


●かわいそうなグレムリン
ショコランドの小さなシュークリーム工場では、今、危険な状況になっていた。
このシュークリーム工場でもチョコレートシュークリームを作っていたので、デミ・グレムリンに襲われたのだ。
だが、デミ・グレムリン襲来も大変だが、もっと大変なことがある。
「工員は全員避難し、工場の入り口という入り口を封鎖して今は防いでいるのですが」
「それって、まだ工場の中にはデミ・グレムリンがいるということですね!」
A.R.O.A.職員の確認に、工場長の小人は深刻な顔をして首を横に振った。
「確かに中にデミ・グレムリンを閉じ込めてしまいましたが、封鎖はもっと危ないことになったからなのです。デミ・グレムリンのいたずらか、瘴気か、原因不明ですが機械が暴走しましてね。ずっとデミ・グレムリンの悲鳴が聞こえてきてます」
その声も次第に弱まってきているという……相手はデミ・グレムリンなのだがちょっと哀れだ。
「ウィンクルムの皆様でデミ・グレムリンを退治して、機械の暴走を止めてください……!」
暴走中の機械は、たくさんのチューブでホワイトチョコレートをシュークリームの中に注入する機械だそうだ。
シュークリームの皮を突き破り、チューブを挿入し、温かく溶けたチョコレートを流し込む……という仕組み。形状は、イソギンチャクか逆さまの蛸のような感じだそうだ。
それが暴走して、チューブが暴れまわり、チョコレートを注ぎまくっているという。
機械の無数のチューブを掻い潜り、本体の足付近にあるリセットボタンを押せば、暴走は止まるだろうと思われる。
「いや、魔法かなにかで遠距離から破壊すれば、止まるとは、思うんですけどね……」
でもまだ減価償却中なので、出来れば壊さないで欲しいと工場長は訴えた。


●成功条件:デミ・グレムリンを退治し、機械を止める
普通:デミを逃がして、機械を止める。
成功:デミを退治して、機械を止める。
大成功:デミを退治して、機械を壊さずに止める。
●デミ・グレムリン 4匹
機械に悪戯するのが大好きなグレムリンがデミ化しています。
おそらく悪戯で機械を暴走させたのですが、自分で止め方が分かっていません。
チョコレートまみれでかなり疲弊しているので、逃亡にさえ気をつければ、あっという間に倒せるでしょう。
●工場
チョコレート注入機1台だけのシンプルなシュークリーム工場。
その他の什器は全て、窓やドアのバリケードに使われました。
ウィンクルムはドアのバリケードを解いて中に入ることになります。
床にこぼれたチョコレートは滑るので注意。
長方形の工場内ではグレムリンが、チョコまみれでヘロヘロです。
四隅はチューブが届きませんが、魔法や弓、銃は機械に届きます。
●機械:チョコレート注入機 1台
長いチューブを差し込んで、中のホワイトチョコレートを注ぎ込みます。
リセットスイッチがある本体は工場の中央から動きません。
チューブは金属製で、切れません。
耐久性は高く、デミ・オーガレベルのしぶとさです。
チューブで皮膚は突き破れませんが、衣服(パンツとか)は突き破ります。
暴走中のため、チューブのうねりが激しく、無傷で本体に近づくのは無理でしょう。
お世話になっております。あき缶でございます。
どんな状況でも、触手になりそうな案件は見逃さないぜ。
温かくてどろっとしたホワイトにまみれる(触手)依頼だよ!
チューブで皮膚は突き破れませんが、衣服(パンツとか)は突き破ります。
衣服(パ ン ツ と か)は突き破ります。大事なことなので二度書きました。
スイッチは足部分にあるので、かがむか伏せる必要があります。
つまり、どういうことかというと……尻が危ない(サムズアップ)
そういえば、座薬の基材ってホワイトチョコレートとほぼ同じだそうです。
……なるほど。


◆アクション・プラン
叶(桐華)
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少しでも滑らない靴を準備 布とか撒いといた方が確実かな? 一先ず可哀想なグレムリンには早く楽になって貰おうって事で 僕は逃げ道になる入口の扉を守る役 チューブに絡まれるのもやだし、誰も護ってない状態にならない限りは逃げ回っては戻ってを繰り返すよ 僕以外に絡まれそうな危ない子が居たら教えてあげたいな グレムリン退治後は、基本的には四隅のどっかで避難しつつ、 チューブの動きをちょっとでも把握したい ぜ、前衛が危なかったら僕も頑張って挑むよ…! 痛そうだけど、チューブ掴むのもチャレンジ フォローぐらいは出来たらいいな あ、桐華さんの心配はしてないよ 何のために回避率あげてると思ってー(ふわっ) 終わったら、シャワー希望します |
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機械が暴走しているのか… ちゃっちゃか止めちまうかな 事前準備として滑り止め付きの靴を履いていくかな とりあえず俺は前衛だ グレムリンが逃げないように扉を守るぜ チューブの攻撃に気をつけながら交代で守るぜ 後衛から見えない位置にグレムリンが居たら報告はするぜ 叩ける位置にグレムリンが居れば攻撃をする グレムリンが機械を攻撃しようとしたら 可能な限り庇うなり仲間に知らせるなりする んでグレムリンを退治したら 本腰いれて機械を止めにかかるぜ! チューブの猛攻をかいくぐりつつスイッチを目指す お尻にいれられようが関係ないぜ! 多少強引にいかねぇと止められねぇからな! スイッチを見つけたら押すぜ 「これで終わりだ!!!ぽちっとな」 |
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この状況に何を思うかは様々なようだが グレムリンを片付けてしまえばこれが好機だったと言えるだろう 好機にしよう チューブ同士が絡まるように身をかわし、指示も聞きながらグレムリン探し うねりを利用し束にすることで視界を開けないか試みる あの頃とは違う、か。そうか、そうだな ではそっちは任せたぞ、リン 例えチューブの中でも間からジェンマを振ってキラキラ敵の居所を知らせる 守りは任せ攻撃の機を作るよう立ち回り、届けば自分も攻撃に加勢 滑りやすい床は滑り止め付きの靴で対策 もしくは敵を巻き込み足止め 撃破後は協力して機体のリセットを目指し 阻まれた場合も杖をボタンに伸ばして試みる …瘴気に侵されていてもチョコは甘いんだろうか |
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■精霊と共通 大成功狙い 用意:タオル・着替え 装備:滑り止め付靴 ■ 隅(手前に空きがなければ回避しつつ奥へ)で グレムリンのみ対象に呪符攻撃 チューブの動きをよく見てドア守り組に伝える 退治後、チューブを回避しつつ機械を止めにいく ■ 最近の機械はハイテクねー(棒) 高い機械を壊したくないっていうのは分かるけど 衛生的に大丈夫なのかしら? グレムリンを巻いたチューブで チョコ注入したシュークリームって何かやーよ? グレムリン…可哀想な気もするけど退治させてもらうわよ ぎゃああッ?!お婿にいけなくなるーッ!? (自分の口元に付いたチョコをぺろっと舐めて) 美味しいけど…普通にシュークリームが食べたいわ…(げっそり) |
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作戦の末「グレムリン退治後、スイッチを止める」 捕まれば現状打破。交代で代わるなり柔軟に ■滑り止め付きの靴を持参。気合入れトランス この先に生き物のように暴れてるチューブが… いや何。ホラーでも触手でもない無機物なんだ。怖いことなんて …!激しすぎだろ!? グレムリンは自業自得だけど…同情するよ 僕は逃げないようドアを守るから、後衛はまかせて ほら…トランス(恥ずかしさに挑むよう) ■皆の健闘を見、役立ちたいと (役にたたないと…!でも…!) 危ない! 手伝うよ、こっのっ(チューブを踏みつけ) (すみません!持つのだけはまだ嫌悪感がっ) うっあ…!ベタベタ…気持ち悪い ?タイガにだって汚されたくないよ(暫くして気づく |
●多分この世で一番可哀想なグレムリンのお話
チョコレート注入機が暴走しているという件の工場の前にやってきたウィンクルムたちは、ガッチリとバリケードを組んだ入り口や窓の隙間から何から物悲しげな啜り泣きと小さな悲鳴が流れ出てくる。
「うわぁ」
おそらく閉じ込められたデミ・グレムリンの声だ。ウィンクルムの今回の討伐対象ではあるものの、こんなに哀れな声を聞くと少し心も痛む。
「グレムリン……可哀想な気もするけど退治させてもらうわよ」
ごめんね、と心のなかで呟くも、スウィンは勿論任務を忘れない。『グレムリン退治後、スイッチを止める』という、最も難易度の高い目標を目指す気持ちは失わない。
「この先に生き物のように暴れてるチューブが……」
精霊たちがドアのバリケードを崩すのを手伝いながら、セラフィム・ロイスは内部を想像し、眉をひそめた。
(いや、相手はホラーでも触手でもない無機物なんだ。怖いことなんて)
と自分を鼓舞し、バリケードを構成している什器を邪魔にならない場所に固めておく。
「グレムリンは弱っている。これは好機だろう。いや、好機にしよう」
ハティは大真面目に仲間たちを鼓舞する。
「そうだね、可哀想なグレムリンは早く楽になって貰おうってことで、始めるよっ!」
ようやく遮るものが無くなったドアノブに叶は手をかけ、一同とアイコンタクトを交わした後、思い切りドアを引き開ける!
「うわぁ……!」
想像以上に過酷な光景が彼らを待っていた。
まるで水の出しすぎで暴れるホースのような勢いで大量のメタルチューブが工場内を乱舞している。
セラフィムは瞠目し、思わず叫ぶ。
「激しすぎだろ!? グレムリンは自業自得だけど……同情するよ」
そのチューブの届かない奥――ウィンクルム達の対角線上にある隅に固まって、白いチョコまみれでブルブル震えているグレムリンは、闖入者に気づいて甲高い悲鳴をあげた。
「さてさて……チューブのせいで中々狙いにくいですね……」
アイン=ストレイフは銃口をグレムリンに向けようとするも、視界をひっきりなしに横切る銀色に銃を下した。
機械を傷つけるわけにはいかないので、予想外の動きをするチューブを避けてグレムリンを撃つのはなかなか難しいのだ。しかも、グレムリンは対角線上にいるので中央の機械本体が射線を遮る。
「位置を変えるしかありませんな……」
だが隅以外、つまりこの工場を四角形と捉えるならば辺の部分にはチューブが届いてしまう。無傷での移動は無理そうだった。
と、アインが躊躇している間に、
「ヤツらもまさかこんな最後になるたあ思わなかっただろーな。死に方を選べるとは思わねえが死んでも死にきれねえわ」
穴という穴にチョコレートを詰められて死ぬなんて、世の中にある面白悲惨な死に様トップテンにはランクインしそうである。ブリンドは敵ながら、かなり哀れなグレムリンを思いやった。
「せめて俺らの手で逝かせてやる」
と、ブリンドは敵をスナイプし易い位置へと駆け出し……。
「ぎゃああっ?!」
ばちこーん☆
暴れるメタルチューブにシャイニングウィザードを食らった。タッパはあるが、それほど重量はないブリンドに、踏ん張るだけの力はなく、床に倒れこむ。
「リン!」
ハティが声を上げるので、ブリンドはさっさと起き上がってがなる。
「うるっせえ! こんぐらいどってことね……って、狙うな狙うな!!」
隙を逃さず、注入機がブリンドの穴めがけて迫っていたので、ブリンドは大急ぎで車盾でチューブをいなす。
「リン!」
キラキラジェンマを振りながら、ハティは再度精霊に声をかけた。
「だから大丈夫だって……お前こそ、あん時とは違……」
「そっちは任せたぞ」
ブリンドのセリフはガン無視で、ハティは任せる宣言。
「えっ……」
違う、そうじゃない。とブリンドは思った。じゃあどうなんだと言われたら、よくわからないが。
とにかく立ち止まっていると再び注入機がやってくる。ブリンドは安全地帯の隅っこに駆け込む。
「わ……結構大変そうだな……。でも、攻撃当てないと終わらないし!」
火山 タイガはブリンドの被害を見て、ちょっと怯んだが、気を取り直してランブリングダイスを握りなおす。
隅への移動を試みているスウィンめがけ、びゅるるるっとチョコレートが噴射された。ハイトランス・ジェミニの恩恵で、普段より回避に優れるスウィンは既のところで直撃を逃れたが、彼の後ろにいたドアを護る神人達の頭上から的を失ったチョコレートが降り注ぐ。
「チューブだけじゃなくって、チョコレートも危ないのねっ。溶けてて、ちょっと熱いわ!」
スウィンが顔にかかったホワイトチョコの飛沫を指で払う。
そのまま口に含むと、文句なしに美味い……。
「美味しいけど……普通にシュークリームが食べたいわ……。そもそも衛生的に大丈夫なのかしら? グレムリンを巻いたチューブでチョコ注入したシュークリームって何かやーよ?
」
げんなりと呟き、スウィンは事が終わったら工場の従業員総出で機械の徹底洗浄を行ってくれることを切に願った。
「わっ、セラ、大丈夫か?!」
「う、うん……ベタベタで気持ち悪いけど……これくらい、どうってことないよ」
不意のチョコレート落下を頭からかぶってしまったセラフィムは顔を手で拭い、心配するタイガに気丈に笑む。
だが、タイガの心のなかは乱れていた。
(うわわ! パイ投げで一度見たクリームまみれのセラがまた! レアなセラ、滾る……って、それをしたいのは俺で……って何考えてるんだ俺、戦闘中だっての! 邪念多すぎだろ!)
ぶんぶんぶんぶん、千切れそうなほど首を横に振り回すタイガを、逆にセラが心配そうに覗きこむ。
「タ、タイガ?」
「えっ、いや、なんでもない。くそー、こらぁあ! 機械め!」
照れ隠しにタイガは、意志のない機械に向かってプンスカ怒ってみせた。
そんなタイガの奇行をセラフィムはキョトンと眺めている。
「じゃ、桐華、心配してないけど転んだときはドンマイ。最悪パンツだけは守ってあげるから!」
トンと叶に背中を押され、桐華はチューブの渦巻く内側へと進む。
「転ぶ前提で話進めるな……。ほら、こっちだ!」
と言いながらも、素直にテンペストダンサー特有のステップを踏んで、華麗にチューブの猛攻を紙一重で避けて行く。
「みんな、桐華が道作るから、今のうちに!」
叶が仲間に移動を促す。
「それではありがたく」
アインがブリンドとは違う方の隅へと走る。
「加勢する」
ハティが桐華の舞に加わった。ジェンマの燐光を振りまきながら、チューブ同士を絡めて束にし、手数を減らそうと試みる。
絡まるついでに自分も絡みの中に入り込んでしまったが、ハティは不平一つもらさず、ジェンマを振っている。キラキラキラキラ、綺麗。
「加勢してんじゃねえー! あん時と今じゃ違うんだからよー……って、あっという間に絡んでんじゃねえよ!!」
ブリンドが顎を落とす。
いつもながら無鉄砲で肝が冷える。
「ぐ、う、大丈夫だ。意外と痛くはない……」
チューブの渦に巻き込まれながら、ハティは平然と答える。
「ちっ、言っても聞きゃしねえ!」
なので、ハティを止めたければさっさと任務を遂行するのが最善手なのだ。
移動したことでクリアになったターゲットに銃を構える。
ブリンドの対角線上には、アインが同じように杏寿・逗子王を両手に構えていた。
期せずして、十字に斉射。
ぎゃあぎゃあと悲鳴をあげ、グレムリンはさほどの抵抗も見せず、攻撃を唯々諾々と受けている。
「機械ごと吹っ飛ばせれば楽だったんだがな」
扉を護る必要はないと判断したイルドが巨勢入道でグレムリンを貫く。
「うっ……無抵抗ってのも調子狂うけど……ごめんなっ!」
狼のオーラを纏った鈍器をタイガは思いっきり振り下ろした。
●そんなまさか本当にパンツは破りませんよ、全年齢対象ですもの
自分の攻撃の手番が来る前に、グレムリン戦が終わってしまった。スウィンは構えていた呪符を残念そうに仕舞い、そして、溜め息を吐く。
「あぁー。それじゃあハイテク高級機械を止めますか……」
「よっし、本腰入れるぜ。ちゃっちゃか止めちまうかな!」
高原 晃司はニヤと笑って腕をまくると機械の本体めがけて駈け出した。
「晃司、右から二本」
「っとぉ」
アインの冷静な指示に、ぴょんと飛びのき、
「後ろから一本」
次の指示にトンボを切る。
「っち、避けてばっかじゃ一進一退、近づけやしねえ」
イライラと晃司は迫り来るチューブを潜りながら舌を打った。
鬼ごっこは得意な叶は、チューブとの追いかけっこをしていたが、
「うわわっ」
過度に滑り止めを意識しすぎたか、グリップが効きすぎた靴のせいでつんのめった。
「わ、わ、ぁっ」
だが怪我の功名だろうか、一本のチューブが倒れそうな叶の下を縫うように迫り、奇しくも叶はチューブを抱きしめるように一本捕まえた。
「ひゃっ、なんか、これ、おもしろい、けどっ……舌噛みそっう」
ブンブンと大の大人乗せて暴れるチューブの上で、ロデオのようにしがみつく叶は、だんだん楽しくなってきたらしい。
暴れるチューブの先端から撒き散らされるチョコレートに全身を浸しながらも、笑顔でチューブを『どうどう』と宥めている。
「チョコまみれで楽しそうにしやがってこの野郎」
呆れたように神人の様子を横目で見る桐華。叶の白濁にまみれた格好がなんとも淫靡だと思うが、当然口にも顔にも出さない。
もちろん、桐華のステップは華麗なまま、チューブの銀竜とダンスを踊っているかのよう。
「よーし、俺も!」
タイガもチューブをよーく見据えて、偶然同じ軌道を描いた二本のチューブにまとめて飛びつく。
「こっちは任せろ! 抑えてる隙に頼んだぞ! っわ、あばれんなって!」
タイガの勇姿に、セラフィムはほぅと嘆息する。
「すごい……。僕も役に立たないと……」
おろおろとあちこちに視線をやり、
「あぶない! こっの!」
ハティの背後を地を這い狙うチューブを見つけ、ぐいっと踏みつけた。
持つのは嫌悪を感じるのだ。……チョコレートをシュークリームに注入する食品加工業用機械なのだが……。
だが、セラフィムの片足で止められるほどチューブはやわではなかった。
「ひゃっ」
足をすくわれ、たまらずセラフィムは尻もちをつく。
「わ、わ……」
よくもやったな、と鎌首をもたげるチューブがセラフィムに迫り――。
「む、ぐぐっ」
口に注入機を押し込んで、あふれんばかりのホワイトチョコレートを注入した。
「セラー!! セラを汚していいのは俺だけなんだからな!」
タイガは神人の危機に気づくなり自分が抱きついていたチューブから跳躍、セラフィムを襲う注入機を引き剥がす。
「げほっげほっ、タイガにだって汚されたくないよ……」
口元を手で拭い、咳き込んで涙目のセラフィムは弱々しく反論する。
「うおっ……」
タイガが離したチューブが、ずっと押さえつけられていた反動で大きく動き、ブリンドの顔すれすれをかすめる。盾でそれをたたき落としたブリンドは思わず呟いた。
「いきなりは流石にビビるな……」
「リン、出来たぞ」
動揺を落ち着かせていると、すたすたとチョコレートまみれのハティが寄ってきて、ブリンドの前方を指さす。
「は? 何が? なっ!?」
ブリンドは驚愕に目を見開いた。
指差す先には、団子のようなオブジェと化しているチューブが鎮座している。ここまで絡むともう動けないのだろう、わずかに突き出した注入口からホワイトチョコレートを垂れ流すしか出来ない。
「会心の出来だ」
「これ逆に工場のオッサンに怒られねぇか?」
「なぜだ? 壊してはいない」
「…………」
ハティはとても得意げで晴れやかな顔をしていた。ブリンドはもう何も言うまいと、顔を手で覆った。
「ちっ、思ったより強ぇ。おっさん、気をつけろ!」
横っ面に手ひどいビンタを食らわせようとしたチューブとギリギリと押しあうイルドは、機械のリセットスイッチを狙うスウィンに叫ぶ。
「わ、わかってるわ、よっ。ひゃっ」
返事をしたのが集中力の切れ目だったらしく、ぎゅるんとスウィンはチューブに巻きつかれて自由を奪われた。
「くそ! ふざけんな! 離せ!」
イルドが叫ぶ。チューブとの力比べをやめて駆けつけるには遠い。
「ぎゃああッ?! お婿にいけなくなるーッ!?」
スウィンがいやいやと頭を振って悲鳴を上げる。
まるでとぐろを巻く蛇のように、注入機はスウィンを巻くと、彼の服の襟元から口を突っ込んだ。
びゅるる……とおっさんの胸板にチョコレート注入開始。
「へっ? いやああっ、なんか熱いしドロドロするぅううっ。きーもーちーわーるーいぃい」
スウィンの下半身は大丈夫だったが、上半身がひどいことになった。当然命に別条はない。
「帰って風呂だな……」
泣くスウィンに、イルドは帰ったらすぐに風呂を沸かしてやろうと思った。
だが、多くの精霊の自己犠牲により、自由なチューブはもうあと数本だ。
これなら誰にでも避けることが出来るだろう。
「っしゃぁ、行くぜ! 多少強引にいかねぇと止められねぇからな!」
猛然と中央めがけ、晃司は駆ける。
「お尻にいれられようが関係ないぜ!!」
ととうとう本体に潜り込んだ晃司、機械を探り回し、ようやく小さなボタンを見つけた。
「あった、これだな!」
と屈みこみ、頭を機械の中に突っ込む晃司の尻は無防備だ。
当然、チューブはそのチャンスを逃さない。晃司の尻めがけて注入機を振り下ろす。
ぶず……?
「……間一髪、ならぬ間一布でしたね」
ぎり、とチューブを掴み上げたのはアインだ。
「? アインー?」
不思議そうな声が晃司から発される。機械の中に頭を突っ込んでいるので、反響して変な声だ。
「いいえ、なんでもありませんよ。晃司、早く押してください」
ズボンには丸い穴が空いているが、知らぬが仏だろう。
「っとと、そうだった。これで終わりだ!!! ぽちっとな」
ぐい、とリセットボタンが押し込まれる。
その途端、先程まで力強く暴れていた全てのチューブは、力を失い、くたりと垂れ下がったのだった。
「わわ……っ」
上に乗っていた叶が降りるタイミングを逃して、床にころんと転がる。
「はぁー、結構面白かったね。でも、シャワー浴びたいね……」
叶は笑い疲れたようにため息を吐き、頬についた乾きかけて固まりかけたホワイトチョコレートを爪でコリコリと剥がした。
「っし。これで大丈夫だな。万事大成功だ!」
と得意げな晃司に、アインはそっと上着を脱ぐと、腰に巻いてやった。
「? どうした?」
「いえ、帰ったらすぐに服を洗濯に出してくださいね」
ズボンをこっそり繕ってやらねば。とアインは内心こっそり考える。
「タ、タイガ……さっきの汚すってもしかして……」
セラフィムは先ほどのタイガの怒りのドサクサに紛れた発言の意図にようやく気づいて、真っ赤な顔でタイガに近寄ると、ボソボソと尋ねた。
タイガも負けず劣らず真っ赤な顔で視線をセラフィムからそらし、必死に否定する。
「そ、そーゆー意味じゃなくて……っ」
甘い香りを漂わせ、ウィンクルムたちは、普段よりもずいぶん疲労を覚えながら、戦果報告に向かうのだった。
「やっぱ、アレ工場長に怒られるわ、ハティ」
「!? なぜだ?」
| 名前:高原 晃司 呼び名:晃司 |
名前:アイン=ストレイフ 呼び名:アイン |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | あき缶 |
| エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | 戦闘 |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | 簡単 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
| 報酬 | 通常 |
| リリース日 | 02月03日 |
| 出発日 | 02月11日 00:00 |
| 予定納品日 | 02月21日 |

2015/02/10-22:59
返信おそくなった。叶はありがとう
色々考えたけど・・・近づくのに躊躇期間もあるし(怖い)そのまま扉付近で守って
グレムリン退治後はチューブ対処に加わろうとおもう(ピンチを見て、タイガに触発され)
「捕まれば現状打破。交代も視野に、柔軟に」と書いてみた
あ。タイガは開けたらすぐウルフファングで叩きにいくよ
仲間の指示をきく、とも書いたから遠慮なくとばしてくれ
2015/02/10-21:51
了解だ。攻撃寄りというか、俺は攻撃に繋げる方向で、リンは攻撃メインでプランを送信してきた。
グレムリンを視認できなければ遠距離攻撃自体難しいと思ったので、そちらの対策主体で書いてる。必要ない状況なら普通に攻撃に加勢していると思う。
瘴気に侵されているのは機体だよな。排出されるチョコは食えるんだろうか…
2015/02/10-16:01
遠距離組はそのまま後ろに居りゃ安全だろうし、そのまま指示出しでもいいな。くらいの気持ちだし、
前に出てきてくれる分には的が増え……違う、サポートし合えてありがたいと思う。
叶が言ってんのもざっくりとした流れのイメージってだけだし、
俺に押し付けて避難する気満々の叶も必要なら指示でもなんでも出すだろうから、
遠距離で最初に隅に配置してたからってそこに居なきゃいけないってわけでもないとは思ってるぞ。
と、これも、念のため。
グレムリンさえ排除すれば後は気力と体力と精神力の問題な気がしてるから、割と自由に動きゃいいんじゃねえかね。
やりたいこと試したい事あるなら俺も叶もフォローサポートは幾らでも。
叶:僕隅っこで指示……
幾らでもするから。
2015/02/10-13:57
ブリンド:
掻い潜っての移動になるかもしれねえし、遠距離攻撃持ちの誰かが四隅(範囲外)のどっかに立てりゃあいいくらいの考えだった。んだなー、ドア番も入れ替わりって認識のが良さげ。
捕まったら状況打破優先って感じで。
スキルは俺もスナイピングにすっかなぁ。狙えねえ時は通常攻撃。
指示出し了解だが、俺もグレムリン戦以降は機械止めるやつの支援に回りたい気持ち。
似たようなヤツを相手にしたことがあったが確認して実況とかうん……(フェードアウト)
2015/02/10-01:31
っととすまんすまん!
んじゃあちゃっちゃとグレムリンをぶったおさねぇとなー
俺も近接になるから扉を死守するぜー
アインは四隅のどっかでスナイピングしてグレムリンを狙う
チューブは金属製ですっげー痛そうだがそこはある程度腹をくくるっきゃねぇかなー
とりあえず全力ダッシュして機械は無傷でって感じか
あとグレムリンが機械を壊さないように注意しておかねぇとなー
2015/02/10-00:46
あ。念のため念の為。四隅に定員一人ずつとは思ってないけど、
一人ずつぐらいのスペースしかなかったら大変だなーってのと、
どっちにしろ、四隅あるからってチューブかいくぐって四か所に散開するのも大変そうだし、
入口から近い左右二か所ぐらいに人数集まる事になりそうかなー?って思ってるんで、
グレムリン健在の間は僕は扉の近くでちょろちょろ頑張る事にするー。
2015/02/10-00:29
入り口の守り、避けたり戻ったりで交代になりそうっていうの、なるほどと思ったわ。
それなら人数もある程度必要よね。
一つの隅に定員一人なのかしら?足りなそうならおっさん前衛でもいいけど。
あと指示出しだけど、おっさんはグレムリン戦の時はするけど、退治後は機械を止めに行くわ。
2015/02/09-19:30
んーと、バリケードの一か所を破って突入
→遠距離可能な子が四隅に散開しつつグレムリン攻撃
→近距離しかない子はチューブに気を付けながら交代で入口死守
(チューブ避けたり戻ってきたりで交代になるかなっていう感覚)
→遠距離の子はそのまま角で指示出し
→近距離組が本腰入れて機会を止める
ざっくりした感じだとこうなるのかなー。
んで、今んとこ隅に移動するのが確定な感じなのはブリンドとスウィンかな。
アインさんもPGだし、人数次第で移動って感じになるのかな。
セラフィムも、隅は4つあるし、まだ開いてるよ。
とか言ってたらあれ僕の避難する場所がない…ってちょっと真顔になったけど、
人数オーバーしそうだったらは腹括るよ遠距離持ってないし…!
2015/02/08-23:16
おっさん達も滑り止め付きの靴持っていくわね。何か撒くのはいらないかしら。
グレムリン退治、おっさんは四隅の一つで呪符攻撃。
イルドは遠距離攻撃がないからドアの守りかしら?
ドアの守りはそんなに人数多くなくてもよさそうだけど、皆に任せて何もしないってわけにもいかないしね。
チューブを掴む…なるほど。確かにスイッチ狙い以外にチューブ対策をメインにする人がいてもいいわね。
別の見せ場になりそ…ごほん。気をつけてね!イルドもそっちがいいかしら。
2015/02/08-00:27
グレムリン退治後、スイッチを止めるだね。僕らもそれで構わないよ
疲弊してるっていうし、開ければ我先にこちらに来そうな気もするけどね・・・(苦笑)
滑り止め用の靴は了解したよ。持って行くね
四隅に大人数固まるのは厳しいと思うし移動も考えた方がいいかな
僕は銃はもってるけれど・・・
プレストガンナーでもないし攻撃も命中も期待できないから、ドアでも守ろうと思う
『タイガ:グレムリン退治後でいいけどさ、
チューブひっつかんで少しでも稼動範囲へらそうと思ってるぜ。ハンマーはつかわずにさ』
ああ。・・・でもチューブ長いらしいね・・・長い・・・絡まらないように注意いるかな
(PL:見せ場がなくなりそうなら後半の後半にするつもり)
2015/02/07-22:59
そうだな。ブリンドには四隅の一つを頼もうかと思う。
こぼれたチョコレートについては俺も靴を用意出来ればと思うが、追加がいくらでもありそうなので何かを撒くことで対応できるかはちょっとわからないな。
滑りやすい床はグレムリンの足止めにも利用できるだろうか。
俺は現状では近付く必要があるので、巻き込めないか試してみようかと。
暴れるチューブで見通しが悪そうなので、射線が開けるよう動ければと考えている。
2015/02/07-00:07
それじゃ大成功狙いって事で!「グレムリンを退治してから機械を止める」に賛成よ。
滑り対策…滑り止めがついた靴を履いていくとか、何か撒くとか?
グレムリン退治時は、遠距離攻撃持ちはチューブが届かない四方から攻撃すれば安全よね。
入り口は複数あるけど封鎖してるから、逃走経路になりそうなのはおっさん達が入るドアだけ?
ドアの位置が分からないけど、たぶん四隅じゃない=チューブが届く?
遠距離攻撃がない&チューブきても頑張れる人がドアを守ればいいかしら?
グレムリン退治後は、頑張れる人全員でリセットスイッチを押す為に機械に突撃?
2015/02/06-11:40
×グレムリンで収まったら厚くならないだろうけど…(以下お口チャック)
僕も大成功狙いたいと思います。
一先ずはグレムリン退治してから機械を止めるーって考えてるけど、そんな感じでおっけー?
んで、足元は滑るらしいからなんか対策出来たらいいなーとは思ってるよ。
あとはー、逃走経路のドアを塞ぐ子と、四方のどっかから触手…もといチューブの動きを把握してくれる子が居たら動き易そうかな?
僕んとこは回避率の高い桐華さんに全面的にお任せする方向です。
あたらなければどうということはないのだよ!の精神で頑張ってもーらお。
あ、チューブの届くとこに行く子は、お互い背後のカバーはし合った方が、安全かな…!
2015/02/06-10:04
ブリンド:
オーガが活発になってるとか聞いたんだがオーガが弱ってるってどういう事態だよ…
ハティとプレストガンナーのブリンドだ。よろしく。
俺もグレムリンはやっちまいてーなー。うまいこと閉じ込めてくれてるようだし。
逃走経路(ドア)塞ぎつつ射撃かねえ。チューブがあっから一筋縄とは行かないだろーがよ。
衣服を突き破るのは、まあわかった。だがパンツって何だ、何でいきなりパンツに言及してんだ?間に色々あるだろ色々。
金属製って切れねえ丈夫なモンみてーだから、当たるとそれなりに痛そなイメージなんだがどうなんかねえ。
2015/02/06-07:05
・・・注入機が生き物のようになってるのか・・・(震)
あ。どうも。セラフィムとシンクロサモナーのタイガだ。よろしく頼む
僕らも大成功めざしたいな。壊さずにとめるって機械なぐれないし(?)難易度たかそうだけど
2015/02/06-02:12
おっすおっす!高原晃司だ!!よろしくなー
こっちも大成功をねらいてぇ所だなー!
すっげー何か嫌な予感するが頑張っていこうぜ!
2015/02/06-00:25
注入機×グレムリン。薄い本が厚く…ならないわね!スウィンとイルドよ、よろしく~。
メンバーは「ハードブレイカー1、テンペストダンサー1、シンクロサモナー1、プレストガンナー2」ね。
「普通・成功・大成功」、皆がどれを狙うつもりかききたいわ。
おっさんはやっぱり大成功を狙いたいと思ってるけど…?大変そうだけどね!
2015/02/06-00:14

