釣りデート!?(東雲柚葉 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

青い海、青い空、そして素敵な水着。

ここはパルシオンビーチにある海水浴場、ゴールドビーチ。

夏も真っ盛りということで、ビーチは大盛況だ。ビーチボールで遊ぶ人、パラソルの下から海を眺める人、バーベキューをする人、沖まで競争する人。皆それぞれ思い思いに楽しんでいる。

しかし、そんな笑顔あふれるビーチの中で頭を抱える男がいた。
海の家の主人である。

「…………まさか、ここまでの客入りがあるなんてなぁ……」

予想外の客入りに、お店にある魚介類がほとんどなくなってしまったのだ。
イカ焼きも作れないし、ホタテも焼けない。さらに、ここらで取れる魚を炭火で焼くイチオシメニューの材料も底をついてしまっていた。

「せめて、魚を調達しにいければいいんだが……」

遊泳エリアでは釣りは禁止となっているが、少し歩いたところには絶好の釣りスポットがある。そこらでちょっと釣りをすれば魚を調達できるのだが、何せ客足が止まらないのでカレーやラーメン、かき氷などを作る手を止めることが出来ない。

「調達できる状態じゃないし、今日はもう、イチオシメニューを諦めるしかないか……」

地元の魚を炭火で焼くイチオシメニューを楽しみに来ているお客さんも少なくない。お客さんに最高の笑顔で帰ってもらいたい店主としては、この事態は絶望的だ。
炭はまだ残っているし、イチオシメニューにかける秘伝のタレもストックは十分。魚介、魚介さえ手に入れば作れるのに!
そこまで考えて、店主はふと思いついた。
そうだ、海水浴に来ているお客さんに魚介を調達してもらおう。
店主は店の外に駆け出し、近くにいたあなたを呼び止める。

「あんた、魚介をとってきてくんねぇか!食材が切れそうなんだ!もちろんただとはいわねぇ。営業時間が終了したら。好きなだけ飯を振舞ってやる!頼むよ!」

懇願する店主の願いに、承諾。
感涙に咽び泣く店主に釣り道具とモリ網など一式の道具を手渡され、あなたは海へと向かった。

解説

●海水浴場について
海水浴場に入場するために、200jrを頂戴します。


●魚介の採取について
以下の選択肢から、狩りの方法を選択することが出来ます。

1.釣り
運がよければ、とても大きな魚を釣り上げることができるかも?

2.モリ
タコやイカを狙うことが出来ます。また、素潜りなので貝を採れるかも?

3.網
一度しか使えませんが、捕獲率は高いです。小さな魚が多いかも?


>ハプニング!<
※上記選択肢によってハプニングが起こってしまう可能性があります!
1.海に落ちてしまい、服が肌に張り付いて……!?(濡れ濡れのスケスケになってしまうかも!)

2.タコやイカに絡みつかれてしまい……!?(触手が身体にはりついてしまうかも!)

3.あ、あの大きな魚はまさか、サメ……!?(サメと戦いになってしまうかも!)


店主は魚を欲しがっています。大きな魚などをどーんと捕まえるか、小魚をたくさん捕まえるかして、店主に渡してあげましょう!


●海の家の閉店後について
魚介の採取に手伝ってくれた方々には、店主からイチオシメニューのプレゼントがあります。なんと、自分達が採った魚達をバーベキューとして振舞ってくれます!
人が少なくなった夜の浜辺で、パートナーとともに楽しく美味しい夕食にしましょう!


●その他
・サメに襲われて怪我等はありません。
・魚介採取は具体的な行動を練らなくても大丈夫です。どの選択肢を選ぶかだけで結構です。また、魚がまったく採れずバーベキューなし!ということもありません。
・他の参加者さんは近くには居ますが、具体的な接触はありません。
・バーベキューで食べられる料理は、あなたが採った魚次第です!わくわくしながら待ちましょう!




ゲームマスターより

はじめまして、東雲柚葉です。

海に行きたいです。
海に行って、ホタテとかかき氷とか食べたいです。
ただ、あまり泳ぐのとか得意じゃないのでひたすら浜辺に居ます。海に入ってもくるぶしまでですね。浜辺でバーベキューをひたすら食べてる人です。

海で美味しいものを炭火で焼いて食べたい……!
そんな気持ちを投稿してみました。

バーベキューとか飯テロにしかなりえないと思いますので、
ご覧になるお時間にお気をつけて!


リザルトノベル

◆アクション・プラン

クロス(オルクス)

  ☆心情
「ふむ、モリで魚を取るのか…
一度やってみたかったんだよなぁ
マジかオルク!
よし!大量にゲットしてやる!」

☆モリ

☆水着
青基調桜柄

「ふむふむ、成程…
獲物に向かって発射するだけ、か…
確かに簡単だが、実際やってみると難しんだろうな…
取り敢えず実践あるのみ!
早速行ってくる!
ってあっ忘れてた」

☆BBQ
「だろ!
俺頑張った!
しっかし途中タコを見付けたから捕ろうとすると絡み付いて来たのには驚いたわ…
オルクが助けてくれなかったらどうなってた事か…(汗
おっこの魚美味い
オルクの食べてるのも美味そう
一口頂戴?
あー…んっ!美味い!
良いぞ、あーん…
やっぱこう言うの格別だ♪
それ良いな!
ブラッドクロイツの訓練に入れよう!」


ガートルード・フレイム(レオン・フラガラッハ)
  最近レオンの様子が少し変だ
死んだ母親の夢を見て以来…

(ビキニ美女に喜ぶ様子に)普段の彼だ、良かった(嫉妬せず安堵)

頼まれ事されたからそっち優先な
釣りするなら服着てた方がいいし(視線をそらす)

●釣り
1を選択(フィッシング1使用)
これで良かったのか
モリならお前の狩りの技が生かせたかもしれないのに

なあレオン、いつもありがとな
私はお前に護られてばかりだ…
私にできる事があれば何でも言ってくれ
少しでも役に立ちたい

(突き落とされ)
っ…何だよ真剣なのに
こいつ(足引っ張って彼も落とした)

(やはり変だ)
一人でしょい込むなよ
…お前の事が好きだよ

別に、私の服が透けていても嬉しくないだろ

●BBQ
うまい(眼を輝かせ食う)



紫月 彩夢(紫月 咲姫)
 
無駄に鍛えたフィッシングスキルを目一杯活かすわよ
どんなお魚が釣れるのか、楽しみ

海に落ちないように注意しなきゃね
まぁ、泳げないわけじゃないけど、魚が逃げちゃったら…
(勢い良く落ちた精霊を真顔で見つめて)
…咲姫、あんた実は、結構どんくさいでしょ…
手は貸すけど、あたしの力じゃ引っ張り上げられないんだから、自力でも頑張ってよね

って、ちょ(引っ張られてどぼん)
…わざとか
あたしたちの目的は釣りでしょ。何やってんのよ、もう…
仕方ないから、今度プール付き合ってあげるわよ

お魚が釣れたら、店主さんに報告
ちょっとタイムロスがあったから、釣果は自信ないけど
お店の足しになれば何より
バーベキュー、楽しみにしていいかしら


アンジェローゼ(エー)
  1 釣り

私ね釣り初めて!釣れるかな?
釣竿を手にワクワクしながらエーに声を掛け
準備を手伝うも途中手が触れたりして照れて…誤魔化す
大きな魚も小さい魚も釣れるといいな
海が綺麗ね、海水浴に行きたいとかイルカと泳ぎたいとか…そんなお話ししながら一緒に過ごせるのが嬉しいわ
釣り方教わりながら甘える作戦
どっちが多く釣れるか競争ね
キス?(赤面
私が勝ったら私にしてね?

ハプニング時
強いひきに耐え切れず海に落ちる
泳ぎは不得手でエーに助けを求め怖かった、と彼にくっつく
…濡れ透けになっていると気がつくのはその後
盛大に赤面しタオルで身を包む

夕食
釣り楽しかった!
海産物に舌鼓をうち満面の笑み
これも美味しいよ、とエーに魚を分ける




エヴァ・シュッツェ(ラルス・ツェペリン)
  1.釣り(神人精霊共に)
自分では全く釣れないという悲劇。
服装は白ワンピース。だから危ういのに滑って落ちたらそれこそ悲劇。
ラルスが大漁なので共に店主さんへ。

バーベキュー
「ラルスは釣り、上手ですね…誰かに習ったんですか?」
「へぇ…羨ましい…」
集中力…?(首傾げ)

「あれ? 不可抗力、じゃ駄目ですか」
鬼、いちゃん、と悪態つく。
「…美味しいです」お料理もぐもぐ。
「…今日は楽しかったです…ありがとう」
義理でも兄妹だから、これから少しずつでも仲良くなっていけたら素敵だな。
そんな機会をくれた義兄に感謝したい。
その意味も全てひっくるめてありがとうって伝えたくて。



☆エヴァ ラルス ペア

~二人で釣り~

 テトラポットが積み上げられ、足場がいいとは言えないが魚が多く生息していそうな釣り場だ。
 釣竿に餌を取り付けて、ラルス・ツェペリンが竿をしならせる。
 すると、数分も経たない内に竿が引き上げられ――カワハギが釣れた。
「……すごい。私も釣ってみたいです」
「釣り方はわかるのか?」
「きっと、いえ、恐らく出来ます」
 溜息をついて、ラルスが釣り道具を差し出す。
「えいっ」
 軽い助走をつけて、エヴァ・シュッツェが釣竿をしならせる。ラルスの一挙一動を見ていたのだろう、動きはほぼ完璧だ。
 しかし、ラルスが続々と魚を釣り上げるが、エヴァは竿を引き上げようとしない。どうやら、波の感覚と魚の引きの感覚の判別がついていないらしい。
 仕方がない、と言った様子でラルスが立ち上がった瞬間、

「きゃっ!」

 エヴァの身体がテトラポットの上でぐらりと揺れる。咄嗟にラルスが腕を伸ばし、辛うじてエヴァの腕を掴んだ。
「……危ないだろうが、マヌケ」
 足元から怪我の有無を確かめていたラルスの視線が、エヴァの胸辺りで一度止まり、あさっての方向に向けられた。
 怪訝そうにするエヴァが、自分の胸元を見やると、
「~~っ!?」
 白ワンピースの胸元が濡れて、下着が顕になっていた。
「み、見ましたか……?」
 尋ねるエヴァに、真っ赤になったラルスが、
「……見ていない」
 胸元を隠すエヴァと、顔を紅潮させたラルスの間に、微妙な空気が流れる。
 静寂に耐え切れず、エヴァがぼそりと、
「……服、乾かしたいです」


~ご褒美バーベキュー~

「いやぁ! 助かったぜ! お陰で大盛況でよ!」
快活といった調子の店主が、呵呵大笑して感謝を述べる。
「遠慮せずに釣った魚以外も食ってくれ! 遠慮すんなよ!」
 そう言いながら、店主はラルスが釣った魚を手際よくカットし、――鉄網に落とした。ジュウッと食欲を刺激する音とともにいい匂いが鼻をくすぐり、エヴァのお腹がぐぅ、と鳴った。
 かあっと赤くなったエヴァに、ラルスが呆れたような目線を向ける。
「し、しょうがないじゃないですか! お腹は空くものです」
「フン、確かに釣りは意外に体力を使うからな」
「釣り……」
 エヴァが、釣り場での出来事を思い出して、かあっとさらに赤くなった。それに反応して一瞬胸元に行きかけた視線を、ラルスが無理やり引きはがす。
「ら、ラルスは釣り、上手ですね……誰かに習ったんですか?」
 いまだに心臓が高鳴っていたラルスは、間をおいて落ち着きを取り戻す。そして、落ち着きを取り戻したラルスは普段の調子で、
「特に誰にも。自己流だ」
「へぇ……羨ましい……」
「……一匹も釣れんのはお前がぼんやりしているからだマヌケ。お前は集中力が足りなさすぎる」
「集中力……?」
 ぽわんとしたエヴァを一瞥して、ラルスが続ける。
「滑り落ちそうになったり……なんだあれは? 非力なのは知っているが」
「不可抗力、じゃ駄目ですか」
「何故そこで訊く? 知らん」
「いじわるですね。鬼、いちゃん」
「やかましい」
「それにしても」
「……なんだ?」
「……美味しいです」
 店主が置いて行ったカワハギの煮つけを頬いっぱいに詰め込みながら、エヴァが幸せそうに咀嚼を繰り返し、ラルスも焼きあがったイカ焼きを口にした。
「……今日は楽しかったです」
 義理でも兄妹だから、これから少しずつでも仲良くなっていけたら素敵だな、とエヴァは思う。そして、仲良くなっていけるような機会をくれた義兄に感謝したい。
 エヴァは胸中に渦巻く感情を言葉にしようと模索したが、結局伝え切る術が思いつかなかったので、一つの言葉を伝えることにした。

「……ありがとう」

 屈託のない笑顔で伝えられた感謝の言葉に、ラルスはしばし硬直。
 ややあって、そっぽを向いたラルスは、

「…いや、どうということはない」

 とそっけなさそうに、返答をした。



☆彩夢 咲姫 ペア
~二人で釣り~

「彩夢ちゃん、ねぇってば!」
「……なによ、もー」
 緩やかな波の音が耳を打つ海岸で、紫月彩夢と紫月咲姫は釣りに興じていた。
 ただ、彩夢がすでに何匹か魚を釣っているのにも関わらず、咲姫は一匹も釣れないでいた。
 魚が釣れないだけではなく、彩夢まで釣れない態度をとるので、拗ねた咲姫が、バケツに溜めてあった海水を少し手ですくって彩夢にかけはじめる。
「冷たいっ!?」
「あら残念。もう少し上にかけて、濡れ透けを楽しもうと思ったのに」
 彩夢はお腹に服が張り付いているのを確認。かけられっぱなしでは何か負けた気がした彩夢は咲姫ににじり寄る。
咲姫はいたずらっぽい笑顔のまま、距離を置こうとテトラポットの上を移動しようとして、

――海に転落した。

 盛大な音と水しぶきをあげて、咲姫が海に落っこちる。
「……えっと、大丈夫?」
 どう対応していいかわからなくなってしまった彩夢が、とりあえずといった調子で咲姫に声をかけた。
「ちょっと自力で上がるのはきつそっ、う」
 波によってところどころしか口を開けないでいる自分の兄を真顔で見つめ、
「まったく……、咲姫あんた実は結構どんくさいでしょ……」
 仕方がないので、一番海に近いテトラポットの上に乗って咲姫に手を伸ばす。
「手は貸すけど、あたしの力じゃ引っ張りあげられないんだから、自力で頑張ってよね」
「ありがとう、彩夢ちゃん」
「はいはい、ほら引っ張るわよ、せーの、って、ちょ」
 どぼん! ともう一度盛大な水しぶきが上がり、テトラポットを盛大に濡らした。咲姫が彩夢の手を引っ張って、海に引きずり落としたのだ。
「……わざとか」
 呆れたような顔で溜息をつく彩夢とは対照的に、咲姫が楽しそうに笑う。
「二人でずぶ濡れ、お揃いね」
「あたし達の目的は釣りでしょ。何やってんのよ、もう……」
「ふふ、ごめんね、海に来たんだから、ちょっとは泳ぎたいじゃない」
「だからって、わざわざ海に落とさなくても」
「だって、せっかくのかわいい水着、なかなか見せてくれないんだもの」
「はぁ、仕方がないわね……、今度プールに付き合ってあげるわよ」
「ありがと。プールも楽しみよ」


~ご褒美バーベキュー~

「いやぁ! 助かったぜ! 遠慮せずに、釣った魚以外も食ってくれ!」
 そう言いながら、店主は彩夢が釣ったカサゴを手際よくカットし、――鉄網に落とした。ジュウッと食欲を刺激する音とともに、いい匂いが鼻をくすぐる。
「ずぶ濡れで帰ってきたのには驚いたぜ」
 店主は手に持ったダッチオーブンの蓋を豪快に開ける。
「これでも飲んであったまってくれや。カサゴのアラ汁だぜ」
 カサゴの香りと味噌の香りが一気に辺りに広がり、二人の視線を釘づけにする。店主が手馴れた手つきでアラ汁をよそい、二人に手渡した。
 ごくり、と彩夢がアラ汁を一口すする。喉を通って胃に暖かい汁が流れていき、じんわりと身体の内側から熱が侵食していくかのように広がった。
「アウトドアなお料理ってそれだけでも美味しいわよね」
 焼き色が適度についたイカ焼きをひっくり返して、咲姫が空を見上げる。夜の帳が下りた空には、満天の星が降り注ぐかのように空を覆いつくしていた。
「綺麗ね」
「本当だ。でも、今はこっちを楽しみたいわ」
「そうね、私もそろそろたくさん食べようかしら」
 美味しそうに自分で釣った魚を頬張る彩夢を見て、咲姫がクスリと笑う。
「今日は一日、楽しかったわね」
「うん、楽しかった。海に引きずり落とされた時はびっくりしたけどね」
「ふふ、ごめんなさい」
 アラ汁を一口すすって、一息つく。
 今日一日のことが思い起こされ、自然と笑みがこぼれた。
「ねぇ、彩夢ちゃん。――お疲れ様」
 満天の星空の下で、美しい微笑を浮かべる咲姫。
 兄の労いの言葉に彩夢もまた、笑顔で答える。

「うん、お疲れ様、咲姫」

 二人はアラ汁をすすって、「ほぅ」と静かに吐息を漏らした。



☆クロス オルクス ペア
~二人でモリ~

「ふむ、モリで魚をとるのか……一度やってみたかったんだよなぁ」
 クロスがモリをまじまじと見つめる。そんなクロスに、オルクスが柔らかい微笑みを浮かべながら、
「オレは小さい頃何度かやった事あるぜ。何、クーなら直ぐに出来るさ。オレが教えてやるよ」
「マジかオルク! よし! 大量にゲットしてやる!」
 オルクスの言葉に目を輝かせ、クロスは羽織っていたパーカーを脱ぎ捨てて海に飛び込んだ。青を基本とした桜柄の水着が、オルクスの視線を釘付けにする。
 ややあって、オルクスもクロスを追って海へと飛び込んだ。
「いいかクー、モリは最初こそ難しいが慣れれば簡単だ。獲物を見付けたら、狙いを定めて……」
「一気に発射!」
 突き出されたモリが魚目掛けて一直線に突き進み、容易く貫いた。オルクスはモリの先端部分に突き刺さった魚をクロスに見せながら、
「ただこれだけだ。なっ? 簡単だろ?」
「ふむふむ、成程……。獲物に向かって発射するだけ、か。確かに簡単だが、実際やってみると難しんだろうな……」
 ゆっくりと腰を落として、水中の魚を狙う。
「取り敢えず実践あるのみ! 早速行ってくる!」
「――の前に準備体操してからな」
「って、あっ! 忘れてたっ!」


~ご褒美バーベキュー~
「お陰で助かったぜ! 遠慮せずに食ってくれ!」
 店主はクロスが採ったタコを手際よくカットし、――鉄網に落とした。ジュウッと食欲を刺激する音が奏でられる。
「結構突いたよなー! 初めてにしちゃスゲーよ!」
「だろ! 俺頑張った!」
「しっかし、途中タコを見付けたから捕ろうとすると絡み付いて来たのには驚いたわ。オルクが助けてくれなかったらどうなってた事か……」
「オレもあの時ばかりは肝を冷やしたぜ。無事で良かったがな……」

 準備体操をしたクロスが、さっそくモリで魚を採ろうとした時だった。
「きゃあっ!?」
 普段聞かないようなクロスの発した声に、オルクスがクロスの元へと駆け寄る。
 するとそこには、身体をタコに巻きつかれたクロスの姿があった。
 肢体に触手が絡みつき、ずるずると一定の間隔で蠢いている。胸元の谷間部分に二本の触手が入り込み、水着の中で蠢いているのが見て取れる。
 触手が蠢くたびに、クロスの嬌声のような悲鳴が漏れるのもいかがわしい香りがする。
 正直なところ鼻血を堪えつつ見とれてしまっていたオルクスだったが、少しして我に返り、タコを引き剥がした。

 脳に焼きついた映像が再生され、オルクスは再び鼻をつまんで鼻血を堪える。
(アレはヤバイ、やばすぎたっ!エロ過ぎだろアレは!あんのタコめうらy……っとつい本音が……)
「おっ、このタコ美味い」
 深呼吸をして我を保つオルクスとは対照的に、クロスは美味しそうに焼きあがったタコを食べ続ける。
「ん、オルクの食べてるのも美味そう。一口頂戴?」
 クロスの言葉に我に返ったオルクスは、自分の皿に乗せてある魚をつまんでクロスに差し出した。オルクスが食べていた魚は、最初にオルクスが採った魚――シマアジだ。
「おー、良いぞー、ほれあーん……」
「あー…んっ!」
「美味いだろ」
「美味い!」
「クーが食べてんのもくれ」
「良いぞ、あーん……」
オルクスは、クロスから差し出された大きめのタコ足をがぶっと食べた。
「あー……ん、美味ぇ!」
 二人は焼きあがった魚とタコ、アサリの酒蒸しをパクパクと食べる。
「やっぱこういうのは、格別だ♪」
 クロスが楽しげに笑い、つられてオルクスも相好を崩す。
「やっぱ自分で捕るのは格別だなぁ。軍訓練にも取り入れてみるか」
「それ良いな! ブラッドクロイツの訓練に入れよう!」
 談笑しながらのバーベキューは、夜を更かしていく。オルクスが新しく魚を貰おうかと悩んでいると、店主が発泡酒を片手に魚を運んできた。
「お二人さん、どうだい一杯」
 ふたりは顔を見合わせてニヤリと笑い、酒蒸しをひとつ口に放り込み――、
 プシュッという音をさせて、発泡酒を開けた。



☆アンジェローゼ エー ペア
~二人で釣り~

「私ね、釣り初めて! 釣れるかな?」
「ロゼ様は釣り初めてでしたね。大丈夫、ちゃんと釣れます」
 エーがアンジェローゼの後ろから釣竿を持ち、丁寧に指導する。
 後ろから抱きしめられているかのような体勢と手を重ねながら釣竿を持っている状況に、胸の高鳴りが止まらない。
「大きな魚も小さい魚も釣れるといいな。それに、海水浴に行きたいし、イルカとも泳いでみたい……かなぁ」
「ふふ、ロゼ様はやりたいことがたくさんお有りですね。どこへでもお供いたしますよ」
「うんっ!」
 顔を赤くして、アンジェローゼがわたわたと釣り糸を海へと垂らす。
 アンジェローゼの照れた顔も美しく、眩しい笑顔に見惚れてしまう。エーは、心の底からアンジェローゼと共に在るこの瞬間に感謝し、「大好きです、ロゼ様」と胸中でつぶやく。
「ど、どっちが多く釣れるか競争ね」
 エーがアンジェローゼの背後から離れ、隣で釣り糸を垂らす。少し残念な気分だけれど、エーがずっとくっついていてはドキドキでどうにかなってしまいそうなので少しだけ安心した気分になった。
 しかし、
「競争なら受けて立ちます。しかし、……僕が勝ったら頰にキスしてほしい」
「き、キス?」
 まだわずかに赤かったアンジェローゼの顔が耳までかぁっと赤く染まる。
 自分だけ――エーも同じくらいドキドキしているのだが――こんなにもドキドキしているのがなんだか悔しくて反撃をする。
「いいわ。その代わり、……私が勝ったら私にしてね?」
 そうして始まった釣り競争。アンジェローゼが少しの焦燥感を募らせつつ当たりを待っていると、地球を釣り上げたのではないかと誤認するほどの負荷が釣竿を襲った。
 必死に抵抗するもむなしく、
「ロゼ様!」
 小さな悲鳴と共に海へと引き摺り込まれた。
「大丈夫ですか?! お怪我は?!」
「怖かった……怖かったよ……」
 咽び泣くアンジェローゼの背を優しくさすりながら、エーが歯噛みする。
「僕がついていながら、申し訳ありません……っ!」
「ううん、助けに来てくれて、嬉しかった……」
 落ち着いたアンジェローゼから少しはなれて、もう一度怪我の有無を確認する。
 そして、再認識した。アンジェローゼが、全身ずぶ濡れだということに。
 エーの顔が真っ赤に染まる。普段では考えられないほどに取り乱したエーは、大慌てで目を逸らし、携帯していたタオルをアンジェローゼに手渡した。
 目を逸らされ、いきなりタオルを渡されたアンジェローゼは何事かと小首をかしげる。
 そうして、自分の身体に視線を落とし――、
 アンジェローゼが真っ赤に染まるのと、タオルで身体を隠すのはほぼ同時だった。


~ご褒美バーベキュー~

「いやぁ、本当に助かったぜ! ありがとな! 遠慮せずに食っててくれや!」
 呵呵大笑しながら店主は礼を述べ、二人の邪魔をしないよう店へと去っていった。
「釣り楽しかった! それに、すっごく美味しい!」
 向日葵のような満面の笑みを咲かせ、アンジェローゼがアジの刺身を口へ運ぶ。
「はい、もう一度足を運びたいものです」
 憎憎しい思いと同時に、アンジェローゼのあられもない姿がフラッシュバックして、悶々とした気分が支配する。
「うん、来ようね。あっ、これも美味しいよ」
 彼女がよろこんでくれてよかった。と、そう心の底から思った。
「これも美味しいですよ」
 互いに笑い合ってお腹が少しずつ膨れてきたところで、エーが今までとは違った声色でアンジェローゼの名を呼んだ。
「ロゼ様。先程のキスの件ですが」
 その一言で、ドキリとアンジェローゼの心拍数が跳ね上がった。
「僕が不甲斐ないばかりにロゼ様に怖い思いをさせてしまいました」
 苦渋の思いを表情に募らせて、苦々しく歯噛みするエー。
「……ですので、僕からさせていただきます」
 肩に手をかけられ、エーがアンジェローゼの目線に合わせるようにして少しかがんだ。
 エーの顔が、少しずつ近づいてくる。
 
そうして、アンジェローゼはゆっくりと目を閉じた。



☆ガートルード レオン ペア

 最近、レオンの様子が変だ。
死んだ母の夢を見て以来……。

「わービキニ美女いっぱーい!」

「…………」
 心配したのも束の間、いつもの調子のレオン・フラガラッハに少しだけ安堵する。
「なぁなぁ、ガーティーもその服の下水着なんだろ? 今年は見せてくれるよな?!」
「頼まれ事されたからそっち優先な」
「え~~」
 わかりやすく抗議の声を上げるレオン。むくれるレオンをひとつ一瞥し、ガートルード・フレイムは目を逸らしてぼそりと呟いた。
「……釣りするなら服着てた方がいいし」
「なんだよそれ!」


「店主から釣竿を借りたが、これで良かったのか? モリならお前の狩りの技が生かせたかもしれないのに」
「獣と魚は違うって。それに、釣り好きなんだろ?」
 レオンの言葉に、こくりとガートルードが首肯する。
「狩りはまた今度付き合えよ」
 二人は店主から受け取った釣竿を手にして、慣れた手つきで海へと振るう。しかし、しばらくしてガートルードが、はたと手を止めた。
 レオンが怪訝に思って視線を移すと、
「なあレオン、いつもありがとな」
「ん?何だ改まって」
 言葉選ぶようにして、ガートルードがぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。
「私はお前に護られてばかりだ……」
 遠く水平線を眺めながら、ガートルードが言う。どうやら、今まで二人で体験してきたことが頭の中で再生されている最中のようだ。
 レオンは何も言わずにガートルードの言葉を聞いていた――、
「私にできる事があれば何でも言ってくれ。少しでも役に立ちたい」
「…………」
 が、耐え切れなくなったのか、レオンはガートルードを海へと突き落とした。
「な、なにをっ!」
 突き落とされ、水面からレオンを見やるガートルード。
「お前、真面目すぎ。役に立つとか立たないとかで護ってんじゃねーし。余計な気使うな」
 突き放すようなレオンの言葉に、ガートルードは少し言葉を詰まらせた。
「っ…何だよ真剣なのに……、こいつっ!」
「おぁっ!?」
 ガートルードが、レオンの足を力いっぱい引っ張って海へと引き摺り込んだ。
「やりやがったな!」
「お前が悪いんだろう!」
お互いにずぶ濡れになりながら、それでもなお水を掛け合う。
しばらく不毛な争いをした後、不意にレオンがガートルードを抱きしめた。
 突然の抱擁に目を丸くしながらも、やはり変だとガートルードが訝しげにレオンを見る。そして、なるべく強く抱きしめながら、
「一人でしょい込むなよ」

「……お前の事が好きだよ」

 と囁いた。
 お互いに離れることをせずに、抱擁を交わし続ける。
 少しの間そうやって身を寄せ合っていると、レオンが身体を離し、
「……ん。悪いな。心配してくれてありがとな」
 優しい微笑を向けて、ガートルードの頭をくしゃりと撫でた。


「……いやぁ、それにしても」
 二人は濡れた服を乾かしながら、釣り糸を垂らす。
「服の下の水着が透けるのもいいな、と」
「別に、私の服が透けていても嬉しくないだろ」
「何でそこ卑屈なんだよ! 嬉しいって!」


~ご褒美バーベキュー~

「いやぁ助かったぜ! お陰で大盛況でよ! 遠慮せずに、釣った魚以外もじゃんじゃん食ってくれ!」
 そう言いながら、店主は二人が釣ったカワハギやイシモチなどを手際よくカットして鉄網に落とした。ジュウッと食欲を刺激する音とともに、いい匂いが鼻をくすぐる。
「採れたて最高!」
「うまい」
目を輝かせながら食べるガートルードに聞こえないようにして、店主がレオンに耳打ちをする。
「どうだ? 悩み事の解決の糸口になったかい?」
「……なんでわかった?」
「どうでもいいさ、ともあれ、二人でしっかり悩みな!」
 言いたいことはいい終わった、といった調子で店主が店へと去る。
 残されたレオンとガートルードは、ふと気がつくと互いに歩み寄っていた。
 どんな困難が待ち受けていて、どんな過去があろうとも、自分達が今ここで生きていることには変わりはない。
過去をすぐに割り切ることなんて出来ないけれど、後ろばかり見ていても前には進めない。
 だから、とレオンがぎこちなく、しかし嬉しそうに微笑んだ。ガートルードもそれにつられて相好を崩して、前を見る。
 
そして、二人は満天の星空が見守る中、強く固く抱きしめあった。



依頼結果:成功
MVP
名前:ガートルード・フレイム
呼び名:お前、ガーティー
  名前:レオン・フラガラッハ
呼び名:お前、レオン

 

メモリアルピンナップ


( イラストレーター: 大吟醸  )


エピソード情報

マスター 東雲柚葉
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 07月04日
出発日 07月09日 00:00
予定納品日 07月19日

参加者

会議室

  • [14]紫月 彩夢

    2015/07/08-21:53 

    さくっと、プランを書いて、仮提出したところでなんと早い。
    ごめんなさい、ありがとう。
    ちょっととりあえず自分が今まで参加したもの全部見つめ返してくるわ…

    今度は、お久しぶり、か…もっと早くこないだぶり、ぐらいでお会いできることを期待してるわ。

  • レオン:
    おお、全然気にすんな♪(・ー・)ノ 魚は是非ご自身達で食べてくれ(笑)
    俺も誰と会ってなくて、誰と会ってたか忘れることよくあるしよ。
    「あれ?この人と会ったことあったっけ?」となったら、相手の依頼履歴覗くと思い出せるぜ多分。
    「この人とは一度会っただけだよね?」と思って履歴見たら四回も会ってたとか、あるある←

    イカもタコも美味いよな―。バーベキューでイカ焼くの大好き!!
    それぞれいい休日になるといいな。

  • [12]紫月 彩夢

    2015/07/08-21:33 

    (真顔になった)
    ご、ごめんなさい…まさかお仕事で一緒してる人を把握してないなんて…しかも二度も…
    報告書で見る事の方が多いから、うん、きっとそっちのパターンね、とばかり…
    釣ったお魚をガートルードさん達に献上させて頂く事で何卒ご容赦を…(床にぺたん

    あ、えっと、うちは実の兄妹だから、苗字じゃごっちゃになると思うし、名前で呼んで貰うの、歓迎よ。
    一括りに紫月って呼んで貰ったら、大体あたしが返事するし。

    釣りとモリで迷い中…タコとかイカ、好きなのよね…

  • [11]クロス

    2015/07/08-21:24 

  • [10]クロス

    2015/07/08-21:08 

    クロス:
    紫月さん達、レオン達は久しぶり!
    アンジェローゼ達とシュッツェ達は初めましてだな(微笑)

    俺達はモリを使おうかと思ってんだ
    一度はやってみたかったし、ゲットした時は雄叫びあげてみたくて…!!

  • [9]エヴァ・シュッツェ

    2015/07/08-17:02 

  • [8]アンジェローゼ

    2015/07/08-08:04 

    アンジェローゼと精霊のエーです。遅くなってしまいましたが、初めましての方もお久しぶりの方もよろしくお願い致します!
    釣りははじめてなので色々わからないけど、とっても楽しみ!
    楽しい時間をすごしましょうね

  • [7]エヴァ・シュッツェ

    2015/07/08-07:48 

    エヴァ:
    あの、どうぞ宜しくお願いします…!

    ラルス:
    紫月さん>
    二人とも紫月さん、なんだね。
    アバ…エヴァ共々、それぞれ名前で呼んでも良いかな?

  • レオン:
    (ずこっ←滑った)
    彩夢ちゃんたち、俺ら「手負いの獣」と「古代の森で救助活動」であってるぜ。
    忘れもしねぇさ、俺の方は。美人二人入ってきた?!と思ったら片方は精霊だったんだもん…。(遠い目)
    アンジェローゼちゃんたち、エヴァちゃん達とは始めてかな。クロスちゃんたちは久しぶり。よろしくな。

    俺らもノンビリ釣りしてるかもだ。ちょいとゆっくりしたい気分でな。
    釣りって人多いかもしれねぇな。

  • [4]紫月 彩夢

    2015/07/07-23:31 

    紫月彩夢と、姉の咲姫よ。
    クロスさん達以外は、初めまして…よ、ね?
    どうぞ宜しくね。

    釣りって、あんまりする機会がないから楽しみ。
    モリとか網とかも気になるけど…どうしようかな。
    店主さんにも喜んでもらえるよう張り切るわ。
    バーベキューも勿論期待しつつ。

  • [3]クロス

    2015/07/07-20:47 

  • [2]エヴァ・シュッツェ

    2015/07/07-20:07 

    あの、こんばんは。エヴァ・シュッツェといいます。
    初めまして、です。

    こちらは鬼いちゃ、……兄のラルス・ツェペリン。
    んー……こちら側は釣り、ですね。
    なにが釣れるのか、今から楽しみです。


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