


●怪しい誘惑
君は、路地裏で一人のフードをかぶった青年に呼び止められた。
「ねえ、若返りたくない? 若返ったところを見たい人はいない?」
と青年が掲げて見せるのは、赤い粉が入った半透明の紙袋。病院で処方される薬のような袋だから、粉は薬だろうか。
「これはコドモニナールDっていうの。無味無臭だよ。これを飲むとね、すぐに子供になる」
「……」
君はあまりの胡散臭さに呆れ果て、変な人に関わってはいけないと、足早に立ち去ろうとするが、青年に素早く前に回りこまれてしまった。
「待って待って待って! 信じないのは分かるけど、まぁ、見てよ。種も仕掛けもないからさ」
青年はそういうなり、赤い粉の封を切ると、口の中に流し込んだ。
数秒後、みるみるうちに青年は縮み、十歳くらいの少年に変わる。
驚いている君に、少年は微笑んだ。
「ねっ。本物だよ。……ああ、大丈夫、効果は半日から一日くらい、かな。人によって効きが違うから」
一包200ジェールでいいよ、と言いながら少年は、今度は青い粉の袋を取り出した。
「もちろん、すぐ元に戻ることもできる。これは、モドールZっていう薬」
と、少年が青い粉を飲み込んだ。
先ほどと同じように、少年が青年に変化し、青の粉も一包200ジェールだと告げる。
「一包で一人分。効き目は人によって違って、十歳くらいから五歳くらいまでの姿に戻れるよ。普通は体だけが戻るんだけど、すっごく効く人は記憶も戻るみたい」
つまり、記憶も体も5~10歳の頃に戻る者もいるということだ。
「ねえ、どう? 副作用はほとんどないし、安心して」
君は少し悩んで、そして財布を取り出した。
その後。
「なんかもぉおお、すみませえええんっ!!」
A.R.O.A.職員に平身低頭謝る妖狐がいた。
妖狐は隣に立つフードの青年の頭をぐいぐい押して、一緒に謝らせながら、
「あんたね、こないだウチのウィンクルム女体化しといて、今回は子供化かよ! なんなの? 妖狐は妙な趣味でもあるの?!」
と呆れ怒る職員に、半泣きでコメツキバッタのように頭を下げる。
「すみません、ほんっとすみません。まさか妖狐の妙薬『遡時散』と『反効散』を小遣い稼ぎに横流ししてる奴が居るなんて思ってもなくて、いやほんと、ウチの監督不行き届きで、ほんと申し訳ないですぅうう」
「……まぁ、体に害はないっていうから、大目に見るけど。今度はトランスできないとか無いだろうな」
とため息を吐く職員に、妖狐は笑顔で答えた。
「大丈夫です、今回は本当に子供になるだけですから。ただ、副作用として、戻ったときに、子供だったときの記憶が消えてしまう人も、たま~~にいるんですけどね……。……あっ」
それを聞いた職員の表情を見て、妖狐は時世の句を詠む覚悟をした。


●内容:こどもになる
●薬について
・赤い薬:コドモニナールD 200jr/包
飲むと、5~10歳の頃に戻ります。効きが強い人は記憶も逆行します。15歳までの子供が飲んでも意味はありません。
無味無臭のため、寝ている間に飲ませたり、飲み物に混ぜてみたりと便利に使えます。
もちろん、自分で飲むのもアリです。
効き目は半日~一日で切れますが、子供になっていたときの記憶が消える人もいます。
・青い薬:モドールZ 200jr/包
飲むと元に戻ります。記憶も元に戻ります。
コドモニナールDを飲んでいない人が飲んでも意味はありません。
まれに子供になっていたときの記憶が消える人もいます。
●プランについて
「誰が薬を飲むのか」「何歳くらいになるのか」「記憶は戻るのか」の3点は必ずご指定ください。
お世話になっております。あき缶でございます。
うすいほんの界隈では、よくある話やね。うん。
ということで、子供化シチュエーションで楽しく遊びましょう。
世話を焼くも良し! 童心に返ってはしゃぐも良し!
それは君の、自由だー!!


◆アクション・プラン
木之下若葉(アクア・グレイ)
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俺が飲んでもアクアが飲んでも面白そうな薬だなーと思って コドモニナールDを購入……したらアクアに普通に怒られたよね 大丈夫だよ、多分。きっと 飲まないならお先に。では、いただきます おや、んー…。大体6歳ぐらいかな? 凄いね、天井が高い 記憶は大丈夫みたい さっきまでと変化無いもの ん?どうしたのアクア。首傾げて ああ、そうだったんだ でもどうしていいか解らないって言うのは何か違うよね 喜々としてシャツを子供服風にリメイクしているものね おお。色々とぴったりだ はい、アクアそこ座って んしょ、っと。はい。良く出来ましたー(なでなで) この身長だと撫でるのも大変、だね そう?可愛くは無いと思うけれど 有難う、なのかな。んん? |
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面白い薬買っちゃった♪ こっそりイルドに…ごめんね☆ (イルドの部屋に遊びに行き珈琲をいれイルドの分に薬を混ぜる) …小っちゃ!か~わいい♪ (抱きしめた後用意していた子供服に着替えてもらう 頭を撫でたり頬をつついたりやりたい放題) 子供って体温高いわよね 何だかおひさまのにおい そう、おっさんが小さくなる薬混ぜたの 一日くらいで効果切れるらしいから安心して 初めて会った時より小さいわよね~ さ、おにーさんといっぱい遊びましょ♪ (イルドが眠そうになり)疲れた?そろそろ寝ましょうか (元に戻った時困らないようイルドの部屋着に着替えさせ 抱っこしてイルドのベッドに行き抱きしめたまま一緒に眠る おでこにキスして) おやすみ |
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お主も悪よのう、と赤薬購入 隙を見てゼクのコーヒーに投入 どうだ僕に見下ろされる気分はー! とはしゃいでたら様子がおかしい 誰って僕だけど……記憶まで逆行しちゃった感じ? ひらめいた なぜか子供の姿になってるけど キミは本当はもう大人なんだよ、この服のサイズがぴったりの。 うん無駄にムキムキしてる プロテインが好物でマッスルポーズよく決めてる、と親切に説明 子供の頃は文様はなかったもんね そうだよ僕がキミの神人だ なんならトランスしてみる? 遠慮しなくていいよ それにもっと恥ずかしいこと僕に毎日強いてるから…… と目を潤ませ……おー、すごい動揺してる ゼクだけど罪悪感。 嘘だよ。未来のキミはちゃんと優しいよ ほら飴ちゃんあげよう |
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【セイリューが薬を飲む。5歳。記憶は保ったまま】 食事前、ラキアのお皿に薬を混ぜた。 ラキアが台所に戻った間に肉と野菜炒めに混ぜまぜ。 炒め物なら混ぜちゃえば判らないし。 水取ってきて、いざ食べ始めたら。 オ、オレの方が縮んでいるだとー! 何かしたとすぐに問い詰めるラキア、オレの事をよく判っているじゃん。 ゴメン、ちょっと一服盛りました(てへぺろ。 戻る薬は買わなかった! だって可愛い「らきあ5ちゃい」を堪能したかったんだもん。1日程で戻るらしいし。 呆れられた。しょんぼり。 「うー。お腹すいたー」 バンザーイして、着替えさせてもらって、椅子にクッション山盛りにしてその上に座って食べる。 あーん。 「おいしー」にこっ。 |
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これ(コドモニナールD)を飲めば、お婆様に甘えられる? 商品名にしては安易なネーミングだが、結局買ってしまったな すぐにでも飲みたいけど、一先ずシャワーを浴びて落ち着こう 和室から泣き声がしたと思ったら、どうも子どもがいるな 珊瑚の奴、鍵を閉め忘れたか? 子供もどうも珊瑚に似てい・・・・・・る? 「やめろ!珊瑚!」 あいつ、薬を飲んだのか!?いや、とにかく今は止めないと! 「坊や!物を投げちゃ・・・・・・痛っ!」 とにかく、タンスを引き出して、子ども服を着せるか 絵本を読み聞かせてみよう。 母さんが買った・・・・・・この本がいいな。 「坊や、おいで。本を読んであげるから」 珊瑚が元に戻ったら、今までの事を説明しようか。 |
●勘違いタイムスリップ
赤い粉が真っ黒な珈琲の中に飛び込んで消えていく。
「ふっふっふ、おぬしもワルよのぉ~。なんちゃってね」
と柊崎 直香は悪い笑みを浮かべたあと、離席しているゼク=ファルが戻ってくるのをそ知らぬ顔で迎えた。
何も知らないゼクは、珈琲カップを何も考えずに口に当てた。
喉が動いて、液体をゼクの中に入れていく。
直香はわくわくとゼクを見つめた。
「なんだ?」
と干したカップを置いて、ゼクが怪訝そうに神人を見やると、視界が揺らいだ。
「うっ!?」
「おっ?」
目を輝かせた直香は身を乗り出し、ゼクが見る見るうちに縮んでいくのを見届ける。
「ん……なんだこれ……苦い……。えっ、白?」
口に残る珈琲の味に顔をゆがめるゼクは、視界を真っ白が覆っていることに慌てた。
大人のゼクにちょうどのサイズだった『もこもこパーカー白うさぎ』は十歳そこらに戻ったゼクにとっては大きすぎた。
ぱたぱたと手を頭にやり、フードからたれさがる大きなうさ耳を触るゼク。
「服? ……み、耳? つ、角は。角は……ある」
フードの上からごつごつした自分のディアボロとしての証を触ってホッとするゼクを、直香は勝ち誇ったように立ち上がって見下ろしていた。
「ふはははー! どうだ僕に見下ろされる気分はー!」
直香は、きっとゼクが悔しがると思ったのだが、ゼクはきょとんと直香を見上げて尋ねた。
「……だれ?」
「え? だ、誰って……僕だけど……」
「しらない」
演技をしているわけではないようだ。そもそもゼクにそんな器用さなどない。
直香は戸惑い、とっさにゼクに背を向けると、独り言を呟く。
「…………えっと、記憶まで逆行しちゃった感じ、なのかな?」
コドモニナールDが効きすぎたようだ。
一瞬困った直香だが、すぐになにやら思いついた(しかも悪いことを)らしく、ニヤアッと笑う。
「ひらめいた」
そして『とってもよい人の笑顔』を浮かべ、直香は幼いゼクに向き直った。
「あのね、ゼクくん」
「なんで俺の名前……?」
眼前の見知らぬ子に困惑しきりのゼクだが、直香は彼の困惑に乗じて畳み掛ける。
「なぜか子供の姿になってるけど、キミは本当はもう大人なんだ。そのうさ耳パーカーがぴったりの」
「えっ」
直香は笑顔で続ける。
「うん、ムダにムキムキしててね、プロテインが好物で、マッスルポーズを良く決めてるんだよ」
「えっ」
話はだいぶ誇張しているが、子供ゼクは真実を知らないのだから問題ない。
だがゼクの顔はなんだか輝いていた。
(俺、マッチョあこがれてたから……よかったな、未来の俺……!)
きっと、大人の自分は大剣やら大斧やらを格好良くぶん回しているに違いない、とうっとり想像するゼク。
……実際はエンドウィザードであり、魔法を唱えているのだが……。
「ほんとにここ、未来なのか?」
きょろきょろと周囲を見回し、ゼクは不審そうである。
「別に俺、かわったところない……あ」
ゼクの手には赤い文様があった。子供に戻っても、この証だけは消えない。ウィンクルムとしての証。
直香が自分の左手を見せる。同じ赤い文様が浮かんでいる。
「これって」
「そうだよ。僕がキミの神人だ。なんならトランスしてみる?」
「トランッ……だって、それ、キ……」
真っ赤になったゼクを見て、直香は内心大いに笑った。
(おーー動揺してる!)
だが直香の表情はあくまで平然を装い、ことさら優しく続けた。
「遠慮しなくていいよ。それに……大人のキミは、もっと恥ずかしい事、僕に毎日強いてるから……」
と恥ずかしそうに目を潤ませてみせる直香。もちろん全部嘘である。
「ええっ。ご、ごめんな、未来の俺、すごく恥ずかしい奴みたいで」
とても申し訳なさそうなゼクを見て、流石にやりすぎたと直香も思う。
(ゼクだけど罪悪感がすごい。ゼクだけど)
ぱりぱりと頭を掻き、直香はしゃがみこむと、真っ赤になってうつむくゼクを覗き込む。
「嘘だよ。……未来のキミはちゃんと優しいよ」
「ほんと?」
「ほんとほんと。ほら、飴ちゃんあげよう。だからそんなしょんぼりしないで」
にっこりと直香が差し出す棒つき飴を受け取りながら、ゼクは心の中でほっとする。
(よかった、ちゃんと可愛い女の子と契約、できてるんだな)
ウィンクルムになれるかもしれないと聞いた日から、ずっとゼクは夢見ていたのだ。
いつか、神人に選ばれた可憐な少女を、白馬に乗って迎えに行き、強大なオーガから大きな武器で神人の少女を守るというのを。
直香が男だということは、子供のゼクには内緒だ。今だけは夢を見せてやろう。だって一日限りの、特別な時間だから。
●入替えミステイク
ふんわか湯気を立てる色よくつやつやと光る野菜炒めの上に赤い粉がかかる。パプリカでも唐辛子でもなく、コドモニナールDである。
パパパッと箸でかき混ぜ赤を野菜の奥に隠し、セイリュー・グラシアは満足げに頷くと、水を取りにその場を離れた。
「セイリュー、用意できたよー」
と呼ぶラキア・ジェイドバインと向かい合って、セイリューが食事を始めるやいなや。
「うっ!?」
ゆがむ視界、低くなっていく視点。そして。
「オ、オレのほうが縮んでいるだとー!?」
驚愕するセイリューに、あっけにとられていたラキアの顔が、にっこりと笑顔に変わる。
「君、何か仕込んでいたのかな?」
ゆっくりと威圧感を覚えさせる口調で問われ、セイリューは子供特有の高い声で逆に尋ねる。
「なんで? 皿変えたの?」
「セイリューがいない間に、セイリューのお皿のほうが量が少ないかと思って、野菜炒めを入れ替えたんだけど」
「う、うぅう~。……ゴメン、一服盛りました☆」
「詳しく説明して」
観念したセイリューは、街角で売られていた不思議な薬の顛末を白状した。
「で、戻る薬は?」
「買わなかった! だって可愛い『らきあ 五ちゃい』を一日堪能したかったんだもん!」
ラキアは大きくため息を吐いた。
「線香花火の幻影だけじゃ、満足できなかったのかい?」
「うぅ~」
しょぼん。椅子の上で、文字通り小さくなっているセイリューがもっと小さくなる。
(う、じわじわかわいいな。おこちゃまセイリュー)
ラキアは表情は呆れた様子を保ちつつも、内心は幼児の神人にほだされてきている。
ちらちら上目遣いで、ラキアが怒っているのかどうかを伺う彼のしぐさがなんともいじらしいのだ。
ぐー。きゅるるる。
「ぷっ」
とうとう吹きだすラキア。
「あはは。お腹鳴らすって」
「だって……おなかすいたー」
たしかに夕飯開始直後だったのだ。互いに腹は空いている。
「はいはい食事続きだね」
だが幼児のセイリューは大人の服をだぶだぶと着ているので、引きずって汚してしまうだろう。しかも椅子から顔しか机の上に出ていないから、そのままご飯は食べられない。
ラキアはかいがいしく一番小さいTシャツをとってきて、
「はいバンザーイ」
椅子から下ろしたセイリューを着替えさせ、椅子にはありったけのクッションを乗せて高さを調整し、抱き上げたセイリューを乗せる。
(このまま好きに食べさせたら、嫌いな食べ物とかよけちゃうかな)
セイリューの精神は二十歳のままなのだが、ラキアはすっかり幼児のお世話モードらしい。
横に座って、皿を取ると、
「はい、あ~ん」
とセイリューの口元に食べ物を持っていく。
「あ~ん」
セイリューもまんざらではないのか、それとも外見に引きずられて子供モードになっているのか、恥ずかしがることなく素直に頬張り、にこっと笑った。
「おいしー!」
(ああ、可愛いっ)
その様子を見て、ラキアは子供の愛らしさに悶えた。
●張切りシッター
木之下若葉がアクア・グレイに話して聞かせた、不思議な薬の話が終わる。
「ということで、俺が飲んでもアクアが飲んでも面白そうな薬だなーと思って買ってきました」
ぽんと机に置かれた赤い粉薬の包みを見て、アクアはわなわな震えた。
「あれ?」
わー面白そうですねワカバさん! とでも言ってくれるだろうかと思っていた若葉が怪訝そうに首を傾げたら、アクアが爆発した。
「あれ? じゃないですよっ。ワカバさん、この前、怪しいモノの飲み食いはひかえるって言ってましたよね」
「んー?」
そんなことも言ったっけ……? とぼんやり若葉が首を傾げていたら、アクアから第二撃。
「ひかえてないじゃないですか!」
「大丈夫だよ。怪しくないから。たぶん。きっと」
「十分あやしいですよ! あやしすぎますよ!」
「大丈夫だって。飲まないならお先に。では、いただきます」
「あーっ!」
アクアが止める間もなく、若葉は淡々と赤い粉を喉に流し込む。
みるみるうちに縮む若葉は、どうやら六歳くらいに戻ったようだ。
「ああ、ワカバさんがどこもかしこも小さく……大丈夫ですか?」
ぱたぱたと駆け寄りアクアは、大人の服に埋もれる若葉に寄り添う。
「んー……すごいね。天井が高い。記憶は大丈夫みたい。さっきまでと変化ないもの」
若葉は平然としたものだ。ものめずらしそうに、低くなった視点を楽しんでいる。
「ああ、どうしましょう……」
アクアはおろおろと部屋をうろつきだした。
「どうしたの、アクア。俺、大丈夫だってば」
うろうろぱたぱたと部屋を回るアクアは歩きながら、部屋の中心で所在無さげに立っている若葉に話し出す。
「いえ、僕、今までウィンクルムの仕事以外で小さな子と接したことが無くて……。
前住んでいた所は、近隣の村からも離れた一軒家でしたし、家人は育ての親しかいなくて……。
どうしていいやら……」
若葉はそれを聞き、納得したように頷く。
「ああ、そうだったんだ。でも、どうしていいやらって言ってるけど、俺にはアクアが嬉々としてシャツを子供服風にリメイクしているようにしか見えないんだけど」
そう。アクアは、どうしましょうどうしましょうと呟きながら、部屋をうろつき、シャツを物色し、そのままぱたぱたと裁縫用具をそろえ、サクサク縫製していたのである。
「んっと。こんな感じでしょうか? ワンピース風にしてみました」
はい、とあっという間に完成したワンピースを笑顔で手渡され、若葉は着替えて感嘆の声をあげる。
「おお、いろいろとぴったりだ。ありがとう」
と若葉は笑顔でアクアの頭に手を伸ばそうとしたが、届かなかったので、
「はい、アクアそこ座って。……んしょんしょ」
とアクアをしゃがみこませ、自分は椅子を引きずってきてよじ登ると、椅子の上に立ってから、
「はい、よくできましたー」
改めてアクアの頭を撫でた。子供の身長だと、アクアの頭を撫でるのは大変だ。
「ああ、もう! 悔しいけれどワカバさん、可愛いですっっ」
アクアは感極まったように、子供若葉を抱きしめた。
「そう? 可愛くはないと思うけれど……ありがとう、なのかな? んん??」
ぎゅううと抱きしめられながら、若葉は不思議そうに首をかしげた。
●間違いストラグル
「安易なネーミングだな。コドモニナールDなんて……」
と思いつつも、
「…………買ってしまった……」
机の上に置いた包みと水と、瑪瑙 瑠璃はにらめっこする。
子供に戻って祖母に思い切り甘えたいという欲望がふつりと浮かんでしまったのだからしょうがない。
「今すぐ飲むか……いや」
瑠璃は自分を落ち着かせようと、シャワーを浴びに立ち上がった。
入れ違いに部屋に入ってきたのは瑪瑙 珊瑚である。なんだか足取りはふらふらしている。
「やべぇ……熱っぽい」
額に手を当て、珊瑚は唸る。どうもぼーっとして、頭痛も微かにするようだ。
「風邪引いたか……? ん? これ薬か? 瑠璃ー、飲むぞー」
何の薬かも分からない包みを、返答も待たずに珊瑚は勝手に飲み干してしまった。
「はぁ……落ち着けなかった」
しばらくしてタオルで頭を拭いながら、瑠璃が風呂場から出てくる。
気がはやって冷水シャワーどころではどうにもならなかった。
「さて、早速……??」
と薬を置いた部屋に戻ろうとした瑠璃は、部屋から子供の泣き声が聞こえることに気づいた。
「珊瑚の奴、鍵を閉め忘れたのか?」
その考えもなかなか無理があるが、常識的な思考の瑠璃が考えうる原因がそれくらいしかなかったのだ。
「おい」
と障子をあけ、泣き喚いている子供を視認した瑠璃は、その子がどうにも珊瑚に似ていることに気づく。
そして、机の上――あの赤い薬が無い!
「珊瑚! 薬飲んだのか!?」
だが、泣きじゃくる子供は、瑠璃を見るなりパニックを起こした。
「アンマァー!!」
びぃーっと泣き喚き、そこらのものを手当たり次第に投げる。とはいえ、六歳前後の子供が満足に投げられるものは限られていて、ショルダーバッグなど重いものは、瑠璃に届かず畳に落ちた。
「坊や、物を投げちゃだめだ! やめ……うていちき!」
瑠璃は、ちび珊瑚に駆け寄り、落ち着かせようと抱き上げた。
珊瑚の故郷のなまりで、落ち着けと言い聞かせると、慣れた言葉にようやく珊瑚も黙る。
「はぁ。やっぱり珊瑚か……記憶も戻ってるっぽいな。しかしきっかない子だ。なしてあんなに泣いた?」
ようやく静かになった珊瑚を見て、ため息を吐く瑠璃は、たんすを漁って子供服を探し始めた。
子供服の傍にしまわれていた絵本を見つけ、瑠璃は頬をほころばせる。
「懐かしい。母さんが買ってくれたやつだ」
服を着替えた珊瑚に、瑠璃は絵本を掲げながら声をかけた。
「坊や、めんそーり」
●寝起きサプライズ
「イルドー。おはよー!」
勝手知ったる精霊の家、隣に住まうスウィンが勝手に入ってきて朝食の用意をするのはいつものことだ。
(それにしても今日は特にハイテンションだな)
と、寝ぼけ眼のイルドはベッドの脇で、ニコニコしているスウィンを見やり、ぼーっと思った。
「はい、モーニングコーヒー☆」
「お。めずらしいな、おっさんが寝室まで珈琲もってくるなんて」
「たまにはねっ」
と言いながらも、スウィンは内心イルドに謝っていた。
今、嬉しそうにイルドが口に運んでいる珈琲には、コドモニナールDが混入されているのだ……。
「ごっそさん……うっ!?」
布団にカップが落ちるが、飲み干していたので染みにはならない。スウィンは素早くカップを回収すると、縮んでいくイルドをワクワク見守る。
「…………な、なんだこりゃ!? なんで小さく……うわ!?」
「かーわいいっ!!」
まだ互いを知らない頃の幼いイルドの愛らしさに、思わずスウィンはイルドに抱きついた。
「はなせっ。おっさんがあわててねーとこ見ると、おっさんのせいか?!」
「あら、記憶はあるのね。そうよーおっさんが小さくなる薬を混ぜたの。でも一日くらいで効果が切れるらしいから、安心してね~」
さんざん暴れたが、大人の腕の力には勝てない。イルドはスウィンの腕の中で赤くなったまま静かになった。
「ったく、何やってんだ……。っていうか、あのな、体は小さくなっても、中身は大人の俺で……」
「きゃー、体温高いわねー。やっぱ子供ねー。なんだかおひさまのにおいもするわー!」
スウィンはイルドの頬をぷにぷにつついたり、さらさら柔らかな髪を撫でたりと忙しい。
「聞けー!!」
むがーっと再び暴れるも、やはり勝てないイルドであった。
「さ、おにーさんといっぱい遊びましょ♪ なにしましょうか。鬼ごっこ? かくれんぼ? おままごと?」
「……おっさん……体は小さくなったけど、ぶっちゃけ、いい大人同士だからな?」
だが暴走するスウィンは、子供イルドと一日中『子供の遊び』で遊び倒した。
最後に家に戻り、ソファに座ってスウィンが絵本を読み聞かせていると、イルドはとうとう舟を漕ぐ。
「……あら、おねむかしら。疲れたのね。そろそろ寝ましょうか」
このままイルドが眠ったら、今度目覚めた時は大人に戻っているだろう。
抱き上げるとすっかりイルドは眠ってしまったらしい。
「あらあら」
スウィンは大人用の寝巻きを着せ、ベッドに一緒にもぐった。
「おやすみ」
寝入ってしまっているイルドは知らない。
スウィンが彼の額にキスしたことも。
翌朝、スウィンと同衾しているという驚きが彼を待っていることも。
| 名前:柊崎 直香 呼び名:直香 |
名前:ゼク=ファル 呼び名:ゼク |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | あき缶 |
| エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | コメディ |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | とても簡単 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
| 報酬 | なし |
| リリース日 | 09月23日 |
| 出発日 | 09月30日 00:00 |
| 予定納品日 | 10月10日 |

2014/09/29-22:20
挨拶が遅れました、瑪瑙瑠璃です。
若葉さん、子供になった時の状況の問い合わせ、ありがとうございました。
この説明からすると、やはり服は用意した方がいいですね。
出発まであと少しになりましたが、よろしくお願いします。
2014/09/29-22:12
2014/09/29-21:30
木之下さん、服の情報ありがとう。
手直ししてプラン提出だ!
みんな楽しいひと時が過ごせますように!
2014/09/28-23:52
若葉は情報ありがとね!プラン修正するわ~
2014/09/28-23:34
連投申し訳ないよ。
ちょっと個人的に気になった事があったから質問をした内容が返って来たから参考までにと思って。
-----以下、送信・受信本文そのまま-----
【質問】
子供化した際に服は、
・大人の時のまま(つまりぶかぶか状態)
・それとも服、下着込みで体型に合わせて小さくなる
どちらで考えた方が宜しいのでしょうか?
それとも個人差があり、どちらの場合もあると考えた方が宜しいのでしょうか。
もし、決まっているようでしたらご回答願えれば幸いです。
【回答】
ご質問にお答えいたします。
このクスリは人体のみを縮めるため、服には影響を与えません。
(ふしぎなメルモ と同じです!)
よって、回答は、
>子供化した際に服は大人の時のまま(つまりぶかぶか状態)
でございます。
というわけで、裸になっちゃうシチュエーションが嫌な人は事前に子供服か彼シャツをご用意ください。
-----以上-----
……だ、そうだよ。
この情報は煮るなり焼くなり好きにして頂ければ、だね。
2014/09/28-20:16
(……。ん。コレジャナイ。
本当に、コレジャナイのは解ってるんだけれど使いたかったんだ)
2014/09/28-20:13
2014/09/27-01:07
2014/09/27-00:23
2014/09/26-00:18

