わなくたっていいの! と、思わず茉莉花は幼児……聖にツッコミを入れそうになったがこらえる。そうして、そろそろと動いて子どもたちを守るように位置取りするのである。
 やはり教員役の茉莉花は、怯える様子を装いながら告げる。
「私は引率教員です! 誘拐して身代金を取ろうというのなら私を……」
「誘拐? そんなちゃちな悪事を我々がするものかぁー!」
 一生懸命低い声を出そうとしているが、どうもキノコ人間ことサンチェスは、地声が高いらしくてアンバランスな印象がある。
「お前たちに全員、マタンゴというキノコを寄生させて、キィーノコ人間にしてやるのだぁー!」
「ひいいいいいい!」
 ひきつけを起こしたように聖が身もだえする。やりすぎ! と茉莉花は思うも黙っていた。
 当然、ますます車内の阿鼻叫喚具合は高まるのである。

「よし、車を近づける」
 フェルンは滑るようにしてワゴン車をバスに近づけていった。頼むぞ、と言うように彼が目で合図すると、瑞希は足元から拡声器を取り上げてスイッチを入れる。ヒィン、と小さなハウリング音がした。
 そして瑞希は、窓からその先端を付きだしたのである。
「お待ちなさい」
 犯人を刺激しないよう、なるべく静かに、しかししっかりと呼びかける。
「スクールバスをジャックした集団に告げます。今すぐ、停車して子どもたちを解放してください」
「ヒィ?」
 戦闘員が小首をかしげた。キノコ人間サンチェスも怪訝な表情になる。
「少し早いような……」
 そしてチラリと天井を見上げるのだ。
「橋はもっと先だったよな?」
 などとサンチェスは別の戦闘員にも訊いている。だが改めて、
「おい運転手、バスを止めたら命はないからなー!」
 と、例のインテキトーテムポール化して脅し直したりしているのだ。口調もうわずっている。このとき、
「橋……?」
 何か思いついたらしく聖は突然、
「うわーん、いやだよー、キノコ大嫌いだよー!」
 大泣きして駆け出し、背後から運転手に組み付いたのである。
「バスを止めてえ!」
 そしてグイグイと運転手を揺さぶった。初老の運転手は作戦に参加していない。つまり事前に何も聞かされていなかったわけで、ふいにしがみつかれハンドル操作が狂ってしまう。
「うわ!」
 運転手が叫んだ。キノコ人間も叫んだ。戦闘員はみな「イーッ!」だ。
 バスが本来の道をそれ、大きく右にカーブしたのだ。太い本筋を外れ三叉路を右に入っていく。
「ちょ……! ひーくん、何するの!」
 運転手から聖を引き離し茉莉花は目を怒らせた。ところが聖は、しっ、と言って小声で告げたのだ。
「下しらべちゃんとしたから知ってるよ。このさき、右の道にもほどうきょうがあるはず……すきを見て、メールでユラさんとハイネさんに知らせて……」

 その頃。
 本来バスが向かうはずだった本筋の、ずっと先。
 ざわ……ざわ……。
 上方を指さして人々がざわついていた。ハイウェイの上に渡した鉄橋の縁に、妙な男が仁王立ちしているのである。
 男は赤い全身タイツを着込んで白いマントをひるがえし、頭にはやはり、赤と青に染め分けた派手なヘルメットを被っている。タイツとマントはパーティ用品売り場で買ったようなチープさだが、ヘルメットはそれよりヒドい。両サイドににょきっとツノが生えているのも、サイケデリックになった戦国武将みたいで哀しいほどに滑稽だ。あと、黄色のマーカーで書いたと思わしき、お腹の渦巻きマークは一体なんなのだろう。
 人々に見られているのだが男は動じない。腕組みしたまま風に吹かれている。
 しかも、意味不明の含み笑いを浮かべて。
「ふふふ……」
 このとき強い風が吹き、男のマントがばさばさと躍った。
「意外と寒いな」
 ぶるっ、とバル・バラは我が身を抱くようにして震える。
「バスは、まだか」
 まだらしい。

 スクールバスでは園児たちが歌っていた。
 喜びの歌ではない。泣きそうになりながら、あるいは泣きながら必死で歌っているのだ。
 指揮者のように腕を振り、これを指示しているのはキノコ人間だった。計画がうまくいっていない焦りが出ているのだろう。その動きは乱雑で、顔はピカソの『ゲルニカ』みたいな形相だ。
「さあ歌え! 歌うんだ! ろーろーろーやぼーと♪ ほら、どうした!」
「おうち帰りたいよう~!」
 子どもたちの心境を代表するように聖がわめいた。するとますますキノコは激高する。
「歌え! 歌うんだ! 歌わないとママを殺しちゃうぞ!」
 その合間合間に、瑞希が後方から拡声器で呼びかけてくる。
「自分の目的のためなら、子どもたちを襲っても構わないという考え方がそもそも間違っているのです」
 これがさらに、キノコすなわちサンチェスを怯えさせていた。戦闘員も浮き足立っている様子だ。だってそうだろう、彼らの計画ではもうとっくに、バル・バラ演じるところのスーパーヒーローが大登場しているはずなのだから。
 このときキノコ男の頭上、すなわちバスの天井がどすっと音を立てた。誰かがバスの屋根に飛び乗ってきたとしたら、きっとこんな音がすることだろう。驚くかと思いきや、
「バル様~っ!」
 とサンチェスは喜色もあらわになるも、慌てて大声でこう言った。
「な、なんだ! 何者だ!」
 口調がたどたどしい。あきらかに芝居だ。
 続くサンチェスの一言を聞いて、茉莉花は思わず吹き出しそうになった。
「よもやスーパーヒーローではあるまいな!?」
 このわざとらしい言い回し!
 きっと茉莉花は、このときのサンチェスの言葉と表情を忘れないだろう。


●大登場! 我らのヒーロー
「くそー、引きずり下ろしてやる! 車を止めろ! あの採石場がいい!」
 言葉こそこんな内容だが、キノコ人間サンチェスはなんだか嬉しそうに運転手に命じる。バスはいきなりオフロードに突入させられガタボコ揺れに揺れる羽目となったのち、もうもうと土煙を上げて無人の採石場に停車した。陸に打ち上げられた鯨のような様相だ。その扉をバタンを開けて、
「イーッ!」
 戦闘員がわらわらと飛び出し、キノコ人間サンチェスも、器用にジャンプして大地に着地した。
 土煙がひどくて視界は大変不明瞭だ。
「バル様どこですか……?」
 小声でそう呼びかけたサンチェスだが、返ってきたのは意外な声だった。
「おお! 見えるかいみんな! キノコ怪人と戦闘員たちが降りてきたな!」
 その声はただ大きいばかりではなく、マイクを通して響き渡ったのだ。わんわんとエコーまで効いている。
 煙が晴れたとき、一人の少女の姿をサンチェスは認めた。
「申し遅れたな。私は人呼んで……司会のお姉さんだ!」
 リオだった。このときリオはいつの間にか設置した高台の上に、開脚気味にして立っていた。
「ヒーローショーあるところに司会のお姉さんあり、とは『孫子』にも記述のあるところ。良い子のみんな! もう大丈夫だ!」
 白ストッキングがまぶしいイベントコンパニオンのようなコスチュームを着用し、頭にはベレー帽、アルミフレームの伊達眼鏡まで着用した上、大ぶりなマイクを握ってやや前屈み、これがリオの用意した、ヒーローショー司会進行役のいでたちである。しかも彼女のステージにはすでに、要塞のように立派なアンプとスピーカーが用意されているではないか。
 サンチェスは激しく狼狽した。
「なんだお前はー! それに私はキノコ怪人ではなく『キノコ人間』だー!」
 これを受けてもリオはペースを乱さない。
「おっと名前間違いとは痛恨のミスであったな! だが良い子のみんな、もう大丈夫なのは間違いない。なぜなら、みんなを助けに正義のウィンクルムがやって来たからだ!」
 燦然と輝くリオの発言は、子どもたちにとってどれほど心強いものに聞こえただろうか。わあっと歓声が上がった。
「正義の……な、なんだとー!」
 このサンチェスの驚きっぷりは演技でも何でもなかった。彼はどたっと尻餅をついてしまう。
「わかった、マントゥールはバカしかいないんだな……」
 このやりとりを少し離れた場所から、冷めた目でアモンは眺めている。
 すでに彼はリオとのトランスを終えていた。効果はてきめんだ。血にハイオクガソリンが回ったような高揚感があった。心臓から力があふれて、ぴしぴしと四肢にみなぎるように感じる。されどその一方でアモンの心には、どうもこの騒ぎに乗り切れないものがあった。このところずっとこうなのだ。
 ――あのとき以来、だよな。
 あのとき、アモンとリオの前に姿を見せたのはアモンのドッペルゲンガーだった。偽物が口にした言葉が、自分と彼女の間に、見えない壁を作ったのである。
 薄い壁だとは思う。けれども、強固な壁のようにも、思う。
 ――ああクソッ、そんな場合じゃねえだろ。
 パンと自ら両の頬を平手で打つと、アモンは用意した眼帯を右目にかけた。古びてすり切れた、何の変哲もない眼帯だ。けれどもアモンはこれを、心のスイッチとして用いたのである。オフからオンへ。忘れよう、せめて今だけでも。
 このときサンチェスは救いを求めるように、バスの上の人影に向かって呼びかけていた。
「バル様、なんだか話が……!」
 ところがなんということ!
「そこにいるのはー!」
 司会のリオが叫んだ。
 そこにいるのはバル・バラではなく、レオタード調のコスチュームの上に、白いアーマーをまといシャープなヘルメットを被った女性戦士だったのである。
「残念だったね、橋からバスの屋根に飛び乗ったのは私たち! 悪事をやめないのなら相手になるよ!」
 アーマーは流線型のフォルム、液体金属のようにメタリックな光沢を放つ。すらりと長い足もあいまって、その姿は勇ましくまた美しい。アーマーは膝、肘、そしてブーツにも及んでいた。近未来からきたスーパーポリスといった姿である。
「愛と! 勇気と! 希望の名のもとに!」
 濃いバイザーの下から見えるのは、確かにユラの両眼であった。彼女はくるり回転すると、右腕を前に付きだし左腕を添えてポーズを取った。
 やれやれ、とハイネは呟いたが、そのとき彼を覆っていた土煙が晴れた。もうこうなっては尻込みするほうが恥ずかしい。腹を据えて堂々とするに限るだろう。
「頭が高い、控えろ!」
 力の限り叫ぶと、シャキーンと音がするほど鋭く、ハイネはユラと対になるポーズを取ったのだ。さすが息はぴったりだ。こうして立つと二人は、見事に対称形となっている。
「お前たちの夢は終わった!」
 腹の底から声を上げると、ハイネの声は採石場じゅうに響き渡った。なんだかスカッとしたものを感じる。もはやハイネも認めるほかないだろう。楽しくなってきたということを。
 すでに茉莉花の手引きで、バスから園児たちは降りている。聖は園児たちに混じったまま、ヒーローの姿を見て大きな歓声を上げた。
「見て見て! 格好いいヒーローが二人もやってきたよ!」
 子どもたちの切り替えというのはなんとも早いのである。ユラとハイネの勇姿に、主として男児がやんやと喝采を送った。
 このとき、ブロオーと間抜けな音を立て、ひらひらした装飾がやたらとついたバイクがサンチェスの元に走り込んできた。バイクはずざーっと転倒するが、乗っていた男はこけつまろびつしてサンチェスにしがみついた。
「おい! あいつらはなんだ!? 正義のヒーローは私、マントゥールマスクだぞ!」
 男はサンチェスの首元をつかんでぶんぶんと前後に揺さぶる。そう、今走り込んできたのが、赤いタイツのバル・バラなのである。『マスク』と名乗っているが、別に顔を隠していない点は特筆に値しよう。
 ところがこのバルの悲痛な声を、ハンマーのように力強く鋭く否定する声が上がった。
「あなたがヒーロ-? いいえ!」
 バルが現れたばかりの方向から、静かに歩み来るのはドレスを着た淑女、だがその衣装の実体は、戦う淑女のためのバトルドレスだ。これぞ今、主として女児に大人気のキャラクターである。
「可憐でキュート、なのに戦う! ……あれはまさか、プイクア☆エターナル!?」
 司会者リオが合いの手を入れる。わあっと、今度は女児たちから支持の声があがった。
 スポットライトを浴びるモデルのように、プイクア☆エターナルの衣装に身を包んだ輝は歩みを止めた。
 ドレスにとどまらない。輝はこのとき、長いエターナルグローブに百合の花のようなエターナルブーツ、さらには豊かな黒髪にエターナルサークレットまで飾って、全身余すことなくプイクア☆エターナルになりきっていたのである。
「お待ちなさい!」
 多少はにかみながらも、輝はバル・バラに人差し指を向けた。
「純真な子供達を騙そうとする偽物!」
「私が偽物であってたまるか! 見ろこのアンテナを!」
 バルは、ヘルメットから生えたツノ状のアンテナ(と本人が言うところのもの)をスリスリと撫でて主張した。
「これぞヒーローの証! 説明しよう! 私、マントゥールマスクは、このアンテナから聖なるオーガの声をキャッチすることができるのだ!」
 どうやら彼はこの説明によほどの自信があるらしく、無意味にふんぞり返っている。
「どういう根拠よそれ!」
「そもそもそのアンテナ、接着剤で貼っただけですよねえ? 取れかかってますよ」
 ひょいとアルベルトが姿を見せ、うやうやしくお辞儀した。彼も着替えを終えている。その装束はタキシードだ。
「おっといきなり失礼。彼女は美少女戦士、そして私は、それを陰から支える紳士というわけです。それで、ヒーローの偽物さんは今さらなにをしにやってきたんですか?」
 慇懃無礼のお手本のようなアルベルトの口ぶりに、マントゥールマスクはぴょんぴょんと跳ねて怒りを表現した。
「ええーい! 偽物はそっちだ! あのバスの上の二人も偽物! 本物はこの私だけであるっ!」
「ええー? でも」
 と園児代表の聖が声を上げた。
「バイカーだってプイクアだって、ニセモノはとんちんかんなかっこうだったよ!」
 するとリオが巧みに、両者の間に割って入ったのである。
「なるほど、とすると客席のみんなにジャッジを仰ぎたいところだな!」
 この声天にも届けとリオは問うのだ。
「こっちのお兄さん、お姉さんたちが本物のヒーローだと思う人!」
 ユラとハイネ、輝とアルベルトのほうを指す。
 これは満場一致、園児たちは全員、力の限り拍手を送った。ぱちぱちぱちぱち。
「こっちのお兄さんだと思う人!」
 今度はリオは、バル・バラのほうを指す。
 しかしこちらも満場一致なのである。キノコ人間と戦闘員たちが力の限り拍手を送った! ぱちぱちぱちぱち。
「おお、これは互角、なのか!?」
 リオはたじろぐが、ここで、
「ちょっと待ってちょっと待って、どうして悪者が支持してるんですか」
 拡声器を手に、瑞希が現れ強烈な指摘を行った。
「ということはつまり、あなたたちグルですね。なんと恥ずかしい、弱者を襲うのは卑怯者のすること。危険をまき散らすあなた達を許すわけにはいきません!」
 言うなり瑞希は拡声器を足元に置いた。その代わりに彼女は、
「皆を、護って」
 そう告げてパートナー、フェルンの頬に唇を寄せたのである。
 このときフェルンは果実泥棒のように、瑞希の表情を盗み見た。
 やはり心奪われる――フェルンは想いを新たにしていた。
 目を伏せる瑞希の表情、常に濡れているような長い睫毛、頬にかすかにさす紅色……そのすべてに心を奪われる。
 トランス時のミズキの表情が好きだと、はっきり言えない自分をもどかしくも思う。
 しかし迷っている暇はない。いま、フェルンは瑞希とともに、真のヒーローとしてバル・バラ一味と戦わねばならないのだ。
「くっ、また新手……だと」
 バルはうぐぐと歯がみするが、
「おいおい、俺を忘れちゃ困るな」
 アモンが颯爽と彼の前に立った。もう迷わない。子どもたちのためだ。ヒーローを演じきろうと彼は心に決めていた。
「俺の名は独眼竜仮面! 眼帯つけてるだけじゃねーか、とか言うなよ!」
「いや実際、眼帯付けてるだけではないか」
「だから言うなっての! だいたいお前も、素顔さらしてどこが『マスク』だ!」
 余談だが、独眼竜仮面というネーミングの主はリオだという。
「ルーメンよ、私たちに力を」
 この言葉と共に、輝はアルベルトの頬に口づけし、風に揺れる水面のごとき輝きに包まれてトランスを成し遂げた。そうして挑戦状を叩きつけるように、彼女はバルに呼びかけるのである。
「さあ、キノコ人間さんとマントゥールマスクさん? だっけ? 偽物ではないというなら、私たちウィンクルムと勝負なさい!」
 阿吽の呼吸というやつか、すぐさまアルベルトが輝の言葉に乗じた。
「本物なら私たちと戦えるはずですよねえ? それとも、怖くて戦えないとおっしゃる? ヒーローなのに?」
 なんだと、と声を上げる現在のバルには、今や1ピコキュリーの冷静さもない。
「よかろう! ならば我らと貴様ら、どちらが真のヒーローなのかここで決しようぞ!」
「どちらが本物か? 比べるまでもないと思うけど……」
 フッとややニヒルにハイネは笑む。クールなヒーロー、戦隊ものでいえばブルーのポジションが、今の彼には似合いすぎている。ハイネは宣告するのだ。
「よろしい、ならば戦闘だ」
 挑むはウィンクルムヒーローズ、迎え撃つはキノコ人間とバル・バラの連合チーム、勝利してヒーローの名を手にするのは……どちらだ!?


●激突! ヒーロー対自称ヒーロー
 子どもたちの支持がゼロで自称ヒーローとしては分が悪いものの、バルはまったく怯まなかった。そればかりか、
「ふはははは、この私を怒らせたこと、後悔するがいい!」
 と言って左手の指を、骨も折れよとばかりにバチンと打ち鳴らしたのである。
「イーッ!」
 戦闘員たちが唱和する。うち数体は採石の山に駆け寄り、シャベルでこれを切り崩した。するとそこから檻が現れたではないか。しかも、ふたつ。
 鍵がはじけ飛び、檻の戸を開けて姿を見せたのは、二足で立つ熊のような姿だ。だが熊ではない。熊とは異質の狂気がその両眼に宿っている。これぞデミ・ベアー、野生の熊がデミオーガ化し、知性を失う代わりに極端なまでの凶暴性と身体能力、そして食欲を持つに至った姿である。
 もうひとつの檻からもやはりデミ・ベアーが登場したのだった。通信販売の「さらにもう一個付いてくる!」は嬉しいが、これはまったくもって嬉しくない!
「やれやれモンスター登場ですか」
 脅威を感じたというよりも、面倒事が増えたなと言いたげな様子で、アルベルトは輝に呼びかけた。
「教団員は頼んだよ」
「ええ、任せて」
 アルベルトの手の甲に浮かんだ文様、これに輝の唇が触れたとき、まばゆい光がほとばしり二人は力を分かち合った。文字通り一心同体の関係として。これぞハイトランス・ジェミニだ。
 きっと輝はバルをにらんだ。
「悪の教団がヒーローをかたり、あまつさえ自作自演の狂言に純真な子どもたちを巻き込むなんて、許せない」
 そうして輝はくるくるするりと腕を巡らし、ぴしゃっと正面を指すのである。
「ルーメンに代わって成敗よ!」
 決まった! バルはといえば、
「くっ……私も、そういう決め台詞用意しておくんだった……」
 なんだこの反応!
 最初のデミ・ベアーは警戒より食欲が勝ったか、身を低くして突進の構えを見せており、もう一頭は仲間の動きを見つつも、それでも血に飢えた視線をウィンクルムたちに向けてくる。襲ってくるのも時間の問題だ。
「成敗だと? 虚勢を張るのはやめておけばどうだ? このデミ・オーガたちは加減ができん。今なら泣きを入れれば許してやらんこともないぞ。どうしてもというのなら、同志として迎え入れてやってもいい。同志希望者の先着1名には、この格好いいヘルメットのレプリカもプレゼントしようじゃないか」
 バルは顎をしゃくるような顔つきになる。魅力的だろう? と訊くかのように。
 はいっ、と手が上がった。
「むしろ私が欲しいです!」
 サンチェスだ。実に無邪気な表情だった。
「これは新規入信者用の特典なのだから、駄目だ」
「そんなー」
 アモンは頭を抱えていた。
「……あいつらといると、一秒ごとにIQが一ずつ下がりそうだ……」
 おかげで最近のことをあれこれ、思い悩む必要もなくなってありがたいでことはあるが。
 とにかく、応戦する構えなら全力で向かうまでだ。
「降参しろ? 軍門に降れ? 冗談はそのコスチュームだけにしてもらおうか」
 ごとりと巨大斧を持ち上げ、アモンはこれを片手だけで易々と掲げていた。
「オレたちの正義のパワーを見せつけてやろうぜ!」
 そうしてアモンは稲妻のように、デミ・ベアーの一頭に向かっていった。先手はベアーから来た。顔面を狙う強烈なストレート! だがこれを右ステップで回避すると、
「独眼竜仮面にそんなテレフォンパンチは通用しない!」
 アモンは腰に力を込め、両腕のみならず上半身すべてを使って、振り回すように斧を舞わせた。きらり閃く冷たい刃、遠心力も加わった一撃は、あまりにも強烈なカウンターとなる! 斧は見事熊の脇を打ったのである。
 アモンの強さに、おお、とリオは身を乗り出しかけた。けれども今は見とれている場合ではない。すぐさま彼女は司会のつとめを思いだす。声も枯れよと叫ぶ言葉は園児らに向けたものだ。
「さあ、正義の味方のウィンクルムに声援を送ってあげてくれ!」
 自信を持って言い切る。
「みんなの声援がウィンクルムたちの力になる!」
 すぐさま聖が呼応した。
「ヒーローはぼくらがおうえんしたら、スッゴいわざがつかえるんだよ!」
 だめ押しとばかりに聖は、両手をメガホンのように口の横に立てて叫ぶのである。
「ヒーローがんばれー! ド三品のニセモノにまけるなー!」
 するとたちまち園児らはみな、一丸となってこれに従った。
「がんばれー!」
「わるものをやつけちゃえー!」
 声援とは不思議なもので、聴いているだけでなぜか力が湧いてくるものだ。わずか数名の声援であろうと、心からのものであれば千人力となる。フェルンもやはり、声援に背を押された気持ちになっていた。
「さあデミ・オーガども、俺が相手になってやろう」
 言うが早いかフェルンはその身より、強い気合いのオーラを放射する。抗うことのできない何かが、オーラにはこもっているにちがいない。デミ・オーガたちはフェルンを意識し、彼から目を離せなくなるのだった。
「よそ見してる場合か?」
 アモンの一撃を受けたベアに、さらに追加のラッパ・カノンが飛ぶ。派手な音がするがその実は高性能銃、、これをスナイピングスキルで確実に当てるのは、ハイネ・ハリスその人だ。
「キャー! 格好いい! 成敗しちゃってー!」
 輝は力いっぱい歓声を送るのである。
「跪け」
 ハイネの言葉が通じたわけでもなかろうが、膝を撃ち抜かれた熊は、直立の姿勢から屈し両手を地に付いた。
 ユラも遅れは取らない。
「ミラクル妖刀アターック!」
 と刀を振り回し、近づいてくる戦闘員を遠ざけるのである。きらきらとミラクルなその切っ先は、戦闘員たちの足止めをするには十分なものがあった。
 負ける気がしない。いや、負けない――仲間たちの活躍を目の当たりにして、瑞希はそう確信した。

 戦いは続く。リオの司会っぷりもいよいよ絶好調、この季節だが熱がこもるあまり、額には汗の粒が浮いているではないか。
「デミ・ベアー2体を含む敵は強力だが、みんなの声援を背負うウィンクルムは必ず勝つ!」
 まけるなー! がんばれー! そこ、あぶなーい! と、子どもたちのボルテージも最高潮だ。全員立ち上がって拳を突き上げ、跳びはね、空気に向かってパンチやキックを繰り出す。まるで自分たちもウィンクルムの一員になったかのように。
 これでウィンクルムが燃え上がらないはずがない!
「薔薇よ美しく咲き誇れ」
 アルベルトは表面上静かだが、心に宿る焔は隠しきれない。美しくまた恐ろしい食人植物吸魂バラの茨を我が身にまとわせ、見る者を魅了するような凄艶な目をする。茨は己の身を削る一方で防護を高め、攻撃した相手に逆襲するという諸刃の剣だ。
 危険なまでに美しい目というのであれば、ハイネだって負けてはいない。触れなば切らん刃の視線で、デミ・ベアーを照準に捉えていた。
 息を吸い、息を止め、ハイネは撃つ。
 ぱっと輝く弾光は、轟音をあげ巨体の獣を見事射止めた。ラッパ・カノンだけに派手な音が鳴り、敵も光に包まれて消えたので、単に敵一体を倒した以上の心理的効果がある。これを見て、もう逃げ腰になっている戦闘員もいるではないか。
「ははっ、敵がゴミのようだ」
 そう言って彼が子どもたちにクールな笑みを見せると、わあっと大きな喝采があがった。
「子どもたち喜んでいるからいいけど……なんていうか、ハイネさんの台詞って悪役っぽくない!?」
 ユラはぱちぱちとまばたきを繰り返していた。まあ、喜ばれているなら結果オーライだ。
 もちろん子どもたちの安全は、茉莉花と聖ががっちりと、そうとは悟られぬ程度にさり気なく守っている。
 ところが窮地に陥ったキノコ人間はこれを理解していなかった。
「こうなったら形だけでも人質をとって……」
 心を決め猛然と走る。
「あっ、何を!?」
 茉莉花はその意図にいち早く気づいた。腕を伸ばし突進してくるキノコを止めようとしたが!
「しまった!」
 彼女がつかんだのは抜け殻、すなわち着ぐるみだけ! アニメキャラみたいに見事に、中身のサンチェスだけはするっと脱皮して飛び出していたのだ。
「こんなことはしたくなかったが私は悪役だからいいんだ!」
 サンチェスは腕を聖の首にまきつけていた。
「いい子だ。大人しくしていれば危害は加えない。ウィンクルムたちを遠ざける役に立ってもらおう」
 ところが聖は取り乱すどころか、サンチェスを見上げてにっこりしたのだ。
「よかったー、本当の子どもにむかわなくて」
「え?」
 サンチェスの天地が逆になった。聖が彼の腕をとり、ぶうんと投げ上げて地面に叩きつけたのである。
「な! なんだ! この子は!?」
 あっという間に形勢逆転、今は聖がサンチェスを地に組み伏せている。サンチェスも実力はあるのだが、なにぶん聖には無警戒だった。それゆえ簡単に無力化されたのである。
「キノコ人間さん、さっき、いっちゃいけないことをいったねー?」
「何だと……!?」
「いくらおどしでも、『ママを殺しちゃうぞ』はだめなんだよ」
 口調こそ優しいが、その声には氷のように冷たい怒りがこめられていた。聖はリボルバーを抜いてサンチェスの頭に突きつけたのである。
「こうさんして?」

 ちらと後方を振り返って、聖がサンチェスの身柄を確保したのを見ると、すぐさまアモンはバル・バラに向き直った。今、アモンはバルと一騎打ちの状態にあるのだ。
「副官は捕まったみたいだな。お前も投降したらどうだ?」
「ふん身柄は必ず返してもらう! 貴様を捕らえて捕虜交換するまでよ!」
 握ったレイピア剣でバルは突きの猛襲を繰り出す。その早いこと、まるで針山を目にしているよう。鋭い切っ先は変幻自在、目にもとまらぬ動きを見せた。
「ちぇ、手加減できねーぞ!」
 舌打ちしてアモンは斧でこれを防いだ。バルという男、頭は残念だが腕は本物だ。金属と金属が激しくぶつかり合い、火花が散る。
 しかしアモンとて、すでにインプロージョンで自身を増強していた。しかも子どもたちが見ているのだ。どうして負けられよう!
 バルの突き技、その間隙を縫うように、
「必殺・独眼竜トルネード!」
 斧を振り上げ、繰り出すは我が身を軸にした水平回転! 激しい光が尾を曳いて、チィン、とバルのレイピアが吹き飛んだ。バル自身、コマさながらに回転してどたっと倒れる。
「ばっ、バカな……!」
 バルは受けたダメージより、自分が敗れたことそのものにショックを受けているらしい。ふたつ渦巻きがあるのが彼の髪型の特徴だが、このときは目も、ぐるぐる渦巻き調になっていた。
 その眼前に、斧の刃を見せぴたりと止めてアモンは言う。
「さっき手加減できないと言ったが……ありゃ嘘だ。大怪我しない程度にしてやったから、神妙に縄につくといい」
 だがじろりとアモンを見上げると、バルは苦々しく言ったのである。
「『独眼竜トルネード』、だと……」
「あー、いや、そのネーミングはだな、子ども受けを狙っただけであってその……」
「このバル・バラ、不覚にも魅せられたわ。その見事な名付けセンスに免じて降参してやろう」
「……マジ?」
「嘘は言わん」
 バルは、なんだか満足そうに鼻息したのである。
 ――あー、やっぱバカだな、こいつ。
 やれやれとアモンは思った。まあ、バカゆえに人生楽しそうではある。そこらへんは少し羨ましい。
 リオはアモンの勝利に安堵すると同時に、なんだか彼が遠い場所にいるように感じた。このところ互いの関係に、壁を感じているのは彼女も同様なのだ。
 ――なんとか力になってあげたいが、あまり踏み込みすぎるのもな……。
 しかし今、司会のお姉さんとしてはショーを滞らせるわけにはいかない。気を取り直してリオは子どもたちに向き直った。
「さあ、残る大物はデミ・ベアーのみ! 最後まで応援を頼むぞ!」
 瑞希は伸びをし、空を貫くかのような勢いで愛の女神のワンド『ジェンマ』を掲げた。
「女神よ、彼に悪を滅ぼす力を」
 そうして瑞希が与えた額への口づけは、フェルンを奮い立たせるに十分なものであった。
「ミズキ……君こそ、今の俺には女神に見える」
 囁くようにフェルンは言う。
「ええ? い、今そんなこと言われても……!」
 頬を染める彼女の様子に、フェルンは軽く笑んで片手斧とともに敵に向かった。
「ヒーローショーの締めくくりといこうか!」
 稲妻のような一撃! これはアルベルトに道を拓くためのもの。
 ああ、とフェルンの言葉を受けてアルベルトはとどめの一撃を繰り出すのだった。
「美しき獣よ、汝が敵を打ち砕け」
 厨二的? いや、それがいい。アルベルトに集まるは子どもたちの応援、リオの実況、そして輝の祈るような目……! この攻撃、外すわけにはいくまい!
 ロングソードに宿ったのは、牙を持つ人狼の力。青白いその輝きは、絶対零度の破壊力を有す。
 剣尖が走る。
 奔る。
 奔る!
 目にもとまらぬ連続攻撃だ。続けざまに叩きつけた。
 かくしてついに、デミ・ベアーは大きく吼えて天へと還ったのだった。

「みんな、応援ありがとう! 戦いは見事、ウィンクルムの勝利に終わった!」
 リオの声は幾百幾千の谺となって、子どもたちの心に刻み込まれたに違いない。
 みんな拍手している。なぜか戦闘員とサンチェス、バル・バラまで拍手していた。(※このとき悪者たちは全員、腰に縄を巻かれ数珠つなぎになっている)
「バル様……なぜやつらに拍手を?」
「我々は負けた。だが、子どもたちを喜ばせるという目的は達したではないか。それゆえの拍手だ」
「バル様、ご立派です……!」
 爽やかなやりとりかもしれないが、腰縄の状態なのであんまり絵にならない。
 ユラはニコッと笑って、子どもたちに言う。
「良い子の皆はあんな大人にならないようにね!」
 茉莉花はふたたび引率の教員に戻るのである。といっても、今度のは引率というより連行だが。
「はいはい、じゃあ悪者たち、みんなA.R.O.A.支部まで行進開始!」

 めでたし、めでたし。
 



依頼結果:成功
MVP
名前:月野 輝
呼び名:輝
  名前:アルベルト
呼び名:アル

 

名前:リオ・クライン
呼び名:リオ、お嬢様
  名前:アモン・イシュタール
呼び名:アモン

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 桂木京介
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル 戦闘
エピソードタイプ EX
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 簡単
参加費 1,500ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 11月19日
出発日 11月27日 00:00
予定納品日 12月07日

参加者

会議室

  • [14]リオ・クライン

    2015/11/26-23:57 

  • [13]月野 輝

    2015/11/26-21:04 

  • [12]月野 輝

    2015/11/26-21:03 

  • [11]水田 茉莉花

    2015/11/26-20:06 

  • [10]水田 茉莉花

    2015/11/24-00:33 

    瀬谷さんまで・・・だから違うんですってばぁ!


    「ママ、ねらわれるバスのけんとうがつくのなら、ようちえんのふくとか
    ママがようちえんの先生になれるふくとか、しんせいしておくと
    よりようちえんの子どもたちにまざりやすくなると思うんだ。」

    え、ああうん、ひーくんありがと。
    事前にどの程度まで絞り込めるかは謎だけど、あたしは幼稚園の先生として
    ひーくんは園児としてとけ込める服で、子どもたちをのせたり近くで守ったりしようと思います。


    「ぼくは、へんそうしたりごまかしたりするのがとくいなので、
    御免ライダーとかガンバルジャーとかがすきな子どものふりをしますね。
    それと、ぼくが子どもたちのちかくでこうげきしても、ぼくならごまかせるかもしれませんし。
    (変装スキルLv3、フェイクスキルLv2)」

  • [9]ユラ

    2015/11/23-20:42 

    >バス
    襲撃場所が分からないのが不安だったんだけど、よく考えたら
    バスルート教えてもらえば大方推測できるよねー。
    バスが通れて大立ち回りができる場所なんて限られてくるもんね。
    ってことで、調査云々は気にしないで。

    >戦闘
    私達は戦闘で大丈夫だよ。
    デミもそうだけど、バルバラもなるべく一対一にならないように
    気を付けておいた方がいいよね。

  • [8]月野 輝

    2015/11/23-18:22 

    リオさん、「ヒーローショーのお姉さん」やってくれるの?
    わあ、よろしくね。

    「ショー風に」と言うのは反対無さそうだし、その方向で行きましょうか。
    名乗り上げたり必殺技名とか叫んだり決め台詞とかは、ヒーローショーの定番よね。
    ちょっと恥ずかしいけど、頑張るわ。
    皆さん、何か言いたい台詞とかある?

    私は言いたい台詞というか……瑞希さんが言ってたことと似たような意見なんだけど、
    トランスでオーラ纏って見せて、ハイトランスで「さらなる力を得た」風にしようかなと思ったの。
    ちょうどアルがマキナだから、「ルーメンの力を分けて貰った」な感じで行こうかなと。
    「月に変わって成敗よ!」とか言ってみたらどうかしらとか……(「お仕○きよ」だと問題あるかもなので)

    アルの場合はシンクロサモナーなので、元から見た目がショー向きだと思うのよね。
    狼の頭と白蛇の頭、どちらが子供に受けるかしら。虎の爪もあるけれど、ふふっ。

    >バス
    確かに「いつどのバスが」は判らないみたいだけど、ある程度目星は付いてるようだし、神経質にならなくても大丈夫じゃないかしら。
    もし調査に行くとしたら、あまり大人数だと目立っちゃうから少数で行くことになるだろう事と、
    もし見つかった場合に計画が変更されてしまう可能性があるのが少し心配かしらね。

    >デミの種類
    デミ・トロールは再生能力があるので一番やっかいだと思うけど、
    たぶんアルの火力全開にすれば、たぶん2~3撃で倒せるような気もするわ。
    精霊さんの総攻撃なら後れを取ることは無さそうよ。


    そうすると
    【方針】ヒーローショー風に、名乗り上げたり技名叫んだり決め台詞言ったりで子供達を喜ばせる
    【役割】
    ヒーローショーのお姉さん:リオさん
    子供達に混じっての盛り上げ:茉莉花さん、聖くん
    で、聖くん以外の精霊さん達と、私と瑞希さんとユラさんは戦闘へ、で大丈夫?
    子供達の方に3人いる事になるなら、子供達を守ることもできるし、これが良さそうよね。

  • [7]瀬谷 瑞希

    2015/11/23-12:22 

    連投失礼します。

    神人と精霊さんとの合体技
    (それっぽい技名を叫ぶだけで演出でしてOK)
    というのも捨て難いですね!
    具体的には何も考えていないです、軽い思いつきでごめんなさい。

  • [6]瀬谷 瑞希

    2015/11/23-12:15 

    遅くなりました、瀬谷瑞希です。
    パートナーはロイヤルナイトのミュラーさんです。
    皆さま今回もご指導よろしくお願いいたします。

    今回最大の衝撃は「水田さんはママウィンクルム!?」です。
    サブタイトルになりそうな勢いで脳裏をよぎりました。
    聖さんが「ママ」と呼んでいるしやっぱり…(チラチラ。

    いち提案なのですが、子供達へのヒーロー的アピールとして
    『ハイトランスによる2段階変身』ってのもありますね。
    一番ふさわしいのは装備的に月野さんかと。
    美少女戦士物で2段階変身の後必殺技、というのは
    子供達や敵バル・バラにとっても解りやすいアピールと思われます。
    (多分、バル・バラの精神年齢ってそんなに高くない)
    普通にトランス → 暫く戦って、強い敵(デミオーガ)登場 → ハイトランス
    な流れですが、その後ハイトランス武器を使ってどーんと敵を倒した方が
    ヒーロー的な凄さをアピールできますが、いかがでしょう。
    もちろん、これを生かすためには
    ちびっこたちの前で皆、チュウニっぽいカッコイイ口上述べた後普通のトランス
    という演出も、最初のうちに必要かと思います。

    私はミュラーさんの攻撃力UPがあるのでジェンマの杖と、
    魔法少女っぽさを出すため『ヴラド・ウォードレス』を着ていく予定です。

    敵の連れてくるデミ・オーガがどの程度の物かが不安要素ですが。
    前回の銀行強盗ではデミ・トロールを連れてきていますし、
    今回もその位は想定しなくてはいけないかもしれません。
    おっきくてゴツイので、子供達に「凄いモンスター」って解りやすいですし。

  • [5]水田 茉莉花

    2015/11/23-00:50 

    わ、出遅れちゃったかな?
    水田茉莉花です、こっちは依頼初めてのひーくん
    ・・・って、クラインさん違う!精霊!精霊です!なんか似てるけど、違うんですうううう!


    「ママ、あわてないでそうだんするよ。
    ぼくたちは、子どもたちをのせるのをやろうと思うんです。
    ぼくが子どもだってのもあるし、ママは子どものあいて上手なんですよ!(保育スキル保有)
    それに、ぼくがたたかうのはじめてってのもありますからね」

    うー、ひーくんしっかりしすぎ。
    まぁ、ひーくんが説明したように、子どもたちの安全確保とヒーロー(?)のメンツ丸つぶし
    を頑張ってみるわね。

  • [4]ユラ

    2015/11/22-23:34 

    どうもユラです。
    こっちでやる気なさそうなのがプレストガンナーのハイネさん。
    初めましての人もお久しぶりの人もよろしくねー。
    いやー面白い人もいるもんだねー。
    敵じゃなければぜひお知り合いになりたいところだけど。

    えーと、流れとしては、

    ①バスジャックされる→バルバラが阻止しに現れる
    ②私達も登場して、採石場へ誘導
    ③戦闘(ヒーローショーっぽく演出?)

    って感じ?
    バスジャック、大体目星はついてるけど、いつ・どこで襲われるか分からないんだよね?
    潜伏先が分かってるなら、その辺の情報ももうちょっと引き出せないかなぁ?

    ショーのノリで子供を味方につけるのは賛成!
    怖い思いさせちゃうもんね。
    それっぽく技の名前とか叫んじゃう?ポーズつけちゃう??(ワクワク

  • [3]リオ・クライン

    2015/11/22-22:42 

    久しぶり、リオ・クラインとアモン・イシュタールだ。
    ユラさんとハイネさん、聖は初めましてだな。
    というか、茉莉花さん達いつの間に・・・。(赤面)

    ヒーローぽく見せるならみんなで決め台詞を考えるとかは?

    >アルベルトさん
    ふむ、「ヒーローショーのお姉さん」・・・よければ私がやりましょうか?(挙手)


  • [2]月野 輝

    2015/11/22-15:54 

    アルベルト:
    連続発言になって申し訳ない。
    思ったのですが、女性のどなたか、所謂「ヒーローショーのお姉さん」の役割をする気はありませんか。
    子供達に対して「さあ、正義の味方のウィンクルムに声援を送ってあげてね!」とか言っての、盛り上げ役ですね。
    戦う方は「子供達の声援が私達の力になる!」とか言いながら戦うと尚良いかと。

    ああ言うショーのノリにしてしまうと、子供達が大喜びするのではないかと思うのですが(笑顔)

  • [1]月野 輝

    2015/11/22-11:43 

    こんにちは、皆さんお久しぶり…かしら?精霊さんは初めてお会いする方もいらっしゃるわね。
    私は月野輝、パートナーはシンクロサモナーのアルベルトよ。どうぞよろしくね。

    それにしても、以前の銀行強盗の報告書も読んだけど……馬鹿なの?この人。

    アルベルト:
    「馬鹿なんだろうな。と言うことは、煽りにも乗りやすそうだ。

    『待て!偽物のヒーローめ!本物の目は誤魔化せないぞ、お前はその怪人とグルだろう!
    違うというなら我らと勝負しろ!』
    とでも煽ってやれば乗ってきそうだと思うので、その上で採石場に誘導してはと思うのですが、皆さん、いかがでしょうか」

    煽るの得意だものね、アル……(遠い目)

    あ、あとね、私ちょうど「ブイクア」シリーズの装備持ってるから、それを装備していこうと思うの。
    ちょっと恥ずかしい気もするんだけど、その方が子供達に本物っぽく見えるかなって思って。


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