世界に一つだけの形(龍川 那月 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

「皆さん、ようこそ。今日は素敵な作品と思い出を作っていってくださいね」
 講師がそういうと、小さく拍手が起きた。

 ここは、とある陶芸の工房。芸術の秋を楽しもうと、工芸焼き体験に参加した人々がエプロン姿でテーブルの前に座っている。だが、彼らの前にあるのは白い塊と数色の絵の具だけ。陶芸というとイメージする道具は姿も形も見えない。
「あの、ろくろとかは後で出てくるんですか?」
 参加者の一人が講師に尋ねると、講師はにっこりと微笑んだ。
「質問、ありがとうございます。今日、皆さんが作るのは手びねりという方法なのでろくろなどの道具は使いません」
 目の前の白い塊を粘土の要領でマグカップの形にするのだと講師は続けた。
「言葉だけではピンと来ないかもしれませんので、いくつか作品をお見せしますね」
 そう言いながら、参加者たちの前にいくつかのマグカップがおかれる。
 ビアカップの様に背の高く細いもの、背が低くスープカップの様に口の広いもの、猫足のような持ち手、全面に模様が描かれたもの、幼い子供が作ったのだろうか、『パパ』と言う文字と男性と思しき顔が描かれたものもある。
 見る限りかなり自由に作れるようだった。
「では、始めましょう。最初は扱いやすくするために、目の前の塊をしっかりとこねてください」
 どんなものを作ろうかと考えながら、貴方とパートナーは白い塊をこね始めた。

解説

・概要
 世界に一つだけのマグカップを作りましょう。

 粘土細工などと同じ要領で作るので、色を付ける他にもへこみ等で模様をつけることも可能です。

 色付け用の絵の具は
【赤・青・黄色・緑・白・黒】
 があり色を混ぜることでこの他の色を使うことも可能です。
 焼きあがると少しだけ色が濃くなりますが、作った時とほぼ同じと考えて頂いて問題ありません。

 制作してから2週間で届くようになっており、お願いすればラッピングしてもらうことも出来ます。

 エピソードの性質上完全個別描写になります。

・プランについて
 どの様なカップを作るのか、こだわりの部分がありましたらお書き頂けると幸いです。記載のない部分についてプランやマイページ等を参照させて頂きリザルトノベル内に登場する場合がありますのでご了承下さい。

・ジェールについて
 参加料として500Jr消費致しました。

ゲームマスターより

 こんにちは。または初めまして。龍川那月と申します。
 
 秋と言えば色々な秋があるかと思いますが、芸術の秋をご用意してみました。世界に一つだけのマグカップで冬を迎える準備をしてみてはいかがでしょうか。
 
 皆様の素敵なプランをお待ちしております。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

信城いつき(レーゲン)

  せっかくだからお揃いのカップにしよう!
レーゲン器用だから、相変わらず形がきれいだよね
一緒の形になるように、懸命に見ながらやってるけど
……やっぱり難しい
レーゲンに協力してもらって、カップを作っていこう
(手を重ねられて、顔が近いのはちょっと照れるけど……)

あんまり凝った模様だと、お揃いにするの難しいよね
うん、シンプルに行こう

そうだっ、ここにちょいちょいっと…
(カップの底(外側)に 笑ってる目と口を描く)
こうやってぐっと傾けて飲み干したら、レーゲンの方に底が見えるでしょ

これだとおいしく飲めそうな気がしない?


セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  せっかくだから時節にちなんだ感じのがいいじゃん。
10月ならハロウィンだろ。ラキアと相談してハロウィンっぽいのを作ろう。
今年のハロウィンはコレ作ったんだって、使うたびに思い出せるじゃん。
ハロウィンと言えば使い魔な猫っていうか。
実はコレ(携帯品『黒猫バスケット』)な感じのマグが欲しい。
カップは背を高めにして、猫の尻尾を持ち手にして側面へ持ってくだろ。
縁部分にこのバスケットのよーに耳をピンと2つたててさ。
その側面部分に猫の顔を描くと。
眼の色は緑がいいなー。ヒゲは粘土くっつけて立体的にするのだ。
カップの仲は白にして、外は黒にして黒猫感を出す。
いいじゃん。

ラキアの作るカップも可愛いぞ。やっぱ器用だな。




ユズリノ(シャーマイン)
  こね作業中
形どうしようかと相談
「うん いいね かぼちゃのポタージュ僕も飲みたい それでいこう!」
二人でスープカップを作る事にした

形作り
「シャミィ苦戦してるね大丈夫? あ!」
彼が失敗にへこたれないから僕も一緒に笑んで
「僕のもうすぐ形できるからそしたらシャミィの手伝ってもいい?」
彼から「ああ よろしく!」って返って来た
細かい所手伝った
「どういたしまして エヘヘ」

色つけ
ハロウィンカラーを二人で相談し
僕はオレンジと黒のストライプ
彼はパープルと黒のストライプでお揃い感出そうという事に
最後にかぼちゃランタンの絵をワンポイントに入れる

2週間後
かほちゃのポタージュを二人で照れながら頂く事に
僕が入れた文字は『スキ』


ルゥ・ラーン(コーディ)
  マグカップで何を頂きましょうかと話して甘酒飲もうかという事に
趣のあるデザインが望ましいですね
こね終った塊を瞑想のように目を閉じ撫でてイメージ作り

あ…きました
ここはこうで…こう
はぁ…素敵です…

彼の声にはた、と
おや 声出てました?(照
ふふ ここのライン美しくできたと思うのですがどうです?
あなたのボディラインを参考にしました
はい 気をつけます にこり

彼が手を動かし始めた
イメージが湧いたのでしょうかね

色つけは
私が黒基調で紫で模様を入れた
彼は青のグラデーションで白で模様を入れている
どちらも相手がよく身に付けている色

彼のにも曲線があるのを見て
それ 私の?
彼が照れ気味にふん!ととぼけてる
うふふ 芸術は甘美ですね


●秘密のメッセージ(ユズリノ&シャーマイン 編)
「形どうしようか」
 ユズリノが白い塊をこねていた手を止め、隣で同じ作業をするシャーマインに声をかける。
 シャーマインが手を止めそうだな。と呟く。
 そのまま間があくこと数秒。
「ハロウィンが近いからハロウィン柄で……。それでかぼちゃのポタージュでも飲みたいな」
「うん、いいね。かぼちゃのポタージュ僕も飲みたい。それでいこう!」
 精霊の提案に神人が賛成したことであっという間に方向性が決まる。カボチャのポタージュが似合うスープマグを目指しどんな形にしようかと話しながら二人は再び塊をこねはじめた。

 形は決まった。塊の準備も完了。
 講師の説明を思い出しながら器用に形を整えていくユズリノの手元を見てシャーマインは感心していた。視線に気がついてユズリノの視線が彼の方に向く。
「シャミィ苦戦してるね。大丈夫?……あ!」
「うおっ!?……なんてこったー」
 恋人の声でシャーマインが手元を見た時にはマグカップになろうとしていたものは無残に崩れてしまっていた。ユズリノの手で出来ていくマグを見ていた目はそっちに集中し過ぎて自分の方を視界に入れるのを忘れてしまっていたようだ。
「あはは。やっちまった」
 苦笑しながら一旦塊に戻し、また最初から形作りを始めるシャーマイン。不器用ではないのだが彼の高い身長に見合った大きな手のせいか先程からずっと苦戦気味だ。それでも、彼の表情に失敗にへこたれている様子はない。その姿を見てユズリノは微笑んだ。
「僕のもうすぐ形できるからそしたらシャミィの手伝ってもいい?」
「ああ よろしく!」
 ユズリノの申し出はシャーマインにとってありがたいものだった。言葉の通りそれから間もなく彼はシャーマインを手伝い始めてくれた。
「おかげでいい感じになった。サンキュ!リノ」
 細かいところを恋人に手伝ってもらったシャーマインの白い塊もそれからしばらくして素敵なスープマグに変身を遂げた。
「リノは菓子作りのスキルが生きてるな。流石だ」
「どういたしまして。エヘヘ」
 ユズリノが最近『夢菓子職人』を目指し、始めたケーキ屋のアルバイトをシャーマインは応援している。

 形ができたところでマグの色をどうしようかと二人は相談し始めた。黄色、オレンジ、紫、黒、紺……ハロウィンカラーと言ってもいろいろな色がある。単色なのかもようにするのか、色の濃さはどうするのか等、絵の具を実際に混ぜテスト用に配られた陶器の破片に塗りながら二人の相談は進む。
 その結果、ユズリノがオレンジと黒のストライプ。シャーマインがパープルと黒のストライプでお揃い感を出そうということになった。
 今度はシャーマインも苦戦することなく順調に色つけは終わる。最後にかぼちゃランタンの絵をお互いのマグにワンポイントとして入れて、出来たね。そういって笑顔を向け合う二人。
「折角だから向い合ったら互いのメッセージが見えるように文字を入れないか?」
 今思いついたような声でシャーマインがユズリノに提案すると彼の緑色の瞳が輝いた。文字の内容は完成まで互いに内緒にしようと言うことになり、うっかり見えない様に背を向け見えないように気を付けながら互いに文字を入れる。
(完成が楽しみだ)
 今日の思い出を話しながら、二人は同じ気持ちで同じ家へと帰っていった。

ー二週間後ー
 届いたばかりのスープマグには早速カボチャのスープが入れられた。
 メッセージを手で隠したまま向かい合って座る二人。いただきます。と手を合わせればユズリノのマグには『スキ』。シャーマインのマグには『アイシテル』の文字が相手に見える様に書かれているのが見える。
 互いのマグに書かれた文字を見た二人は照れ笑いを浮かべ互いのメッセージを声に出して発する。それは日頃から、そしてこれからもずっと思っている気持ち。
メッセージが視界に入るたび照れたように笑いながらスープを食べる二人の姿は幸せそのものだった。

●新しい家族(セイリュー・グラシア&ラキア・ジェイドバイン 編)
「10月と言えばハロウィンだろ。どうせならハロウィンっぽいの作ろうぜ」
 せっかくだから時節にちなんだ感じのがいいと考えたセイリュー・グラシアは早速、隣に座るラキア・ジェイドバインに声をかけた。
「今年のハロウィンはコレ作ったんだって、使うたびに思い出せるじゃん」
「ん。ハロウィンにちなんでデザインを考えるのは良いかもね」
 確かに。とラキアは頷く。
 コウモリ、魔女、お菓子……ハロウィンと言っても色んなアイテムが使われるし、モンスターやおばけをモチーフにするという手もある。何をモチーフにするのかラキアは考えを巡らせ始めた。なかなかピンと来ない彼は相棒にどんなものにするつもりなのか尋ねてみることにした。
「んー。ハロウィンと言えば使い魔な猫っていうか。実はコレな感じのマグが欲しい」
 セイリューはそう言って黒猫の顔を模したバスケットを取り出す。逆に何をモチーフにするのかとセイリューはラキアに問いかけた。
「そうだな。セイリューが猫なら俺はやっぱりカボチャかな。ジヤック・オー・ランタンというよりむしろカボチャに寄せたい。丸っこくて可愛い感じにしたいからね」
 いいじゃん。と細められた青い瞳と上がる口角。じゃあ、そんな感じで作ってみようと二人は塊をこね始めた。

 こね終わるとセイリューは目の前に黒猫バスケットを置き、観察しながら手を動かし始めた。時折手を止めてはカップとバスケットを見比べる様に眺め再び手を動かしていく。
(カップは背を高めにして……猫の尻尾を持ち手にして、側面へ持ってくだろ)
 バスケットを真似て縁の部分に耳の飾りをピンと二つ立て、側面、耳の間にバランスよく猫の顔を描いていく。
 カップの中はどんな飲み物にも合うように中は白いままにしたい彼は、内側まで黒が入らないように気を付けながら外側を塗ってから息を吐いた。さて目を塗ろうとバスケットの猫の目を見、その後彼の視線はちらりと自分の精霊の方へと動く。
(眼の色は緑がいいなー)
 彼の筆はバスケットの猫の目と同じ黄色ではなく緑へと伸びる。
(ヒゲは粘土くっつけて立体的にするのだ)
 粘土を細くして黒く塗る。それをカップへくっつければ
「いいじゃん」
 完成したマグカップを前に我ながら上出来だ。とセイリューは笑った。

(以前にセイリューとペアで手に入れたパンプキンマグのような感じにしよう)
 カボチャランタンの形をした赤と黄のマグカップを二人は今も大切に使っている。
 丸く茶色で描いた眼に少し膨らみをつけて立体感をつけ、にっこりスマイルに描かれた口はすこし凹ませて。今あるマグカップはこげ茶色で色付けされた目と口の部分が少し凹んでいる。
(色は……)
 赤や黄色では今持っているマグカップのどちらかに似過ぎてしまう。緑ならかぼちゃらしい色にはなるがハロウィンぽさがなくなってしまう気がする。
(……赤と黄色混ぜたらちょうど良いかも)
 そう思いながら絵の具を混ぜて試し塗り用の陶器に塗ってみると予想以上に良い色になった。
(葉っぱをカボチャの笑った口元に添えるように付けてもカワイイよね)
 来る途中に街で見たディスプレイのかぼちゃを思い出し、持ち手は蔦状の茎に葉を付けたものにしてみるとかなり可愛さがアップした。
「ラキアの作るカップも可愛いぞ。やっぱ器用だな」
 色付けが終わった頃、一足先に完成して片付けまで終わっていたセイリューが覗き込んだ。
「ありがとう。これ……」
「あ、俺もそう思った」 
「「持っているマグの子供みたい」」
 声をハモらせた二人はくすすと笑い合う。
 今年のハロウィンは赤と黄色のカボチャの間にオレンジのカボチャと黒猫が家族の様に仲良く並ぶことだろう。

●ニッコリスマイル(信城いつき&レーゲン 編)
「レーゲン器用だから、相変わらず形がきれいだよね」
 そう言いながら自分のカップを見せるレーゲンに信城いつきが惚れ惚れすると声を上げ、そして自分の手元を見る。
「せっかくだからお揃いのカップにしよう!」
 そう言ったのはいつき。
「この前お店で見かけたカップを思い出したんだ。さすがに本物とまではいかないけれど似たような形にできたらいいなと思って」
 そう言いながらさらさらとレーゲンが描き出した絵と、レーゲンが作っていくのを見ながら、一緒の形になるようにと先程から一生懸命にやっているのだが、同じ形とは程遠いものがそこにはある。
「……やっぱり難しい」
 しゅんと眉を下げながらもなんとか形を近づけようと奮闘するいつき。
 お互いのカップが見やすいようにと正面に座って作っていたレーゲンも、カップはそのままに隣に移動して先程から口頭で説明しているのだが、いうのとやるのとでは勝手が違うようでいつきのカップはなかなかレーゲンのそれと同じ形になってくれない。
 いつきの手の中にあるのも十分すぎるほど素敵なマグカップなのだが、彼が目指すのは恋人とお揃いのマグカップ。素敵なだけではダメなのだろう。自分がいつきのカップに合わせるということもレーゲンは考えたが、それは真剣な眼差しでやっている彼に対して逆に失礼になるとフォローに徹している。
「口じゃむずかしいね。……ちょっと手を貸してくれる?」
 椅子ごと彼の後ろに移動したレーゲンはいつきの手に自分の手を重ねた。
「ありがとう」
 一緒に手を動かす方が言葉で伝えるよりずっと的確に伝わると考えたのだ。二人羽織のような形で触れ合う手はそのままに細かく位置を調整していくその姿は古い映画の一シーンを思わせる。
(手を重ねられて、顔が近いのはちょっと照れるけど……)
 少し頬を染めながらお礼を言ういつきはこの時間が出来るだけ長く続いたらいいのにと少しだけ思っていた。

「模様は普段使いできるようにシンプルなのにしようか」
「あんまり凝った模様だと、お揃いにするの難しいよね……。うん、シンプルに行こう」
 お互いのカップを見合いながら同じ色をつかいマグカップに色を付けていく。
「あ……でもこれだと私の意見ばかりが通ってしまうね」
 もう少しで完成、と言うところでレーゲンが声を上げた。折角ならお互いの意見を入れて作りたかったのに。そう言うレーゲンの表情は少しだけ曇っている。別にその辺りを気にしていなかったいつきだが、レーゲンのいう事も分かる気がする。
「そうだっ、ここにちょいちょいっと……」
 ここから出来る事で何かいい案がないかと少しの間考え込んでいたが、何か閃いた様にカップの底に筆を走らせた。
「何?」
 恋人の明るい声にどうしたんだろうとそちらを見るレーゲンに見える様にカップを持って飲むふりをするいつき。
「こうやってぐっと傾けて飲み干したら、レーゲンの方に底が見えるでしょ。これだとおいしく飲めそうな気がしない?」
 いつきのカップの底には笑っている目と口が描かれている。
「ぷっ……しっかり飲んだら相手に笑顔が見えるって事か。いつきらしいね」
 レーゲンは真っ直ぐで前向きな愛しい人の彼らしさに目を細める。
「私のカップの底にも描いてくれるかい?」
「うん」
 二つ返事でレーゲンのカップの底にも満面のスマイルが描かれた。

 講師に完成したカップを渡し、片付けをしながら
「おいしく飲めそうだね」
「うん。そうだね」
 えへへ。と破顔するいつきに。自分のマグカップを使ったり、彼のカップの底に描かれたニッコリスマイルを見る度に今日のことを思い出すだろうな。そんな事を思いながら微笑むレーゲン。
 二人の笑顔はそれぞれのカップに描かれたお互いの笑顔に似ていた。

●愛しい曲線(ルゥ・ラーン&コーディ 編)
「マグカップで何を頂きましょうか」
 コーディが酒場のダンサーだからということもあってか二人でいる時、傍らには酒があることが多い。流石に酒をマグカップで飲むわけにもいかないだろう。ただ、せっかく作るのだから最初に飲むものを決めようと話し始めた飲み物の話題は甘酒ということで落ち着いた。

(趣のあるデザインが望ましいですね)
 瞑想のように目を閉じ頭の中でイメージを作りながら塊を撫でるルゥ・ラーンの手はどこか妖しい。
(その手つきやめろ!)
 どこかエロティックなその手つきにギョッと目を見開いてコーディがツッコむ。が、まあ、流石に声に出しては躊躇われて心の中だけに留めておいた。
(にしても……)
 見てばかりでは自分のが完成しないな。と自分の前にある塊に目を落とすコーディ。なんとなくカップになりそうな形にはなったのだが、どうしたいのかビジョンが彼には見えてこない。

「あ……きました」
「ここはこうで……こう……」
「はぁ……素敵です……」
 思い悩むコーディにルゥの呟きが時折聞こえてくる。ちらっと見ると時折目を閉じ何かを感じているようだ。白い塊を確実にカップの形に仕上げていく手先まで見て
(まさか、心眼で形を読み取って作ってます。とかなんだろうか?)
 そう思ったりもするコーディだが、いかんせん声がよろしくない。
「ルゥ? 声が怪しいんだけど何やってんの?」
「おや 声出てました?」
 コーディの声に照れたようにルゥが笑う。どうやら無意識に出ていた声のようだ。
「ふふ。ここのライン美しくできたと思うのですがどうです?」
 どれどれとマグカップを眺めるコーディの耳元にルゥの声が聞こえてくる。
「あなたのボディラインを参考にしました」
「……え?」
(ボディ……?)
 言われてみると、取っ手の逆側つまりマグを持つ時に手を添える位置が確かに滑らかな曲線になっている。
「僕のボディラインイメージして作ってたの?」
 その言葉にルゥはニコッと微笑む。
(あの言葉はそういう……)
 パートナーが呟いていた言葉の意味がわかる何を想像していたのかも自然と分かってしまう。恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じながらコーディは一つ咳払いをした。
「な、何でもいいけどここであんな声出すの駄目だから」
 幸いにも二人のいるテーブルに他の参加者はいなかったが、誰かに聞かれたら意味が分からないとしてもどうしたんだろうと首を傾げられるのは間違いない。それに、万が一意味が分かってしまった時のことを思うと顔から火が出そうなくらい恥ずかしいコーディだった。
「はい 気をつけます」
 少し朱に染まった精霊の顔を見ながら彼の心の内を知ってか知らずか紫の髪を少し揺らし神人はにこり微笑んだ。

 目の前を見つめるコーディ。その手はなんとなくマグカップの形になっている塊の前で止まっている。
(ボディライン……)
 そっと目を閉じ、ゆったりとした服に隠されたパートナーの体を思い浮かべ手を動かし始める。彼は確か……
(手が動き始めました。イメージが湧いたのでしょうかね)
 視界の隅で動く手にルゥが恋人の方へ視線を向ける。その表情は真剣そのもの。その表情を見てルゥも自分のカップへ視線を戻す。そのまま二人は言葉を交わすことなく黙々と作業に没頭した。

「それ、私の?」
 色つけまで終わったカップを見あって先に口を開いたのはルゥだった。
 青のグラデーションに白い模様のカップにはルゥのカップと同じところに曲線がある。
「……ふん!」
 照れ気味にとぼけながらコーディもルゥのマグカップに目を落とす。黒を基調した全体に、模様が紫。お互いに相手がよく身につけている色だ。
 相手が自分をイメージしてカップを作ってくれた嬉しさもあるが、このカップで色んなものを相手が飲むのかと思うと、自分に口づけているような気もする。目の前の彼に言えばきっと今以上に赤面するだろうから黙っていよう。ルゥはうふふと微笑んだ。
(芸術は甘美ですね)



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 龍川 那月
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ビギナー
シンパシー 使用可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 4 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 10月08日
出発日 10月16日 00:00
予定納品日 10月26日

参加者

会議室

  • [5]信城いつき

    2017/10/15-21:55 

    遅くなりましたー!
    間に合って良かった…マグカップ作り始まっちゃうよ、レーゲン早く早く!

    あ、信城いつきと相棒のレーゲンだよ、よろしくね!

  • [4]信城いつき

    2017/10/15-21:54 

  • [3]ユズリノ

    2017/10/15-00:25 

    ユズリノとシャーマインです。
    よろしくお願いします。

  • [2]ルゥ・ラーン

    2017/10/14-22:02 

    ルゥ・ラーンとコーディです。
    よろしくお願いしますね。


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