【糖華】蕩ける甘さ(木乃 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 今年は三十年に一度の『糖華降る夜』が待っている。
 バレンタイン城付近で見られる金平糖の大流星群の到来に、城下町のお店も特別な催しをしようと賑わっている。
 とあるチョコレート専門カフェも、この賑わいに便乗しようと動きを見せていた。
『ナイトタイムにチョコレートフォンデュを堪能しよう!』
 店内の大きな窓の隣に用意したテーブルに『チョコレートファウンテン』と呼ばれる、
 噴水を模した特製の器具を設置してチョコレートフォンデュを楽しんでもらおうという企画だ。

 輪切りのバナナ、大粒の苺にキウイやオレンジピール、マシュマロに一口ドーナツなんかも合いそうだ。
 一般的な食材は一通り用意されているらしく、ビュッフェ形式になるので自分の好きなフルーツやお菓子をチョイスすることが出来る。
 もちろんカカオの名産地であるバレンタイン地方で製造された、極上のチョコレートを使用される。
 甘さも希望があればスイートかビターも選ぶことが出来る。
 ただし設置されたチョコレートファウンテンは1組につき1台、好みが別れる場合はよく相談しておいた方が良いだろう。

 ――蕩けるチョコレートが生み出す、甘い香りと夜のひと時。
 そんなキャッチコピーに惹かれて、パートナーに誘いをかけてみた。

解説

交通費とお食事代で500Jrを消費いたします
描写は基本的に個別となります

●目的
チョコレートフォンデュを楽しもう

●時間
夜19:00~24:00
未成年者同士の場合は21:00以降の入店不可でございます
(どちらかが成人していれば、保護者扱いとなり上記以降も入店できます)

●カフェについて
一般人のお客様も出入りしています
騒いだり、暴れたりしないようにしましょう

店内は茶色や赤を基調としたトラディショナル調
クラシカルなヨーロピアンテイストのお店です
テーブル同士の間に仕切りが設置されており、半個室状態

●メニュー
共通してチョコレートファウンテンという器具と人数分の食器が用意されています

ビュッフェ形式で食材は用意されており、一般的な食材ならほぼ置いてあります
例)イチゴ、バナナ、キウイ、オレンジピール、パイン、桃
 マシュマロ、一口ドーナツ、一口カステラ、ウエハース、ポテトチップス、白玉など

※上記は一例です
明らかにチョコに合わない、チョコを絡められない組み合わせでなければ用意されているでしょう
(プリンなど柔らかいもの、お漬物など明らかに合わないものなど)

ドリンクも1杯100Jrでお好みのものを用意してもらえます
お酒もありますが成人している方のみ注文が可能です
『外見年齢20歳未満で、成人と自由設定に明記されていない方』のお酒の注文はマスタリング対象です

●お願い
チョコレートの味付けはスイートなら『ス』、ビターなら『ビ』と頭文字で明記してください
(無い場合はスイートと判断いたします)
食材についても、こちらが判断できる形なら略字にして頂いてOKです
(ポテチ、マシュ、ウエなど2~3文字くらいが解りやすいです)

●諸注意
・多くの方が閲覧されます、公序良俗は守りましょう
 (設定上、ウィンクルムは社会的な信頼のある身分です)
・『肉』の1文字を文頭に入れるとアドリブを頑張ります

ゲームマスターより

木乃です、ガー●の生チョコを見かけるたびに買ってしまいます。

今回はチョコレートフォンデュを楽しんじゃうエピソードです!
こういう食べ方ってなんとも贅沢な楽しみ方だと思うのは、私だけでしょうか?
チョコレートファウンテンからあふれだす液状のチョコレートも夢が詰まってますよね。

食材については一例がございますが、好きなものを書いて頂けたら幸いです!
明らかに組み合わせNGな食材、柔らかくて串に刺せない食材以外でぜひにぜひに。

今年のバレンタイン地方で見られる『糖華降る夜』、素敵な一夜が待ち受けてるかも?

それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)

  実はチョコフォン初体験
つけて食べるのって何か楽しいな


ランスの説明が実に美味そうで思わず引き込まれ
じゃあ…(とバナナ
クレープとかで食べる味かな(美味しい

楽しくなってた俺は提案に乗っかる
開けた口に何がくるのかクイズみたいだな
香りって言われても、チョコしかしない><

食べたら塩味がチョコの甘さを引き立てて結構いけるんで
正解を見せてとせがむよ

ぶほ)
な…なんだこれ
そうくるかー(爆
いやホント、結構美味かったよ

じゃあ俺も…
惜しいっ、正解はピオーネ(笑
あああごめんごめんって
お詫びにこれ(バナナつけてあーん

順番に果物食べてたら
ハタと思いつく「カスタードフォンデュってのどうかな?」

俺は…甘いとは限らないぞ(真っ赤


栗花落 雨佳(アルヴァード=ヴィスナー)
  ビター

わぁ…チョコレートが噴水みたい。すごいね
(不思議そうでいて、ともすればどうと言う事も無い様な表情で)

アル…そんなに沢山お皿に盛っても食べきれないよ…

そういえば、この間同じ科の人に本を借りたんだけど、昔はチョコレートって媚薬としても使われてたらしいよ
本当にそうゆう効果があるのかな?

どんな内容だったかな…忘れちゃったけど…
…ふぅん。アルって物知りだねぇ
(思い出そうとする素振りを見せるが、特に深く考えてはいなそう)

あ…あぁ…もったいない(ドーナツに付けたチョコが滴り手についたそれを反対の指で掬い取って舐める

どうしたのアル?
食べてる、食べてるよ
アルも手が止まってるよ



蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
 

ドリンク:ホットミルク

フィンが成人なので、21時過ぎに入店する

チョコは好物
ビュッフェ形式の中から好きな材料を選ぶのにもワクワクする

チョコとオレンジピールとの相性は最高と個人的に思う(柑橘系が好き)
フランスパン、ポテチ、定番のイチゴとバナナも外せない

フィンと乾杯し、早速オレンジピールにチョコを付けて…美味しい
フィンも食べてみろよと、チョコを付けてオレンジピールを差し出す

フィンが薦めてくれるものがどれも美味い
塩気といえばポテチも美味しいぞ

…こうして美味しいを共有出来るって、いいな

あ、フィン。口元チョコが付いてるぞ(珍しく子供っぽい様子に何だか嬉しくなって、指を伸ばして取ってやり、その指をぺろり


カイン・モーントズィッヒェル(イェルク・グリューン)
 

チョコレートフォンデュか
嫁に連行されて食ったことあるな
飲み物はイェルと同じで

最初は無難に
苺、バナナ、キウイ、林檎…と
(マシュマロ…ふーん)

イェル、フォンデュの罰ゲームって知ってるか?
チーズはパン、オイルやスープは肉、チョコはマシュマロを鍋の中に落とすと、アウトって奴
ファウンテンだと違うやり方かもしれねぇが、やろうぜ(イイ笑顔
1個落としたらデコピン、最後落としたのが多かった方が何か言うこと聞くルールで開始※10個程度で勝負

結構難しいな(デコピンしたりされたり
可愛いとか色々言って動揺させるか
実際可愛いし

勝った(超イイ笑顔
じゃ、ご馳走くれ(手招きし、メニューで顔を隠しつつ軽くキス
ご馳走様(にやり


ヴァレリアーノ・アレンスキー(イサーク)
 


黒のミニシルクハット
ハーフパンツの燕尾服

自分が作ったミルフィオリをしてるイサークを一瞥しすぐに視線をファウンテンへ
チョコファウンテンを物珍しげに見遣る
半個室に落ち着いて食べれそうで安堵
一緒に来た精霊がサーシャなら更に落ちつ…と思った所で軽く首を振る

マシュやキウイに試しにチョコをつける
フォンデュ初体験に自然と顔も緩むがイサークに表情見られ慌てて取り繕う

イサークが作った物に固まる
サーシャと同じ物を作ったのはわざとか…?
あの時見られてた?

イサークの発言が冗談に聞こえず絶句
サーシャの過去も引っ掛かるが昔会った事が…?と混乱
複雑な表情のまま顔背ける

食べさせてやる義理はない
黙々とチョコをつけて食べる


●偶然? 必然?
 夜空を駆ける金平糖……『糖華降る夜』がやってきた!
 黒のミニシルクハットに、ハーフパンツの燕尾服に身を包むヴァレリアーノ・アレンスキー、その隣でイサークは上機嫌な様子をみせていた。
 ――イサークの首には、以前あげたミルフィオレのペンダント。
 笑みをこぼす様子を一瞥していると、席に通された。
(ふぅん、ちゃんと仕切りがあるんだ)
 夜の落ち着いた雰囲気を演出するためだろう、ヴァレリアーノは小さく息を吐き、席に着く。
 傍らには、ほろ苦いビターチョコの噴水。
 チョコレートファウンテンを物珍しく見つめていると、イサークから声をかけられる。
「おもしろいネー、早くお菓子とってこようヨ」
 服についた歯車の飾りを揺らしながら、皿を手に取り席を立つ。
(これがサーシャなら更に落ち着くのだが……)
 ビュッフェに向かう途中、金髪のファータが脳裏を過ぎり、ハッとして首を軽く振る。
 スワロウテイルがひらり揺れた。

 気になるものを皿に盛って戻ると、早速、串に刺してチョコにくぐらせた。
 なめらかな曲線に押し込むと、とろりと滴るチョコレートでコーティングされる。
「アレー? スプーンはないのかナ」
 見ると銀色のリボンで髪をまとめたイサークは、細長いウエハースを大量に組み立てて、皿の上に建物のようなものを作っていた。
 今はカトラリーを収納した箱の存在がないことに気づき、首を傾げている。
「ねぇねぇ坊ちゃん、スプーンなーい?」
「……お前、チョコレートフォンデュでスプーンは使わないだろう。というか、お菓子で遊ぶな」
 呆れ顔のヴァレリアーノの言葉に、イサークは「そっかー、残念だネー」と頬杖をついて残念そうに眉を下げる。
 ひとつ溜め息を吐くと、くぐらせたままだったマシュマロを引き抜き、口に運んでいく。
(……美味い)
 マシュマロの濃厚な甘さに、ビターチョコのほろ苦さが甘さをほど良く抑えている。
 続けて、串切りにされたキウイをほんの少し浸してみる。
 鮮やかな緑に深いブラウンが色を添え、食欲をさらにそそる。
 零れ落ちないように気をつけながら、ぱくりと頬張ると、キウイの酸味とチョコの甘みが混ざり合っていく。
「坊ちゃん、美味しーい?」
 イサークの声に現実に引き戻されると、目の前には愉快そうに口元に弧を描く顔。
「べ、別に。まあまあだよ」
 慌てて澄ました態度を見せても、イサークは笑みを深めただけだった。
 ムッとした態度を見せるのも癪に障る。
 ふいと顔を逸らすと、マシュマロをもうひとつ串に刺して、チョコレートの噴水に泳がせる。
(少し、油断した)
 眉間に皺を寄せ、チョコマシュマロを頬張っていると「でーきた」と、上機嫌なイサークの声。
「見て見て、有り合わせにしては上手く出来たと思わなイ?」
 ヴァレリアーノは面倒そうにチラ、と視線だけ向ける。
 ――それは、ウエハースを組み立てただけのもの。
 しかし、よく見るとその造形は――。
「おい、それって」
 凄みをきかせ、イサークを睨みつける。
 その様子すらおかしいのか、クスクスと小さく笑みを返されるだけ。
「知ってるんだヨ……アイツの過去も、坊やのことも」
 イサークの言葉の真意は計り知れない。
(ただの偶然に決まっている……あいつと、同じ物を作るなんて。それにあいつと、俺の過去を? ……いつ会ったんだ)
 泥沼に足を取られたように、思考が深みにはまっていく。
 痛む頭を押さえるように、片手で顔を隠し伏せた。
 混乱するヴァレリアーノに「ちょっとちょっと」とイサークは両手をパタパタ振ってなだめる。
「ゴメンネ、坊ちゃんに少し意地悪したくて……つい、それっぽい冗談言っちゃった」
 てへ、とあっけらかんとした様子を見せるイサークを、視線で射殺そうと睨みつける。
「だって見てほしかったんだもん、ボク『だけ』を」
 笑顔に反して、イサークの視線は冷ややかだ。
「気にしないで食べヨー、あーんされたイー」
 しかしすぐに収めると『食べさせて』とねだり始めた。
 訝しむヴァレリアーノは「食べさせてやる義理はない」と一蹴。
「ちぇー」
 すげなく振られたイサークは、拗ねた様子でウエハースのへクセンハウスを突き壊した。

●興味はどこへ
「わぁ……チョコレートが噴水みたい。すごいね」
 栗花落 雨佳は不思議そうに見つめながら感嘆した感想を漏らす。
 けれど、実のところ興味がないのか、どうでもいいようにも見える。
 段々に流れ落ちるチョコの様子を雨佳が見つめていると、アルヴァード=ヴィスナーが二枚の皿を手に取る。
「適当に見繕ってきてやるから、大人しく座ってろよ」
「ありがとう」
 好きに取ってきて、と言って背中を見送ると再びチョコの噴水に視線を戻す。
 ――数分後、山盛りのお菓子や果物を乗せたアルヴァードが戻ってきた。
「アル……そんなに沢山、お皿に盛っても食べきれないよ」
 雨佳が苦笑いを浮かべると、アルヴァードがムッと顔をしかめる。
「何言ってんだ。これぐらい食えよ」
 お前が食べなさすぎなんだよ、と。
 これくらい大した量じゃないと言いながら、雨佳の前にトンと皿を置く。
 目の前に置かれた、豪奢なお菓子の山を見つめる雨佳をよそに、アルヴァードは苺を串に刺すと、スッと溶けたチョコにくぐらせ頬張る。
「……流石良いチョコ使ってんな。確かに贅沢だ」
 カカオ独特の苦みが効いたビターチョコ、甘酸っぱい大粒の苺とも相性はバッチリ。
 このチョコレートフォンデュの為だけに、極上のチョコを使用したのだろう。
 アルヴァードは感心しながらもうひとつ食べようとする。
「そういえば……この間、同じ科の人に本を借りたんだけど」
 ふとなにかを思い出したのか、雨佳が急にポンと、両手を合わせる。
「昔はチョコレートって薬としても使われてたらしいよ」
「はぁ? なんのだよ」
「惚れ薬だったかな」

 雨佳の言葉に、アルヴァードは口から飛び出しそうになる苺を、口ごと押さえ込む。
「本当にそういう効果があるのかな」
 さも他人事のように呟きながら、雨佳もちょんちょんとチョコをつけて食べ始める。
「……どんな本にそんな内容が……」
 冷水で口直ししたアルヴァードは雨佳を凝視する。
 ――もぐもぐと頬張る様子は、やはり自身の話そのものでも興味がない様だ。
「どんな内容だったかな、忘れちゃったけど……」
(こいつ、内容はおろか、貸した奴の事も覚えちゃいねぇな……)
 ごくり、と嚥下する雨佳の反応は、アルヴァードの想像通りで。
『そういう話を聞いた』というだけであって、雨佳の興味を引いた訳でもなく、ただ記憶の引き出しにしまいっ放しにしていたので、出してみただけ。
 僅かな興味は、串に刺した丸いドーナツを、チョコの噴水に泳がせることに向いている。
「ま、チョコレートにはカフェインとか、興奮作用があるもんが含まれてるからな……そういうもんを取り慣れてない昔の奴は、気が起きやすいんじゃないか?」
「物知りだねぇ」
 聞いているのか、聞いていないのか。
 帰ってきたのはぼんやりとした返事。
 ――ぽた。
 雨佳の手の甲に、ドーナツについていたチョコレートが滴り落ちる。
 白い肌に、茶色の水玉が浮かび上がったようだ。
「あぁ」
 チョコに浸したドーナツを口に運ぶと、もぐもぐと咀嚼しながら串を置く。
「……もったいない」
 指先を滑らせ、手の甲についたチョコを掬い取ると――真っ赤な唇へと運び、指ごと口の中へ。
 ぺろ、と赤い舌先が見えると、アルヴァードはギクリと顔を強ばらせる。
「どうしたの、アル?」
 おしぼりで丁寧に拭きながら、じっと見つめてくるアルヴァードに微笑を向ける。
 ハッと現実に引き戻されたアルヴァードは、バツが悪そうにしかめっ面を見せた。
「な、なんでもねぇよ……さっさと食え!」
「食べてるよ、アルも手が止まってるよ」
 目を細めて笑う雨佳に、アルヴァードは気を紛らわそうと菓子の山に手を伸ばす。

●甘味遊戯
 ナイトタイムの21時に訪れたカイン・モーントズィッヒェルとイェルク・グリューン。
 ビュッフェから食材を選び終え、テーブルに戻るとグリーンティーがふたつ運ばれてきた。
「聞いてみてよかったです、置いてない所もありますし」
 イェルクはほっこりした笑みを浮かべ、吐息で冷ましてから啜り始める。
「にしても、チョコレートフォンデュか……嫁に連行されて食ったことはあるな」
「私も彼女とのデートで食べたことあります」
 カインとイェルクはかつての連れ添いを思い出す。
 しかし、しんみりした空気は好かぬと、カインはすぐに話題を変える。
「ま、とってきた果物が温くなっちまう。さっさと食べちまおう」
 カインは真っ赤に熟した苺にぷすり、と串を刺すと甘いスイートチョコに泳がせ、ぱくりと一口で頬ばる。
「美味い……お、緑茶も合うな」
 口直しに緑茶をすすると、緑茶の苦みが口いっぱいの甘酸っぱさを中和していく。
「お酒も悪くないんですけど、意外に緑茶も相性がいいんですよ。カインにも知って欲しくて」
 イェルクは鮮やかな黄色の栗をチョコにくぐらせながら、微かに頬を染め、目元を緩める。
「今度イェルの淹れた茶でもやってみよう」
 カインはバナナにチョコを絡ませながら、口元に笑みを浮かべる。
 その様子に、イェルクの頬はポッとさらに赤らむ。
 もぐもぐと頬張るイェルクを見て、カインは「そういえば」と、話を切り出す。
「イェル、フォンデュの罰ゲームって知ってるか? 鍋の中に落とすと、アウトって奴」
 そう言って頬張るカインに、イェルクは小さく首を傾げながら、記憶の棚を探してみる。
「聞いたことありますよ」
「ファウンテンだと違うやり方かもしれねぇが、やろうぜ?」
 ニッとイイ笑顔を浮かべるカインに、イェルクは苦笑い。
(……やりたいって、顔に書いてありますね)
「いいですよ」

 皿を空にすると、改めてマシュマロを用意し、席に着く。
 マシュマロは互いに5個ずつ。
「1個落としたらデコピン、最後に落とした数が多かった方が何か言うこと聞くルール、でどうだ?」
「はい、なんだか緊張してきました」
 落とさないようにしなければ――僅かな危機感が芽生えたからか、イェルクの動作に力が入る。
「じゃ、先に一個目っと」
 カインがまず一つ目のマシュマロを、チョコに沈めて引き上げる。
 落とさないよう、串の向きを僅かに修正しながら口に運んでいく。
「ふー、危ねぇ。結構難しいな」
「次は私が……あっ」
 イェルクも挑戦してみると、串の刺す箇所がずれていたのか、ぽちゃりと引き上げ損ねる。
「……思ったより難しいです」
「はい、デコピン」
 身を乗り出すカインの指先が、額にペチッと当たる。
 僅かに痛みが滲む額をさするイェルクに、カインは笑いを堪える。
「もう、カインの番ですよ」
 照れ隠しに先を促すイェルクの言葉に従い、カインが二つ目のマシュマロを串に刺す。
「――っ、と」
「デコピンですね」
 カインもチョコにマシュマロを落とすと、すかさずイェルクが手を伸ばしてデコピンをペチリと当てる。
 指先の当たる感触はあるが、痛みはない。
「じゃあ私も2個目」
 緊張が和らいだのか、笑顔を見せるイェルクが自身のマシュマロをチョコに付けようとすると――。
「可愛いな」
 カインの言葉に驚いて、串が手から滑り落ちてしまう。
 串は縁に引っかかり、杯の中に落ちずに済んだが、慌てて引き上げるとマシュマロはチョコの中に残ってしまった。
「そんなぁ」
 眉をハの字に下げるイェルクの額に、カインが再びデコピン。
 その後もカインの口撃は続き――。
 そのたび動揺してイェルクはマシュマロを落とし、デコピンを受けていた。
「あなた、意外に知能犯なんですよね」
 結局、負けてしまったイェルクは不服そうに頬を膨らませる。
 対照的にカインは上機嫌な笑顔を浮かべていた。
「じゃ、ご馳走くれ」
 ちょいちょい、と手招きするカインを不思議そうに見つめるイェルクは、椅子から腰を上げるとテーブルに身を乗り出す。
 笑みを深めたカインは、メニューに手を伸ばすと……通路から遮り、イェルクに顔を寄せる。
「ご馳走さま」
 イェルクは唇に当たった柔らかな感触と、眼前でニヤリと笑うカインに、赤面するしかなかった。

●スイートクエスチョン
 アキ・セイジは珍しくそわそわとしていた。
(チョコレートフォンデュ、初めてなんだよな)
 適当に食材を選ぶとヴェルトール・ランスと共に席に戻る。
「ウエハースとかクッキーもちょい足しで豪華な味になるし、フルーツとも合うんだよな」
 苺やキウイの酸味の効いたものから、リンゴや梨のサッパリした物は薄切りするのがコツ。
「バナナは定番だし外せないな」
 ヴェルトールが自分の皿から差し出すと「じゃあ」とアキが串に刺す。
 まじまじと見つめてから、滴るチョコの中に泳がせ、口に運ぶ。
「ん、クレープとかで食べる味かな」
「美味いだろ?」
 勧められただけあってなかなか美味しい、満更でもないアキにヴェルトールもニッコリ。
「こうやってつけて食べるのも、何か楽しいな」
 童心に帰るというか、遊び心のある手法だなとアキは感じた。
 楽しんでいる様子に満足げなヴェルトールから、ある提案がされた。
「なぁ、セイジ。目を閉じて何を使った当てるクイズとかやってみねぇか?」
「ふむ……面白そうだな、いいぞ」
 承諾の意を受け、ヴェルトールが「じゃあ目を瞑って」と促されるままに、アキは目を閉じる。
(これ、わかるかな)
 手に取ったのは一口サイズの、サラダ風味の煎餅。
 つまんだ先をギリギリまでチョコに沈めると、アキの口に差し込んでいく。
「ん、ん?」
「香りでなんとか頑張れ?」
 と言っても、ほとんどチョコレートで覆っているのだ。これだけでは解りづらい。
「塩味がチョコの甘さを引き立てて結構いけるが……ランス、正解を見せてくれ」
「見たらクイズにならないだろ」
 悩むアキに、くつくつと笑いを噛み殺しながら様子を見る。
「ビスケット、にしては薄い、ウエハースにしてはパサパサしてない……く、降参だ」
 悔しそうに眉を寄せるアキだが、全く見当もつかず白旗を上げる。
「正解は煎餅だぜ。いけるんだよな、これが」
「そうくるかー……結構美味かった」
「ちっと難しかったかな?」
 テーブルに突っ伏すアキの頭を、ヴェルトールがわしわしと撫ぜる。

「俺もやってみるかな、どんと来い」
 自信満々のヴェルトールはぐっと瞼を瞑ると、薄く口を開く。
(……じゃあ、これにしようかな)
 皿の上に並ぶ果物の中から、アキは葡萄を選ぶと、串に刺してトロトロのチョコに沈める。
 垂れないように気を付けながら、ランスの唇にあてがい、そのままゆっくり押し込んでいく。
「ん、むぐ」
 唇のチョコを指で拭いながら、もぐもぐと噛みしめて口の中のモノを確かめる。
(果物か……これくらいだと、葡萄とかサクランボっぽいが……いや、セイジのことだから不意をついてきたか?)
 うんうん唸るランスは、ゴクリと飲み込むと確信したように口角を上げる。
「これは……マスカットだな!」
「惜しいっ、正解は葡萄だ」
 深読みしすぎだと、アキが笑みをこぼす様子に、ヴェルトールは唇を尖らせた。
「……間違えた。ってか、ひっかけ?」
 ほぼ同じじゃないか、とぶつぶつ文句を言うヴェルトールに、機嫌を損ねたかとアキが焦りだす。
「ごめんごめんって……ほら、お詫びにこれ」
 串にバナナを刺し、チョコレートをたっぷり絡めると、ヴェルトールの口元に差し出した。
 へそを曲げるヴェルトールもチラ、と視線を向けると大口を開けて頬張る。
「じゃ、水に流す……もとい、チョコに流すことにする」
「なんだそれ」
 思わず吹き出してしまったアキの様子に、ニシシとヴェルトールも笑顔に戻る。
 皿に残っていたフルーツを食べようと、アキがいくつか食べていると「そうだ」と言葉を漏らす。
「カスタードフォンデュってのはどうかな?」
「あー、それ絶対美味しい。甘いのは歓迎だよ……それに」
 今度やってみようか、と思案するアキにヴェルトールが身を乗り出すと……なにがしか囁きかける。
「……甘いとは、限らないぞ」
 囁かれた言葉に、アキは耳まで赤く染まりあがった。

●美味しい共有
「ホットワインにしようかな」
「俺は、ホットミルクで」
 蒼崎 海十がフィン・ブラーシュと訪れたのは21時過ぎ。
 未成年だけとなると咎められてしまうが、成人した者と同伴と見て快く招かれる。
「一杯あるな」
 ビュッフェに並ぶ宝石のような輝きを放つ果物に、お菓子の山を見つめて、海十は視線を巡らせる。
(オレンジピールは譲れないし、定番の苺とバナナも……ポテトチップスも良いし、あの固焼きパンも良いな)
 気になる食材を皿の上に乗せていくと、気づけば置ける隙間もない。
「海十、また後で取りに来られるし、一回席に戻ろうよ」
 フィンも選び終えたようで、満足そうな様子で覗き込んできた。
 コクリと頷き返し、席に戻ってみると丁度飲み物が届いた。
「海十が成人したら、その時は一緒に飲もうね」
「ああ、乾杯」
 フィンの言葉に海十が頷き、マグのぶつかる音が小さく響く。
 海十は早速、自身の最高の組み合わせであるオレンジピールに、スイートチョコをつける。
 オレンジの酸味と皮のほろ苦さ、チョコレートの濃厚な甘さが独特の味わいを醸し出す。
「……美味い。フィンも食べてみろよ」
 噛み締めるように味わうと、フィンにも味わってもらおうといそいそと同じものを作る。
「ありがとう、あーん♪」
 てづから食べさせてもらい、ぱくと頬張るフィンは幸せそうに頬を緩める。
「美味しいね! ほら、海十もまず林檎を食べてみてよ」
 ほらほら、と勧めるフィンもチョコに絡めると海十の口元にサッと運んでいく。
「林檎はしゃきっとした食感と合うでしょ?」
「ん、ああ……というか、自分で取る」
 自分があーんされた流れに気づいた海十は、頬を赤らめて僅かに視線を逸らす。
「拗ねないで、ワッフルも甘くて美味しいよ」
 チョコが絡めやすいよう、硬めに焼かれたワッフルを頬張りながら、フィンは自身の皿を海十にも取りやすい位置に置き直す。
 ホットミルクを啜り、気を取り直した海十は同じようにワッフルを食べてみる。
「ワッフル好きなんだ。なんでも合うし」
「確かに、これは本当にスイーツって感じだな」

 カリカリとワッフルを頬張っていると、今度は大福の皮のような柔らかい餅を勧められる。
「ちょっと変わってるなと思ったけど、どれも美味いな」
「ふふふ……さらにお勧めは、これだよ」
 不敵な笑みを浮かべるフィンが勧めてきたのは――なんと、カリカリに焼けたベーコン。
「丁度、焼きたてが置いてあってね。塩気と甘みの絶妙さ……癖になるよ」
「むしろ、よく置いてたな……」
 驚き半分興味半分、海十がチョコをつけて食べてみると――これがまた、肉汁とチョコの口どけがよく合う。
 こってりとした味わいが、もう一口と後押ししてくる。
「確かに癖になりそうだ……塩気と言えば、ポテチも美味しいぞ」
 海十も自身の皿を少し前に出すと、フィンが一枚とってチョコを掬い上げる。
「うんうん、これも美味しいね。新発見だ」
「……こうして美味しいを共有出来るって、いいな」
 パリパリと頬張るフィンがニッコリと笑顔を見せると、口元にチョコが残っていた。
「フィン、口元にチョコが付いてるぞ」
「どこ?」
 珍しく子供っぽい姿を目にして、嬉しさがこみ上げてくる。
 慌てて口元を拭うフィンが上手く拭い取れていない様子に、海十が手を伸ばす。
「ここ」
 指先で拭ぐうと――ぺろりと僅かに舐めとる。
 指先で拭われただけでなく、それを舐めていた姿にフィンが目を見開く。
(は、反則だ……)
 思わぬ不意打ちに、口元を覆いながら顔を逸らす。
 おそらく、いや多分、ほぼ間違いなく……顔が赤くなっている気がする。
「ねぇ、海十」
「ん?」
「海十の唇も……今、キスしたらチョコの味なんだろうね」
 ――極上のチョコレートの味。
 フィンの反撃に、海十も同じように口元を覆って顔を逸らした。
 顔がこんなに熱いのは、きっとワインの香りのせいだろう……そう思うことにする。



依頼結果:成功
MVP
名前:アキ・セイジ
呼び名:セイジ
  名前:ヴェルトール・ランス
呼び名:ランス

 

名前:カイン・モーントズィッヒェル
呼び名:カイン
  名前:イェルク・グリューン
呼び名:イェル

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 木乃
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル ロマンス
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 01月23日
出発日 01月29日 00:00
予定納品日 02月08日

参加者

会議室


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