君と羊と、ときどき馬(上澤そら マスター) 【難易度:簡単】

プロローグ

●そらめぇ牧場の朝
「らめぇ~らめぇ~」
「めぇ~めぇ~」
「らめぇぇぇええええ~」

 ここはショコランド。
 甘いものに溢れたこの世界はパステルカラーで彩られ、なんとも可愛らしい雰囲気に包まれている。
 そして普段の世界では見ることのできない動物や生物で溢れていることも特色の一つだ。
 以前はオーガによる被害にあっていたショコランドも、ウィンクルムの活躍に寄り平穏を取り戻している。

 シュークリーム牧場もその一つ。
 元々ショコランドに一般的な家畜動物としてシュークリームシープという生物がいた。 
 大きさは50cmから1m程のシュークリームの形をしており、目鼻や足はないが「めぇめぇ」と鳴く。
 ぽよよんぽよよん、と跳ねながら動く姿はなんとも愛らしい。
 日向ぼっこをしていると大きくなり、月に3、4回ほど子供を産む生物。 
 ショコランドを出るとこのシュークリームシープは普通のシュークリームになることから、昨今はショコランド産のシュークリームとして人気も出始めている。

 そんなシュークリームシープの変異体として最近発見されたのが「ウエサ・ふぁ・そ・らめぇ」こと通称そらめぇ、だ。
 1.2m程の大きさで、此方は羊のような顔や手足、尾や角が生えている。
 特徴的なのは「らめぇ」という鳴き声。

 甘いものを主食としていたそらめぇは、オーガの瘴気の影響で狂暴化した際はシュークリームシープを食べ散らかしていたが、保護された後は定期的にエサを与えられることからか、捕食や共食いはしなくなった。
 また、以前は中身はワサビクリームがほとんどであったが、美味しいエサの影響か中身が抹茶なものやカスタード、チョコなど様々な味のそらめぇが生まれている模様である。

●甘味好き職員のお誘い
「そんなショコランドのそらめぇ牧場でゆっくりとした一日を過ごしませんかっ?」
 鼻息も荒く、ウィンクルムに提案するのはA.R.O.Aの職員女子。
「やっぱりショコランドはバレンタインやホワイトデーが盛り上がるんですよね。で、暑さが増した今は閑散期なそうでして。それを利用して、ウィンクルムさん達を招待し、新メニューを召し上がっていただきたいそうなんですっ」
 チラシをを手に、職員はうっとりとした表情を見せる。
「見てください、シュークリームではなくシューアイスなんですよぉ。しかも、パティシエさんがお一人お一人に合わせてアレンジを施してくれるらしいですっ」
 そらめぇに見立てたシューアイス。顔はクッキーで出来ており本物のそらめぇを食べるわけではないようだ。
「牧場で甘い香りとシュークリームシープと戯れて、後でカフェでのんびりと……きっとまったりとした一日になりそうですね」
 A.R.O.A職員はキヒヒ、と笑った。
「私もお土産にシューアイス欲しいですが……流石に溶けちゃいそうですねっ。今年の夏休みはショコランドに行こうかな~♪牧場の感想、教えてくださいねっ」
 ご機嫌な笑顔を見せる職員であった。


●幸せの象徴・パピュッペ
「らめぇ~」
「めぇめぇ」
「らめぇ~、らめめぇぇええ~」
「ぱぷぱぷ~」
 そらめぇ牧場に、普段は聞き慣れない鳴き声が混じる。
 シュークリームシープたちが鳴き声の元を見れば、そこには子馬のような愛らしい生き物が。
 透明な水飴の羽、ソーダ色の瞳に白いマシュマロの身体を持ったその子馬は涼しげで愛らしい。
 風が吹けば、パピュッペのラムネ綿あめで出来たタテガミと尻尾が柔らかに動く。 
「らめぇ~」
「ぱっぷぅ~」
「めぇめぇ~」
 まだ人の気配のない、早朝のそらめぇ牧場。
 ウィンクルムが到着するまで、もうすぐだ。

解説

●流れ
 そらめぇ牧場でそらめぇやシュークリームシープ、そして現れるかもしれない幸運の象徴・パピュッペと遊ぶ!
 ※恐らく他参加者様との絡みありのワチャワチャタイムになるかと思います。
  どの動物も甘いものが好物です。エサを上げたりもふったり、
  そらめぇの何かのクリームを浴びたりしてください。
 
 カフェでデザートを食べる!
 ※シューアイスがメインとなります。アイスのフレーバーはお好きなものを。
  お任せも歓迎です。その他のデザートアレンジは此方でお任せとなりますのでご了承ください。
  好きな食べ物や、苦手な食材があればご記載ください。
  こちらは各ウィンクルム様の個別描写を予定しております。

●そらめぇ
 ボデーはシュークリーム生地です。柔らかなタイプシュー生地と固めのシュー生地がいるそうです。
 あまりギューギュー押すとクリームがはみ出てベトつきます。
 シャワー室完備ですが、その辺の描写は脳内妄想でお楽しみいただければと思います(シャワーの記載はありません)

●パピュッペ
 むちむちボディーのカワイコちゃん。感情を読み取る能力が高いです。
 水飴の羽で飛び立つことが出来る模様……!

●他
「はっはっは、クリームが口元についてるぞ!」
「やぁん★」
 だとか、色んな妄想しつつ遊んでいただけたら幸いです。

●消費
 そらめぇ牧場での飲食代としてお一組様600jrいただきます。
 ご了承くださいっ。

ゲームマスターより

こんにちは!上澤そらです。

GMアニマルのイラスト企画に乗っかりまして
以前、白羽瀬 理宇GM様に男性側で書いていただきました
『【チョコ】VSらめぇよぉ~らめぇらめぇ』に出てまいりました「ウエサ・ふぁ・そ・らめぇ」こと
通称そらめぇを女性側にも出現させていただきました。
此方はハピエピですので、まったりゆっくり遊んでください。

そしてらんちゃむ様の男性側シナリオ『幸福の瞬間』にて出現しました
羽の生えた可愛い子馬ちゃん「パピュッペ」たんにも登場していただきました。
どちらも話は続いておりませんが内容的に未読で問題なし!です。
しかし可愛いパピュちゃんや白羽瀬さん版そらめぇも愛らしいですよ!と宣伝。
そしてらんちゃむ様画のGMアニマルイラストを見れば更にイメージが湧くかと…!

他のGMアニマルももしかしたら登場する……かも?
何卒よろしくお願いいたします!



どうでもいいことですが、私の実父の実家はグンマーです。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

夢路 希望(スノー・ラビット)

  牧場:
マカロンを持ち、近付いてきてくれた子と遊ぶ
この子は…そらめぇ、ですね
鳴き声が独特なんですよ
そっと触れ
嫌がらなければ柔らかな体を撫でる

ベトつきは今は気にせず後でシャワー借りようと
付いたクリームは舐めてみて甘さに笑顔

パピュッペと会えたら感動
目を見て微笑み
嫌がらなければむちむちボディを堪能
ユキの方へ促されると
…あ
口元、クリームが残ってます
ハンカチで拭おうと

カフェ:
注文内容はこそっと
フレーバーはバニラで
アレンジは…彼をモデルに、作っていただけますか?

気付かれ赤面
…一番に思い浮かんだの、ユキ、だったから

誘いもおねだりも恥ずかしいけど嫌じゃなく
勇気出せれば応えようと


※スキル
子供好き
動物
メンタルヘルス



桜倉 歌菜(月成 羽純)
  そらめぇ、すっごく可愛い!
今日は宜しくね

羽純くん、早速エサをあげよう!
そしてもふらせて貰おうっ

エサを食べる姿も可愛いっ
最初は恐る恐る…様子を伺いながら、何所を撫でたら喜ぶか観察
そらめぇが気持ちよさそうに鳴いてくれたら、思わずぎゅっと抱きしめて…
きゃークリームがっ
あはは、ベトベトになっちゃったね(でも楽しい♪)

パピュッペが現れたら感動!
幸福の象徴…幸せを運んでくれるパピュッペに会えるなんて!

可能なら、そらめぇとパピュッペを抱っこして一緒に写真が撮りたいな

カフェでそらめぇ達とのふれあいを思い出しながら
羽純くんが動物になったら…やっぱり甘いものがエサなのかな?(想像
へ、変な事とか考えてないよっ(焦


瀬谷 瑞希(フェルン・ミュラー)
  お弁当作っていきます!
初心者用お弁当本を参考。
鮭フレークおにぎり、梅肉と青シソのおにぎり。
唐揚げとアスパラの肉巻き。
オクラ・インゲンの胡麻和え。
ブロッコリーとキャベツのサラダプチトマト添え。
など作っていきます。
ミュラーさん喜んでくれるかな。
多めに作って皆さんとも交換したいです。
レシピ聞かなきゃ。

本当に生物がお菓子で出来てる…興味深い事案です!
柔らかそらめぇをぎゅっと押してみてはみ出たクリームをぺろり。甘くて美味しい抹茶味!
内臓はどうなっているの?
シュー羊はシュークリームになって出荷する?
分裂して増えるの?出産!?どーやって?
色々牧場の人に質問攻め。

パピュッペちゃんとも遊びます!とてもかわいい。



メイリ・ヴィヴィアーニ(チハヤ・クロニカ)
  羊さんかわいい、来てよかったの!
そらめぇさん達に突撃したいけど驚かせたら可哀そうだし、
そっと近づくの。逸る気持ちでこけたりしないのよ。
もし転んでもいつものことだし。

いっぱい遊んで、お菓子あげたらギュッとさせてくれたらいいな。
クリームついても気にしないよ。

ちーくんがあまり遊んでなかったら「そんなところで見てないで一緒に遊ぼうよ~」と近くにいた柔らかシュータイプの子をけしかけちゃおっかな。

アイスの味はお任せなの。
甘いものはみんな大好き。でもトマトはちょっと苦手。
デザートになっても苦手なものは苦手なの。
シューアイス可愛いけどアイスが溶けたらもっと可哀そう。
罪悪感消すために顔のクッキーから食べよう。



アンジェローゼ(エー)
  私、ここ大好き
それを知るエーがつれてきくれたの

「見て!エー、そらめぇよ。ふわふわで甘い香りがしてとっても可愛い!全部お菓子だなんて不思議。ほら、優しく撫でてみて?」

頬を染め、抱いたそらめぇを彼に差し出し
…クリームがはみ出ないように気をつける
でも勢い余ってクリームが頬についたのに気が付かない

「えっ?!」
頬についたクリームを舐められ湯気が出る程赤面
小さくありがとうとお礼を

カフェではチョコ味のシューアイスを
エーはバニラ…一口頂戴?どちらの味も楽しめるなんて嬉しいね
幸せそうなエーをみて私も心が暖かくなる

きゃあ、パピュッペも可愛い!
優しく鬣を撫でてみる
一度触ってみたかったの!
エーに笑顔を向けながら大喜び




●らめぇ
「らめぇえええ!」
 一行がそらめぇ牧場に着くと煩いぐらいにそらめぇや羊達の鳴き声が響いた。
 そんな声も耳に届かない程にディアボロ青年・エーは己の神人アンジェローゼに熱い眼差しを送り続けていた。
「ロゼ様お気に入りのショコランドでデート出来て僕はとても幸せです」
 色香漂う優美な美青年は柔和な笑みを浮かべているが、眼差しは恍惚にも似た様相で。彼女の一挙手一投足に一人悶えていた。
 そんな彼の視線には気づかず、アンジェローゼは無邪気な笑顔を浮かべ。寄ってきた羊の背を撫でた。
「見て!エー、そらめぇよ。全部お菓子だなんて不思議。ふわふわで甘い香りがするわ」
「そうですね、ふわふわで甘いですね」
(嗚呼……羊を撫でるロゼ様…最高に可愛いです、愛しています)
 彼女の明るくふわふわとした金髪、エメラルドグリーン色を持つパッチリとした瞳。砂糖菓子のように甘く愛くるしい彼女に抱きしめられた羊も幸せそうだ。
(……むしろ羊に代わりたい……)
 ジェラシーにも似たオーラがエーの背中を包み始める、が。
「羊さん可愛い!来てよかったの!」
 明るく可愛く元気な声が響いた。
 声の主は見た目年齢12歳のメイリ・ヴィヴィアーニ。柔らかな黒髪は下ろしており、両サイドはツインテール。一見大人しそうな雰囲気だが、明るい緑の瞳は好奇心に溢れている。
「おーそうか、よかったな。メイ、あまり走り回るなよ?」
 メイリの言葉に応えるのは彼女の精霊であるテイルスのチハヤ・クロニカ。表情は変えずに

「うんっ。そらめぇさん達に突撃したいけど……驚かせたら可哀想だし、そっと近づくの!」
 ウズウズとした気持ちを抑え、メイリはゆっくりと羊達の元へ。
(なんだ、成長してるんだな)
 そそっかしいメイリが何かしでかさなければいいが……と気を揉んでいたチハヤ。だがゆっくり近づく彼女の姿に目を細めた。しかし。
「きゃっ!」
 足元の草に気を取られ、転んでしまう……所だったが、チハヤが咄嗟に彼女の腕を掴み。牧場の土に抱き付くことは免れた。
「メイ、気を付けろよ」
「ごめんなさい。でもちーくん、ありがとなの!」
 満面の笑みを向けるメイリに
(あー、結局手を出してしまった)
 と、彼女に対する親心を今日も自覚した。
 微笑ましい2人のやりとりに、エーの黒いオーラはポシュンと収まるのだった。

 クールな表情を見せるのはポブルスの月成 羽純。しかし内心では甘いものが餌な羊達に親近感を覚えているわけで。
 そんな羽純の隣では神人の桜倉 歌菜が瞳をキラキラと輝かせていた。
「そらめぇ、すっごく可愛い!」
 歌菜の声に、そらめぇの一匹が二人に向かってきた。
 二人が挨拶をすれば、そらめぇは嬉しそうすり寄ってくる。
「うわぁ……すっごく甘い香り……!羽純くん、早速エサを上げよう!そしてもふらせて貰おうっ」
 ワクワクが止まらない歌菜に、羽純も頷き笑んだ。

「本当に生物がお菓子で出来てる…興味深い事案です!」
 真剣な表情でそらめぇ達を見るのは瀬谷 瑞希。お弁当箱を片手に、興味津々な表情を見せる。
 瑞希は傍に居た飼育員を見つけると、疑問の数々を飼育員へ尋ねた。
「内臓はどうなっているの?シュー羊はシュークリームになって出荷する?分裂して増えるの?出産!?どーやって?」
 キラキラとした瞳で聞かれ、飼育員は
「まだまだ謎が多い生物だけど、わかる範囲で教えるな。まずは内臓だが……」
 瑞希はふむふむと頷きつつ、新たな疑問を更に聞きながら会話に没頭した。
 その様子を見守るのは瑞希の精霊であるフェルン・ミュラー。
(予想以上にミズキがショコランドの生物に興味を持っちゃったな……)
 気に入るだとうとは思っていたが、彼女の探求心の強さを再認識し苦笑を浮かべた。

 瑞希と飼育員の会話が途切れた所で、フェルンは願望を口にしてみる。
「もし、連れて帰れる生物がいたら連れて帰りたいな」
 その言葉に瑞希の瞳が更に輝く。
「手乗りサイズで国の外に出ても生物のままなコがいれば……」
 彼女なら喜んで育てそう、とフェルンは思う。どんな生物も楽しんで飼うことだろう……昆虫以外ならば。
 だが、飼育員は申し訳なさそうな表情で
「興味を持ってくれるのは大変嬉しいね。だが、ショコランドの生物がこの国から出た時の影響がまだまだ解明されていなくてね。このあたりでは国の許可が必要なんだ」
 そうか……と二人は残念そうな表情を見せれば、飼育員は金平糖の袋を二人に手渡した。
「だから、今日はたっくさん思い出を持ち帰ってほしい。エサをあげてくれないか?」
 瑞希が袋から金平糖を取り出した途端、そらめぇ達が2人に近寄ってきた。
「らめぇ~」
「めぇ~」
 金平糖や、瑞希が手に持つお弁当に興味を示すそらめぇ達。
「お弁当は甘くないのよ?」
 ふふ、と笑みを浮かべる瑞希を見て、フェルンも楽しげな表情を見せた。
 フェルンは金平糖をあげる瑞希にの頬にいつの間にか瑞希の頬に緑色のクリームがついているのを確認した。
「そらめぇのクリームついてるぞ?」
 指で瑞希の頬に付いたクリームを拭った。
 まさかワサビ!?と瑞希が思うも、指を舐める彼に表情の変化はない。己もクリームを舐めてみれば
「甘くて美味しい……抹茶味!」
 スイーツ好きな瑞希は満面の笑みを浮かべた。

 動物好きな夢路 希望と、白兎型テイルスのスノー・ラビットは羊達の群れに笑みを浮かべ。
 希望が持参したマカロンを持てば、直ぐに二人の周りを羊達が取り囲んだ。
「めぇ~」
「順番にあげるね。ちょっと待ってね」
 優しい表情でマカロンを差し出す希望の姿に、スノーも心が癒される。
「あ、この子は……そらめぇ、ですね」
 群れの中で、顔や手足がついた羊を発見した彼女が手招きすれば、近づいてきたそらめぇの背にそっと触れる。マカロンを与えれば、幸せそうな表情を見せるそらめぇ。
「この子がそらめぇ?可愛いね」
 希望同じく、そらめぇの背中に触れようと彼が手を差し出すと
「らめぇ~」
 突然の鳴き声に、スノーは手をひっこめた。
「あれ、嫌だったのかな?」
 小首を傾げれば、希望は微笑みながら首を横に振った。
「そらめぇは鳴き声が独特なんですよ。大丈夫です」
 嫌がる様子のないそらめぇの背を、希望は柔らかく撫でる。
「ほら、気持ちよさそうです。柔らかいですよ」
「嫌じゃないのならよかった」
 スノーが恐る恐る手を伸ばし、そらめぇの背に手を乗せれば柔らかな感触。嬉しそうにらめぇ~と鳴き声を上げている。

 そんな希望とスノーの元に歌菜と羽純がやってきた。
「わぁ、希望さんマカロンあげてるんですね!エサを食べる姿も可愛いっ」
「よかったら桜倉さんもあげてみませんか?」
 視線を歌菜に向け、希望がマカロンを差し出せば「いいんですか?」と彼女の目が輝いた。勿論、とスノーも頷く。
「そらめぇ、お菓子だよー」
 恐る恐るマカロンを差し出す歌菜。そらめぇが歌菜に近づき、パクッ!とマカロンを受け取った。モシャモシャと食べる姿はなんとも和む。
 希望やスノーも傍に居たそらめぇ達を撫でもふる。ほのぼのとした光景に羽純は
「毎日こんな美味そうなエサを食べてるのか…」
 真剣な表情で呟けば、その発言に歌菜が笑う。
「あれ?羽純くん羨ましそう……!」
「いや、羨ましいわけでは……ほら、歌菜。そらめぇの喉の所を撫でると気持ちよさそうだぞ」
 希望やスノーが笑む姿を見て慌てる羽純。話を逸らすようにそらめぇの喉元を柔らかく撫でれば、らめぇ~!と一際大きい鳴き声が。
「うわぁ、気持ちよさそうっ!」
 思わずギュッ!と歌菜が強く抱きしめると……クリームがブシャア!と押し出され。
「きゃー、クリームがっ!」
 クリームは歌菜と羽純を直撃。更にクリーム噴射に驚いた淡いピンク色をしたそらめぇもクリームも噴射させ、側に居た希望とスノーをベトつかせる。
「ノゾミさん、大丈夫?」
 心配そうな表情を見せるスノーに
「大丈夫です。後でシャワーを借りましょう」
 楽しげな希望に安心し、彼はふと己の指についたクリームをペロリと舐めた。
「あ、ほんのり苺の味だ。美味しいよ」
 甘みに笑みを浮かべたスノー。希望も指についたクリームを口に含んでみれば。
「わぁ……甘い」
 ペロリと人差し指を舐め、微笑む希望の表情はなんだか大人っぽく……ドキドキが止まらないスノーだった。

 歌菜と羽純もクリームにまみれるも楽しそうな表情は変わらない。
「あはは、ベトベトになっちゃったね」
 水浴びしたかの如く楽しげな歌菜。羽純は彼女の鼻先にクリームがついたのを見て思わず吹き出した。
「歌菜、鼻の頭にクリーム」
 羽純がハンカチを取り出し、彼女の顔についたクリームを優しく拭う。
(は、羽純くん、顔近いよぉ……!)
 至近距離で顔を拭かれれば、歌菜の耳は赤く染まり。
「もう少しだから、動かないで」
 モジモジする彼女に優しい表情を浮かべる。こんなアクシデントも、歌菜とならば楽しい。
 そう思う羽純だった。

「エー、連れてきてくれてありがとう!とっても可愛いわね」
 そらめぇを撫でるアンジェローゼをうっとりと見つめるエー。
 彼女は抱いていた小さなそらめぇを、近づく様子のないエーに向かって差し出した。
「ほら、優しく撫でてみて?」
 頬を染め、クリームがはみ出ないよう気を付けながら。満面の笑みと共に差し出された羊をエーが遠慮がちに撫でると、らめぇ!と鳴き声が響く。
「ふふ、鳴き声も可愛いわ」
「成る程、確かに可愛いですね」
 微笑んで頷くエーを見、アンジェローゼは安堵の表情を見せた。
「よかったわね、そらめぇ!」
(……本当に可愛いな、お嬢様は) 
 羊を抱く貴女が可愛いのだ、とエーは笑みを深めた。
 喜びと共にキュッとそらめぇを抱きしめれば、その拍子にクリームが彼女の頬に付着する。
 それに気付いたエーは
「……いただきます」
 呟くと共に彼女の頬に人差し指を充て、クリームを拭った。そしてその指を己の唇へと運ぶ。
「えっ!?」
 あまりに自然な行動にアンジェローゼの頬がみるみる紅潮する。彼の艶っぽい仕草に直ぐに顔が赤くなった。
「失礼しました…余りに、美味しそうだったもので…」
 貴女が、という言葉は胸の中にしまい。申し訳そうな表情を浮かべるエーに、彼女は赤面しながら「ありがとう」と小さな声でお礼を伝えた。

 そらめぇと共に牧場を遊びまわるメイリ。そして見守り体勢で寄ってくる気のなさそうなチハヤを見つけ叫んだ。
「ちーくーーん!そんなところで見てないで一緒に遊ぼうよ~」
「お、おい、声で呼ぶなって……!」
 ちーくん呼びを正直止めて欲しいと思っているチハヤ。メイリの元に近づけば、沢山羊達と遊んだためかクリームでベトベトだ。
「あのね、い~っぱいそらめぇと遊んだの!ギュッってしたらクリーム出てきちゃた!」
 無邪気に笑うメイリにチハヤは呆れるも、周りの参加者達もクリームまみれだったり、楽しく遊んでいる。
「そらめぇ、ちーくんも遊んであげてー」
 メイリが言えば、そらめぇが楽しそうにチハヤへと突撃!
「お、おいっ!」
 柔らかシュータイプの羊はふかふかボディを彼へ押し付ける。衝撃でクリームがチハヤにブシャアア!とかかる。
「あははっ、ちーくんもクリームまみれだねー!」
 キャッキャと笑うメイリに
「……たくっ、今日は特別だからな?」
 言葉とは裏腹に、チハヤは楽しそうな笑みを浮かべた。


●ぱぷぱぷぅ
 羊達とたくさん遊び、ひとまずシャワーへと向かった一行。

「ミュラーさん、良かったらお弁当を食べませんか?」
 さほどクリーム被害のなかった瑞希は、フェルンへ声をかければ。
「え?ミズキが作ったの?勿論食べるよ!」
 あまり料理に自信がない瑞希だったが、今朝は頑張った。
 鮭フレークおにぎり、梅肉と青シソのおにぎり。唐揚げとアスパラの肉巻き。オクラ・インゲンの胡麻和え。ブロッコリーとキャベツのサラダプチトマト添え……等、初心者用の本を見つつ作ったお弁当は彩りも美しい。
「美味しいよ、上手になったね!」
 パクリと頬張り、笑みを見せる彼に胸を撫で下ろす。
 お弁当を堪能していると、他の参加者達もシャワーを終え集まってくる。
「皆さん、よかったら一緒にお弁当を食べませんか?」
 美味しそう!と皆の声が上がり、瑞希も嬉しそうにお弁当を差し出した。すると。
「ぱっぷぅ~」
 牧場の上空から聞き慣れない鳴き声。その声に飼育員が顔を上げた。
「おや、あれは……パピュッペだ。俺も名前は知っていたが見るのは初めてだ」
 幸せの象徴と呼ばれるパピュッペは水飴の羽を柔らかに動かし、皆の元へと下り立つ。
「ぱぷぅ?」 
 ソーダ色をした大きな瞳が周りを見渡す。そんなパピュッペに向かってそらめぇが近づいた。
「らめぇ~!」
「ぱっぷぅ~!」
 じゃれ合う彼らにウィンクルム達の目尻は下がる。
「か、可愛いです……!」
 希望が感動の表情を見せ、笑顔と共にパピュッペと目を合わす。
「ぱぷぅ!」
 嬉しそうな声を上げるパピュッペ。
「幸せを運ぶパピュッペに会えるなんて!」
 歌菜も驚きと感動を見せれば、羽純も笑みを浮かべ。
「宜しくな」
 手を差し伸べると、パピュッペが二人に寄ってきた。綿あめ製の鬣や尻尾がふわふわし、甘い香りが漂う。
 羽純が柔らかくパピュッペを撫でれば、アンジェローゼも興奮した様子でパピュッペに近づいた。
「きゃあ、可愛い!一度触ってみたかったの!」
 鬣を撫でつつ、エーに向かって満面の笑みを見せれば「貴女に喜んで貰えてよかった」とエーも表情を和らげた。
 メイリや瑞希もパピュッペに近寄り、優しくその身体を撫で楽しむ。その様子をチハヤやフェルンも微笑ましく見守った。
「もし大丈夫だったら、そらめぇとパッピュッペを抱っこして写真が撮りたいな」
 歌菜の言葉に、飼育員が勿論!と頷く。
 小さなそらめぇとパピュッペを二人は抱き上げ、飼育員が写真を撮れば、他の参加者達もせっかくだから!と記念撮影を行う。
 希望もムチムチとしたパピュッペのマシュマロボディを堪能する。希望の笑顔にスノーは少しだけパピュッペを羨ましく思いつつ、自分もそらめぇを抱え写真に納まった。
「ノゾミさん、ラムネもあるよ」
 持っていたラムネをスノーが希望へと手渡そうと身を動かした際に、そらめぇのクリームがスノーの頬にちょっぴり付いた。それに気付いた希望が彼の頬にハンカチを充てる。
「……あ、ユキ。口元、クリームが残ってます。……はい、取れました」
「ぱっぷぅ~!」
 クリームを拭い、笑みを浮かべた希望。
 その時、パピュッペが楽しそうな鳴き声を上げたため、希望はバランスを崩しスノーへと寄りかかる形へ。
「きゃ、ごめんなさい……!」
「大丈夫、ありがとう」
 驚きはするものの、彼女から触れられてドキドキが止まらないスノー。
(……パピュッペ、ありがとう)
 目配せするスノーにパピュッペもウィンクを見せた。

 こうして羊やパピュッペと戯れれば、パピュッペは満足したようにまた天へと飛び立っていった。
「ぱっぷ、ぱぷぱぷぅ~!」
「らめぇ、らめぇぇえええ~!」
 名残惜しそうなそらめぇと共に、可愛らしい子馬の姿をウインクルム達はいつまでも見守った。

●かふぇ・ど・めぇ
 その後、カフェへ迎えられた一行に新作のシューアイスが提供された。

 メイリには薄赤いアイスが入ったシューアイスが。
「もしかして……トマト?」
「メイはトマト苦手だもんな。克服のために入れてくれたんじゃないか?」
 笑うチハヤにメイリは頬を膨らませ。
「デザートになっても苦手名ものは苦手なの!ちーくんは何味?」
「薄い黄色だけど……なんだろ」
 パクリ、とお尻からかぶりつくとその味はバナナ味。
「ん、美味しいぞ。メイリは食べないのか?」
 可愛いけど、溶けちゃったら可哀想……でもトマトは……と色々な想いを感じつつ、まずは顔のクッキーを取り外し頬張る。さっくりとした食感、そして。
「あ、この香りは……」
 クッキーに微かに残る香りに気付き、チハヤは頭部分からアイスをパクリと齧った。
「おーいしいっ!桃の味だったわ」
「なんだ、トマトじゃないのか」
 悪戯な声を上げるも、チハヤの表情は安堵で溢れ。
「おい、口元」
 パクパク食べるメイリの口元についたクリームをハンカチで拭いてやるチハヤ。
 メイリはお礼を言いつつ、チハヤがシューアイスの顔をなかなか食べないことに気付く。
(ちーくん、お菓子苦手なのかな?)
(可愛い羊の顔……食べるの勿体ないなぁ)
 可愛いすぎて食べれない……!とこっそり思うチハヤだった。

 そらめぇ達との触れ合いを思い出しつつ、歌菜と羽純もシューアイスを堪能していた。
 歌菜には葡萄味のシューアイス。そして羽純にはチョコのアイス。
 特に甘いもの好きな羽純、チョコのほろ苦く柔らかな甘さとシュー生地に笑みを浮かべる。嬉しそうな彼を見て
「羽純くんが動物になったら……やっぱり甘いものがエサなのかな?」
 ふふ、と歌菜が笑む。
「俺が動物って……コラ、変な想像するな」
 頬をやや膨らませ、彼女の額に軽くデコピン☆
「へ、変な事とか考えてないよっ」
 頭の中、見られた!?と歌菜が慌てつつアイスを堪能すれば
「でも……そうだな。歌菜が飼い主だったら美味いものを沢山くれて、思い切り甘やかしてくれそうだ」
 楽しげに笑む羽純に
「えへへ、勿論!」
 ケモミミがついた彼を想像し、ニマニマが止まらない歌菜だった。

 アンジェローゼの元にはミルクチョコのシューアイス。
 両手で持ち、口を上品に開き頬張る彼女の姿にエーは相変わらず恍惚の表情を浮かべている。
「ふふ、美味しいっ!チョコ味も美味しいけど……」
 アンジェローゼの視線は、エーが持つバニラアイスに向けられ。
「エー、バニラ味、美味しい?」
 そう聞かれ、エーもアイスをパクリと齧る。
「はい、さっぱりとして上品な甘さです」
「一口、頂戴?」
 小首を傾げる彼女に、エーは「勿論です!」と興奮を抑えつつバニラアイスを手渡した。
 それじゃあ、チョコもどーぞ!と彼女からアイスを受け取れば。
(食べさせっこなんて幸せすぎる……!これは、間接キス……!)
 それはそれは幸せそうにチョコ味を食べるエーを見て
(美味しそう……!幸せそうなエーが見られてよかった)
 エーの真意はどうあれ、楽しい時間を過ごせたことに彼女は満面の笑みを見せた。

 苺アイスをベースのそらめぇシューアイスがスノーに提供された。
 対して、希望のアイスは羊顔ではなく兎の耳が生えたもの。
 バニラアイスにシュー生地には粉糖がかかり、赤いジャムで瞳が書かれたもの。
「あれ?ノゾミさんのそれ……僕?」
「あ、あの……一番に思い浮かんだの、ユキ、だったから」
 希望はこそりとアレンジの要望を伝えていた。赤面しつつも肯定する彼女に、スノーは嬉しさに胸が熱くなる。
「ありがとう、嬉しい」
 二人でシューアイスを堪能すれば、柔らかな甘みと冷たさに自然に顔が綻ぶ。
 苺味も食べる?というスノーに希望が頷けば。 
「……はい、あーん」
 口元にシューアイスが近づけられる希望。
 周りを見れば、皆食事に夢中だ。恥ずかしいけど、決して嫌ではなく……希望は口を開け、苺の甘みを堪能した。
「僕も、バニラ食べてみたいな」
 そう言いスノーがあーん、と口を開きおねだりすれば。
(は、恥ずかしい……でも)
「ユキ、あーん……」
 夢路の手から口に受けたバニラアイスは、いつも以上に甘く幸せの味がした。
「また来たいね」
 赤面しながらコクンと頷く希望に、スノーは幸せを愛しさを噛みしめるのだった。

 そして、瑞希はシューアイスを目の前に真剣な表情で。
 飼育員から様々な話を聞くも、まだまだ理解できないことは多い。
 フェルンはそらめぇを冷蔵庫で冷やして、その中で増えれば色々な味のシューアイスになりそうと、笑む。
(そうなったら、ミズキは甘いものが好きだから、色々食べさせてあげたいな)
 そんな夢を抱きながら、瑞希は抹茶味のアイスを、フェルンはヨーグルト味のアイスを堪能するのだった。
「ショコランド、まだまだ不思議がいっぱいです……!」
 モグモグとアイスを食べつつ、更なる知識欲を刺激された瑞希はとてもとても幸せそうだった。



依頼結果:成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 上澤そら
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 06月30日
出発日 07月06日 00:00
予定納品日 07月16日

参加者

会議室

  • [7]瀬谷 瑞希

    2015/07/05-11:03 

    こんにちは、瀬谷瑞希です。
    パートナーはファータのミュラーさんです。
    メイリさんとアンジェローゼさんは初めまして。
    夢路さんと桜倉さんは、またご一緒できて嬉しいです。
    今回も、よろしくお願いいたします。

    ショコランドにはかわいい生物が沢山いるんですね。
    パピュッペちゃんとも逢いたいです。
    皆さんが素敵なひと時を過ごせますように。

  • [6]桜倉 歌菜

    2015/07/05-00:25 

  • [5]桜倉 歌菜

    2015/07/05-00:24 

  • [4]アンジェローゼ

    2015/07/03-07:00 

  • [3]桜倉 歌菜

    2015/07/03-01:15 

  • [1]夢路 希望

    2015/07/03-00:19 


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