たまにはラーメン食わねぇか?(木乃 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

タブロスには隠れた穴場スポットが数多く存在する。

それはパワースポットだったり、観光スポットだったりと様々であり
『紅翠園』というラーメン屋も穴場スポットである。

特に、紅翠園でのイチオシは『紅翠ラーメン』である。
その名の通り、鮮やかな紅色のエビと翡翠色のチンゲン菜が乗った色鮮やかなラーメンで、
魚介ベースで黄金色に澄み切った塩味のスープ。
厚切りに切られて脂身の乗った豚チャーシュー。
ツヤツヤと輝く姿を見せる燻製卵に、シャキシャキとした歯ごたえがアクセントのメンマ。
そして添えられた細切りの白長ネギが香り立ち、食欲を最大限にそそる。

店は意外にもA.R.O.A.本部のすぐ近くにあるが、ビジネス街の少し路地に入った所にあるため
日中でも数席空いていることもあるが、リピーター客も多いので店内には2~3人が常にいる状態。

『タブグル!』に掲載されているのを発見した神人達は、
意外にも近くにあったことに驚きつつも『ちょっと足を運んでみようかな?』と思い
精霊にも声をかけて行ってみることにした。

ある者は腹ごしらえにお昼時に、ある者は訓練を終えて夕飯時に。
住所の近くまで行ってみると、ラーメン特有の食欲をそそる匂いが漂ってくる。
匂いを頼りに店を見つけ、暖簾を押し店内に入るとシワの深い頑固そうなオヤジとふっくらした体型の女性。
そして垢抜けない少女がこちらを見て一言。

「いらっしゃいませ、お席にご案内しますね!」

通された席でウィンクルム達は壁に貼られたメニューを見ながら注文を考える。
今日のお昼はどれにしようかな?

解説

○目的
ラーメンを食べに行こう

○紅翠園について
営業時間は11:00~22:00
※上記時間内に来店したことになる

運営は家族3人でやっている。
調理は父、注文は娘、注文と会計は母が行い、上手に経営。

店内はカウンターテーブル6席、2人席1台、4人席3台と手狭だが
ウィンクルム5組が入っても他のお客は入れる。

○メニュー(烏龍茶はセルフサービス)
麺類(塩/醤油/塩とんこつから選べる)
・ラーメン 100Jr
・ワンタンメン 120Jr
・チャーシューメン 150Jr
・紅翠ラーメン 200Jr

セット(麺類に加算、単品は不可。ご飯系はお茶碗一杯分程度)
・餃子5個セット 50Jr
・ネギチャー丼セット 70Jr
・卵かけご飯セット 30Jr

トッピング(麺類に加算)
・メンマ、ワカメ、コーン、燻製卵 10Jr
・チンゲン菜、細切りネギ、大判ノリ 30Jr
・エビ、チャーシュー、 50Jr

デザート
・杏仁豆腐 70Jr

▼オーダー方法
プラン内に
『注文:ワンタン塩とん+エビとネギ、餃子セット』など、箇条書きで構いません。

○注意事項
・個室や敷居はないので過度のいちゃらぶ行為は周囲からの視線がダイレクトアタックです、
節度を守ってパートナーとの食事を楽しみましょう。

ゲームマスターより

ご無沙汰様です、木乃です。

タイトルの通りラーメンをウィンクルムで食べに行くエピソードです。
男同士の食事風景は和気あいあいとしてていいですね、
食事時はリラックスした雰囲気になるので
ラーメンで舌鼓を打ちながら、パートナーとの会話を楽しんでください!

それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

高原 晃司(アイン=ストレイフ)

  ラーメン!!!うっまいよな!
仕事の後のラーメンとか最高だ!
折角食べれるんだから目一杯楽しみてぇよな

「おっちゃん!俺醤油チャーシュー!もしできれば麺硬、味濃い目で!」
大盛りとかできるんかな?できるんだったらしてみてぇな

あとはトッピングでチャーシューと燻製卵で

出てきたら早速いただきますをして食べ始めるぜ!
「ひゃー!アイン!やっときたな!もう俺お腹ぺっこぺこだ」
チャーシューにかぶりつきそして麺をそそる
そしてスープを飲む!これが黄金の三角食べって奴だ!
ネギとかニンニクって無料なのかな?
もし無料であればニンニクましましで入れてくいてぇな

「はぁ…ラーメンやっぱ最高だぜ…」
次の依頼も頑張れそうだ



羽瀬川 千代(ラセルタ=ブラドッツ)
  注文:紅翠ラーメンと卵かけご飯、餃子、杏仁豆腐

ここの店、買い物帰りに見つけてね。入ってみたかったんだ
孤児院の皆は出掛けているし
二人だけならたまには外食も良いかなって

注文を終えたら烏龍茶を二人分注いで渡す
今日も一日お疲れさまでした、乾杯とコップを掲げて

そんなに意外そうな顔をしなくても
年寄り扱いはされど実際はまだ若者だよ、これ位食べられます
熱いラーメンと格闘しつつ世間話でもしようかな
もうじき夏本番だね。どこか行きたい場所はある?
俺は毎年、市民プールと夏祭りは行ってるよ。引率としてだけれど
……誰かと二人で遊びに行くって、今まで無かった事だから
ラセルタさんと一緒に出掛けられるのを楽しみにしているよ



シルヴァ・アルネヴ(マギウス・マグス)
  目的
美味しいラーメンを堪能したい!

行動
「紅翠ラーメン、紅翠ラーメン。あ、あれかー」
席についている人が食べているラーメンを、ちょっと伸び上がったりして観察
なるべく、奥の方へ詰めて座る。混みそうな場合は相席もOK
時間帯指定特に無し

シンプルに
「紅翠ラーメン一丁お願いします」

そわそわと待ちながら、他の人が頼んで食べているラーメンに興味津々で
きょろきょろ観察しまくり
「……うわっ!あれも美味そうだなぁ」

ラーメンを持ってきてくれた女性がやたらとキラキラして見えて
思わず満面の笑顔になってしまう。
「ありがとう!さっそく頂きまーす」
両手ぱちーん。箸使いは二人とも上手

一口食べたその瞬間、シルヴァに電流走る――!


アレクサンドル・リシャール(クレメンス・ヴァイス)
  今日は依頼の報告帰り

ラーメンは初めて
箸は使った事ないのでフォークを借りてパスタ感覚で食べる
麺を啜れないのである意味上品

ワンタン塩+燻製卵+卵かけご飯

このパスタ?麺か。美味しいな
卵、味ついてるんだな
乗ってるラビオリっぽいの何?なんかとろとろしてて美味しいな。クレミー、はいお裾分け(ワンタンを分ける)
卵ライス食感面白いー。美味しいー。
(終始笑顔で賑やかに食事)

そうだ、クレミー最近ため息多いだろう?
俺、流石に気になってさ
護ってくれるからじゃなく、本当に好きだし……って何だよ
放送倫理に触れるような発言してないと思うけど

え、俺のせい?
それどうしようもないじゃん

えと……うん、ありがと
なんか照れるな



逢坂 貴雅(ネスレル)
  精霊であるネスレルに内緒でラーメンを食べに行きます。

ラーメンと言わず、料理は食べるのも作るのも好きなので食べながら味の秘訣を探ろうかと思います。
何事も美味しく食べられるのが大事ですよね?

「紅翠ラーメン、餃子、ネギチャー丼セット、デザートに杏仁豆腐お願いします・・・・・・あ、ラーメン大盛りって出来ますか?」


また、ないとは思いますが、変な騒動が起きたらその人たちに注意しますよ


「なんていうか、食事をしているときは幸せじゃないといけないんだ・・・こういうトコで食べる食事は特にね」


◆タブグル!を頼りに
意外な場所ほど、名店はよくある。
立地の良い場所は飲食店チェーンが先に出店していることが多いからかもしれない。
あるいは、ひっそりと食事を楽しめる場所を作りたいからかもしれない。
タブグル!の見つけた、隠れたラーメン屋・紅翠園。
雑誌に掲載された隠れた名店を知ったウィンクルム達もまた、その味を堪能しにやってくるのであった。

◆味覚の衝動
シルヴァ・アルネヴとマギウス・マグスはカウンター席に通された。
混み合っていた時間だったので手前には人が多く、そのまま奥側のカウンター席に着く。
周囲からはラーメンや餃子の食欲をそそる匂いが立ち込めており、
カウンター内からも頑固親父がこだわりの逸品を手がけ、出来たての料理を仕上げていく。
「紅翠ラーメンは……あ、あれか」
シルヴァは雑誌でもイチオシだった名物の紅翠ラーメンの実物を見ようと先客の器を眺める。

「はしたないですよ、他人の皿を覗き込むなんて」
マギウスはシルヴァが先客の食事を観察している姿を見つけ、やんわりとたしなめる。
静かに食事をしている人も多く頑固親父がチラリと横目で見たことに気づいたからだ。
持っていた烏龍茶の入ったコップをカウンターの上に並べていく
「どうぞ」
「ありがとなー、マギ大好きだぞ」
「……さっさと手を拭いて下さい」
シルヴァの無邪気な一言にマギウスは照れたような呆れたような目を向け、
通された際に用意された冷たいおしぼりで手を拭くように促す。

「ご注文はお決まりですか?」
そこへそばかす混じりの顔にニッコリと笑みを浮かべた少女がやって来る、手にはペンと伝票。
「うーん、どうしよっかなぁ」
「僕は醤油ラーメンにメンマ、ネギ、ノリ、チャーシューをトッピング。卵かけご飯セットでお願いします」
首をかしげて唸り声を上げるシルヴァをよそにマグスは自分の注文を出していく。
「はいっ、そちらのお客様はまだお考え中でしたか?」
「こっちは紅翠ラーメンのネギチャーセットで。あと餃子2人前と、食後に杏仁豆腐も二つお願いします」
決めかねていたシルヴァの代わりにマギウスがシルヴァの注文も伝えていく。

「かしこまりました!少々お待ちくださいね」
少女はえへへと笑顔を浮かべるとパタパタと早足で注文を頑固親父に伝えていく。
「うわぁ!あっちも美味しそうだなぁ」
「……少しは落ち着いて待ちなさい」
相変わらずキョロキョロと周囲を見渡すシルヴァにマギウスはもう一度ため息を吐く。
***
「お待たせしました、紅翠ネギチャー丼セットと醤油ラーメントッピング盛り卵かけご飯セットです」
十数分後、満面の笑みを浮かべた少女がお盆一杯に料理を載せてやってきた。
カウンターに並ぶ餃子やラーメンから食への欲求を刺激する芳香が漂う。
「ありがとう!」
少女の笑顔がキラキラと眩しいなぁと感じつつ、シルヴァは自分の分の料理を受け取る。

「頂きまーす!」「頂きます」
シルヴァは元気よく両手をパンッと合わせるとマギウスも行儀よく静かに手を合わせる。
2人前の餃子を小皿に分けているマギウスの脇でシルヴァが勢いよく紅翠ラーメンを啜り始める。

一口食べたその瞬間、シルヴァに電流走る――!

ガタッ!とイスを倒しそうな勢いでシルヴァは立ち上がり、周りの客も驚いて視線を向ける。
「この馥郁たるスープ、噛みしめるとプチプチっと歯ごたえと共に弾ける麺……これはっ!――うーまー」
《べしっ》
目や口、背中から後光を出しそうな勢いのシルヴァにマギウスが冷静に頭を叩いて制止する。
「それは伝説のA★JI皇の……じゃなくて、周りの方が驚いてますよ」
頑固親父も『静かにしろ』という視線をジロリと向けている。
「ちえー……でも、ホント美味しいよ!」
シルヴァは唇を尖らせながらラーメンとネギチャー丼を交互にモリモリと食べる。
「ふむ、どれどれ」
マギウスも興味深そうに醤油ラーメンに箸を伸ばす。
基本を押さえたラーメンながら食欲を刺激する醤油ベースの香りと黄金の麺は変わりない。
「……美味しい」
「スープと麺と具、どれかが欠けても良くないからな!来てよかったね」

美味しさに目を見開いたマギウスにシルヴァも嬉しそうに笑みを浮かべる。
シルヴァとマギウスは賑やかながら、知られざる穴場スポットの美食に感動のひと時を送った。

◆幸せな食卓
逢坂 貴雅は一人でやって来ていた。
趣味の料理を充実させようと、隠れた名店の味を独自に調査したいと思ったからだ、
別にどこかのオネエさんを誘うのが面倒とかそういう訳では断じてない。
カウンター席は埋まっており、空いていた2人席に通された。
(……厨房の様子が見えないですね、実食して秘訣を探るしかないか)
壁にかけられたメニューを見渡して、貴雅は恰幅の良い女性――女将に声をかける。
「紅翠ラーメンの餃子とネギチャー丼セット、食後に杏仁豆腐もお願いします……あ、ラーメン大盛りって出来ますか?」
「ちょっと時間が掛かるけど、いいかい?」
貴雅の要望に女将は丸みの帯びた顔に笑みを浮かべる、貴雅も「お願いします」とそのまま待つことにした。

「……ふぅ」
「あら、溜め息なんて吐いたらイイ男が台無しよ?」
正面を向くといつの間にか頬杖をついてニコニコと笑みを浮かべているどこかのオネエさんこと、ネスレルの姿。
黒髪黒目の美女に見えるが、引き締まった二の腕とゴツゴツした手は完全に男のものである。
「な、なんでネスレが?」
「タブグル!に掲載されてたし、美味しそうだなーって思って来たのよ?貴ちゃんが居たのは偶然だもの」
冷や汗をかいてネスレルを見つめる貴雅の心情を知ってか知らずか、
ネスレルは同じ卓で一緒に食べるつもりで女将に追加の注文を伝えていく。
偶然じゃない気もするが、実際にタブグル!に掲載されているも事実。
貴雅はネスレルの言葉の真偽を伺うことは困難だった。

***
程なくして貴雅が注文した紅翠ラーメン大盛りと餃子、ネギチャー丼がやってきた。
麺の上には塩茹でされ鮮やかな紅色を纏う海老、冷水でキュッと引き締めたチンゲン菜と
主役を引き立てるメンマや豚チャーシュー、細切りの白長ネギが品良く並んでいた。
「美味しそうね、デザートに私も食べていいわよ♪」
「頂きます」
ネスレルの際どい発言をスルーしつつ、貴雅はラーメンを食べ始める。
ラーメンをすすると、上品でまろやかな魚介ダシが効いたあっさり塩味が腔内に広がる。
「昆布とカツオ節のダシですね……しっかりと主張している訳ではなく、塩の旨味を引き立てている」
噛み締めて確かめるように貴雅は麺を咀嚼する、ちぢれ細麺にスープがしっかりと絡みついている。
「バランスがとってもイイ感じってこと?」
「そうですね、これはご飯も欲しくなります」

貴雅はセットで頼んだネギチャー丼に手を伸ばす、
熱々のご飯の上に角切りされたチャーシューと細切りの白長ネギが見た目にも食欲をそそる。
「組み合わせとしては定番ですが」
ご飯の上にチャーシューと白長ネギを添えて口に運ぶと、先ほどのラーメンの塩気も相まって
チャーシューの甘味を強く感じられネギのシャキシャキとした食感が歯応えにアクセントを付ける。
「ふむ、ラーメンとの組み合わせを計算された一品のようです」
「聴いてるだけでお腹減るわぁ、そ・れ・に」
ネスレルは貴雅の顔を見つめ、うふふと嬉しげに笑みを浮かべる。
「すっごく幸せそうな顔してる」
指摘された貴雅は感慨深い表情でラーメンを見つめた。
「なんていうか、食事をしている時は幸せじゃないといけないんですよ……こういうトコで食べる食事は特にね」
「食事は楽しい方がいいものね♪」
そんな話をしている間にネスレルのラーメンもやってきた。

「私も貴ちゃんの顔を見ながら頂いちゃおうかしら、いっただきまーす」
パチリと割り箸を可愛らしく割りながらネスレルも食べ始める。
「んー!」
ネスレルは一口食べて感嘆の息を漏らす、ただの一口で感動するとは思わなかったのだろう。
「これは10分待つ価値あるわ……それに」
チラリと貴雅をネスレルは見つめる。
「貴ちゃんの幸せそうな顔、見られて嬉しいわ♪」
男だという事実を知らなければ、見惚れてしまうような妖艶な笑みをネスレルは浮かべる。
不覚にもドキリとしてしまった貴雅は気のせいだと自分に言い聞かせ、食事を続けることにした。

◆充足する食事
人の波が落ち着いてきた頃、ガタイの良い2人組が入ってきた。
高原 晃司とアイン=ストレイフだ、少女は巨漢のアインに驚きつつカウンター席へと通す。
「すっげぇ!これぞラーメン屋って感じだな」
晃司は目をキラキラと輝かせ興奮したように店内やメニューに視線を向ける。
「晃司、はしゃぎすぎですよ」
厳つい容姿とは裏腹に丁寧な物腰でアインが晃司をたしなめる。
「悪い悪い……おっちゃん!俺醤油チャーシュー!できれば麺硬、味濃い目で!」
あと追加でチャーシューと燻製卵に大盛り、とカウンター内にいる頑固親父に注文を出す。
「……そっちのお客さんは」
「私は紅翠ラーメンで、味は塩とんこつをお願いします」
頑固親父は短めに返事をすると手際よく2人前の用意を始めた。

***
程なくしてカウンター内からチャーシューメンと紅翠ラーメンが出された。
晃司は意気揚々とドンブリを下ろし、アインも興味深そうに下ろし寄せる。
「ひゃー!アイン!やっときたな!もう俺お腹ぺっこぺこ」
待ってました!と言わんばかりに晃司はチャーシューにかぶりつき、脂身の載ったジューシーな肉感が腔内に押し寄せる。
続いて硬めにしてもらったちぢれ麺を頬張り、濃い目の醤油スープをレンゲですくって啜る。
「う、美味すぎるっ……黄金の三角食べが、ラーメンの美味しさをここまで引き出せるなんて!」
「盛り付けもこだわりが感じられますね」
感動のあまり興奮気味な晃司の隣でアインは両手を合わせてから静かにラーメンを食べ始める。
ラーメンをすすりつつ、紅色の海老がプリプリとした食感で口の中を踊る。
「ふむ、中々美味いですね……魚介ベースなのであっさりしているのは納得ですが」
感心したようにアインはスープも口に含む。
「なかなかコクがあって美味しいですね、とんこつ特有の濃厚さも程よく残っています」
麺にも味が絡んでいる点も高評価ですね……と思いつつ、アインも思わず箸が進む。

「なるほど……これは流行る訳です」
「仕事後のラーメンも最高だけど、ただ食べに来るだけってのもいいな!あ、にんにくとかネギって置いてねぇかな?」
「ネギはトッピングの白長ネギだけ、にんにくはうちのラーメンと相性が悪いから置いてない」
頑固親父は淡々と晃司の問いに答える、無愛想な返しではあるが理由も添えてくれる辺り気配りは出来るようだ。
「そっか、残念」
晃司は言葉通り残念そうに燻製卵をほおばる。
「あまりラーメンを食べない身としてはこのままでも充分美味しいと思いますよ」
「アインはあんま食べねぇのか、店によって全然違うから面白ぇぞ」
アインの言葉に晃司は意外そうな顔を浮かべる。
「……でもなんか嬉しいかも」
「嬉しい、ですか?」
「おう!ここのラーメンもすっげぇ美味いし、アインと一緒に食えたのも嬉しいぜ」
晃司はドンブリの中の麺や具材を食べきると、ドンブリを両手で持ち上げ一気にスープを飲み干す。
ゴクリゴクリとスープが喉を通るたびに、喉仏が上下する。

「はぁ……ラーメン、やっぱ最高だぜ……」
飲み干したドンブリをカウンター上部に戻して晃司は満足げに吐息を漏らす。
「これで次の依頼も頑張れそうだな!」
「……では、次は依頼の帰りに来ますか?」
アインも静かにスープを飲み干してカウンター上部に空のドンブリを戻す。
「いいのか?……やった!」
アインの申し出に晃司は嬉しそうにガッツポーズをとる。
(こういう日も、たまには良いですね)

実は興味本位でついてきたアイン。
満足げな晃司の笑顔と、予想外に美味しいラーメンに舌鼓を打ちこっそりと口の端を歪める。
空腹を満たすだけではない充足感に晃司とアインは満たされていた。

◆貴族の初体験
再びまばらに席が埋まり始めたとき、そわそわとした羽瀬川 千代と
興味深そうに店内を見つめるラセルタ=ブラドッツが入ってきた。
ラセルタの持つ貴族然とした高貴な雰囲気は、庶民の定番であるラーメン屋では異様に浮いて見えた。
周囲の驚く視線に千代は気にせず少女の案内を受けてテーブル席に着く。

「ここの店、買い物帰りに見つけてね。入ってみたかったんだ」
千代は照れくさそうに烏龍茶を持ってきて対面の席に着く。
「俺様は高級中華の鳥そばしか食した事が無いが、美味い物は出てくるのだろうな?」
「評判もいいし、美味しいと思うよ?すみません」
狭くて庶民的な店内を見て訝しむラセルタを安心させようと笑みを浮かべる千代は少女を呼び止め注文をする。
少々お待ちくださいね、と少女は一声かけてカウンターまで伝えに行った。

「はい、今日も一日お疲れ様でした」
「うむ」
一日の労いの言葉をかけて千代は持ってきた2つの烏龍茶のコップをラセルタとかち合わせる。
コップの中の入った氷がカランと小気味よい音を立てて揺れる。
「騒がしくない店選びは評価するが、どういう風の吹き回しだ?」
「孤児院の皆は出掛けているし、二人だけならたまには外食も良いかなって」
ラセルタさんも初めてだから丁度良かったね、と千代は烏龍茶に口をつける。
そうか、と短く返事を返すラセルタだったが実は千代の一言に思案していたことは知る由もない。
***
「お待たせしました!ごゆっくりどうぞ」
テーブルの上には紅翠ラーメン2杯に餃子と卵かけご飯、杏仁豆腐2人前。
千代はラセルタの好みそうな燻製卵と追加でエビをトッピングしたドンブリを差し出す、
食卓の予想外な量にラセルタは驚きを隠せず。
なにより、一番驚いたのは―――

「千代は意外と食べるのだな」
「年寄り扱いはされど実際はまだ若者だよ?」
そんなに意外だったかなぁ、と千代は眉をハの字に下げつつ両手を合わせる。
「頂きます」「……頂くとしよう」
ラセルタも手を合わせることはしないものの、千代に調子を合わせ食事の挨拶。
《貴族たる者、庶民の規範とならねば》と思ったのだろう。
千代は久々の外食に少し緊張しつつ、麺を箸で摘みすする。
「熱っ!?」
「何をしている、少しは冷ませ」
「あ、あはは……ふーふー」
ラセルタは少し呆れ気味に千代の様子を見つめ、千代も照れ隠しに次の一口に息を吹きかけて冷ます。
(……まあ、幸せそうに食事をしているのは何よりだが)
勢いよくすする千代を見てラセルタは内心クスリと微笑む。

「もうじき夏本番だね」
「そうだな、最近は汗で服が張り付いて不快だ」
「どこか行きたい場所はある?」
折角の2人での食事、千代はラセルタに何気ない質問をしてみた。
「夏は殆ど出掛けない、陽射しが強過ぎるからな。かと言って寒いのも好きではないが」
「そっか……俺は毎年、市民プールと夏祭りは行ってるよ。引率としてだけれど」
いつもの夏を思い出しながら千代は微笑む、そんな表情をラセルタはじーっと見つめる。
「あのね……誰かと二人で遊びに行くって、今まで無かった事だから今年はラセルタさんと一緒に出掛けられるのも楽しみにしているよ」
一瞬、照れたように頬を染める千代にラセルタはいつもの調子で返す。
「仕方がない、俺様が連れ回してやろう。覚悟しておけ」
本音は『自分も他人と出かけることは稀で楽しみだ』と言いたかったが、気恥ずかしさに負けてしまい言えず。

「……千代は、どんな所に行きたいのだ?」
「俺?俺は、ラセルタさんとまた一緒にご飯にも行きたいし、一緒に遊びに行きたいかな?それに色んな所を見て回りたいし」
「今年だけでは時間が足りなさそうだな」
熱々のラーメンを囲んで世間話に花を咲かせる千代とラセルタは食欲だけではない『なにか』を満たしていった。
今年の2人の夏は今までにない、一味違うモノになりそうだ。

◆初めてのラーメン屋さん
アレクサンドル・リシャールとクレメンス・ヴァイスは依頼の報告帰り。
帰路についていた2人は以前、タブグル!で掲載されていた紅翠園が近かったことを思い出し
空腹で声を上げそうなお腹の虫を押さえつつやってきた。
「はー、これがラーメン屋さんなんね」
「……変わったパスタのようだ」
クレメンスは物珍しげに店内を見つめ、アレクサンドルも緊張気味に先客の食事を見る。
「お客さんかい?ささ、どうぞ」
店頭で立ち止まっていたアレクサンドル達を見つけた女将が声をかけ、カウンター席へと案内される。
席に着くと女将がおしぼりを手早く用意してくれて、クレメンスもさっそく壁のメニューに目を向ける。

「ここはイチオシの紅翠ラーメンを頂きましょか」
「とりあえず、ワンタンってやつに燻製卵と卵ご飯?で」
物珍しそうに辺りを見回すアレクサンドルとクレメンスに女将は嫌な顔一つせずに注文を承る。
程なくしてカウンターの奥から出されたワンタンメンの燻製卵添えと卵かけご飯、
紅翠ラーメンに『おー』と感嘆する。
「ええなぁ、プリプリのエビちゃんがかわいらしいわ」
「このラビオリみたいなのはなんだ?……すみません、フォークを借りたいのだが」
「あら、子供用になっちゃうけどいいかい?」
大人用のフォークは用意していなかったようで、持ち手が丸みを帯びた子供用のフォークが出てくる。
「こ、子供用……」
「今度お箸の練習でもしよか」
固まるアレクサンドルにクレメンスがクスリと口元に笑みを浮かべる。
「ひとまず頂きましょうや」「……頂きます」
クレメンスが促すと腑に落ちないながらもアレクサンドルはパスタを巻きつけるようにフォークで麺を絡め取る。

「この……麺か?美味いな、卵も味が付いてて……ラビオリっぽいのもトロトロしてて美味しい」
初めてのラーメンにアレクサンドルは驚きつつも親しみやすい味わいに笑みが零れる。
「クレミー、お裾分け」
「あら、おおきに。せやけどお野菜も食べなあかんよ?ついでにこれも半分こしよか」
クレメンスのドンブリにアレクサンドルはワンタンを載せると、お返しにクレメンスもチンゲン菜や白長ネギを載せていく。
紅翠ラーメンに入っていたエビやチャーシューも1つずつ載せていく。
「ありがとう、じゃあ卵ライスも半分こな」
アレクサンドルも揚々と小皿に卵かけご飯を載せていき、にこやかな食事に変わっていく。

「クレミー、最近ため息多いだろう?なんだか気になってさ」
「へ?ため息?そないな事あらしまへんけど」
「形式上のパートナーだろうけど俺は護ってくれるからじゃなくて、本当に好きだから知りたいんだけど……」
『ぶっ』
クレメンスは思わず食べていたメンマを吹き出し、慌ててテーブルを拭く。
「衆人環視でする話やないで、TPOってもんがあるやろ」
「何だよ、放送倫理に触れるような発言はしてないと思うけど」
「……いや、それBPOやから」
ジトリとフードの奥からクレメンスは睨むものの、意に介さないアレクサンドルは不思議そうに見つめる。
そんな様子にクレメンスは盛大に溜息を吐く。
「あたしは何か憂いて一人ため息零すほどリリカルやないし、別に悩みも心配もあらしまへんえ……強いて言うならあんさんやな」
「え?俺のせい?」
「無意識にいらん事する頻度が高すぎや……でも、心配してくれはったんやね。おおきに」
困惑するアレクサンドルにクレメンスは再び溜息を吐きつつ、小さく微笑む。
「別に嫌うてへんから、安心しいや」
「えと……うん、ありがと。なんか照れるな」

2人は少し気恥ずかしくなり、照れくさそうに笑みを浮かべる。
クレメンスの『悩み』はしばらく続きそうだが、頭を悩ませる問題ではなさそうだ。

◆1日の終わり
紅翠園は閉店の時間。
5組のウィンクルムはそれぞれ楽しい食事を満喫できただろうか?
穴場スポットはこれからも新しい発見を教えてくれるかもしれない。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 木乃
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 06月26日
出発日 07月04日 00:00
予定納品日 07月14日

参加者

会議室

  • アレックスだ、皆よろしくな。

    ラーメン自体初めてだから、かなり楽しみだ。
    箸使えないんだけど、フォーク貸してもらえるよな。
    何食べようかは、今メニュー眺めて迷ってる。
    どれもおいしそうだよな。

    後、最近なんか相方がため息多いから、悩みがあるなら聞いてみようって思ってる。

  • [6]逢坂 貴雅

    2014/07/03-19:03 

    っと、みなさんはじめましてですよね。


    さすが、オススメ・・・紅翠ラーメンは気になる方が多いみたいですね。

    ラーメンだけでも美味しそうなのにほかのご飯物と餃子とか、もう、お腹がすいてきちゃいますよねぇ・・・

    早く食べたい・・・

  • [5]高原 晃司

    2014/07/03-01:15 

    うーっす晃司だ。よろしくな!
    そういえばラーメンって味濃い目とか麺硬めとか指定できる所もあるけど
    ここはどうなんかな?
    とりあえずは醤油のチャーシューメンかな!
    ただ紅翠ラーメンも気になる所なんだよなー

  • [4]羽瀬川 千代

    2014/07/03-00:37 

    ご挨拶が遅くなりました!
    羽瀬川 千代です、宜しくお願いします。
    シルヴァさんと高原さんはお久し振りですね、逢坂さんは初めまして。

    俺もまだ悩んでいますが、紅翠ラーメンと丼ものは食べたいなぁと。
    どれも美味しそうだから悩み始めたら止まらなくなりそうで……(メニュー表そっと伏せ)

  • [3]シルヴァ・アルネヴ

    2014/07/02-23:29 

    (メニュー表ガン見中)

    >逢坂
    初めましてだよな。よろしくなー。
    やっぱり『紅翠ラーメン』ラーメン気になるよな。

    皮がパリッとしてて、噛んだら中から肉汁がじゅわっと出てくる
    餃子も捨てがたい……中の具はなんだろうなぁ。
    ちょっと酢とラー油つけて、食べたい!20個くらい……!

    ぷりっとした黄身と、とろとろの白身を炊き立ての白米に混ぜて
    ラーメン食べつつ、ガガッと掻き込むのも魅惑だよなー。

  • [2]逢坂 貴雅

    2014/07/02-05:10 

    逢坂貴雅です。よろしくですよ。

    精霊には内緒でラーメン食べに行く予定ですけど、どうせバレてるんだろううな・・・

    折角なんでイチオシの『紅翠ラーメン』になにか丼ものと、餃子付けようかなと思ってます。

  • [1]シルヴァ・アルネヴ

    2014/07/02-00:25 

    シルヴァ・アルネヴと、精霊のマギだ。よろしくなー。

    ラーメンとトッピングとか、サイドメニューとか選んでると腹減って来るな……
    (夜中に飯テロ、ダメ、ゼッタイ)
    さて、何頼もうかな~。

    皆はもう決まってるのか?


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