


今日は仕事もA.R.O.A.から請け負っている依頼もない、久しぶりの休日だ。
「部屋の大掃除でもしちゃおうかなぁ……」
暖かな日差しの差し込む窓辺、背をそらし体をぐぅっと伸ばしてほぐしてみる。
しかし、こんなに気持ちの良い天気なのにずっと家に居るのももったいないような気がする。
「買い足しに行った方がいい物なんてあったかなぁ、せっかくだし模様替えによさげなものを探してもいいかも……」
あ、食材の買い足しにも行かないと!
晴れ晴れとした空がそうさせるのか、やりたいことを考えれば考えるほど、どんどん湧いてくる。
「一人でやっても大変なだけだし、あいつにも一緒に来てもらおうかな」
せっかくの休日だし、一人で居たいかもしれないが……普段はどんなことをしているのだろうか?
気になり始めると想像がどんどんと膨れ上がっていき、欲求が止まらなくなってきた。
「……よし、ダメ元で誘ってみるとしよう!」
せっかくの休日だ。もっと交友を深めてみてもいいんじゃないだろうか!?
都合のいい解釈だとは思うものの、相手のことをもっと知りたいというのは本当のことだ。
束の間の休日。
秋晴れの中でどんな一日にしようか想像を膨らませながら、相方に電話をかけてみた。


掃除用具やらお昼ご飯やらで300Jr消費します。
●目的
休日を満喫しましょう。
●状況
本業のお仕事もA.R.O.A.からの依頼もない一日です。
部屋の大掃除をするもよし、お布団干しをするもよし。
模様替えの家具を探してみるもよし、一緒にゲームを楽しむもよし。
公園や図書館などに行くのも良いかもしれません。
お好きなように、休日をお過ごしください。
(公序良俗に反する行動はマスタリング対象ですので、ご注意ください)
木乃です、お久しぶりでございます。
今回は皆様の休日のひとコマを見てみよう、というエピソードです!
決まった目的はないですが、楽しい休日を過ごせたらいいですねー
過度な性的なイメージを連想させる内容、
グロテスク過ぎる内容は描写いたしかねますのでご留意ください。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。


◆アクション・プラン
羽瀬川 千代(ラセルタ=ブラドッツ)
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庭で取れた柿をお裾分けに彼の屋敷へ 連絡を入れてすぐの二つ返事が嬉しくて、足取りは軽く弾む 通された部屋は珍しく書きかけの書類の束 もしかしてお仕事の途中? 一声かけて通い慣れた台所で三時の支度を行う 剥いた柿と、拝借した湯呑にほうじ茶を淹れて差し出す 美味しいよ。召し上がれ うん?上の戸棚に仕舞ってあったでしょう 何処に何があるのか、俺の方が分かっているかも知れないね ?!えっ、いや、ちょっと待って!(赤面 畳み掛ける言葉に照れて二の句が告げられず 何の役に立たなくても、側に居ていいの? 甘い誘惑。俺がずっと欲しかった居場所 (…でも。彼に甘えてばかりじゃ駄目だ、俺はまだ足りていない もう少しだけ…考えさせて。ごめんね |
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同居しているアパートでフィンと過ごす 有りそうで無かった何もしない時間 ラグマットが気持ちよくて、嬉しそうなフィンの顔を見れて フィンの言葉に彼の過去を思い…よし、今日はフィンを楽しませる! フィン、ゲームしよう オセロ、トランプ(スピード)、ボードゲーム(すごろく) …こういった遊びも、フィンは余りした事がないんじゃないかなと オセロもスピードも、ルールを覚えたらフィンは直ぐ順応して来た…けど、負けてはやらない!(真剣 …けど負けた…! けど、すごろくはサイコロ運だから サイコロに魂を込めて投げる…! 食事は二人で用意 手分けしたらスピードアップして、その分ゲームで勝負できるからな 当たり前だ、勝ち逃げなんて許さない |
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…遠足楽しみにしてて早寝したけど結局眠れなかった小学生ですかって なに探してんだよ …家具? なに引っ越すの? ……お前がくだらねぇのばっか買うからだろ… ピンクパンダのぬいぐるみとかいらねぇだろ オレが選ぶの…? 迷うって…女かよ…。あーはいはい… ・薄いピンクのシェルフが目に留まる …コレにしたら? そこまで喜ぶか… ふぅん…… って、待てっての! ほんとにそれで良いの? …あっそ ……(たまたまうさぎのキーホルダーが目に留まる …まあ、とりあえず…いらねぇかもだけど(購入 …これ べ…べっつに……ただの気まぐれですけど?(渡す |
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タイガの家に行くか図書館で続き読もうかな …トキワの家 今、居るよね ■生垣から覗く(猫が通れる隙間あり。幼少時の避難通路) よかった。ちゃんといた 絵描いてる…いつも背中をみてたな。ふいに居なくなって あっごめん。その用はないんだけど居るかなと思って …お邪魔します(トキワの家も久々だ変わってない) ■本棚と絵に囲まれ乱雑に置かれた画材道具。絵の具で汚れた机に丸まった包装紙 …トキワ、お嫁さんもらいなよ そうじゃなくて(照)体の心配してるの。食べてる? !?モデルなんてやった事ないよっ もう、わかったよ … (静か。静かな時間は嫌いじゃないけど 眼差しで身が引き締まるな でも眩しい 励ますでも遠ざけるでもない、いつもの時間だ |
●日暮 聯とエルレインの休日
聯とエルレインは市街地のデパートまでやってきていた。
「レンた~ん、久々のお休みだよっ! お仕事がない日だなんて、なんて素敵な日なんだろうね☆」
昼食直後にも関わらず、エルレインのテンションは非常に高い。
聯もいきなり外へ連れ出されては人並みに気だるい気分になる。
「……遠足を楽しみにして昨日からはしゃいでた小学生かよ」
ぽつりと呟かれた言葉をエルレインは聞き逃さなかった。
「えへへ、だってこんなにいいお天気なんだもんっ」
薄桃色のゆるいくせ毛をふわりと、白桃色の尻尾を忙しなく揺らしながらエルレインは両手を高々と挙げる。
澄み切った青空に散らばる白い雲、暖かみを感じさせる陽光、まさに小春日和という表現がよく似合う。
こんな日に外へ出ないなんてもったいない!
エルレインは力強く主張しながら、きょろきょろと視線を巡らせ何かを探していた。
「って、なに探してんだよ?」
聯の呼びかけに視線をあちこちに向けながら、エルレインは悩ましげに返す。
「んー……ちょっと、家具をね?」
家具とは、買い物にしてはかなり大掛かりなショッピングだ。
「家具? なに、引っ越「折角レンたんちから近いのに引っ越しなんてしないよ!」
聯のクエスチョンに対し、エルレインのアンサーは非常に早かった。
早押しクイズで言えば、問題文を中ほどまで読んだ辺りにすでに解答し始めている程度に。
……語尾はほとんど食い気味に潰されていた。
「シェルフがほしいの。なかなか片付かなくて……」
困ったように溜め息を吐くエルレインに、聯は呆れたように溜め息を返す。
「……お前がくだらねぇのばっか買うからだろ、あのピンクパンダとか」
聯の記憶が正しければ、先日ピンクのパンダぬいぐるみを見た気がする。
部屋の片隅に鎮座していたものの、存在感はなかなかのものだった。
あれがなければ多少は部屋の景観も良くなるというのに……。
「あれはいるのっ、可愛いから!」
可愛いは正義なの! 女子力全開で力説してみせるエルレインの対応に、聯は再び溜め息を吐く。
なんやかんや賑やかに移動しているうちに、ラックやシェルフを置かれた一角にたどり着いた。
「いっぱいあるねぇ……目移りしちゃうっ」
あの白いシェルフも可愛いし、あっちのシェルフもデザインが素敵、あっちのシェルフも使いやすそう!
唸り声をあげるエルレインは悩んだ末に、聯に視線を向ける。
「レンたん選んでぇ……こんなに一杯あると迷っちゃう」
「あー……はいはい」
(「迷うって、女じゃあるまいし」)
呆れつつも、聯は一角の中に面倒そうに視線を巡らせた。
(「あっちはちょっとお堅い感じだし、そっちは南国風でちょっと違うんだよな」)
エルレインの趣味はわかりやすい。
白とピンクの可愛らしいモノが好きだ、ノーヒントで選んでいるもののピンクのパンダの色合わせで想像がつく。
――視線を動かしている途中、そんなパンダに似た薄いピンク色が目に留まる。
デザインはロマンティック調な三段シェルフ、お値段もお手頃で買い時と言える。
「……アレにしたら?」
聯が指差してエルレインに示すと、件のシェルフに向かってぱたぱたと走り寄っていく。
「可愛いっ! うちのインテリアの色合いにも合いそうだし、レンたんセンスあるね~」
(「そこまで喜ぶか……?」)
嬉しそうに尻尾を揺らすエルレインは細部もまじまじと見つめ上機嫌。
好きそうだとは思ったものの、ここまで喜ばれるとは思わず聯としては照れ臭いところもある。
「これにする! 店員さーん♪」
「……って、待てっての! ほんとにそれで良いの?」
間髪入れずに店員を呼び寄せるエルレイン、驚いた聯は自分が選んだものでいいのかと問い質す。
しかしエルレインは端正な顔に、満面の笑みを浮かべた。
「良いのっ! だってレンたんが選んでくれたんだから……あ、これ欲しいんですけどっ」
すでに購入意欲を見せる相方の姿に、聯は頭を掻いて視線を逸らす。
(「アンタがそう言うなら良いけど……ん?」)
聯の目にあるものが留まった、普段なら気にもとめないようなものだったが。
(「まあ、いらねぇかもだけど」)
聯はエルレインが購入手続きを済ませる間に、こっそり自分も買い物を済ませる。
数分後、手続きを済ませ未組み立てのシェルフが入ったダンボールを抱えるエルレインが戻ってきた。
「レンたん待たせちゃってごめんね! じゃあ、行こっか」
早速、家に持ち帰って組み立てようと意気込んでいるエルレイン……しかし後ろから引っ張られて歩みを止めた。
「レンたん?」
「これ」
聯が差し出したのはうさぎのキーホルダー、ピンク色のうさぎが大きな人参を抱えている姿が愛らしい。
「へ? え! くれるの? 私に!? ……でも、なんで?」
突然の出来事に喜色満面のエルレインだが、何事かと驚く気持ちの方が強かった。
「べ、べっつに……ただのきまぐれ」
聯はぷいっとそっぽを向いてしまったが、それでもエルレインには嬉しい一日と言える日になった。
●セラフィム・ロイスとトキワの休日
セラフィムはなにもない日になにをしようかと悩んでいた。
(「図書館であの本の続きを読もうか、それとも……」)
虎の尻尾と耳がトレードマークの『彼』の家にでも行こうか、そこでセラフィムはあることに気づいた。
「トキワ、今なら家にいるよね」
A.R.O.A.の依頼はウィンクルムで行わなければならない。
当然、セラフィムと契約したトキワも例外ではない。
しかも日中不在の多い会社勤めではなく、絵画を製作する個人画家だ。
「……ちょっと行ってみようかな」
そんな感じでセラフィムが考えていたのは1時間ほど前。
その1時間後のトキワの家では、ようやく主人が目を覚ましたところだった。
「ふあぁぁ」
のそのそとベッドから這い出たトキワは眼鏡をかけると、身なりを軽く整えて上着を羽織る。
(「飯は、いいかぁ……描きかけのやつ、仕上げてぇなぁ」)
とは思ったものの、アトリエに入り製作途中の絵画を視界に入れると渋い顔になる。
イメージと構図はすでにトキワの脳内には浮かび上がっているのだ、それを写し出せば良いはずなのだが……。
「何か違うんだよなぁ」
考えているものと何かが違う、しかし何が違うのか……トキワには見いだせていなかった。
その為、手付かずのままになってしまっていることもあり、現在の悩みの種となっている。
「……単に俺の技量不足か」
だからいまだに鳴かず飛ばずなんだ。
自嘲気味に呟きながらトキワはタバコを取り出すと、目覚めの一服と洒落込むべく窓辺に足を向ける。
――窓を開いた瞬間、鮮やかな青色が視界の端に入る。
「うぉっ!?」
「あっ」
驚いて視線を向けると、そこでセラフィムが中を覗き込んでいた。
どうやら生垣の隙間を通ってきたようで、小さな葉っぱが髪に数枚ついている。
「セラ坊……」
「ごめん! その、用はないんだけど、居るかな、と思って」
声くらいかけろとトキワが呆れていると、セラフィムもすぐに弁解した。
留守だったらすぐに帰るつもりだったのだろう、今も所在なさげに視線を彷徨わせている。
「せっかく来たんだ、ゆっくりしてけ」
家に上がるようにと玄関を指すように顎をしゃくるトキワに、セラフィムはホッと一息吐くとそのまま迎え入れてもらった。
「お邪魔します」
アトリエには古びた本棚、乱雑に置かれた画材道具、他にも仕事で使うためのモノで部屋の半分以上が埋め尽くされている。
アトリエと寝床を一緒にした、質素な家の風景にセラフィムは懐かしさを憶える。
(「トキワの家、変わってないなぁ」)
しかし、それ以上に気になるのは食事をした痕跡が見受けられないことだ。
妻帯者ならば、妻が旦那の世話を甲斐甲斐しく見てくれるかもしれないだろうに……。
そう思ったセラフィムはそのまま言葉にした。
「……トキワ、お嫁さんもらいなよ」
「余計なお世話だ、俺への当て付けか?」
唐突に結婚を勧められ、作業机に備え付けていた椅子に腰掛けたトキワは苦虫を噛んだような表情で視線を鋭くする。
デリケートな問題だけに、少々伝え方が辛口になってしまったかもしれない。
「そ、そうじゃなくて! 体の心配してるの。ご飯は食べてる?」
露骨に不機嫌にさせてしまったと察したセラフィムは慌てて弁解する。
トキワは呆れた様子を見せながら、小指で耳の穴をほじくる。
「んー……食った気がする」
「うん、その答えでよく解ったよ」
曖昧な返事が返ってきたことに、セラフィムは考えるまでもなく『食べていないのだ』と確信した。
トキワの手を掴むと、強引に外へ連れ出そうとする。
「お、おい!」
「ちゃんと栄養を摂っておかなきゃ、いいアイデアも浮かばないよ?」
今日はオーガ退治の依頼もないのだ、絵描きの仕事も休んで羽を伸ばせば妙案も浮かんでくるかもしれない。
セラフィムに説得されながら、トキワは引きずり出されるように外食へと向かうことになった。
(「……ま、今日は筆休めとするか」)
●蒼崎 海十とフィン・ブラーシュの休日
(「今日はフィンと家で過ごしてみるのもいいかもしれない」)
海十は晴れ晴れとした外の風景を見つめていたが、
ありそうでなかった何もしない時間を有意義に使いたいと考えていた。
「フィンに聞いてみよう」
承諾が無ければ意味がない、海十が自室から出てリビングに向かってみると――。
「あぁ、気持ちいい~……」
真っ白なラグマットを敷いて、日当たりの良い場所にゴロゴロと寝転ぶ恋人の姿。
無邪気に寝転がる姿は微笑ましく、年上ながら可愛らしいと思えた。
海十が見ていることにも気付かずにフィンは窓辺に向くと動きを止めた。
「こんな過ごし方、子供の頃は出来なかったなぁ」
ハァ、と大きく溜め息を吐くフィンの背中はどこか寂しそうに見えた。
(「フィンの家、すごく厳格な家庭環境だって言ってたな」)
家督の相続問題、兄弟との確執。
計り知れない威圧感の中、有意義に遊ぶことも出来なかっただろう。
(「よし」)
蒼崎海十、本日の予定が決定いたしました。
「……はぁぁ」
暖かな日差しの心地よさが却ってフィンに寂しさを覚えさせていた。
思えばこんなにゆっくり過ごしているのは初めてかも知れない。
「フィン」
頭上から聞こえる海十の声にフィンが身体を起こし振り返ると、ラグマットの上にドサリと薄く大きな箱が重ねて置かれる。
「ゲームしよう」
フィンを楽しませる、それが今日の海十の課題だ。
オセロ、トランプ、すごろくなどのボードゲーム。
目を白黒させていたフィンは物珍しそうに手に取って見つめる。
「これ、ゲームなの?」
意外なことにフィンはトランプはおろか、オセロすら知らなかった。
「やった事もないな……ルール教えてくれる?」
(「こういう遊び、したことないんじゃないかと思ったけど」)
海十の予想通りだったが、少しやるせなさを憶えた。
「ああ、まずオセロから教える」
気を取り直し、まずはオセロとトランプでの遊び方を教えることにした。
「自分のチップで相手チップを挟むと、自分のチップに変えられる……陣取りゲームっぽい感じかな?」
「そう。角をとられたら挟めなくなるから、有利な状況に持ち込みやすくなるんだ。トランプはいくつか遊び方があるんだけど、今日はスピードっていうゲームを……」
動きを見せてもらいながらルール説明を受けるフィンは、全く知らないゲームとあって興味津々で相槌を打っていた。
「手札を全部無くしたら勝ちかぁ、シンプルだけど奥が深そうなゲームだね」
「フィンはどっちがやりたい?」
改めてどちらをやってみたいかと聞かれ、フィンは指で顎を撫でながら視線を交互に向ける。
「オセロにしようかな」
モノクロのチップでコイントスするフィンは、手の甲に落ちたと同時に反対の手を乗せる。
「どっちだと思う?」
「……黒」
見てみるとチップは白色、フィンが先攻でゲームはスタート。
盤上に4枚のチップを並べると、フィンが黒のチップを置いていく。
――それから数十分後。
「……負けた……!!」
オセロで敗北を喫し、途中でスピードに変えたものの結果はご覧の通り。
手元に残るトランプのカードを見つめ、海十はぶるぶると肩を震わせ悔しさを滲ませた。
一方、フィンは自身の手札である赤いスートのカードを出しきりにっこり笑顔。
「やったね! 勝利っ」
クールに見えて猪突猛進。海十は思った方向に戦況を動かそうとするため手の内が解りやすい。
フィンはそういう時、わざと二枚前と同じ数字のカードを出す。
そうすると海十は方向転換に動揺し一瞬手が止まるのだ。
(「悔しがる海十が可愛い……なら」)
「海十、ボードゲームで賭けをしない? 負けた方が勝った方にマッサージをするとか」
フィンは傍らに置かれていたスゴロクに手を伸ばし、勝負しようと申し出。
(「今までは駆け引きや戦術重視――けど、スゴロクは出目が全て」)
まだ俺にも勝ち目はある。海十は首を縦に振ると、箱から一式を取り出していく。
「うんうん、燃えて来たね!」
フィンも腕まくりしながらコマをふりだしに置いていく。
「先攻は海十からでいいよ」
フィンの提案で先攻は海十から。一投入魂、海十の気合がこもった賽の目や如何に。
***
「凄かったねぇ、借金一億円まで膨らんで冷や汗かいちゃった」
フィンは昼食の準備をしながら、黒星となったスゴロクの展開を思い出し笑いをこぼす。
「それに海十がご飯の手伝いを……あ、エプロンつけてね」
服が汚れちゃうからとフィンは海十にエプロンを手渡す。
「手分けしたらスピードアップして、その分ゲームができるからな」
そう言って野菜を洗い始める海十の背中を見つめるフィンは目をぱちくりさせる。
「まだゲームするの?」
「当たり前だ」
勝ち逃げなんて許さない、だからお昼ご飯を済ませてもう1回やる。
子供っぽくムキになる海十は当初の目的を忘れていたが、充分達成されていた。
「はいはい♪」
フィンは口元を緩めて、楽しげに卵をボウルに出していく。
●羽瀬川 千代とラセルタ=ブラドッツの休日
なぜ四季には蒸し暑い時期と寒々しい時期があるのだろうか。
ラセルタは外の天気が良いにも関わらず、肌寒い風の存在を嫌って自宅で過ごそうと考えていた。
――しかし、最近までオーガ退治に追われていた日々。
書斎のデスクの上には、気づけば仕事の書類の山が溜まっていた。
「……ふぅ」
珍しく溜め息を吐いている主人を呼び寄せようと、電話が騒がしく鳴り始める。
早々に電話を済ませてしまおうと、ラセルタは大股で歩み寄り受話器を握った。
「もしもし、ラセルタさん?」
「千代か」
煌びやかな装飾を施された受話器の向こうから聞こえてくるのは、愛しい千代の声。
ちょうど気が滅入っていたところにひと時の癒しが訪れる。
「庭で甘い柿が一杯取れてね、ラセルタさんにもお裾分けしたいなって……そっちに行っても、いいかな」
「そういうことか、問題ない。道中は気を付けて来るのだぞ」
ラセルタは二つ返事で承諾すると、電話は手短に終えて千代の来訪を待つことにした。
(「では、さっさと仕事を済ませるか……いや、千代が来るのだから書類を整頓しておくべきか?」)
ラセルタは千代が来る直前まで悩んでいたせいで、結局仕事が手つかずになってしまったのはここだけの秘密である。
一方、支度を終えた千代は袋一杯の柿を手に意気揚々と外へ出た。
弾むような軽い足取りは千代がいかに機嫌を良くしているのか、傍から見てもよく解る。
秋晴れの空の下、冬の到来が間近であると告げるように肌寒く穏やかな風が頬を撫でていく。
気づけば視線の先に通い慣れたお屋敷が見えてきた、千代がベルを鳴らすと遅れてラセルタが顔を出す。
「待っていたぞ、千代」
出迎えたラセルタに通された先には、山積みの紙束が置かれていた。
「あれ……もしかして、お仕事の途中?」
「気にするな、この程度すぐに片付く」
申し訳なさそうに眉を垂れる千代に、ラセルタは手を伸ばし焦げ茶がかった黒髪に指先を通す。
「御褒美があれば尚更良いのだがな?」
甘い言葉に恥じらいを覚えつつ、千代は微笑を浮かべて見せる。
ラセルタも端正な口元を緩め笑みを返す。
「あ、もうすぐ3時だね。お台所借りるよ」
千代は壁にかかった時計をみて一声かけると、お茶の用意を済ませようと使い慣れてきた台所へ向かう。
***
「美味しいよ、召し上がれ」
千代は丁寧に皮を剥いて一口サイズにカットした柿と、ほうじ茶入りの湯呑みを差し出す。
湯呑みを受け取りながら、ラセルタは爪楊枝を柿に刺して口元に運ぶ。
「……しっとりして濃厚な甘みがある。食べ頃だな」
満足げに呟きながら口直しにほうじ茶を啜ると、ふと湯呑みが目に入る。
「こんなもの、俺様は所有していただろうか」
「うん? 上の戸棚に仕舞ってあったでしょう」
首を傾げるラセルタに千代は台所で見つけたものだと伝える。
不思議そうに見つめる家主のラセルタよりも、自分が所在を把握していたことに笑いがこぼれる。
「あははっ、俺の方が家のこと解ってるかもしれないね」
自分の方がこの屋敷に置かれている物を把握しているんじゃないかと、千代は冗談めかしに口にする。
愛しげに目を細め見つめていたラセルタだったが――スッと、表情を引き締め真剣な眼差しに変わる。
「では、いつ此方へ越して来ても問題は無いな?」
「へっ?!」
ラセルタの言葉に千代の顔は一瞬で真っ赤に染め上がる。
「えっ、いや、ちょっと「前々から誘っているだろう。俺様と共に暮らせと」
畳みかけるように、矢継ぎ早に掛けられるラセルタの情熱的な誘い。
こみ上げる羞恥に、動揺する千代の口から二の句がなかなか出てこない。
「大した荷物も無いのだから身一つで来て構わんぞ」
いつでも迎え入れる準備は出来ている、遠回しに伝える言葉から滲む独占欲。
「……何の役に立たなくても、側に居ていいの?」
「役に立つ、などお前は考えなくていい。すぐ傍に千代が在る事実……それが大事なのだ」
それだけで満たされる、なんて甘美な響きなのだろうと千代の心は強く揺さぶられる。
……揺さぶられるからこそ、迷いも生じる。
(「でも……ラセルタさんに甘えてばかりじゃ駄目だ、俺はまだ足りていない」)
ラセルタさんの役に立ちたい、もっと支えられるようになりたい。
心優しいが故に千代は、自身の力不足を痛いほど感じていた。
「もう少しだけ……考えさせて」
ごめんねと、千代の絞り出した実直な言葉にラセルタは苦しげに眉を顰める。
「……そう、長くは待たんぞ?」
申し訳なさそうにうなだれる千代に手を伸ばし、抱き寄せながらラセルタは耳元で囁いた。
(「千代は俺様のものなのだから」)
二度と失いたくないという執着心。裏に潜む恐怖心を押し隠すように、ラセルタは抱きしめる腕に力を込める。
| 名前:日暮 聯 呼び名:レンたん |
名前:エルレイン 呼び名:アンタ、お前 |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | 木乃 |
| エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | ハートフル |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | とても簡単 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 4 / 3 ~ 4 |
| 報酬 | なし |
| リリース日 | 11月18日 |
| 出発日 | 11月26日 00:00 |
| 予定納品日 | 12月06日 |

2015/11/23-22:39
んあ…挨拶遅れた。日暮聯。……よろしく?
あいつがやけにそわそわしてるっつーか…なんなんだか。
2015/11/21-21:44
2015/11/21-12:30
2015/11/21-00:15

