思い出のプレゼント(龍川 那月 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

「お疲れー!」
 A.R.O.A.主催のクリスマス会。その会場の片隅で、あるウィンクルムがサンタクロースの帽子を頭にのせたまま乾杯している。
 傍らには先ほどまで子供たちに配る用のプレゼントが入っていた袋が置かれている。
「君が急にプレゼントを配るなんて言い出した時はどうしようかと思ったけど……」
「困った時はお互い様だろ」
 プレゼントを配る係だった職員が急に休んでしまった。という話を聞いた神人がその代役を買って出たのだ。
「配り忘れたプレゼントはないよね?」
 神人は、空っぽだろと言いながらも、念のため袋に手を入れると1つだけプレゼントが残っている。
「ん?」
 首を傾げながら見てみるとそこには
『素敵な思い出を』
 というメッセージと共に精霊の名前が書かれている。
「お前宛だぜ。開けてみろよ」
 いいのかなと言いながらも開ける精霊の前に現れたのは、幼い頃、両親からもらったプレゼント。
 いつの間にかどこかに行ってしまった、いや、もらったことすら忘れていた贈り物だが、あの時貰ったプレゼントそのものだということが何故か精霊にはわかった。
 そっと箱から出すと、その頃の温かな記憶が一気に蘇り、精霊の涙腺を緩ませる。
「どうした。そんなに欲しいものだったのか?」
 おろおろしながら話しかける神人。首を振って精霊は思い出を語り始めた。
「ううん。これはね……」

解説

・概要

 プレゼントにまつわる思い出を語って下さい。
 
・プランについて

 クリスマス会でプレゼントを子供たちに配り終えたお二人の前に一つだけプレゼントの箱が残ります。
 箱の中には、パートナー様と出会う前にどなたかから頂いたプレゼントの実物が入っています。

 プレゼントを受け取るのは神人様、精霊様どちらでも構いませんがどちらか一人のみになります。
 プラン内に、どちらが何を受け取ったのかご明記ください。

 なお、プレゼントは次の日になると消えてしまいます。


・ジェールについて

 パーティの参加費として300Jr消費致しました。


ゲームマスターより

 こんにちは。または初めまして。龍川那月と申します。

 クリスマスも近づいて『プレゼント』という単語を目にする機会が増えてまいりました。昔貰った贈り物についての思い出を語って頂ければと思います。

 皆様の素敵なプランをお待ちしております。 

リザルトノベル

◆アクション・プラン

咲祈(サフィニア)

  神人が受け取る

……これ……
中身の正体はロケットペンダント
中にある、写真を見た
ああ。まだ村にいた頃の写真。……親から貰った。……と思う
家族4人、父、母、兄(ティミラ)、自分で写った写真
貰ったの、かなり前。十三の誕生日の時に
なんだ?(相方が笑ったことに対し
……本当にうざかったんだ(ぷい、とそっぽを向いて

だきしめ……は?
……サフィニア……あんた、こないだから変だ
なんか、ティミラっぽい
ティミラも。……兄さんも、こんな感じ
え、知ってる……?
……そうか。知ってるのか
ふわりと、暖かい気持ちが流れ込んできて思わず微笑む
サフィニアは、暖かいな
そっと、相方の背に手を回して


ユズリノ(シャーマイン)
  プレゼントは僕宛
何だろう?

見てはっとした
お兄ちゃんから誕生日に貰ったブレスレットに良く似ている
ずっと部屋に篭って遊んでくれない兄に僕は腹を立てて酷い事言っちゃって
実はこれを作ってくれていたんだって分かって大泣きしちゃったんだよね
泣くなよって言ったお兄ちゃんも泣き出して二人で泣いちゃって えへへ
手に嵌まらないサイズに感傷的になる
お兄ちゃん…

彼の言葉に驚く
故郷? だ、駄目だよ僕はあそことは縁を切ったし
それにもし…
気がかりは村の人が彼にも否定的な態度を取るかもしれない
シャミィは平気だと笑うけど彼を傷付けられたら僕はきっと許せない

お兄ちゃんに今の自分を…?

逡巡の末
…考えてみるよ
彼が顔を寄せ髪を撫でてくれた


歩隆 翠雨(王生 那音)
  受け取る方
プレゼント:木製の馬の玩具

これは…
暫し手に取った馬を凝視して
悪い…懐かしくて
昔、両親に貰ったプレゼント…で間違いないと思う

俺の家はさ、まあ貧しくて
誕生日にプレゼントなんて…いつもより少しだけ豪華な料理くらいなものだったんだが
一度だけ、近所の子の持ってる玩具が羨ましくて…泣いた俺の為に、両親が手作りして出来たのがコイツ
不格好だけど、最高に格好良く見えた

…アイツに売られた時、唯一持って行ったモノだったんだが…問答無用で捨てられて…もう二度と見る事はないと思ってた

恨んでない…と言えば嘘になる
けど…仕方のない事だったと理解も出来る
…そんな経緯がなければ、那音と出会えてなかったかもしれないしな


●気持ちの矛先(咲祈&サフィニア 編)
「……これ……」
 差出人のないメッセージカードがついた咲祈宛の箱。そこに入っていたのはロケットペンダントだった。ロケットを開けば中には一枚の写真が入っている。
(咲祈? と、ティミラさんか。ということは、両脇にいる人たちは……)
「家族写真?」
「ああ。まだ村にいた頃の写真。……親から貰った。……と思う」
 父、母、兄のティミラ、そして自分が写った写真をそっと撫で、記憶を辿るように咲祈は言葉を紡ぐ。
「貰ったの、かなり前。十三の誕生日の時に」
 そう言いながら、咲祈は己が精霊にもよく見える様に、と角度を調整する。思い出の品ならば見ない方がいいだろうかと思い、しっかりとは見ていなかったサフィニアはありがとうと、写真に視線を落とした。
 笑顔の両親の間で、正反対の表情を浮かべる少年達が写っている。不機嫌そうな表情を浮かべる少年は今より少し幼い雰囲気こそあるが確かに咲祈だった。予想通りの相方の姿に思わずクスリとサフィニアの表情が緩む。
「なんだ?」
 相方の小さな笑いに咲祈が声を上げる。ただし、その声は怒りをはらんだものではなく、ただ、笑う要素があっただろうか。という純粋な疑問の声だ。
「ああ、いや。なんでもないよ。ただ、この頃から既にひねくれてるんだなあ、って」
 サフィニアの中に、安心とも嬉しいともつかない、何とも言えないプラスの感情が沸いてくる。過去の、記憶を失う前の彼を知ることが出来た喜びもあったが、過去の彼と今の彼との間に共通項があった事に少なからず安堵していた。
 出会ったことのない、そして出会うことのない、過去の彼が全くの別人でないことは彼の兄との関わりで知っている。だが、彼の過去に纏わることでもやもやすることはいまだに多い。その一端が晴れたような気がしたのだ。
「……本当にうざかったんだ」
 少しだけ気恥ずかしそうにぷい、とそっぽを向く神人。
「ごめん。……」
 詫びを入れながら胸にこみあげてくるプラスの感情を追いかける様にやってくる別の感情をサフィニアは感じていた。

「……。ねえ咲祈。抱きしめて良い?」
「だきしめ……は?」
 答えが返ってくるよりも先に、腕が神人に回される。
「……サフィニア……あんた、こないだから変だ」
 ブックカフェで抱きしめられて以来、その行動とあの時耳に入った言葉の意味をずっと咲祈は考えている。
 真面目で冗談の通じない精霊が、戯れでそういうことが出来ない質だということは十分すぎるほどに分かっている。だからこそ、何かの意図があるのだろうが、それが分からない。真意を尋ねようかと何度も思ったが、なんとなく機会を逃して今に至る。
『……もう少し、俺を見て。咲祈』
 絞り出すように、呟くように、願うように漏れたあの言葉はずっと感じなかった感覚を感じた。それは実兄のティミラから感じる感覚に似ていて、でもどこか違う様な感じもして。その不確定な感じが余計に咲祈を戸惑い困惑させているのだった。
(こないだから変……か)
 抱きしめられたまま振りほどかれない腕。その代わりに投げられた言葉にサフィニアは苦笑する。
 変。この行動だけ見れば変なのだろう。そう思われているだろう自覚は自分にもある。ずっと抱いていた気持ちに突き動かされているだろうことが分かっているサフィニアからしても変だと思う位だ。
(どうして急にって自分でも思う)
「ティミラも」
 ふと告げられる、ここにいない人物の名前。
「……兄さんも、こんな感じ」
「……ああ。知ってるよ」
 彼の兄が相棒にどんな感情を抱いているのか明確には知らない。だが、彼が相棒に抱いているのは、少なくとも大きな括りで言えば自分と同じだろうということは見ていれば分かりすぎる程に分かる。
「え、知ってる……?……そうか。知ってるのか」
 知っている。という言葉に咲祈は小さく息を吐いた。どこかほっとした様なそれは、正体の分からない何かではなく、兄と同じ様な感情を向けられているのだという事への安堵だろうか。
「ティミラさんは、咲祈が大好きなんだ」
 サフィニアの柔らかい声が鼓膜を揺らす。その言葉が、ふわりと暖かい気持ちを咲祈の中へ注いでいく。それはいつもサフィニアから感じる穏やかな気持ちそのものだった。
 いつもの調子に戻った精霊に咲祈は思わず微笑む。
「サフィニアは、暖かいな」
 知っている感覚に咲祈は思わず綻んだ表情と声のままに、そっと相方の背に手を回した。向けられる感情がどんなものか分かったことで彼の中に起きていた困惑は消えたようだった。
「……そうか……」
 暖かいと言われて抱きしめる力を少し強めるサフィニアの表情は咲祈には見えない。きっと今の呟くような言葉も返事に聞こえただろう。
(やっぱり、俺は咲祈が――)
 気持ちが固まり形を成して一つの確信めいた答えをサフィニアに突きつける。腕の中に神人のぬくもりを感じながらサフィニアはその答えと向き合う覚悟を決めるのだった。

●亡き人からの(ユズリノ&シャーマイン 編)
「何だろう?」
 自分宛ての箱に首を傾げながら箱を開けると中にはブレスレットが一つ入っていた。
「ブレスレット……だな。ユズリノ?」
 誰からの物だろうと首を傾げるシャーマインとは対照的な反応を見せるユズリノ。それは、昔、兄から貰ったブレスレットに良く似ている。いや、これはきっと本物だろう。とユズリノは思う。
「お兄ちゃんから?」
 兄から昔、誕生日に貰ったものだと告げれば、そうシャーマインが問いかけてくる。そんな昔の物がどうしてここに。そんな口ぶりだ。
「わからない。でも、これはお兄ちゃんが自分で考えた世界で一つだけの模様だから」
 愛おしそうにブレスレットを撫でながらユズリノは言葉を続ける。
「ずっと部屋に篭って遊んでくれないお兄ちゃんに僕は腹を立てて酷い事言っちゃって。その後、実はこれを作ってくれていたんだって分かって。これをもらった時、僕大泣きしちゃったんだよね。泣くなよって言ったお兄ちゃんも泣き出して二人で泣いちゃって。えへへ……」
 そう言いながら、つけてみようとするが、指の根元で止まり先には入っていかない。
「お兄ちゃん……」
 感傷的な呟きを漏らし、兄との思い出と共にブレスレットを抱きしめるユズリノの表情は明らかに沈んでいる。
 ユズリノの兄は10歳の頃顕現し、オーガによって命を落としたとシャーマインは聞いていた。それから彼自身も村で疎まれるようになったとも。
「見せてくれないか」
 パーティ会場の外、比較的静かな場所に腰を下ろしてから、シャーマインはもしよければと断ってから口を開く。
 寂し気な表情が抜けないままの微笑みと共に渡される腕輪には丁寧な木彫りの装飾がされている。これは兄がくれたブレスレットそのものだろうことはシャーマインにも分かった。
「綺麗な木彫りだな、模様にセンスがある」
 そこに彫られた模様は、パートナーが言う通り露店や店舗で売られているそれとは違うように思えたし、ところどころ見える下絵らしき跡は手作りの証拠だった。
「お兄ちゃんも物作りが得意だったんだな」
 そう言えば、ユズリノがはにかみ笑いでお礼を言う。それだけでも彼のことをとても愛していたことが伝わってくる。
「自慢のお兄ちゃんだったのか?」
 と聞けば
「うん、大好きだった」
 と言葉が返ってきた。

「オーガから逃げる時に……失くしたんだ」
 腕輪を悲しげに撫でるユズリノの肩を抱いてシャーマインは彼が落ち着くのを待ちながら、胸に抱えていた考えを話すのは今だろう。と思っていた。少し落ち着いたのか、ありがとう。と微笑む彼に
「……最近ずっと考えていたんだ……」
 シャーマインは切り出した。何?と不思議そうな声が返ってくる。
「リノ 故郷……帰ってみないか?」
「え?」
 シャーマインの腕の中、驚きの声と共に恋人の瞳が大きく見開かれる。
「故郷?だ、駄目だよ」
 半拍遅れて、少し慌てたように言葉が続く。冗談は止めてよと。
「リノのご両親に挨拶がしたいんだ」
 真剣な表情でそう言えば、見えるのは苦い顔。
「僕はあそことは縁を切ったし……それにもし……」
 シャーマインがそんなことを冗談で言う人物ではないことは知っているし、そう言ってくれる彼の気持ちが嬉しくないわけがない。いつか両親に紹介出来たら、そう思ったこともある。しかし、
村の人が彼にも否定的な態度を取るかもしれない、それが気がかりだった。正直にそう告げるユズリノにシャーマインは笑って答える。
「平気だ」
 彼の性格的にそういう事は分かっていた。自分の恋人は優しい。心からそう思う。だからきっとそういう彼らを許してしまうだろう。
 ユズリノだってもう子供ではない。あの村だけが世界の全てではないことを理解しているし、神人を受け入れてくれるこの都があり、自分の全てを受け入れてくれる愛しい人がいる。今なら自分を疎み否定することも、今なら許容出来るかもしれない。
(でも、僕はきっと許せない)
 シャーマインを否定することだけは。けして。
「すぐでなくてもいい、いつか帰りたくなった時で」
 シャーマインはそう言って優しく微笑む。恋人から言われたからと言って、はい、そうですね。と簡単に了承できるようなことではない事は、彼の境遇を知り心中を察しているシャーマインには分かりすぎるほどに分かった。承知していた。
(無理強いしたいわけじゃない)
 だが、
「大好きなお兄ちゃんにも今の自分を報告しに行こう」
「お兄ちゃんに今の自分を……?」
(お兄ちゃん……)
 手の中のブレスレットを見つめ考える。村の人、両親、そして兄。頭の中を色々なことが目まぐるしく駆け巡る。どれだけ考えても答えは出ないようにも感じた。それでも、考えたいと思った。だから、
「……考えてみるよ」
 逡巡の末出した答えに、恋人の金の瞳がさらに細められる。そのまま寄せられる顔と頭に置かれる大きくて優しい手。その手に髪を撫でられながらユズリノはブレスレットを見つめていた。

●愛情の形(歩隆 翠雨&王生 那音 編)
「これは……」
 呟くようにそう言った歩隆 翠雨の視線は木製の馬の玩具を乗せた手から動かなかった。暫く凝視するようにじっと見つめていた瞳が、ふと愛おしいものを見る様に緩み、その手が馬の頭を一撫でする。
「翠雨さん?」
 少し細められたその瞳の中に悲しみを感じ取った王生 那音が思わずその肩を掴む。泣き出してしまうんじゃないか。理由は分からないが、那音はそんな予感までしていた。
「悪い……懐かしくて」
 苦笑する翠雨に、懐かしい?と、精霊の瞳が不安げな色を残したまま不思議そうに問いかける。
「昔、両親に貰ったプレゼント……で間違いないと思う」
「翠雨さんの…ご両親?」
 『両親』という言葉に無意識に反応してしまう那音に、そう。と、小さく笑って神人の口が言葉を続ける。
「俺の家はさ、まあ貧しくて、誕生日にプレゼントなんて……いつもより少しだけ豪華な料理くらいなものだったんだが、一度だけ、近所の子の持ってる玩具が羨ましくて……泣いた俺の為に、両親が手作りして出来たのがコイツ」
「……」
 言葉が進むにつれ翠雨の視線が玩具の馬へと移り、彼の手が懐かしそうに頭を撫でる。悲しみと寂しさをはらみながら穏やかに微笑む顔や、送り主への愛おしささえ感じるような柔らかな声が、いつも以上に彼を儚げに見せる。
「不格好だけど、最高に格好良く見えた。……アイツに売られた時、唯一持って行ったモノだったんだが……問答無用で捨てられて……もう二度と見る事はないと思ってた」
 亡くなった妻に瓜二つだからという理由で豪邸に住む館の主人に見初められた翠雨。その主人に翠雨を売った両親。そんな彼らとの思い出の品にどうしてそんな表情を、声を向けることが出来るのだろう。
 そんなことを考えれば考えるほど那音の胸は締め付けられ痛くなる。
「……翠雨さんは……ご両親を……ご両親を恨む事はないのか?」
 訊いていいものか戸惑いながらも尋ねる。恨んでいないならそれはどうしてなのか。恨んでいるのならどうしてそんな表情をするのか。故人に失礼かとも一瞬思ったが訊かずにはいられなかった。
 予想外の質問だったのか、虚を突かれたような表情を浮かべたまま翠雨は考え込んでしまった。
「……俺は……正直に言うと許せない。どんな事情があっても俺は許せない」
 那音の拳はいつの間にかぎゅっと握られていた。そうさせる感情は確かな怒り。
 那音は彼の両親がどんな人間か知らない。どれだけ貧しかったのかも、どんな生活を送っていたのかも知らないし、こうして話を聞いてもちっとも想像することは出来ない。彼が知っているのは、初めて出会ったあの雨の日、自分に自由などない。と笑った翠雨の痛々しい笑顔。
 そんな状況に追い込んだ人物達を許すことなど、那音には到底出来なかった。それは、
「恨んでない……と言えば嘘になる。けど……仕方のない事だったと理解も出来る。それに……」
 震え色が白くなるほど固く握られた拳に翠雨の手が優しく重ねられる。名前を呼ばれそちらに顔を向ければ自然とかち合う青と水色の瞳。
 恋人が自分の為に怒ってくれていることをどこかで嬉しく思いながらそんなことしなくても大丈夫だという気持ちを込めて翠雨はパートナーの手を優しく撫でる。
「……そんな経緯がなければ、那音と出会えてなかったかもしれないしな」
 変な言い方かもしれないけど。そう笑って続けるパートナーになだめられるように那音のきつく握られていた手は力を失い開いていく。
「父さんと母さんが居たから、俺が居る。コイツと今また出会えて……俺は……きっと愛されていたって分かったんだ。……そんな風に『愛情』に気付けるようになったのは…信じられるようになったのは、那音が居るからなんだぜ」
 そう言って翠雨は少しだけ照れたように微笑い、ありがとう。と感謝の言葉を口にした。
「……っ」
 唐突に泣きたいほどの気持ちがあふれ、胸が熱くなるのを感じた那音は堪らず翠雨を抱き締める。
 孤児だった那音は愛情なんて知らなかった。酷いいじめにあっていた孤児院時代、世界は暗く汚く光なんてないと思っていた。そんな彼の心に差した光が翠雨だった。生きる希望も、世界が明るいことも、誰かを愛しく思う気持ちも、全部翠雨がくれたもの。大げさでも何でもなくその位の気持ちを那音は翠雨に感じていた。
 そんな彼がそんな風に言ってくれている。それが嬉しく、とても幸福なことだと感じる。そして、それ以上にそんな彼が愛おしい。
「どうしたんだ?」
 抱きしめ返しながらも少しだけ驚いたような声を上げる恋人に、
「……なんでもない」
 説明しようと開いた口をつぐみ頭を振って那音はそう返した。説明できないわけではないが、一言では到底無理だし、どんなに言葉を重ねても全てを伝えることは難しいと感じたからだ。それに、言葉にするとやけに大層なことに感じさせてしまう気もした。
(……俺も同じようなものだ。翠雨さんと居るから……)



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 龍川 那月
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 3 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 11月25日
出発日 12月03日 00:00
予定納品日 12月13日

参加者

会議室

  • [5]歩隆 翠雨

    2017/12/02-23:46 

  • [4]歩隆 翠雨

    2017/12/02-23:45 

  • [3]歩隆 翠雨

    2017/12/02-23:45 

    歩隆 翠雨だ。相棒は那音。
    滑り込み参加させて貰ったぜ!

    …随分と懐かしいプレゼントが出てきたな…

    皆のプレゼントがどんなものか、楽しみだ♪

  • [2]咲祈

    2017/12/02-16:05 

    プレゼント……。
    開ける時のわくわく感、良いな。
    ……咲祈とサフィニアだ。よろしく。

  • [1]ユズリノ

    2017/11/29-20:47 

    ユズリノです。パートナーはシャーマイン。
    よろしくお願いします。


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